JP5305327B2 - 石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法 - Google Patents

石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5305327B2
JP5305327B2 JP2008114587A JP2008114587A JP5305327B2 JP 5305327 B2 JP5305327 B2 JP 5305327B2 JP 2008114587 A JP2008114587 A JP 2008114587A JP 2008114587 A JP2008114587 A JP 2008114587A JP 5305327 B2 JP5305327 B2 JP 5305327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
coal
gas
coal gasification
generation system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008114587A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009263498A (ja
Inventor
哲正 山口
茂男 伊藤
直希 野田
広幸 秋保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP2008114587A priority Critical patent/JP5305327B2/ja
Publication of JP2009263498A publication Critical patent/JP2009263498A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5305327B2 publication Critical patent/JP5305327B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]
    • Y02E20/18Integrated gasification combined cycle [IGCC], e.g. combined with carbon capture and storage [CCS]

Landscapes

  • Industrial Gases (AREA)

Description

本発明は石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法に関し、特に石炭ガス化ガス中に含まれる微量元素である水銀を除去する場合に適用して有用なものである。
石炭は世界の広い地域に存在し、可採埋蔵量が多く、価格が安定しているため、供給安定性が高く発熱量あたりの価格も低廉である。このため、石炭火力発電は、エネルギーの確保、エネルギー価格の安定に重要な役割を果たしている。
石炭を燃料とする発電方式の一つとして石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)が注目されている。石炭ガス化複合発電では、石炭ガス化発電システムで石炭をガス化し、この結果得られる石炭ガス化ガスを精製して燃焼器で燃焼させることにより燃焼器からの燃焼ガスでガスタービンを回転駆動して発電する。同時に、ガスタービンによる発電に加え、ガスタービンの排気ガスの熱を回収することで得られた蒸気で蒸気タービンを回転駆動して発電する。
かかる石炭ガス化複合発電における石炭ガス化発電システムは、石炭を完全に燃焼させることなくガス化するガス化炉と、このガス化炉で生成された石炭ガス化ガスの脱硫等を行うガス精製設備とを備えており、精製した石炭ガス化ガスを発電設備のガスタービン等に供給して所定の仕事をさせるように構成してある。ガスタービン等で燃焼されて仕事を終え、ガスタービン等から排出された排ガスは煙突を介して大気中に排出される。
ここで、石炭ガス化ガス中には種々の有害な元素が微量含まれている。かかる微量元素の一種として水銀があるが、従来は排ガスを介してその大気中への排出は特には規制されていなかった。ただ、環境保全の観点からは排ガス中の水銀も可及的に低減するのが望ましい。
石炭ガス化ガス中の揮発性微量元素を除去する工程を含む浄化システムを開示する公知技術として特許文献1がある。これは、ガス化炉で生成される石炭ガス化ガスに含まれる揮発性微量ガスを除去するため、ガス化炉から排出される石炭灰を捕集剤として利用する技術を開示するものであるが、水銀を捕集の対象とするものではない。また、特許文献1はガス化炉から脱硫工程に至る硫黄分が多い石炭ガス化ガス中の揮発性微量ガス中の元素の吸着を目的としているのでかかる雰囲気で水銀を除去することはできない。
一方、排ガス中の水銀を回収する公知文献として特許文献2を挙げることができる。これは未燃カーボンを含んだ微粒子灰により水銀を吸着して回収するものであるが、ごみ焼却設備の排ガス中の水銀を回収する技術であり、石炭ガス化発電システムに関するものではない。
特開2000−38589号公報 特公平7−38935号公報
