以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における車両の構成を示す図、図2は本発明の第1の実施の形態における車両のリンク機構の構成を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。なお、図1において、(a)は右側面図、(b)は背面図である。
図において、10は、本実施の形態における車両であり、車体の駆動部としての本体部20と、乗員が搭乗して操舵する操舵部としての搭乗部11と、車体の前方において幅方向の中心に配設された前輪である操舵輪としての車輪12Fと、後輪として後方に配設された駆動輪である左側の車輪12L及び右側の車輪12Rとを有する。さらに、車体を左右に傾斜させる、すなわち、リーンさせるためのリーン機構、すなわち、車体傾斜機構として、左右の車輪12L及び12Rを支持するリンク機構30と、該リンク機構30を作動させるアクチュエータである傾斜用アクチュエータ装置としてのリンクモータ25とを有する。なお、前記車両10は、前輪が左右二輪であって後輪が一輪の三輪車であってもよいし、前輪及び後輪が左右二輪の四輪車であってもよいが、本実施の形態においては、図に示されるように、前輪が一輪であって後輪が左右二輪の三輪車である場合について説明する。
旋回時には、左右の車輪12L及び12Rの路面18に対する角度、すなわち、キャンバ角を変化させるとともに、搭乗部11及び本体部20を含む車体を旋回内輪側へ傾斜させることによって、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図ることができるようになっている。すなわち、前記車両10は車体を横方向(左右方向)にも傾斜させることができる。なお、図に示される例においては、左右の車輪12L及び12Rは路面18に対して直立している、すなわち、キャンバ角が0度になっている。
前記リンク機構30は、左側の車輪12L及び該車輪12Lに駆動力を付与する電気モータ等から成る左側の回転駆動装置51Lを支持する左側の縦リンクユニット33Lと、右側の車輪12R及び該車輪12Rに駆動力を付与する電気モータ等から成る右側の回転駆動装置51Rを支持する右側の縦リンクユニット33Rと、左右の縦リンクユニット33L及び33Rの上端同士を連結する上側の横リンクユニット31Uと、左右の縦リンクユニット33L及び33Rの下端同士を連結する下側の横リンクユニット31Dと、本体部20に上端が固定され、上下に延在する中央縦部材21とを有する。また、左右の縦リンクユニット33L及び33Rと上下の横リンクユニット31U及び31Dとは回転可能に連結されている。さらに、上下の横リンクユニット31U及び31Dは、その中央部で中央縦部材21と回転可能に連結されている。なお、左右の車輪12L及び12R、左右の回転駆動装置51L及び51R、左右の縦リンクユニット33L及び33R、並びに、上下の横リンクユニット31U及び31Dを統合的に説明する場合には、車輪12、回転駆動装置51、縦リンクユニット33及び横リンクユニット31として説明する。
そして、駆動用アクチュエータ装置としての前記回転駆動装置51は、いわゆるインホイールモータであって、固定子としてのボディが縦リンクユニット33に固定され、前記ボディに回転可能に取り付けられた回転子としての回転軸が車輪12の軸に接続され、前記回転軸の回転によって車輪12を回転させる。なお、前記回転駆動装置51は、インホイールモータ以外の種類のモータであってもよい。
また、前記リンクモータ25は、電気モータ等を含む回転式の電動アクチュエータであって、固定子としての円筒状のボディと、該ボディに回転可能に取り付けられた回転子としての回転軸とを備えるものであり、前記ボディが取付フランジ22を介して本体部20に固定され、前記回転軸がリンク機構30の上側の横リンクユニット31Uに固定されている。なお、リンクモータ25の回転軸は、本体部20を傾斜させる傾斜軸として機能し、中央縦部材21と上側の横リンクユニット31Uとの連結部分の回転軸と同軸になっている。そして、リンクモータ25を駆動して回転軸をボディに対して回転させると、本体部20及び該本体部20に固定された中央縦部材21に対して上側の横リンクユニット31Uが回動し、リンク機構30が作動する、すなわち、屈伸する。これにより、本体部20を傾斜させることができる。なお、リンクモータ25は、その回転軸が本体部20及び中央縦部材21に固定され、そのボディが上側の横リンクユニット31Uに固定されていてもよい。
なお、リンクモータ25は、回転軸をボディに対して回転不能に固定する図示されないロック機構を備える。該ロック機構は、メカニカルな機構であって、回転軸をボディに対して回転不能に固定している間には電力を消費しないものであることが望ましい。前記ロック機構によって、回転軸をボディに対して所定の角度で回転不能に固定することができる。
前記搭乗部11は、本体部20の前端に図示されない連結部を介して連結される。該連結部は、搭乗部11と本体部20とを所定の方向に相対的に変位可能に連結する機能を有していてもよい。
また、前記搭乗部11は、座席11a、フットレスト11b及び風よけ部11cを備える。前記座席11aは、車両10の走行中に乗員が着座するための部位である。また、前記フットレスト11bは、乗員の足部を支持するための部位であり、座席11aの前方側(図1(a)における右側)下方に配設される。
