JP5307015B2 - ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体含有点眼剤 - Google Patents

ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体含有点眼剤 Download PDF

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Description

本発明は、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤等に関する。
式(I)
[式中、Aは、単結合、-CH=CH-または(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体が、抗アレルギー作用および抗炎症作用を示し、鼻アレルギー、喘息等のアレルギー疾患および蕁麻疹等の皮膚疾患に有用であることが知られている(特許文献1参照)。また、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体の塩の1つであるオロパタジン塩酸塩を含有する眼疾患用の点眼剤が知られている(特許文献2および3参照)。
しかしながら、オロパタジン塩酸塩は溶解度が低く、オロパタジンの濃度を高濃度にした水溶性点眼剤を調製することは容易ではなかった。特許文献3では高濃度点眼剤を調製するために、ポリビニルピロリドンあるいはポリスチレンスルホン酸から本質的になるポリマーの物理的安定性増強成分を含有する眼および鼻のアレルギー性障害または炎症性障害を処置するための局所的に投与可能な溶液組成物を提案している。
特開昭63-10784号公報 (米国特許5116863号明細書) 特表平09-510235号公報 (米国特許5641805号明細書) 特表2004-536096号公報 (米国特許6995186号明細書)
本発明の目的は、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の濃度を高濃度にすることができる組成の点眼剤または局所投与用製剤を提供することである。また、本発明のもう1つの目的は、目のアレルギー性障害もしくは炎症性障害を治療するためまたは鼻のアレルギー性障害もしくは炎症性障害を治療するために有効な組成のジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤を提供することである。さらに別の目的は、該点眼剤または該局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療剤を提供することである。
本発明は以下の(1)〜(36)に関する。
(1) 式(I)
[式中、Aは、単結合、-CH=CH-または(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、および多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤。
(2) さらに、浸透圧調整剤を含有する前記(1)記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(3) 浸透圧調整剤が、塩化ナトリウムである前記(2)記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(4) さらに、増粘剤を含有する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(5) 増粘剤が、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである前記(4)記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(6) pHが、3.0〜8.0の間のいずれかである前記(4)または(5)記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(7) pHが、3.0〜5.5の間のいずれかである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(8) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、リン酸、ホウ酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(9) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、アスパラギン酸もしくはそのアミド、またはそれらの塩である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の点眼剤または局所投与用製剤。
(10) 式(I)
[式中、Aは、単結合、-CH=CH-または(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、および多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(11) さらに、浸透圧調整剤を含有する前記(10)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(12) 浸透圧調整剤が、塩化ナトリウムである前記(11)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(13) さらに、増粘剤を含有する前記(10)〜(12)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(14) 増粘剤が、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである前記(13)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(15) pHが、3.0〜8.0の間のいずれかである前記(13)または(14)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(16) pHが、3.0〜5.5の間のいずれかである前記(10)〜(14)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(17) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、リン酸、ホウ酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩である前記(10)〜(16)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(18) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、アスパラギン酸もしくはそのアミド、またはそれらの塩である前記(10)〜(16)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
(19) 式(I)
