JP5306213B2 - ポリ(アリーレンエーテル)組成物 - Google Patents

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Description

本発明はポリ(アリーレンエーテル)組成物に関する。
熱硬化性樹脂は、硬化して非常に硬いプラスチックを形成する材料である。これらの材料は、広範囲の消費者及び産業製品において用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂は、保護被覆、接着剤、電子積層板(例えば、コンピューター印刷基板の製造において用いるもの)、床材及び舗装用途、ガラス繊維強化パイプ、及び自動車部品(板バネ、ポンプ、及び電装部品など)において用いられている。他のタイプのプラスチックと比較して、硬化した熱硬化性樹脂は、通常脆性である。したがって、熱硬化性樹脂の良好な特性を保持し、且つそれらの脆性を低下させることが望ましいであろう。
時にはポリフェニレンエーテルと称されるポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、硬化した熱硬化性樹脂の脆性を低下させる(靱性を向上させる)ための添加剤として開示されている。例えば、ある種のポリ(アリーレンエーテル)樹脂を、エポキシ、シアネートエステル、マレイミド、アクリレート、及びベンゾオキサジン樹脂のような熱硬化性樹脂と配合することが公知である。これらのポリ(アリーレンエーテル)含有組成物は、しばしば、硬化性組成物の粘度を低下させ、充填剤及び/又は強化剤中への硬化性組成物の浸透を向上させるために溶媒中で処理する。溶媒を用いる場合には、非塩素化炭化水素溶媒を用いることが好ましい。しかしながら、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びメチルエチルケトン(MEK)のような非塩素化炭化水素溶媒は、室温において殆どのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と相分離混合物を形成するので、この目的のためには理想的ではない。例えばKatayoseらの特開平第6−220226号に記載されているように、それらを含む硬化性組成物を昇温温度において処理することによってポリ(アリーレンエーテル)と溶媒との混和性の向上が得られている。しかしながら、これらは増加した溶媒可燃性、増加した溶媒放出、及び増加したエネルギーコストと関係するので、昇温温度において用いることは避けることが望ましい。また、ポリ(アリーレンエーテル)の濃縮溶液を与えて、組成物に大量の溶媒を加えることもなしに、より高い濃度の溶解したポリ(アリーレンエーテル)を熱硬化性組成物に加えることができるようにすることも望ましいであろう。更に、トラック及び鉄道によるポリ(アリーレンエーテル)溶液の流通を容易にするために、沈殿物を形成することなく凍結温度及び凍結温度以下の温度への曝露に耐えることのできるポリ(アリーレンエーテル)の濃縮溶液を与えることが望ましいであろう。
特開平第6−220226号
したがって、室温及び室温以下の温度においてNMP及びMEKのような非ハロゲン化溶媒中に高濃度のポリ(アリーレンエーテル)が可溶である溶液を提供するための材料及び方法を開発することに対する必要性が存在する。
発明の詳細な説明:
上記記載の及び他の欠点は、少なくとも15重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜0.12dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、Q及びQは、それぞれのフェニレンエーテル単位内において同一であり、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;x及びyは、独立して、0〜約30であり、但し、xとyの合計は少なくとも2であり;Lは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのR及びR及びR及びRは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;zは0又は1であり;Yは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのRは、独立して、水素及びC〜C12ヒドロカルビルからなる群から選択され;それぞれのR及びRは、独立して、水素、C〜C12ヒドロカルビル、及びC〜Cヒドロカルビレン(この場合には、R及びRは共同してC〜C12アルキレン基を形成する)からなる群から選択される)からなる群から選択される構造を有する)の構造を有する)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、少なくとも20重量%の、C〜Cケトン、C〜C−N,N−ジアルキルアミド、C〜C16ジアルキルエーテル、C〜Cアルキルアルカノエート、C〜Cアルキルシアニド、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;を含む組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において組成物1kgあたり少なくとも100gの組成物中での溶解度を有し;組成物は、C〜Cアルカノール、アルカリ金属イオン、及びフェノールの酸化重合の触媒のために有効な金属イオンを実質的に含まず;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物によって解決される。
他の態様は、15〜約80重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜0.12dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、Q及びQは、それぞれのフェニレンエーテル単位内において同一であり、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;x及びyは、独立して、0〜約30であり、但し、xとyの合計は少なくとも2であり;Lは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのR及びR及びR及びRは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;zは0又は1であり;Yは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのRは、独立して、水素及びC〜C12ヒドロカルビルからなる群から選択され;それぞれのR及びRは、独立して、水素、C〜C12ヒドロカルビル、及びC〜Cヒドロカルビレン(この場合には、R及びRは共同してC〜C12アルキレン基を形成する)からなる群から選択される)からなる群から選択される構造を有する)の構造を有する)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、約20〜85重量%の、C〜Cケトン、C〜C−N,N−ジアルキルアミド、C〜C16ジアルキルエーテル、C〜Cアルキルアルカノエート、C〜Cアルキルシアニド、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;から構成される組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において組成物1kgあたり少なくとも100gの組成物中での溶解度を有し;組成物は、C〜Cアルカノール、アルカリ金属イオン、及びフェノールの酸化重合の触媒のために有効な金属イオンを実質的に含まず;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物である。
他の態様は、約30〜約60重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜約0.09dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのQ及びQは、独立して、メチル又はジ−n−ブチルアミノメチルであり;それぞれのa及びbは、独立して、1〜約20であり、但し、aとbの合計は少なくとも2である)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、約40〜約70重量%の、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;
を含む組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において7日間組成物中に可溶であり;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物である。
