JP5306006B2 - 無線通信方法、この方法を実行する無線通信システム、このシステムを構成する無線基地局 - Google Patents

無線通信方法、この方法を実行する無線通信システム、このシステムを構成する無線基地局 Download PDF

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Description

本発明は、互いに異なる通信チャネルで提供される複数のサービス毎のデータを並行受信できる無線通信技術に関する。
ITS(Intelligent Transport System)の分野において、安全運転支援や高度交通情報の提供、自動料金収受、インターネットアクセスなどのさまざまなサービスを提供することを目的として、車向けの無線通信システムが世界的に検討されている。
日本、米国、欧州では、ITS用として5.8GHz〜5.9GHzの周波数帯域が割り当てられており、その周波数帯域を分割して構成した複数の通信チャネル(以下、チャネル)上で上記サービスを提供する通信システムが考えられている。たとえば、欧州では、ITS用に割り当てられた5.8GHz〜5.9GHz中の一部を10MHz幅のチャネルに分割し、交通安全などサービスの目的に応じてチャネルを使い分けるように定めている。このような通信システムでは、複数のチャネル上で並行して異なるサービスが提供される可能性がある。
一方、車内のユーザは、それらの複数のサービスを並行して使用することを要求する場合がある。例えば、見通しの悪い信号機のない交差点上に無線基地局が設置され、この無線基地局から、交差点の各方向道路映像配信サービス、高度交通情報配信サービス、インターネットアクセスサービスが、並行して提供されているとする。車が交差点に差し掛かるとき、ユーザは、道路状況に応じた経路選択のため交通情報を知りたいし、安全のため交差点の左右道路映像も受信したい。また、助手席では、周囲のレストラン情報検索のため、インターネットアクセスを使用している可能性もある。このようなユーザの要求に対応するために、車向けの無線通信システムでは、無線基地局から複数の通信チャネル上で提供されるさまざまなサービスを、車載無線端末が並行して受信できることが好ましい。
異なる通信チャネルで提供されているサービスを並行して受信する手段として、無線通信機を複数具備する方法がある。この方法では、無線通信機の数分の通信チャネル上のサービスを並行して受信できるようになる。しかし、並行受信可能な通信チャネルの数が無線通信機の数に制限されることに加え、無線通信機の数が増加するほど車載無線端末のコストが上昇する問題がある。
これを解決する手段として、無線通信機が一定時間置きに通信チャネルを切り替えて、複数の通信チャネルで提供されているサービスを並行して受信する方法がある。
特許文献1では、テレビジョン受像機が2つの無線受信機を具備しており、1つの無線受信機がユーザ閲覧中の放送サービスを受信している間、もう1つの無線受信機が一定時間置きにチャネル群を巡回することにより、ユーザに閲覧チャネル以外の部分映像を提供することを可能にしている。
また、非特許文献1では、米国の車向け通信システムとして、50msおきに制御用チャネルと通信用チャネルを交互に切り替えて通信を行うことを定めている。制御用チャネルは制御用通信及び緊急用通信に使用される固定のチャネルで、通信用チャネルは一般的用途のデータ通信に使用される複数のチャネル群である。本方法では、制御用チャネルと通信用チャネルの通信時間帯を明示的に分割化することにより、車載無線端末が並行して両チャネルのサービスを受信することを可能にしている。
特開2003−116073号公報
IEEE Trial−Use Standard For Wireless Access in Vehicular Environments(WAVE)−Multi−Channel Operation、IEEE Std 1609.4TM−2006、November 2006
しなしながら、特許文献1に記載の技術では、テレビジョン放送やラジオ放送ですき間なく情報が配信されているため、時分割でチャネルを切り替えて複数のチャネル上のサービスを受信しようとすると、サービスデータの一部が失われ、完全なサービスデータを得ることができないという問題点がある。
また、非特許文献1に記載の技術では、時間帯の分割方式が2つで固定であり、多数存在する通信用チャネルで提供されているサービスを並行して受信することができないという問題点がある。
すなわち、従来技術では、複数のサービス毎のデータを並行受信する際に、サービスデータが不完全であったり、ユーザのサービス受信要求に対して柔軟に対応できなかったりするという問題点である。
本発明は、以上の問題点に着目し、複数のサービス毎のデータを並行受信しても、各サービスデータを完全に受信し、しかも、ユーザの要求に応じて柔軟に並行受信できる無線通信方法、この方法を実行するシステム、このシステムを構成する無線基地局及び無線端末を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するため、本発明では、互いに異なる通信チャネルで無線通信する複数の無線通信部を有している無線基地局と、通信チャネル変更可能な無線通信部を有し、該無線通信部により該無線基地局と無線通信して、該無線基地局経由のサービスの提供を受ける無線端末と、を備えている無線通信システムを提供する。
この無線通信システムの無線基地局は、
複数の通信チャネル毎に、該複数の通信チャネル相互間で同期している複数の固定長タイムスロットのうちのいずれのタイムスロットを用いて、いずれのサービスに関する通信を行うかを示す提供サービス情報を受け付けて、該提供サービス情報を記憶部に記憶する受付ステップと、
前記記憶部に記憶された前記提供サービス情報が示すサービスを提供する1以上のサービス提供元と通信して、各サービス提供元との間でデータを送受信する提供元側通信ステップと、
前記複数の無線通信部を制御する通信制御ステップと、
前記提供元側通信ステップで得たデータを前記通信制御ステップで処理させるデータ受渡ステップと
を実行し、
前記提供サービス情報では、
異なる2以上のタイムスロットに同一のサービスに関するデータを重複して割り当てることが可能であり、
前記通信制御ステップでは、
前記1以上のサービス提供元からの各データがいずれのサービスのデータであるかに応じて、各データを、前記提供サービス情報が示す通信チャネルに対応する無線通信部により、該提供サービス情報が示すタイムスロットで無線送信させると共に、予め定められた通信チャネルに対応する無線通信部により予め定められたタイムスロットで前記提供サービス情報を無線送信させる。
また、この無線通信システムの無線端末は、
如何なる1以上のサービスの提供を受けるかを示す受信サービス情報をユーザから受け付け、該受信サービス情報を記憶部に記憶する受付ステップと、
前記無線通信部が前記無線基地局から受信した前記提供サービス情報と、前記記憶部に記憶された前記受信サービス情報とを用いて、前記通信チャネルの切替スケジュールを作成するスケジュール作成ステップと、
前記切替スケジュールに従って、前記無線通信部の前記通信チャネルを切替えて、前記無線基地局との間で複数の通信チャネルでの通信を並行して該無線通信部に実行させる通信制御ステップと
を実行する。
なお、以上において、通信チャネルは、無線周波数の異なる通信経路であってもよいし、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)のように、符号の異なる仮想的な通信経路であってもよい。
本発明では、互いに異なる通信チャネルで提供される複数のサービス毎とデータを、ユーザの要求に応じて柔軟に並行受信でき、しかも、ユーザの希望するサービスのデータを完全に受信することができる。
