JP5304489B2 - 電波吸収体 - Google Patents

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Description

本発明は、電波障害等の原因となる電波を吸収するための電波吸収体に関する。
コンピュータに用いられているCPU等のLSIから放射される高周波の電磁波や、無線システムの普及に伴い増加している広い帯域のマイクロ波が周辺機器に悪影響を与える電波障害(EMI:ElectroMagneticInterference)が問題となっている。
このような電波障害を回避する手段として、電波吸収体が用いられている。電波吸収体の材料としては、コスト・量産性などに優れたプラスチック複合材料や樹脂複合材料が用いられている。また、カーボンナノチューブ等のカーボン系材料を、樹脂等の電気的絶縁性有機物に分散させた電波吸収体も知られている。
特開2005−311330号公報 特開2007−335680号公報 特開2005−252080号公報
しかしながら、上記従来の電波吸収体は、電波吸収性能が十分であるとはいえず、ミリ波帯までの広帯域で使用できる電波吸収体の開発が待望されていた。
本発明の目的は、吸収する電磁波の周波数を容易に設定でき、電波吸収性の高い電波吸収体を提供することにある。
実施形態の一観点によれば、第1の電極と、前記第1の電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された第2の電極とを有するキャパシタと、前記キャパシタの前記第2の電極上に形成された炭素元素の線状構造体の束とを有し、吸収しようとする電磁波が伝搬する空間からみた入力インピーダンスが、前記空間の電波特性インピーダンスに整合するように、前記キャパシタの容量及び前記線状構造体の束の長さが調整されている電波吸収体が提供される。
また、実施形態の他の観点によれば、電磁波が生じる電磁波発生源と、前記電磁波発生源上に形成され、第1の電極と、前記第1の電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された第2の電極とを有するキャパシタと、前記キャパシタの前記第2の電極上に形成された炭素元素の線状構造体の束とを有し、前記電磁波が伝搬する空間からみた入力インピーダンスが、前記空間の電波特性インピーダンスに整合するように、前記キャパシタの容量及び前記線状構造体の束の長さが調整された電波吸収体とを有する電子機器が提供される。
開示の電波吸収体によれば、キャパシタ及び炭素元素の線状構造体の束により形成されたLC回路を含む電波吸収体を形成するので、電波吸収体の入力インピーダンスを電波特性インピーダンスに容易に整合させることができる。これにより、吸収しようとする電磁波の周波数を容易にチューニングすることができる。また、この構造によれば、電波吸収体を極めて薄い形状にすることができる。これにより、電磁波の入射角度に対する電波吸収体のインピーダンスの変化が小さくなり、広い角度から入射する電磁波を効率よく吸収することができる。
図1は、第1実施形態による電波吸収体の構造を示す概略断面図(その1)である。 図1は、第1実施形態による電波吸収体の構造を示す概略断面図(その2)である。 図3は、第1実施形態による電波吸収体の等価回路を示す図である。 図4は、第1実施形態による電波吸収体における入力インピーダンスの周波数依存性を示すグラフ(その1)である。 図5は、第1実施形態による電波吸収体における入力インピーダンスの周波数依存性を示すグラフ(その2)である。 図6は、第1実施形態による電波吸収体の製造方法を示す工程断面図である。 図7は、第2実施形態による電波吸収体の構造を示す概略断面図(その1)である。 図8は、第2実施形態による電波吸収体の構造を示す概略断面図(その2)である。 図9は、第2実施形態による電波吸収体の製造方法を示す工程断面図である。
[第1実施形態]
第1実施形態による電波吸収体について図1乃至図6を用いて説明する。
図1及び図2は、本実施形態による電波吸収体の構造を示す概略断面図である。図3は、本実施形態による電波吸収体の等価回路を示す図である。図4及び図5は、本実施形態による電波吸収体における入力インピーダンスZinの周波数依存性を示すグラフである。図6は、本実施形態による電波吸収体の製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態による電波吸収体の構造について図1及び図2を用いて説明する。