他の態様は、約30〜約60重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜約0.09dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのQ及びQは、独立して、メチル又はジ−n−ブチルアミノメチルであり;それぞれのa及びbは、独立して、1〜約20であり、但し、aとbの合計は少なくとも2である)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、約40〜約70重量%の、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;
から構成される組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において7日間組成物中に可溶であり;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物である。
これらの及び他の態様並びに組成物を製造する方法を、下記に詳細に記載する。

発明の詳細な記載:
ポリ(アリーレンエーテル)及びそれらの溶解特性の研究の過程において、本発明者らは、特定の低い固有粘度の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)がポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と比較して著しく向上した非ハロゲン化溶媒中での溶解性を示すことを見出した。特に、これらの低い固有粘度の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)によって、室温において非ハロゲン化溶媒中の濃縮溶液を製造することが可能になる。二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の高い溶解性は、それらの単官能性類縁体が非常に類似した分子構造を有するが溶解性が遙かに小さいことを考えると、特に予期しなかったことである。本組成物により、ポリ(アリーレンエーテル)溶液を昇温温度において取り扱う必要性が排除され、したがってポリ(アリーレンエーテル)を熱硬化性組成物中に含ませることが容易になる。
一態様は、少なくとも15重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜0.12dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、Q及びQは、それぞれのフェニレンエーテル単位内において同一であり、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;x及びyは、独立して、0〜約30、具体的には0〜約20、より具体的には0〜約15、更により具体的には0〜約10、更により具体的には0〜約8であり、但し、xとyの合計は少なくとも2、具体的には少なくとも3、より具体的には少なくとも4であり;Lは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのR及びR及びR及びRは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;zは0又は1であり;Yは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのRは、独立して、水素及びC〜C12ヒドロカルビルからなる群から選択され;それぞれのR及びRは、独立して、水素、C〜C12ヒドロカルビル、及びC〜Cヒドロカルビレン(この場合には、R及びRは共同してC〜C12アルキレン基を形成する)からなる群から選択される)からなる群から選択される構造を有する)の構造を有する)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、少なくとも20重量%の、C〜Cケトン、C〜C−N,N−ジアルキルアミド、C〜C16ジアルキルエーテル、C〜Cアルキルアルカノエート、C〜Cアルキルシアニド、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;を含む組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において組成物1kgあたり少なくとも100gの組成物中での溶解度を有し;組成物は、C〜Cアルカノール、アルカリ金属イオン、及びフェノールの酸化重合の触媒のために有効な金属イオンを実質的に含まず;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物である。本明細書において用いる「ヒドロカルビル」という用語は、単独で用いられるにせよ、或いは他の用語の接頭、接尾、又は一部として用いられるにせよ、炭素及び水素のみを含む残基を指す。残基は、脂肪族又は芳香族で、直鎖、環式、二環式、分岐、飽和、又は不飽和であってよい。また、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分岐、飽和、及び不飽和の複数の炭化水素部分の組み合わせを含んでいてよい。しかしながら、ヒドロカルビル残基がそのように記載されている場合には、置換基残基の炭素及び水素構成要素に加えてヘテロ原子を含んでいてもよい。而して、かかるヘテロ原子を含むと具体的に示されている場合には、ヒドロカルビル残基は、また、1以上のカルボニル基、アミノ基、ヒドロキシル基などを含んでいてもよく、或いはヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含んでいてもよい。一例として、Qは、末端3,5−ジメチル−1,4−フェニル基と、酸化重合触媒のジ−n−ブチルアミン成分との反応によって形成されるジ−n−ブチルアミノメチル基であってよい。
本組成物は二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を含む。個々のポリ(アリーレンエーテル)分子に関しては、「二官能性」という用語は、分子が2つのフェノール性ヒドロキシ基を含むことを意味する。ポリ(アリーレンエーテル)樹脂に関しては、「二官能性」という用語は、樹脂が、ポリ(アリーレンエーテル)分子あたり平均で約1.6〜約2.4個のフェノール性ヒドロキシ基を含むことを意味する。幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、ポリ(アリーレンエーテル)分子あたり平均で約1.8〜約2.2個のフェノール性ヒドロキシ基を含む。
上記の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)構造において、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)分子内の2つの異なる位置におけるフェニレンエーテル繰り返し単位の数に対応する変数x及びyに対する限定がある。この構造において、x及びyは、独立して、0〜約30、具体的には0〜約20、より具体的には0〜約15、更により具体的には0〜約10、更により具体的には0〜約8である。xとyの合計は、少なくとも2、具体的には少なくとも3、より具体的には少なくとも4である。特定の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂をプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)によって分析して、これらの限定が樹脂全体に関して平均して満たされているかどうかを求めることができる。具体的には、H−NMRによって、内部及び末端フェニレンエーテル基、並びに二価フェノールの内部及び末端残基、並びに他の末端残基に関係するプロトンに関する共鳴の間を区別することができる。したがって、分子あたりのフェニレンエーテル繰り返し単位の平均数、及び二価フェノールから誘導された内部及び末端残基の相対量を求めることができる。
幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのQ及びQは、独立して、メチル又はジ−n−ブチルアミノメチルであり;それぞれのa及びbは、独立して、1〜約20であり、但し、aとbの合計は少なくとも2、具体的には少なくとも3、より具体的には少なくとも4である)
の構造を有する。この構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、ジ−n−ブチルアミンを含む触媒の存在下において2,6−キシレノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを酸化共重合することによって合成することができる。
二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜0.12dL/g、具体的には約0.05〜約0.10dL/g、より具体的には約0.05〜約0.09dL/g、更により具体的には約0.05〜約0.07dL/gの固有粘度を有する。