本発明に係る一実施形態における無線通信システムの構成図である。 本発明に係る一実施形態における無線通信システムを構成する無線基地局及び無線端末の構成図である。 本発明に係る一実施形態における提供サービス情報テーブルのデータ構成を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における受信サービス情報テーブルのデータ構成を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態におけるチャネル切替スケジュールのデータ構成を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。 本発明に係る一実施形態における無線基地局での送信処理時の動作を示すシーケンス図である。 本発明に係る一実施形態における無線端末での送信処理時の動作を示すシーケンス図である。 本発明に係る一実施形態におけるチャネル切替スケジュールの作成手順を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における通信フレームのデータ構成を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における無線端末におけるサービス表示例を説明図である。
以下、本発明に係る無線通信システムの一実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態の無線通信システムは、例えば、車両にITS(Intelligent Transport System)サービスを提供する無線通信システムである。この無線通信システムは、図1に示すように、各車両に搭載されてITSサービスのデータを受信する無線端末200と、各無線端末200と無線通信する複数の無線基地局100と、無線基地局100を介してITSサービスを提供するためのバックボーンネットワーク1とを備えている。また、ITSサービスを提供する設備として、バックボーンネットワーク1に、ITSサービスセンタ2及びインターネット3が接続されている。さらに、ITSサービスを提供する設備として、特定の無線基地局100には、複数のカメラ9が接続されている。
この無線通信システムで、バックボーンネットワーク1、ITSサービスセンタ2、複数の無線基地局100、カメラ9は、移動体通信事業者や国、地方自治体などにより提供される。例えば、移動体通信事業者が以上の装置を提供していた場合は、無線基地局100は、セルラ通信基地局に相当し、バックボーンネットワーク1は、キャリアセンタと複数のセルラ通信基地局とを接続する公衆回線網や専用ネットワークなどに相当する。
無線基地局100は、無線端末200と無線通信するための通信設備であり、サービス提供範囲内に複数箇所設置される。また、無線基地局100は、バックボーンネットワーク1を介して、ITSサービスセンタ2などのITSサービスを提供する設備と接続されており、無線端末200にITSサービスを提供するためのアクセスポイントとしての役割を担っている。
無線端末200は、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)車載器のように車に装着される無線通信装置であり、近傍の無線基地局100と無線通信することにより、ITSサービスにアクセスできる。
バックボーンネットワーク1は、例えば、回線交換網やパケット交換網で構成される通信ネットワークであり、複数の無線基地局100,100,…と、ITSサービスセンタ2などのITSサービスを提供する設備とに接続している。
ITSサービスセンタ2は、ITSサービス事業者もしくは国などが、例えば、渋滞などの交通情報配信サービスや、ナビゲーションサービスなどのITSサービスを提供するための設備である。
インターネット3は、ゲートウェイ装置などを介してバックボーンネットワーク1と接続されており、無線端末200に対して、近傍の無線基地局100を介したインターネットアクセスサービスを提供する。
カメラ9は、例えば、交差点やT字路などの近傍に設置され、交差点やT字路などにおいて死角となっている場所などを撮像する。このカメラ9は、接続されている無線基地局100を介して、無線端末200に死角映像を配信するサービスを提供する。無線端末200は、受信した前記映像を、例えば、車載ナビゲーションシステムのモニタに設けられているディスプレイに表示することにより、交差点やT字路を運転者が安全に右左折できるように支援する。なお、本実施形態では、カメラ9は、無線基地局100に直接接続されているが、バックボーンネットワーク1に接続されていてもよい。
各無線基地局100は、図2に示すように、複数の無線通信部110a,110b,110c,…と、各種演算処理等を実行するプロセッサ120と、各種データやプログラム等が格納されるハードディスクドライブ装置等の外部記憶装置130と、プロセッサ120のワークエリア等になるRAM140と、各種データやプログラム等が予め記憶されているROM150と、表示装置161やキーボード等の入力装置162やカメラ9のインタフェースである入出力インタフェース160と、バックボーンネットワーク1と通信するためのネットワーク側通信部170と、を備えている。
複数の無線通信部110a,110b,110c,…は、互いに異なるチャネルで、無線端末200と無線通信を行う。各無線通信部110a,110b,110c,…は、いずれも、例えば、IEEE802.11系などの通信規格に準拠した無線通信デバイスなどから構成され、例えば、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)などの無線媒体アクセス制御方式を用いて、IP系の各種プロトコルなどに基づいて生成されたデータの送受信を行う。
プロセッサ120は、機能的に、各無線通信部110a,110b,110c,…やネットワークインタフェース170での通信を制御する通信制御部121と、各無線通信部110a,110b,110c,…とネットワークインタフェース170や入出力インタフェース160との間等でのデータの受渡しを行うデータ受渡部122と、無線端末200との同期をとる同期処理部124と、表示装置161や入力装置162に対する入出力制御を行う入出力制御部(図示されていない)と、を有している。
外部記憶装置130には、当該無線基地局100が無線端末200へ提供するサービスに関する情報が格納されている提供サービス情報テーブル131と、各無線通信部110a,110b,110c,…やネットワークインタフェース170で通信するための各種通信設定情報が格納されている通信設定情報テーブル132と、が設けられている。
これらの各テーブル131,132のデータは、いずれも、入力装置162又はネットワークインタフェース170により、GUI(Graphical User Interface)等を利用して外部から入力される。外部記憶装置130には、さらに、プロセッサ120が実行する各種プログラム133が予め格納されている。前述のプロセッサ120の各機能部121,122,124は、いずれも、外部記憶装置130に格納されている各種プログラム133を実行することで機能する。
入出力インタフェース160には、必要に応じて、前述の表示装置161や入力装置162が接続される。また、特定の無線基地局200の入出力インタフェース160には、前述のカメラ9が接続されている。
