JP5307618B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般産業機械、自動車におけるエンジンマウント等として用いられ、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を吸収及び減衰させる防振装置に関する。
エンジンマウントとして用いられる防振装置は、車両の振動発生部となるエンジンと振動受部となる車体との間に配設され、エンジンが発生する振動を吸収し、車体側への振動伝達を抑制する。このような防振装置としては、特許文献1に開示される防振装置が公知である。
特許文献1の防振装置は、第1取付具10と第2取付具12を防振基体14で連結するとともに、該防振基体が室壁の一部をなす第1液室16と、該第1液室の室壁の別の一部をなす加振板24と、該加振板を加振駆動するアクチュエータ26を設けた能動型液封入式防振装置である。
さらに、特許文献1の防振装置は、アクチュエータ26を、第2取付具12側に固定された固定子54と、該固定子に対して往復動可能に支持されるとともに加振板24に連結されてこれを加振駆動する可動子56とで構成するとともに、固定子56に、可動子56の磁性材部60に向かって突出する磁極部64を設け、磁極部64の先端に永久磁石68,70を設けるとともに、該磁極部の周りにコイル72を装着し、該コイルの外周を合成樹脂のモールド成形により形成された被覆体74で覆う。
特開2007−56915号公報(図1)
ところで、特許文献1のように、アクチュエータを備えた防振装置では、アクチュエータが連続動作すると、アクチュエータが発熱し、その発熱に起因してアクチュエータの性能が低下する場合がある。特に、アクチュエータを収容するアクチュエータケースに樹脂を用いた場合は、金属などを用いた場合に比べ、放熱性が悪くなる。また、アクチュエータの防塵性や防水性を高めるために、アクチュエータをアクチュエータケースに密封した場合にも、放熱性が悪くなる。
本発明は、上記事実を考慮し、アクチュエータの防水性を維持しつつ、アクチュエータの放熱性を向上できる防振装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に取り付けられる第1取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に取り付けられる第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結し、前記振動発生部からの振動入力により変形する弾性体と、液体が封入されると共に前記弾性体の変形により拡縮する主液室を前記弾性体との間に構成する可動板部と、前記可動板部を挟んで前記主液室と逆側に配置され、可動子が前記可動板部に連結されて前記可動板部を加振するアクチュエータと、前記アクチュエータが水密的に収容され、樹脂と該樹脂よりも熱伝導性の良い熱良導材とが一体成形されて構成されたアクチュエータケースと、を備え、前記アクチュエータケースは、前記熱良導材としての金属が前記樹脂にインサート成形されて構成され、前記アクチュエータに形成された金属製のフランジ部と前記アクチュエータケースに形成されたフランジ部とが固定されることにより、前記アクチュエータは前記アクチュエータケースに組み付けられて収容され、前記金属は、前記アクチュエータのフランジ部まで延在して前記アクチュエータのフランジ部に接触している。
この構成によれば、第1取付部材又は第2取付部材を通じて、振動発生部から振動が入力されると、弾性体が弾性変形し、この弾性変形に伴って主液室が拡縮する。
そして、振動発生部からの振動に応じてアクチュエータを駆動して、可動板部を加振することにより、振動発生部からの振動を吸収し、振動受部への振動伝達が抑制される。
ここで、アクチュエータが駆動すると、アクチュエータが発熱する。特に、本構成では、アクチュエータケースにアクチュエータが水密的に収容されているので、アクチュエータの熱がアクチュエータケースの外部へ逃げにくい。
これに対して、請求項1では、アクチュエータケースは、樹脂と該樹脂よりも熱伝導性の良い材料とで一体的に構成されているので、アクチュエータケースを通じての外部への放熱が促進される。
従って、請求項1の構成では、アクチュエータの防水性を維持しつつ、アクチュエータの放熱性を向上できる。
また、上記請求項1の構成によれば、熱良導材としての金属が樹脂にインサート成形されて構成されているので、簡易な構成で、アクチュエータの放熱性を向上できる。
