JP5309193B2 - 偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置 - Google Patents
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Description
図11に、特許文献1によって提案されている偏波ダイバーシチアンテナを示す。この偏波ダイバーシチアンテナ100は、第1のアンテナユニット200と、第2のアンテナユニット300とを組み合わせることによって構成されている。
なお、ダイポールアンテナ素子202、302及びバラン内蔵給電線路203、303は、印刷配線技術を用いて金属箔により形成されている。
交差したダイポールアンテナ素子202、302は、それぞれバラン内蔵給電線路203、303を介して給電されて第1偏波、第2偏波を放射する。
図12(a)に示す偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置は、各段の偏波ダイバーシチアンテナ100のダイポールアンテナ素子202、302がそれぞれ水平、垂直に向けられている。従って、各段の偏波ダイバーシチアンテナ100のダイポールアンテナ素子202、302がそれぞれ水平偏波(第1偏波)、垂直偏波(第2偏波)を放射する。
一方、図12(b)に示す偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置は、各段の偏波ダイバーシチアンテナ100のダイポールアンテナ素子202、302がそれぞれ垂直面に対して−45度、+45度傾斜している。従って、各段の偏波ダイバーシチアンテナ100のダイポールアンテナ素子202、302がそれぞれ−45度偏波(第1偏波)、+45度偏波(第2偏波)を放射する。
したがって、上側のダイポールアンテナ素子202の中心において該上側のアンテナ素子202(302)による偏波と下側のダイポールアンテナ素子302(202)による偏波とが直交し、また、下側のダイポールアンテナ素子202の中心において該下側のアンテナ素子202(302)による偏波と上側のダイポールアンテナ素子302(202)による偏波とが直交することになる。
また、この図12(a)に示す偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置は、指向性成形に必要な反射板等の図示していない構造物を併用する場合に、その指向性成形に大きな影響を与える該反射板等のエッジ部(指向性成形のために立ち上げられている)が必ず垂直方向または水平方向に沿って延びること、つまり、偏波面に沿って延びるか該偏波面に直交する方向に延びることになる。
このことは、偏波面を歪めることとなり、そのため、この偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置では、上側のダイポールアンテナ素子202(302)による偏波と下側のダイポールアンテナ素子302(202)による偏波とが素子中心において直交せず、また、下側のダイポールアンテナ素子202(302)による偏波と上側のダイポールアンテナ素子302(202)による偏波とが素子中心において直交しないことになる。
また、この偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置は、指向性成形に必要な反射板等の図示していない構造物を併用する場合に、ダイポールアンテナ素子202,302の長手軸線がその反射板等のエッジ部に対して45度の角度をなすことになる。
前記調整用導体部は、前記第1、第2のダイポールアンテナ素子の交差部を含む水平面に隣接しかつ該交差部から離れる方向に延びるように形成される。
前記素子導体は、例えば正方形状を持つように形成してよい。この場合、この素子導体の対角線が前記第1、第2のダイポールアンテナ素子の軸線上に位置される。
更に、前記第1のダイポールアンテナ素子を構成する各素子導体は非対称形状を有してもよく、前記第2のダイポールアンテナ素子を構成する各素子導体も同様である。
図1は、本発明に係る偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置の一実施形態を示した斜視図である。この偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置は、垂直方向Vに所定の間隔をおいて配列させた2つの偏波ダイバーシチアンテナユニット10を備えている。
なお、アンテナユニット10の配列段数は、3以上に設定することが一般的であるが、ここでは、説明の容易化及び図面の簡素化を図るためにその配列段数を2としている。また、本実施形態では、各偏波ダイバーシチアンテナユニット10の配列間隔が0.808λc(λc:使用周波数帯域の中心周波数の波長)に設定されている。
