JP5309904B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動力伝達装置に関するものである。
従来、エンジンのトルクを各車輪に伝達する駆動伝達系の途中に設けられ、クラッチ機構の係合力に基づいて入力側から出力側へ伝達可能なトルク容量、即ちトルク伝達容量を変更可能なトルクカップリングを備えた駆動力伝達装置がある。
例えば、特許文献1には、フロントハウジングとインナシャフトとの間に配置され軸方向に押圧されることでこれらをトルク伝達可能に連結するメインクラッチ(クラッチ機構)と、メインクラッチを押圧するカム機構及び同カム機構を作動するパイロットクラッチを備えたトルクカップリングが開示されている。このパイロットクラッチは、電磁コイルを駆動源とする電磁クラッチとして構成されている。そして、電磁コイルへの通電量を制御することで、メインクラッチの係合力を調整しトルク伝達容量を制御可能な構成となっている。
ところで、このようなトルクカップリングでは、各クラッチプレート間に潤滑油が介在された所謂湿式クラッチとして構成されているため、パイロットクラッチの非作動時でも、その間に介在された潤滑油の粘性に基づく係合力に起因して所謂引きずりトルクが発生する。そして、潤滑油の粘性はその温度によって変化するため、トルクカップリングの温度変化によって引きずりトルクの大きさも変化してしまい、トルク伝達容量を高精度に制御できなくなる虞がある。
そこで、トルクカップリングの温度を温度センサで検出し、この検出した温度に応じてトルク伝達容量の制御目標値を補正することで、温度変化に左右されず、高精度にトルク伝達容量を制御できるようにした駆動力伝達装置が知られている。
特開2002−61677号公報
ところで、トルクカップリングの温度を温度センサにて検出する場合、フロントハウジング及びインナシャフトは何れも回転部位であるため、その温度を直接測定することは困難である。そこで、この場合には、一般に非回転部位であるヨーク等に温度センサを設け、同温度センサの検出値(ヨークの温度)に基づいてトルク伝達容量の制御目標値を補正している。
ここで、一般に、各構成部品(ヨークやリヤハウジング等)の寸法や組み付け精度等の条件に起因して、例えばリヤハウジングとヨークとの相対位置がトルクカップリング毎に異なるため、リヤハウジング等の回転部位からヨーク等の非回転部位への熱伝達特性がトルクカップリング毎に異なってしまう。つまり、トルクカップリング毎に、その回転部位からその非回転部位へ伝達される熱量がばらついてしまう。
従って、回転部位の温度と非回転部位の温度との関係がトルクカップリング毎に異なり、検出したヨークの温度に対する潤滑油の温度がトルクカップリング毎にばらついてしまう。その結果、トルクカップリング毎の熱伝達特性のばらつきに対応してトルク伝達容量を高精度に制御することが困難であり、この点においてなお改善の余地があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、熱伝達特性のばらつきに対応してトルク伝達容量を高精度に制御することができる駆動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、エンジンのトルクを各車輪に伝達する駆動伝達系の途中に設けられ入力側から出力側へ伝達するトルク容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングのトルク伝達容量を制御する制御手段とを備えた駆動力伝達装置であって、前記制御手段は、前記トルクカップリングの非回転部位の温度を検出する温度検出手段の検出値、及び前記トルクカップリングの回転部位と前記非回転部位との間の熱伝達特性を示す熱伝達特性情報に基づいて前記トルク伝達容量を制御するものであり、前記トルクカップリングは、筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材内に回転自在に同軸配置された第2回転部材と、前記第1回転部材及び前記第2回転部材との間に配置され軸方向に押圧されることにより前記第1回転部材及び前記第2回転部材をトルク伝達可能に連結するクラッチ機構と、前記クラッチ機構の軸方向の一側に軸方向移動可能に設けられたアーマチャと、前記クラッチ機構の軸方向の他側に並置されるとともに前記第1回転部材又は前記第2回転部材と一体回転可能に設けられる磁路形成部材と、前記クラッチ機構との間に前記磁路形成部材を介在させて設けられる電磁コイルと、前記電磁コイルを支持するヨークとを備え、前記電磁コイルに吸引されて移動する前記アーマチャの押圧力により前記クラッチ機構を摩擦係合させるように構成され、前記トルクカップリングの回転部位は、前記第1回転部材、前記第2回転部材、前記クラッチ機構、前記アーマチャ及び前記磁路形成部材からなり、前記トルクカップリングの非回転部位は、前記電磁コイル及び前記ヨークからなり、前記熱伝達特性情報は、前記磁路形成部材と前記ヨークとの間に形成され、前記電磁コイルの発生する磁束が通過するエアギャップの大きさを含み、前記ヨークは、車両の非回転部位に固定され、前記温度検出手段は、前記ヨークに設けられた温度センサであることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、エンジンのトルクを各車輪に伝達する駆動伝達系の途中に設けられ入力側から出