[式中、Aは、単結合、-CH=CH-または(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、および多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤を、哺乳動物に投与するアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(20) さらに、点眼剤または局所投与用製剤が、浸透圧調整剤を含有する前記(19)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(21) 浸透圧調整剤が、塩化ナトリウムである前記(20)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(22) さらに、点眼剤または局所投与用製剤が、増粘剤を含有する前記(19)〜(21)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(23) 増粘剤が、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである前記(22)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(24) 点眼剤または局所投与用製剤のpHが、3.0〜8.0の間のいずれかである前記(22)または(23)記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(25) 点眼剤または局所投与用製剤のpHが、3.0〜5.5の間のいずれかである前記(19)〜(23)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(26) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、リン酸、ホウ酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩である前記(19)〜(25)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(27) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、アスパラギン酸もしくはそのアミド、またはそれらの塩である前記(19)〜(25)のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法。
(28) 式(I)
[式中、Aは、単結合、-CH=CH-または(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、および多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩の、点眼剤または局所投与用製剤の形態のアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療剤の製造のための使用。
(29) さらに、点眼剤または局所投与用製剤が、浸透圧調整剤を含有する前記(28)記載の使用。
(30) 浸透圧調整剤が、塩化ナトリウムである前記(29)記載の使用。
(31) さらに、点眼剤または局所投与用製剤が、増粘剤を含有する前記(28)〜(30)のいずれかに記載の使用。
(32) 増粘剤が、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである前記(31)記載の使用。
(33) 点眼剤または局所投与用製剤のpHが、3.0〜8.0の間のいずれかである前記(31)または(32)記載の使用。
(34) 点眼剤または局所投与用製剤のpHが、3.0〜5.5の間のいずれかである前記(28)〜(32)のいずれかに記載の使用。
(35) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、リン酸、ホウ酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩である前記(28)〜(34)のいずれかに記載の使用。
(36) 多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩が、アスパラギン酸もしくはそのアミド、またはそれらの塩である前記(28)〜(34)のいずれかに記載の使用。
本発明によれば、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の濃度を高濃度にすることができる組成の点眼剤または局所投与用製剤を提供することができる。さらに、目のアレルギー性障害もしくは炎症性障害を治療するためまたは鼻のアレルギー性障害もしくは炎症性障害を治療するために有効な組成のジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤を提供することができる。さらに、該点眼剤または該局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療剤を提供することができる。
実施例1〜4および比較例1で得られた製剤が、目のアレルギー性障害または炎症性障害の治療に有効であることを確認する試験結果を示す(試験例3)。縦軸は組織重量当たりの色素量を示し、Ex.1〜4は実施例1〜4で得られた製剤を投与した場合を示し、Comparison 1は比較例1で得られた製剤を投与した場合を示し、Salineは、生理食塩水を投与した場合を示し、N0 challengeは、無処置を示す。* は、Student’s t-testを用いた統計解析において、生理食塩水を投与した場合に対して、危険率5%未満の有意差ありを示す。** は、Student’s t-testを用いた統計解析において、生理食塩水を投与した場合に対して、危険率1%未満の有意差ありを示す。 実施例5、6および比較例2で得られた製剤が、目のアレルギー性障害または炎症性障害の治療に有効であることを確認する試験結果を示す(試験例4)。縦軸は組織重量当たりの色素量を示し、Ex.5および6は実施例5および6で得られた製剤を投与した場合を示し、Comparison 2は比較例2で得られた製剤を投与した場合を示し、Salineは、生理食塩水を投与した場合を示し、N0 challengeは、無処置を示す。*** は、Student’s t-testを用いた統計解析において、生理食塩水を投与した場合に対して、危険率0.1%未満の有意差ありを示す。###は、Aspin-Welch testを用いた統計解析において、生理食塩水を投与した場合に対して、危険率0.1%未満の有意差ありを示す。 実施例1および7〜11で得られた製剤が、目のアレルギー性障害または炎症性障害の治療に有効であることを確認する試験結果を示す(試験例5)。縦軸は組織重量当たりの色素量を示し、Ex.1および7〜11は実施例1および7〜11で得られた製剤を投与した場合を示し、Salineは、生理食塩水を投与した場合を示し、N0 challengeは、無処置を示す。*** は、Student’s t-testを用いた統計解析において、生理食塩水を投与した場合に対して、危険率0.1%未満の有意差ありを示す。###は、Aspin-Welch testを用いた統計解析において、生理食塩水を投与した場合に対して、危険率0.1%未満の有意差ありを示す。 実施例12および13で得られた製剤が、目のアレルギー性障害または炎症性障害の治療に有効であることを確認する試験結果を示す(試験例5)。縦軸は組織重量当たりの色素量を示し、Ex.12および13は実施例12および13で得られた製剤を投与した場合を示し、Salineは、生理食塩水を投与した場合を示し、N0 challengeは、無処置を示す。*** は、Student’s t-testを用いた統計解析において、生理食塩水を投与した場合に対して、危険率0.1%未満の有意差ありを示す。