ネットワーク側通信部170は、例えば、Ethernet(登録商標)などの有線LAN規格に準拠したネットワークカードなどで構成され、バックボーンネットワーク1にアクセスして、例えば、IP(Internet Protocol)系の各種プロトコルなどに基づいて生成されたデータの送受信を行う。なお、バックボーンネットワーク1との接続形態は、Ethernetのような有線接続に限定されることはなく、WiMAX(World wide Interoperability For Microwave Access)やLTE(Long Term Evolution)のような無線接続であってもよい。
なお、以上では、一つのプロセッサ120で各機能部121,122,124を実現しているが、複数のプロセッサを用い、各機能部121,122,124の機能を各プロセッサに振り分けてもよい。この場合、例えば、各無線通信部110a,110b,110c,…やネットワーク側通信部170を通信カードで構成し、この通信カードにプロセッサやメモリを搭載し、メモリに通信制御を実現するためのプログラムを格納して、プロセッサに通信制御部としての機能を担わせてもよい。
無線端末200は、無線基地局100と無線通信する無線通信部210と、各種演算処理等を実行するプロセッサ220と、各種データやプログラム等が格納されるハードディスクドライブ装置等の外部記憶装置230と、プロセッサ220のワークエリア等になるRAM240と、各種データやプログラム等が予め記憶されているROM250と、表示装置及び入力装置を有するモニタ装置262と、そのインタフェースである入出力インタフェース260と、を備えている。
無線通信部210は、無線基地局100の各無線通信部110a,110b,110c,…が採用している通信プロトコルと同じ通信プロトコルに基づいて生成されたデータの送受信を行う。この無線通信部210は、アンテナ215と、このアンテナ215により無線信号の送受信を行う送受信部211と、信号を復調する一方で信号を変調するモデム部212と、データの圧縮及び伸長等を行うコーデック213と、送受信部211での送信周波数や送受信部211での受信周波数を切替えるシンセサイザ部214と、を有している。シンセサイザ部214は、プロセッサ220からの指示で、送受信部211での受信周波数及び送信周波数を所定の通信チャネルに対応した周波数に切替える。なお、無線基地局100の各無線通信部110a,110b,110c,…の構成も、基本的には、この無線端末200の無線通信部210の構成と同じである。
プロセッサ220は、機能的に、無線通信部210での通信を制御する通信制御部221と、サービス提供元からのサービスを受けるサービス受取部222と、無線通信部210での通信チャネルの切替スケジュールを作成する切替スケジュール作成部223と、無線基地局100との同期をとる同期処理部224と、モニタ装置262に対する入出力制御を行う入出力制御部225と、を有している。
外部記憶装置230には、当該無線端末200が無線基地局100経由で受信するサービスに関する情報が格納されている受信サービス情報テーブル231と、無線通信部210で通信するための各種通信設定情報が格納されている通信設定情報テーブル232と、が設けられている。これらの各テーブル231,232のデータは、いずれも、モニタ装置262により、GUI等を利用して外部から入力される。なお、受信サービス情報テーブル231内の各種データは、基本的に無線端末200のユーザが入力することになるが、通信設定情報テーブル232内の各種データは、無線端末200のメーカーが入力しておくことが好ましい。外部記憶装置230には、さらに、プロセッサ220が実行する各種プログラム233が予め格納されている。前述のプロセッサ220の各機能部221〜225は、いずれも、外部記憶装置230に格納されている各種プログラム233を実行することで機能する。また、RAM240には、無線基地局100と無線通信する過程で、前述の切替スケジュール作成部222が作成したチャネル切替スケジュール241が格納される。
なお、以上では、一つのプロセッサ220で各機能部221〜225を実現しているが、複数のプロセッサを用い、各機能部221〜225の機能を各プロセッサに振り分けてもよい。この場合も、前述の無線基地局100と同様、例えば、無線通信部210を通信カードで構成し、この通信カードにプロセッサやメモリを搭載し、メモリに通信制御を実現するためのプログラムを格納して、プロセッサに通信制御部としての機能を担わせてもよい。
無線基地局100の提供サービス情報テーブル131は、図3に示すように、提供するサービスのIDが格納されるサービスID領域131aと、該当IDのサービスを提供するチャネル番号が格納されるチャネル番号領域131bと、該当IDのサービスの配信形態が格納されるサービス配信形態領域131cと、該当IDのサービスを扱うポート番号が格納されるポート番号領域131dと、該当IDのサービスを提供するタイムスロット番号が格納されるタイムスロット番号領域131eと、を有している。
前述のサービス配信形態とは、例えば、交差点映像配信サービスのように無線基地局100が不特定多数の無線端末200に対してデータをブロードキャストする形態を持つpush型サービスであるか、インターネットアクセスサービスのように無線端末200が必要に応じてアクセスする形態を持つpull(オンデマンド)型サービスであるかを示すものである。このサービス配信形態領域131cには、push型サービスの場合に「0」が格納され、pull型サービスの場合に「1」が格納される。前述のポート番号は、該当サービスにアクセスするためのIDであり、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)におけるポート番号が相当する。また、一つのサービスIDに対するタイムスロット番号領域131eが複数の領域に分かれている場合には、各領域に格納されているタイムスロット番号の各タイムスロットで同じデータを扱うことを意味している。例えば、サービスID「5000」のタイムスロット番号領域131eは、二つの領域に分けられ、一方の領域に「ts2,ts3」が格納され、他方の領域に「ts5,ts6」が格納されているが、この場合、タイムスロット「ts2,ts3」と、タイムスロット「ts5,ts6」とは、同じデータを扱うことを意味している。
無線基地局100の通信設定情報テーブル132には、無線基地局100が無線通信を行う際に必要となる設定情報が格納される。例えば、各無線通信部110a,110b,110c,…のチャネル番号や、タイムスロットの間隔、タイムスロット繰返し周期等が格納される。
無線基地局100の通信制御部121は、サービス提供元からの各データをデータ受渡部122から受け取り、以上で説明した提供サービス情報テーブル131を参照して、各データがいずれのサービスのデータかに応じて、複数の無線通信部110a,110b,110c,…のうちのいずれかの無線通信部により、提供サービス情報テーブル131が示すタイムスロットで無線送信させる。
また、無線端末200の受信サービス情報テーブル231は、図4に示すように、当該無線端末200が無線基地局100経由で受信するサービスのIDが格納されるサービスID領域231aと、該当IDのサービスの受信優先度が格納される優先度領域231bとを有している。このテーブル231に格納されるデータは、前述したように、基本的に、モニタ装置262からユーザにより入力されるデータであるが、例えば、ID「5000」の交差点映像配信サービスやID「5200」の交通情報配信サービスに関しては、IDと共に優先度を予め格納しておいてもよい。また、例えば、ID「9000」のインターネットアクセスサービス等の優先度に関しては、交差点映像配信サービスの優先度「10」、交通情報配信サービスの優先度「5」よりも確実に小さくなるように、1〜4の範囲でしか入力できないようにしておいてもよい。さらに、インターネットアクセスサービス等の優先度に関しては、その利用頻度に応じて、自動的に更新させるようにしてもよい。