力側へ伝達するトルク容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングのトルク伝達容量を制御する制御手段とを備えた駆動力伝達装置であって、前記制御手段は、前記トルクカップリングの非回転部位の温度を検出する温度検出手段の検出値、及び前記トルクカップリングの回転部位と前記非回転部位との間の熱伝達特性を示す熱伝達特性情報に基づいて前記トルク伝達容量を制御するものであり、前記トルクカップリングは、筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材内に回転自在に同軸配置された第2回転部材と、前記第1回転部材及び前記第2回転部材との間に配置され軸方向に押圧されることにより前記第1回転部材及び前記第2回転部材をトルク伝達可能に連結するクラッチ機構と、前記クラッチ機構の軸方向に並置された電磁クラッチと、前記クラッチ機構と前記電磁クラッチとの間に設けられ前記電磁クラッチを介して伝達される前記第1回転部材と前記第2回転部材との回転差に基づくトルクを軸方向の押圧力に変換してカム部材を軸方向移動させることにより前記クラッチ機構を押圧するカム機構とを備え、前記電磁クラッチは、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルクを伝達する複数のクラッチプレートと、前記各クラッチプレートの軸方向の一側に軸方向移動可能に設けられたアーマチャと、前記クラッチ機構の軸方向の他側に並置されるとともに前記第1回転部材又は前記第2回転部材と一体回転可能に設けられる磁路形成部材と、前記各クラッチプレートとの間に前記磁路形成部材を介在させて設けられる電磁コイルと、前記電磁コイルを支持するヨークとを備え、前記電磁コイルに吸引されて移動する前記アーマチャの押圧力により前記各クラッチプレートを摩擦係合させるように構成され、前記トルクカップリングの回転部位は、前記第1回転部材、前記第2回転部材、前記クラッチ機構、前記カム機構、前記各クラッチプレート、前記アーマチャ及び前記磁路形成部材からなり、前記トルクカップリングの非回転部位は、前記電磁コイル及び前記ヨークからなり、前記熱伝達特性情報は、前記磁路形成部材と前記ヨークとの間に形成され、前記電磁コイルの発生する磁束が通過するエアギャップの大きさを含み、前記ヨークは、車両の非回転部位に固定され、前記温度検出手段は、前記ヨークに設けられた温度センサであることを要旨とする。
上記構成によれば、制御手段は、温度検出手段の検出値及びトルクカップリングの回転部位と非回転部位との間の熱伝達特性を示す熱伝達特性情報に基づき、トルクカップリングのトルク伝達容量を制御する。そのため、トルクカップリング毎の熱伝達特性のばらつきに対応してトルク伝達容量を高精度に制御することができる。
また、上記各構成によれば、熱伝達特性情報には、磁路形成部材とヨークとの間のエアギャップの大きさが含まれるため、制御手段は、エアギャップの大きさに基づいてトルク伝達容量を制御する。
ここで、一般に、トルクカップリングでは、各クラッチプレートの硬化処理(焼入れや窒化処理)の深さや摺動面に形成する被膜の厚みのばらつきなどに起因して磁気抵抗が変動し、電磁コイルに供給される電流とトルク伝達容量との関係(I−T特性)が個々のトルクカップリング毎にばらつく。そこで、トルクカップリングの組み付け後にI−T特性を測定し、基準値から所定値以上外れたものについては、外周面と内周面との間の寸法が異なるヨークを取り付けて、I−T特性が所定の許容範囲内になるようにする。具体的には、例えば寸法に応じてランク分けされた予め複数のヨークを用意し、ヨーク以外の各構成部品が組み付けられた状態で、そのI−T特性を測定する。そして、その結果に応じたランクのヨークを組み付けることで、ヨークと磁路形成部材との間のエアギャップの大きさを調整し、トルクカップリング毎のI−T特性のばらつきを低減している。そのため、トルクカップリングの回転部位から非回転部位への熱伝達経路のうち、エアギャップの大きさがトルクカップリング毎に異なることとなる。従って、エアギャップの大きさを熱伝達特性情報とすることで、効率的にトルクカップリング毎の熱伝達特性のばらつきに対応することが可能になる。
さらに、上記各構成によれば、ヨークが車両の非回転部位に固定されているため、磁路形成部材との間に軸受を介してヨークを支持せずともよく、部品点数を削減できる。なお、固定とは、ヨークが磁路形成部材等の回転部位と連れ回りすることを規制する回転方向の固定のみならず、ヨークの三次元方向の移動を規制する三次元方向の固定を含むものである。
ここで、ヨークと磁路形成部材との間に軸受を介在させない場合には、ヨークが磁路形成部材に軸受を介して相対回転可能に支持された場合(例えば、特許文献1参照)と異なり、磁路形成部材からヨークへの熱伝達は、主として磁路形成部材とヨークとの間のエアギャップを介して行われる。ここで、空気は熱伝導率が小さい物質であるため、エアギャップの大きさが僅かに異なる場合でも、回転部位から非回転部位に伝達される熱量が大きく異なる。従って、熱伝達特性情報としてエアギャップの大きさが含まれる上記各構成では、トルクカップリング毎の熱伝達特性のばらつきに対し、適切に対応してトルク伝達容量を高精度に制御することができるため、特に有効である。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の駆動力伝達装置において、前記制御手段は、寸法によりランク分けされた前記ヨークのランク情報に基づいて前記エアギャップの大きさを判断することを要旨とする。