二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、例えば、一価フェノール及び二価フェノールの酸化共重合によって製造することができる。好適な一価フェノールとしては、例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールなど、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な二価フェノールとしては、例えば、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロノナン、11,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロウンデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロウンデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、及びこれらの混合物が挙げられる。幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−ジメチルフェノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの酸化共重合によって製造する。2,6−ジメチルフェノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの酸化共重合のための代表的な初期反応混合組成物は、次の通りである:2,6−ジメチルフェノール50192重量部、トルエン109581重量部、ジ−n−ブチルアミン503重量部、ジメチル−n−ブチルアミン1175重量部、N,N’−ジブチルエチレンジアミン及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含むジアミン混合物264重量部、及び臭化水素水溶液中の6.5重量%のCuOを含む触媒混合物353重量部。重合反応混合物中の銅の濃度は、反応混合物の全重量を基準として約125重量ppm、或いはポリ(アリーレンエーテル)生成物の重量を基準として約420重量ppmである。重合反応混合物中のポリ(アリーレンエーテル)生成物の濃度は、反応混合物の全重量を基準として29.8重量%である。生成(非封鎖(uncapped))ポリ(アリーレンエーテル)は、クロロホルム中25℃において測定して0.06dL/gの固有粘度を有する。
また、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、一価フェノールを、触媒の存在下、対応するポリ(アリーレンエーテル)及び対応するジフェノキノンを形成するのに好適な条件下で酸化重合し;ポリ(アリーレンエーテル)及びジフェノキノンを触媒から分離し;ポリ(アリーレンエーテル)及びジフェノキノンを平衡化して、2つの末端ヒドロキシ基を有するポリ(アリーレンエーテル)を形成する;ことを含むプロセスによって製造することもできる。対応するポリ(アリーレンエーテル)の代表例は、2,6−ジメチルフェノールの酸化重合から製造されるポリ(2,6−ジメチルフェニル−1,4−フェニレンエーテル)である。対応するジフェノキノンの代表例は、2,6−ジメチルフェノールの酸化によって形成される3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジフェノキノンである。
また、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、単官能性ポリ(アリーレンエーテル)を場合によっては酸化剤の存在下で二価フェノールと平衡化する所謂再分配反応によって製造することもできる。再分配反応は、当該技術において公知であり、例えばCooperらの米国特許3,496,236、及びLiskaらの5,880,221に記載されている。
本組成物は、組成物の全重量を基準として少なくとも15重量%の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を含む。具体的には、組成物は、約20〜約80重量%、より具体的には約30〜約70重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約50〜約60重量%の量の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を含んでいてよい。
二官能性ポリ(アリーレンエーテル)に加えて、本組成物は溶媒を含む。溶媒は、例えば、C〜Cケトン、C〜C−N,N−ジアルキルアミド、C〜C16ジアルキルエーテル、C〜C12芳香族炭化水素、C〜C塩素化炭化水素、C〜Cアルキルアルカノエート、C〜Cアルキルシアニド、又はこれらの混合物であってよい。炭素数の範囲は、溶媒分子中の炭素原子の合計数を指す。例えば、C〜C16ジアルキルエーテルは合計で4〜16個の炭素原子を有し、2つのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい。他の例としては、「C〜Cアルキルシアニド」中の2〜6個の炭素は、シアニド基中の炭素原子を含む。特定のケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びこれらの混合物が挙げられる。特定のC〜C−N,N−ジアルキルアミド溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(ケミカルアブストラクト登録番号872−50−4)など、及びこれらの混合物が挙げられる。特定のジアルキルエーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。幾つかの態様においては、C〜C16ジアルキルエーテルとしては、テトラヒドロフラン及びジオキサンのような環式エーテルが挙げられる。幾つかの態様においては、C〜C16ジアルキルエーテルは非環式である。ジアルキルエーテルは、場合によっては、アルキル基内に1以上のエーテル酸素原子、及びアルキル基上に1以上のヒドロキシ置換基を更に含んでいてよい。芳香族炭化水素溶媒は、エチレン性不飽和溶媒を含んでいても含んでいなくてもよい。具体的な芳香族炭化水素溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ジビニルベンゼンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。芳香族炭化水素溶媒は好ましくは非ハロゲン化物である。即ち、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を含まない。具体的なC〜Cアルキルアルカノエートとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなど、及びこれらの混合物が挙げられる。具体的なC〜Cアルキルシアニドとしては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びこれらの混合物が挙げられる。幾つかの態様においては、溶媒はアセトンである。幾つかの態様においては、溶媒はメチルエチルケトンである。幾つかの態様においては、溶媒はメチルイソブチルケトンである。幾つかの態様においては、溶媒はN−メチル−2−ピロリドンである。幾つかの態様においては、溶媒はエチレングリコールモノメチルエーテルである。
本組成物は、組成物の全重量を基準として少なくとも20重量%の溶媒を含む。具体的には、溶媒の量は、20〜約85重量%、より具体的には約30〜約80重量%、更により具体的には約40〜約70重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約40〜約50重量%であってよい。
