JP5307791B2 - 酸素センサ制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサの出力特性と酸素濃度との関係を較正すると共に、排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ制御装置に関する。
従来から、自動車等の内燃機関の排気通路(排気管)に酸素センサを設置し、排気ガス中の酸素濃度を検出して空燃比を制御することが行われている。このような酸素センサとしては、例えば、酸素イオン導電性のジルコニアに一対の電極を形成したセルを少なくとも1つ以上備えたガス検出素子を有するものが挙げられる。しかしながら、個々の酸素センサの出力特性のバラツキや、酸素センサの経時劣化に起因して、酸素濃度の検出精度が異なるという問題がある。
そこで、内燃機関への燃料供給を停止し、排気通路内がほぼ大気状態になっていると推定されるとき、酸素センサの出力値と酸素濃度との関係を較正する大気補正を行う技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2007−32466号公報(段落0040) 特許第4048735号公報(請求項9、段落0028)
しかしながら、特許文献1記載の大気補正方法では、補正の基準として、標準的な酸素センサの大気中での基準出力値を採用するため、実際の内燃機関に酸素センサを設置したときの環境を再現するには至らず、大気補正の精度が充分とはいえない。
また、特許文献2記載の大気補正方法では、補正の基準として、製造ばらつきの中心の特性を有する標準的な酸素センサを用いるとともに、製造ばらつきの中心の特性を有する排気系を用いている。このため、例えば実際の酸素センサが製造ばらつきの中心より上側に外れる一方で、酸素センサを設置する排気系が製造ばらつきの中心より下側に外れるような場合、補正の基準との逸脱が大きくなり、大気補正の精度が充分とならない。
すなわち、本発明は、酸素センサの出力特性と酸素濃度との関係を精度良く較正することができ、酸素センサの検出精度を長期間にわたって良好に維持することができる酸素センサ制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の酸素センサ制御装置は、内燃機関の燃料供給を特定の運転条件下で停止する燃料断を行ったときに、該内燃機関の排気管に取付けられた実酸素センサの出力値と酸素濃度との関係を較正する補正係数を求める酸素センサ制御装置であって、予め、前記補正係数として、(基準となる基準酸素センサを酸素濃度が既知の特定雰囲気に晒したときの基準酸素出力値)/(前記実酸素センサを前記特定雰囲気と酸素濃度が実質的に同じ雰囲気に晒したときの出力値)で表される補正係数Kpを記憶すると共に、前記実酸素センサを前記内燃機関に取り付けて前記燃料断を行ったときの実出力値に補正係数Kpを乗じた燃料断基準出力値を記憶する記憶手段と、前記燃料断基準出力値が前記記憶手段に記憶された状態のもと、前記内燃機関の運転中に一回または複数回の前記燃料断が行われたとき、(前記燃料断基準出力値)/(前記燃料断の期間中に取得した1つ以上の前記実酸素センサの実出力値から得た、当該燃料断の期間中の前記実出力値を代表する特性値)で表される更新補正係数Kqを算出する補正係数算出手段と、この更新補正係数Kqを新たな補正係数Kpとして前記記憶手段に記憶された補正係数Kpを更新する補正係数更新手段と、を備えている。
このような構成とすると、大気補正に用いる基準となる(換言すれば、更新補正係数Kqを算出する際の基準となる)燃料断基準出力値を、実酸素センサを実際に内燃機関に取り付けたときの実出力値に基づいて算出し、記憶手段に予め記憶させているので、現実の測定環境を反映した大気補正、すなわち内燃機関の製造バラツキを考慮した大気補正が行える。しかも、燃料断基準出力値の算出にあたっては、実酸素センサの実出力値に補正係数Kpを乗じた値を用いて算出しているため、実酸素センサの製造バラツキを考慮した大気補正をも行える。
また、本発明では、燃料断基準出力値が記憶手段に記憶された状態のもと、内燃機関の運転中に実際に燃料断が行われたときに、更新補正係数Kqを算出し、この更新補正係数Kqを新たな補正係数Kpとして記憶手段に記憶された補正係数Kpを更新するようにしている。これにより、実酸素センサや内燃機関側の状態(劣化等)を正確に反映した大気補正を行うことができ、実酸素センサを長期間使用した場合にも、酸素センサの出力特性と酸素濃度との関係を精度良く較正することができる。さらに、更新補正係数Kqを新たな補正係数Kpとして更新した後は、新たな補正係数Kpにて実酸素センサの実出力値を補正して酸素濃度を検出するため、精度の良い検出が行える。そして、次回の更新補正係数Kqの算出時には、記憶手段に記憶されている燃料断基準出力値と、実酸素センサの実出力から得た、燃料断の期間中の実出力値を代表する特性値とを用いて更新補正係数Kqを算出し、再び新たな補正係数Kpとして更新することを繰り返すため、精度の良い濃度検出を長期間にわたって維持することができる。
なお、本発明において、「燃料断の期間中に取得した1つ以上の実酸素センサの実出力値から得た、当該燃料断の期間中の実出力値を代表する特性値」とは、燃料断が開始してから所定時間経過後の実酸素センサの実出力値そのものであってもよいし、1回あたりの燃料断の期間中に得られる複数の実酸素センサの実出力値に補正係数Kpを乗じた値の単純平均、移動平均、又は、加重平均などした平均値(例えば、後述のIpav)を、現在の補正係数Kpで除した値を用いることができる。さらには、1回あたりの燃料断の期間中に得られた上記平均値の複数個(つまり、複数回の燃料断にてそれぞれ得られた上記平均値)を、更に単純平均または移動平均、加重平均などした値(例えば、後述のIpavf)を、現在の補正係数Kpで除した値を特性値として用いてもよい。
また、上記の酸素センサ制御装置では、所定回数の前記燃料断の期間中にそれぞれ取得した複数の前記実酸素センサの前記実出力値に、それぞれ前記記憶手段に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた補正後実出力値から得た、これら補正後実出力値の代表値を補正出力中間値としたとき、前記補正係数算出手段は、継時的に並べた上記補正出力中間値が、前記燃料断基準出力値を含んで画定された所定の補正判定範囲を所定個連続して逸脱したときに、最後に逸脱した上記補正出力中間値を現在の補正係数Kpで除した値を前記特性値として、前記更新補正係数Kqを算出してもよい。
酸素センサ(実酸素センサ)の経時劣化は非常に緩やかに生ずる傾向があるため、各燃料断毎に補正係数(更新補正係数)の算出、更新を逐一行うと、処理に負担がかかる。そこで、本発明では、上記のように所定回数の燃料断の期間中にそれぞれ取得した複数の実酸素センサの実出力値のもと補正出力中間値を取得し、継時的に並べた補正出力中間値が所定の補正判定範囲を所定個連続して逸脱したときに、更新補正係数Kqを算出するようにしている。これにより、酸素センサ制御装置の処理の負担を軽減すると共に、実酸素センサの劣化が進行していない状況で、たまたま1回あたりの燃料断の期間中に得られた補正出力中間値が予期しない値を示したとしても、意図しない補正係数に更新されるのを抑制することができる。
また、上記の酸素センサ制御装置では、前記補正出力中間値は、一回あたりの前記燃料断の期間にわたり複数個取得した前記実酸素センサの実出力値のそれぞれに、前記記憶手段に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた前記補正後実出力値を平均化した平均出力値から得られるようにしてもよい。
通常、内燃機関の運転に伴って燃料断の期間中の実酸素センサの出力特性(出力波形)が脈動したり、実出力値にノイズが含まれることがあるが、実出力値のそれぞれに現在の補正係数Kpを乗じた値を平均化した平均出力値から、補正出力中間値を得るようにすることで、最終的に、脈動やノイズの影響を除去して安定した更新補正係数Kqの算出が行える。
さらに、上記の酸素センサ制御装置では、前記補正出力中間値は、一回あたりの前記燃料断の期間にわたり複数個取得した前記実酸素センサの実出力値のそれぞれに前記記憶手段に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた前記補正後実出力値のうち、所定の第1範囲を逸脱した値を除外した残りの補正後実出力値を平均化した平均出力値から得られるようにしてもよい。
上述したように、通常、内燃機関の運転に伴って燃料断の期間中の実酸素センサの出力特性(出力波形)が脈動したり、実出力値にノイズが含まれることがあるが、補正後実出力値のうち、所定の第1範囲を逸脱した値を除外した補正後実出力値を平均化した平均出力値から、補正出力中間値を得るようにすることで、脈動やノイズの影響を除去してより安定した更新補正係数Kqの算出が行える。
さらに、上記の酸素センサ制御装置では、前記第1範囲は、前記燃料断基準出力値を中心値にして画定された範囲に設定されているとよい。
第1範囲が燃料断基準出力値を中心値にして画定された範囲に設定されることで、燃料期間中の実酸素センサの出力波形の脈動やノイズの影響を有効に除去ないし軽減することができ、より安定した更新補正係数Kqの算出を実現することができる。
また、上記の酸素センサ制御装置では、前記平均出力値は、一回あたりの前記燃料断において、当該燃料断が開始されてから所定期間後に得られる前記実酸素センサの実出力値に、前記記憶手段に記憶されている現在のKpを乗じた補正後実出力値の複数個を用いて算出されるとよい。
燃料断の開始から、実酸素センサの周囲に存在する排気ガスが大気の状態(大気雰囲気)に近づくか、又は入れ替わるのに必要な時間に基づき適切に定められた所定期間経過後に平均出力値を算出することで、燃料断後の実出力値の波形が比較的安定した状態において平均出力値、ひいては補正出力中間値を得ることができる。
前記補正出力中間値は、複数回の前記燃料断のそれぞれで得られた前記平均出力値を、さらに平均化した複数平均出力値から得られるようにしてもよい。
内燃機関の燃料供給を特定の運転条件下で停止する燃料断が行われた場合であっても、運転条件のバラツキが少なからず存在する。そこで、個々の燃料断毎に算出される平均出力値をさらに平均化した値(複数平均出力値)から補正出力中間値を得ることで、上記の運転条件のバラツキの影響を除去ないしは軽減した補正出力中間値を得ることができ、安定した更新補正係数Kqの算出が行える。
この発明によれば、酸素センサの出力特性と酸素濃度との関係を精度良く較正することができ、酸素センサの検出精度を長期間にわたって良好に維持することができる。
本発明の実施形態にかかる酸素センサ制御装置を含む構成図である。 補正係数Kpを予め求める方法を示す図である。 酸素センサ(実酸素センサ)の実出力値Ipに補正係数Kpを乗じた出力対応値Iprを平均化する方法を示す図である。 1回の燃料断のときに図3に記載の方法にて平均化した平均出力値Ipavを、さらに平均化して複数平均出力値Ipavfを算出する方法を示す図である。 図4に記載の方法にて平均化して算出した複数平均出力値Ipavfを補正判定範囲であるレンジR3を逸脱した否かを判定する方法を示す図である。 大気補正処理を実行するか否かを判断するフローチャートを示す図である。 酸素センサ(実酸素センサ)の実出力値Ipに補正係数Kpを乗じた出力対応値Iprをもとに、更新補正係数Kqを算出し、新たな補正係数Kpとして更新する大気補正処理のフローチャートを示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる酸素センサ制御装置10を含む構成図である。車両の内燃機関(エンジン)100の排気管120には酸素センサ(特許請求の範囲の「実酸素センサ」に相当)20が取付けられ、酸素センサ20にはコントローラ22が接続されている。そして、コントローラ22に酸素センサ制御装置(ECU;エンジンコントロールユニット)10が接続されている。
エンジン100の吸気管110にはスロットル弁102が設けられ、エンジン100の各気筒には、燃料を筒内に供給するためのインジェクタ(燃料噴射弁)104が設置されている。又、排気管120の後流側に排ガス浄化触媒130が取付られている。さらに、エンジン100には図示しない各種センサ(圧力センサ、温度センサ、クランク角センサ等)が設置され、これらセンサからの運転条件情報(エンジンの圧力、温度、エンジン回転数、車速等)がECU10に入力されるようになっている。そして、ECU10は、上記運転情報、酸素センサ20からの排気ガス中の酸素濃度検出値、及び運転者によるアクセルペダル106の踏み込み量等に応じて、インジェクタ104からの燃料噴射量を制御する。これにより、適切な空燃比でエンジン100の運転を行うようになっている。
ECU10は、中央演算処理装置(CPU)2、ROM3、RAM4、外部とのインターフェース回路(I/F)5、外部からの入力装置7、及び出力装置9を備えたマイクロコンピュータと、EEPROM等からなる不揮発メモリ8(特許請求の範囲の「記憶手段」に相当)とを回路基板に実装したユニットである。そして、ECU10(CPU2)は、ROM3に予め記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、インジェクタ104による燃料噴射量の制御信号を出力装置9から出力したり、後述する大気補正処理を行う。
酸素センサ20は、例えば、酸素イオン伝導性の固体電解質体に一対の電極を設けたセルを2つ用いた、いわゆる2セル式の空燃比センサとすることができる。空燃比センサのより具体的な構成としては、酸素ポンプセルと酸素濃度検出セルを、多孔質体を介して排気ガスが導入される中空の測定室が介在するように積層し、さらにこれら2つのセルを活性温度にまで加熱するためのヒータを積層したガス検出素子と、このガス検出素子を自身の内側に保持すると共に、排気管102に装着するためのハウジングとを備えた構成とすることができる。なお、実際の個々の内燃機関に取付けられた酸素センサ20を、後述する基準酸素センサと区別するため、本発明(特許請求の範囲)では「実酸素センサ」と称している。
酸素センサ20は、各種抵抗や差動増幅器等を備えた検出回路であるコントローラ22に接続されている。コントローラ22は酸素センサ20にポンプ電流を供給し、該ポンプ電流を電圧に変換して酸素濃度検出信号としてECU10に出力する。より具体的には、コントローラ22は、酸素濃度検出セルの出力が一定値となるように、酸素ポンプセルに通電を行い、酸素ポンプセルが測定室内の酸素を外部に汲み出す、あるいは、測定室に酸素を汲み入れるように動作し、そのときに酸素ポンプセルに流れるポンプ電流を、検出抵抗器を介して電圧に変換してECU10に出力する公知の方法にて、酸素センサ20を駆動制御する。
次に、酸素センサ20の大気補正手法(補正係数の算出手法)について説明する。大気補正は、内燃機関(エンジン)100の燃料供給を特定の運転条件下で停止する燃料断(フューエルカット、以下適宜「F/C」と表記する)を行ったときに、内燃機関100に取付けられた酸素センサ(実酸素センサ)20の出力特性(出力値)と酸素濃度との関係を較正するための補正係数を算出する処理である。大気補正は、理想的とされる所定の酸素センサ、換言すれば、製造バラツキの中心の出力特性を有する標準的な酸素センサであって、酸素センサ(実酸素センサ)20と同一の構成からなる酸素センサ(特許請求の範囲の「基準酸素センサ」に相当)の出力特性と、内燃機関100に取付けられた酸素センサ(実酸素センサ)20の出力特性との乖離を解消するよう、補正係数を求めることで行われ、得られた補正係数を用い、内燃機関を運転している間の酸素センサ20の実出力値を補正している。
ここで、本実施の形態では、内燃機関100の走行時に大気補正が行えるように、ECU10のROM3に、予め、補正係数として、(基準酸素センサを酸素濃度が既知の特定雰囲気に晒したときの基準酸素出力値Ipso)/(酸素センサ20を酸素濃度が上記特定雰囲気と実質的に同じ雰囲気に晒したときの出力値Ipro)で表される値(補正係数Kp)を記憶させている。ここで、「酸素濃度が既知の特定雰囲気」とは例えば大気(酸素濃度約20.5%)であるが、大気と異なる所定濃度の酸素雰囲気であってもよい。基準酸素センサを上記「酸素濃度が既知の特定雰囲気」に晒すにあたっては、所定の測定系に取り付けて、当該雰囲気(例えば大気)に晒させるようにすればよい。
一方、酸素センサ(実酸素センサ)20を晒す「酸素濃度が特定雰囲気と実質的に同じ雰囲気」とは、基準酸素センサを晒す雰囲気と同じ酸素雰囲気のほか、基準酸素センサを晒す酸素雰囲気に対して酸素濃度が±5.0%(より好ましくは±1.0%)の範囲内でずれている雰囲気までを許容するものである。酸素センサ20を上記「酸素濃度が特定雰囲気と実質的に同じ雰囲気」に晒すにあたっては、基準センサと同様に所定の測定系に取り付けて、当該雰囲気(例えば大気)に晒させるようにしてもよいし、実際の内燃機関100の排気管102に取り付けた上で、排気管102内に上記酸素雰囲気となるガスを流通させるようにして、酸素センサ20をその雰囲気に晒させるようにしてもよい。
なお、この補正係数Kpは、内燃機関100の走行時に大気補正処理が実行され、後述する新たな更新補正係数Kqが求められると、新たな補正係数Kpとして更新されるが、本実施の形態では、内燃機関100の出荷前に、初期の補正係数Kpを、以下の手順により、不揮発メモリ8に記憶させている。具体的には、基準酸素センサを所定の測定系に取り付けて、大気に晒し、図2に示すように、基準酸素出力値Ipsoを求める。次いで、酸素センサ(実酸素センサ)20を、出荷前(より詳細には、出荷検査時)の内燃機関100の排気管102に取り付け、内燃機関100を駆動させ、燃料供給を停止した状態で、スロットルバルブを略全開にしたり、あるいは、燃料供給の停止状態を長期間維持したりするなどして、排気管内を流通するガスの酸素雰囲気を例えば大気の酸素濃度と実質的に同じ雰囲気に近付けた状態に晒す。このときに得られる酸素センサ20の出力値Iproを検出する(図2参照)。そして、図2に示すように、(基準酸素出力値Ipso)/(実酸素センサ20の出力値Ipro)によって補正係数Kpを算出し、この補正係数Kpを不揮発メモリ8に記憶させる。このようにして、不揮発メモリ8に初期値として記憶された補正係数Kpは、次回の補正係数更新(補正係数の上書き)が行われるまでは、酸素センサ20の実出力値Ipを補正するための補正係数として用いられる。
次に、燃料断基準出力値IpsfをECU10の不揮発メモリ8に、予め、記憶させる手順について説明する。この燃料断基準出力値Ipsfも内燃機関100の出荷前に不揮発メモリ8に記憶させており、本実施の形態では、上述した手順にて補正係数Kpを算出した後に、酸素センサ(実酸素センサ)20を内燃機関100の排気管102に取り付けた状態で、F/Cを意図的に行うことで求めている。具体的には、内燃機関100の出荷検査時に、上記のようにして補正係数Kpを求めた酸素センサ20を内燃機関100の排気管102に取り付けた状態で、内燃機関100の駆動を開始する。そして、特定の運転状況下でのF/Cを人為的あるいは機械的に実行し、筒内から排出されるF/C後のガスが酸素センサ20の周囲に到達したと見込まれる時点(例えば、F/C開始から4秒後)以降に所定時間間隔毎に得られる酸素素センサ20の実出力値に補正係数Kpを乗じた値の複数個を平均化することで算出している。このようにして得られた燃料断基準出力値Ipsfを、不揮発メモリ8に記憶させている。
なお、内燃機関(エンジン)100では、ECU10は、車両の減速や吸入空気量の状態等の運転条件に応じて、インジェクタ104からの燃料噴射量が0となる指示を出力するが、この指示の出力の有無を検出することでF/Cが開始されたと判定することができる。ところで、F/Cが開始される運転条件には種々のパターンがあるが、上記の燃料断基準出力値Ipsfを算出するために内燃機関100の出荷検査時に実行したF/C開始時の特定の運転条件と、内燃機関100の出荷後の走行(運転)時における後述の大気補正処理を実行するF/C開始時の特定の運転条件を揃えないと、大気補正処理が同じ条件で行えず、大気補正の精度(換言すれば、更新補正係数Kqの算出精度)が低下する。従って、本発明においては、運転条件が決められた所定の条件(この条件が特許請求の範囲の「特定の運転条件」に相当する)下でのF/Cのみを対象として、燃料断基準出力値Ipsfの算出、及び、後述する更新補正係数Kqの算出処理を実行するようにしている。なお、内燃機関100の運転中に、特定の運転条件でF/Cが開始されたか否かを判定するにあたっては、F/Cが開始(F/C開始が判定)された直前のエンジン回転数、エンジン負荷、吸入空気量などの内燃機関の運転状態を表すパラメータを少なくとも1つ用い、そのパラメータが所定の条件(つまり、燃料断基準出力値Ipsfを得るために予め設定した所定の条件)を満たしていたときに、運転条件が決められた所定の条件にてF/Cが開始されたと判断することができる。
次いで、不揮発メモリ8に補正係数Kp及び燃料断基準出力値Ipsfが記憶された状態のもと、内燃機関100の走行中にECU10のCPU2が実行する大気補正処理の概要について、図6,図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、図6は、大気補正処理を実行するか否かを判断するフローチャートにあたり、また、図7は、平均出力値Ipav、複数平均出力値Ipavf、更新補正係数Kqを算出する大気補正処理を実行するフローチャートに相当するものであって、両フローチャートは、ECU10の電源導入後に処理を開始し、それぞれ所定の周期(例えば、1msec毎)で繰り返し実行される。
まず、図6に示すように、CPU2は、ステップS101にて、内燃機関100の運転中にF/Cが開始されたか否かを判定する。この判定は、上述したように、インジェクタ104からの燃料噴射量が0となる指示を出力したか否かで判定している。そして、F/Cが開始されたと判定される(ステップS101で「Yes」)と、ステップS103に移行し、CPU2は、特定の運転条件下でのF/Cであったか否かを判定する。この判定は、上述したように、F/Cが開始(F/C開始が判定)された直前のエンジン回転数、エンジン負荷、吸入空気量などの内燃機関の運転状態を表すパラメータを少なくとも1つ用い、そのパラメータが所定の条件を満たしているか否かで判定している。特定の運転状態下でのF/Cであったと判定される(ステップS103で「Yes」)と、CPU2は、ステップS105にて補正フラグを「1」に設定する。なお、ECU100の電源導入時には、補正フラグは0に設定されるようになっている。一方、ステップS101,ステップS103にて「No」と判定されると、本処理を終了し、当初からの処理をCPU2が繰り返し実行する。
次に、図7に示すフローチャートにおける各処理について説明する。まず、ステップS2にて、補正フラグが「1」であるか否かを判断し、肯定判定される(ステップS2で「Yes」)と、ステップS4に移行する。補正フラグは、図6のステップS105にて「1」に設定されるものである。一方、ステップS2にて否定判定される(ステップS2で「No」)と、本処理を終了する。そして、CPU2は、ステップS4にてF/Cが継続しているか否かを判定し、肯定判定される(ステップS4で「Yes」)と、ステップS6に移行する。ステップS6では、特定運転条件下でのF/C継続時間がt1以上になったか否かを判定する。なお、本実施の形態では、t1として4秒を設定している。
ここで、F/C継続時間としてt1だけ待つのは、F/Cが開始されても、F/C前の燃焼ガスが排気管120等に残り、燃焼ガスが新気(大気)に近づくか、又は入れ替わるまでに時間を要するため、排気管120内の酸素濃度も大気の酸素濃度に近付くまでに遅れが生じる。そのため、酸素センサ20の出力値(出力波形)も、F/C開始後に排気管120内の酸素濃度が増加するのにつれて徐々に増加し、排気管120がほぼ大気に近づくとその出力波形は脈動の影響はあるもののほぼ安定した値となる。そこで、ステップS6では、特定の運転条件下でF/Cが開始されてから、排気管120が大気に近づくか、又は入れ替わると想定される時間(t1)までF/Cが継続したか否かを判定するようにしている。
図7に戻り、CPU2は、ステップS6で肯定判定(ステップS6で「Yes」)すると、酸素センサ20の出力対応値Iprを取得する(ステップS8)。なお、出力対応値Iprは、特定の運転条件下でのF/Cが継続する限り、繰り返し取得が行われることになる。また、この出力対応値Iprは、酸素センサ20が出力する値(実出力値)Ipに、不揮発メモリ8に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた値である。なお、この出力対応値Iprが、特許請求の範囲の「補正後実出力値」に相当する。
次に、CPU2は、ステップS8で取得した出力対応値Iprが所定の第1範囲R1の範囲内か否かを判断し、ステップS10が「Yes」であれば、出力対応値Iprの加重平均処理を行う(ステップS12)。一方、ステップS10にて否定判定される(ステップS10で「No」)と、ステップS8で取得した出力対応値Iprを読み捨てるステップS14の処理に移行する。
通常、運転条件が決められた所定の条件下にてF/Cが開始されたとしても、酸素センサ20における個々の実出力値Ip(ひいては出力対応値Ipr)は脈動したり、その実出力値Ip(ひいては出力対応値Ipr)にノイズが含まれたりすることがある。そこで、本実施の形態では、複数の出力対応値Iprの値を平均化した平均実出力値Ipavを算出することで、脈動やノイズの影響を除去ないし軽減し、1回あたりのF/Cにおける安定した酸素センサ20の出力状態を検出するようにしている。具体的には、図3に示すように、一回あたりの燃料断期間中に得られる個々の実出力値Ipに現在の補正係数Kpを乗じた値(Ipr1−1、Ipr1−2・・・)のうち、所定の第1範囲(レンジ)R1内の値のみ(換言すれば、ステップS10で「Yes」と判定されたIprの値のみ)を取得して平均出力値Ipavを算出するようにしている。なお、本実施の形態では、レンジR1としては、燃料断基準出力値Ipsfの所定割合の変動値(例えば、燃料断基準出力値Ipsfを中心値にして、燃料基準出力値Ipsfの7.5%の値をプラス、マイナスした値)を上限及び下限として設定している。
図3に示すように、例えば、1回あたりの燃料断の期間に得られる酸素センサ20の実出力値Ipに補正係数Kpを乗じた出力対応値Ipr1のうち、2つの値Ipr1−1、Ipr1−2は、上下に値が振れて(脈動して)いるが、両者の平均をとることで、脈動の影響を除去することができる。また、2つの出力対応値Ipr1−6、Ipr1−8は、それぞれノイズを含んだ値、及び酸素センサ20が誤検出したときの値と推定されるが、これらはいずれもレンジR1を逸脱しているために平均出力値Ipavの算出に用いられず、ステップS14にて読み捨てられる。
次いで、ステップS12では、出力対応値Iprの加重平均処理(詳細には、128個の出力対応値Iprの加重平均処理)を行うが、その処理は、例えば下記式1に従って行われ、この出力対応値Iprを加重平均処理した値が、後述するステップS22の平均出力値に相当する加重平均値Ipavとなる。
Ipav=1/128×{最新のIpr−Ipav(n−1)}+Ipav(n−1) ・・・(1)
上記式1のIpav(n−1)は、1つ前(直前)の処理で算出された加重平均値に該当する。なお、この大気補正処理の開始直後はIpav(n−1)が存在しないため、最初に得られるIprをIpav(n−1)に代入して加重平均値Ipavを求めるようにしている。
そして、ステップS12が終了した場合、ステップS6で否定判定された(ステップS6で「No」)場合、及び、ステップS14が終了した場合には、ステップS25にそれぞれ移行する。
一方、ステップS4で、F/Cが継続していないと判定される(ステップS4で「No」)と、補正フラグを「1」から「0」に設定(ステップS16)し、ステップS20に移行する。ステップS20では、特定の運転条件下でのF/Cが終了するまでのF/C継続時間がt2以上か否かを判断する。なお、t2はt1よりも長い時間に設定され、本実施の形態では、5秒に設定されている。ステップS20で「Yes」であれば、CPU2は、ステップS12で算出していた加重平均値を平均出力値であるIpavとして取得する(ステップS22)。また、ステップS20で「No」であると、CPU2は、ステップS12で算出していた出力対応値Iprの加重平均値は、十分な数の出力対応値Iprによる平均値ではないとの理由から読み捨てる(ステップS24)。
次に、ステップS22の処理を終えると、CPU2は、複数平均実出力値Ipavfを得るためのIpavf取得処理の実施を指示する(ステップS23)。なお、この複数平均出力値Ipavfが、特許請求の範囲の「補正出力中間値」
に相当する。そして、ステップS23,S24の処理を終えると、CPU2は、ステップS25に移行する。ステップS25では、S23でIpavf取得処理の実施指示があったか否かを判定し、肯定判定(ステップS25で「Yes」)であれば、ステップS26へ移行し、否定判定(ステップS25で「No」)であれば処理を終了する。
ステップS26では、大気補正に用いる特性値に相当する更新補正係数Kqの算出に用いる複数平均実出力値Ipavfが所定の第2範囲内にあるか否かを判定し、ステップS26にて肯定判定される(ステップS26で「Yes」)と、ステップS28に移行する。
ここで、特定の運転条件下にてF/Cが繰り返し行われた場合であっても、内燃機関100の運転状態のバラツキ(偏り)によって、図4に示すように、ステップS22で取得された個々の加重平均値(Ipav1、Ipav2・・・)にバラツキが生ずることがある。そこで、個々の加重平均値(Ipav1、Ipav2・・・)のうち、所定の第2範囲(レンジ)R2の範囲内の値のみを取得して複数平均出力値Ipavfの算出に用いると、安定した複数平均出力値Ipavfを算出することができる。なお、レンジR2としては、例えば燃料断基準出力値Ipsfの所定割合の変動値(例えば、燃料断基準出力値Ipsfを中心値にして、燃料断基準出力値Ipsfの2.0%の値をプラス、マイナスした値)を上限及び下限として設定することができる。この場合、図4に示すように、例えば、2つの加重平均値Ipav3、Ipav4は、いずれもレンジR2を逸脱しているために複数平均出力値Ipavfの算出に用いられない(ステップS26で「No」と判定される)。
なお、レンジR2は、既にレンジR1で脈動を平均化した平均出力値Ipavに対して適用されるので、レンジR1内に設定されると共に、R2<R1となるように設定する。R2<R1とすることで、誤差を含む平均出力値Ipavを排除して複数平均出力値Ipavfを算出することができ、算出される複数平均出力値Ipavfの信頼性が向上する。
そして、ステップS28では、各加重平均値Ipavのさらなる加重平均処理(詳細には、16個の加重平均値Ipavの加重平均処理)を行うが、その処理は、例えば下記式2に従って行われ、このIpavを加重平均処理した値が複数平均出力値Ipavfとして取得される。
Ipavf=1/16{最新のIpav−Ipavf(n−1)}+Ipavf(n−1) ・・・(2)
上記式2のIpavf(n−1)は、1つ前(直前)の処理で算出された加重平均値に該当する。なお、この大気補正処理の開始直後はIpavf(n−1)が存在しないため、最初に得られるIpavをIpavf(n−1)に代入して加重平均値Ipavfを求めるようにしている。
一方、ステップS26で「No」と判定されると、ステップS30に移行し、CPU2は、ステップS26で「No」となった回数が所定回数を超えたか否かを判断する(ステップS30)。ステップS30の処理は、例えば図4でレンジR2を超えたもの(Ipav3,Ipav4)の個数のカウントに対応する。そして、ステップS30で「Yes」であれば、酸素センサ20の出力の異常が頻繁に見られたとみなし、CPU2はセンサ交換を指示し(ステップS32)、本処理を終了する。センサ交換の指示は、例えば車両の運転者に警報を報知したり、交換を促す表示を行うことで実行することができる。
一方、ステップS30で「No」であれば、ステップS34に移行し、ステップS22にて取得された加重平均値(出力平均値)Ipavの読み捨てを行い、本処理を終了する。
次いで、ステップS28の処理を終えると、CPU2は、ステップS36にて、ステップS28で取得された複数平均実出力値Ipsvfが所定の第3範囲(レンジ)内にあるか否かを判定する。
ここで、レンジR3としては、図5に示すように、燃料断基準出力値Ipsfの所定割合の変動値(例えば、燃料断基準出力値Ipfsを中心値にして、燃料断基準出力値Ipsfの1.0%の値をプラス、マイナスした値)を上限及び下限として設定している。
そして、ステップS36で否定判定され(ステップS36で「No」)、ステップS38にて、図5に示すように、継時的に得られた(並べられた)複数平均出力値IpavfがレンジR3を10回連続して外れた(ステップS38で「Yes」)と判定すると、ステップS40に移行し、新たな補正係数Kqを算出する処理を実行する。
ステップS40では、更新補正係数Kqの算出として、不揮発メモリ8に記憶されている燃料断基準出力値Ipsfを最新のIpavf(換言すれば、レンジR3を連続して外れた10回目(最後)の複数平均出力値Ipavf)を現在の補正係数Kpで除した値で除すことで算出する。そして、このステップS40で算出した更新補正係数Kqを、ステップS42にて新たな補正係数Kpとして不揮発メモリ8に更新(上書き)する。これにより、これ以降の酸素センサ20から出力される実出力値Ipから、新たな補正係数Kpにより補正された出力対応値Iprが算出され、この出力対応値Iprにより排気ガス中の酸素濃度の検出が行われる。なお、レンジR3を連続して外れた最後の複数平均出力値Ipavfを現在の補正係数Kpで除した値が、特許請求の範囲の「特性値」に相当する。
一方、ステップS36で「Yes」と判定、または、ステップS38で「No」と判定された場合には、本処理を終了する。つまり、直前の補正係数Kpが更新されずに用いられる。
このように、本実施の形態の酸素センサ制御装置10では、予め不揮発メモリ8に記憶された補正係数Kp、燃料断基準出力値Ipsfを用いつつ、内燃機関の特定の運転条件下でのF/Cの繰り返しを経て、更新補正係数Kqを算出して新たな補正係数Kpとして更新する処理を実行し、さらに、酸素センサ2の実出力値Ipを現在の補正係数Kpにて補正して酸素濃度検出を行うようにしている。これにより、本実施の形態の酸素センサ制御装置10では、酸素センサの出力特性と酸素濃度との関係を精度良く較正することができ、酸素センサ20の検出精度を長期間にわたって良好に維持することが可能となる。
なお、本実施の形態において、CPU2及びCPU2が実行するステップS38,S40の処理が、特許請求の範囲の「補正係数算出手段」に相当し、CPU2及びCPU2が実行するステップS42の処理が、特許請求の範囲の「補正係数更新手段」に相当する。また、第3範囲R3が特許請求の範囲の「補正判定範囲」、Ipavが特許請求の範囲の「平均出力値」、Ipavfが特許請求の範囲の「複数平均出力値」及び「補正出力中間値」に、それぞれ相当する。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能なことは言うまでもない。例えば、酸素センサ20は、2セル式の上記空燃比センサに限らず、1セル式の限界電流式の空燃比センサを用いることができる。さらに、上記実施の形態では、Ipav,Ipavfを加重平均値として求めたが、加重平均値に限らず、単純平均(相加平均)や移動平均による値を用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態において、第2範囲R2を設けずに、ステップS26,S30,S32,S34の処理を削除したフローチャートとしてもよい。さらに、上記実施の形態では、特定の運転条件下でのF/Cを複数回行って得られる複数平均出力値Ipavfを用いて更新補正係数Kqを算出するようにしたが、予め設定された数の特定の運転条件下のF/Cが行われる度に、そのときの特定の運転条件下の1回あたりのF/Cにて得られる出力平均値Ipavを現在の補正係数Kpで除した値を特性値として算出し、さらに燃料断基準出力値Ipsfをこの特性値で除して更新補正係数Kqを算出するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、ステップS6,S20におけるF/C継続時間t1,t2を固定値としたが、特定の運転条件でF/Cが開始された直前のエンジン回転数の数値等に応じて可変値として設定するようにしてもよい。
2 CPU
3 ROM
8不揮発メモリ(記憶手段)
10 酸素センサ制御装置(ECU)
20 酸素センサ(実酸素センサ)
100 内燃機関
Kp 補正係数
Kq 更新補正係数
Ipso 基準酸素出力値
Ipro 実酸素センサを特定雰囲気と酸素濃度が実質的に同じ雰囲気に晒したときの出力値
Ipsf 燃料断基準出力値
Ip 酸素センサの実出力値
Ipr 酸素センサの実出力値Ipに現在の補正係数Kpを乗じた出力対応値(補正後実出力値)
Ipav 平均出力値
Ipavf 複数平均出力値(補正出力中間値)
R1 第1範囲
R3 第3範囲(補正判定範囲)

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃料供給を特定の運転条件下で停止する燃料断を行ったときに、該内燃機関の排気管に取付けられた実酸素センサの出力値と酸素濃度との関係を較正する補正係数を求める酸素センサ制御装置であって、
    予め、前記補正係数として、(基準となる基準酸素センサを酸素濃度が既知の特定雰囲気に晒したときの基準酸素出力値)/(前記実酸素センサを前記特定雰囲気と酸素濃度が実質的に同じ雰囲気に晒したときの出力値)で表される補正係数Kpを記憶すると共に、前記実酸素センサを前記内燃機関に取り付けて前記燃料断を行ったときの当該実酸素センサの実出力値に補正係数Kpを乗じた燃料断基準出力値を記憶する記憶手段と、
    前記燃料断基準出力値が前記記憶手段に記憶された状態のもと、前記内燃機関の運転中に一回または複数回の前記燃料断が行われたとき、(前記燃料断基準出力値)/(前記燃料断の期間中に取得した1つ以上の前記実酸素センサの実出力値から得た、当該燃料断の期間中の前記実出力値を代表する特性値)で表される更新補正係数Kqを算出する補正係数算出手段と、
    この更新補正係数Kqを新たな補正係数Kpとして前記記憶手段に記憶された補正係数Kpを更新する補正係数更新手段と、
    を備えた酸素センサ制御装置。
  2. 所定回数の前記燃料断の期間中にそれぞれ取得した複数の前記実酸素センサの前記実出力値に、それぞれ前記記憶手段に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた補正後実出力値から得た、これら補正後実出力値の代表値を補正出力中間値としたとき、
    前記補正係数算出手段は、継時的に並べた上記補正出力中間値が、前記燃料断基準出力値を含んで画定された所定の補正判定範囲を所定個連続して逸脱したときに、最後に逸脱した上記補正出力中間値を現在の補正係数Kpで除した値を前記特性値として、前記更新補正係数Kqを算出する
    請求項1に記載の酸素センサ制御装置。
  3. 前記補正出力中間値は、一回あたりの前記燃料断の期間にわたり複数個取得した前記実酸素センサの実出力値のそれぞれに前記記憶手段に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた前記補正後実出力値を平均化した平均出力値から得られる
    請求項2に記載の酸素センサ制御装置。
  4. 前記補正出力中間値は、一回あたりの前記燃料断の期間にわたり複数個取得した前記実酸素センサの実出力値のそれぞれに前記記憶手段に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた前記補正後実出力値のうち、所定の第1範囲を逸脱した値を除外した残りの補正後実出力値を平均化した平均出力値から得られる
    請求項3に記載の酸素センサ制御装置。
  5. 前記第1範囲は、前記燃料断基準出力値を中心値にして画定された範囲に設定されている
    請求項4に記載の酸素センサ制御装置。
  6. 前記平均出力値は、一回あたりの前記燃料断において、当該燃料断が開始されてから所定期間後の前記実酸素センサの実出力値に前記記憶手段に記憶されている現在の補正係数Kpを乗じた補正後実出力値の複数個を用いて算出される
    請求項3〜5のいずれかに記載の酸素センサ制御装置。
  7. 前記補正出力中間値は、複数回の前記燃料断のそれぞれで得られた前記平均出力値を、さらに平均化した複数平均出力値から得られる
    請求項3〜6のいずれかに記載の酸素センサ制御装置。
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