本発明は、上記従来技術に鑑み、石炭ガス化ガス中に含まれる水銀を回収して大気中に排出される水銀を可及的に低減し得る石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は次の実験による知見を基礎とするものである。一般に、石炭ガス化発電システムでは、ガス化炉で生成された石炭ガス化ガス中に含まれる石炭微粒子である石炭チャーをガス化炉の下流側の集塵手段で回収している。未燃分を含んでいる石炭チャーを原料の一部としてガス化炉に戻してやるためである。そこで、本発明者等は回収した石炭チャーを原料として利用するだけでなく水銀の吸着剤として利用することに思い至り、石炭チャーによる水銀の吸着特性を調べる実験を行った。実験条件は表1に示す通りである。すなわち、反応器入口での濃度が9.4乃至9.6μg/mの水銀(Hg)を含有する所定のガス組成のガスと所定量の石炭チャーを接触させて時間的な水銀濃度の変化を測定した。なお、この場合のガス組成は石炭ガス化発電システムにおける発電設備の排ガスを模擬して表1に示すガス組成とし、石炭チャーも表1に示す量とした。
Figure 0005305327
ここで、表1中の最左欄の条件が図1の特性、中央欄の条件が図2の特性、最左欄の条件が図3の特性にそれぞれ対応している。また、図1が塩化水素(HCl)を含むガスと石炭チャーとの接触をタイミングAで開始した場合の特性図、図2が塩化水素(HCl)を含まないガスと石炭チャーとの接触をタイミングBで開始した場合の特性図、図3が塩化水素(HCl)を含まないガスと石炭チャーとの接触をタイミングCで開始するとともにタイミングD,E,Fでそれぞれ2sec,10sec,30secの間、塩化水素を注入した場合の特性図である。図3に示す実験では、供給時間を変えてスパイク状に塩素ガスを供給することにより、塩素ガスを注入した場合の評価も同時に行えるようにしている。
図1を参照すれば、塩化水素を含むガスにおいては、石炭チャーとの接触によりほぼ完全に水銀を除去し得ることが分かる。図2を参照すれば、図1に示す場合程ではないが、塩化水素を含まない場合でも50%程度の水銀を除去し得ることが分かる。図3を参照すれば、石炭チャーの量が多い分、図2に示す場合に比べ、より多くの水銀を除去し得ることが分かる。また、塩化水素を間欠的に注入したタイミングD,E,Fでは顕著に水銀除去効果が向上していること、しかも注入時間が長いほど効果的であることが分かる。
かかる図1乃至図3に示す実験結果は、ガス化炉に戻す石炭チャーの一部を抽出して発電設備の排気ガスに供給してやれば排気ガス中の水銀を吸着させることができることを示している。そして、排気ガス中に塩素ガスが含まれる場合がより効果的に水銀を吸着することができ、また石炭チャーの量が多い程より効果的に水銀を吸着することができることを示している。
かかる知見に基づく本発明の第1の態様は、
石炭をガス化して石炭ガス化ガスを生成するガス化炉と、このガス化炉の下流側で前記石炭ガス化ガス中の石炭チャーを回収する第1の集塵手段と、この第1の集塵手段の下流側で前記石炭ガス化ガスを燃料として発電を行う発電設備と、この発電設備で発電に供した前記石炭ガス化ガスの排ガスを大気中に排出するための排出手段とを具備する石炭ガス化発電システムであって、
前記発電設備の下流側で前記排出手段との間に第2の集塵手段を設ける一方、前記第1の集塵手段で回収した石炭チャーを前記第2の集塵手段の上流側で前記排ガス中に供給するとともに前記第2の集塵手段で回収するように構成したことを特徴とする石炭ガス化発電システムにある。
本態様によれば、ガス化炉の下流側で第1の集塵手段で回収した石炭ガス化ガス中の石炭チャーを、発電設備で発電に供した後の排ガス中に供給するとともに、この石炭チャーを下流で第2の集塵手段により捕捉・回収することができる。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
前記第2の集塵手段にはハロゲン化ガスを供給するようにしたことを特徴とする石炭ガス化発電システムにある。
本態様によればハロゲン化ガスを供給したことにより石炭チャーによる水銀の吸着をさらに促進させることができる。
本発明の第3の態様は、
第2の態様に記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
前記ハロゲン化ガスは、前記第2の集塵手段を逆洗する逆洗ガスに混入させて供給するようにしたことを特徴とする石炭ガス化発電システムにある。
本態様によれば、ハロゲン化ガスを最も合理的に供給することができる。
本発明の第4の態様は、
第2の態様又は第3の態様に記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
前記ハロゲン化ガスは塩化水素ガスであることを特徴とする石炭ガス化発電システムにある。
本態様によれば最も経済的なハロゲン化ガスの供給を行うことができる。
本発明の第5の態様は、
第1の態様乃至第4の態様の何れか一つに記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
前記第1の集塵手段は、上流側から順に直列に接続されたサイクロンとフィルタとを有しており、前記排ガス中に供給する石炭チャーに占める前記サイクロンで回収した粒径が大きい石炭チャーの量と前記フィルタで回収した粒径が小さい石炭チャーの量との割合を調整可能に構成したことを特徴とする石炭ガス化発電システムにある。