上記構成によれば、制御手段は、ヨークのランク情報(ヨークの寸法ランク)により磁路形成部材とヨークとの間のエアギャップの大きさを判断する。ヨークのランク情報は、上記のようにトルクカップリングの製造時に把握できるため、トルクカップリング毎にエアギャップの大きさを測定し、該測定値を熱伝達特性情報とする場合に比べ、製造コストの増大を抑制できる。
本発明によれば、熱伝達特性のばらつきに対応してトルク伝達容量を高精度に制御することが可能な駆動力伝達装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする4輪駆動車である。車両1の前部(図1において左側)にはエンジン2が搭載されるとともに、そのエンジン2にはトランスアクスル3が組み付けられている。トランスアクスル3は、トランスミッション及びトランスファ等を有している。トランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4が連結されるとともに、プロペラシャフト5が連結されている。プロペラシャフト5は、トルクカップリング6を介してピニオンシャフト(ドライブピニオンシャフト)7と連結可能とされ、ピニオンシャフト7は、リヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9と連結されている。
エンジン2のトルクは、トランスアクスル3、フロントアクスル4を介して前輪10fに常時伝達されるようになっている。また、プロペラシャフト5とピニオンシャフト7とがトルクカップリング6にてトルク伝達可能に連結された場合、エンジン2のトルクは、プロペラシャフト5、ピニオンシャフト7、リヤディファレンシャル8及びリヤアクスル9を介して後輪10rに伝達されるようになっている。
従って、本実施形態では、前輪10fが主駆動輪として、後輪10rが補助駆動輪として構成されている。また、トランスアクスル3、フロントアクスル4、プロペラシャフト5、トルクカップリング6、ピニオンシャフト7、リヤディファレンシャル8、リヤアクスル9により、エンジン2のトルクを前輪10f及び後輪10rにそれぞれ伝達する駆動伝達系が構成されている。
トルクカップリング6及びリヤディファレンシャル8は、車両1のフレーム(図示略)に固定されたデフキャリヤ11内に収容されている。従って、デフキャリヤ11は、車両1の非回転部位として構成されている。
図2に示すように、デフキャリヤ11は、リヤディファレンシャル8(図2において図示略)が収容される本体部21と、本体部21の前端21a(図2において右端)に固定される円筒状のカップリングケース22とを備えている。そして、トルクカップリング6は、カップリングケース22に収容されている。
トルクカップリング6は、第1回転部材としてのフロントハウジング23と、第2回転部材としてのインナシャフト24とを備えている。
フロントハウジング23は、有底筒状をなし、その底部23a(同図中、左側)がカップリングケース22の外部に露出されるとともに、同底部23aの外周面がボール軸受25を介してカップリングケース22に対して回転可能に支持されている。
そして、フロントハウジング23の底部23aは、プロペラシャフト5に設けられたフランジ部(図示略)と、ボルト26によって連結される。これにより、フロントハウジング23は、駆動源であるエンジン2の発生するトルクの入力により回転するようになっている。
なお、このボール軸受25には、シール部材27が一体に設けられている。これによりカップリングケース22とフロントハウジング23との間を介して外部から異物が混入することを防止するようになっている。さらに、フロントハウジング23の開口端23bには、環状のリヤハウジング28が嵌着されている。
インナシャフト24は、フロントハウジング23の筒内に同一軸線上に配置されている。インナシャフト24は、フロントハウジング23の底部23a内周面に設けられたボール軸受29を介してフロントハウジング23に対して回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト7は、リヤハウジング28の内周に設けられたボール軸受30及びデフキャリヤ11の本体部21内周に設けられた円錐ころ軸受31を介してフロントハウジング23及びデフキャリヤ11に対して回転可能に支持されている。
また、インナシャフト24は円筒状をなし、その筒内に前記したピニオンシャフト7が貫挿されている。詳しくは、ピニオンシャフト7は、その基端側(図2における左側)に形成された連結部(スプライン嵌合部)7aが、インナシャフト24の内周面に形成された連結部(スプライン嵌合部)24aとスプライン嵌合することで、トルクカップリング6のインナシャフト24と連結固定されている。そして、ピニオンシャフト7の先端部は、リヤディファレンシャル8のデフケース(図示略)外周に形成されたリングギヤ(図示略)と噛合している。
なお、フロントハウジング23の筒内には、同フロントハウジング23とリヤハウジング28との嵌合部、及びリヤハウジング28の内周とインナシャフト24の外周との間に設けられたシール部材32,33により封止されたクラッチ収容室Rが形成され、そのクラッチ収容室R内には所定の充填率(本実施形態では、10〜90%)で潤滑油37が収容されている。なお、図2において潤滑油37を点ハッチングにより示す。
また、フロントハウジング23とインナシャフト24との間には、図2左側からクラッチ機構としてのメインクラッチ34、カム機構35及びパイロットクラッチ36の順に配置されている。
メインクラッチ34は、フロントハウジング23とインナシャフト24とをトルク伝達可能に連結する多板式の摩擦クラッチであって、交互に配置される複数のアウタクラッチプレート38と複数のインナクラッチプレート39とを有している。
具体的には、各アウタクラッチプレート38はフロントハウジング23の内周にスプライン嵌合され、同フロントハウジング23に対して、それぞれ軸方向移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、各アウタクラッチプレート38は、フロントハウジング23と一体回転可能に設けられている。一方、各インナクラッチプレート39はインナシャフト24の外周にスプライン嵌合され、同インナシャフト24に対して、それぞれ軸方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、各インナクラッチプレート39は、インナシャフト24と一体回転可能に設けられている。
そして、メインクラッチ34は、これら各アウタクラッチプレート38及びインナクラッチプレート39が軸方向に押圧され、互いに摩擦係合することにより、フロントハウジング23とインナシャフト24(ピニオンシャフト7)とをトルク伝達可能に連結するようになっている。このとき、フロントハウジング23とインナシャフト24との間の伝達トルクは、各アウタクラッチプレート38及びインナクラッチプレート39の摩擦係合力、即ち軸方向の押圧力に応じて変化する。
メインクラッチ34の左側に配置されたカム機構35は、カム部材としてのメインカム41と、パイロットカム42と、メインカム41とパイロットカム42との間に介在されたカムフォロア43とを備えている。
メインカム41は円環状に形成され、メインクラッチ34側に配置されている。また、メインカム41は、インナシャフト24に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合し、同インナシャフト24に対して、軸線方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、メインカム41は、インナシャフト24と一体回転可能に設けられている。
一方、パイロットカム42は円環状に形成され、リヤハウジング28側に配置されている。パイロットカム42は、インナシャフト24に対して周方向に相対回転可能に支持されている。また、パイロットカム42は、リヤハウジング28との間に設けられたニードル軸受44に摺動可能に当接されている。従って、パイロットカム42は、リヤハウジング28に対して一定の間隔を保持して相対回転可能に支持されている。
メインカム41及びパイロットカム42の各対向面には、周方向に対して傾斜する複数のU字溝が等角度間隔で形成されており、カムフォロア43は、これら対向する各U字溝内に配置された状態でメインカム41及びパイロットカム42により挟持されている。そして、カム機構35は、メインカム41とパイロットカム42とが相対回転することにより、これらメインカム41とパイロットカム42との間が離間、即ちメインカム41がメインクラッチ34側に軸方向移動し、メインカム41がメインクラッチ34に押圧力を付与するようになっている。
カム機構35の左側に配置されたパイロットクラッチ36は、フロントハウジング23とパイロットカム42とをトルク伝達可能に連結する多板式の摩擦クラッチであって、2枚のアウタクラッチプレート46と1枚のインナクラッチプレート47とを有している。
具体的には、各アウタクラッチプレート46は、フロントハウジング23の内周にスプライン嵌合され、同フロントハウジング23に対して、軸方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、各アウタクラッチプレート46は、フロントハウジング23と一体回転可能に設けられている。
一方、インナクラッチプレート47は、2枚のアウタクラッチプレート46の間に配置されるとともに、パイロットカム42の外周にスプライン嵌合され、同パイロットカム42に対して軸方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、インナクラッチプレート47は、パイロットカム42と一体回転可能に設けられている。
そして、これらアウタクラッチプレート46とインナクラッチプレート47とは、軸方向に押圧されることで、互いに摩擦係合する作動状態となる。そして、パイロットクラッチ36は、アウタクラッチプレート46とインナクラッチプレート47とが互いに摩擦係合することにより、フロントハウジング23とパイロットカム42とをトルク伝達可能に連結するようになっている。
即ち、パイロットカム42は、アウタクラッチプレート46とインナクラッチプレート47とが摩擦係合していないパイロットクラッチ36の非作動状態の時に、メインカム41、即ちインナシャフト24とともに一体回転する。このとき、フロントハウジング23とパイロットカム42との間には、フロントハウジング23とインナシャフト24との回転差に相当する回転差が生じるようになっている。
そして、パイロットクラッチ36は、その作動により、フロントハウジング23とパイロットカム42とをトルク伝達可能に連結することで、フロントハウジング23とインナシャフト24(パイロットカム42)との回転差に基づくトルクをカム機構35に伝達するようになっている。
つまり、トルクカップリング6では、パイロットクラッチ36が作動状態の時に、フロントハウジング23とインナシャフト24との回転差に基づくトルクがカム機構35に伝達される。その結果、カム機構35は、そのメインカム41とパイロットカム42との回転差に基づいて伝達されるトルクにより同メインカム41を軸方向メインクラッチ34側に移動させる。即ち、カム機構35は、パイロットクラッチ36を介して伝達されたフロントハウジング23とインナシャフト24との回転差に基づくトルクを軸方向の押圧力に変換し、かつ増幅する。そして、メインカム41がメインクラッチ34を押圧することにより、同メインクラッチ34のアウタクラッチプレート38とインナクラッチプレート39とが摩擦係合し、フロントハウジング23とインナシャフト24とがトルク伝達可能に連結されるようになっている。
パイロットクラッチ36は、電磁コイル51を駆動源とする電磁クラッチとして構成されている。
詳述すると、図3に示すように、磁路形成部材としてのリヤハウジング28は、環状の外周筒部28aと、その外周筒部28a内に設けられた環状の内周筒部28bと、外周筒部28aと内周筒部28bとの間に設けられた環状の磁路遮断部28cとを備えている。外周筒部28a及び内周筒部28bは鉄などの磁性材料からなり、磁路遮断部28cは、ステンレス等の非磁性材料からなる。そして、リヤハウジング28には、フロントハウジング23の筒外(図1中右側)に開口する環状溝52が形成されており、その環状溝52内に電磁コイル51がヨーク53に包囲されて収容されている。
具体的には、環状のヨーク53は、デフキャリヤ11の本体部21の前端21aに固定されている。本実施形態では、図2に示すように、ヨーク53はねじ54により本体部21の前端21aに固定されている。これにより、ヨーク53は、リヤハウジング28等との連れ回りが規制されるとともに、ヨーク53の三次元方向の移動が規制される。
なお、本実施形態では、ヨーク53とリヤハウジング28との間には、軸受が介在されていない。図3に示すように、ヨーク53は、同ヨーク53とリヤハウジング28の外周筒部28a及び内周筒部28bとの間に、それぞれ所定のエアギャップG1,G2を形成して環状溝52内に配置されている。また、ヨーク53には、温度検出手段としての温度センサ55が設けられている。
上記のように構成されたトルクカップリング6は、アウタクラッチプレート46やインナクラッチプレート47の硬化処理(焼入れや窒化処理)の深さや摺動面に形成する被膜の厚みのばらつきなどに起因して磁気抵抗が変動し、電磁コイル51に供給される駆動電流とトルク伝達容量との関係(I−T特性)が個々のトルクカップリング毎にばらつく。そこで、トルクカップリングの組み付け後にI−T特性を測定し、基準値から所定値以上外れたものについては、外周面と内周面との間の寸法が異なるヨークを取り付けて、I−T特性が所定の許容範囲内になるようにする。本実施形態では、寸法に応じてランク分けされた複数のヨーク53を予め用意し、ヨーク53以外の各構成部品が組み付けられた状態のトルクカップリングのI−T特性を測定し、その結果に応じたランクのヨーク53を組み付けている。
つまり、ヨーク53の寸法を変更することで、ヨーク53とリヤハウジング28との間のエアギャップG1,G2を調整し、トルクカップリング6毎のI−T特性のばらつきを低減している。この結果、ヨーク53の寸法及びエアギャップG1,G2の大きさは、ヨーク53以外の各構成部品が組み付けられた状態のI−T特性に応じてトルクカップリング6毎に異なることとなる。
カム機構35のメインカム41とパイロットクラッチ36との間には、円環状に形成されたアーマチャ56が配置されている。アーマチャ56は、フロントハウジング23の内周面に対して軸方向に移動可能にスプライン嵌合されている。
そして、電磁コイル51への通電により、ヨーク53、リヤハウジング28(外周筒部28a)、パイロットクラッチ36、アーマチャ56、パイロットクラッチ36、リヤハウジング28(内周筒部28b)、及びヨーク53間を循環する磁路Zが形成される。この磁気誘導作用により、アーマチャ56は電磁コイル51側に吸引され、リヤハウジング28との間にパイロットクラッチ36を挟み込むように移動することにより、同パイロットクラッチ36が摩擦係合するようになっている。
このように、トルクカップリング6は、電磁コイル51に対する電流供給を通じてパイロットクラッチ36の作動を制御することが可能である。そして、このパイロットクラッチ36の作動を通じてメインクラッチ34の作動、即ち、フロントハウジング23とインナシャフト24との間で伝達可能なトルクを可能に制御可能な構成となっている。
なお、本実施形態では、フロントハウジング23、インナシャフト24、リヤハウジング28、メインクラッチ34、カム機構35、パイロットクラッチ36及びアーマチャ56によりトルクカップリング6の回転部位が構成されている。また、電磁コイル51及びヨーク53によりトルクカップリング6の非回転部位が構成されている。
次に、上記のように構成された車両1の電気的構成について説明する。
図1に示すように、トルクカップリング6には、制御手段としてのECU(電子制御装置)61が接続されている。ECU61は、ROM等のメモリ62を備えている。このメモリ62には、ヨーク53の寸法に応じた寸法情報及び熱伝達特性情報としてのランク情報Drが記憶されている。また、ECU61は、ヨーク53に設けられた温度センサ55と電気的に接続されている。
ECU61は、車両1の走行状態に応じてトルクカップリング6に駆動電流Iを供給し、この電流供給を通じてトルクカップリング6の作動を制御することにより、後輪10rに伝達可能なトルク容量、即ちトルク伝達容量を制御するようになっている。そして、ECU61は、車両1の走行状況に加え、温度センサ55により検出された検出値としてのヨーク温度Ty及びランク情報Drに基づいてトルク伝達容量を制御する。従って、本実施形態では、トルクカップリング6及びECU61により駆動力伝達装置が構成される。
具体的には、ECU61は、アクセル開度センサ63及び車輪速センサ64a〜64dと接続されている。ECU61は、各車輪速センサ64a〜64dにより検出された各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて車速V及び前輪10fと後輪10rとの間の車輪速差ΔWを算出する。そして、ECU61は、これら車速V,車輪速差ΔW及びアクセル開度Saに基づいてトルク伝達容量の制御目標値(目標トルクτp)を演算する。
さらに、ECU61は、メモリ62に記憶されたランク情報Drに基づいてヨーク53とリヤハウジング28の外周筒部28a及び内周筒部28bとの間のエアギャップG1,G2の大きさを判断し、これらエアギャップG1,G2に基づいて温度センサ55により検出されたヨーク温度Tyからクラッチ収容室R内の温度Tr、即ち潤滑油37の温度を推定する。本実施形態では、ECU61は、ヨーク53の寸法ランク毎に設定された補正係数を用い、ヨーク温度Tyに基づいてクラッチ収容室R内の温度Trを推定する。なお、ECU61は、エアギャップG1,G2が大きいほど、ヨーク温度Tyに対してクラッチ収容室R内の温度Trが高いと推定する。なぜなら、エアギャップG1,G2が大きいことによりクラッチ収容室Rの熱がヨーク53に伝導しにくいにもかかわらずヨーク温度Tyが上昇していれば、クラッチ収容室R内はより温度が高いと考えられるからである。
ECU61は、推定したクラッチ収容室R内の温度Trに基づいて、上記トルク伝達容量の制御目標値である目標トルクτpを補正する。なお、本実施形態では、ECU61は、推定したクラッチ収容室R内の温度Trが低いほど、目標トルクτpが小さくなるように補正する。なぜなら、潤滑油37の温度が低いと潤滑油37の粘性が高いので、目標トルクτpを小さくなるように補正しないと所望のトルク以上のトルクが下流側(ピニオンシャフト7側)に伝達されてしまうからである。そして、ECU61は、補正後の目標トルクτpaに対応する駆動電流Iをトルクカップリング6(電磁コイル51)供給する。
続いて、ECU61の目標トルクの補正制御の処理手順について図4のフローチャートに従って説明する。先ず、ECU61は、上記各状態量(各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrl、アクセル開度Sa及びヨーク温度Tyを)取得し(ステップ101)、トルク伝達容量の制御目標値である目標トルクτpを演算する(ステップ102)。続いて、ECU61はランク情報Dr及びヨーク温度Tyに基づいてクラッチ収容室R内の温度Trを推定する(ステップ103)。そして、そのクラッチ収容室R内の温度Trに基づいて目標トルクτpを補正し(ステップ104)、当該補正後の目標トルクτpaに対応する駆動電流Iをトルクカップリング6(電磁クラッチ12)に通電する(ステップ105)。
ここで、本実施形態のトルクカップリング6では、ヨーク53とリヤハウジング28との間に軸受が介在されていない。従って、メインクラッチ34等の回転部で発生した熱は、図3における白抜き矢印で示すように主としてエアギャップG1,G2を介して、リヤハウジング28からヨーク53へ伝達されるようになっている。また、上記のように、トルクカップリング6毎のI−T特性のばらつきを低減するため、ヨーク53とリヤハウジング28との間のエアギャップG1,G2の大きさがトルクカップリング6毎に異なっている。そして、空気は熱伝導率が小さい物質であるため、エアギャップG1,G2の大きさが僅かに異なる場合でも、リヤハウジング28から上記エアギャップG1,G2を介してヨーク53に伝達される熱量が大きく異なる。
この点、本実施形態では、ECU61はエアギャップG1,G2の大きさ(トルクカップリングの熱伝達特性)を考慮し、ヨーク温度Tyに基づいて目標トルクτpを補正する。従って、トルクカップリング6毎の熱伝達特性のばらつきに対応して高精度にトルク伝達容量を制御できる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)エンジン2のトルクを前輪10f及び後輪10rに伝達する駆動伝達系の途中に設けられ入力側(プロペラシャフト5)から出力側(ピニオンシャフト7)へのトルク伝達容量を変更可能なトルクカップリング6と、トルク伝達容量を制御するECU61とを備えた。また、非回転部位であるヨーク53に温度センサ55を設けた。そして、ECU61は、温度センサ55の検出したヨーク温度Ty及びメモリ62に記憶したランク情報Drに基づいてトルク伝達容量を制御するようにした。そのため、トルクカップリング6毎のリヤハウジング28等の回転部位からヨーク53等の非回転部位への熱伝達特性のばらつきに対応して高精度にトルク伝達容量を制御することができる。