本発明の点眼剤および局所投与用製剤は、有効成分としてのジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有し、多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有する、点眼剤および局所投与用製剤である。本発明における点眼剤は、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の溶液、懸濁液または用時溶解もしくは懸濁して用いるもので、好ましくはジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の水溶液である。また、本発明における局所投与用製剤は、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の、眼軟膏もしくは軟膏剤(クリームを含む)、鼻、肺または皮膚に投与するための液剤もしくは粉末吸入用の散剤であり、好ましくはジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の、水性眼軟膏もしくは水性軟膏剤、鼻、肺または皮膚に投与するための水性液剤である。
本発明におけるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体は、式(I)
[式中、Aは、単結合、-CH=CH-または(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体(以下、化合物(I)という)である。
式(I)の各基の定義において、低級アルキルとしては、例えば炭素数1〜6の直鎖状または分枝状のアルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等があげられる。隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基としては、例えばピロリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、N-メチルピペラジニル、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、インドリル、イソインドリル等があげられる。
ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体の塩としては、例えば薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、例えば酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩があげられる。薬学的に許容される金属塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、例えばマグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられる。薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられる。薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩があげられる。
化合物(I)は、特開昭63-10784号公報に開示された方法で、またはそれに準じて製造することができる。化合物(I)の中でも、AがCH2であり、R1およびR2がともにCH3である化合物が好ましく、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩の好ましい具体例としては、式(A)
で表される(Z)-11-(3-ジメチルアミノプロピリデン)-6,11-ジヒドロジベンゾ[b,e]オキセピン-2-酢酸塩酸塩(以下、化合物(A)という)があげられる。
本発明の点眼剤および局所投与用製剤は、好ましくは、0.17〜0.65%(以下、全ての成分量は、%(w/v)ベースで示される)、より好ましくは0.17〜0.35%、さらに好ましくは0.18〜0.32%のジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有する。
本発明における多価の弱酸としては、リン酸、ホウ酸、有機酸(クエン酸、マレイン酸等)等があげられ、好ましくは、リン酸、ホウ酸等があげられる。
本発明における酸性アミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等があげられる。また、酸性アミノ酸のアミドとしては、例えば、酸性アミノ酸の1つまたは2つのカルボン酸とアンモニアまたはエチルアミンとの酸アミド、酸性アミノ酸のα位のアミノ基と酢酸または炭素数3〜20の脂肪酸との酸アミド等があげられ、好ましくはグルタミン、アスパラギン、γ-グルタミルエチルアミド(テアニン)、γ-アスパラギルエチルアミド等があげられる。
本発明における塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン等があげられる。
多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミドまたは塩基性アミノ酸もしくはそのアミドの塩としては、例えば薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、例えば酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩があげられる。薬学的に許容される金属塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、例えばマグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられる。薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられる。薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩があげられる。多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドの塩として、好ましくは薬学的に許容される金属塩があげられ、具体的にはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、例えばマグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。
