本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時並行的に実行される。ただし、第1の遊技における第1特別遊技と第2の遊技における第2特別遊技は、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行される。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機をもとに構成される複合機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60(第1表示装置という場合もある)、第1始動入賞口(以下、「第1始動口」という)62、第2始動入賞口(以下、「第2始動口」という)63、第3始動入賞口(以下、「第3始動口」という)67、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。第3始動口67は、始動入賞検出装置77を備える。始動入賞検出装置77は、第3始動口67への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第3始動入賞情報を生成する。
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する点で機能が共通するが、それぞれへの入球に対する賞球数が異なるようにしてもよい。たとえば第1始動口62の賞球数が「3」に設定されるのに対して、第3始動口67の賞球数が「7」に設定されるなど、賞球数に差を設けることにより多様な遊技性を実現する。第1始動口62は第2始動口63の上方の位置に設けられている。通常、第1始動口62への入球を狙って遊技球を発射すれば、第2始動口63並びに第3始動口67へも入球させることができる。なお、第2始動口63の普通電動役物65が開放された場合、遊技球はさらに容易に第2始動口63に入球するような構造になっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は第1の遊技および第2の遊技に対応する共通の大入賞口として設けられている。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方の位置に設けられる。
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その上方の比較的目立たない位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに特別遊技としての大当たりが発生する。第1特別図柄表示装置70は、たとえば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192は「0」〜「9」の10種類の数字で表される。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに第2特別遊技としての大当たりが発生する。第2特別図柄表示装置71は、たとえば「○」と「×」のマークが交互に点灯するランプで構成される表示手段とすることができる。なお、第2特別図柄表示装置71は、第1特別図柄表示装置70に比べ表示内容が目立たない図柄を表示する表示装置とすることができる。たとえば、第2特別図柄193のサイズを第1特別図柄192に比べ小さくしたり、第1特別図柄192および第2特別図柄193が類似する図柄を表示するようにしてもよい。また、第2特別図柄193の当たり態様の図柄と外れ態様の図柄を同じ図柄で構成し、その図柄の点灯を当たり態様とし、消灯または点滅を外れ態様としてもよい。また、ランプが緑色の点灯で当たり、赤色の点灯で外れとしてもよい。いずれの場合も、当たりの場合と外れの場合とで、異なる表示態様が実現できればよい。
演出表示装置60は、主として第1抽選の結果を演出的に示す装飾図柄(第1装飾態様という場合もある)200の図柄組合せや動画などを含む画像の変動の開始から停止までの変動表示過程を表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄200は、演出画像に含まれ、第1特別図柄192の変動表示と連動する形で変動表示される。つまり、装飾図柄200は、第1特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。演出表示装置60は、装飾図柄200として、たとえばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。結果表示装置(第2表示装置という場合もある)61は、演出表示装置60とは異なる表示装置であって、第2抽選の結果を補助的に示す表示装置である。第2抽選の結果は、結果図柄(第2装飾態様という場合もある)201として、目立たない態様で結果表示装置61に表示される。たとえば、LEDの点灯、消灯、点滅などで表現される。結果表示装置61における結果図柄201の表示は、第2特別図柄193の変動と連動する形で変動され、第2の遊技に対応する。なお、本実施例のぱちんこ遊技機10は、主として装飾図柄200の変動を見ながら遊技を進行するので、演出表示装置60は、結果表示装置61より視覚的に目立つ態様、たとえば、大型の画像表示装置にて構成されている。また、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左上方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させている。なお、演出表示装置60を結果表示装置61より視覚的に目立つ態様にすることにより遊技者の注目を主に第1特別図柄193に対応する装飾図柄200に向けることができ、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で遊技可能な遊技機を提供することができる。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、大入賞口66、各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62または第3始動口67に落入すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60において装飾図柄200が変動表示される。遊技球が第2始動口63に落入すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、結果表示装置61において第2抽選の結果を補助的に示す結果図柄201が変動する。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄200、結果図柄201の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄200が当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。第1特別図柄192が当たり態様であった場合、スロットマシンのゲームを模した装飾図柄200は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。また、停止時の第2特別図柄193および結果図柄201が当たり態様であった場合も、特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このとき演出表示装置60は、装飾図柄200を表示しつつ、第2抽選結果の当たりを示唆する演出画像を複合的に表示する。当たりを示唆する演出画像としては、たとえば、ミニゲームの成功演出画像やキャラクタによる当たり演出画像とすることができる。また、この当たりを示唆する演出画像は、第1特別図柄192の変動、非変動に関わりなく表示することができる。
特別遊技が実行された場合、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、たとえば15回繰り返される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。時短は、所定の終期、たとえば第1特別図柄192または第2特別図柄193が100回変動するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当たり態様にて停止すると、第2始動口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当たり態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第2始動口63の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第2始動口63への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動入賞口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の右下方には、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20と、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が設けられている。また、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は、センター飾り64の左側部に設けられている。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ4個のランプからなり、それぞれの点灯個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を最大4個まで表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第1始動口62または第3始動口67へ入賞した結果得られる抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中、特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第2始動口63へ入賞した結果得られる抽選結果の個数であり、結果図柄201の表示がまだ実行されていない入賞球の数を最大4個まで示す。普図保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。なお、本実施例では第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22がそれぞれ4個のランプで構成される例を示しているが、たとえば、ランプの点灯形態や発光色を変化させることにより、たとえば2個のランプで4個分の保留表現をしてもよい。
本実施例のぱちんこ遊技機10は主として装飾図柄200の変動を見ながら遊技する形態となっている。そのため、演出表示装置60の画面上には、装飾図柄200が変動表示可能な回数、すなわち、第1特図保留ランプ20に対応する回数表示を擬似的に、かつ遊技者に認識されやすい形態で表示する保留球演出図柄202を有している。
また、遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、結果表示装置61、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、作動条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断し、第3始動入賞情報を受け取ると遊技球が第3始動口67に入賞したと判断する。入球判定手段110は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136を含む。第1抽選手段126は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第1の当否抽選値として取得する。第2抽選手段128は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第2の当否抽選値として取得する。たとえば、第1と第2の当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに普図抽選値を取得する。各抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ当否抽選値または普図抽選値が取得され、保留される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確変時には通常確率より当たりの確率が高い当否テーブルを参照する。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。普図抽選手段136もまた、普通図柄抽選の当否を判定するときに参照する普図当否テーブルを複数保持する。複数の普図当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。普図抽選手段136は、通常時には通常確率による当否判定のための普図当否テーブルを参照し、時短時には通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。