本態様によれば、第2の集塵手段の目詰まりを生起しにくい粒径が大きい石炭チャーと、単位重量当りの表面積が大きく水銀の吸着能力に優れる粒径が小さい石炭チャーとをそれぞれの特長を考慮して使い分けることができる。
本発明の第6の態様は、
第1の態様乃至第5の態様の何れか一つに記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
前記第2の集塵手段で回収した石炭チャーは、前記第2の集塵手段の上流側で再度前記排ガス中に供給して循環させるように構成したことを特徴とする石炭ガス化発電システムにある。
本態様によれば第2の集塵手段で回収する水銀を吸着した石炭チャーの水銀濃度をある程度濃くした状態で最終処分に回すことができる。
本発明の第7の態様は、
第1の態様乃至第6の態様の何れか一つに記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
脱硫後の石炭ガス化ガスの排煙処理を行う排煙処理設備内の前記石炭ガス化ガスにも前記第1の集塵手段から石炭チャーを供給することを特徴とする石炭ガス化発電システムにある。
本態様によれば、排煙処理設備内でも水銀を回収することができ、その分当該石炭ガス化発電システムから大気中には排出される水銀の量を低減することができる。
本発明の第8の態様は、
石炭をガス化して石炭ガス化ガスを生成するガス化炉の下流側で前記石炭ガス化ガス中の石炭チャーを第1の集塵手段で回収するとともに、発電設備に供給されて発電に供した後の前記石炭ガス化ガスの排ガス中に前記第1の集塵手段で回収した石炭チャーを供給し、この石炭チャーに前記排ガス中の水銀を吸着させて第2の集塵手段で回収するようにしたことを特徴とする石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法にある。
本態様によれば、発電設備で発電に供した後の排ガス中に石炭チャーを供給することにより排ガス中の水銀を石炭チャーに吸着させて除去することができる。
本発明によれば、ガス化炉の下流側で第1の集塵手段で回収した石炭ガス化ガス中の石炭チャーを、発電設備で発電に供した後の排ガス中に供給するとともに、この石炭チャーを下流で第2の集塵手段により捕捉・回収することができる。この結果、排ガス中の水銀を石炭チャーに吸着させた状態で良好に除去でき、水銀の大気中への漏出を未然に防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の形態に限定されない。
図4は本発明の実施の形態に係る石炭ガス化発電システムを示すブロック線図である。同図に示すように、当該石炭ガス化発電システムにおいては、粉砕機1で粉砕した石炭をガス化炉2に移送してガス化している。この際、空気分離装置(ASU)3により空気が酸素ガスと窒素ガスとに分離され、酸素及び窒素ガスがガス化炉2に供給される。窒素ガスは、石炭のキャリヤガスとして機能する。ガス精製設備は、ガス化ガスクーラ(シンガスクーラ)4でガスを冷却し、集塵装置5で脱塵し、ガスガスヒータ6を経て水洗塔7でガス化ガス(シンガス、還元ガス)中に含まれる硫化水素ガスを水洗により除去した後、脱硫塔8で脱硫し、ガスガスヒータ6で冷却する。こうしてガス精製設備で精製されたガスは、燃焼器9で燃焼され、この燃焼ガスによりガスタービン10を駆動する。これにより発電機11にて発電が行われる。このとき、燃焼器9には圧縮機12で圧縮した燃焼用の空気が供給される。また、ガスタービン10で仕事を終えたその排ガスは廃熱回収ボイラ14で熱回収を行った後、排出手段である煙突15を介して大気中に排出される。排ガスとの熱交換の結果廃熱回収ボイラ14で発生した蒸気は蒸気タービン13に供給されてこれを回転駆動する。すなわち、発電機11はガスタービン10及び蒸気タービン13を原動機として回転駆動される。
本形態においては、廃熱回収ボイラ14の下流側で煙突15との間に第2の集塵手段であるバグフィルタ16が配設してあり、第1の集塵手段である集塵装置5で回収した石炭チャーの一部を第2の集塵手段であるバグフィルタ16の上流側で前記排ガス中に供給するようになっている。この結果、排ガス中の水銀を石炭チャーに吸着させることができ、この状態の石炭チャーをバグフィルタ16で回収することができる。本形態における集塵装置5は、上流側から順に直列に接続されたサイクロン5Aとフィルタ5Bとからなり、それぞれで回収した石炭チャーをガス化炉2に戻すとともに、それぞれの一部を前記排ガス中に供給するようになっている。ここで、サイクロン5Aでは相対的に粒径が大きい石炭チャーが回収される一方、フィルタ5Bでは相対的に粒径が小さい石炭チャーが回収される。粒径が大きい石炭チャーは排ガスに供給した場合、下流のバグフィルタ16で目詰まりを生起する可能性が粒径の小さい石炭チャーの場合よりも少ない。一方、粒径が小さい石炭チャーは単位重量当りの表面積が大きいので、排ガス中に供給した場合、粒径が大きい石炭チャーの場合よりも水銀の吸着能力は優れていると考えられる。ここで、フィルタ5Bから排出される石炭チャーは、バグフィルタ16の上流側へ一定量を供給するか若しくは全量をガス化炉2に戻すとともに、サイクロン5Aから排出される石炭チャーを主にバグフィルタ16の上流側への供給するように調整している。かくして、排ガス中の水銀濃度を監視しておき、水銀濃度が小さいときにはサイクロン5A及びフィルタ5B、又はサイクロン5Aのみから石炭チャーを排ガス中に供給する一方、水銀濃度が大きいときにはサイクロン5Aからの供給する石炭チャーの量を増加させて排ガス中に供給するような運転を行っている。ただ、かかる運転方法に限定するものではない。