無線端末200の通信設定情報テーブル232には、無線端末200が無線基地局100と無線通信を行う際に必要となる設定情報が格納される。例えば、無線通信のタイムスロットの間隔、タイムスロット繰返し周期等が格納される。
次に、無線通信システムの動作について説明する。
無線基地局100及び無線端末200は、図6に示すように、相互に同期したn個(例えば、6個)のタイムスロットを一周期(タイムスロット繰返し周期)として、周期的に各種処理を行う。
無線基地局100のタイムスロットと無線端末200のタイムスロットとの同期は、無線基地局100の同期処理部124と無線端末200の同期処理部224により実現される。
タイムスロットを同期させる方法について説明する。
例えば、無線基地局100及び無線端末200に、GPS(Global Positioning System)受信機を接続し、この受信機で受信したPPS(Pulse Per Second)信号に基づいて、無線基地局100及び無線端末200がUTC(Universal Time Coordinated)絶対時刻と、内蔵時計を同期させ、内蔵時計を基準に、タイムスロットのタイミングを設定する。この方法を使用すると、無線基地局100と無線端末200との間で特別な通信を必要とせずに、タイムスロットを同期させることができる。なお、この方法を採用する場合には、一つのタイムスロットの時間間隔や、タイムスロット繰返し周期などの各種パラメータが標準規格等によって一意に定められている必要がある。
また、タイムスロットを同期させる別の方法として、無線基地局100が、無線端末200に対して、タイムスロットのタイミング、一つのタイムスロットの時間間隔、タイムスロット繰返し周期などの情報を通知することにより、タイムスロットを同期させる方法がある。例えば、周期の開始タイミングで、無線基地局100が、上記情報を含むメッセージを無線端末200に通知することにより、無線端末200は、このメッセージの受信時刻とメッセージに含まれる情報を用いて、タイムスロットを同期させることができる。このタイムスロット同期方法は、事前に標準規格などにより各種パラメータを定めておく必要はなく、無線基地局単位で実現できる。そのため、各無線基地局で、異なるタイムスロット時間間隔やタイムスロット繰返し周期を適宜設定することが可能であり、提供するサービスの通信要求に応じて柔軟に運用することができる。
次に、図6のシーケンス図に従って、1タイムスロット繰返し周期内での無線基地局100及び無線端末200の動作について説明する。なお、図6に示す動作を無線基地局100及び無線端末200が実行する以前に、無線基地局100の提供サービス情報テーブル131及び通信設定情報テーブル132の各データと、無線端末200の受信サービス情報テーブル231及び通信設定情報テーブル232の各データは、前述したように、既に格納されている。
無線端末200の無線通信部210は、タイムスロット繰返し周期の開始時に、言い換えると、第1タイムスロットの開始時に合わせて、無線通信部210の通信チャネルを予め定められた通信チャネル(例えば、第1チャネル)に切替える(S20)。無線端末200の通信制御部221は、タイムスロット繰返し周期の開始直前に、無線通信部210のシンセサイザ214に対して、切替指示を与える。シンセサイザ214は、この切替指示を受けると、無線通信部210の送受信部211の通信チャネルを予め定められた通信チャネルに切替える。この通信チャネルの切替タイミング、つまり、第1タイムスロットの開始時は、前述したように、同期処理部124,224による同期処理により、無線基地局100の第1タイムスロットの開始時と同期している。したがって、無線基地局100での第1タイムスロット以降のタイムスロットと無線端末200での第1タイムスロット以降でのタイムスロットとも同期している。
一方、無線基地局100の通信制御部121は、タイムスロット繰返し周期の開始直前又は開始時に、提供サービス情報テーブル131を参照して、提供サービス情報メッセージを生成し(S10)、タイムスロット繰返し周期の開始時、つまり第1タイムスロット(ts1)の開始時に、予め定められた通信チャネル(例えば、第1チャネル)で無線通信を行う無線通信部110aで、この提供サービス情報メッセージをブロードキャストさせる(S11)。なお、この予め定められた通信チャネルは、例えば、標準規格などで定められ、無線基地局100の通信設定情報テーブル133、無線端末200の通信設定情報テーブル233に予め格納されている。
ここで、提供サービス情報メッセージの通信フレーム構成について、図10を用いて説明する。
提供サービス情報メッセージのフレーム10は、通信元アドレスや通信先アドレス等が格納されているヘッダ11と、実際に提供サービス情報が格納されているペイロード12とを有している。ペイロード12には、当該無線基地局100が提供する提供サービス数13と、提供サービス毎のサービス情報14a,…,14nとが格納されている。提供サービス毎のサービス情報14a,…,14nとしては、当該サービスのID15と、当該サービスの通信に使用するチャネル番号16と、当該サービスの配信形態17と、当該サービスのポート番号18と、当該サービスで使用するタイムスロット情報19とがある。タイムスロット情報19には、タイムスロット繰返し周期中で当該サービスの通信に使用するタイムスロット数19aと、当該サービスの通信に使用されるタイムスロット番号19bとが含まれている。
例えば、図3に示す提供サービス情報テーブル131を用いて、通信制御部121が提供サービス情報メッセージを作成した場合、提供サービス数13は、提供サービス情報テーブル131の行数、言い換えると、このテーブル131に格納されているサービスIDの数になる。また、提供サービス1のデータ14aは、サービスID15が「5000」となり、チャネル番号16が「1」となり、配信形態17が「0(push型配信))」となり、ポート番号18が「5300」となる。さらに、タイムスロット情報19のタイムスロット数19aが「2(4)」となり、タイムスロット番号19bが「te2,te3,te5(ts2),te6(ts3)」となる。なお、タイムスロット番号19b「te5(ts2)」は、タイムスロット番号「te5」のタイムスロットでは、タイムスロット番号「ts2」と同じデータが扱われることを意味している。また、タイムスロット数19a「2(4)」は、当該サービスの提供に利用されるタイムスロット数は合計で4であるものの、4つのタイムスロットのうち、2つのタイムスロットと残りの2つのタイムスロットとは同じデータが扱われるため、このサービスの提供を受ける側は2つのタイムスロットを確保すればよいことを意味している。
なお、ここでは、提供サービス情報メッセージの生成処理(S10)及びその送信処理(S11)をタイムスロット繰返し周期の開始時毎に、毎回行うようにしているが、複数の周期毎に行うようにしてもよいし、提供サービス情報テーブル131内のデータ変化を監視し、データ変化があったときに行うようにしてもよい。提供サービス情報テーブル131内のデータ変化を監視する方法としては、提供サービス情報テーブル131の各行毎にシリアル番号を付し、前回の周期におけるシリアル番号と今回の周期におけるシリアル番号とを比較することで実現できる。
再び、図6のシーケンス図を用いた説明に戻る。