二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、23℃において組成物1kgあたり少なくとも100gの組成物中での溶解度を有する。他に特に示さない限り、「溶解度」は初期溶解度を指す。例えば、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が1kgあたり少なくとも100gの組成物中での溶解度を有する場合には、23℃において1kgの組成物中に少なくとも100gの二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を溶解させることができる。二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、組成物を特定の温度において保持した場合に溶解したままであっても又は溶解したままでなくてもよい。初期溶解度及び長時間溶解度を測定するための手順は、下記の実施例において記載する。組成物中での二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の溶解度に対して特に上限はない。しかしながら、組成物1kgあたり700gを超える二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を含む組成物は、時には非常に粘稠で、取り扱うのが困難である。幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、23℃において組成物1kgあたり100g〜約700gの組成物中での溶解度を有する。二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において組成物1kgあたり少なくとも100gの組成物での溶解度を有するが、しばしばより高い溶解度が観察される。例えば、23℃での組成物中における二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の溶解度は、少なくとも200g/kg、具体的には少なくとも300g/kg、より具体的には少なくとも400g/kg、更により具体的には少なくとも500g/kgであってよい。
その使用を容易にする組成物の1つの特性は、その低い粘度である。而して、幾つかの態様においては、組成物は23℃において2000センチポイズ以下の粘度を有する。幾つかの態様においては、組成物は、約10〜約2000センチポイズ、具体的には約20〜約1000センチポイズ、より具体的には約50〜約800センチポイズ、更により具体的には約50〜約600センチポイズの粘度を有する。
二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、また、初期溶解性だけでなく、所定温度における長期間溶解性も示すことができる。例えば、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、23℃において1日、具体的には23℃において2日、より具体的には23℃において7日の間、上記に記載の任意の濃度で組成物中に可溶であることができる。幾つかの態様においては、組成物中に存在する全ての二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は特定温度において特定の時間の間可溶である。
二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の溶解度は、組成物(二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒に加えて他の成分を含む可能性がある)中での溶解度の点だけでなく、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の点でも記載することができる。例えば、幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における23℃での溶解度(即ち、初期溶解度)を有する。幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、15〜約80重量%、具体的には約20〜約70重量%、より具体的には約30〜約60重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約50〜約60重量%の、溶媒中における23℃での溶解度を有する。組成物中での溶解度に関しては、溶媒中での溶解度を長時間維持することができる。而して、幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における23℃での1日溶解度を有する。「23℃での1日溶解度」という用語は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が23℃において少なくとも24時間、所定の濃度で可溶であることを意味する。幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における23℃での2日溶解度を有する。幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における23℃での7日溶解度を有する。上記の1日、2日、及び7日溶解度は、15〜約80重量%、具体的には約20〜約70重量%、より具体的には約30〜約60重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約50〜約60重量%であってよい。
溶媒中での二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の溶解性は、室温よりも実質的に低い温度に拡張される。而して、幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における2℃での溶解度(即ち、2℃での初期溶解度)を有する。2℃での溶解性は、1日、又は2日、又は7日、又は更に長く延長することができる。上記の1日、2日、及び7日溶解度は、15〜約80重量%、具体的には約20〜約70重量%、より具体的には約30〜約60重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約50〜約60重量%であってよい。二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、例えば、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の15重量%溶液を23℃において製造し、沈殿物又は視覚的に検知できる濁りを形成することなく2℃に冷却することができるならば、15重量%の、溶媒中における2℃での溶解度を有する。7日後に沈殿物又は視覚的に検知できる濁りが未だ無いならば、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、15重量%の、溶媒中における2℃での7日溶解度を有する。
幾つかの態様においては、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における−10℃での溶解度(即ち、−10℃での初期溶解度)を有する。−10℃での溶解性は、1日、又は2日、又は7日、又は更に長く延長することができる。上記の1日、2日、及び7日溶解度は、15〜約80重量%、具体的には約20〜約70重量%、より具体的には約30〜約60重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約50〜約60重量%であってよい。
本組成物は、C〜Cアルカノールを実質的に含まない。C〜Cアルカノールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどが挙げられる。C〜Cアルカノールに関して「実質的に含まない」とは、組成物が、0.5重量%以下のC〜Cアルカノール、具体的には0.1重量%以下のC〜Cアルカノールを含み、より具体的には意図的に加えられるC〜Cアルカノールを含まないことを意味する。
本組成物は、アルカリ金属イオンを実質的に含まない。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、フランシウムイオン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アルカリ金属イオンに関して「実質的に含まない」とは、組成物が0.5重量%以下のアルカリ金属イオン、具体的には0.1重量%以下のアルカリ金属イオンを含み、より具体的には意図的に加えられるアルカリ金属イオンを含まないことを意味する。
本組成物は、フェノールの酸化重合の触媒のために有効な金属イオン(簡単に言うと「触媒金属イオン」)を実質的に含まない。かかる触媒金属イオンは当該技術において公知であり、例えば、銅、マンガン、コバルト、鉄、及びこれらの組み合わせが挙げられる。触媒金属イオンに関して「実質的に含まない」とは、組成物が、100重量ppm以下の触媒金属イオン、具体的には20重量ppm以下の触媒金属イオンを含み、より具体的には意図的に加えられる触媒金属イオンを含まないことを意味する。触媒金属イオンを用いて二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を合成する場合には、合成及び単離手順は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)から95%以上の触媒金属イオンを分離する1以上の工程を含み、単離されたポリ(アリーレンエーテル)中の残留触媒金属は意図的に加えられたとはみなさないことが理解されよう。