第1抽選手段126による判定結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、演出表示装置60において装飾図柄200の形で変動表示される。第2抽選手段128による判定結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示され、結果表示装置61において結果図柄201変動により補助的な結果表現として表示される。普図抽選手段136による判定結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。
図柄決定手段114は、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60に表示させる停止図柄(停止態様という場合もある)と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、第1図柄決定手段138、第2図柄決定手段140、普図決定手段142を含み、それぞれ、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。また、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。第1図柄決定手段138は、第1特別図柄192を決定するためのテーブルとして第1図柄範囲テーブル300を保持し、第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193を決定するためのテーブルとして第2図柄範囲テーブル301を保持する。第1図柄範囲テーブル300には、「0」〜「9」の数字で表される第1特別図柄192と図柄決定抽選値との対応関係が定められている。第2図柄範囲テーブル301には、「○」および「×」のマークで表される第2特別図柄193と図柄決定抽選値との対応関係が定められている。第1図柄決定手段138は、第1特別図柄192の変動パターンを決定するためのテーブルとして第1変動テーブル302を保持し、第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193の変動パターンを決定するためのテーブルとして第2変動テーブル303を保持する。ただし、変形例においては、第1変動テーブル302と第2変動テーブル303とを一つのパターン決定テーブルとして共通化してもよい。
第1図柄決定手段138は、第1特別図柄192を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1図柄範囲テーブル300を参照し、第1抽選手段126による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて第1特別図柄192の停止図柄を決定する。第1図柄決定手段138は、第1変動テーブル302を参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2図柄範囲テーブル301を参照し、第2抽選手段128による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて第2特別図柄193の停止図柄を決定する。第2図柄決定手段140は、第2変動テーブル303を参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第1図柄決定手段138および第2図柄決定手段140は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
第1図柄決定手段138および第2図柄決定手段140は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンをそれぞれ第1変動テーブル302、第2変動テーブル303に記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間の特徴をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。たとえば、第1変動テーブル302は、第2特別図柄193の変動時間より短い第1特別図柄192の変動時間が多く選択されるよう対応付けられたパターンを保持している。逆に、第2変動テーブル303は、第1特別図柄192の変動時間より長い第2特別図柄193の変動時間が多く選択されるよう対応付けられたパターンを保持している。このとき、第2特別図柄193の平均変動時間は第1特別図柄192の平均変動時間より長く、たとえばそれぞれの平均変動時間に比較的大きな差を設けてもよい。このように設定することにより、遊技者の注目を第2特別図柄193の変動回数に比べ相対的に多く変動する第1特別図柄192に対応する装飾図柄200に集中させることができ、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で遊技可能なぱちんこ遊技機10を提供できる。
また、第2図柄決定手段140は、第2変動テーブル303として、第1特別図柄192の変動表示が複数回包含し得る長さの変動時間が多く選択されるよう対応付けられたパターンを保持している。第2特別図柄193の変動時間が長くなるほど様々な演出が可能になり、弾球遊技機において最も遊技性を表現できる大当り発生までの演出を十分な時間を使って実施できる。また、第2変動テーブル303は、第2抽選手段128による抽選の結果が当たりであるときに選択されうるパターンを複数保持している。この複数のパターンのうち、少なくとも2つのパターンの変動時間の差異は、第1抽選手段126による抽選の結果が外れであるときに選択されうる第1変動テーブル302に保持されているパターンの平均的な変動時間を複数回以上包含しうる長さになっている。つまり、第2抽選が当たりの時に選択されうる個々の第2特別図柄193のパターンの長さは、第1抽選が外れた場合に選択される平均的な第1特別図柄192の変動時間のパターンを複数回包含する長さである。すなわち、1回の第2特別図柄193の変動中に複数回の第1特別図柄192および装飾図柄200の変動表示が実施できる。その結果、第2抽選が当たりの場合、その結果を、複数の装飾図柄200を用いて示唆することが可能になる。このように、第2抽選が当たりの時に選択する第2特別図柄193のパターンの長さが種々あるため、第2抽選の当たり結果を示唆する場合に、選択した第2特別図柄193のパターンごとに異なる数の装飾図柄200を用いた演出が可能になる。その結果、演出種類や演出内容のバリエーションが増大できる。
また、第2変動テーブル303は、長い変動時間ほど当たりが発生しやすくなるように第2特別図柄の変動時間が対応付けられているテーブルを保持することができる。これにより、第2特別図柄193の変動時間が長くなるほど様々な演出が可能になり、ぱちんこ遊技機10において最も遊技性を表現できる大当り発生までの演出を十分な時間を使って実施できる。さらに、第2変動テーブル303として、所定時間を超える変動時間が第2抽選の結果が当たりであった場合にのみ対応付けられているパターンも保持することができる。
なお、第2抽選の結果を示す第2特別図柄193は、第1特別図柄192に比べ相対的に変動回数が少なく、また第2抽選の結果が当たりの場合、演出表示装置60の画面において当たりであることを示唆する演出画像を表示するので、遊技者の注目を第2特別図柄193に集中させる必要性が低減する。この点においても、複数の遊技が混在する遊技機であるにも拘わらず、遊技者の集中を装飾図柄200が表示される演出表示装置60に向けることが可能となる。その結果、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で操作できるぱちんこ遊技機10を遊技者へ提供できる。
このように、第1変動テーブル302、第2変動テーブル303が様々な変動パターンを保持することにより、第1特別図柄192、第2特別図柄193に基づく種々の演出が実現できる。各演出に関しては後述する。
普図決定手段142は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、第1抽選手段126により取得された第1の当否抽選値を保留球として保持する。第2保留手段146は、第2抽選手段128により取得された第2の当否抽選値を保留球として保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。第1と第2の当否抽選値と普図抽選値は、それぞれの保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限はたとえばそれぞれ4である。第1保留手段144により保留された第1の当否抽選値の数は第1特図保留ランプ20におけるランプの点灯数で表され、第2保留手段146により保留された第2の当否抽選値の数は第2特図保留ランプ21におけるランプの点灯数で表され、普図保留手段147により保留された普図抽選値の数は普図保留ランプ22におけるランプの点灯数で表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、特図調整手段152、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による抽選の結果を第1図柄決定手段138により決定された変動パターンにしたがって第1特別図柄192の変動表示として第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による抽選の結果を第2図柄決定手段140により決定された変動パターンにしたがって第2特別図柄193の変動表示として第2特別図柄表示装置71に表示させる。第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、通常遊技においては第1特別図柄192および第2特別図柄193を同時並行的に変動表示させる。すなわち、通常遊技においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方が変動表示中であっても他方の変動表示開始を妨げない。特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当たり態様で停止されたとき、他方の変動表示がなされていない場合はその変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示はあらたに開始されず、また、特別遊技が同時にもう一つ発生することもないので、遊技者は一つの特別遊技に集中することができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの特別遊技の遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合、変動中の特別図柄に関しては当たりによって発生した特別遊技が終了するまで変動表示をそのまま継続させる。この場合、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間を計測するタイマの進行を一時停止することによって変動状態を継続させる。たとえば、第1特別図柄192の変動表示中に第2特別図柄193が当たり態様で変動停止された場合、第1特別図柄192の変動表示を第2特別図柄193に基づく特別遊技が終了するまで継続させる。同様に、第2特別図柄193の変動表示中に第1特別図柄192が当たり態様で変動停止された場合は、第2特別図柄193の変動表示を第1特別図柄192に基づく特別遊技が終了するまで継続させる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御し、とくに複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避する。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