無線端末200の無線通信部210は、第1タイムスロット(ts1)では、通信チャネルが第1チャネルになっているので、無線基地局100からブロードキャストされた提供サービス情報メッセージを受信することになる(S21)。無線端末200の切替スケジュール作成部223は、無線通信部210からこのメッセージに含まれている提供サービス情報を受け取ると、この提供サービス情報と受信サービス情報テーブル231に格納されているデータとを用いて、チャネル切替スケジュールを作成し、このチャネル切替スケジュール241をRAM240に格納する(S22)。
ここで、図9に示すフローチャートに従って、切替スケジュール作成部223によるチャネル切替スケジュール241の作成手順について説明する。
切替スケジュール作成部223は、無線通信部210から提供サービス情報を受け取ると、前のタイムスロット繰返し周期でRAM240上に記憶しておいた提供サービス情報に、受け取った提供サービス情報を上書きすると共に(S220)、RAM240に格納されているチャネル切替スケジュール241を初期化する(S221)。続いて、外部記憶装置230に格納されている受信サービス情報テーブル231をRAM240上に複製して、受信優先度順に、複数の受信サービスIDをソートし、その結果をRAM240上に展開する(S222)。受信サービス情報テーブル231内のデータが図4に示すデータである場合に、切替スケジュール作成部223は、このテーブル231に格納されている複数の受信サービスIDを、「5000」「5200」「9000」の順に並べる。
次に、切替スケジュール作成部223は、ソートした複数の受信サービスIDを全て抽出したか否かを判断する(S223)。全ての受信サービスIDを抽出していなければ、ソートした複数の受信サービスIDから優先度最高位の受信サービスIDを抽出し(S224)、提供サービス情報中に、この受信サービスIDと同じIDの提供サービスIDが存在するか否かを判断する(S225)。受信サービスIDと同じIDの提供サービスIDが存在しなければステップ223に戻り、受信サービスIDと同じIDの提供サービスIDが存在すれば、ステップ226に進む。
切替スケジュール作成部223は、ステップ226で、提供サービス情報が示す対応提供サービスのタイムスロット番号と同じ番号のタイムスロットに、当該受信サービスを割当可能か否か、言い換えると、対応提供サービスのタイムスロット番号と同じ番号のタイムスロットが既に割当済みか否かを判断する。受信サービスを割当できないと判断すると、ステップ223に戻り、受信サービスを割当可能と判断すると、ステップ227に進み、受信サービスを、対応提供サービスのタイムスロット番号と同じ番号のタイムスロットに割り当てる。
次に、切替スケジュール作成部223は、空いているタイムスロット、言い換えると、未だサービスが割り当てられていないタイムスロットがあるか否かを判断する(S228)。空いているタイムスロットがある場合には、ステップ223に戻り、空いているタイムスロットがない場合、及びステップ223で全ての受信サービスIDを抽出したと判断した場合には、各タイムスロットへのサービスの割当結果に従ってチャネル切替スケジュールを作成し、これをRAM240に格納して(S229)、チャネル切替スケジュール作成処理(S22)を終了する。
以上の処理のうち、ステップ223以降の処理について、以下で具体的に説明する。
切替スケジュール作成部223は、例えば、ステップ222で、複数の受信サービスIDを、「5000」「5200」「9000」の順に並べた場合、ステップ224では、受信優先度が最も高い受信サービスID「5000」を抽出する。この受信サービスID「5000」は、無線基地局200から送られてきた提供サービス情報(図3)に含まれている複数の提供サービスID中に存在するので、ステップ225を経た後、ステップ226に進む。切替スケジュール作成部223は、いずれのタイムスロットにも未だサービスを割り当てていないので、ステップ226で、受信サービスID「5000」の「交差点映像配信サービス」を割当可能と判断し、ステップ227で、提供サービス情報(図3)を参照して、対応提供サービスのタイムスロット番号「te2,te3,te5(ts2),te6(ts3)」のうち、「te2,te3」と同じ番号のタイムスロット「te2,te3」に、受信サービスID「5000」の「交差点映像配信サービス」を割り当てる。なお、「te5,te6」は「te2,te3」と同じデータが扱われるため、ここでは、タイムスロット「te5,te6」に「交差点映像配信サービス」を割り当てないが、タイムスロット「te2,te3」の代わりに、タイムスロット「te5,te6」に「交差点映像配信サービス」を割り当ててもよい。
切替スケジュール作成部223は、ステップ228で、空いているタイムスロット(空きタイムスロット「ts4〜ts6」)有りと判断し、ステップ223に戻り、そこで、ソートした複数の受信サービスIDを全て抽出したか否かを判断する。この場合、受信サービスID「5200」「9000」は抽出されていないので、ステップ224に進み、受信サービスID「5200」を抽出する。そして、切替スケジュール作成部223は、ステップ225で、この受信サービスID「5200」が無線基地局200から送られてきた提供サービス情報(図3)に含まれている複数の提供サービスID中に存在しないと判断し、ステップ223に戻る。
切替スケジュール作成部223は、ステップ223で、再び、ソートした複数の受信サービスIDを全て抽出したか否かを判断する。この場合、受信サービスID「9000」は未だ抽出されていないので、ステップ224に進み、受信サービスID「9000」を抽出する。次に、切替スケジュール作成部223は、ステップ225で、この受信サービスID「9000」が無線基地局200から送られてきた提供サービス情報(図3)に含まれている複数の提供サービスID中に存在すると判断し、ステップ226に進む。ステップ226では、この受信サービスID「9000」の「インターネットアクセスサービス」を割当可能か否かを判断する。この「インターネットアクセスサービス」は、提供サービス情報(図3)によれば、タイムスロット番号「ts2〜ts6」であるが、タイムスロット番号「ts2,3」は割当済みである。しかし、この「インターネットサービス」の配信形態が「1(pull型配信)」であり、端末ユーザの要求に応じてサービス提供すればよいので、残っているタイムスロット「ts4〜ts6」に「インターネットアクセスサービス」を割り当てても何ら不都合がない。そこで、切替スケジュール作成部223は、受信サービスID「9000」の「インターネットアクセスサービス」の割当が可能と判断して、ステップ227で、この受信サービスID「9000」の「インターネットアクセスサービス」を残っている「ts4〜ts6」のタイムスロットに割り当てる。
次に、切替スケジュール作成部223は、ステップ228で、空いているタイムスロットがあるか否かを判断する。この場合、ts1〜te6の全てのタイムスロットに何らかのサービス等が割り当てられているため、空いているタイムスロットはないと判断する。そして、以上の処理での割当結果に従って、チャネル切替スケジュールを作成する(S229)。この際、図5に示すように、タイムスロット番号ts1〜te6のそれぞれに対して、各タイムスロットに割り当てられたサービスの通信チャネルを対応付け、これをチャネル切替スケジュール241とする。具体的には、タイムスロット番号ts1には、予め第1チャネルが割り当てられているので、この第1チャネルを対応付け、タイムスロット番号ts2,te3には、「交差点映像配信サービス」の通信チャネルである第1チャネルを対応付け、タイムスロット番号ts4〜ts6には、「インターネットアクセスサービス」の通信チャネルである第2チャネルを対応付ける。