さらに、搭乗部11の後方若しくは下方又は本体部20には、図示されないバッテリ装置が配設されている。該バッテリ装置は、回転駆動装置51及びリンクモータ25のエネルギ供給源である。また、搭乗部11の後方若しくは下方又は本体部20には、図示されない制御装置、インバータ装置、各種センサ等が収納されている。
そして、座席11aの前方には、操縦装置41が配設されている。該操縦装置41には、操舵装置としてのハンドルバー41a、速度メータ等のメータ、インジケータ、スイッチ等の操縦に必要な部材が配設されている。乗員は、前記ハンドルバー41a及びその他の部材を操作して、車両10の走行状態(例えば、進行方向、走行速度、旋回方向、旋回半径等)を指示する。なお、乗員が要求する車体の要求旋回量を検出するための手段である操舵装置として、ハンドルバー41aに代えて他の装置、例えば、ステアリングホイール、ジョグダイヤル、タッチパネル、押しボタン等の装置を操舵装置として使用することもできる。
なお、車輪12Fは、サスペンション装置(懸架装置)の一部である前輪フォーク17を介して搭乗部11に接続されている。前記サスペンション装置は、例えば、一般的なオートバイ、自転車等において使用されている前輪用のサスペンション装置と同様の装置であり、前記前輪フォーク17は、例えば、スプリングを内蔵したテレスコピックタイプのフォークである。そして、一般的なオートバイ、自転車等の場合と同様に、乗員によるハンドルバー41aの操作に応じて操舵輪としての車輪12Fは舵角を変化させ、これにより、車両10の進行方向が変化する。
具体的には、前記ハンドルバー41aは、図示されない操舵軸部材の上端に接続され、操舵軸部材の下端には前輪フォーク17の上端が接続されている。前記操舵軸部材は、上端が下端よりも後方に位置するように斜めに傾斜した状態で、搭乗部11が備える図示されないフレーム部材に、回転可能に取り付けられている。
本実施の形態において、車両10は横加速度センサ44を有する。該横加速度センサ44は、一般的な加速度センサ、ジャイロセンサ等から成るセンサであって、車両10の横加速度、すなわち、車体の幅方向としての横方向(図1(b)における左右方向)の加速度を検出する。
車両10は、旋回時に車体を旋回内側に傾斜させて安定させるので、車体を傾斜させることによって、旋回時の旋回外側への遠心力と重力とが釣り合うような角度になるように制御される。このような制御を行うことによって、例えば、路面18が進行方向と垂直な方向(進行方向に対する左右方向)に傾斜していたとしても、常に車体を水平に保つことが可能になる。これにより、車体と乗員には、見かけ上、常に重力が鉛直下向きにかかっていることになり、違和感が低減され、また、車両10の安定性が向上する。
そこで、本実施の形態においては、傾斜する車体の横方向の加速度を検出するために、横加速度センサ44を車体に取り付け、横加速度センサ44の出力がゼロとなるようにフィードバック制御を行う。これにより、旋回時に作用する遠心力と重力とが釣り合う傾斜角まで、車体を傾斜させることができる。また、進行方向と垂直な方向に路面18が傾斜している場合でも、車体が鉛直になる傾斜角となるように制御することができる。
図1に示される例において、横加速度センサ44は搭乗部11の背面に配設されている。また、前記横加速度センサ44は、車体の幅方向の中心、すなわち、車体の縦方向軸線上に位置するように配設されている。
また、本実施の形態における車両10は、制御装置の一部としての車体傾斜制御システムを有する。該車体傾斜制御システムは、一種のコンピュータシステムであり、図3に示されるように、傾斜制御装置として機能する傾斜制御ECU(Electronic Control Unit)46を備える。該傾斜制御ECU46は、プロセッサ等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、横加速度センサ44及びリンクモータ25に接続されている。また、前記傾斜制御ECU46は、横加速度センサ44が検出した横加速度に基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する傾斜制御部47を含む。
該傾斜制御部47は、旋回走行の際には、フィードバック制御を行い、車体の傾斜角度が、横加速度センサ44が検出する横加速度の値がゼロとなるような角度になるように、リンクモータ25を作動させる。つまり、旋回外側への遠心力と重力とが釣り合って、横方向の加速度成分がゼロとなるような角度になるように、車体の傾斜角度を制御する。これにより、車体及び搭乗部11に搭乗している乗員には、車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用することとなる。したがって、車体の安定を維持することができ、また、旋回性能を向上させることができる。また、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地が向上する。