また、特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合は、一方の図柄を強制的に外れの態様で停止させる。たとえば第1特別図柄192の変動表示中に第2特別図柄193が当たり態様で変動停止された場合は、第1特別図柄192の変動表示は強制的に外れの態様で停止させる。同様に、第2特別図柄193の変動表示中に第1特別図柄192が当たり態様で変動停止された場合は、第2特別図柄193の変動表示を強制的に外れの態様で停止させる。外れの態様で停止させる制御方法としては、たとえば一方の特別図柄が当たり態様にて停止するタイミングで他方の特別図柄の変動を同時に停止させる方法を用いてもよい。ただし、同時に停止させてしまうと他方の特別図柄も当たり態様になってしまう場合には、外れ態様が停止図柄として表示されるまで変動を延長する、いわゆる「すべり」の手法を用いてもよい。また、外れの態様で停止させる別の方法としては、たとえば強制停止の対象となる特別図柄がもともと外れ態様の停止図柄にて停止される予定であった場合、変動表示中の特別図柄をただちにその停止図柄で置き換えて停止させる方法を用いてもよい。このとき、もし停止予定の停止図柄が当たり態様であった場合は、その停止図柄を外れ態様の停止図柄に変更した上で、変動表示中の特別図柄をただちに変更後の停止図柄で置き換えて停止させてもよい。変更の結果、特別遊技へ移行すべきことを示すフラグはオンされない。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御し、とくに複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避する。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
作動条件保持手段176は、第1作動条件保持手段178および第2作動条件保持手段180を含む。第1作動条件保持手段178は、第1抽選の当たりに基づく特別遊技について、その移行の条件である第1作動条件を保持する。第2作動条件保持手段180は、第2抽選の当たりに基づく特別遊技について、その移行の条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件および第2作動条件は、特別遊技制御手段120によって参照され、いずれかの作動条件が成立したときに特別遊技が実行される。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による当否抽選結果が当たりである場合、第1特別図柄192が所定の当たり態様で停止されたときに第1作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、第2抽選手段128による当否抽選結果が当たりである場合、第2特別図柄193が所定の当たり態様で停止されたときに第2作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技はたとえば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、特別遊技の単位遊技の回数や開放時間を、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192に応じて決定してもよい。特別遊技制御手段120は、特別遊技の単位遊技の回数や開放時間を、所定の抽選値に応じて決定してもよい。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数を消化したときに特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを第1特別図柄192の種類に応じて決定する。すなわち、第1特別図柄192が所定の図柄、たとえば「奇数の数字」であった場合に特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させることを決定する。また、特定遊技実行手段122は、第2図柄決定手段140により決定された第2特別図柄193が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを所定の抽選により決定する。たとえば、第2特別図柄193が「○」であった場合に所定の抽選を実行し、その抽選値に応じて確変への移行を決定する。この抽選値に応じた決定の結果は、たとえば演出表示装置60の画面に表示させてもよいし、表示させなくてもよい。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、特別遊技が終了した後、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数が所定回数、たとえば100回に達するまで、遊技状態を時短状態へ移行させる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、図柄決定手段114が変動時間の短い変動パターンを選択する。普図抽選手段136は、時短中においては通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。これにより、時短中には第2始動口63の普通電動役物65が高い確率で開放される。
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160を含む。第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして複数の変動パターンデータを保持する。
演出決定手段132は、第1演出決定手段162、第2演出決定手段164、選択決定手段165、演出開始決定手段166および実行決定手段167を含む。第1演出決定手段162は、装飾図柄200の停止図柄(停止態様という場合もある)と変動パターンを、第1抽選手段126による抽選の結果、第1特別図柄192の停止図柄、第1特別図柄192の変動パターンに応じて決定する。第1演出決定手段162は、装飾図柄200の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。第2演出決定手段164は、第2抽選の結果に応じた補助的な表示である結果図柄201の停止図柄(停止態様という場合もある)と変動パターンを、第2抽選手段128による抽選の結果、第2特別図柄193の停止図柄、第2特別図柄193の変動パターンに応じて決定する。第2演出決定手段164は、結果図柄201の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
演出決定手段132に含まれる第1演出決定手段162と第2演出決定手段164は、演出表示装置60上の様々な演出を協働して決定する。そのため、演出決定手段132は様々な機能を有する。たとえば、演出決定手段132は、第2抽選の抽選値が所定の値であった場合、第2特別図柄193が変動表示される間に表示させる複数回の装飾図柄200(第1装飾態様ともいう)の変動パターンとして、演出内容に関連性のある複数回分のパターンを選択可能である。なお、演出内容に関連性のあるパターンとしては、たとえば、同じ背景としたり、同じ色を有する変動パターンとすることができる。また、各変動パターンにおいて一連のストーリーを含むパターン、各変動パターンにおいて、関連性のあるキャラクタや文字を含むようなパターンとすることができる。また、変動パターンと共に出力される音声などに関連性を持たせてもよい。また、第2抽選の結果を示唆するような演出を、複数回表示される装飾図柄200の変動パターンを用いて実施することができる。具体的には、装飾図柄200により複数回にわたって大当りの発生の可能性を示すことができる。また、より長い期間にわたって期待感を高めさせることもできる。関連性や連続性を有する装飾図柄200の変動パターンを次々に表示させることで、遊技者の期待感を増大させることができる。また、装飾図柄200の変動パターンを第2抽選の結果を示唆する手段として活用可能となり、演出バリエーションが増大できる。
また、第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193の変動が当たりである場合には、第1特別図柄192の変動表示を複数回包含し得る長さの変動時間が多く選択される第2特別図柄193の変動パターンを選択することもできる。この場合、演出決定手段132は、第2特別図柄193の変動中に関連性のある装飾図柄200の変動パターンを多く表示できる可能性が増大するので、第2特別図柄193の変動が当たりである場合に実施する演出を長い時間行うことができる。その結果、第2特別図柄193の変動が当たりである場合の演出バリエーションが増大するとともに、演出内容を充実化することができる。また、演出決定手段132の第1演出決定手段162は、第2特別図柄193の当否結果を参考に、第1保留手段144が保持可能な第1抽選の抽選値の保留上限値より多い回数先のタイミングで第2抽選の結果生じる当たりを認識して、第1保留手段144の保留上限値を超える回数分の関連性のあるパターンを選択することもできる。つまり、第2抽選の結果演出を保留上限値を超える回数分の関連性のある装飾図柄200の変動パターンを用いて実施することができる。その結果、保留されていないくらい後の変動タイミングで発生するような当たりを早期に予告的に表示できて、遊技性を向上できる。
さらに、演出決定手段132は、遊技演出の一手法として遊技者参加形のゲーム、いわゆる「ミッション」に関する演出の決定もできる。ミッションとは、たとえば、第2抽選の抽選値が所定の値であった場合、特別遊技を発生させるための条件としてその達成を演出上遊技者に求める要求内容であって、第1特別図柄192が特定回数変動する間に特定の表示がなされれば特別遊技が発生するものである。演出決定手段132は、このミッションの要求内容を、複数回分の第1特別図柄192の変動表示前から提示することができる。また、ミッションを第2抽選の抽選値に基づき、複数回関連性を持ちながら変動する装飾図柄200により実施することができる。その結果、第2抽選の結果に対する演出バリエーションが増大する。
また、後に詳細に説明するが、装飾図柄200の変動表示に用いられる変動パターンには、複数の区切りポイントが所定秒間隔で設定されている。演出決定手段132は、第2抽選の結果が当たりの場合であってその当たりに対応する第2特別図柄193が変動表示される間に、外れに対応する第1特別図柄192が変動表示されるときに演出の差し替えを決定することができる。つまり、第2特別図柄193の変動が停止されるタイミングから第1特別図柄192の最短変動時間の分だけ遡ったタイミング以降に複数の区切りポイントのうちいずれかのポイントにさしかかる場合に特徴的な演出を実施する。たとえば、区切りポイントのうちいずれかのポイントにさしかかる場合に、その区切りポイントより前の区切りポイントから第2特別図柄193の変動終了時間までの長さと実質的に等しい変動時間をもつ変動パターンを第2特別図柄193の変動パターンとして設定する。そして、その変動パターンにて装飾図柄200を変動表示することにより、当該装飾図柄200を第2特別図柄193と実質的に同時のタイミングで停止するように表示させる。これにより、演出表示装置60で表示される画像が不自然に終了してしまうことが防止できる。また、実質的に第2特別図柄193の結果を表示できる。
選択決定手段165は、第2特別図柄193が変動表示される間に表示させる複数回の装飾図柄200の変動パターンとして、演出内容に関連性のある複数回分のパターンを選択するか否かを決定する。選択決定手段165の作用により選択されるパターンが関連性のある場合とない場合が存在することになる。その結果、連続演出時のバリエーションが向上すると共に、連続演出時の遊技者の期待度を向上させることができる。また、演出開始決定手段166は、選択決定手段165が演出内容に関連性のある複数回分のパターンを選択した場合、その関連性のあるパターンをいずれの装飾図柄200の変動開始時から使用するかを決定する。この場合、関連性のある複数回のパターンが選択されても、その開始タイミングを選択可能とする。つまり、第2特別図柄193の変動中任意のタイミングで関連性のある装飾図柄200の変動を開始することができる。その結果、第2特別図柄193の変動と装飾図柄200の変動の対応バリエーションを種々選択可能となり、連続演出に変化を持たせることができる。また、同じ連続演出のパターンが選択された場合でも開始タイミングが異なることにより、異なる演出のように遊技者に見せることができる。さらに、実行決定手段167は、演出開始決定手段166が関連性のあるパターンの使用タイミングを決定した場合に、そのタイミングで関連性のある演出を実行するか否かを決定する。つまり、関連性のある連続演出パターンの演出準備が行われても実行直前まで、実際に実行するか否かの判断を遅らせることができる。その結果、他の演出の割り込みが容易になり、演出バリエーションの向上ができる。なお、この実行決定手段167は、演出を実行するか否かを所定の抽選結果に基づき決定することができる。
装飾図柄200の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄200として揃える数字には、第1特別図柄192と同じ数字が選ばれることが好ましい。たとえば、第1特別図柄192が「3」の場合は装飾図柄200が「333」となる。第1抽選手段126による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。第1演出決定手段162は、装飾図柄200の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を表示制御手段134へ送る。