基板10上には、下部電極12が形成されている。下部電極12上には、誘電体膜14が形成されている。誘電体膜14上には、複数の上部電極16が形成されている。こうして、基板10上には、下部電極12と誘電体膜14と上部電極16とをそれぞれ有し、下部電極12を共通の電極とする複数のキャパシタ20が形成されている。
キャパシタ20の上部電極16上には、カーボンナノチューブ22の束がそれぞれ形成されている。こうして、基板10上には、キャパシタ20とカーボンナノチューブ22とを含む構造体が、複数形成されている。
下部電極12は、基準電位、例えば接地電位に接続される。図1では、複数の構造体の下部電極12を一の共通電極により形成しているが、下部電極12は、必ずしも一の電極により形成する必要はない。例えば図2に示すように、キャパシタ20毎に下部電極12を分割し或いは下部電極12間に基板10に達する開口部を設けるようにしてもよい。
本実施形態による電波吸収体は、図3(a)に示すように、カーボンナノチューブ22の上端部側に電磁波が入射するように配置される。
本実施形態による電波吸収体の等価回路は、図3(b)に示すように、抵抗RとインダクタLとキャパシタCとの直列接続によって表すことができる。抵抗R及びインダクタLがカーボンナノチューブ22に対応し、キャパシタCがキャパシタ20に対応する。カーボンナノチューブ22は、カイネティックインダクタンスが非常に大きい導電性の材料であり、抵抗成分に加え、インダクタンス成分を備えている。
この場合、電磁波の入射側から見た本実施形態による電波吸収体の入力インピーダンスZinは、図3(b)の等価回路から、
in=2(R+JωL+1/jωC)
と表すことができる。入力インピーダンスZinと電磁波が伝搬している空間の電波特性インピーダンスとをマッチングすることにより、この空間中を伝搬している電磁波を吸収することができる。
例えば、自由空間(真空中や空気中)の電波特性インピーダンスは、377Ω程度である。自由空間を伝搬する電磁波を効率よく吸収するためには、電波吸収体のインピーダンスを、電波特性インピーダンスに合致する377Ω程度になるように制御することが望ましい。
カーボンナノチューブは、長さによって抵抗R及びインダクタンスLを調節することができる。また、キャパシタは、絶縁膜の厚さ、電極の面積、絶縁膜を形成する絶縁材料の誘電率によって容量Cを調節することができる。したがって、カーボンナノチューブ及びキャパシタの上記パラメータによって、本実施形態による電波吸収体の入力インピーダンスZinを適宜設定することができる。
図4及び図5は、本実施形態による電波吸収体における入力インピーダンスZinの周波数依存性を示すグラフである。縦軸が入力インピーダンスZinのリアクタンス成分を表し、横軸は電磁波の周波数を表している。
図4及び図5のグラフは、カーボンナノチューブの束径を10μm、カーボンナノチューブの長さを8μm、キャパシタの絶縁膜の厚さを200nmとし、キャパシタの電極面積によって容量Cを変化した場合の測定例である。容量Cは、1fF、5fF、0.01pF、0.05pF、0.1pF、0.5pFとした。図4及び図5の測定において、入力インピーダンスZinのレジスタンス成分は、377Ωに固定している。
入力インピーダンスZinは、
in=R+jX
で表される。ここで、Rはレジスタンス成分であり、Xはリアクタンス成分である。入力インピーダンスZinのレジスタンス成分Rが377Ωの場合、入力インピーダンスZinのリアクタンス成分が0Ωのときに、入力インピーダンスZinが377Ωとなり、電磁波の吸収が起こる。例えば、キャパシタの容量を0.1pFとすることにより、周波数が4GHzの電磁波を吸収することができる。
図5は、キャパシタの容量Cを0.05pFから0.2pFの範囲で変化したときの入力インピーダンスZinの周波数依存性を示している。
図5に示すように、キャパシタの容量Cを0.05pFから0.2pFの範囲で変化することにより、2.5GHzから5.5GHzまでの広範囲の電磁波を吸収することができる。
基板10上に形成する複数のキャパシタ20は、同じ容量であってもよいし、異なる容量であってもよい。容量の異なる複数のキャパシタ20を設ければ、上述のように、所定の範囲の電磁波を吸収することが可能となる。
上述のように、本実施形態による電波吸収体は、キャパシタ20により規定される容量と、カーボンナノチューブ22により規定される抵抗とインダクタとにより、吸収される電磁波の周波数が規定される。上述のように、キャパシタ20は、絶縁膜の厚さ、電極の面積、絶縁膜を形成する絶縁材料の誘電率によって、容量を容易に調節することができる。また、カーボンナノチューブ22は、長さによって抵抗及びインダクタンスを容易に調節することができる。したがって、本実施形態による電波吸収体は、吸収する電磁波の周波数制御性が非常に高いものである。