さらに、上記請求項1の構成によれば、金属がフランジ部に接触しているので、フランジ部を通じて、外部に放熱される。これにより、アクチュエータの放熱が促進される。
本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1の構成において、前記金属は、一端部が前記アクチュエータケースの内部に露出し、他端部が前記アクチュエータケースの外部に露出する。
この構成によれば、アクチュエータケースの内部に露出した一端部から熱が吸収され、アクチュエータケースの外部に露出する他端部に熱伝導して、その他端部から熱が外部へ放出される。これにより、アクチュエータの放熱が促進される。
アクチュエータケースにアクチュエータを水密的に収容する構成としては、請求項3に示すように、前記アクチュエータを前記アクチュエータケースの内周面に圧入することにより、前記アクチュエータは前記アクチュエータケースに組み付けられて収容されている構成とすることができる。
本発明は、上記構成としたので、アクチュエータの防水性を維持しつつ、アクチュエータの放熱性を向上できる。
本実施形態に係る防振装置の構成を示す側断面図である。 本実施形態に係る防振装置の構成を示す図1から90度回転させた側断面図である。 本実施形態に係るアクチュエータの構成を示す分解斜視図である。 本実施形態に係るアクチュエータ及びアクチュエータケースの構成を示す側断面図である。 本実施形態に係るアクチュエータ及びアクチュエータケースの構成を示す図4から90度回転させた側断面図である。 アクチュエータの放熱部材のフランジ部を通じて放熱する変形例に係るアクチュエータケースの構成を示す側断面図である。 変形例に係るアクチュエータケースの構成を示す図6から90度回転させた側断面図である。 アクチュエータの放熱部材の円筒部を通じて放熱する変形例に係るアクチュエータケースの構成を示す側断面図である。 変形例に係るアクチュエータケースの構成を示す図8から90度回転させた側断面図である。 樹脂に金属粉末を分散させた変形例に係るアクチュエータケースの構成を示す側断面図である。 変形例に係るアクチュエータケースの構成を示す図10から90度回転させた側断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る防振装置の構成)
まず、本実施形態に係る防振装置10の構成を説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る防振装置の構成を示す側断面図である。
本実施形態に係る防振装置10は、自動車における振動発生部であるエンジンを振動受部である車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図中の符号Sは装置の軸心を示し、この軸心に沿った方向を装置の軸方向Sとして以下の説明を行う。
図1及び図2に示されるように、防振装置10は、エンジン側に取り付けられる第1取付部材12、車体側に取り付けられる第2取付部材20、第1取付部材12と第2取付部材20とを連結するゴム弾性体16を備えている。
なお、振動が発生する振動発生部が第2取付部材20側に取り付けられ、振動を受ける振動受部が第1取付部材12側に取り付けられる構成であってもよい。また、防振装置としては、エンジンマウントに適用されるものに限られず、種々のものに適用することが可能である。
第2取付部材20は、外筒22、及び、中間筒24を含んで構成されている。外筒22は、略円筒形状の円筒部22A、円筒部22Aの一端から径方向外側に延出されたフランジ部22B、及び、円筒部22Aの他端側で中間筒24の端部や後述する封止板40などをかしめて固定するカシメ部22Cを有している。中間筒24は、円筒部22Aよりも小径の略円筒形状とされ、外筒22の径方向内側に同軸的に配置されている。中間筒24の一端側は、僅かに径方向外側へ湾曲した湾曲部24Aとされ、他端側は、径方向外側に段付きで屈曲された段付フランジ部24Bとされている。外筒22のフランジ部22Bには、リバウンドストッパ金具13との連結用のボルト孔22Hが穿孔されている。
図1に示すように、リバウンドストッパ金具13は、略U字状に湾曲された頂部の内側にゴム材13Aが配置されており、取付部13Bでボルト13Cにより第2取付部材20へ固定されている。リバウンドストッパ金具13は、防振装置10の上部外側を囲むように配置されている。なお、リバウンドストッパ金具13については、図1以外の図面では、図示を省略している。