素子部20は、誘電体基板21と、この誘電体基板21の面上に形成した素子導体22A、22B、23A、23Bとを備えている。素子導体22A、22B、23A、23Bは、金属箔(例えば銅箔)からなり、周知の印刷配線技術を用いて形成されている。
そして、図3に示すxy平面において、ダイポールアンテナ素子AE1の中心軸線l1はy軸に対して時計回り方向に45度(+45度)傾き、また、ダイポールアンテナ素子AE2の中心軸線l2はy軸に対して反時計回り方向に45度(−45度)傾いている。
第1、第2のダイポールアンテナ素子AE1、AE2の長さL1は、約0.5λcに設定されている。
中心ギャップ部24を挟む素子導体22A、22Bの給電部位には、軸線l1に沿う所定長の孔25A、25Bが貫通形成され、同様に、中心ギャップ部24挟む素子導体23A、23Bの給電部位には、軸線l2に沿う所定長の孔26A、26Bが貫通形成されている。
本実施形態において、調整用導体部27、28は、長さL2が約0.065λcに設定されるとともに、幅W1が約0.006λcに設定されている。
本実施形態では、上記素子導体23Aの左辺から調整用導体部27の先端に至るx方向長L3を0.462λhに設定している。なお、上記y方向長及びx方向長は、それぞれ素子部29の実装状態における垂直方向長および水平方向長に対応する。
誘電体基板31は、上端左右部に舌片35A、35Bがそれぞれ突設されるとともに、下端左右部に舌片36A、36Bがそれぞれ突設されている。図示のように、接地導体32Aは、舌片35A、36Aの面上まで延在し、また、接地導体32Bは舌片35B、36Bの面上まで延在している。そして、舌片36Bの背面側には、給電線路導体33の下端部が位置している。
給電線路導体33は、一方の接地導体(本実施形態では、接地導体32B)の背部において誘電体基板31の下端から上方に延びた後、横に折れ曲って無金属箔部分34の上方部を横断し、次いで、他方の接地導体32の背部で下方に折り返すように形成されている。この給電線路導体33は、接地導体32A、32Bと共にバラン(平衡不平衡変換器)を構成している。
この給電部40における切り欠き溝47は、誘電体基板41の上下中心軸線上に位置する形態で該誘電体基板41の上端から下方に向かって延びている。この切り欠き溝47の長さは、図4に示す切り欠き溝37の上端から誘電体基板31の上端に至る長さと一致している。給電線路導体43は、接地導体42A、42Bと共にバランを構成している。
素子部20の上面側に突出した舌片35A、35B、45A、45Bは、それらに貼着された金属箔がハンダ等の手段を用いて対応する素子導体22A、22B、23A、23Bに電気的に接続され、これによって、素子導体22A、22B、23A、23Bの給電部位がそれぞれ接地導体32A、32B、42A、42Bと電気的に接続される。
このとき、各アンテナユニット10は、接地導体32A、32B、42A、42B(図4、図5参照)の下端部が、誘電体基板51の表面全域に形成された金属箔からなる接地導体にハンダ等の手段を用いて接続される。また、給電線路導体33の下端部が、誘電体基板51の背面側に形成された金属箔からなる+45°偏波用給電線路導体(図示せず)に接続され、同様に、給電線路導体34の下端部が、誘電体基板51の背面側に形成された金属箔からなる−45°偏波用給電線路導体(図示せず)に接続される。
図1に示す各アンテナユニット10において、第1のダイポールアンテナ素子AE1(図3参照)は、バラン内蔵給電部30を介して給電される給電回路部50からの電力で励振されて+45度偏波を放射し、また第2のダイポールアンテナ素子AE2(図3参照)は、バラン内蔵給電部40を介して給電される給電回路部50からの電力で励振されて−45度偏波を放射する。
これに対して、本実施形態に係る偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置は、図2に示したように、素子部20に調整用導体部27、28が形成されているので、上記のような不都合を回避することができる。
すなわち、この調整用導体部27、28は、水平偏波成分のみに作用して、この水平偏波成分の指向性の偏りや強さを調整する機能を有する。具体的には、水平偏波成分の指向性や強さを垂直偏波成分の指向性や強さに合わせることで、偏波面の回転や反射板60の立上げ部61の影響による偏波面のくずれを補正する。
従って、本実施形態に係る偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置によれば、良好な偏波間結合量特性と交差偏波特性とを得ることができる。
この指向特性に示すように、主偏波成分は1.50°でピーク値A1(0.00dB)を、垂直偏波成分は4.50°でピーク値B1(−3.23dB)を、水平偏波成分は−6.00°でピーク値C1(2.46dB)を、交差偏波成分は−44.00°でピーク値D1(−13.47dB)をそれぞれ示す。