ところで、以上で説明したチャネル切替スケジュール241の作成方法では、例えば、タイムスロット番号ts5,te6に、「交差点映像配信サービス」の通信チャネルである第1チャネルを対応付け、タイムスロット番号ts2〜ts4に、「インターネットアクセスサービス」の通信チャネルである第2チャネルを対応付けることも可能であり、複数のチャネル切替スケジュールを作成することができる。このように複数のスケジュールを作成できる場合には、基本的には、受信サービス情報が示す全サービスのうち、できる限り多くのサービスを受信できるスケジュールを選択することが好ましい。また、複数のスケジュール相互間で受信できるサービス数が同じ場合には、受信優先度の高いサービスをできる限り初めの方のタイムスロットで受信できるようにすることが好ましい。要は、ユーザのサービス受信要求を満たす度合いの高いスケジュールを何らかの方法で選べばよい。
また、以上で説明したチャネル切替スケジュール241の作成方法では、無線基地局100から提供サービス情報メッセージを受信した第1タイムスロット中に、第2タイムスロット以降の各タイムスロットの全ての通信チャネルのスケジュールを定めることができない場合がある。このような場合、第1タイムスロットが終了した以降も、スケジュール作成処理を継続して実行し、通信制御部221は、途中のタイムスロットの通信チャネルまでしか定まっていない未完成の切替スケジュールに従って、後述するように、通信チャネルの切替制御するようにしてもよい。また、第1タイムスロット中にいくつかのスケジュールを定めたが、全てのスケジュールを定めていない場合には、第1タイムスロット中で定めたいくつかのスケジュールのうちで最適なスケジュールを選択するようにするとよい。
再び、図6のシーケンス図を用いた説明に戻る。
無線基地局100は、ts1のタイムスロットで提供サービス情報メッセージを送信した後(S11)、各タイムスロット「ts2〜ts6」で、図3に示す提供サービス情報テーブル131に従った通信処理を実行する。具体的に、無線基地局100の通信制御部121は、タイムスロット「ts2,ts3」及びタイムスロット「ts5,ts6」で、データ受渡部122がカメラ9から得た、サービスID「5000」の「交差点映像配信サービス」のデータを第1チャネル用無線通信部110aに出力し(S12a,14a,12b,14b)、この第1チャネル用無線通信部110aからブロードキャストで交差点映像データを無線送信させる(S13a,15a,13b,15b)。なお、繰り返すことになるが、タイムスロット「ts2,ts3」で扱うデータとタイムスロット「ts5,ts6」で扱うデータとは同じである。さらに、無線基地局100の通信制御部121は、タイムスロット「ts2〜ts6」で、第2チャネル用無線通信部110bに対して、サービスID「9000」の「インターネットアクセスサービス」のデータを受送信させる(S16,S17)。
なお、通信制御部121から第2チャネル用無線通信部110bへ送られるデータは、データ受渡部122によりネットワーク側通信部170を介してインターネット3から得られ、通信制御部121が第2チャネル用無線通信部110bから得たデータは、データ受渡部122によりネットワーク側通信部170を介してインターネット3へ送られる。
以上の「交差点映像配信サービス」のデータ及び「インターネットアクセスサービス」のデータは、図10に示すように、サービスデータの通信フレーム20中のペイロード22に格納される。また、この通信フレーム20のヘッダ21には、通信元アドレスや通信先アドレス等が格納される。なお、「交差点映像配信サービス」のデータを送信する際のヘッダ21には、送信先の無線端末200固有の通信アドレスを格納してもよいが、ブロードキャストを示す通信アドレスを格納してもよい。
一方、無線端末200の無線通信部210は、チャネル切替スケジュール241に従って、タイムスロット「ts1〜ts3」では通信チャネルが第1チャネルに設定され、タイムスロット「ts3」からタイムスロット「ts4」になるタイミングで、通信チャネルが第2チャネルに切替られ(S29)、タイムスロット「ts4〜ts6」では通信チャネルが第2チャネルに設定される。したがって、無線端末200の無線通信部210は、タイムスロット「ts2,ts3」で、無線基地局100の第1チャネル用無線通信部110aから無線送信された交差点映像配信のデータを受信し(S23,S25)、タイムスロット「ts4〜ts6」で、無線基地局100の第1チャネル用無線通信部110aとの間でインターネットアクセスサービスのデータを送受信する(S27)。
無線端末200の無線通信部210が受信したデータは、通信制御部221を介して、サービス受取部222に渡される(S24,S26,S28)。また、サービス受取部222は、インタネットアクセスサービスに関して、モニタ装置262から入力されたデータを通信制御部221に渡し(S28)、無線通信部210からこのデータを送信させる(S27)。
サービス受取部222は、通信制御部221から渡されたデータを解釈して、これを入出力制御部225に渡す。そして、入出力制御部225は、図11に示すように、モニタ装置262の表示装置に、第1チャネルで受信した交差点映像データを表示するウィンドウ262aと、第2チャネルで受信したインターネットアクセスサービスのデータを表示するウィンドウ262bとを表示させる。すなわち、本実施形態では、タイムスロット繰返し周期内で、無線通信部210の通信チャネルを切替えて、無線基地局200から異なる複数の通信チャネルで送信されたチャネル毎のデータを並行して受信し、チャネル毎のデータを並べて表示装置に表示させている。
ところで、無線基地局100の無線通信処理では、無線端末200から送信されるデータを受信する受信処理と、無線端末200へデータを送信する送信処理とがある。受信処理の場合、通信制御部121が、例えば、TCP/IPなどのプロトコルに従って、データ受渡部122に受信データを渡すことによって実現される。しかし、送信処理の場合は、サービス毎にデータ送信可能なタイムスロットが定められている一方で、データ受渡部122からのデータ送信要求がランダムなタイミングで発生するため、何らかの処理が必要である。
そこで、データ受渡部122からのランダムなタイミングで発生するデータ送信要求に対する送信処理手順について、図7に示すシーケンス図に従って説明する。
無線基地局100のデータ受渡部122は、カメラ9やインターネット3からデータを受け取ると、ランダムなタイミングで、言い換えると、各タイムスロットのタイミングとは独立したタイミングで、このデータのサービスIDと共にこのデータの送信要求を通信制御部121へ送る(S120)。
通信制御部121は、サービスIDと共にこのデータの送信要求を受け取ると、提供サービス情報テーブル131(図3)を参照して、現在のタイムスロットが当該データの該当タイムスロットか否かを判断する(S121)。当該データの該当タイムスロットであると判断した場合、当該データを該当チャネル用無線通信部110に出力し(S122)、当該データを該当チャネル用無線通信部110から無線送信させる(S123)。一方、当該データの該当タイムスロットでないと判断した場合、通信制御部121は、RAM140上の送信バッファに当該データを送信予約データとして格納する、つまりバッファリング処理を行う(S124)。