本組成物は、濃縮された未だ溶解している量の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を熱硬化性樹脂中に導入する手段として有用である。例えば、本組成物は、約40〜約80重量%の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び約20〜約60重量%の溶媒を含んでいてよく、又はこれから構成されていてよい。特に有用な組成物としては、溶媒がメチルエチルケトンであり、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、クロロホルム中25℃において測定して0.05〜0.07dL/gの固有粘度を有する2,6−ジメチルフェノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノール)プロパンとのコポリマーであるものが挙げられる。下記の実施例において示されているように、かかる組成物は、室温よりも十分に低く拡張されている二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の非常に優れた溶解性を示す。
幾つかの態様においては、組成物はポリ(アリーレンエーテル)以外のポリマーを実質的に含まない。これに関連して「ポリ(アリーレンエーテル)」という用語は、約0.03〜0.12dL/gの固有粘度を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル)だけでなく、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれの構造単位に関して、それぞれのZは、独立して、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はC〜C12ハロヒドロカルビルオキシであり、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのZは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はC〜C12ハロヒドロカルビルオキシであり、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられている)
の構造を有する繰り返し単位を含む任意のポリ(アリーレンエーテル)も包含する。例えば、ポリ(アリーレンエーテル)は単官能性であってよい。他の例としては、ポリ(アリーレンエーテル)は約1dL/g以下の固有粘度を有していてよい。ポリ(アリーレンエーテル)以外のポリマーを実質的に含まない組成物に関連して「実質的に含まない」とは、組成物が、0.5重量%以下の非ポリ(アリーレンエーテル)ポリマー、具体的には0.1重量%以下の非ポリ(アリーレンエーテル)ポリマーを含み、より具体的には意図的に加えられる非ポリ(アリーレンエーテル)ポリマーを含まないことを意味する。
幾つかの態様においては、本組成物はハロゲン化物イオンを実質的に含まない。ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、及びアスタチン化物が挙げられる。これに関連して「実質的に含まない」とは、組成物が、1重量千分率のハロゲン化物イオン、具体的には200重量ppm以下のハロゲン化物イオン、より具体的には50重量ppm以下のハロゲン化物イオンを含み、更により具体的には意図的に加えられるハロゲン化物イオンを含まないことを意味する。
幾つかの態様においては、本組成物は、フェノールの酸化重合のための触媒の成分として有効な窒素含有リガンドを実質的に含まない。これらの窒素含有リガンドは、銅イオン又はマンガンイオンのような金属イオンと組み合わせて用いて、フェノールの酸化重合のために有効な触媒を形成する。かかるリガンドは当該技術において公知であり、例えば、アルキレンジアミンリガンド、第1級モノアミン、第2級モノアミン、第3級モノアミン、アミノアルコール、オキシム、オキシンなど、及びこれらの組み合わせが挙げられる。具体的な窒素含有リガンドとしては、例えば、アルキレンジアミンリガンドであるN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、第1級モノアミンであるn−ブチルアミン、第2級モノアミンであるジ−n−ブチルアミン、第3級モノアミンであるジメチル−n−ブチルアミン、アミノアルコールであるN−フェニル−エタノールアミン、オキシムである2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノンオキシム(ベンゾインオキシム)、及びオキシンである5−メチルオキシンが挙げられる。他の窒素含有リガンドは、例えばSinghらの米国特許6,407,200−B1に記載されている。これらの窒素含有リガンドに関連して「実質的に含まない」とは、組成物が、0.5重量%以下の窒素含有リガンド、具体的には0.1重量%以下の窒素含有リガンドを含み、より具体的には意図的に加えられる窒素含有リガンドを含まないことを意味する。
幾つかの態様においては、本組成物は熱硬化性樹脂を実質的に含まない。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、無機物充填シリコーン、マレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ビニル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ビニル樹脂としては、Birsakらの米国特許出願公報US2006/0041086−A1に記載されている「オレフィン性不飽和モノマー」が挙げられる。これらのオレフィン性不飽和モノマーとしては、例えば、アルケニル芳香族モノマー、アリルモノマー、アクリロイルモノマー、ビニルエーテル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。熱硬化性樹脂に関連して「実質的に含まない」とは、組成物が、1重量%以下の熱硬化性樹脂、より具体的には0.1重量%以下の熱硬化性樹脂を含み、更により具体的には意図的に加えられる熱硬化性樹脂を含まないことを意味する。幾つかの態様においては、本組成物は、重合性炭素−炭素二重結合又は三重結合を含む成分を実質的に含まない。これに関連して「実質的に含まない」とは、組成物が、1重量%以下のかかる重合性成分、より具体的には0.1重量%以下のかかる重合性成分を含むことを意味する。
一態様は、15〜約80重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜0.12dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、Q及びQは、それぞれのフェニレンエーテル単位内において同一であり、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;x及びyは、独立して、0〜約30、具体的には0〜20、より具体的には0〜15、更により具体的には0〜10、更により具体的には0〜8であり、但し、xとyの合計は少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4であり;Lは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのR及びR及びR及びRは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;zは0又は1であり;Yは、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのRは、独立して、水素及びC〜C12ヒドロカルビルからなる群から選択され;それぞれのR及びRは、独立して、水素、C〜C12ヒドロカルビル、及びC〜Cヒドロカルビレン(この場合には、R及びRは共同してC〜C12アルキレン基を形成する)からなる群から選択される)からなる群から選択される構造を有する)の構造を有する)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、約20〜85重量%の、C〜Cケトン、C〜C−N,N−ジアルキルアミド、C〜C16ジアルキルエーテル、C〜Cアルキルアルカノエート、C〜Cアルキルシアニド、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;から構成される組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において組成物1kgあたり少なくとも100gの組成物中での溶解度(即ち初期溶解度)を有し;組成物は、C〜Cアルカノール、アルカリ金属イオン、及びフェノールの酸化重合の触媒のために有効な金属イオンを実質的に含まず;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物である。