さらに、バグフィルタ16に塩化水素ガスを供給し得るように構成しても良い。図1に示す実験結果と図2に示す実験結果とを比較すれば明らかな通り、塩化水素ガスを注入した場合の方が石炭チャーによる水銀の吸着性能が顕著に向上するからである。ここで、注入する塩化水素ガスはなるべく少量に抑えるのが望ましい。未反応の塩素ガスが煙突15を介して大気中に排出されるのを回避するためである。
ここで、バグフィルタ16は目詰まりを防止するため定期的に逆洗を行っている。逆洗とは、通常のガス流れと反対側から洗浄ガスを流して経時的にフィルタ内に蓄積される石炭チャー等の塵芥を吹き飛ばし、圧力損失を低減することによりフィルタとしての除去性能を回復させるための作業である。逆洗ガスとしては空気乃至窒素ガスが汎用されている。そこで、逆洗時に塩化水素ガスを逆洗ガスに混入させてバグフィルタ16内に注入するのが最適であると考えられる。この場合の注入量は、検出した排ガス中の水銀濃度に応じて制御するようにすればより好ましい。
なお、バグフィルタ16で回収した石炭チャーは、バグフィルタ16の上流側で再度排ガス中に供給して循環させるように構成しても良い。このことにより、ある程度濃縮された水銀を吸着させた状態で石炭チャーの回収による最終処分を行うことができる。
さらに、本形態におけるガス精製設備では湿式脱硫を行っている。すなわち、先ず石炭ガス化ガスを水洗塔7で水洗し、その後水洗した石炭ガス化ガスを脱硫塔8で脱硫している。かかる湿式脱硫においては再生塔17を出た脱硫後の石炭ガス化ガスが排煙設備を構成するフィルタ18を介して大気中に排出されている。そこで、フィルタ18の上流側に石炭チャーを供給することによりフィルタ18から排気される石炭ガス化ガスの水銀を吸着・回収することができる。すなわち、かかる構成によっても副次的な水銀の除去を行うことができ、全体的な水銀の除去効率の向上に資することができる。
このように本形態によればガス化炉2の下流側で集塵装置5によって回収された石炭ガス化ガス中の石炭チャーを、発電設備で発電に供した後の排ガス中に供給するとともに、この石炭チャーを下流でバグフィルタ16により捕捉・回収することができる。この結果、排ガス中の水銀を石炭チャーに吸着させた状態で良好に除去でき、大気中への漏出を未然に防止することができる。ここで、石炭チャーは脱硫後の石炭ガス化ガスを燃焼させた硫黄分を殆ど含まない排ガス中に供給されるので、石炭チャーによる水銀の吸着は良好に行われる。
図4は湿式脱硫を行う場合の石炭ガス化発電システムであるが、本発明に係る石炭ガス化発電システムは乾式脱硫方式を採用した石炭ガス化発電システムであっても良い。これを図5に示す。図5に示すように、当該石炭ガス化発電システムは、乾式脱硫方式を採用している点を除き多くの構成要素が重複しているので、図4と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。当該石炭ガス化発電システムは乾式の脱硫装置19から排煙処理に回される石炭ガス化ガスは存在しないので、廃熱回収ボイラ14の下流のみに集塵装置5から石炭チャーの一部を供給してバグフィルタ16で回収するように構成してある。
この場合でも図4に示す場合と全く同様に排ガス中の水銀が回収され、煙突15を介して大気中に排出される水銀を可及的に除去し得る。
なお、上記実施の形態における発電設備はガスタービンを有するものであるが、勿論これに限るものではない。ガスエンジンを原動機とする発電設備、燃料電池を有する発電設備であっても同様に適用することができ、適用した場合には同様の効果を得る。
また、上記実施の形態では塩化水素ガスを補足的に注入するようにしたが、水素濃度が小さい場合等には必ずしも注入する必要はない。注入しなくても十分な水素除去効果が得られる場合があるからである。さらに、ハロゲン化ガスであれば塩化水素に限定するものでもない。例えば臭化水素及びフッ化水素等を適用できる。
石炭ガス化設備を用いた電力の供給を行う産業分野で有効に利用し得る。
塩化水素(HCl)を含むガスと石炭チャーとを接触させた場合の水銀除去特性を示す特性図である。 塩化水素(HCl)を含まないガスと石炭チャーとを接触させた場合の水銀除去特性を示す特性図である。 塩化水素(HCl)を含まないガスと石炭チャーとを接触させた場合の水銀除去特性を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係る石炭ガス化ガス発電システムを示すブロック線図である。 本発明の他の実施の形態に係る石炭ガス化ガス発電システムを示すブロック線図である。
符号の説明
2 ガス化炉
5 集塵装置(第1の集塵手段)
5A サイクロン
5B フィルタ
10 ガスタービン
11 発電機
15 煙突(排出手段)
16 フィルタ(第2の集塵手段)
18 フィルタ(排煙処理設備)