第2取付部材20は、後述する脚部材96を介して、車体(不図示)に連結される。なお、第2取付部材20は、直接、車体(不図示)に取り付けられる構成であっても良いし、脚部材96以外の部材を介して車体(不図示)に取り付けられる構成であっても良い。
第1取付部材12は、外径が第2取付部材20の内径よりも小径の略円柱状とされ、第2取付部材20と同軸的に、かつ、軸方向Sで第2取付部材20よりも外側に突出して配置されている。第1取付部材12の2取付部材20側は、先端に向かって小径となるような略テーパー形状とされている。第1取付部材12の第2取付部材20と逆側は、リバウンドストッパ金具13のゴム材13Aと対向配置されている。第1取付部材12は、不図示の取付部によってエンジン(不図示)と連結されている。
ゴム弾性体16は、第1取付部材12の小径側先端外周に加硫接着されると共に、中間筒24の湾曲部24A側の内周に湾曲部24Aの外周側をも覆うように加硫接着されており、第1取付部材12と中間筒24とを弾性的に連結している。ゴム弾性体16の下面(第2取付部材20側の面)には、凹部16Aが構成されている。ゴム弾性体16には、第1取付部材12の外周面を覆う薄肉の上部膜17が一体的に構成されている。また、ゴム弾性体16には、中間筒24の段付フランジ部24B側に延びて中間筒24の内周面を覆う薄肉の下部膜18が一体的に構成されている。
外筒22の円筒部22A内側には、ダイヤフラム30が加硫接着されている。ダイヤフラム30は、薄肉のゴム膜で構成されており、略円筒状とされている。ダイヤフラム30の円筒の一端は、径方向内側へ湾曲して縮径されリング34に加硫接着されている。リング34は、上部膜17を介して第1取付部材12に外嵌されている。ダイヤフラム30の円筒の他端は、外筒22のカシメ部22C側へ延出され円筒部22Aの内周面を覆う被覆膜32を構成している。
第2取付部材20の第1取付部材12と逆側には、封止板40が配置されている。ゴム弾性体16の凹部16A、中間筒24、及び封止板40により囲まれて、受圧室としての主液室36が構成されている。ゴム弾性体16とダイヤフラム30の間には、環状に副液室38が構成されている。外筒22と中間筒24との間には、オリフィス通路26が構成されている。オリフィス通路26は、一端が主液室36と連通され、他端が副液室38と連通されており、オリフィス通路26によって、主液室36と副液室38とが連通されている。主液室36、副液室38、及び、オリフィス通路26には、液体が充填されている。
エンジンに連結された第1取付部材12側から軸方向Sの振動が入力されると、ゴム弾性体16が弾性変形し、この弾性変形に伴って主液室36の内容積が拡縮する。これにより、エンジンから入力される振動のうち比較的低い周波数域の振動、例えばシェイク振動等の入力時には、主液室36と副液室38との圧力差により主液室36内に封入された液体と副液室38内に封入された液体がオリフィス通路26を通して相互に流通し、オリフィス通路26内での液柱共振作用などにより、制振効果及び防振効果を得ることができる。オリフィス通路26は、その路長や断面積が、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の周波数域で制振効果が有効に発揮されるように設定されている。
封止板40は、円板状とされ、外周板部42、可動板部44、及び、外周板部42と可動板部44とを連結する環状のゴム部46を含んで構成されている。外周板部42は外周端が下側に屈曲され、中間筒24の段付フランジ部24B等と共にかしめられ、第2取付部材20に固定されている。可動板部44には、後述するアクチュエータ50の軸部材54を挿入して連結する連結凹部44Aが構成されている。可動板部44は、ゴム部46により、弾性的に外周板部42に支持されている。
封止板40の主液室36と逆側には、アクチュエータ50が配置されている。アクチュエータ50は、図3〜5にも示すように、軸方向Sに往復運動する可動子52、および、可動子52を支持する固定子60を備えている。本実施形態のアクチュエータ50は、例えば、特開2004−343964号に開示されたリニアアクチュエータと同様の原理により作動する。
可動子52は、軸状の軸部材54、及び、円板状の張出部56、58を備えている。軸部材54は、軸方向Sに沿って配置され、一端部54Aが可動板部44の連結凹部44Aに連結されている。張出部56、58は、軸部材54と同軸的に、互いに離間して、軸部材54の中間部に固定されている。張出部56、58は、電磁鋼板等の磁性金属である複数の金属板が積層されて構成されている。
固定子60は、可動子52の外周を囲むように配置され、ヨーク部62、コイル部材64、及び、磁極部67を備えている。