また、本実施形態による電波吸収体は、非常に薄く、電磁波の入射角度に対する電波吸収体のインピーダンスの変化が小さいため、広い角度から入射する電磁波を吸収することが可能である。
本実施形態による電波吸収体は、例えば、電子機器の内部、道路通行料自動徴収システム(ETC)や車載レーダ等の民生無線通信システム、戦闘機・軍艦等の軍事ステルス兵器等に用いられる電波吸収体に適用可能である。
電子機器への用途としては、例えば、CPU等のLSI等の電磁波放出源から放射される高周波の電磁波を吸収するための電波吸収体として適用可能である。電磁波放出源上に本実施形態による電波吸収体を配置することにより、電磁波放出源から放出される電磁波を効率よく吸収することができる。
次に、本実施形態による電波吸収体の製造方法について図6を用いて説明する。
まず、電波吸収体を形成する際の下地となる基板10を用意する。基板10は、特に限定されるものではない。基板10としては、例えば、アルミナセラミック、AlNセラミック、石英、ガラス、シリコン、金属等の基板を適用することができる。
次いで、基板10上に、例えばスパッタ法により、金属膜12aと、絶縁膜14aと、金属膜16aとを順次堆積する。金属膜12aは、キャパシタの下部電極12となる膜である。絶縁膜14aは、キャパシタの誘電体膜14となる膜である。金属膜16aは、キャパシタの上部電極16となる膜である。
金属膜12a,16aの形成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、金、アルミニウム、タンタル、タングステン、白金、モリブデン等を適用することができる。金属膜12aの形成材料と金属膜16aの形成材料とは、同じであっても異なっていてもよい。
絶縁膜14aの形成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、酸化シリコン、酸化ハフニウム、窒化シリコン、アルミナ、酸化ジルコニウム等を適用することができる。複数の絶縁材料を積層して絶縁膜14aを形成するようにしてもよい。
なお、例えば図2に示すように下部電極12をパターニングする場合にあっては、金属膜12aの形成後、絶縁膜14aの形成前に、金属膜12aをパターニングすることができる。下部電極12と上部電極16とを同じパターンに加工する場合には、後述の金属膜16aをパターニングする工程の際に、金属膜12aまでパターニングするようにしてもよい。
次いで、金属膜16a上に、例えばスパッタ法により、触媒金属膜18を形成する(図6(a))。触媒金属膜18は、特に限定されるものではないが、例えば、鉄(2.5nm)、鉄(5nm)、Fe/Al(2.5nm/10nm)、Fe/Al(5nm/10nm)、Co/TiN(3.8nm/5nm)等を適用することができる。
次いで、例えばフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、触媒金属膜18及び金属膜16aをパターニングし、金属膜16aの上部電極16を形成する(図6(b))。
触媒金属膜18は、上部電極16の形成後、例えばメタルマスクを用いたリフトオフ等により、上部電極16上に選択的に形成するようにしてもよい。
次いで、触媒金属膜18を触媒として、例えば熱CVD法により、カーボンナノチューブ22を成長する。これにより、上部電極16上に、基板10の法線方向に沿って配向したカーボンナノチューブ22が形成される。
カーボンナノチューブ22の成長条件は、例えば、アセチレン:アルゴンの混合ガスを用い(流量比1sccm:9sccm)、圧力を1kPa、成長温度を600〜800℃程度とする。この場合、カーボンナノチューブ22は、1×1011本/cm程度の面密度の束となる。カーボンナノチューブ22は、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのいずれでもよい。
カーボンナノチューブ22の長さは、所望のインダクタンスLに基づいて決定される。例えば、カーボンナノチューブ22の束径が10μmの場合、100μmのカーボンナノチューブに対して約60nHのインダクタンスが見込まれる。カーボンナノチューブの長さは、特に限定されるものではないが、例えば1μm〜500μmの範囲が好適である。カーボンナノチューブ22の長さは、成長時間によって制御することができる。
なお、触媒金属膜18は、カーボンナノチューブ22の成長の際に凝集し、カーボンナノチューブ22内に取り込まれるため、カーボンナノチューブ22形成後の図面では、触媒金属膜18を省略している。
こうして、下部電極12と誘電体膜14と上部電極16とを有するキャパシタ20と、キャパシタ20上に形成されたカーボンナノチューブ22とを有する本実施形態による電波吸収体を完成する(図6(c))。
このように、本実施形態によれば、キャパシタ及びカーボンナノチューブにより形成されたLC回路を含む電波吸収体を形成するので、電波吸収体の入力インピーダンスを電波特性インピーダンスに容易に整合させることができる。これにより、吸収しようとする電磁波の周波数を容易にチューニングすることができる。また、本実施形態による電波吸収体は、極めて薄い形状であり、電磁波の入射角度に対する電波吸収体のインピーダンスの変化が小さく、広い角度から入射する電磁波を効率よく吸収することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による電波吸収体及びその製造方法について図7乃至図9を用いて説明する。図1乃至図 に示す第1実施形態による電波吸収体及びその製造方法と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し又は簡潔にする。
図7及び図8は、本実施形態による電波吸収体の構造を示す概略断面図である。図9は、本実施形態による電波吸収体の製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態による電波吸収体の構造について図7及び図8を用いて説明する。
本実施形態による電波吸収体は、図7に示すように、キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22を有する点は、第1実施形態による電波吸収体と同様である。本実施形態による電波吸収体は、キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22を支持する部材として、基板10の代わりに樹脂層24を設けている。樹脂層24は、キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22を埋め込むように形成されている。
カーボンナノチューブ及びキャパシタを支持する部材として樹脂層24を用いることにより、成型加工が容易な薄型の電波吸収体を形成することができる。
また、例えば図8に示すように、本実施形態による電波吸収体を複数枚重ね合わせることにより、電磁波吸収の効果を大きくすることができる。重ね合わせる層数は、図8に示すような2層に限定されるものではなく、3層以上であってもよい。
また、異なる周波数を吸収する複数の電波吸収体を重ね合わせれば、広帯域の周波数の電磁波を吸収することが可能となる。例えば、容量0.05pFのキャパシタ20を有する電波吸収体と、容量0.1pFのキャパシタ20を有する電波吸収体と、容量0.2pFのキャパシタ20を有する電波吸収体を積層すれば、2.5GHz〜5.5GHzの電磁波を吸収することができる(図5参照)。
電波吸収体を重ね合わせる際、キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22の配置は、膜厚方向に重なるようにしてもよいし、例えば図8に示すように膜厚方向に重ならないようにしてもよい。
また、例えば図2に示すように下部電極12に部分的に開口部を設けることにより、電磁波が下層の電波吸収体に到達しやすくすることもできる。
樹脂材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂等を適用することができる。また、SOG(Spin On Glass)などの塗布型絶縁膜形成用組成物などの無機系充填材、インジウム、はんだ、金属ペースト(例えば銀ペースト)などの金属材料、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性ポリマ等も適用することができる。これら材料の中から柔軟性を有する材料を選択することで、フレキシブルなシート状の電波吸収体にすることもできる。
次に、本実施形態による電波吸収体の製造方法について図9を用いて説明する。
まず、図6(a)乃至図6(c)に示す第1実施形態による電波吸収体の製造方法と同様にして、基板10上に、キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22を形成する(図9(a))。
次いで、例えばスピンコート法やディップ法等により、キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22が形成された基板10上に樹脂材料を塗布する。樹脂材料は、液体状の性質を示し、その後に硬化できるものであれば、特に限定されるものではない。
次いで、基板10上に塗布した樹脂材料を硬化し、樹脂層24を形成する。
次いで、基板10を剥離或いは選択的にエッチングし、本実施形態による電波吸収体を完成する(図9(c))。
また、必要に応じて、このように形成した電波吸収体を積み重ねるようにしてもよい。この場合、樹脂層24として、例えばホットメルト樹脂等の熱可塑性樹脂を用いれば、積層して加熱することにより、積み重ねた電波吸収体を容易に一体化することができる。
このように、本実施形態によれば、キャパシタ及びカーボンナノチューブにより形成されたLC回路を含む電波吸収体を形成するので、電波吸収体の入力インピーダンスを電波特性インピーダンスに容易に整合させることができる。これにより、吸収しようとする電磁波の周波数を容易にチューニングすることができる。また、本実施形態による電波吸収体は、極めて薄い形状であり、電磁波の入射角度に対する電波吸収体のインピーダンスの変化が小さく、広い角度から入射する電磁波を効率よく吸収することができる。
また、キャパシタ及びカーボンナノチューブを樹脂層中に埋め込み基板から剥離することにより、フレキシブルシートの電波吸収体を形成することができる。これにより、成型加工が容易な薄型電波吸収材料を提供することが可能となる。また、これを複数枚重ね合わせることにより、電波吸収の効果を大きくすることができる。また、異なる周波数を吸収する電波吸収体を多層に重ねることで、広帯域の周波数の電磁波を吸収することが可能となる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、カーボンナノチューブを用いた電波吸収体を示したが、カーボンナノチューブの代わりに、他の炭素元素の線状構造体を適用することもできる。炭素元素の線状構造体としては、カーボンナノチューブのほか、カーボンナノワイヤ、カーボンロッド、カーボンファイバが挙げられる。これら線状構造体は、サイズが異なるほかは、カーボンナノチューブと同様である。
また、上記第1及び第2実施形態では、キャパシタ20の上部電極16上にカーボンナノチューブ22を形成したが、カーボンナノチューブ22は、必ずしも上部電極16上に形成する必要はない。キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22の配置は、図3の等価回路を実現できる範囲で、適宜変更することが可能である。
また、上記第2実施形態では、キャパシタ20及びカーボンナノチューブ22を支持する部材として樹脂層24を設け、基板10を除去しているが、必ずしも基板10を除去する必要はない。また、基板10上に、第2実施形態による電波吸収体を複数積層するようにしてもよい。
また、上記実施形態に記載の構成材料や製造条件は、当該記載に限定されるものではなく、目的等に応じて適宜変更が可能である。
また、電波吸収体の使用目的も、上記実施形態に記載のものに限定されるものではない。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 第1の電極と、前記第1の電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された第2の電極とを有するキャパシタと、
前記キャパシタの前記第2の電極上に形成された炭素元素の線状構造体の束とを有し、
吸収しようとする電磁波が伝搬する空間からみた入力インピーダンスが、前記空間の電波特性インピーダンスに整合するように、前記キャパシタの容量及び前記線状構造体の束の長さが調整されている
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記2) 付記1記載の電波吸収体において、
前記キャパシタ及び前記線状構造体の束は、基板上に形成されている
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記3) 付記1又は2記載の電波吸収体において、
前記キャパシタ及び前記線状構造体の束は、樹脂層内に埋め込まれている
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記4) 付記3記載の電波吸収体において、
前記キャパシタ及び前記線状構造体の束が埋め込まれた前記樹脂層を複数有し、
複数の前記樹脂層は、積層されている