本発明における多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドおよびそれらの塩は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、本発明において多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有するとは、結果的に多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有することを意味し、原料に制限はない。例えば、グルタミン酸を含有するとは、原料として、グルタミン酸、グルタミン酸と水酸化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムと塩酸等を水に溶かす場合のいずれも包含し、グルタミン酸およびグルタミン酸ナトリウムを含有するとは、原料として、グルタミン酸とグルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸と水酸化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムと塩酸等を水に溶かす場合のいずれも包含する。
また、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体の塩として、薬学的に許容される多価の弱酸の酸付加塩を用いた場合、およびジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体の塩として、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドの薬学的に許容される酸付加塩を用いた場合は、それら1成分を含有することによって、本発明におけるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、および多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有する、すなわち2成分を含有していることになり、本発明は上記の形態も包含する。
本発明における多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドおよびそれらの塩は、より好ましくは、リン酸、ホウ酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩であり、さらに好ましくは、グルタミン酸もしくはそのアミド、アスパラギン酸もしくはそのアミド、またはそれらの塩であり、もっとも好ましくはアスパラギン酸もしくはそのアミド、またはそれらの塩である。
本発明における多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩の濃度は、多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドおよびそれらの塩を合わせて好ましくは0.1〜100 mmol/L、より好ましくは1〜50 mmol/L、さらに好ましくは10〜25 mmol/Lである。
本発明の点眼剤および局所投与用製剤は、増粘剤を含有することが好ましく、本発明における増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸、デキストラン、デキストラン硫酸、キトサン、ゼラチン、ショ糖、メチルセルロース、アルギン酸金属塩、ヒアルロン酸金属塩等があげられ、より好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸、デキストラン、デキストラン硫酸、メチルセルロース、アルギン酸金属塩、ヒアルロン酸金属塩等があげられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、増粘剤のうち、過酸化物価の低いポリマーであるポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸、デキストラン、デキストラン硫酸、キトサン等を含有することも本発明の点眼剤および局所投与用製剤において好ましい。本発明の点眼剤および局所投与用製剤において増粘剤を含有する場合には、好ましくは、0.01〜5.0%、より好ましくは0.1〜3.0%、さらに好ましくは0.1〜2.0%の増粘剤を含有する。
本発明の点眼剤および局所投与用製剤は、pHが、好ましくは3.0〜5.5の間のいずれか、より好ましくは3.5〜5.0の間のいずれか、さらに好ましくは3.5〜4.5の間のいずれかである。
また、本発明の増粘剤として、薬物の溶解性を向上させる性質をもった増粘剤を用いた場合には、pHは、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の析出が生じなければ、本発明の好ましい形態とすることができ、その場合のpHは、好ましくは3.0〜8.5の間のいずれか、より好ましくは5.5〜8.0の間のいずれか、さらに好ましくは6.5〜7.5の間のいずれかであり、その場合の増粘剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。また、本発明における多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩と増粘剤のより好ましい組み合わせとしては、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドおよびそれらの塩から選ばれる1以上と、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、コンドロイチン硫酸、デキストラン、デキストラン硫酸、メチルセルロース、アルギン酸金属塩およびヒアルロン酸金属塩から選ばれる1以上との組み合わせがあげられ、より好ましい組み合わせとしては、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、およびその塩から選ばれる1以上と、ポリビニルアルコールとの組み合わせがあげられる。
本発明の点眼剤および局所投与用製剤は、増粘剤の他に、所望により添加剤を含有してもよい。添加剤としては、点眼剤または局所投与用製剤に通常用いられるpH調整剤、防腐剤、浸透圧調整剤等を用いることができるが、浸透圧調整剤を、好ましくは目または鼻粘膜等に受容可能な浸透圧(一般的に150〜450 mOsm、好ましくは250〜350 mOsm)を有するために十分な量を含有することが好ましい。浸透圧調整剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、ホウ酸等があげられ、好ましくは塩化ナトリウムがあげられる。pH調整剤としては、塩酸、水酸化ナトリウム等、防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、クロロブタノール、ソルビン酸、エデト酸またはその薬学的に許容される塩等があげられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の点眼剤および局所投与用製剤は、目のアレルギー性障害または炎症性障害を治療するため、例えばアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療用に用いることができる。アレルギー性結膜炎または春季カタルの治療としては、炎症の縮小や、炎症痛、かゆみ、充血、涙または目やに等の抑制等があげられる。
また、本発明の局所投与用製剤は、鼻のアレルギー性障害または炎症性障害を治療するため、例えばアレルギー性鼻炎、春季アレルギー性鼻炎または慢性アレルギー性鼻炎の治療用に用いることができる。アレルギー性鼻炎、春季アレルギー性鼻炎または慢性アレルギー性鼻炎の治療としては、炎症の縮小や、炎症痛、かゆみ、くしゃみ、鼻閉、鼻水等の抑制等があげられる。
即ち、本発明は、上記説明した本発明の点眼剤および局所投与用製剤を哺乳動物に投与する、アレルギー性結膜炎または春季カタルの治療方法等も提供する。投与対象は、人であることが好ましい。
本発明のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤は、本発明の点眼剤または局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤であり、点眼剤の剤形であることが好ましい。
また、本発明は、上記説明したジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、および多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩の、点眼剤または局所投与用製剤の形態のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤の製造のための使用も提供する。
本発明により、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の化学的安定性が優れ、簡便な調製方法で調製できる該ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有する点眼剤もしくは局所投与用製剤および該点眼剤もしくは該局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤を提供することもできる。
また、薬効の持続性が促進されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有する点眼剤もしくは局所投与用製剤および該点眼剤もしくは該局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤を提供することもできる。
以下に、試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら試験例に限定されるものではない。
試験例1
オロパタジン塩酸塩(協和発酵工業、以下同じ)100 mgを量り、0.02 mol/L L-グルタミン酸(和光純薬工業、以下同じ)に水酸化ナトリウム(和光純薬工業あるいは関東化学、以下同じ)水溶液を加えて調製したpH 4.0およびpH 7.0のグルタミン酸-グルタミン酸ナトリウム緩衝液を、それぞれ10 mL 加え、室温(約23℃)下、1時間、マグネチックスターラー攪拌して、外観観察とpH測定を行った。続いて、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、それぞれpH 4および 7に調製し、外観観察とpH測定を行った。さらに、室温(約23℃)下、43時間放置し、外観観察、pH測定、溶解度測定および浸透圧測定を行った。結果を表1に示す。
溶解度測定方法;試験サンプルを400倍に希釈し、HPLCにより、オロパタジン濃度を測定した。ただし、試験サンプルに沈殿が生じている場合は、メンブランフィルター(エキクロディスク25(日本ポール))でろ過し、ろ液を400倍に希釈した後、HPLCにより、オロパタジン濃度を測定した。
溶解度測定条件
HPLC : LC-10ADvp シリーズ ・ CLASS-VP Ver. 6.14 SP 2 ワークステーション(島津製作所)
カラム : Inertsil C8 、内径 4.6 mm × 長さ 250 mm 、粒子径 5 μm(ジーエルサイエンス)
検出器 : 紫外検出器 299 nm
流速: 1.0 mL/分 (オロパタジン の保持時間が 約 10 分となるように調整)
注入量: 20 μL
カラム温度: 40℃ (カラム恒温槽使用)
移動相: ラウリル硫酸ナトリウム 2.3 gを 0.05 mol/L リン酸塩緩衝溶液(pH 3.5)・アセトニトリル混液(55:45)に加えて溶かし、1000 mL とする。
リンス液: 水/アセトニトリル(55:45)
浸透圧比測定方法;浸透圧計(オズモスタット OM6040 (アークレイ))を用いて浸透圧を測定した。
また、生理食塩水の浸透圧との比は、下記式に従い算出した。
浸透圧比=試験液浸透圧/生理食塩水の浸透圧(293 mOsm)
表1より、pH 4.0およびpH 7.0のグルタミン酸-グルタミン酸ナトリウム緩衝液は、10mLに対してオロパタジン塩酸塩100mgを溶解することができ、溶解後のpHはそれぞれ3.3および4.0であった。それぞれの液をpH 4および7にpH調整し、43時間後においては、pH 4にpH調整した液では、pH 7にpH調整した液と比較し、オロパタジン塩酸塩の溶解度が高いことが明らかとなった。
以上から、多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有し、pHを3.0〜5.5の間のいずれかとすることで、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を高濃度で含有する点眼剤または局所投与用製剤が調製できることが明らかとなった。
試験例2
オロパタジン塩酸塩100 mgを量り、0.9%塩化ナトリウム(和光純薬工業、以下同じ)を含む0.02 mol/L L-グルタミン酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えて調製したpH 4.0、pH 7.0のグルタミン酸-グルタミン酸ナトリウム緩衝液または0.9%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩液)を、それぞれ10 mL 加え、室温(約23℃)下、1時間、マグネチックスターラー攪拌して、外観観察とpH測定を行った。続いて、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH 4に調製し、外観観察とpH測定を行った。さらに、室温(約23℃)下、43時間放置し、外観観察とpH測定を行い、溶解度測定および浸透圧測定を試験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
表2より、0.9%塩化ナトリウムを含むpH 4.0グルタミン酸-グルタミン酸ナトリウム緩衝液、0.9%塩化ナトリウムを含むpH 7.0のグルタミン酸-グルタミン酸ナトリウム緩衝液または0.9%塩化ナトリウム水溶液(10 mL)に対してオロパタジン塩酸塩100 mgをそれぞれ加えた後、それぞれの液をpH 4にpH調整した場合においては、溶解液として0.9%塩化ナトリウムを含むpH 4.0グルタミン酸-グルタミン酸ナトリウム緩衝液または0.9%塩化ナトリウムを含むpH 7.0のグルタミン酸-グルタミン酸ナトリウム緩衝液を用いた場合は、0.9%塩化ナトリウム 水溶液を用いた場合と比較し、オロパタジン塩酸塩の溶解度が高いことが明らかとなった。
以上から、浸透圧調整剤を含む場合であっても、多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有し、pHを3.0〜5.5の間のいずれかとすることで、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩をより高濃度で含有する点眼剤または局所投与用製剤が調製できることが明らかとなった。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明の点眼剤および局所投与用製剤は、多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩と所望により浸透圧調整剤等の添加剤を水に溶解した後、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を加え、さらに、pH調整剤を加えてpH 3.0〜5.5の間のいずれか、好ましくは3.5〜5.0、より好ましくは3.5〜4.5になるように調製するか、または多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩と所望により浸透圧調整剤等の添加剤を水に溶解した後、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を加え、さらに、これらに増粘剤およびpH調整剤を加えてpH 3.0〜8.5になるように調製し、さらに水を加えるか、所望により添加剤または添加剤および水等を加えて調製できる。より具体的には、以下の実施例1〜13に記載のように点眼剤および局所投与用製剤を調製できる。
L-グルタミン酸74 mgと塩化ナトリウム175 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 50 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸(和光純薬工業またはナカライテスク、以下同じ)を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧291 mOsmであった。
L-グルタミン酸 74 mgと塩化ナトリウム 175 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 50 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 5になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 5.0で、浸透圧305 mOsmであった。
リン酸二水素ナトリウム(和光純薬工業、以下同じ) 78 mgと塩化ナトリウム 175 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 50 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧325 mOsmであった。
リン酸二水素ナトリウム 78 mgと塩化ナトリウム 175 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 50 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 5になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 5.0で、浸透圧351 mOsmであった。
比較例1
塩化ナトリウム 225 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 50 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧346 mOsmであった。
L-グルタミン酸74 mgと塩化ナトリウム175 mgを18 mLの水で溶解した後、オロパタジン塩酸塩75 mgを加え、さらに、水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.3%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧326 mOsmであった。
L-アスパラギン酸(和光純薬工業、以下同じ) 67 mgと塩化ナトリウム 175 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 75 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.3%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧329 mOsmであった。
比較例2
塩化ナトリウム 225 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 75 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.3%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧340 mOsmであった。
L-アスパラギン酸67 mgと塩化ナトリウム 175 mgを18 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 50 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を25 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧331 mOsm、粘度0.89 mPa·sであった。
L-グルタミン酸 294 mgと塩化ナトリウム 700 mgおよび4%ポリビニルピロリドン水溶液(ポリビニルピロリドン K-30(純正化学)4.00 gを水80 mLに溶解し、水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 11.5に調製し、水を加えて全量を100 mLとした後、70〜75℃の水浴上で30分間加熱処理したもの、以下同じ)45 mLを35 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 200 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調整し、さらに水を加えて全量を100 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧270 mOsm、粘度0.90 mPa·sであった。