ヨーク部62は、環状とされ、中空部62Aが構成されている。可動子52は、中空部62Aの中央に挿通されている。ヨーク部62は、電磁鋼板等の磁性金属よりなる複数の環状の金属板を積層して構成されている。ヨーク部62には、各々対向する位置から径方向内側へ突出する凸部63A、63Bが形成されている。凸部63A、63Bの先端(内端)部は、張出部56、58に沿った弧状とされており、永久磁石が固定されて、磁極部67が構成されている。
図3及び図5に示すように、凸部63A、63Bの張出部56に対向する位置には、軸方向Sに並ぶ2組の永久磁石65A、65Bが固定されている。2組の永久磁石65A、65Bは、磁極が互いにNS交互の異極をなすように配置されている。また、凸部63A、63Bの、2組の永久磁石65A、65Bの下側(封止板40から遠い側)には、軸方向Sに並ぶ2組の永久磁石66A、66Bが固定されている。2組の永久磁石66A、66Bは、磁極が互いにNS交互の異極をなすように、また、隣り合う永久磁石65Bと永久磁石66Aの磁極も互いにNS交互の異極をなすように配置されている。すなわち、磁極部67には、磁極が互いにNS交互の異極をなすように、4組の永久磁石65A、65B、66A、66Bが、軸方向Sに配置されている。
なお、永久磁石65Aの上端から永久磁石65Bの下端までの長さは、張出部56の上下方向(軸方向S)の長さよりも長くなっている。また、永久磁石66Aの上端から永久磁石66Bの下端までの長さも、張出部58の上下方向(軸方向S)の長さよりも長くなっている。
ヨーク部62の軸方向Sの上端(封止板40側)には、放熱部材70が固定されている。放熱部材70は、後述するアクチュエータケース82の内部の熱を外部へ逃がす放熱作用を有する。なお、放熱作用を有さない部材を用いても良い。
放熱部材70は、円筒状の円筒部71、円筒部71の一端側で径方向外側に延出されたフランジ部72、及び、円筒部71の他端側で底面を構成する底部73を備え、これらが一体的に構成されている。底部73には、四角形状の開口73Aが構成されている。
放熱部材70は、底部73に穿孔された止穴73Hにピン76、77が挿入され、ヨーク部62に固定されている。円筒部71の外径は、後述するアクチュエータケース82の内径とほぼ同径とされ、アクチュエータケース82に圧入されている。この圧入により、放熱部材70を介して固定子60がアクチュエータケース82との間で位置決めされつつ、アクチュエータケース82に固定される。
可動子52は、上下一対の板バネ90、90を介して、固定子60に対して軸方向Sに往復動可能に弾性支持されている。板バネ90、90は、中央リング部93及び一対の外周環状部94、94を備えている。中央リング部93は、軸部材54に構成された支持溝54Mに係合されて支持されている。一対の外周環状部94、94は、中央リング部93から延びて後述するコイル部材64を各々迂回する角形の変形リング状とされている。上側の外周環状部94は、放熱部材70と軸方向Sに所定間隔離間されるように、ピン77の溝77Mに取り付けられている。下側の外周環状部94は、ヨーク部62の下面と軸方向Sに所定間隔離間されるように、ピン77に取り付けられている。
ヨーク部62の中空部62Aには、コイル部材64が配置されている。コイル部材64は、ヨーク部62の凸部63A、63Bの各々の周りにコイルが巻き回された、一対のコイル部78A、78Bを有している。一対のコイル部78A、78Bは、連結部79で連結されている。したがって、コイル部78A、78Bは、4組の永久磁石65A、65B、66A、66Bが各々向き合う方向に磁束を発生可能に構成されている。コイル部78Aには、コネクタ80が形成されており、コネクタ80を介してコイルへの通電が行われる。
アクチュエータ50は、図4及び図5に示すように、アクチュエータケース82に収容されている。アクチュエータケース82は、有底円筒形状とされ、円筒状の円筒部84、円筒部84の一端側を閉鎖する底部86、及び、円筒部84の他端側の開口で径方向外側へ延出するフランジ部88を備えている。アクチュエータケース82のフランジ部88側には、放熱部材70が底部73側から圧入され、放熱部材70のフランジ部72がアクチュエータケース82上に配置されている。底部86の軸部材54に対応する位置には、ストッパゴム92が設けられている。
アクチュエータ50は、コイル部78A、78Bに交流電流が通電されることにより、コイル部78A、78Bの磁力と磁極部67の磁力とが作用し合って可動子52に上下方向への力を交互に作用させる。これにより、板バネ90に支持された可動子52が、軸方向Sに往復運動する。