次に、前記構成の車両10の動作について説明する。ここでは、旋回走行時における車体傾斜制御処理の動作についてのみ説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における旋回走行時の車体の傾斜動作を説明する図、図5は本発明の第1の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。
旋回走行が開始されると、車体傾斜制御システムは車体傾斜制御処理を開始する。姿勢制御が行われることで、車両10は、リンク機構30によって、旋回走行時には、図4に示されるように、車体を旋回内側(図において右側)に傾けた状態で旋回する。また、旋回走行時には、旋回外側への遠心力が車体に作用するとともに、車体を旋回内側に傾けたことによって重力の横方向成分が発生する。そして、横加速度センサ44は、前記遠心力と重力の横方向成分との合力を横方向の加速度として検出し、検出値aを横加速度センサ値として傾斜制御部47に出力する。すると、該傾斜制御部47は、フィードバック制御を行い、検出値aの値がゼロとなるような制御値をリンクモータ25に出力する。
なお、車体傾斜制御処理は、車両10の電源が投入されている間、車体傾斜制御システムによって繰り返し所定の制御周期TS (例えば、5〔ms〕)で実行される処理であり、旋回時において、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図る処理である。
傾斜制御部47は、まず、横加速度センサ値aを取得する(ステップS1)。
続いて、傾斜制御部47は、aold 呼出を行う(ステップS2)。aold は、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存された横加速度センサ値aである。なお、初期設定においては、aold =0とされている。
続いて、傾斜制御部47は、制御周期TS を取得し(ステップS3)、aの微分値を算出する(ステップS4)。ここで、aの微分値をda/dtとすると、該da/dtは次の式(1)によって算出される。
da/dt=(a−aold )/TS ・・・式(1)
そして、傾斜制御部47は、aold =aとして保存する(ステップS5)。つまり、今回の車体傾斜制御処理実行時に取得した横加速度センサ値aをaold として、記憶手段に保存する。
続いて、傾斜制御部47は、第1制御値UP を算出する(ステップS6)。ここで、比例制御動作の制御ゲイン、すなわち、比例ゲインをCP とすると、第1制御値UP は次の式(2)によって算出される。
UP =CP a ・・・式(2)
続いて、傾斜制御部47は、第2制御値UD を算出する(ステップS7)。ここで、微分制御動作の制御ゲイン、すなわち、微分時間をCD とすると、第2制御値UD は次の式(3)によって算出される。
UD =CD da/dt ・・・式(3)
続いて、傾斜制御部47は、第3制御値Uを算出する(ステップS8)。該第3制御値Uは、第1制御値UP と第2制御値UD との合計であり、次の式(4)によって算出される。
U=UP +UD ・・・式(4)
最後に、傾斜制御部47は、第3制御値Uをリンクモータトルク指令値としてリンクモータ25へ出力して(ステップS9)、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、旋回走行時には、横加速度センサ44が検出する横加速度の値がゼロとなるように、車体の傾斜角度を制御する。これにより、旋回外側への遠心力と重力とが釣り合うような角度になるように車体の傾斜角度を制御することができ、横方向の加速度成分がゼロとなり、車体及び乗員には車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用する。
したがって、車体の安定を維持することができ、また、旋回性能を向上させることができる。また、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地が向上する。これにより、安定した走行状態を実現することができ、安全性の高い車両10を提供することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図6は本発明の第2の実施の形態における横加速度センサの検出値が受ける影響を説明する図、図7は本発明の第2の実施の形態における車両の背面を示す図、図8は本発明の第2の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。なお、図6において、(a)〜(c)は片側の車輪が落下する状態を示す図、(d)は車両の各部のガタ等の影響を説明する図であり、図7において、(a)は車体が直立している状態を示す図、(b)は車体が傾斜している状態を示す図である。
前記第1の実施の形態においては、単一の横加速度センサ44によって横方向の加速度を検出する場合について説明した。しかし、横加速度センサ44が1つであると、不要加速度成分をも検出してしまうことがある。
例えば、図6(a)〜(c)に示されるように、車両10の走行中、路面18の窪(くぼ)みに左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが落下する場合があり得る。この場合、車体が傾斜するので、図6(c)における矢印で示されるように、横加速度センサ44は、周方向に変位し、該周方向の加速度を検出することになる。つまり、遠心力や重力に直接由来しない加速度成分、すなわち、不要加速度成分が検出されてしまう。