少なくとも15重量%の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)とは、15〜約80重量%、具体的には約20〜約70重量%、より具体的には約30〜約60重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約50〜約60重量%であってよい。二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、全てクロロホルム中25℃において測定して、約0.03〜約0.12dL/g、具体的には約0.05〜約0.10dL/g、より具体的には約0.05〜約0.09dL/g、更により具体的には約0.05〜約0.07dL/gであってよい。組成物中の溶媒の重量%は、全て組成物の全重量を基準として、約20〜約85重量%、具体的には約30〜約80重量%、より具体的には約40〜約70重量%、更により具体的には約40〜約60重量%、更により具体的には約40〜約50重量%であってよい。
一態様は、約30〜約60重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜約0.09dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのQ及びQは、独立して、メチル又はジ−n−ブチルアミノメチルであり;それぞれのa及びbは、独立して、1〜約20であり、但し、aとbの合計は少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4である)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、約40〜約70重量%の、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;を含む組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において7日間組成物中に可溶であり;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物である。溶媒はメチルイソブチルケトンであってよい。
一態様においては、本組成物は、約30〜約60重量%の、クロロホルム中25℃において測定して約0.03〜約0.09dL/gの固有粘度を有し、次式:
Figure 0005306213
(式中、それぞれのQ及びQは、独立して、メチル又はジ−n−ブチルアミノメチルであり;それぞれのa及びbは、独立して、1〜約20であり、但し、aとbの合計は少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4である)の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び、約40〜約70重量%の、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;から構成される組成物であって;二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において7日間組成物中に可溶であり;全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;上記組成物である。幾つかの態様においては、溶媒はイソブチルケトンである。
組成物を製造する方法に関して特に限定はない。例えば、固体形態の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を溶媒と配合して混合物を形成し、この混合物を撹拌し、場合によっては加熱して二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を溶解させることができる。幾つかの態様においては、ポリ(アリーレンエーテル)の固体形態は粉末である。これにより、溶媒中にポリ(アリーレンエーテル)を溶解することが容易になる。
以下の非限定的な実施例によって本発明を更に示す。
実施例1〜113、比較例1〜45:
以下の実施例は低固有粘度の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の高い溶解性を示す。特に、これらの実施例は、同等の固有粘度を有する単官能性ポリ(アリーレンエーテル)と比較して予期しないほど優れた二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の溶解性を示す。
これらの実験において5種類の異なるポリ(アリーレンエーテル)を用いた。これらの特性を表1に要約する。固有粘度は、真空下125℃において1時間乾燥したポリ(アリーレンエーテル)の試料に関して、クロロホルム中25℃において測定した。数平均分子量(M)、重量平均分子量(M)、及び多分散度(M/M)の値は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。クロマトグラフィーシステムは、アイソクラチックポンプ、自動サンプラー、温度制御カラム室、及び多波長検出器を含むAgilent Series 1100システムから構成されていた。溶出溶媒は、50重量ppmのジ−n−ブチルアミンを含むクロロホルムであった。試料溶液は、内部マーカーとしてトルエン(0.25mL/L)を用いて0.01gの試料を20mLのクロロホルム中に溶解することによって調製した。試料溶液を、GPC分析の前に、Gelman0.45μmシリンジフィルターを通して濾過した。更なる試料の調製は行わなかった。注入体積は50μLであり、溶出流速は1mL/分に設定した。直列に接続した2つのPolymer Laboratories GPCカラム(Phenogel 5μ線状(2)、300×7.80mm)を試料の分離のために用いた。検出波長は280nmに設定した。データを得て、積分GPCデータ分析ソフトウェアを備えたAgilent ChemStationを用いて処理した。分子量分布の結果は、ポリスチレン標準試料を用いて較正した。結果は補正なしに「M(AMU)」及び「M(AMU)」として報告する。
表1において「PPE 0.12 monofxl.」と示されているポリ(アリーレンエーテル)は、クロロホルム中25℃において測定して0.12dL/gの固有粘度を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)であった。これは、2,6−ジメチルフェノールの酸化重合によって調製した。表1において「PPE 0.06 monofxl.」と示されているポリ(アリーレンエーテル)は、0.06dL/gの固有粘度を有する他は同様のものであった。表1において「PPE 0.12 bifxl.」と示されているポリ(アリーレンエーテル)は、クロロホルム中25℃において測定して0.12dL/gの固有粘度を有する2,6−ジメチルフェノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化コポリマーであった。「PPE 0.09 bifxl.」及び「PPE 0.06 bifxl.」と示されているポリ(アリーレンエーテル)は、それぞれ0.09及び0.06dL/gの固有粘度を有する他は同様のものであった。
Figure 0005306213
用いた溶媒は、トルエン、メチルエチルケトン、クロロホルム、及びN,N−ジメチルホルムアミドであった。99.8%のHPLCグレードの純度を有するトルエン(CAS Reg. No. 108-88-3)をACROSから入手した。99+%の純度を有するメチルエチルケトン(2−ブタノン;CAS Reg. No. 78-93-3)をACROS ORGANICSから入手した。高純度溶媒としてクロロホルム(CAS Reg. No. 67-66-3)をOmniSolveから入手した。99.8%のHPLCグレードの純度を有するN,N−ジメチルホルムアミド(CAS Reg. No. 68-12-2)をACROSから入手した。
それぞれの実施例に関して、ポリ(アリーレンエーテル)を23℃において溶媒と配合した。トルエン混合物は、水浴を用いて70〜80℃に加熱して溶解を促進した。メチルエチルケトン混合物は、水浴を用いて50〜60℃に加熱して溶解を促進した。クロロホルム及びDMF混合物は以下のようにして調製した。特定量の溶媒を59mL(2オンス)の円筒形ガラス瓶に加えた;次にポリ(アリーレンエーテル)を加え、ねじ蓋で瓶を密封した;瓶を32℃の油浴中に15分間配置した;次に、瓶を空気中23℃において振盪機上に1時間配置した。
全ての溶媒による温溶液を雰囲気温度(23℃)に冷却した。得られた溶液を23℃に保持し、初期溶解性を調べた。視認検査によって混合物が均一なままであった場合には、組成物は可溶(表2〜18において「sol」)として示した。23℃に冷却することによって混合物が固化した場合には、混合物は固体(表2〜18において「solid」)として示した。混合物が均一な溶液を形成しなかった場合には、不溶(表2〜18において「insol」)として示した。次に、混合物を23℃において7日間放置した。一日毎に、初期溶解性試験に関して記載したようにして、混合物を、可溶、固体、又は不溶として示した。しかしながら、混合物が初期には可溶であったが、7日間の経過中に沈殿物が形成された場合には、試料は沈殿(表2〜18において「ppt」)として示し、ポリ(アリーレンエーテル)が可溶のままであった日数を記録した(表2、7、9、及び16〜18において「可溶日数」)。
新しく調製した組成物に関して粘度値を測定し、センチポイズ(cps)で報告する。粘度値は、Brookfieldデジタル粘度計モデルDV-IIを用いて、添付の製造運転マニュアル:m/85-160-Gの手順にしたがって測定した。ある組成物に関して粘度を測定しなかったか又は測定できなかった場合には、「入手せず(not available)」(表2〜18において「NA」)として報告した。
表2〜5に、ポリ(アリーレンエーテル)のタイプ及び濃度の関数としてのトルエン中の溶解性及び粘度の結果を示す。ポリ(アリーレンエーテル)の濃度は、組成物の全重量を基準とする重量%(wt%)として、及びグラム(g)で表す。用いた溶媒の重量はグラムで表す。
Figure 0005306213
Figure 0005306213
Figure 0005306213
Figure 0005306213
表2と3を比較すると、二官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は、同等の条件下において、単官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)よりも遙かに大きいトルエン中での溶解性を有することが分かる。また、二官能性の0.09及び0.06dL/gのポリ(アリーレンエーテル)はトルエン中での優れた溶解特性を示すことも分かる。
表6〜10に、異なるポリ(アリーレンエーテル)樹脂のメチルエチルケトン(MEK)中での溶解性の結果を示す。
Figure 0005306213
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Figure 0005306213
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Figure 0005306213
表6と7、及び表9と10を比較することによって、二官能性と単官能性のポリ(アリーレンエーテル)を用いることのMEK中での溶解性に対する効果が分かる。表6は単官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)に関するデータを示す。これらの組成物のいずれも均一な混合物を形成しないことが分かる。これに対して、表7の実施例33〜36において示されるように、二官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は、10〜25重量%のポリ(アリーレンエーテル)を含む組成物で、MEK中に完全に可溶である。比較例19〜27において示されるように、単官能性の0.06dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は、10〜50重量%のポリ(アリーレンエーテル)を含む組成物で、MEK中に可溶である。しかしながら、この同じ単官能性ポリ(アリーレンエーテル)はより高い濃度においてはMEK中に可溶ではなく、比較例19〜27は室温において7日間放置した後は全て沈殿物を形成した。これに対して、二官能性の0.06dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は全ての試験濃度でMEKと均一な溶液を形成し、室温で7日間放置した後に沈殿物を形成しなかった。二官能性の0.09dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は、50重量%以下の濃度において優れた溶解性を示す。
表11〜14に、クロロホルム中での単官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)及び全ての二官能性ポリ(アリーレンエーテル)に関する溶解性の結果を示す。
Figure 0005306213
Figure 0005306213
Figure 0005306213
Figure 0005306213
表11〜14におけるデータは、ポリ(アリーレンエーテル)の溶解性が、より高い濃度において固有粘度が減少するにつれて、及び単官能性ポリ(アリーレンエーテル)よりも二官能性を用いることにより向上することを示す。表11において示されるように、単官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は40重量%より高い濃度においてクロロホルム中に不溶であった。これに対して、表12〜14において示されるように、0.12、0.09、及び0.06dL/gの固有粘度を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、いずれも、50重量%程度の高い濃度においてクロロホルム中に可溶であった。
表15〜18は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中での単官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)及び全ての二官能性ポリ(アリーレンエーテル)に関する溶解性データを示す。
Figure 0005306213
Figure 0005306213
Figure 0005306213
Figure 0005306213
表15において示されるように、単官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は、20〜70重量%で存在させた場合にはDMF中に完全には溶解しなかった。これに対して、表16における実施例90及び91によって示されるように、二官能性の0.12dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は、25重量%以下の濃度においてDMF中に可溶であった。また、表17及び18における実施例98〜113によって示されるように、二官能性の0.06及び0.09dL/gのポリ(アリーレンエーテル)は、70重量%以下の濃度においてDMF中に初期には可溶であった。二官能性の0.09dL/gのポリ(アリーレンエーテル)のDMF溶液は50重量%以下の濃度において7日後に均一のままであり、一方、PPE 0.06bifxl.のDMF溶液は60重量%以下の濃度において7日後に均一のままであった。
上記の実施例から、低固有粘度の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、単官能性ポリ(アリーレンエーテル)と比べて驚くべきほど実質的に向上した溶解性を示すことが分かる。
実施例114〜145:
これらの実施例は、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の高い溶解性が室温を大きく下回る温度に拡張されることを示す。
これらの実験において用いた二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−ジメチルフェノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合によって製造したコポリマーであった。二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は0.09dL/gの固有粘度を有していた。これは、表19において「PPE 0.09 bifxl.」と示す。
トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、及びメチルイソブチルケトン(MIK)中の10、20、30、及び40重量%の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の溶液を調製した。0〜2℃の温度を有する冷蔵庫内に溶液を配置し、7日間の各日毎に上記に記載のように視覚検査した。試料を0日において調製し、1日は24時間の経時変化を表す(1日目においては冷蔵庫は0℃の観察温度を有し、2〜7日目においては冷蔵庫は2℃の観察温度を有していた)。
それぞれ表19及び20において示される、0.09dL/gの二官能性ポリ(アリーレンエーテル)のトルエン溶液の2℃及び−10℃での経時変化試験の結果は、この二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が40重量%以下の濃度において2℃及び−10℃で少なくとも7日間可溶であることを示す。