L-アスパラギン酸 266 mgと塩化ナトリウム 700 mgおよび4%ポリビニルピロリドン水溶液45 mLを35 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 200 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を100 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧280 mOsm、粘度0.90 mPa·sであった。
L-グルタミン酸 294 mgと塩化ナトリウム 700 mgおよび10%ポリビニルアルコール水溶液(ポリビニルアルコール500(純正化学)10.00 gに80 mLの水を添加し、80〜90℃の水浴上で30分間加熱して完全に溶解した後、室温に冷却して水を加えて全量を100 mLに調製したもの、以下同じ)18 mLを70 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 200 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を100 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧363 mOsm、粘度1.83 mPa·sであった。
L-アスパラギン酸 266 mgと塩化ナトリウム 700 mgおよび10%ポリビニルアルコール水溶液18 mLを70 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 200 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を100 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.0で、浸透圧360 mOsm、粘度1.83 mPa·sであった。
L-アスパラギン酸 133 mgと塩化ナトリウム 250 mgおよび10%ポリビニルアルコール水溶液10 mLを30 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 100 mgを添加した。水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH 7になるように調製し、さらに水を加えて全量を50 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 7.1で、浸透圧268 mOsmであった。
L-アスパラギン酸 133 mgと塩化ナトリウム 250 mgおよび10%ポリビニルアルコール水溶液10 mLを30 mLの水で溶解し、オロパタジン塩酸塩 100 mgを添加した。塩酸を加えてpH 4になるように調製し、さらに水を加えて全量を50 mLとして、0.2%オロパタジン塩酸塩点眼剤を得た。得られた点眼剤は、pH 4.1で、浸透圧269 mOsmであった。
試験例3
疾患モデル(アレルギー性結膜炎)を用い、次の方法により、実施例1〜4および比較例1で得られた製剤が、目のアレルギー性障害または炎症性障害の治療に有効であることを確認した。
Wistar系ラット(5週齢)の右眼瞼結膜下に、抗ovalbumin(OVA)ラット血清0.03 mL/site注射して受動的に感作した。48時間後、抗原としてOVA(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)2 mgを含む1.5 w/v%のEvans blue(Sigma-Aldrich)生理食塩液を体重200g当たり1.0 mLの割合で静脈内投与し反応を惹起した。その30分後、動物を炭酸ガスにて致死させ、右眼瞼結膜下組織および眼球を剥離し重量を測定した。実施例1〜4および比較例1で得られた製剤を、反応惹起の24時間前に左右の目に10 μLずつ点眼した。青染部の色素量は田村らの方法(Tamura T, Sato H, Miki I, Suzuki K, Ohmori K, Karasawa A. Effects of orally administered olopatadine hydrochloride on the ocular allergic reaction in rats. Allergol Int. 2003;52:77-83)に準じて定量した。すなわち、青染部組織をポリプロピレンチューブに入れ、ホルムアミド(和光純薬, 大阪)を加え、定温乾燥機(ヤマト科学, 東京)で45℃に加温し一晩静置して色素を抽出した。漏出した色素については、マイクロプレート分光光度計(Molecular devices, Sunnyvale, CA, USA)を用い、625 nmでの吸光度を測定し、検量線から色素量を定量した。色素量は組織重量当たりで示した。統計解析は、統計解析ソフトStatistical Analysis System(SAS;Release 9.1.3, SAS Institute, Cary, NC, USA)を用い、2群間比較は、F-testで等分散の場合はStudent’s t-testを、不等分散の場合はAspin-Welch testを用いて行った。危険率5%未満を有意差ありとした。
結果を図1に示す。
図1より、実施例1〜4および比較例1のいずれの製剤も、生理食塩水を投与した場合(図1中のSalineのカラム)に比べて、有意に薬効が発現した。また、グルタミン酸またはリン酸を含有する製剤(実施例1〜4)は、それらのいずれも含まない製剤(比較例1)と比較し、薬効発現が高いことが明らかとなった。
以上から、多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有し、pHを3.0〜5.5の間のいずれかとすることで、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩をより高濃度で含有する点眼剤または局所投与用製剤は、目のアレルギー性障害または炎症性障害を治療するために有効であることが明らかとなった。
試験例4
試験例3と同様に、実施例5、6および比較例2で得られた製剤が、目のアレルギー性障害または炎症性障害の治療に有効であることを確認した。
結果を図2に示す。
図2より、実施例5、6および比較例2のいずれの製剤も、生理食塩水を投与した場合(図2中のSalineのカラム)に比べて、有意に薬効が発現した。また、グルタミン酸またはアスパラギン酸を含有する製剤(実施例5または6)は、それらのいずれも含まない製剤(比較例2)と比較し、薬効発現が高いことが明らかとなった。また、アスパラギン酸を含有する製剤(実施例6)は、グルタミン酸を含有する製剤(実施例5)と比較しても、薬効発現が高いことが明らかとなった。
試験例5
疾患モデル(アレルギー性結膜炎)を用い、次の方法により、実施例1および7〜13で得られた製剤が、目のアレルギー性障害または炎症性障害の治療に有効であることを確認した。