また、車両10は、例えば、左右の車輪12L及び12Rのタイヤ部分のように弾性を備え、ばねとして機能する部分を含み、また、各部材の接続部等に不可避的なガタが含まれる。そのため、図6(d)に模式的に示されるように、横加速度センサ44は、不可避的なガタやばねを介して車体に取り付けられていると考えられるので、ガタやばねの変位によって生じる加速度をも不要加速度成分として検出してしまう。
このような不要加速度成分は、車体傾斜制御システムの制御性を悪化させる可能性がある。例えば、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくすると、不要加速度成分に起因する制御系の振動、発散等が発生するので、応答性を向上させようとしても制御ゲインを大きくすることができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、横加速度センサ44が複数であって、互いに異なる高さに配設されている。図7に示される例において、横加速度センサ44は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの2つであって、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとは互いに異なる高さ位置に配設されている。第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの位置を適切に選択することで、効果的に不要加速度成分を取り除くことができる。
具体的には、図7(a)に示されるように、第1横加速度センサ44aは、搭乗部11の背面において、路面18からの距離、すなわち、高さがL1 の位置に配設されている。また、第2横加速度センサ44bは、搭乗部11の背面又は本体部20の上面において、路面18からの距離、すなわち、高さがL2 の位置に配設されている。なお、L1 >L2 である。そして、旋回走行時に、図7(b)に示されるように、車体を旋回内側(図において右側)に傾けた状態で旋回すると、第1横加速度センサ44aは、横方向の加速度を検出して検出値a1 を出力し、第2横加速度センサ44bは、横方向の加速度を検出して検出値a2 を出力する。なお、車体が傾く際の傾斜運動の中心、すなわち、ロール中心は、厳密には路面18よりわずかに下方に位置するが、実際上は、概略路面18と等しい位置であると考えられる。
前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、十分に剛性の高い部材に取り付けられることが望ましい。また、L1 とL2 との差は、小さいと検出値a1 及びa2 の差が小さくなるので、十分に大きいこと、例えば、0.3〔m〕以上、とすることが望ましい。さらに、車体がサスペンション等のばねで支持されている場合、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、いわゆる「ばね上」に配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、前輪である車輪12Fの車軸と後輪である左右の車輪12L及び12Rの車軸との間に配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、可能な限り乗員の近くに配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、上側から観て進行方向に延在する車体の中心軸上に位置すること、すなわち、進行方向に関してオフセットされないことが望ましい。
また、本実施の形態における車体傾斜制御システムは、図8に示されるようになっている。傾斜制御ECU46は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出した横加速度に基づいて合成横加速度を算出する横加速度演算部48を備える。そして、傾斜制御部47は、横加速度演算部48が算出した横加速度としての合成横加速度に基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する。
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における車両10の動作について説明する。ここでは、旋回走行時における車体傾斜制御処理の動作についてのみ説明する。
図9は本発明の第2の実施の形態における力学モデルを示す図、図10は本発明の第2の実施の形態における制御系のブロック図、図11は本発明の第2の実施の形態における横加速度演算処理の動作を示すフローチャート、図12は本発明の第2の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。
図9において、44Aは車体において第1横加速度センサ44aの配設された位置を示す第1センサ位置であり、44Bは車体において第2横加速度センサ44bの配設された位置を示す第2センサ位置である。