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記5) 付記1乃至4のいずれか1項に記載の電波吸収体において、
前記キャパシタ及び前記線状構造体の束により形成された構造体を複数有し、
複数の前記構造体は、第1の周波数の電磁波を吸収する第1の構造体と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数の電磁波を吸収する第2の構造体とを含む
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記6) 付記1乃至5のいずれか1項に記載の電波吸収体において、
前記線状構造体の束に含まれる複数の前記線状構造体は、同一方向に配向している
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記7) 付記1乃至6のいずれか1項に記載の電波吸収体において、
前記線状構造体は、カーボンナノチューブである
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記8) 付記1乃至8のいずれか1項に記載の電波吸収体において、
前記キャパシタの前記第1の電極は、基準電位に接続されている
ことを特徴とする電波吸収体。
(付記9) 電磁波が生じる電磁波発生源と、
前記電磁波発生源上に形成され、第1の電極と、前記第1の電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された第2の電極とを有するキャパシタと、前記キャパシタの前記第2の電極上に形成された炭素元素の線状構造体の束とを有し、前記電磁波が伝搬する空間からみた入力インピーダンスが、前記空間の電波特性インピーダンスに整合するように、前記キャパシタの容量及び前記線状構造体の束の長さが調整された電波吸収体と
を有することを特徴とする電子機器。
10…基板
12a,16a…金属膜
12…下部電極
14a…絶縁膜
14…誘電体膜
16…上部電極
18…触媒金属膜
20…キャパシタ
22…カーボンナノチューブ
24…樹脂層

Claims (6)

  1. 第1の電極と、前記第1の電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された第2の電極とを有するキャパシタと、
    前記キャパシタの前記第2の電極上に形成された炭素元素の線状構造体の束とを有し、
    吸収しようとする電磁波が伝搬する空間からみた入力インピーダンスが、前記空間の電波特性インピーダンスに整合するように、前記キャパシタの容量及び前記線状構造体の束の長さが調整されている
    ことを特徴とする電波吸収体。
  2. 請求項1記載の電波吸収体において、
    前記キャパシタ及び前記線状構造体の束は、樹脂層内に埋め込まれている
    ことを特徴とする電波吸収体。
  3. 請求項2記載の電波吸収体において、
    前記キャパシタ及び前記線状構造体の束が埋め込まれた前記樹脂層を複数有し、
    複数の前記樹脂層は、積層されている
    ことを特徴とする電波吸収体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電波吸収体において、
    前記キャパシタ及び前記線状構造体の束により形成された構造体を複数有し、
    複数の前記構造体は、第1の周波数の電磁波を吸収する第1の構造体と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数の電磁波を吸収する第2の構造体とを含む
    ことを特徴とする電波吸収体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電波吸収体において、
    前記線状構造体は、カーボンナノチューブである
    ことを特徴とする電波吸収体。
  6. 電磁波が生じる電磁波発生源と、
    前記電磁波発生源上に形成され、第1の電極と、前記第1の電極上に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された第2の電極とを有するキャパシタと、前記キャパシタの前記第2の電極上に形成された炭素元素の線状構造体の束とを有し、前記電磁波が伝搬する空間からみた入力インピーダンスが、前記空間の電波特性インピーダンスに整合するように、前記キャパシタの容量及び前記線状構造体の束の長さが調整された電波吸収体と
    を有することを特徴とする電子機器。
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