アクチュエータケース82は、脚部材96内に収納されている。脚部材96は、円筒状の円筒部96A、円筒部96Aの下端から下側へ向かって大径となるテーパー状の脚部96B、及び、円筒部96Aの上端から径方向外側へ延出するフランジ部96Cを備えている。フランジ部96C上にフランジ部88が配置され、その上に、フランジ部72、外周板部42、段付フランジ部24Bが順に重ねられ、これらが、カシメ部22Cに挟み込まれて加締め固定される。脚部材96は、脚部96Bの円筒部96Aと逆側が不図示のボルトにより車体側に連結される。
本実施形態では、上述のように、アクチュエータ50の一部を構成する放熱部材70が底部73側から圧入されると共に、アクチュエータケース82のフランジ部88と放熱部材70のフランジ部72とが、カシメ部22Cに挟み込まれて組み付けられ、加締め固定されている。これにより、アクチュエータ50は、アクチュエータケース82に水密的に収容される。すなわち、アクチュエータ50に水が浸入しないようになっている。
なお、放熱部材70をアクチュエータケース82に圧入してアクチュエータ50をアクチュエータケース82に固定する構成に限られず、他の方法でアクチュエータ50をアクチュエータケース82に固定してもよい。また、アクチュエータケース82のフランジ部88と放熱部材70のフランジ部72とは必ずしも形成されている必要性は無く、フランジ部を利用しない固定方法を用いてもよい。
また、本実施形態では、図4及び図5に示すように、アクチュエータケース82は、樹脂82Aと該樹脂82Aよりも熱伝導性の良い熱良導材とが一体成形されて構成されている。具体的には、アクチュエータケース82は、熱良導材としての金属82Bが樹脂82Aにインサート成形されて構成されている。
金属82Bとしては、例えば、アルミ、アルミ合金(アルミダイカストによる)、鉄、銅等が用いられる。
金属82Bは、アクチュエータケース82の内部に露出する第1露出部83Aが一端部に形成され、アクチュエータケース82の外部に露出する第2露出部83Bが他端部に形成されている。第1露出部83Aと第2露出部83Bとは、連結部83Cによって連結されており、第1露出部83A、第2露出部83B及び連結部83Cが一体的に構成されている。
第1露出部83Aは、円筒状に形成され、アクチュエータケース82の内壁の一部を構成している。第2露出部83Bも、円筒状に形成され、アクチュエータケース82の外壁の一部を構成している。
なお、金属82B(例えば、連結部83C)には、金属82Bをあらかじめ金型内に設置して樹脂82Aを充填するインサート成形の際に、樹脂82Aが金型に充填されるように、必要に応じて、スリット等の切欠けが形成されている。
(本実施形態に係る防振装置10の作用)
次に、本実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。
本実施形態に係る防振装置10では、振動発生部(エンジン)からの振動に応じてアクチュエータ50を往復運動させ、可動板部44を加振することにより、振動発生部からの振動を吸収し、振動受部(車体)側への振動伝達が抑制されている。
ここで、アクチュエータ50が駆動すると、アクチュエータ50が発熱する。特に、本構成では、アクチュエータ50が水密的に収容されているので、アクチュエータ50の熱がアクチュエータケース82の外部へ逃げにくく、アクチュエータケース82の内部にこもりやすい。
これに対して、本実施形態に係るアクチュエータケース82では、アクチュエータケース82の内部に露出した第1露出部83Aから熱が吸収され、アクチュエータケース82の外部に露出する第2露出部83Bに熱伝導して、その第2露出部83Bから熱が外部へ放出される。これにより、アクチュエータケース82の放熱が促進される。
従って、本実施形態に係る防振装置10によれば、アクチュエータ50の防水性を維持しつつ、アクチュエータ50の放熱性を向上できる。
なお、アクチュエータケース82の金属82Bは、図6及び図7に示すように、放熱部材70のフランジ部72に延在してそのフランジ部72に接触する接触部83Dを備える構成であってもよい。図6及び図7に示す構成では、接触部83Dは、第2露出部83Bと連結されており、第1露出部83A、第2露出部83B、連結部83C及び接触部83Dが一体的に構成されている。
なお、放熱部材70は、アクチュエータケース82の樹脂82Aよりも熱伝導性の良い熱良導材としての金属で形成されている。