第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する加速度は、〈1〉旋回時に車体に作用する遠心力、〈2〉車体を旋回内側に傾けたことによって発生する重力の横方向成分、〈3〉左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが路面18の窪みに落下することによる車体の傾斜、ガタやばねの変位等により第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが周方向に変位することによって生じる加速度、並びに、〈4〉リンクモータ25の作動又はその反作用により第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが周方向に変位することによって生じる加速度、の4つであると考えられる。これら4つの加速度のうち、前記〈1〉及び〈2〉は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さ、すなわち、L1 及びL2 と無関係である。一方、前記〈3〉及び〈4〉は、周方向に変位することによって生じる加速度であるから、ロール中心からの距離に比例する、すなわち、概略L1 及びL2 に比例する。
ここで、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈3〉の加速度をaX1及びaX2とし、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈4〉の加速度をaM1及びaM2とする。また、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈1〉の加速度をaT とし、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈2〉の加速度をaG とする。なお、前記〈1〉及び〈2〉は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さと無関係なので、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値は等しい。
そして、左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが路面18の窪みに落下することによる車体の傾斜、ガタやばねの変位等による周方向の変位の角速度をωR とし、その角加速度をωR ’とする。また、リンクモータ25の作動又はその反作用による周方向の変位の角速度をωM とし、その角加速度をωM ’とする。
すると、aX1=L1 ωR ’、aX2=L2 ωR ’、aM1=L1 ωM ’、aM2=L2 ωM ’となる。
また、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出して出力する加速度の検出値をa1 及びa2 とすると、a1 及びa2 は、4つの加速度〈1〉〜〈4〉の合計であるから、次の式(5)及び(6)で表される。
a1 =aT +aG +L1 ωR ’+L1 ωM ’ ・・・式(5)
a2 =aT +aG +L2 ωR ’+L2 ωM ’ ・・・式(6)
そして、式(5)から式(6)を減算すると、次の式(7)を得ることができる。
a1 −a2 =(L1 −L2 )ωR ’+(L1 −L2 )ωM ’ ・・・式(7)
ここで、L1 及びL2 の値は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さであるから既知である。また、ωM ’の値は、リンクモータ25の角速度ωM の微分値であるから既知である。すると、前記式(7)の右辺においては、第1項のωR ’の値のみが未知であり、他の値はすべて既知である。したがって、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値a1 及びa2 から、ωR ’の値を得ることが可能である。つまり、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値a1 及びa2 に基づいて、不要加速度成分を取り除くことができる。
本実施の形態における車体傾斜制御処理では、図10に示されるようなフィードバック制御が行われる。図10において、f1 は後述される式(10)で表される伝達関数である。また、GP は比例制御動作の制御ゲインであり、GD は微分制御動作の制御ゲインであり、sは微分要素である。
車体傾斜制御システムが車体傾斜制御処理を開始すると、横加速度演算部48は、横加速度演算処理を開始し、まず、第1横加速度センサ値a1 を取得するとともに(ステップS11)、第2横加速度センサ値a2 を取得する(ステップS12)。そして、横加速度演算部48は、加速度差Δaを算出する(ステップS13)。該Δaは次の式(8)によって表される。
Δa=a1 −a2 ・・・式(8)
続いて、横加速度演算部48は、ΔL呼出を行うとともに(ステップS14)、L2 呼出を行う(ステップS15)。前記ΔLは次の式(9)によって表される。
ΔL=L1 −L2 ・・・式(9)
続いて、横加速度演算部48は、合成横加速度aを算出する(ステップS16)。なお、合成横加速度aは、前記第1の実施の形態のように、横加速度センサ44が1つである場合における横加速度センサ値aに相当する値であって、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した値であり、次の式(10)及び(11)によって得られる。
