JP5309303B2 - 流体の運動エネルギー及び熱エネルギーを利用したマイナスイオン発生源及び発生方法 - Google Patents
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Description
また光電子材に紫外線又は放射線を照射する方法では、使用する光の波長が低周波領域にあるため人体に有害であると共に、窒素酸化物(NOx)やオゾン(O3)の発生の危険性も考えられ、電源及び技術的に高度な制御装置及び安全装置等が必要とされ複雑な装置とならざるを得ない。導電性基板上に形成された光半導体被膜に光を照射し、導電性基板に負電圧を印加する方法では、電源及び技術的に高度な制御装置及び安全装置等が必要とされる上に、導電性基板上に光半導体被膜を形成させるために高い技術力と特殊な装置が必要とされる。このように従来の各装置及び方法は少なくとも有価の電力を必要とし、有価の電力によって供される電気又は光といったエネルギーを印加しなければマイナスイオンの発生ができないという根本的な問題点があった。又上記高濃度(数百万個/ccレベル)のマイナスイオンが直接人体に接触した場合、又は直接人体に吸引された場合の人体に対する影響はまだ未解明であり安全性に疑問を残している。
この被膜の構成では、マイナスイオンを発生させようとする対象流体である空気、又は、水が該被膜に接触することによって印加される運動エネルギー及び熱エネルギーにより、該被膜内部配置されている強誘電性物質の結晶に圧電性及び焦電性に起因する電気分極が発生する。したがって、該マイナスイオン発生源の導電性基材をアース又はアンテナに接続することによって電気分極に生じた静電荷のホール(プラス電荷)がアース又はアンテナから放出され、静電荷のホール(プラス電荷)と対になって電気分極の際に静電荷のホール(プラス電荷)の対極に生じた電子(マイナス電荷)は、導電性基材に接触している被膜面の対極になる面、つまり被膜の表面に集中する。この被膜表面に集中している電子に、更に対象流体の運動エネルギー及び熱エネルギーが印加され続けることによって、対象流体に電子が付与されてマイナスイオンが生成される。
一度電気極性を配向させる処理をすれば、強誘電性物質は、残留分極又はもともと配向の向きに揃っていた自発分極を維持するようになるため、被膜は通常の環境状態では常に大きな分極を発現するようになり、配向した極性は直流電圧の印加及び加温を除去しても維持される。このようにして、電気極性を配向させる処理を施した後、マイナスイオン発生源の被膜構造の固化、及び強化の為に耐熱樹脂溶液を用いた場合は加温乾燥によって配向の固定を行うことにより、又は、マイナスイオン発生源の被膜構造の固化、及び強化の為に天然鉱石粉体を用いてセラミックス化する場合は焼結を行ってマイナスイオン発生源として完成される。
尚、本発明のマイナスイオン発生装置は、常温・常圧の環境下のみでなく、過酷な熱・流体摩擦条件や振動・衝撃条件が設定される特殊な使用環境下において用いられることも想定している。したがって被膜を固化するために、耐熱樹脂や鉱物粉体を利用して、十分な強化又は固化を図ることがきわめて有効である。
耐熱樹脂には変性シリコーン樹脂、純シリコーン樹脂が含まれる。例えば、高分子有機化合物(ポリマー)と称されるものが含まれる。鉱物粉体には、水晶、珪石、石英 など 酸化ケイ素系主体の鉱物粉体が含まれる。例えば、SiO2の化学式を有する鉱物が含まれる。
長石、ザクロ石、電気石等の鉱物も上記鉱物粉体として有効である。例えば、KAlSi3O8、NaAlSi3O8、CaAlSi3O8、Mg3Al2(SiO4)3、Fe3Al2(SiO4)3、Mn3Al2(SiO4)3、Ca3Al2(SiO4)3、Ca3 Fe 2(SiO4)3、NaLi3B3Al(AlS2iO9)3O4、NaLi3B3Al(AlSi2O9)3F4、NaLi3B3Al(AlSi2O9)3(OH)4、CaLi3B3Al(AlSi2O9)3O4、CaLi3B3Al(AlSi2O9)3F4、CaLi3B3Al(AlSi2O9)3(OH)4、の化学式を有する鉱物が含まれる。
これら被膜の構成物質を強化又は固化するための添加物は、単独で用いても良く、また組み合わせて用いても良い。マイナスイオン発生装置の使用環境に応じた被膜の強化・固化耐性、被膜の構成物質との相性に合わせて適宜に選択できる。またこれらの添加物自体が有する圧電作用、焦電作用等もマイナスイオン発生効率の改善に寄与するものと考えられるので、マイナスイオン発生効率の改善効果も制御する目的で、単独利用や組み合わせ利用を決定できる。
この実施例では自然乾燥後に電気分極配向操作を行ったが、電気分極の方向が完全に固定する時点で電気極性配向を維持することさえできれば、自然乾燥やゲル状物質、製造過程の環境等の条件に応じて、被膜を塗布した直後から、自然乾燥、そして加温乾燥までの間のいずれの段階でも電気極性配向操作を行ってもよい。
条件に応じて、例えば塗布直後から自然乾燥が終わるまで連続して電気分極配向操作を行っても良いし、さらに自然乾燥終了後も加温乾燥開始直前や加温乾燥後まで連続して電気分極配向操作の期間を延ばしても良い。また自然乾燥後から電気分極配向操作を開始して、加温乾燥開始直前や加温乾燥後まで連続して電気分極配向操作を行っても良い。またそれぞれの電気分極配向操作において、連続して行わなくても、間欠的に電気分極配向操作を行っても良い。
また製造過程において被膜が静電的なノイズの影響を受けるような環境であれば、加温乾燥後から完全に配向が固定するまでの期間の全てにおいて電気極性配向操作を行う必要がある。この場合においても、さらに加温乾燥やゲル状物質等の他の条件を勘案し、加温乾燥前から完全に配向が固定するまでの期間や加温乾燥中から完全に配向が固定するまでの期間等を設定できることはいうまでもない。
また電気分極配向操作における静電界の発生のさせ方についても周囲環境等の条件に応じて設定できる。例えば接地電位に対して大きな負電位を導電性基材に与えれば、導電性基材の電位は周囲の空間電位に対して相対的に負電位となることを利用することができる。また周囲の空間電位を乱すことが禁止されていたり、周囲からノイズを受けるような環境であれば、導電性基材を正極の平行平板で接触しないように挟んだり、導電性基材の周囲を正極の遮蔽物で囲ったりすることができる。さらに導電性基材の形状に合わせて、正極となる対向電極の形状を決めればさらに効率が改善する。例えば導電性基材が金網状であれば、金網の穴に突起が進入するような対向電極の形状にしたり、導電性基材が曲面や凹凸形状を有するのであれば、正極となる対向電極の形状をその曲面や凹凸形状に合わせれば、効率の更なる改善が期待できることはいうまでもない。
いずれにしてもイオン発生効率を改善させることさえできれば、電気極性配向操作を行う手段と、塗布装置、搬送装置、乾燥装置等の既存製造設備との整合性や、ゲル状物質の硬化特性、環境温度、湿度等の環境要因、導電性基材の形状等に応じて、電気極性配向操作の開始タイミング、終了タイミング、時間、印可電圧を適宜に定めればよい。
また塗布直後から、自然乾燥及び加温乾燥が終わるまでの一連の各工程における各温度も適宜に設定できる。すなわち自然乾燥及び加温乾燥は、ゲル状物質の有効表面積を確保するためだけでなく、同時期に行われる電気極性配向操作の効率を高める目的も有する。強誘電性物質は温度を高めた方が配向させやすい。したがって、ゲル状物質の硬化特性のみでなく、強誘電性物質からなる粒子を配向させる際の温度特性に応じて一連の工程における温度を決めることができる。
尚、本発明は上記実施の形態以外にもさまざまな応用が考えられる。
ゲル状物質が塗布されない領域を形成する工程は、ゲル状物質を塗布する前に予め塗布しない領域に対応するマスクを設けてもよいし、一度塗布したゲル状物質を部分的に剥離してもよい。
また上記ゲル状物質が塗布されない領域は、マイナスイオン発生源を使用する際に、マイナスイオンを発生させるためのアース領域又はアンテナとすることができる。上記ゲル状物質が塗布されない領域を備えた素材を提供すれば、マイナスイオン発生源として利用が容易となり、またゲル状物質を塗布しない工程とアース領域又はアンテナを形成する工程を同一工程でできることから、マイナスイオン発生源を製造する工程も少なくなる。
尚、マイナスイオン発生源を利用する際に、設計変更や利用状況が変化して予めアース領域やアンテナの場所が分からない場合は、追加的にゲル状物質又は固化された被膜を部分的に剥離しアース領域やアンテナを追加できることはいうまでもない。
また被膜を構成する物質として強熱伝導性金属粉体と導電性促進剤は、マイナスイオン発生源として利用する際のマイナスイオン発生効率と、電気極性を配向させる処理における配向効率との兼ね合いに応じて、その成分と配合量を適宜に決めることができる。強熱伝導性金属粉体は、金、銀、銅、アルミニウムのうち少なくとも一種類以上から構成され、導電性促進剤は、炭化チタン、窒化チタン、2ホウ化チタンのうち少なくとも一種類以上から構成できる。
また強誘電性物質に加えて、自発分極を有するその他の物質、すなわち圧電性物質や焦電性物質を補助剤として添加して、イオン発生装置の温度特性をコントロールすることができる。