通信制御部121は、一旦、バッファリング処理(S124)を行うと、送信バッファ上のデータが送信されるまで、新たなタイムスロットになる直前、又は新たなタイムスロットになったときに、提供サービス情報テーブル131(図3)を参照して、この新たなタイムスロットが、送信バッファに送信予約データとして格納されたデータの該当タイムスロットか否かを判断する(S126,S126a)。仮に、新たなタイムスロット「ts(k−1)」での送信バッファチェック処理(S126)で、この新たなタイムスロット「ts(k−1)」が、送信バッファに送信予約データとして格納されたデータの該当タイムスロットでないと判断した場合には、このデータをそのまま送信バッファに格納しておく。また、新たなタイムスロット「ts(k)」での送信バッファチェック処理(S126a)で、この新たなタイムスロット「ts(k)」が、送信バッファに送信予約データとして格納されたデータの該当タイムスロットであると判断した場合には、当該データを該当チャネル用無線通信部110に出力し(S122a)、当該データを該当チャネル用無線通信部110から無線送信させる(S123a)。
以上の送信処理で、データ受渡部122からのランダムなタイミングで発生するデータを所定のタイムスロットで送信することができる。
また、無線端末200の無線通信処理でも、無線基地局100から送信されたデータを受信する受信処理と、無線基地局100へデータを送信する送信処理とがある。受信処理の場合、通信制御部221が、例えば、TCP/IPなどのプロトコルに従って、サービス受取部222に受信データを渡すことによって実現される。しかし、送信処理の場合は、各サービス毎にデータ送信可能なタイムスロットが定められている一方で、サービス受取部222からのデータ送信要求がランダムなタイミングで発生するため、何らかの処理が必要である。
そこで、サービス受取部222からのランダムなタイミングで発生するデータ送信要求に対する送信処理手順について、図8に示すシーケンス図に従って説明する。
無線端末200のサービス受取部222は、モニタ装置262からIO制御部225を介してデータを受け取ると、ランダムなタイミングで、言い換えると、各タイムスロットのタイミングとは独立したタイミングで、このデータのサービスIDと共にこのデータの送信要求を通信制御部221へ送る(S270)。
通信制御部221は、サービスIDと共にこのデータの送信要求を受け取ると、図9を用いて前述したステップ220でRAM240上に記憶した提供サービス情報(図3)と、図9を用いて前述したステップ229でRAM240上に記憶したチャネル切替スケジュール(図5)とを参照して、現在のタイムスロットが当該データの該当タイムスロットか否かを判断する(S271)。当該データの該当タイムスロットであると判断した場合、当該データを無線通信部210に出力し(S272)、当該データを無線通信部210から無線送信させる(S273)。一方、当該データの該当タイムスロットでないと判断した場合、通信制御部221は、RAM240上の送信バッファに当該データを送信予約データとして格納する、つまりバッファリング処理を行う(S274)。
通信制御部221は、一旦、バッファリング処理(S274)を行うと、送信バッファ上のデータが送信されるまで、新たなタイムスロットになる直前、又は新たなタイムスロットになったときに、RAM240上に記憶されている提供サービス情報(図3)及びチャネル切替スケジュール(図5)を参照して、この新たなタイムスロットが、送信バッファに送信予約データとして格納されたデータの該当タイムスロットか否かを判断する(S276,S276a)。仮に、新たなタイムスロット「ts(k−1)」での送信バッファチェック処理(S276)で、この新たなタイムスロット「ts(k−1)」が、送信バッファに送信予約データとして格納されたデータの該当タイムスロットでないと判断した場合には、このデータをそのまま送信バッファに格納しておく。また、新たなタイムスロット「ts(k)」での送信バッファチェック処理(S276a)で、この新たなタイムスロット「ts(k)」が、送信バッファに送信予約データとして格納されたデータの該当タイムスロットであると判断した場合には、当該データを無線通信部210に出力し(S272a)、当該データを無線通信部210から無線送信させる(S273a)。
また、通信制御部221は、各タイムスロットの開始直前に、チャネル切替処理を行う(S275,S275a,S275b)。通信制御部221は、このチャネル切替処理で、チャネル切替テーブル241(図5)を参照して、これから開始されるタイムスロットでの通信チャネルが現在の通信チャネルと同じであるか否かを判断する。同じでないと判断すると、チャネル切替テーブル241が示す通信チャネルに変更する旨のチャネル切替要求を無線通信部210に送って、無線通信部210に通信チャネルを切替えさせ、同じであると判断すると、無線通信部210に通信チャネル切替要求を出力せず、現通信チャネルを維持させる。
以上の送信処理で、データ受渡部122からのランダムなタイミングで発生するデータを、所定の通信チャネルで且つ所定のタイムスロットで送信することができる。
以上のように、本実施形態では、無線基地局100が各サービス提供元から受信したそれぞれのデータを、提供サービス情報テーブル131に示されているタイムスロットに割り当て、複数の通信チャネルのうちで同テーブル131に示されている通信チャネルで無線送信しているので、各サービス元からのデータを全て並行して無線送信することができる。
また、本実施形態では、無線基地局100からの提供サービス情報と無線端末200のユーザが希望するサービスを示す受信サービス情報とに基づいて、ユーザが希望するサービスを受けるためのチャネル切替スケジュールを作成し、このチャネル切替スケジュールに従って、通信チャネルを切替えることにより、複数のサービスの提供を並行して受けることができる。
したがって、本実施形態では、ユーザの要求に応じて柔軟に複数のサービス毎のデータを並行受信でき、しかも、ユーザの希望するサービスのデータを完全に受信することができる。
なお、以上で説明した実施形態は一例であり、本発明はこれに限られない。すなわち、様々な応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、無線基地局や無線端末の通信制御や同期処理を、プロセッサとRAMを用いて、所定の動作プログラムを実行することで実現しているが、各処理を独自のハードウェアで実現することも可能である。
また、上記実施形態の無線端末200は、1つの無線通信部210しか備えていないが、複数の無線通信部を備えていてもよい。
さらに、上記実施形態では、無線周波数の異なる通信経路を通信チャネルとしているが、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)のように、符号の異なる通信経路を通信チャネルとしてもよい。この場合、無線基地局の複数の無線通信部は、互いに異なる符号を扱い、無線端末の無線通信部は、チャネル切替スケジュールに従って扱う符号を切替えることになる。
1:バックボーンネットワーク、2:ITSサービスセンタ、3:インターネット、9:カメラ、100:無線基地局、110a,110b,110c,210:無線通信部、120,220:プロセッサ、121,221:通信制御部、122:データ受渡部、124,224:同期処理部、130,230:外部記憶装置、131:提供サービス情報テーブル、132,232:通信設定情報テーブル、133,233:プログラム、140,240:RAM、150,250:ROM、160,260:入出力インタフェース、161:表示装置、162:入力装置、170:ネットワーク側通信部、200:無線端末、211:送受信部、214:シンセサイザ、222:サービス受取部、223:切替スケジュール作成部、231:受信サービス情報テーブル、241:チャネル切替スケジュール、262:モニタ装置

Claims (7)

  1. 互いに異なる通信チャネルで無線通信する複数の無線通信部を備え、各無線通信部で無線端末と無線通信する無線基地局において、