a=a2 −(L2 /ΔL)Δa ・・・式(10)
a=a1 −(L1 /ΔL)Δa ・・・式(11)
理論上は、式(10)によっても式(11)によっても、同じ値を得ることができるが、周方向の変位によって生じる加速度はロール中心からの距離に比例するので、実際上は、ロール中心により近い方の横加速度センサ44、すなわち、第2横加速度センサ44bの検出値であるa2 を基準にすることが望ましい。そこで、本実施の形態においては、式(10)によって合成横加速度aを算出することとする。
最後に、横加速度演算部48は、傾斜制御部47へ合成横加速度aを送出して(ステップS17)、横加速度演算処理を終了する。
また、傾斜制御部47は、車体傾斜制御処理を開始し、まず、横加速度演算部48から合成横加速度aを受信する(ステップS21)。
続いて、傾斜制御部47は、aold 呼出を行う(ステップS22)。aold は、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存された合成横加速度aである。なお、初期設定においては、aold =0とされている。
これ以降の動作、すなわち、図12に示されるステップS23〜S29の動作は、前記第1の実施の形態において説明したステップS3〜S9の動作と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとを互いに異なる高さ位置に配設し、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した合成横加速度aを算出し、該合成横加速度aの値がゼロとなるように、車体の傾斜角度を制御する。
これにより、不要加速度成分を取り除くことができるので、路面状況の影響を受けることがなく、制御系の振動、発散等の発生を防止することができ、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくして制御の応答性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、横加速度センサ44が2つである場合について説明したが、横加速度センサ44は、複数であって互いに異なる高さに配設されていれば、3つ以上であってもよく、いくつであってもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図13は本発明の第3の実施の形態における車両の背面を示す図である。なお、図において、(a)は車体が直立している状態を示す図、(b)は車体が傾斜している状態を示す図である。
本実施の形態における車両10は、リンク機構30を有しておらず、本体部20と搭乗部11とが、ロール軸20aを中心に、ロール方向に揺動可能に連結され、傾斜用アクチュエータ装置としてのリンクモータ25を回転させることによって、図13(b)に示されるように、本体部20に対して搭乗部11を揺動させてロールさせる、すなわち、傾斜させることができる。前記ロール軸20aは、本体部20に対して搭乗部11が揺動してロールする動作の中心、すなわち、ロール中心である。なお、車体の進行方向に延在するリンクモータ25の回転軸を、前記ロール軸20aと一致させるようにしてもよい。
旋回時にも、左右の車輪12L及び12Rの路面18に対する角度、すなわち、キャンバ角は変化せず、搭乗部11を前輪である車輪12Fとともに、本体部20に対して揺動させ、旋回内輪側へ傾斜させることによって、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図ることができるようになっている。なお、図に示される例においては、直進時も旋回時も、左右の車輪12L及び12Rは路面18に対して直立している、すなわち、キャンバ角が0度になっている。
その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、横加速度センサ44は、前記第2の実施の形態と同様に、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bを含み、前記第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとは互いに異なる高さ位置に配設されている。
本実施の形態においては、搭乗部11が傾く際の傾斜運動の中心、すなわち、ロール中心はロール軸20aと一致する。そこで、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さL1 及びL2 は、ロール軸20aからの距離として設定される。
前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ロール軸20aの上側又は下側に、両者ともに配設されることが望ましい。また、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの一方は、できる限りロール軸20aに近接した位置に配設されることが望ましい。