図9の指向特性に示すように、主偏波成分は2.50°でピーク値A1(0.00dB)を、垂直偏波成分は0.50°でピーク値B1(−2.77dB)を、水平偏波成分は2.50°でピーク値C1(−2.88dB)を、交差偏波成分は−85.50°でピーク値D1(−21.14dB)をそれぞれ示す。
すなわち、本発明は、図10示す素子部20’を使用しても実施することができる。この素子部20’は、誘電体基板21’に図3に示す素子導体22A、22B、23A、23Bに対応する素子導体22A’、22B’、23A’、23B’を備え、素子導体23B’に調整用導体部27’を形成するとともに、素子導体23A’に調整用導体部28’を形成した構成を有する。
この素子部20’において、第1のダイポールアンテナ素子を構成する素子導体22A’、22B’と、第2のダイポールアンテナ素子を構成する素子導体23A’、23B’とは、アンテナ素子の軸線に対する対称性を有していない。しかし、このような素子部20’を使用した場合においても、図3に示す素子部20を使用した場合と同様に、良好な偏波間結合量特性と交差偏波特性を得ることができる。
なお、図3に示す調整用導体部27(28)は、中心ギャップ部24を含む水平面に隣接する態様で設けられ、また、図10に示す調整用導体部27’(28’)も同様の形態で設けられている。これは、調整用導体部27、28及び調整用導体部27’28’による垂直偏波成分への影響をできるだけ少なくするためである。
10 偏波ダイバーシチアンテナユニット
20、20’ 素子部
21、21’ 誘電体基板
22A、22B、23A、23B 素子導体
22A’、22B’、23A’、23B’ 素子導体
25A、25B、26A、26B 孔
27、27’、28、28’ 調整用導体部
30、40 給電部
31、41 誘電体基板
32A、32B、42A、42B 接地導体
33、43 給電線路導体
35A、35B、45A、45B 舌片
36A、36B、46A、46B 舌片
37、47 切り欠き溝
50 給電回路部
51 誘電体基板
60 反射板
61 立上げ部
Claims (7)
- 同一面内で互いに交差する+45度偏波用の第1のダイポールアンテナ素子と−45度偏波用の第2のダイポールアンテナ素子とを有する複数の偏波ダイバーシチアンテナユニットを垂直方向に所定の間隔をおいて配列させ、それらの偏波ダイバーシチアンテナユニットの背部に反射板を配設した偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置であって、
前記第1のダイポールアンテナ素子を構成する素子導体と前記第2のダイポールアンテナ素子を構成する素子導体に、偏波面のくずれを補正するための調整用導体部をそれぞれ形成し、
前記調整用導体部は、前記第1、第2のダイポールアンテナ素子の交差部を含む水平面に隣接しかつ該交差部から離れる方向に延びるように形成されていることを特徴とする偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置。 - 前記第1、第2のダイポールアンテナ素子を素子用誘電体基板に形成したことを特徴とする請求項1に記載の偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置。
- 前記第1のダイポールアンテナ素子及び前記第2の偏波用ダイポールアンテナ素子を構成する素子導体がn角形(n≧4)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置。
- 前記素子導体が正方形状をなし、この素子導体の対角線を前記第1、第2のダイポールアンテナ素子の軸線上に位置させたことを特徴とする請求項3に記載の偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置。
- 前記第1のダイポールアンテナ素子を構成する各素子導体が非対称形状を有するとともに、前記第2のダイポールアンテナ素子を構成する各素子導体が非対称形状を有することを特徴とする請求項2に記載の偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置。
- 前記第1のダイポールアンテナ素子に給電する給電路を形成した第1の給電用誘電体基板と前記第2の偏波用ダイポールアンテナ素子に給電する給電路を形成した第2の給電用誘電体基板とを有し、この第1、第2の給電用誘電体基板を交差結合するとともに、この結合した第1、第2の誘電体基板を前記素子用誘電体基板に対して鉛直に結合させた給電部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置。
- 前記給電部は、バランを内蔵するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の偏波ダイバーシチアレイアンテナ装置。
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