    複数の通信チャネル毎に、該複数の通信チャネル相互間で同期している複数の固定長タイムスロットのうちのいずれのタイムスロットを用いて、いずれのサービスに関する通信を行うかを示す提供サービス情報を受け付ける受付部と、
    前記受付部が受け付けた前記提供サービス情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記提供サービス情報が示すサービスを提供する1以上のサービス提供元と通信して、各サービス提供元との間でデータを送受信する提供元側通信部と、
    前記複数の無線通信部を制御する通信制御部と、
    前記通信制御部と前記提供元側通信部との間でデータの受渡しを行うデータ受渡部と
    を備え、
    前記提供サービス情報では、
    異なる2以上のタイムスロットに同一のサービスに関するデータを重複して割り当てることが可能であり、
    前記通信制御部は、
    前記1以上のサービス提供元からの各データを前記データ受渡部から受け取り、各データがいずれのサービスのデータであるかに応じて、各データを、前記提供サービス情報が示す通信チャネルに対応する無線通信部により、該提供サービス情報が示すタイムスロットで無線送信させると共に、予め定められた通信チャネルに対応する無線通信部により予め定められたタイムスロットで前記提供サービス情報を無線送信させることを特徴とする無線基地局。
  2. 請求項1に記載の無線基地局において、
    前記無線端末でのタイムスロットと当該無線基地局でのタイムスロットとを同期させる同期処理部をさらに備えることを特徴とする無線基地局。
  3. 互いに異なる通信チャネルで無線通信する複数の無線通信部を備える無線基地局と、通信チャネル変更可能な無線通信部を備え、該無線通信部により該無線基地局と無線通信して、該無線基地局経由のサービスの提供を受ける無線端末とを備える無線通信システムにおいて、
    前記無線基地局は、
    複数の通信チャネル毎に、該複数の通信チャネル相互間で同期している複数の固定長タイムスロットのうちのいずれのタイムスロットを用いて、いずれのサービスに関する通信を行うかを示す提供サービス情報を受け付ける受付部と、
    前記受付部が受け付けた前記提供サービス情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記提供サービス情報が示すサービスを提供する1以上のサービス提供元と通信して、各サービス提供元との間でデータを送受信する提供元側通信部と、
    前記複数の無線通信部を制御する通信制御部と、
    前記通信制御部と前記提供元側通信部との間でデータの受渡しを行うデータ受渡部と
    を備え、
    前記提供サービス情報では、
    異なる2以上のタイムスロットに同一のサービスに関するデータを重複して割り当てることが可能であり、
    前記通信制御部は、
    前記1以上のサービス提供元からの各データを前記データ受渡部から受け取り、各データがいずれのサービスのデータであるかに応じて、各データを、前記提供サービス情報が示す通信チャネルに対応する無線通信部により、該提供サービス情報が示すタイムスロットで無線送信させると共に、予め定められた通信チャネルに対応する無線通信部により予め定められたタイムスロットで前記提供サービス情報を無線送信させ、
    前記無線端末は、
    如何なる1以上のサービスの提供を受けるかを示す受信サービス情報をユーザから受け付ける受付部と、
    前記受付部が受け付けた前記受信サービス情報を記憶する記憶部と、
    前記無線通信部が前記無線基地局から受信した前記提供サービス情報と、前記記憶部に記憶された前記受信サービス情報とを用いて、前記通信チャネルの切替スケジュールを作成するスケジュール作成部と、
    前記切替スケジュールに従って、前記無線通信部の前記通信チャネルを切替えて、前記無線基地局との間で複数の通信チャネルでの通信を並行して該無線通信部に実行させる通信制御部と
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  4. 互いに異なる通信チャネルで無線通信する複数の無線通信部を有している無線基地局と、通信チャネル変更可能な無線通信部を有し、該無線通信部により該無線基地局と無線通信して、該無線基地局経由のサービスの提供を受ける無線端末とを備える無線通信システムの通信方法において、
    前記無線基地局は、
    複数の通信チャネル毎に、該複数の通信チャネル相互間で同期している複数の固定長タイムスロットのうちのいずれのタイムスロットを用いて、いずれのサービスに関する通信を行うかを示す提供サービス情報を受け付けて、該提供サービス情報を記憶部に記憶する受付ステップと、
    前記記憶部に記憶された前記提供サービス情報が示すサービスを提供する1以上のサービス提供元と通信して、各サービス提供元との間でデータを送受信する提供元側通信ステップと、
    前記複数の無線通信部を制御する通信制御ステップと、
    前記提供元側通信ステップで得たデータを前記通信制御ステップで処理させるデータ受渡ステップと
    を実行し、
    前記提供サービス情報では、
    異なる2以上のタイムスロットに同一のサービスに関するデータを重複して割り当てることが可能であり、
    前記通信制御ステップでは、
    前記1以上のサービス提供元からの各データがいずれのサービスのデータであるかに応じて、各データを、前記提供サービス情報が示す通信チャネルに対応する無線通信部により、該提供サービス情報が示すタイムスロットで無線送信させると共に、予め定められた通信チャネルに対応する無線通信部により予め定められたタイムスロットで前記提供サービス情報を無線送信させ、
    前記無線端末は、
    如何なる1以上のサービスの提供を受けるかを示す受信サービス情報を受け付け、該受信サービス情報を記憶部に記憶する受付ステップと、
    前記無線通信部が前記無線基地局から受信した前記提供サービス情報と、前記記憶部に記憶された前記受信サービス情報とを用いて、前記通信チャネルの切替スケジュールを作成するスケジュール作成ステップと、
    前記切替スケジュールに従って、前記無線通信部の前記通信チャネルを切替えて、前記無線基地局との間で複数の通信チャネルでの通信を並行して該無線通信部に実行させる通信制御ステップと
    を実行することを特徴とする無線通信システムの通信方法。
  5. 請求項に記載の無線通信システムの通信方法において、
    前記無線端末は、表示部を有し、
    前記無線通信部が前記複数の通信チャネルでの並行した無線通信で得た通信チャネル毎のデータを、該表示部に表示させる表示制御ステップをさらに実行することを特徴する無線通信システムの通信方法。
  6. 請求項4及び5のいずれか一項に記載の無線通信システムの通信方法において、
    前記受信サービス情報には、前記1以上のサービス毎の受信優先順位が含まれ、
    前記受付ステップでは、前記受信サービス情報をユーザから受け付け、
    前記スケジュール作成ステップでは、
    提供を受けようとしているサービスのうち、前記受信サービス情報に含まれている受信優先順位の高いサービスの提供を優先的に受けられるように、前記通信チャネルの前記切替スケジュールを作成することを特徴とする無線通信システムの通信方法。
  7. 請求項4から6のいずれか一項に記載の無線通信システムの通信方法において、
    前記無線基地局でのタイムスロットと前記無線端末でのタイムスロットとを同期させる同期処理ステップをさらに実行することを特徴とする無線通信システムの通信方法。
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