横加速度センサ44について、その他の点は、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。また、車体傾斜制御システムについても、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。さらに、本実施の形態における車両10の動作についても、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図14は本発明の第4の実施の形態における車両の制御処理の動作を示すフローチャートである。
前記第2の実施の形態において説明したように、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとを互いに異なる高さ位置に配設し、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した合成横加速度aを算出し、該合成横加速度aの値がゼロとなるように、車体の傾斜角度を制御することによって、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくして制御の応答性を向上させることができる。
しかし、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bのいずれかが故障したり、通信不能となったりした場合、すなわち、第1横加速度センサ値a1 及び第2横加速度センサ値a2 のいずれかが取得不能となった場合には、不要加速度成分を取り除くことができず、車体傾斜制御システムの制御安定性が低下してしまう。
そこで、本実施の形態においては、第1横加速度センサ値a1 及び第2横加速度センサ値a2 のいずれかが取得不能となった場合、残りの取得可能な横加速度センサ値にフィルタをかけた値に基づいて車体の傾斜角度を制御することによって、車体傾斜制御システムの制御安定性を向上させるようになっている。なお、高い位置に配設された横加速度センサの横加速度センサ値には、低い位置に配設された横加速度センサの横加速度センサ値よりも不要加速度成分が多く含まれるので、フィルタの時定数を横加速度センサの高さに応じて変更することが望ましい。また、時定数が大きくなると制御安定性が低下するので、車速を制限してヨーレートを抑制することが望ましい。
まず、傾斜制御ECU46は、第1横加速度センサ44aは正常であるか否か、すなわち、第1横加速度センサ44aから第1横加速度センサ値a1 を正常に取得することができるか否かを判断する(ステップS31)。そして、第1横加速度センサ値a1 を正常に取得することができる場合、傾斜制御ECU46は、第2横加速度センサ44bは正常であるか否か、すなわち、第2横加速度センサ44bから第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができるか否かを判断する(ステップS32)。
そして、第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができる場合、傾斜制御ECU46は、第1及び第2横加速度センサ値で傾斜制御を開始する(ステップS33)。すると、横加速度演算部48は、第1及び第2横加速度センサ値から合成横加速度を算出する(ステップS34)。この場合の横加速度演算部48の動作は、前記第2の実施の形態において説明した動作、すなわち、前記第2の実施の形態において説明したステップS11〜S17の動作と同様であるので、その説明を省略する。さらに、傾斜制御部47は、横加速度演算部48から合成横加速度を受信して前記第2の実施の形態と同様の車体傾斜制御処理を行う。すなわち、前記第2の実施の形態において説明したステップS21〜S29の動作と同様の動作を行う。
一方、第2横加速度センサ44bは正常であるか否か、すなわち、第2横加速度センサ44bから第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができるか否かを判断して、第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができない場合、傾斜制御ECU46は、第1横加速度センサ値で傾斜制御を開始する(ステップS35)。この場合、横加速度演算部48は、第1横加速度センサ値a1 にカットオフ周波数F1 のフィルタ(ローパスフィルタ)をかける(ステップS36)。
前述のように、高い位置に配設された横加速度センサの横加速度センサ値には、低い位置に配設された横加速度センサの横加速度センサ値よりも不要加速度成分が多く含まれるので、フィルタの時定数を横加速度センサの高さに応じて変更することが望ましい。例えば、前記第2の実施の形態において説明した図7(a)に示される例において、第1横加速度センサ44aの高さL1 が1〔m〕であるとすると、F1 =5〔Hz〕程度に設定することが望ましい。つまり、第1横加速度センサ44aから取得した第1横加速度センサ値a1 から5〔Hz〕程度以上の高周波成分を除去する(カットオフする)ことが望ましい。これにより、第1横加速度センサ値a1 に含まれる不要加速度成分を効果的に取り除くことができる。
そして、傾斜制御ECU46は、車速の最大値をV1 に制限する(ステップS37)。前述のように、時定数が大きくなると制御安定性が低下するので、車速を制限してヨーレートを抑制することが望ましい。例えば、V1 =10〔km/h〕程度に設定することが望ましい。これにより、車速が抑制されるので、第1横加速度センサ値a1 のみで傾斜制御を行っても、安定性が低下することがなく、車両10の安全性を十分に確保することができる。
そして、傾斜制御部47は、横加速度演算部48からカットオフ周波数F1 のフィルタをかけた第1横加速度センサ値a1 を合成横加速度として受信し、前記第2の実施の形態と同様の車体傾斜制御処理を行う。すなわち、前記第2の実施の形態において説明したステップS21〜S29の動作と同様の動作を行う。
また一方、第1横加速度センサ44aは正常であるか否か、すなわち、第1横加速度センサ44aから第1横加速度センサ値a1 を正常に取得することができるか否かを判断して、第1横加速度センサ値a1 を正常に取得することができない場合、傾斜制御ECU46は、第2横加速度センサ44bは正常であるか否か、すなわち、第2横加速度センサ44bから第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができるか否かを判断する(ステップS38)。
そして、第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができる場合、傾斜制御ECU46は、第2横加速度センサ値で傾斜制御を開始する(ステップS39)。この場合、横加速度演算部48は、第2横加速度センサ値a2 にカットオフ周波数F2 のフィルタ(ローパスフィルタ)をかける(ステップS40)。
例えば、前記第2の実施の形態において説明した図7(a)に示される例において、第2横加速度センサ44bの高さL2 が0.38〔m〕であるとすると、F2 =15〔Hz〕程度に設定することが望ましい。つまり、第2横加速度センサ44bから取得した第2横加速度センサ値a2 から15〔Hz〕程度以上の高周波成分を除去する(カットオフする)ことが望ましい。これにより、第2横加速度センサ値a2 に含まれる不要加速度成分を効果的に取り除くことができる。なお、F2 >F1 であるのは、第2横加速度センサ44bの高さL2 が第1横加速度センサ44aの高さL1 より低いので、第2横加速度センサ値a2 に含まれる不要加速度成分の高周波成分は、第1横加速度センサ値a1 に含まれる不要加速度成分の高周波成分よりも少ないと考えられるからである。
そして、傾斜制御ECU46は、車速の最大値をV2 に制限する(ステップS41)。前述のように、時定数が大きくなると制御安定性が低下するので、車速を制限してヨーレートを抑制することが望ましい。例えば、V2 =20〔km/h〕程度に設定することが望ましい。これにより、車速が抑制されるので、第2横加速度センサ値a2 のみで傾斜制御を行っても、安定性が低下することがなく、車両10の安全性を十分に確保することができる。なお、V2 >V1 であるのは、第2横加速度センサ44bの高さL2 が第1横加速度センサ44aの高さL1 より低いので、第2横加速度センサ値a2 に含まれる不要加速度成分の高周波成分が、第1横加速度センサ値a1 に含まれる不要加速度成分の高周波成分よりも少なく、車速を比較的高くしても、制御安定性が低下しにくいと考えられるからである。
そして、傾斜制御部47は、横加速度演算部48からカットオフ周波数F2 のフィルタをかけた第2横加速度センサ値a2 を合成横加速度として受信し、前記第2の実施の形態と同様の車体傾斜制御処理を行う。すなわち、前記第2の実施の形態において説明したステップS21〜S29の動作と同様の動作を行う。
なお、第2横加速度センサ44bは正常であるか否か、すなわち、第2横加速度センサ44bから第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができるか否かを判断して、第2横加速度センサ値a2 を正常に取得することができない場合、傾斜制御ECU46は、車両停止を行って(ステップS42)、処理を終了する。これは、第1横加速度センサ値a1 及び第2横加速度センサ値a2 の両方が取得不能となると、車体傾斜制御処理を行うことができないためである。
このように、本実施の形態においては、第1横加速度センサ値a1 及び第2横加速度センサ値a2 のいずれかが取得不能となった場合、残りの取得可能な横加速度センサ値にフィルタをかけた値に基づいて車体の傾斜角度を制御する。これにより、第1横加速度センサ値a1 及び第2横加速度センサ値a2 のいずれかが取得不能となった場合であっても、車体の傾斜角度を制御することができるので、車体傾斜制御システムの制御安定性を向上させることができる。
また、高い位置に配設された横加速度センサの横加速度センサ値には、低い位置に配設された横加速度センサの横加速度センサ値よりも不要加速度成分が多く含まれるので、フィルタの時定数を横加速度センサの高さに応じて変更する。さらに、時定数が大きくなると制御安定性が低下するので、車速を制限してヨーレートを抑制する。
なお、本実施の形態においては、横加速度センサ44が2つである場合について説明したが、前記第2の実施の形態と同様に、横加速度センサ44は、複数であって互いに異なる高さに配設されていれば、3つ以上であってもよく、いくつであってもよい。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。