これにより、第1露出部83Aに吸収された熱は、接触部83Dを通じて放熱部材70のフランジ部72に熱伝導し、そのフランジ部72を通じて熱が外部へ放出される。これにより、アクチュエータケース82の放熱が促進される。なお、フランジ部72は、直接、アクチュエータケース82の外部に露出される構成でもよいし、また、上述した外周板部42や外筒22に接触させて、これらを通じて放熱する構成であってもよい。
また、アクチュエータケース82の金属82Bは、図8及び図9に示すように、放熱部材70の円筒部71に延在してその円筒部71に接触する接触部83Eを備える構成であってもよい。図8及び図9に示す構成では、接触部83Eは、第1露出部83A及び第2露出部83Bと連結されており、第1露出部83A、第2露出部83B、連結部83C及び接触部83Dが一体的に構成されている。
これにより、第1露出部83Aに吸収された熱は、接触部83Eを通じて放熱部材70の円筒部71に熱伝導し、その円筒部71からフランジ部72を通じて熱が外部へ放出される。これにより、アクチュエータケース82の放熱が促進される。なお、フランジ部72は、直接、アクチュエータケース82の外部に露出される構成でもよいし、また、上述した外周板部42や外筒22に接触させて、これらを通じて放熱する構成であってもよい。
なお、第2露出部83Bは、図8及び図9に示すように、アクチュエータケース82の円筒部84の軸方向一端から他端にかけて形成されていてもよい。
また、金属82Bは、各部間で熱伝導すればよいので、1つの部材(例えば、金属板)から加工されていても良いし、別体で形成した後に接合される構成であってもよいし、その他の成形方法で形成されていてもよい。
また、熱良導材としては、金属82Bに限られず、図10及び図11に示すように、樹脂82Aに混入された金属粉末82Cであってもよい。この構成では、樹脂82Aに金属粉末82Cが分散されている。これにより、樹脂82Aの放熱性が全体的に向上し、アクチュエータケース82の内壁から吸収された熱が、アクチュエータケース82の外壁に熱伝導し、その外壁から熱が外部へ放出される。これにより、アクチュエータケース82の放熱が促進される。なお、金属粉末82Cに替えて、グラファイトカーボンなどを用いても良い。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
10 防振装置
12 第1取付部材
16 ゴム弾性体
20 第2取付部材
44 可動板部
50 アクチュエータ
72 フランジ部
82 アクチュエータケース
82A 樹脂
82B 金属
82C 金属粉末
88 フランジ部

Claims (3)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に取り付けられる第1取付部材と、
    振動発生部及び振動受部の他方に取り付けられる第2取付部材と、
    前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結し、前記振動発生部からの振動入力により変形する弾性体と、
    液体が封入されると共に前記弾性体の変形により拡縮する主液室を前記弾性体との間に構成する可動板部と、
    前記可動板部を挟んで前記主液室と逆側に配置され、可動子が前記可動板部に連結されて前記可動板部を加振するアクチュエータと、
    前記アクチュエータが水密的に収容され、樹脂と該樹脂よりも熱伝導性の良い熱良導材とが一体成形されて構成されたアクチュエータケースと、
    を備え、
    前記アクチュエータケースは、前記熱良導材としての金属が前記樹脂にインサート成形されて構成され、
    前記アクチュエータに形成された金属製のフランジ部と前記アクチュエータケースに形成されたフランジ部とが固定されることにより、前記アクチュエータは前記アクチュエータケースに組み付けられて収容され、
    前記金属は、前記アクチュエータのフランジ部まで延在して前記アクチュエータのフランジ部に接触している防振装置。
  2. 前記金属は、一端部が前記アクチュエータケースの内部に露出し、他端部が前記アクチュエータケースの外部に露出する請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記アクチュエータを前記アクチュエータケースの内周面に圧入することにより、前記アクチュエータは前記アクチュエータケースに組み付けられて収容されている請求項1又は2に記載の防振装置。
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