Wistar系ラット(5週齢)の右眼瞼結膜下に、抗ovalbumin(OVA)ラット血清0.03 mL/site注射して受動的に感作した。48時間後、抗原としてOVA(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)2 mgを含む1.5 w/v%のEvans blue(Sigma-Aldrich)生理食塩液を体重200g当たり1.0 mLの割合で静脈内投与し反応を惹起した。その30分後、動物を炭酸ガスにて致死させ、右眼瞼結膜下組織および眼球を剥離し重量を測定した。実施例1および7〜13で得られた製剤を、反応惹起の6または24時間前に左右の目に10 mLずつ点眼した。青染部の色素量は田村らの方法(Tamura T, Sato H, Miki I, Suzuki K, Ohmori K, Karasawa A. Effects of orally administered olopatadine hydrochloride on the ocular allergic reaction in rats. Allergol Int. 2003;52:77-83)に準じて定量した。すなわち、青染部組織をポリプロピレンチューブに入れ、ホルムアミド(和光純薬, 大阪)を加え、定温乾燥機(ヤマト科学, 東京)で45℃に加温し一晩静置して色素を抽出した。漏出した色素については、マイクロプレート分光光度計(Molecular devices, Sunnyvale, CA, USA)を用い、625 nmでの吸光度を測定し、検量線から色素量を定量した。色素量は組織重量当たりで示した。統計解析は、統計解析ソフトStatistical Analysis System(SAS;Release 9.1.3, SAS Institute, Cary, NC, USA)を用い、2群間比較は、F-testで等分散の場合はStudent’s t-testを、不等分散の場合はAspin-Welch testを用いて行った。危険率5%未満を有意差ありとした。
結果を図3および図4に示す。
図3より、実施例1および7〜11のいずれの製剤も、製剤投与後6時間後に抗原としてOVAを投与した場合と、24時間後に投与した場合のどちらも、生理食塩水を投与した場合(図3中のSalineのカラム)に比べて、有意に薬効が発現した。また、ポリビニルアルコールを含む製剤(実施例10および11)は、増粘剤を含まない製剤(実施例1および7)およびポリビニルピロリドンを含む製剤(実施例8および9)と比較し、薬効発現が高いことが明らかとなった。
また、図4より、実施例12および13のいずれの製剤も、製剤投与後6時間後に抗原としてOVAを投与した場合と、24時間後に投与した場合のどちらも、生理食塩水を投与した場合(図4中のSalineのカラム)に比べて、有意に薬効が発現した。
以上から、多価の弱酸、酸性アミノ酸もしくはそのアミド、塩基性アミノ酸もしくはそのアミドまたはそれらの塩を含有し、pHを3.0〜5.5の間のいずれかとすることで、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩をより高濃度で含有する点眼剤または局所投与用製剤、ならびにさらに増粘剤を含有し、pHを3.0〜8.0の間のいずれかとすることで、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩をより高濃度で含有する点眼剤または局所投与用製剤は、目のアレルギー性障害または炎症性障害を治療するために有効であることが明らかとなった。
本発明によれば、ジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩の濃度を高濃度にすることができる組成の点眼剤または局所投与用製剤を提供することができる。さらに、目のアレルギー性障害もしくは炎症性障害を治療するためまたは鼻のアレルギー性障害もしくは炎症性障害を治療するために有効な組成のジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤を提供することができる。さらに、該点眼剤または該局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタルの治療剤を提供することができる。

Claims (14)

  1. 式(I)

    [式中、Aは、単結合、-CH=CH-または-(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、およびアスパラギン酸もしくはそのアミド、またはその塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤。
  2. さらに、浸透圧調整剤を含有する請求項1記載の点眼剤または局所投与用製剤。
  3. 浸透圧調整剤が、塩化ナトリウムである請求項2記載の点眼剤または局所投与用製剤。
  4. さらに、増粘剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の点眼剤または局所投与用製剤。
  5. 増粘剤が、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである請求項4記載の点眼剤または局所投与用製剤。
  6. pHが、3.0〜8.0の間のいずれかである請求項4または5記載の点眼剤または局所投与用製剤。
  7. pHが、3.0〜5.5の間のいずれかである請求項1〜5のいずれかに記載の点眼剤または局所投与用製剤。
  8. 式(I)

    [式中、Aは、単結合、-CH=CH-または-(CH2)n-(式中、nは1〜3の整数を表す)を表し、R1およびR2は同一または異なって水素または低級アルキルを表すか、または隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する]で表されるジベンゾ[b,e]オキセピン誘導体またはその塩、およびアスパラギン酸もしくはそのアミド、またはその塩を含有する点眼剤または局所投与用製剤であるアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
  9. さらに、浸透圧調整剤を含有する請求項8記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
  10. 浸透圧調整剤が、塩化ナトリウムである請求項9記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
  11. さらに、増粘剤を含有する請求項8〜10のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
  12. 増粘剤が、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである請求項11記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
  13. pHが、3.0〜8.0の間のいずれかである請求項11または12記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
  14. pHが、3.0〜5.5の間のいずれかである請求項8〜12のいずれかに記載のアレルギー性結膜炎または春季カタル治療剤。
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