イオン発生装置の使用環境においては、振動や衝撃や圧力変化を常に受けるような場所、例えばヘアードライヤーや内燃機関の流体通路などがある。このような場所であれば、強誘電性物質でなくとも圧電性物質や焦電性物質であれば、振動や衝撃や圧力変化という物理的衝撃を受けることにより、分極が恒常的に発生する。もちろん強誘電性物質のみでも圧電性や焦電性を利用できる。しかしながらイオン発生装置の使用環境が上記物理的衝撃を受けやすい場所であれば、圧電性物質や焦電性物質を添加することができる。強誘電性物質と異なるイオン発生効率の温度特性を有する圧電性物質や焦電性物質を添加すれば、強誘電性物質のみの場合と比較して、例えばイオン発生装置全体としてのイオン発生効率の温度特性からみた設計の自由度をより高めることが可能となる。異なる種類の強誘電性物質を混在させても同様の効果を期待できるが、イオン発生装置の使用環境に合致すれば、その選択肢を圧電性物質や焦電性物質まで広げることが可能であり、設計の自由度はさらに広がる。
またイオン発生装置の使用環境においては、熱的衝撃を常に受けるような場所、空気調和装置、ヘアードライヤーや内燃機関の流体通路がある。このような場所であれば、強誘電性物質でなくとも焦電性物質であれば、熱的衝撃を受けることにより、分極が恒常的に発生する。従ってイオン発生装置の使用環境が上記熱的衝撃を受けやすい場所であれば、焦電性物質を添加することにより、やはりイオン発生装置全体としてのイオン発生効率の温度特性からみた設計の自由度を高めることが期待できる。やはり異なる種類の強誘電性物質を混在させても同様の効果を期待できるが、イオン発生装置の熱的な使用環境が条件に合えば、その選択肢を焦電性物質まで広げることが可能であり、設計の自由度はさらに広がる。
利用できる焦電性物質として、例えばLi2SO4・H20(水和硫酸リチウム)、TGS(硫酸グリシン)、PVF2(ポリフッ化ビニリデン)が考えられる。また圧電性物質としては、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)、CdS(硫化カドミウム)、Se(セレン)、Te(テルル)、LBO(ホウ酸リチウム)が考えられる。尚、ここで列挙した物質は、一部を例示したものであり、その他の同様の性質をもった物質を排除してない。
また被膜を構成する物質として放射線を放射する粉末を混入させれば、放射線の効果によってイオン発生効率の改善が期待できる。放射線の効果は、上記物理的衝撃や熱的衝撃によるイオン発生効率の改善効果に重量する効果であるから、イオン発生効率のさらなる改善が期待できる。
吸気口に装着したところ、同じような効果が得られた。
平成9年式外国産セダン 2000ccガソリン車では取り付け前の平均燃費が一般道で6.8km/l、高速道で7.8 km/lであったものが、取り付け後2000km程度の走行後の平均燃費が、一般道8.9 km/l、高速道11.2km/lとなった。平成11年式外国産クーペ2400ccガソリン車では、取り付け前の平均燃費が一般道で8.0km/l、高速道で9.1km/l程度であったものが2500km程度の走行後の平均燃費が一般道で10.0km/l、高速道で11.4km/lへと向上した。その他図11の燃費データ表に示す様にすべてが一般道で20%〜50%、高速道で10%〜40%もの燃費の向上を実証している。既存のエアホースと同径の樹脂製パイプの中に、マイナスイオン発生源エレメントを着装したものをつくり、既存のエアホースの途中を切断し、差し替えて接続し既存のエアホースと同等の形状のものとし部品として装着した場合、マイナスイオン発生源エレメントを既存のエアホースと同径の筒状にし、外側を樹脂テープで被覆しエアホースを製作し既存のエアホースを途中で切断し、差し替えて接続し既存のエアホースと同等の形状のものとし、部品として装着した場合、既存のエアホースに挿入した場合と同じような効果が得られた。
また上記の其々の取り付け後の現象として、エンジンが冷えている時や市中の低速運転時や、所謂、短距離の運転ではあまり効果が出ないという事実が発見された。これはまさに熱エネルギー及び空気の運動エネルギーのみによるマイナスイオン発生に起因する現象であり、本発明の裏付けとなる事実である。
1 被膜層 2 導電性基材 3 電気分極性物質粒子
4 負電圧印加した導電性基材 5 エアクリーナーボックス 6 エアフィルター
7 一次側吸気ダクト 8 二次側吸気ダクト
9 筒状にしたマイナスイオン発生源エレメント
A マイナスイオン発生エレメント B 導電性物質製囲い(+極)
C 赤外線ヒーター D 絶縁体支持棒 E エレメント吊下げ金具
Claims (15)