それぞれ表21及び22において示される、0.09dL/gの二官能性ポリ(アリーレンエーテル)のメチルエチルケトン溶液の2℃及び−10℃での経時変化試験の結果は、この二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が23℃においてメチルエチルケトン中に初期は可溶であったが、2℃及び−10℃においては不溶であったことを示す。
トルエン及びメチルイソブチルケトン中での0.06dL/gの二官能性ポリ(アリーレンエーテル)の溶解性に関する結果を表23〜26に示す。表23及び24は、それぞれ2℃及び−10℃でのトルエン溶解性データを示す。0.06dL/gの二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、40重量%以下の濃度において2℃及び−10℃で少なくとも7日間可溶である。表25及び26は、それぞれ2℃及び−10℃でのメチルイソブチルケトン溶解性データを示す。0.06dL/gの二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は、40重量%以下の濃度において2℃及び−10℃で少なくとも7日間可溶である。
Figure 0005306213
Figure 0005306213
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この記載は、ベストモードを含む本発明を開示し、また当業者が本発明を製造及び使用することができるような例を用いている。発明の特許範囲は特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。かかる他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有するならば、特許請求の範囲内に含まれると意図される。
全ての引用された特許、特許出願、及び他の参照文献は、その全てを参照として本明細書中に包含する。しかしながら、本出願における用語が、包含された参照文献中の用語と反するか又は対立する場合には、本出願からの用語は、包含された参照文献からの対立する用語に優先する。
本明細書において開示する全ての範囲は、端点を包含するものであり、端点は独立して互いに組み合わせることができる。
発明の説明に関連して(特に特許請求の範囲に関連して)用語「a」、及び「an」、及び「the」、及び同様の指示詞を用いることは、本明細書において他に示すか又は記載によって明確に反しない限りにおいて、単数及び複数の両方を包含すると解釈すべきである。更に、本明細書における「第1」、「第2」などの用語は、順番、量、又は重要性を示すものではなく、1つの要素を他から区別するために用いるものであることも注意すべきである。量に関して用いる修飾語「約」は、示した値を包含するものであり、記載によって指示された意味を有する(例えば、特定の量の測定値に関係する誤差の程度を包含する)。

Claims (10)

  1. 少なくとも15重量%の、クロロホルム中25℃において測定して0.03〜0.12dL/gの固有粘度を有し、次式:
    Figure 0005306213
    (式中、Q及びQは、それぞれのフェニレンエーテル単位内において同一であり、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;それぞれのQ及びQは、独立して、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;x及びyは、独立して、0〜30であり、但し、xとyの合計は少なくとも2であり;Lは、次式:
    Figure 0005306213
    (式中、それぞれのR及びR及びR及びRは、独立して、水素、ハロゲン、非置換又は置換C〜C12ヒドロカルビル(但し、ヒドロカルビル基はtert−ヒドロカルビルではない)、C〜C12ヒドロカルビルチオ、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、及びC〜C12ハロヒドロカルビルオキシからなる群から選択され、ここでハロゲンと酸素原子とは少なくとも2つの炭素原子によって隔てられており;zは0又は1であり;Yは、次式:
    Figure 0005306213
    (式中、それぞれのRは、独立して、水素及びC〜C12ヒドロカルビルからなる群から選択され;それぞれのR及びRは、独立して、水素、C〜C12ヒドロカルビル、及びC〜Cヒドロカルビレン(この場合には、R及びRは共同してC〜C12アルキレン基を形成する)からなる群から選択される)
    からなる群から選択される構造を有する)
    の構造を有する)
    の構造を有する二官能性ポリ(アリーレンエーテル);及び
    少なくとも20重量%の、C〜Cケトン、C〜C−N,N−ジアルキルアミド、C〜C16ジアルキルエーテル、C〜Cアルキルアルカノエート、C〜Cアルキルシアニド、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒;
    を含む組成物であって;
    二官能性ポリ(アリーレンエーテル)は23℃において組成物1kgあたり少なくとも100gの組成物中の溶解度を有し;
    組成物はC〜Cアルカノールを含まないか又は0.5重量%以下含み、組成物はアルカリ金属イオンを含まないか又は0.5重量%以下含み、そして組成物は銅、マンガン、コバルト、鉄及びこれらの組み合わせから選択される触媒金属イオンを含まないか又は100重量ppm以下含み
    全ての重量%は組成物の全重量を基準とするものである;
    上記組成物。
  2. 二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、23℃において7日間、組成物中に沈澱物を形成することなく可溶である、請求項1に記載の組成物。
  3. 二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における23℃での7日溶解度を有する、請求項1に記載の組成物、
  4. 二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における2℃での7日溶解度を有する、請求項1に記載の組成物。
  5. 二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び溶媒の合計重量を基準として少なくとも15重量%の、溶媒中における−10℃での7日溶解度を有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 40〜80重量%の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)及び20〜60重量%の溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
  7. 溶媒がメチルエチルケトンであり、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、クロロホルム中25℃において測定して0.05〜0.07dL/gの固有粘度を有する2,6−ジメチルフェノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェノール)プロパンとのコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
  8. 溶媒がメチルイソブチルケトンである、請求項1に記載の組成物。
  9. 組成物が熱硬化性樹脂を含まないか又は1重量%以下含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 組成物が30〜60重量%の二官能性ポリ(アリーレンエーテル)を含み;
    二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、クロロホルム中25℃において測定して0.03〜0.09dL/gの固有粘度を有し、
    二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が、次式:
    Figure 0005306213
    (式中、それぞれのQ及びQは、独立して、メチル又はジ−n−ブチルアミノメチルであり;それぞれのa及びbは、独立して、1〜20であり、但し、aとbの合計は少なくとも2である)
    の構造を有し;
    組成物が40〜70重量%の溶媒を含み;
    溶媒が、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びこれらの混合物からなる群から選択され;
    二官能性ポリ(アリーレンエーテル)が23℃において7日間組成物中に沈澱物を形成することなく可溶である;
    請求項1に記載の組成物。
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