演出画像の変動パターンには、演出画像の変動表示態様、すなわち演出画像の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
なお、結果図柄201の停止図柄は、たとえば、「○」や「×」で表現したり、LEDの発光パターンによって表現することができる。第2演出決定手段164は、結果図柄201の停止図柄と変動パターンの情報を表示制御手段134へ送る。また、後述するが、結果図柄201が当たり態様で停止する場合、つまり、第2抽選の結果が当たりの場合、表示制御手段134は装飾図柄200が変動表示する演出表示装置60の画面において第2抽選結果が当たりであることを示唆する演出画像を表示する。
表示制御手段134は、第1演出制御手段168、第2演出制御手段170、演出調整手段172を含む。表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出画像として演出表示装置60に変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による第2の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって結果表示装置61に変動表示させる。
前述したように、表示制御手段134は、第1抽選の結果が当たりであった場合は演出表示装置60の画面において装飾図柄200を当たり図柄の組合せで停止させ、第2抽選結果が当たりであった場合は演出表示装置60の画面において第2抽選結果の当たりを示唆する演出画像を表示する。当たりを示唆する演出画像とは、たとえば、ミニゲームの成功を演出する画像とすることができる。また、キャラクタなどを用いて当たりである旨を示すメッセージを表示してもよい。このように、複数の抽選結果に基づく遊技の演出を同じ演出表示装置60において複合的に表示させることにより、複数の遊技が混在するに拘わらず、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で操作できる遊技機を遊技者へ提供することができる。
また、表示制御手段134は、第2抽選の結果に応じて演出表示装置60における装飾図柄の演出状態を切り替える。すなわち、第2抽選の結果は、遊技状態を特別遊技に移行するか否かを示す役割の他に、演出表示装置における装飾図柄の演出状態を変化させるきっかけの役割を含む。したがって、第2抽選の結果の活用範囲を広げることができる。たとえば、表示制御手段134は第2抽選の抽選値が所定の値であった場合、第1特別図柄192および装飾図柄200を複数回変動表示させる間、当たりの発生が近いことを付加的に示唆する前兆演出を演出表示装置60上で表示するように演出状態を切り替える。前兆演出では、たとえば、装飾図柄200の背景を通常時の「青色」から「赤色」に変化させたり、通常時には出現しないキャラクタを出現させたりする。また、装飾図柄200の変動を通常時とは異なる態様としてもよい。この場合、第2特別図柄193の停止図柄表示がされるまでの期間、すなわち複数回の第1特別図柄192の変動が実行される期間、遡って当たりの発生が近いことを付加的に示唆する前兆演出ができる。その結果、遊技者に長い期間当たりの発生を期待させる遊技を提供することができる。なお、表示制御手段134は、装飾図柄200の変動が開始されるときに、第2抽選の結果に応じて装飾図柄200の演出状態を切り替えれば、演出表示装置60における一連の装飾図柄200の表示を違和感なくスムーズに切り替えることができる。
このように、演出状態が変化することにより、遊技者に遊技状態が特別なモードに移行したものと認識させることが可能になり遊技性が向上できる。また、演出状態の切り替えを第2抽選の結果に基づいて実行するので、演出状態の切り替えにランダム性を持たせることが可能になり演出バリエーションが増大できる。
なお、表示制御手段134は、第2抽選の抽選値が外れであった場合でも前兆演出を切り替え表示してもよい。この場合、第2特別図柄193の変動中に、装飾図柄200を第2抽選の結果に応じて決まる所定回数分、あたかも当たりが発生する可能性があるような表示で変動させる。当たりが発生する可能性があるような示唆を表示する場合、実際に当たりを発生させても、させなくてもよい。つまり、前兆演出は大当りを約束するものではなく、当たるかもしれないという不確実性を伴う演出となる。遊技者は、大当りが確約された時点で、安心感を得る反面、大当りが発生するまでの期待感を減じてしまう場合がある。上述のように、不確実性を伴う前兆演出を実施することにより、遊技者に、「この前兆演出中に大当りになるかもしれない。でもならないかもしれない。」というスリル感を伴う期待感を前兆演出が終了するまで継続的に持たせることができる。その結果、遊技性の向上に寄与できる。
さらに、表示制御手段134は、前述の前兆演出に加え、第2特別図柄193が1回変動表示される間に第1特別図柄192の変動表示が複数回繰り返される場合に、その繰り返し回数に応じて大当たりが近づいていることを示唆する演出(本実施例では接近レベル演出と称する)、を実行することもできる。この演出は、演出表示装置60で実施することが効果的であるが、この他、遊技効果ランプ90の点灯制御を用いて実施してもよい。このような演出に演出表示装置60や遊技効果ランプ90を用いることにより、視覚的に印象深い演出が画像を用いて実施可能になり、演出性を増大できると共に、期待度を高められる。さらに、スピーカ18を介した音声メッセージで実施したり、発射ハンドル17の振動などを用いて実施してもよい。また、これらの演出はそれぞれ単独で実施してもよいし、複数の演出を組み合わせてもよい。表示制御手段134は、大当りが近いこと示唆する演出する場合、示唆の繰り返し回数が多くなるほど示唆の度合いを段階的に高める演出を実行してもよい。たとえば、繰り返し回数が多くなるほど、装飾図柄200の背景色を青系から赤系へ段階的に変化させたり、登場するキャラクタの数を増やしたり、通常登場しにくいキャラクタを登場させたりする。また、装飾図柄と共に表示するメッセージを段階的に変化させることでも実施できる。また、遊技効果ランプ90で示唆の度合いを示す場合は、点滅間隔を段階的に短くしたり、発光色を派手に変化させることができる。また、音声や振動を用いる場合には、その出力レベルを段階的に増大してもよい。このように、大当りが近づいていることを示唆する演出を行うことにより大当りに対する遊技者の期待度を高めることができる。また、第1特別図柄192の繰り返し回数に応じて大当たりが近づいていることを示唆する演出内容を変化させることにより異なる期待感を導く演出を実行できる。
さらに、表示制御手段134は、大当りの発生が確定したことを報知することもできる。第2図柄決定手段140は、第2変動テーブル303として、所定時間を超える変動時間が第2抽選の結果が当たりであった場合にのみ対応付けられているパターンを保持している。この場合、表示制御手段134は、前述の所定時間を第1特別図柄192の平均的な変動時間で割った数値を超える回数の第1特別図柄192の変動表示が1回の第2特別図柄193の変動表示がなされる間に繰り返された場合に、確定の報知を遊技者にすることができる。この報知を実行するのは、たとえば第2抽選が当たりの場合であり、かつ第2抽選の結果選択されるパターンの長さが、(所定時間)+(第1特別図柄の平均的な変動時間)以上の場合である。または、第2抽選が当たりの場合であり、かつ第2抽選の結果選択されるパターンの長さが、所定時間以上であり、選択される第1特別図柄192の変動時間が平均変動時間以下のものが多く選択される場合である。言い換えれば、1回の第2特別図柄193の変動表示がなされる間に第1特別図柄192の変動が所定回以上繰り返される場合である。遊技者は、1回の第2特別図柄193の変動表示がなされる間に通常時より多い回数の装飾図柄200の変動を認識することにより大当りに対する期待度を高めている場合が多い。これに加えて、大当たりの発生が確定された旨を遊技者に報知すれば、大当り発生に対する興奮度を増大させることができる。
この他、表示制御手段134は、演出表示装置60において装飾図柄200に所定の補助画像を付加することによって、第1抽選の結果と第2抽選の結果があわせて表示されているような演出を実施することもできる。特に、第2特別図柄193が当たりであることに基づく変動中に、第1特別図柄192を当たり態様で停止させたい場合、装飾図柄200の当たり態様に補助画像を付加することによって第1抽選および前記第2抽選の当たりをあわせて表示させることができる。また、第1特別図柄192の当たり態様の変動が第2特別図柄193の当たり態様の変動より先に停止する場合、第1特別図柄192に基づく装飾図柄200に補助画面を付加することにより、第2特別図柄193に基づく当たりも近い将来発生することを示唆できる。つまり、装飾図柄200を表示する1つの画面で2回分の当りの発生を遊技者に認識させることができる。
このように、装飾図柄200に補助画像を付加することにより、第1特別図柄192に基づく装飾図柄200を表示するという演出表示装置60の本来の機能を維持しつつ、あわせて第2特別図柄193に基づく抽選結果を実質的に表示しているかのような演出を実行できる。つまり、第1抽選に基づく遊技性と第2抽選に基づく遊技性が混在する遊技機において、複数種類の抽選の結果を従来でいうところの第1種ぱちんこ遊技機のように1つの演出表示装置60で表示することができる。その結果、複数の遊技が混在するに拘わらず、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で操作できるぱちんこ遊技機10を遊技者へ提供することができる。
演出調整手段172は、装飾図柄200および結果図柄201のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合、変動中の図柄に関しては当たりによって発生した特別遊技が終了するまで変動表示をそのまま継続させる。この場合、装飾図柄200または結果図柄201の変動時間を計測するタイマの進行を一時停止することによって変動状態を継続させる。たとえば、装飾図柄200の変動表示中に結果図柄201が当たり態様で変動停止された場合、装飾図柄200の変動表示を結果図柄201の変動停止に基づく特別遊技が終了するまで継続させる。同様に、結果図柄201の変動表示中に装飾図柄200が当たり態様で変動停止された場合は、結果図柄201の変動表示を装飾図柄200の変動停止に基づく特別遊技が終了するまで継続させる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御する。その結果、複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避する。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
また、演出調整手段172は、以下のように処理を行ってもよい。通常遊技においては装飾図柄200および結果図柄201を同時並行的に変動表示させる。すなわち、通常遊技においては、装飾図柄200、結果図柄201のうち一方が変動表示中であっても他方の変動表示開始を妨げない。演出調整手段172は、装飾図柄200および結果図柄201のうち、一方が当たり態様で停止されたとき、他方の変動表示がなされていない場合はその変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は図柄の変動表示はあらたに開始されず、また、特別遊技が同時にもう一つ発生することもないので、遊技者は一つの特別遊技に集中することができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの特別遊技の遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
演出調整手段172は、装飾図柄200および結果図柄201のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合は、一方の図柄を強制的に外れの態様で停止させる。たとえば装飾図柄200の変動表示中に結果図柄201が当たり態様で変動停止された場合は、装飾図柄200の変動表示は強制的に外れの態様で停止させる。同様に、結果図柄201の変動表示中に装飾図柄200が当たり態様で変動停止された場合は結果図柄201の変動表示を強制的に外れの態様で停止させる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御し、とくに複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避する。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
このように、本実施例のぱちんこ遊技機10は、主として、演出表示装置60の画像に着目して遊技することができる。その結果、複数の遊技が併存する複合機で有りながら、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で遊技できる。これにより、新たな遊技性をもった遊技機を今まで通り違和感なく遊技者に楽しませることができる。言い換えれば、従来と比べて複雑となり得る複合的な遊技をシンプルに見せることができる。
図4は、本実施例のぱちんこ遊技機10の基本的な演出形態を説明する説明図である。本実施例のぱちんこ遊技機10は、第1抽選に基づく第1の遊技と第2抽選に基づく第2の遊技が併存するものであるが、その抽選結果を明確に示す表示装置は、主として第1抽選の結果を示す演出表示装置60のみである。第2抽選の結果、主として当たり抽選の結果は、演出表示装置60上で当たりであることを示唆する演出画像として表示される。
本実施例のぱちんこ遊技機10における演出形態は、大別して通常ステージNと前兆ステージMとがある。この通常ステージNと前兆ステージMは、それぞれ演出形態が異なる。通常ステージNでは、第1抽選の結果に基づく第1特別図柄192の変動と、第2抽選の結果に基づく第2特別図柄193の変動によって、個々に演出内容が決定され、大当りの有無が表示される。たとえば、第1抽選で当たりとなった場合、第1特別図柄192の変動パターンおよび停止図柄に対応して、演出表示装置60上で装飾図柄200が当たり態様の図柄組合せで変動停止して、大当りが発生したことを遊技者に認識させる。また、第2抽選で当たりとなった場合、第2特別図柄193の変動パターンおよび停止図柄に対応して、結果表示装置61上で結果図柄201が当たり態様の図柄で変動停止する。ただし、本実施例のぱちんこ遊技機10の場合、第2抽選の結果である第2特別図柄193および、結果図柄201は、第1特別図柄192および装飾図柄200に比べて目立たないように構成されている。そのため、前述のように、ぱちんこ遊技機10は、第2抽選の結果が当たりであった場合、演出表示装置60の画面において第2抽選結果の当たりを示唆する演出画像を表示する。当たりを示唆する演出画像は、たとえば、ミニゲームの成功を示す画像を表示したり、キャラクタなどを用いて大当りメッセージを表示することにより実施できる。なお、主として第1抽選の結果を装飾図柄200を用いて表示している演出表示装置60に第2抽選の結果を違和感なく表示させるために、演出決定手段132や表示制御手段134は、演出画像の差し替えや複合表示を実施する。
前兆ステージMは、第1抽選の抽選状態と第2抽選の抽選状態に応じて通常ステージNから移行し、抽選などで決定された期間中に遊技者の興味を喚起する演出が実施されるステージである。また所定の前兆演出期間が経過した後に通常ステージNに移行するステージでもある。前兆ステージMでは、第1抽選の結果である第1特別図柄192の変動状態、および第2抽選の結果である第2特別図柄193の変動状態に応じて様々な演出が実行され、大当り発生の期待度を向上させる。前兆ステージMは、第2抽選の抽選値が所定の値であった場合に、第2特別図柄193が変動表示される間に、演出内容に関連性のある装飾図柄200を複数回連続して表示する連続予告モードを含む。この連続予告モードは、第2抽選の結果が当たりである場合に、発生する可能性のある「当たり付き連続予告モード」と、第2抽選の結果が外れである場合に、発生する可能性のある「当たりなし連続予告モード」とを含む。連続予告モードは、たとえば、「リーチ」を連続して発生させる演出モードとすることができる。また、プレミア的なキャラクタを連続的に登場させる演出モードや、通常では提供されないメッセージを連続的に提供する演出モードとすることもできる。また、段階的に連続予告の期待度を増大させる手段として、いわゆる「ロングリーチ」や、「スーパーリーチ」など信頼度の高いリーチを順に表示するようにしてもよい。「当たりなし連続予告モード」は、結果的に当たりを伴わないだけ、表示する図柄組合せや演出パターンは、「当たり付き連続予告モード」と同じまたは類似することが望ましい。この場合、遊技者は、「当たり付き連続予告モード」と「当たりなし連続予告モード」の識別がし難くなり、連続予告モードに対する期待感や興奮度を向上させることができる。なお、前兆ステージM自体も一種の演出モードであり、「当たり付き連続予告モード」や「当たりなし連続予告モード」に移行しなくても、演出表示装置60で装飾図柄200の背景色を変化させたり、装飾図柄200の変動とともに、キャラクタを登場させたりすることにより、連続予告モードへの移行を示唆したり、大当り発生を示唆したりする演出ができる。
前述のように、通常ステージNと前兆ステージMとは、可逆的にステージの入れ替わりが可能である。また、第1特別図柄192の変動は、第1始動口62または、第3始動口67への入球を契機に発生し、第2特別図柄193の変動は、第2始動口63への入球を契機に発生するので、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動は同時に発生し得る。したがって、通常ステージNにおける第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動状態としては、図4に示すように、たとえば、第1特別図柄192と第2特別図柄193がいずれも外れ変動をしている場合(状態a)がある。通常ステージNにおいて、状態aから変化し得る状態としては、第1特別図柄192のみが当たり変動になる状態bに変化する場合と、第2特別図柄193のみが当たりとなる状態cになる場合がある。いずれの状態からも前兆ステージMへの移行は可能である。状態aは、第1特別図柄192および第2特別図柄193がいずれも外れであるので、前兆ステージMに移行する場合、「当たりなし連続予告モード」へ移行する。前兆ステージMへの移行は、第1特別図柄192の変動開始を契機に発生する。また、前兆ステージMから通常ステージNへの移行も第1特別図柄192の変動開始を契機に発生する。なお、前兆ステージMの滞在時間は、抽選によって決定される。
また、状態bの場合、第1特別図柄192が当たり変動しているので、通常ステージNのまま変動を終了し、大当り遊技、すなわち特別遊技へ移行する場合がある。また、第1特別図柄192の変動開始と同時に、前兆ステージMに移行して、1回のみの「当たり付き連続予告モード」を実行して、大当り遊技に移行する場合がある。状態cの場合、第2特別図柄193が当たり変動しているので、通常ステージNのまま変動を終了し、大当り遊技へ移行する場合がある。また、第2特別図柄193の変動開始と同時に、または所定時間経過後に前兆ステージMに移行して、「当たり付き連続予告モード」に移行することなく、背景色やキャラクタによる演出のみで大当り遊技に移行する場合がある。さらに、前兆ステージMにおいて、「当たり付き連続予告モード」に移行して連続予告を実行した後、大当り遊技に移行する場合がある。特に、第2特別図柄193が当たり変動する場合、前述したように、第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193として、第1特別図柄192の変動表示が複数回包含し得る長さの変動時間を選択する場合が多いので、連続予告回数の多い演出が可能になり、遊技者の期待感を増大させることができる。
また、状態cにおいて、第2特別図柄193のみが変動し、第1特別図柄192の変動が停止してしまう場合がある。つまり、第1始動口62および第3始動口67への入球や第1保留手段144による保留数がゼロになってしまう場合がある。このような場合、演出表示装置60上での装飾図柄200の変動がないまま、大当りが発生することになる(状態d)。そこで、演出決定手段132は、演出表示装置60でたとえば、「カウントダウン表示」を開始し、第2特別図柄193が当たり変動をしていることを遊技者に報知する。この場合、演出表示装置60上では、何の前触れもなくカウントダウンが始まり、大当りが確定する旨を示す「突然当たり」を演出することが可能となり、遊技者の興奮度を増大することができる。
なお、状態aから前兆ステージMの「当たりなし連続予告モード」に移行した後、当該「当たりなし連続予告モード」中に第1特別図柄192または第2特別図柄193が当たり変動する場合がある。この場合は、演出決定手段132は、演出状態を「当たりなし連続予告モード」から「当たり付き連続予告モード」へ切り替え、適宜連続予告を実行した後大当り遊技に移行することもできる。
また、状態cまたは状態dにおける第2特別図柄193の変動中に第1特別図柄192が当たり変動となる場合がある。この場合、2つの当たり変動が同時に存在することになる。たとえば、第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193の変動パターンとして長い変動パターンが選択される場合が多い。そのため、第2特別図柄193の変動中に第1特別図柄192が当たり変動を開始する可能性がある。ところで、第2特別図柄193の当たり変動に基づく前兆ステージMへの移行、さらに連続予告モードへの移行は、選択決定手段165、演出開始決定手段166、実行決定手段167などにより第2特別図柄193の変動終了タイミングから所定の期間遡ったタイミングで行われる。たとえば、第2特別図柄193の変動終了タイミングから60秒遡ったタイミングから前兆ステージMや連続予告モードを開始することができる。そのため、決定された連続予告発生タイミングに至るまでに第1特別図柄192の抽せん結果が当たりとなることがある。この場合には第2特別図柄193の結果より先に第1特別図柄192で変動結果が表示される可能性が高い。このような場合、第1特別図柄192の当たり変動から連続予告をたとえば1回実行し、第1特別図柄192に基づく大当り遊技終了後から第2特別図柄193に係る連続予告が発生するようになる。なお、第1特別図柄192の当たりに基づく大当り遊技後、第2特別図柄193に基づく連続予告が可能となるが、この連続予告の開始タイミングは、先に決定したタイミングでもよいし、再度連続予告発生タイミングを決定してもよい。また、別の場合として状態bの状態で、第1特別図柄192変動中に第2特別図柄193が当たり変動となる場合がある。この場合、第1特別図柄192の変動時間は第2特別図柄193と比較すると短く設定されているため、まず、第1特別図柄192の当たり変動発生時点で連続予告(連続予告としては1回)を実施する。そして、第1特別図柄192の変動中に第2特別図柄193の抽せん結果が当たりである場合には、第2特別図柄193に係る連続予告を第1特別図柄192の当たりに基づく大当り遊技の後、決定された開始タイミングまたは再設定したタイミングで実行する。
このように、第1特別図柄192、第2特別図柄193両方の当たりが存在する場合でも個々の演出が重複することがない。また、遊技者に第1特別図柄192の当たりによる利益および第2特別図柄193の当たりによる利益を損なうことなく提供できる。
なお、連続予告モードの発生確率は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の当否変動状態に基づいて決まることができる。たとえば、第1特別図柄192が当たり、第2特別図柄193が当たりとなった状態が連続予告モードの発生確率が最も高く、第1特別図柄192が外れ、第2特別図柄193が当たりの場合が次に高い。次に、第1特別図柄192当たり、第2特別図柄193が外れが続き、最も確率の低い状態として第1特別図柄192が外れ、第2特別図柄193が外れとすることができる。なお、この発生確率順位は、適宜変更可能である。
図5は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動タイミングと前兆ステージMの関係を示している。図5の場合、第2特別図柄193の当たり変動に基づき前兆ステージMが開始される例を示している。第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193が当たり変動である場合、第1特別図柄192の変動表示を複数回包含し得る長さの変動時間のパターンを選択することができる。演出決定手段132は、第2特別図柄193の変動終了タイミングを認識しているので、第2特別図柄193の変動終了タイミングを基準に所定時間遡ったタイミングから前兆ステージMを開始することができる。前兆ステージMにおける演出は、たとえば、演出表示装置60において装飾図柄200を変動表示する場合の背景を通常ステージNの時と変化させる。たとえば、通常時の青色の背景を赤色に変化させる。また、通常ステージNでは登場し得ないキャラクタを前兆ステージMで装飾図柄200の変動と共に表示してもよい。図5に示すように、前兆ステージMの演出期間中、第1特別図柄192は複数回変動停止を繰り返す。前兆ステージMに移行したことにより大当りが近いかもしれないという認識を遊技者に与え期待度を高めることができる。