- 表面が凹凸形状の導電性基材表面に、少なくとも強誘電体からなる被膜であって、完全硬化する前に静電界による電気極性配向操作を行うようにして形成した被膜を備え、該導電性基材をアース又はアンテナに接続してなるマイナスイオン発生装置において、該アース又はアンテナを介して該対象流体に付与放出する電子を補充し、対象流体が該被膜に接触することによって運動エネルギー及び熱エネルギーを該被膜に印加させ続けることにより、電気分極に生じた静電荷のホールと対になって生じた静電荷の電子であって該被膜の表面に集中している電子を前記対象流体に付与することで、対象流体内にマイナスイオンを発生させることを特徴とするマイナスイオン発生装置。
- 請求項1において前記強誘電体は、アルカリ土類金属のチタン酸化合物、アルカリ金属のチタン酸化合物、アルカリ金属のジルコン酸化合物、ニオブ酸ナトリウムバリウム、ニオブ酸ストロンチウムバリウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のうち少なくとも一種類以上から構成されることを特徴とするマイナスイオン発生装置。
- 前記被膜を構成する物質には、更に珪石粉体または電気石粉体が添加されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマイナスイオン発生装置。
- 前記被膜を構成する物質には、金、銀、銅、アルミニウムのうち少なくとも一種類以上を更に含むと共に、炭化チタン、窒化チタン、2ホウ化チタンのうち少なくとも一種類以上を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のマイナスイオン発生装置。
- 前記被膜を構成する物質には、陶土、石英、長石、水晶、ザクロ石のうち少なくとも一種類以上からなる天然鉱石粉体を更に含むことを特徴とする請求項4に記載のマイナスイオン発生装置。
- 前記被膜を構成する物質には、変性シリコーン樹脂、純シリコーン樹脂のうちの少なくとも一種類以上からなる耐熱樹脂を更に含むことを特徴とする請求項5に記載のマイナスイオン発生装置。
- 前記被膜を導電性基材に形成しない領域を設け、該領域をアース又はアンテナに接続するための領域とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のマイナスイオン発生装置。
- 前記導電性基材は、エキスパンディングメタル法、パンチング孔法、形押成型法、波型加工法の少なくとも1つまたは複合した手段を用いて凹凸形状に加工したものを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のマイナスイオン発生装置。
- 前記導電性基材の形状が、網状、波板状、筒状、ハニカム状又は矩型とすることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のマイナスイオン発生装置。
- 請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載のマイナスイオン発生装置において、放射性物質を一切使わないことを特徴とするマイナスイオン発生装置。
- 請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載のマイナスイオン発生装置の製造方法において、被膜構成物質を混合してゲル状物質とする工程、浸漬法、塗装法、吹き付け法、プリント法にて非固化状態の被膜を形成する工程を備え、導電性基材に前記ゲル状物質の被膜を形成しない領域を設けて、加温乾燥又は焼結によって前記被膜を固化させることを特徴とするマイナスイオン発生装置製造方法。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のマイナスイオン発生装置を用いて、前記対象流体に電子を付与することでマイナスイオンを発生させることを特徴とするマイナスイオン発生方法。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のマイナスイオン発生装置において、電子を付与する対象流体の運動エネルギー及び熱エネルギーを利用して、マイナスイオン発生装置の強誘電体の結晶内に電気分極を連続して生じさせることを特徴とするマイナスイオン発生方法。
- 前記導電性基材は、エキスパンディングメタル法、パンチング孔法、形押成型法、波型加工法の少なくとも1つまたは複合した手段を用いて凹凸形状に加工されたものを使用することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のマイナスイオン発生方法。
- 前記導電性基材の形状を、網状、波板状、筒状、ハニカム状又は矩型とすることを特徴とする請求項12乃至請求項14の何れか一項に記載のマイナスイオン発生方法。
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