JP5304773B2 - 細径ケーブルハーネス - Google Patents
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Description
前記防水チューブが、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン及びフッ化ビニリデンの三元重合体ポリマーからなることを特徴とする。
図1に示すように、本実施形態では、第1筐体1及び第2筐体2を備えた携帯電話端末3のそれぞれの第1筐体1及び第2筐体2が、細径ケーブルハーネスによって接続されている。この携帯電話端末3では、第1筐体1にディスプレイ4が設けられ、第2筐体2にキー操作部5が設けられている。
携帯電話端末3は、第1筐体1及び第2筐体2が、相対的にスライド可能とされており、これらの第1筐体1及び第2筐体2がスライドされることにより位置関係が変化する。
これにより、相対的にスライドまたは回動される複数の筐体同士の配線材として、長期的に良好な防水性を確保することができ、信頼性を大幅に向上させることができる。
特に、防水チューブ21の両端における内部に、金属管17が挿入されているので、防水チューブ21の端部を金属管17と防水キャップ14とで厚さ方向に圧縮して防水キャップ14との密着性を高め、防水効果を向上させることができる。
(スライド試験)
図3に示すように、溝部31を有する試験台32を用意し、この試験台32の溝部31内に細径ケーブルハーネス11をU字状に屈曲させて配置させて蓋(図示省略)によって溝部31を塞いで一端側を固定する。そして、細径ケーブルハーネス11の他端を往復移動させ、その後、外傷、断線の有無の確認及び気密性評価を行った。
この状態で、加圧カプセル41のエア導入口41bからエアを注入した後にエア導入口41bを密封し、変位センサ43によって疑似金属膜41aの変位を測定し、加圧カプセル41からの空気のリークの有無を調べた。なお、加圧カプセル41へのエアの注入後、10秒間で0.5cc以上の空気が減少した場合は空気のリーク有りと判定した。
図5に示すように、細径ケーブルハーネス11を通した防水チューブ21を真っ直ぐにして長手方向の2箇所の支持箇所A,Bで防水チューブ21を支持する。防水チューブ21の一方の支持箇所Aを固定し、他方の支持箇所Bを一方の支持箇所Aに対して左右に180°回転させ、これを2回転として20万回捻回させ、亀裂の有無の確認を行った。支持箇所A,Bの間隔からなる捻回長は30mmとした。
(実施例1)
四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン及びフッ化ビニリデンの三元重合体ポリマーから形成され、融点が120℃、MFR(265℃/5kg)が20g/10分、ガラス転位点が5℃、伸びが640%、曲げ弾性率が0.073GPaである防水チューブ21に40本の極細同軸ケーブルからなる細径ケーブル12(AWG46)を入れた細径ケーブルハーネス11を用いた。防水チューブ21の内径は1.7mm、外径は1.9mmとし、肉厚を0.1mmとした。
四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン及びフッ化ビニリデンの三元重合体ポリマーから形成され、融点が120℃、MFR(265℃/5kg)が20g/10分、ガラス転位点が5℃、伸びが640%、曲げ弾性率が0.073GPaである防水チューブ21に40本の極細同軸ケーブルからなる細径ケーブル12(AWG46)を入れた細径ケーブルハーネス11を用いた。防水チューブ21の内径は1.4mm、外径は1.6mmとし、肉厚を0.1mmとした。
シリコーンゴムから形成された防水チューブに40本の極細同軸ケーブルからなる細径ケーブル(AWG46)を入れようとしたが、防水チューブのべたつきのため、40本の細径ケーブルを防水チューブへ挿入することができなかった。防水チューブの内径は1.7mm、外径は1.9mmとし、肉厚を0.1mmとした。
シリコーンゴムから形成された防水チューブに40本の極細同軸ケーブルからなる細径ケーブル(AWG46)を入れた細径ケーブルハーネスを用いた。防水チューブの内径は2.7mm、外径は3.3mmとし、肉厚を0.3mmとした。
(実施例1、実施例2)
実施例1,2共に、スライド試験による外傷、断線はなく、また、気密性評価での空気のリークもなかった。また、捻回試験による亀裂の発生も確認されなかった。
このことから、防水チューブ21の内径を1.7mm、外径を1.9mmとして細径化しても、もしくは内径を1.4mm、外径を1.6mmとして極細径化しても、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン及びフッ化ビニリデンの三元重合体ポリマーから防水チューブ21を形成することにより、良好な防水性を確保しつつ、可撓性、屈曲性だけでなくスライドまたは回動に対して十分な耐久性が得られることがわかった。
特に、防水チューブ21の三元重合体ポリマーとして、融点が100℃以上140℃以下、MFRが15g/10分以上25g/10分以下、ガラス転位点が0℃以上10℃以下のものを用いたので、押出成形を極めて円滑に行って製造することができることがわかった。また、伸びが600%以上700%以下、曲げ弾性率が0.05GPa以上0.10GPa以下であるものを用いることにより、極めて高い耐久性が得られ、薄肉化による細径ケーブルハーネス11のさらなる細径化が可能であることがわかった。
また、実施例1,2共に、防水チューブ21の薄肉押出ができるだけでなく、滑り性も良好であることから、細径ケーブル12を通し易く、製造性を向上させることもできた。
防水チューブのべたつきのため、40本の細径ケーブルを防水チューブへ挿入することができなかった。そこで20本の細径ケーブルを挿入し、防水チューブの両端への防水キャップの取り付けようとした。しかし、取り付け時に防水チューブが裂けてしまった。
スライド試験による外傷、断線はなく、また、気密性評価での空気のリークもなかった。また、捻回試験による亀裂の発生も確認されなかった。
このように、比較例2では、耐久性については問題がなかったが、防水チューブの内径を2.7mm、外径を3.3mmとしているので、細径ケーブルハーネスの径が太くなってしまい、携帯電話端末3などの小型電子機器の配線用のハーネスとして用いるのが困難となってしまう。
比較例に対して実施例は、耐久性を維持したまま防水チューブの内径を小さくかつ薄肉として外径を小さくすることができた。これにより、本発明の細径ケーブルハーネスは配線スペースを小さくすることができることが解る。
Claims (3)
- 複数本の細径ケーブルと防水チューブとを備え、複数本の前記細径ケーブルが、端末部分で一列または二列以上に並列され、中間部分で前記防水チューブに通された細径ケーブルハーネスであって、
前記防水チューブが、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン及びフッ化ビニリデンの三元重合体ポリマーからなり、
前記三元重合体ポリマーは、融点が100℃以上140℃以下、MFRが15g/10分以上25g/10分以下、ガラス転位点が0℃以上10℃以下、伸びが600%以上700%以下、曲げ弾性率が0.05GPa以上0.10GPa以下であることを特徴とする細径ケーブルハーネス。 - 請求項1に記載の細径ケーブルハーネスであって、
前記防水チューブには、その両端における内部に、金属管が挿入されていることを特徴とする細径ケーブルハーネス。 - 請求項2に記載の細径ケーブルハーネスであって、
前記防水チューブには、その両端における外周に、パッキン部材が密着されていることを特徴とする細径ケーブルハーネス。
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