本実施例のぱちんこ遊技機10の場合、遊技者が主として認識する遊技形態は、装飾図柄200の変動、つまり第1特別図柄192の変動である。ここで、第1保留手段144が認識できる保留数は最大4なので、第1特別図柄192のみを用いた演出では、仮に当たりの先読み予測ができるとしても当たりを示唆する演出は、第1特別図柄192の4回変動分までしかできない。しかし、本実施例のように、第2図柄決定手段140が、第1特別図柄192の変動表示を複数回包含し得る長さの第2特別図柄193の変動パターンを選択する場合、約束された第2特別図柄193の当たりの表示前に、4回を越える第1特別図柄192による当たり示唆表示ができる。つまり、4回以上の第1特別図柄192の変動開始タイミングから当たりを示唆する前兆ステージMを演出することができる。言い換えれば、保留もされていないくらい後の変動タイミングで発生するような当たりを早期に予告的に表示演出することができる。このように、従来の構成では、仮に特別図柄の当たりの予測ができたとしても、保留最大数である4回前の装飾図柄200からしか当たり前兆を伴う演出ができない。しかし、本実施例では、当たりを示唆する前兆演出を4回を越える装飾図柄200の変動表示開始から実施することが可能になる。その結果、遊技者に、従来より長い前兆演出を提供することができるようになり、遊技性の向上ができる。なお、図5の例では、第2特別図柄193の当たり変動開始後、最初の第1特別図柄192の変動開始タイミングから前兆ステージMに移行している例を示し、前兆ステージM中に7回の第1特別図柄192の変動が発生しているものを示している。しかし、この移行タイミングは第2特別図柄193の当たり変動開始後、第1特別図柄192の変動開始タイミングであれば、抽選などにより任意に決定できる。前兆ステージMの滞在期間が長いほど遊技者の当たり発生に対する期待感を増大することが可能になり、遊技性の向上に寄与できる。なお、図5において、第1特別図柄192の7回目の変動は、特図調整手段152により一時的に停止されている。つまり、第2特別図柄193の当たりによる大当り遊技の発生に基づき、変動タイマが一時的に停止して、第1特別図柄192の変動が継続している状態が示されている。特図調整手段152は、第2特別図柄193に基づく大当り遊技の終了後、変動タイマを再開させ、第1特別図柄192に設定された変動時間経過後に、当該第1特別図柄192を停止表示させる。
なお、第2特別図柄193が当たり変動する場合に発生する前兆ステージMは、第2特別図柄193の変動停止時に終了し、演出表示装置60上では、大当り遊技が開始される。一方、第2特別図柄193は外れ変動する場合でも前兆ステージMに移行させることができる。つまり、あたかも大当り遊技が近づいているかのような演出ができる。この場合も、前兆ステージMは、第2特別図柄193の変動停止時に終了する。しかし、演出表示装置60上では、大当り遊技が開始されず、第1特別図柄192の変動に基づく装飾図柄200が変動する。
また、演出決定手段132は、前兆ステージM中に表示する装飾図柄200の演出内容に関連性のあるパターンを複数回連続して選択することもできる。この場合、前兆ステージM中に図4で説明した連続予告モードが実施できる。前兆ステージM中に連続予告を実施することにより遊技者の期待度をさらに向上できる。なお、前兆ステージMの実行期間と連続予告モードの実行期間は完全にリンクする必要はなく、たとえば第2特別図柄193の変動停止の直前の10秒間で連続予告演出を実施するようにしてもよい。つまり、前兆ステージMの途中から連続予告が発生するようにしてもよい。どのタイミングから連続予告を開始するか、どの程度期間連続予告を実施するかは、抽選によって決まることが好ましい。抽選により連続予告の長さや開始タイミングを決めることにより、毎回異なる演出が可能となり、遊技性の向上ができる。
図6は、前兆ステージMへ移行する場合に利用する確率表の一例である。図6の場合、「当たりを伴わない前兆ステージ」と「当たりを伴う前兆ステージ」について説明する。なお、本実施例の場合、第1特別図柄192の当たり確率がたとえば1/400で、第1特別図柄192の変動は、1分間に平均6回行われるものとする。また、第2特別図柄193の当たり確率がたとえば1/400で、第1特別図柄192の変動は、1分間に平均2回行われるものとする。第1抽選および第2抽選の当否結果に基づき、第1特別図柄192および第2特別図柄193が選択する変動パターンは、図6(a)に示すように、たとえば5秒〜360秒であり、それぞれ抽選確率が定められている。
まず、「当たりを伴わない前兆ステージ」に移行する場合を説明する。通常ステージNにおいて、第1特別図柄192が外れ変動パターンを取得した場合、ステージ移動抽選が行われる。このステージ移行抽選において、遊技状態が通常ステージNに滞在し続ける確率は、図6(b)に示すように、たとえば197/200で、前兆ステージMに移行する確率は、たとえば3/200である。3/200で前兆ステージMへの移行が決まった場合、演出決定手段132は、前兆ステージMに滞在中における第1特別図柄192の変動回数を抽選により決める。第1特別図柄192が外れで前兆ステージMへ移行する場合、前兆ステージM滞在中の変動回数は、図6(c)に示すように、たとえば、「10回」、「20回」、「30回」の中から決められる。これらの回数の選択確率は、それぞれ、50/100,30/100,20/100である。この場合、ある第1特別図柄192の変動パターン取得時に、30回の前兆ステージ滞在を取得した場合、その後、30回分の第1特別図柄192の結果に基づく装飾図柄200の変動は、前兆ステージM上で実施される。前兆ステージMに移行した後は、決定された滞在回数が消化されるまで、第1特別図柄192の変動パターン取得時のステージ移行抽選を中止してよいし、異なる確率表を用いて、前兆ステージMから通常ステージNへ移行するようにしてもよい。
同様に、通常ステージNにおいて、第2特別図柄193が外れ変動パターンを取得した場合もステージ移動抽選が行われる。このステージ移行抽選において、遊技状態が通常ステージNに滞在し続ける確率は、図6(b)に示すように、たとえば197/200で、前兆ステージMに移行する確率は、たとえば3/200である。3/200で前兆ステージMへの移行が決まった場合、演出決定手段132は、前兆ステージMに滞在中における第1特別図柄192の変動回数を抽選により決める。第1特別図柄192が外れで前兆ステージMへ移行する場合、前兆ステージM滞在中の変動回数は、図6(c)に示すように、たとえば、「10回」、「20回」、「30回」の中から決められる。これらの回数の選択確率は、それぞれ、50/100,30/100,20/100である。この場合、ある第1特別図柄192の変動パターン取得時に、30回の前兆ステージ滞在を取得した場合、その後、30回分の第1特別図柄192の結果に基づく装飾図柄200の変動は、前兆ステージM上で実施される。前兆ステージMに移行した後は、決定された滞在回数が消化されるまで、第1特別図柄192の変動パターン取得時のステージ移行抽選を中止してよいし、異なる確率表を用いて、前兆ステージMから通常ステージNへ移行するようにしてもよい。
次に、「当たりを伴う前兆ステージ」に移行する場合を説明する。通常ステージNにおいて、第2特別図柄193が当たり変動パターンを取得した場合もステージ移動抽選が行われる。このステージ移行抽選において、遊技状態が通常ステージNに滞在し続ける確率は、図6(b)に示すように、たとえば10/200で、前兆ステージMに移行する確率は、たとえば190/200である。本実施例の場合、第2特別図柄193の当たりの変動パターンの時間分、前兆ステージMに滞在するものとする。演出決定手段132は、前兆ステージMに滞在中における第1特別図柄192の滞在時間を別途準備された抽選テーブルを用いて決定してもよい。本実施例の場合、第2特別図柄193の変動パターンが60秒、120秒、240秒、360秒がそれぞれ25/100の確率で選択され、第1特別図柄192の変動中前兆ステージMに滞在することになる。なお、通常ステージNから前兆ステージMへの移行を、第1特別図柄192の変動が開始するときとすることにより、演出表示装置60における画面の切り替わりが違和感なくスムーズにできる。
ところで、第2特別図柄193が当たり変動を行う場合、遊技制御装置100のメイン基板102およびサブ基板104では、第2特別図柄193の変動停止タイミングを認識している。つまり、第2特別図柄193の変動中に、第1特別図柄192が何回程度変動できるかを推定することができる。つまり、表示制御手段134は、第2特別図柄193が1回変動表示される間に第1特別図柄192の変動表示が複数回繰り返される場合に、その繰り返し回数に応じて大当たりが近づいていることを示唆する演出、つまり「接近レベル」を示す演出を実行することができる。たとえば、「あと、○○回変動で当たるかも!」というメッセージを表示したり、通常登場しにくいキャラクタを登場させたりして、遊技者の期待度を向上させることができる。また、表示制御手段134は、前兆ステージMにおける第1特別図柄192の繰り返し回数が多くなるほど大当り示唆の度合いを段階的に高める演出を実行してもよい。たとえば、装飾図柄200の背景色を段階的に徐々に濃くしたり、登場するキャラクタの数を増やしたりすることができる。表示制御手段134は、第2特別図柄193による大当りが発生するまでの、具体的な第1特別図柄192の変動回数を表示してもよい。この場合、大当たりが近づいていることを遊技者に視覚的に認識させやすくでき、「カウントダウン」と同じ効果が得られ、遊技者の期待度をさらに高めることができる。また、表示制御手段134は、前兆ステージM中に大当りが発生が確定したことを表示してもよい。
なお、図6に示した例では、第1特別図柄192または第2特別図柄193が外れ変動パターンを取得した場合、前兆ステージMの滞在長さを第1特別図柄192の変動回数で定めたが、第2特別図柄193が当たり変動パターンを取得した場合と同様に、変動パターンの時間で定めてもよい。この場合、図6(c)の確率表が不要になる。
このように前兆ステージMにおいて、大当り発生の示唆を行うことにより、遊技者の大当りへの期待感を増大し、遊技性を向上することができる。なお、前兆ステージM中に連続予告を実行するか否か、またどのタイミングで実行するかは、選択決定手段165、演出開始決定手段166、実行決定手段167などによりその都度決定されるので、演出のバリエーションは増大する。
上述したように、本実施例のぱちんこ遊技機10では、演出表示装置60において、主として第1抽選の結果(第1特別図柄192)を示す装飾図柄200が表示されている。そして、第1特別図柄192の変動が外れであり、第2抽選の変動が当たりになった場合、演出表示装置60で表示する画像を装飾図柄200から第2抽選が当たりであることを示唆する画像に切り替え表示する。この場合、不用意に画像を切り替えると、第1特別図柄192の変動が途中で寸断されたようになり、遊技者に違和感を与えてしまう場合がある。そこで、本実施例においては、図7に示すように、第1特別図柄192の変動パターンに複数の区切りポイントP1、P2、P3(本実施例ではたとえば3ポイント)を設定して、そのポイントで、装飾図柄200から第2抽選が当たりであることを示唆する画像に差し替えを行う。区切りポイントは、たとえば、第1特別図柄192の1回の変動で表示される装飾図柄200のパターンの中に所定秒間隔で設定されている。望ましくは、演出シーンの切れ目に設定される。たとえば、ロングリーチ演出の場合、演出シーンが二転三転する。この演出シーンの転換タイミングで、第2抽選が当たりであることを示唆する画像に差し替えることにより、演出表示装置60に表示される画像は、違和感なく連続する。