(2)ECU61は、リヤハウジング28とヨーク53との間に形成され、電磁コイル51の発生する磁束が通過するエアギャップG1,G2の大きさに基づいてヨーク温度Tyからクラッチ収容室R内の温度Trを推定するようにした。そのため、トルクカップリング6のリヤハウジング28等の回転部位からヨーク53等の非回転部位への熱伝達経路のうち、上記のようにI−T特性のばらつき低減のために調整したエアギャップG1,G2の大きさを熱伝達特性情報とすることで、効率的にトルクカップリング6毎の熱伝達特性のばらつきに対応することができる。
(3)ヨーク53を車両1の非回転部位であるデフキャリヤ11の本体部21の前端21aに固定した。そのため、リヤハウジング28との間に軸受を介してヨーク53を支持せずともよく、部品点数を削減できる。
この場合には、ヨーク53がリヤハウジング28に軸受を介して相対回転可能に支持された場合(例えば、特許文献1参照)と異なり、リヤハウジング28からヨーク53への熱伝達は、主としてエアギャップG1,G2を介して行われる。この点、本実施形態では、熱伝達特性情報としてエアギャップG1,G2の大きさが含まれるため、トルクカップリング6毎の熱伝達特性のばらつきに対し、適切に対応してヨーク温度Tyを補正することができる。
(4)ECU61は、エアギャップG1,G2の大きさを寸法によりランク分けされたヨーク53のランク情報Drに基づいて判断するようにした。ランク情報Drは、上記のようにトルクカップリング6の製造時に把握できるため、トルクカップリング6毎にエアギャップG1,G2の大きさを計測し、該計測値を熱伝達特性情報とする場合に比べ、製造コストの増大を抑制できる。
なお、本実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、温度センサ55によって、ヨーク温度Tyを検出したが、これに限らず、例えば電磁コイル51に印加する電圧の実効値と電流値との関係から抵抗値を求め、該抵抗値に基づいて電磁コイル51の温度を検出してもよい。
・上記実施形態では、熱伝達特性情報としてヨーク53のランク情報Drを用いたが、これに限らず、リヤハウジング28とヨーク53とのエアギャップG1,G2の大きさを計測し、この計測された値を用いてもよい。
・上記実施形態では、熱伝達特性情報としてエアギャップG1,G2の大きさを用いたが、これに限らない。例えば、トルクカップリング6毎にリヤハウジング28からヨーク53への熱伝導率を実際に測定し、その結果を熱伝達特性情報としてもよい。
・上記実施形態では、ヨーク53をデフキャリヤ11の本体部21の前端21aにねじ54により固定したが、これに限らず、ヨーク53を、リヤハウジング28に対して軸受を介して相対回転可能に支持し、デフキャリヤ11に対して回り止めのみするようにしてもよい。
・上記実施形態では、ランク情報Dr及びヨーク温度Tyに基づいてクラッチ収容室R内の温度Trを推定し、該温度Trに基づいて目標トルクτpを補正したが、これに限らない。例えば、ヨーク温度Tyに基づいて目標トルクτpを補正し、ランク情報Drのみに基づいて、補正後の目標トルクτpaや駆動電流Iを補正するようにしてもよい。
・上記実施形態では、トルクカップリング6を、電磁クラッチとしてのパイロットクラッチ36により伝達されるトルクを増幅するメインクラッチ34及びカム機構35を備えて構成したが、これに限らない。例えば、トルクカップリング6に、メインクラッチ34及びカム機構35を設けず、クラッチ機構としてのパイロットクラッチ36によりフロントハウジング23とインナシャフト24とをトルク伝達可能に構成してもよい。
・上記実施形態では、パイロットクラッチ36を電磁クラッチとして構成し、電磁コイル51に電流を供給したが、これに限らず、油圧によりパイロットクラッチ36を作動させ、油圧バルブに供給する電流を制御することで、トルク伝達容量を制御するようにしてもよい。
・上記実施形態では、トルクカップリング6は、プロペラシャフト5とリヤディファレンシャル8との間に介在されることとしたが、駆動系を構成するその他の箇所、例えばリヤディファレンシャル8と後輪10rとの間等に配置してもよい。
・上記実施形態では、前輪10fを主駆動輪とする車両1に駆動力伝達装置を搭載したが、これに限らず、後輪10rを主駆動輪とする車両に搭載してもよい。
駆動力伝達装置を備えた車両の概略構成図。 トルクカップリングの断面図。 トルクカップリングの拡大断面図。 目標トルクの補正制御の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…車両、2…エンジン、6…トルクカップリング、10f…前輪、10r…後輪、23…フロントハウジング、24…インナシャフト、28…リヤハウジング、34…メインクラッチ、35…カム機構、36…パイロットクラッチ、38,46…アウタクラッチプレート、39,47…インナクラッチプレート、41…メインカム、51…電磁コイル、53…ヨーク、55…温度センサ、56…アーマチャ、61…ECU、Dr…ランク情報、G1,G2…エアギャップ、Tr…温度。