Claims (8)

  1. 石炭をガス化して石炭ガス化ガスを生成するガス化炉と、このガス化炉の下流側で前記石炭ガス化ガス中の石炭チャーを回収する第1の集塵手段と、この第1の集塵手段の下流側で前記石炭ガス化ガスを燃料として発電を行う発電設備と、この発電設備で発電に供した前記石炭ガス化ガスの排ガスを大気中に排出するための排出手段とを具備する石炭ガス化発電システムであって、
    前記発電設備の下流側で前記排出手段との間に第2の集塵手段を設ける一方、前記第1の集塵手段で回収した石炭チャーを前記第2の集塵手段の上流側で前記排ガス中に供給するとともに前記第2の集塵手段で回収するように構成したことを特徴とする石炭ガス化発電システム。
  2. 請求項1に記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
    前記第2の集塵手段にはハロゲン化ガスを供給するようにしたことを特徴とする石炭ガス化発電システム。
  3. 請求項2に記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
    前記ハロゲン化ガスは、前記第2の集塵手段を逆洗する逆洗ガスに混入させて供給するようにしたことを特徴とする石炭ガス化発電システム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
    前記ハロゲン化ガスは塩化水素ガスであることを特徴とする石炭ガス化発電システム。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
    前記第1の集塵手段は、上流側から順に直列に接続されたサイクロンとフィルタとを有しており、前記排ガス中に供給する石炭チャーに占める前記サイクロンで回収した粒径が大きな石炭チャーの量と前記フィルタで回収した粒径が小さい石炭チャーの量との割合を調整可能に構成したことを特徴とする石炭ガス化発電システム。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
    前記第2の集塵手段で回収した石炭チャーは、前記第2の集塵手段の上流側で再度前記排ガス中に供給して循環させるように構成したことを特徴とする石炭ガス化発電システム。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載する石炭ガス化発電システムにおいて、
    脱硫後の石炭ガス化ガスの排煙処理を行う排煙処理設備内の前記石炭ガス化ガスにも前記第1の集塵手段から石炭チャーを供給することを特徴とする石炭ガス化発電システム。
  8. 石炭をガス化して石炭ガス化ガスを生成するガス化炉の下流側で前記石炭ガス化ガス中の石炭チャーを第1の集塵手段で回収するとともに、発電設備に供給されて発電に供した後の前記石炭ガス化ガスの排ガス中に前記第1の集塵手段で回収した石炭チャーを供給し、この石炭チャーに前記排ガス中の水銀を吸着させて第2の集塵手段で回収するようにしたことを特徴とする石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法。