図7を用いて、具体的な画像の差し替え手順を説明する。なお、本実施例の場合、第1特別図柄192の最短変動時間をたとえば5秒と設定する。つまり、図7に示す第1特別図柄192において区切りポイントP1、P2、P3で区切られた演出のパターンA、パターンB、パターンC、パターンDは、それぞれ5秒以上の変動時間を有している。なお、図7の場合、パターンA、パターンB、パターンC、パターンDは同じ変動時間としているが、第1特別図柄192のシーンの展開に応じて、各変動時間は最短変動時間以上の任意の時間とすることができる。遊技制御装置100のサブ基板104側は、第1特別図柄192および第2特別図柄193を管理している。したがって、第1特別図柄192の変動開始タイミング、変動終了タイミング、区切りポイントの位置を認識している。同様に、第2特別図柄193の変動開始タイミング、変動終了タイミングを認識している。演出決定手段132が、第2抽選の結果が当たりの場合であって、その当たりに対応する第2特別図柄193が変動表示される間に、外れに対応する第1特別図柄192が変動表示されることを認識したとする。この場合、演出決定手段132は、第2特別図柄193の変動が停止されるタイミングから第1特別図柄192の最短変動時間、すなわち5秒だけ遡ったタイミング以降に区切りポイントが存在するか否か調べる。つまり、図7において、第2特別図柄193の変動終了タイミングが、第1特別図柄192の区切りポイントP3以降のタイミングに存在し、その時間Xが5秒に満たないか否かを調べる。もし、区切りポイントが存在する場合、すなわち、時間Xが5秒未満の場合、その区切りポイント(P3)より前の区切りポイント(P1やP2)から第2特別図柄193の変動終了時間までの長さと実質的に等しい変動時間をもつ変動パターンを設定する。そして、その変動パターンに差し替えることにより、装飾図柄200が第2特別図柄193と実質的に同時のタイミングで停止するように表示させることができる。たとえば、区切りポイントP2において、第1特別図柄192の「パターンC+パターンD」の表示内容を「パターンC+X」と同じ長さの第2特別図柄193の当たり演出内容に差し替える。このような画像の差し替えを実行することにより、第1特別図柄192の変動に対応する装飾図柄200の変動途中で、第2特別図柄193の当たりを示唆する画像に差し替える場合でも、画像のつなぎ目の違和感を無くすことができる。つまり、外れ表示を行おうとしていた装飾図柄200の変動表示を、その変動中における区切りポイントから第2特別図柄193に基づく当たりを示す変動表示に差し替える。その結果、外れ態様で変動停止するはずの装飾図柄200を第2特別図柄193に基づく当たり態様で変動停止させることができる。このように、実際は抽選に外れた第1抽選の結果が変化して大当りが発生したような利益感のある演出が可能となり、演出バリエーションが増大できる。なお、区切ポイントP1で画像差し替えを実行してもよい。この場合、第2特別図柄193の当たり演出の画像の長さは、「パターンB+パターンC+X」と同じ長さになる。
装飾図柄200を変動表示するときに用いる変動パターンとして、表示中の演出内容の発展を示唆するための転換場面として図柄変動が一時的に停止したような半停止態様を用いる場合がある。この半停止状態は、まさしく演出シーンの切り替わりポイントである。したがって、前述した区切りポイントをこの半停止態様が表示されているポイントにすることで、半停止後の演出として、第2特別図柄193の当たりを示唆する画像を表示することができる。この場合、遊技者は、第2特別図柄193の当たりを第1特別図柄192の当たりであると認識しやすくなる。その結果、遊技者は、複数の遊技が混在するに拘わらず、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で遊技できる。また、半停止態様後に本来設定されている演出内容は遊技者に認識されないので、半停止態様が表示されたポイントで第2特別図柄193に基づく当たり態様の演出を含むパターンに差し替えることにより演出上の違和感をなくすことができる。なお、変動パターンの差し替えを行う場合、第1特別図柄192の変動時間の終了タイミングと、差し替えるパターンの終了タイミングとがずれる場合がある。この場合、両者の誤差は、変動パターンに含まれる図柄確定時間(図柄が最後に表示され停止している時間)、たとえば0.6秒を用いて、修正することが可能であり、実質的に両者の変動終了タイミングを調整できる。
また、第2特別図柄193の変動が停止されるタイミングから第1特別図柄192の最短変動時間の分だけ遡ったタイミング以降にあらたに第1特別図柄192の変動表示が開始される場合がある。たとえば、図7において、第1特別図柄192の変動がP3のタイミングで終了し、さらに、その後、第1特別図柄192の次の変動が開始される場合がある。先に停止した第1特別図柄192に対応する装飾図柄200は通常通り演出を完了するので、その後変動を開始する第1特別図柄192に基づく装飾図柄200ははじめから第2特別図柄193に基づく当たり態様の演出を含むパターンに差し替える。つまり、新たに始まる第1特別図柄192の変動パターンを第2特別図柄193の当たりに対応する変動パターンと差し替える。この場合も第2特別図柄193の当たりに対応する変動パターンを第1特別図柄192に対応する装飾図柄200に続き、違和感なく演出表示装置60に表示することができる。つまり、第2特別図柄に基づく当たり態様の演出を含むパターンへの差し替えがスムーズに実施できる。その結果、遊技者は複数の遊技が混在するに拘わらず、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同様の感覚で遊技できる。
図8は、演出表示装置60における装飾図柄200および演出画像の表示例を示している。図8(a)は、通常ステージN中の表示例を示している。通常ステージNでは、通常第1特別図柄192に基づく装飾図柄200が変動表示され、第2特別図柄193の関する表示は、第2特別図柄193が当たりになる場合のみ、補助画面を演出表示装置60に表示して、第2特別図柄193の当たりを示唆する。なお、演出表示装置60の画面左下部には、第1特図保留ランプ20に対応する保留球演出図柄202を表示し、主として第1特別図柄192に基づく遊技が実行されていることを遊技者に認識させるようにしている。
図8(b)は、第1特別図柄192が当たりになった場合に、装飾図柄200を当たり図柄の組合せで静止させている例を示している。図8(c)は、図7で説明したように、第1特別図柄192に対応する装飾図柄200が変動中に、第2特別図柄193が当たりとなる場合に、いずれかの区切りポイントで装飾図柄200と差し替えられる第2特別図柄193に関する演出画像である。この例の場合、スロットマシーンを模したミニゲームが実行されるような演出画像に差し替えられている。前述のように、この差し替えは、装飾図柄200の演出シーンの切り替え場面や、半停止状態の時に実施されるので、画像の差し替えは違和感なくスムーズにできる。なお、画面右下方には、第1特別図柄192に対応する装飾図柄200の変動を示す画像が表示され、左下方には、保留球演出図柄202が表示される。したがって、演出表示装置60は、第1特別図柄192に対応する装飾図柄200の表示を継続しつつ、第2特別図柄193に関連する補助画像を付加的に表示することになる。
図8(d)は、図8(c)の演出画像が発展した状態を示している。この場合、第2特別図柄193が当たりになったことを、第2特別図柄193に対応する装飾図柄を伴わない表示態様、たとえばスロットマシーンを模したミニゲームの結果を演出画像で表示することにより遊技者に報知している。なお、この場合も変動中の第1特別図柄192に対応する装飾図柄200は演出画像の上方の位置で変動表示されている。
ところで、第2特別図柄193の当たりに基づく演出表示が実行されている場合であって、かつ第1特別図柄192が当たりであり、第2特別図柄193の結果表示より先に第1特別図柄192の装飾図柄200が停止されてしまう場合がある。つまり、ダブル当たりを遊技者に報知する必要が生じる場合がある。この場合、図8(e)に示すように、演出画面中で、装飾図柄200を変動停止させる。加えて、停止した装飾図柄200の図柄組合せの一部を利用して、演出画像として第2特別図柄193も当たっている旨を表現することができる。演出表示装置60上では、第1特別図柄192に対応する装飾図柄200のみが変動表示され、第2特別図柄193の結果は演出画像203として付加的に示されている。つまり、2種類の抽選結果を1つの装飾図柄200の図柄組合せを利用して表示している。図8(e)の場合、装飾図柄200の一部を用いて斜めに揃った「777」で演出画像203を表している。その結果、遊技者は、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と同等と認識する遊技機において、今まで存在し得なかった、一度の図柄変動で2回分の大当りが得られたと認識できるようになる。その結果、遊技者に新たな遊技性を提供できる。
図9は、ぱちんこ遊技機10における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行する(S10)。特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技制御処理を実行する(S16)。続いて、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図10は、図9におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第3始動口67へ入賞した場合であって(S50のY)、第1保留手段144への保留が上限を超えない場合(S52のY)、第1保留手段144に第1の当否抽選値が格納される(S56)。S50において第1始動口62または第3始動口67へ入賞がない場合は(S50のN)、S52とS56の処理をスキップする。S52において、第1始動口62または第3始動口67へ入賞したもののその保留が第1保留手段144の上限数を超えてしまう場合は(S52のN)、S56の処理をスキップする。次に、第2始動口63へ入賞した場合であって(S58のY)、第2保留手段146への保留が上限を超えない場合(S60のY)、第2保留手段146に第2の当否抽選値が格納される(S62)。S58において第2始動口63へ入賞がない場合は(S58のN)、S60とS62の処理をスキップする。S60において、第2始動口63へ入賞したもののその保留が第2保留手段146の上限数を超えてしまう場合は(S60のN)、S62の処理をスキップする。次に、作動口68へ遊技球が通過した場合であって(S63のY)、普図保留手段147への保留が上限を超えない場合(S64のY)、普図保留手段147に普図抽選値が格納される(S65)。S63において作動口68への遊技球の通過がない場合は(S63のN)、S64およびS65の処理をスキップする。S64において作動口68を遊技球が通過したもののその保留が普図保留手段147の上限数を超えてしまう場合は(S64のN)、S65の処理をスキップする。
図11は、図9におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まず、第1特別図柄192および装飾図柄200の変動表示を処理し(S67)、第2特別図柄193および結果図柄201の変動表示を処理し(S68)、普通図柄の変動表示を処理する(S69)。なお、S67、S68、S69の処理順序はあくまでも説明の便宜上定義した順序にすぎず、どのような順序で処理してもよい。このように第1特別図柄192および第2特別図柄193が同時並行的に変動表示可能であり、装飾図柄200および結果図柄201もまた同時並行的に変動表示可能である。ただし、結果図柄201は装飾図柄200に比較して目立たない構成になっているので、遊技者は主として演出表示装置60に表示される装飾図柄200を確認しながら遊技を楽しむことになる。
図12は、図9におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74の処理をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66への入球数が9球以上に達した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
図13は、図11におけるS67の第1図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。S67の処理は第1特別図柄192および装飾図柄200の変動表示を示す。第1保留手段144に抽選値の保留がなされている場合(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S33)。この当否判定処理の結果に応じて、演出表示装置60における前兆演出処理(S34)、連続予告処理(S35)、接近レベル処理(S36)、差替処理(S37)を実施し、その処理結果に応じた変動パターンにしたがって変動表示が開始される(S38)。S30において抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS38までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S33からS38までの処理がスキップされる。続いて、すでに図柄変動表示が開始されていれば(S39のY)、図柄変動表示を処理する(S40)。S40の後、第2特別図柄193または結果図柄201が当たり態様で停止した場合は(S41のY)、表示中の第1特別図柄192または装飾図柄200の変動時間を計測するタイマを一時停止させる(S42)。S41において第2特別図柄193または結果図柄201が当たり態様で停止していなければ(S41のN)、S42の処理をスキップする。変動時間のタイマが一時停止中であって(S43のY)、特別遊技が終了した後であれば(S44のY)、タイマの一時停止を解除する(S45)。S43において、タイマが一時停止中でない場合(S43のN)、S44、S45の処理をスキップする。また、S44において、特別遊技が終了していない場合(S44のN)、S45の処理をスキップする。続いて、S34からS37で処理した各演出の終了処理を行う(S46)。そして、第1図柄の処理において、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S47のY)、表示中の図柄変動を停止する(S48)。S47において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S47のN)、S48の処理をスキップする。S39において図柄変動表示が開始されていないときは(S39のN)、S40からS48の処理をスキップして、S67の第1図柄の処理を終了する。
図14は、図11におけるS68の第2図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。S68の処理としては第2特別図柄193および結果図柄201の変動表示を示す。第2保留手段146に抽選値の保留がなされている場合(S90のY)、図柄変動が表示中でなければ(S91のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S92)。その判定結果に応じた変動パターンにしたがって変動表示が開始される(S93)。S90において抽選値が保留されていなかった場合は(S90のN)、S91からS93までの処理がスキップされ、S91において図柄変動が表示中であった場合は(S91のY)、S92およびS93の処理がスキップされる。続いて、すでに図柄変動表示が開始されていれば(S94のY)、図柄変動表示を処理する(S95)。S95の後、第1特別図柄192または装飾図柄200が当たり態様で停止した場合は(S96のY)、表示中の図柄変動の変動時間を計測するタイマを一時停止させる(S97)。S96において第1特別図柄192または装飾図柄200が当たり態様で停止していなければ(S96のN)、S97の処理をスキップする。変動時間のタイマが一時停止中であって(S98のY)、特別遊技が終了した後であれば(S99のY)、タイマの一時停止を解除する(S100)。所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S101のY)、表示中の図柄変動を停止する(S102)。S101において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S101のN)、S102の処理をスキップする。S94において図柄変動表示が開始されていないときは(S94のN)、S95からS102の処理をスキップする。S98において、タイマが一時停止中でない場合(S98のN)、S99、S100の処理をスキップする。また、S99において、特別遊技が終了していない場合(S99のN)、S100の処理をスキップする。
図15は、図13におけるS34の前兆演出処理を詳細に説明するフローチャートである。演出決定手段132は、現在演出表示装置60で前兆演出中でない場合(S110のN)、前兆演出を行うか否か、すなわち前兆ステージMに移行するか否かを図6(b)の確率表の確率にしたがって決定する。そして、前兆演出を実施する場合には(S111のY)、図6(a)または図6(c)に示す確率表の確率に従い、前兆演出の終了条件を決定する(S112)。たとえば、第2特別図柄193が当たり変動の場合には、図6(a)の確率表の確率に従い変動パターンの時間が決定される。この変動パターンが前兆演出の継続時間(終了条件)となる。また、第2特別図柄193が外れ変動の場合には、図6(c)の確率表の確率に従い、第1特別図柄192の変動回数によって前兆演出の時間(終了条件)を決定する。終了条件が決定された後、表示制御手段134は、前兆演出の開始タイミングになっている場合(S113)、演出表示装置60おいて、背景色を変化させるなどの前兆演出を開始する(S114)。なお。S110において、前兆演出中の場合(S110のY)、S111からS114の処理をスキップする。また、S111において、抽選の結果が前兆ステージMに移行しない場合(S111のN)、S112からS114までの処理をスキップする。S113において、前兆演出の開始タイミングに至っていない場合、S114の処理をスキップする。
図16は、図13におけるS35の連続予告処理を詳細に説明するフローチャートである。演出決定手段132は、現在前兆演出中であり(S120のY)、連続予告が実行されていない場合(S121のN)、第1特別図柄192、第2特別図柄193の当否変動の状態に応じて連続予告を実施するか否かを決定する。連続予告を行う場合(S122のY)、選択決定手段165は、連続予告の継続時間や連続予告の演出内容、関連性のあるパターンを選択するか否かなど具体的な予告内容を決定する(S123)。さらに、演出開始決定手段166、実行決定手段167により、連続予告を実際に開始するか否か、またどのタイミングで開始するかを決定し、連続予告の開始タイミングになったら(S124のY)、表示制御手段134により連続予告を開始する(S125)。なお、S120において、前兆演出中でない場合(S120のN)、S121からS125までの処理をスキップする。また、S121において、連続予告中の場合(S121のY)、S122からS125までの処理をスキップする。さらに、S122において、連続予告を実行しないと決定された場合(S122のN)、S123からS125までの処理をスキップする。また、S124において、連続予告の開始タイミングになっていない場合(S124のN)、S125の処理をスキップする。
図17は、図13におけるS36の接近レベル処理の詳細を説明するフローチャートである。演出決定手段132は、現在の演出状態が前兆演出中の場合(S130のY)、前兆演出中の第1特別図柄192の変動回数をインクリメントする(S131)。そして、前兆演出中における第1特別図柄192の変動回数が所定の基準回数を超えた場合(S132のY)、表示制御手段134により接近レベル表示、たとえば、「あと○○回で大当りかも!」などのメッセージを表示する(S133)。なお、接近レベルを表示するか否かを判断する基準回数は、前兆ステージMに移行する度に抽選などにより決定することができる。その結果、接近レベルの表示内容が適宜変化し、大当りの期待度や遊技性に変化を持たせることができる。なお、S130において、前兆演出を行っていない場合(S130のN)、S131からS133の処理をスキップする。また、S132において、変動回数が基準回数を超えていない場合(S132のN)、S133の処理をスキップする。
図18は、図13におけるS37の差替処理の詳細を説明するフローチャートである。演出決定手段132は、第2特別図柄193が当たり変動している場合(S140のY)、第2特別図柄193の変動終了前に、第1特別図柄192の変動が終了するか否かの確認を行う。そして、第2特別図柄193の変動終了前に、第1特別図柄192の変動が終了しない場合(S141のN)、つまり、第2特別図柄193の変動が第1特別図柄192より先に終了する場合、演出決定手段132は、装飾図柄200に対し画像を差し替える。つまり、図7で説明したように、第2特別図柄193の終了タイミングと、区切りポイントの位置に基づいて決定した第2特別図柄193の当たりを示唆する変動パターンを、区切りポイントにて差し替える(S142)。S140において、第2特別図柄193が当たり変動していない場合(S140のN)、第2特別図柄193の変動結果は、演出表示装置60における装飾図柄200の変動を阻害しないため、S141,S142の処理をスキップする。また、S141において、第2特別図柄193の変動終了前に、第1特別図柄192の変動が終了する場合(S141のY)、第2特別図柄193の変動結果の示唆表示は、装飾図柄200の変動を阻害しないため、S142の処理をスキップする。つまり、装飾図柄200が変動していない場面で、第2特別図柄193の当たりを示唆する画像を表示する。なお、第2特別図柄193の変動終了前に、第1特別図柄192の変動が終了しても、第2特別図柄193の変動中に第1特別図柄192の次の変動が開始される場合は、その第1特別図柄192全体の変動パターンを第2特別図柄193の当たりを示唆するパターンに差し替える。
図19は、図13におけるS46の演出終了処理の詳細を示すフローチャートである。表示制御手段134は、前兆演出処理、連続予告処理、接近レベル処理、差替処理等の各演出に対し、演出終了条件が成立するか否かの監視を行っている(S150のYまたはN)。たとえば、第1特別図柄192の当たり変動または第2特別図柄193の当たり変動が停止したか否かを監視している。当たり変動が停止した場合、大当り遊技が開始されるので演出終了条件が成立したと判断して(S150のY)、演出表示装置60における各演出処理を終了する(S151)。また、前兆演出処理の場合、前兆ステージMの滞在時間または第1特別図柄192の変動回数が抽選で決められた値を超えた場合に、演出終了条件が成立したと判断して(S150のY)、演出が終了する。また、連続予告の場合は設定された予告回数が終了した場合に、演出終了条件が成立したと判断して(S150のY)、演出が終了する。接近レベルの場合は、設定された接近表示が終了したら演出終了条件が成立したと判断して(S150のY)、演出を終了する。パターンの差し替えの場合も、差し替えた変動パターンの変動が終了した場合に、演出終了条件が成立したと判断して(S150のY)、演出を終了する。なお、S150において、演出終了条件が成立していない場合(S150のN)、S151をスキップして、実行中の演出を継続する。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
各実施例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ異なる形態の表示装置を用いた例を説明した。すなわち、第1特別図柄表示装置70として7セグメントLED表示装置を用い、第2特別図柄表示装置71として「○」と「×」の2種類のマークを表示する装置を用いる例を説明した。変形例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ同じ形態の表示装置を用いてもよい。たとえば、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、ともに7セグメントLED表示装置を用いる構成としてもよいし、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、ともに他の形態の表示装置を用いる構成としてもよい。これにより、第1特別図柄192および第2特別図柄193を決定するときに参照する第1図柄範囲テーブルおよび第2図柄範囲テーブルを一つの図柄範囲テーブルに共通化でき、構成および処理を簡素にすることができる。また、第2特別図柄表示装置71として、第1特別図柄表示装置70と同様の7セグメントLED表示装置を用いれば、確変への移行、第2特別遊技の単位遊技回数や開放時間を、特別な抽選を実行しなくとも第2特別図柄193に応じて決定することができ、構成や処理を簡素にすることができる。
また、各実施例においては、第1図柄決定手段138は、第1変動テーブル302として、第2特別図柄193の変動時間より短い第1特別図柄192の変動時間が多く選択されるよう対応付けられたパターンを保持する例を示した。また、第2図柄決定手段140は、第2変動テーブル303として、第1特別図柄192の変動時間より長い第2特別図柄193の変動時間が多く選択されるよう対応付けられたパターンを保持する例を示した。しかし、第1変動テーブル302および第2変動テーブル303は他のパターンを保持してもよく、遊技状態に応じて選択するパターンを変化させてもよい。たとえば、通常遊技中は、上述したように、第1図柄決定手段138が、第1特別図柄192の変動時間が第2特別図柄193の変動時間より相対的に短いパターンを第1変動テーブル302から選択する。また、第2図柄決定手段140が、第2特別図柄193の変動時間が第1特別図柄192の変動時間より相対的に長いパターンを第2変動テーブル303から選択する。一方、確変遊技中には逆にして、第1図柄決定手段138が、第1特別図柄192の変動時間が第2特別図柄193の変動時間より相対的に長いパターンを第1変動テーブル302から選択するようにしてもよい。また、第2図柄決定手段140が、第2特別図柄193の変動時間が第1特別図柄192の変動時間より相対的に短いパターンを第2変動テーブル303から選択するようにしてもよい。また、選択されるパターンとしてたとえばリーチになりやすいパターンや、プレミア的なキャラクタや背景が登場しやすいパターンを選択するようにしてもよい。このようなパターンを第1図柄決定手段138が選択しやすくなるか、第2図柄決定手段140が選択しやすくなるかを遊技状態に応じて切り替えてもよい。