Claims (3)

  1. エンジンのトルクを各車輪に伝達する駆動伝達系の途中に設けられ入力側から出力側へ伝達するトルク容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングのトルク伝達容量を制御する制御手段とを備えた駆動力伝達装置であって、
    前記制御手段は、前記トルクカップリングの非回転部位の温度を検出する温度検出手段の検出値、及び前記トルクカップリングの回転部位と前記非回転部位との間の熱伝達特性を示す熱伝達特性情報に基づいて前記トルク伝達容量を制御するものであり、
    前記トルクカップリングは、筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材内に回転自在に同軸配置された第2回転部材と、前記第1回転部材及び前記第2回転部材との間に配置され軸方向に押圧されることにより前記第1回転部材及び前記第2回転部材をトルク伝達可能に連結するクラッチ機構と、前記クラッチ機構の軸方向の一側に軸方向移動可能に設けられたアーマチャと、前記クラッチ機構の軸方向の他側に並置されるとともに前記第1回転部材又は前記第2回転部材と一体回転可能に設けられる磁路形成部材と、前記クラッチ機構との間に前記磁路形成部材を介在させて設けられる電磁コイルと、前記電磁コイルを支持するヨークとを備え、前記電磁コイルに吸引されて移動する前記アーマチャの押圧力により前記クラッチ機構を摩擦係合させるように構成され、
    前記トルクカップリングの回転部位は、前記第1回転部材、前記第2回転部材、前記クラッチ機構、前記アーマチャ及び前記磁路形成部材からなり、
    前記トルクカップリングの非回転部位は、前記電磁コイル及び前記ヨークからなり、
    前記熱伝達特性情報は、前記磁路形成部材と前記ヨークとの間に形成され、前記電磁コイルの発生する磁束が通過するエアギャップの大きさを含み、
    前記ヨークは、車両の非回転部位に固定され、
    前記温度検出手段は、前記ヨークに設けられた温度センサであることを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. エンジンのトルクを各車輪に伝達する駆動伝達系の途中に設けられ入力側から出力側へ伝達するトルク容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングのトルク伝達容量を制御する制御手段とを備えた駆動力伝達装置であって、
    前記制御手段は、前記トルクカップリングの非回転部位の温度を検出する温度検出手段の検出値、及び前記トルクカップリングの回転部位と前記非回転部位との間の熱伝達特性を示す熱伝達特性情報に基づいて前記トルク伝達容量を制御するものであり、
    前記トルクカップリングは、筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材内に回転自在に同軸配置された第2回転部材と、前記第1回転部材及び前記第2回転部材との間に配置され軸方向に押圧されることにより前記第1回転部材及び前記第2回転部材をトルク伝達可能に連結するクラッチ機構と、前記クラッチ機構の軸方向に並置された電磁クラッチと、前記クラッチ機構と前記電磁クラッチとの間に設けられ前記電磁クラッチを介して伝達される前記第1回転部材と前記第2回転部材との回転差に基づくトルクを軸方向の押圧力に変換してカム部材を軸方向移動させることにより前記クラッチ機構を押圧するカム機構とを備え、
    前記電磁クラッチは、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルクを伝達する複数のクラッチプレートと、前記各クラッチプレートの軸方向の一側に軸方向移動可能に設けられたアーマチャと、前記クラッチ機構の軸方向の他側に並置されるとともに前記第1回転部材又は前記第2回転部材と一体回転可能に設けられる磁路形成部材と、前記各クラッチプレートとの間に前記磁路形成部材を介在させて設けられる電磁コイルと、前記電磁コイルを支持するヨークとを備え、前記電磁コイルに吸引されて移動する前記アーマチャの押圧力により前記各クラッチプレートを摩擦係合させるように構成され、
    前記トルクカップリングの回転部位は、前記第1回転部材、前記第2回転部材、前記クラッチ機構、前記カム機構、前記各クラッチプレート、前記アーマチャ及び前記磁路形成部材からなり、
    前記トルクカップリングの非回転部位は、前記電磁コイル及び前記ヨークからなり、
    前記熱伝達特性情報は、前記磁路形成部材と前記ヨークとの間に形成され、前記電磁コイルの発生する磁束が通過するエアギャップの大きさを含み、
    前記ヨークは、車両の非回転部位に固定され、
    前記温度検出手段は、前記ヨークに設けられた温度センサであることを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 前記制御手段は、寸法によりランク分けされた前記ヨークのランク情報に基づいて前記エアギャップの大きさを判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力伝達装置。
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