JP2008114587A 2008-04-24 2008-04-24 石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法 Expired - Fee Related JP5305327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008114587A JP5305327B2 (ja) 2008-04-24 2008-04-24 石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008114587A JP5305327B2 (ja) 2008-04-24 2008-04-24 石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009263498A JP2009263498A (ja) 2009-11-12
JP5305327B2 true JP5305327B2 (ja) 2013-10-02

Family

ID=41389767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008114587A Expired - Fee Related JP5305327B2 (ja) 2008-04-24 2008-04-24 石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5305327B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7380514B2 (ja) * 2020-10-19 2023-11-15 トヨタ車体株式会社 塗装乾燥炉の脱臭処理装置および脱臭処理方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116971A (ja) * 1997-10-15 1999-04-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガス化複合発電設備
JP4508307B2 (ja) * 1999-03-02 2010-07-21 三菱重工業株式会社 ガス化設備におけるガス処理方法及びガス化設備
JP2002310402A (ja) * 2001-02-06 2002-10-23 Nkk Corp ガス化溶融炉生成ガスの利用設備
JP2002327183A (ja) * 2001-02-27 2002-11-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃棄物のガス化発電設備
JP2003227349A (ja) * 2002-02-07 2003-08-15 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd バイオマスガス化発電装置
JP2003292976A (ja) * 2002-04-05 2003-10-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料ガス化設備及び燃料ガス化複合発電設備
JP4077772B2 (ja) * 2003-07-03 2008-04-23 新日鉄エンジニアリング株式会社 廃棄物処理炉の生成ガス処理方法
JP2007238670A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガス浄化装置及び方法、ガス化システム、ガス化発電システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009263498A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5093205B2 (ja) 二酸化炭素回収型発電システム
JP6072055B2 (ja) 排ガス処理システム及び方法
JP4436068B2 (ja) 石炭ガス化プラント、および石炭ガス化方法、および石炭ガス化発電プラント、並びに石炭ガス化プラントの増設設備
US8752384B2 (en) Carbon dioxide capture interface and power generation facility
JP2019055903A (ja) エコセメントの焼成装置
KR20180132194A (ko) 배가스 내 잠열의 회수와 대기오염물질의 제거가 가능한 일체형 배가스 응축기 및 이를 포함하는 가압 순산소 연소 발전 시스템
JP5963239B2 (ja) 石炭ガス化設備及び石炭ガス化発電システム
JP2006063098A (ja) 石炭ガス化複合発電プラント
JP5944042B2 (ja) 排ガス処理システム及び排ガス処理方法
JP4775858B2 (ja) 銅系吸収剤の再生方法及び原料ガス中の水銀除去方法
JP5305327B2 (ja) 石炭ガス化発電システム及び石炭ガス化発電システムにおける水銀の除去方法
JP2006346541A (ja) 炭素質吸着材の製造方法、それを用いた環境汚染物質の除去方法及び除去装置
JP4594239B2 (ja) ガス精製システムおよびガス精製方法
JP3722960B2 (ja) 発電用石炭の乾燥・パージ方法及びその装置
JP2870929B2 (ja) 石炭ガス化複合発電プラント
JP5601659B2 (ja) 乾式ガス精製設備及び石炭ガス化複合発電設備
CN206942820U (zh) 一种利用燃气和蒸汽联合发电的设备
JP2020520044A (ja) 燃料電池co2捕捉を伴う加圧流動層燃焼装置
JP3862057B2 (ja) ごみガス化ガスからのエネルギー回収方法及び装置
KR970063877A (ko) 고신뢰도 고효율 석탄가스화 복합발전 시스템 및 전력 발생방법
JP4126218B2 (ja) 石炭ガス複合発電プロセスにおける固体状ハイドロカーボンの処理方法
JP4519338B2 (ja) アンモニア含有ガスの処理方法及び石炭ガス化複合発電プラント
JP3233628B2 (ja) ガス化発電プラント
WO2015136678A1 (ja) 低質炭を用いた発電システム
JP6161064B2 (ja) 脱硫装置、及び、石炭ガス化複合発電設備

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5305327

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees