JP5304300B2 - 車両制御装置、及び車両制御方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、運転操作に応じた目標制御量を再構成する際に、この再構成に伴う車両挙動の変化を運転者に認識させることである。
《構成》
図1は、車両の概略構成である。
車両は、駆動力発生源としての電動モータ3i(i=FL、FR、RL、RR)を備えており、各電動モータ3iの回転軸は、減速機4iを介して車輪2iに連結されている。電動モータ3iの出力特性、減速機4iの減速比、及び車輪2iの半径は、何れも同一である。電動モータ3iは、永久磁石をロータに埋め込んだ三相同期モータである。
ヨーレートセンサ8は、車両のヨーレートγを検出しコントローラ30へ入力する。加速度センサ29は、車両の前後加速度ax及び横加速度ayを検出しコントローラ30へ入力する。
コントローラ30は、マイクロコンピュータのほかにRAM/ROMなどの周辺部品を備えており、図2の車両制御処理を所定時間毎(例えば10msec毎)に実行する。
限界グリップ力検出部100は、各輪の摩擦円半径Fzi、及びモータ失陥状況に基づいて、各輪のグリップ力の限界を検出する。
先ず、各輪の摩擦円半径Fziは、特開平11−78843号公報、特開平10−114263号公報、特開2005−8062号公報、「The Predictive Nature of Pneumatic Trail:Tire Slip Angle and Peak Force Estimation using Steering Torque, AVEC 08」等に記載されているように、各輪の接地荷重や車輪速、及びセルフアライニングトルク等から推定する。
また、各輪のモータ失陥は、駆動回路でモニタリングした電流値などから推定する。
モータ失陥がなければ通常の摩擦円となるが、モータ失陥があると駆動できないので、制動のみ可能な半円となる。
図4は、理想量算出部200のブロック図である。
理想量算出部200は、静的理想量生算出201と、動的理想量算出部202と、理想ヨーモーメント算出203と、理想制駆動力算出部204と、を備える。
静的理想量算出部201では、ステアリング操作量、アクセル操作量、及びブレーキ操作量に応じて、理想前後力X00、理想横力Y00、及び理想ヨーレートM00を算出する。
先ず、図5のマップを参照し、アクセル操作量及び車速に応じて、車両の理想駆動力Xd00を算出する。このマップは、アクセル操作量が大きいほど、且つ車速が低いほど、理想駆動力Xd00が大きくなるように設定されている。車速は例えば車輪速Niの平均値とする。
また、下記(1)式に示すように、ブレーキ操作量Cbに応じて、車両の理想制動力Xb00を算出する。kbは予め設定した負の定数である。
Xb00=kb×Cb …………(1)
そして、理想駆動力Xd00と理想制動力Xb00との加算によって、車両の理想前後力X00を算出する。
また、図6のマップを参照し、ステアリング操作量Cs及び車速Vに応じて、車両の理想横力Y00を算出する。
また、静的には車両横力Y及び車両ヨーレートγには、下記(2)式の関係が成立する。mは車体重量である。
Y=m×V×γ
γ=Y/(mV) …………(2)
動的理想量算出部202では、理想前後力X00、及び理想横力Y00に、例えば車速Vに応じて決まる所定のフィルタ処理を実行することで、理想前後力X0、理想横力Y0を算出する。また、理想ヨーレートγ00から理想ヨー角加速度γ0′を算出する。
ヨーモーメントMとヨー角加速度γ′との関係は下記(3)式で表される。Izはヨー慣性である。
M=Iz×γ′ …………(3)
そこで、上記(3)式を用いて、理想ヨー角加速度γ0′から理想ヨーモーメントM0を算出する。
理想制駆動力算出部204では、理想車両挙動(理想前後力X0、理想横力Y0、理想ヨーモーメントM0)に応じて、各輪の理想制駆動力Fxiを算出する。例えば、特開2006−315661号公報に記載されているような車両モデルの逆モデルを使って算出する。
再構成制御部300では、各輪の理想制駆動力Fxiが限界グリップ力より小さいときには、理想制駆動力Fxiに応じて各電動モータ3iを駆動制御することで車両挙動を制御し、何れか一つでも理想制駆動力Fxiが限界グリップ力値より大きいときには、車両状況に応じて再構成することで、車両挙動を安定化させる。
ステップS101では、各輪のタイヤ横すべり角αiを推定する。ここで、タイヤ横すべり角αiを推定するのは、各輪のタイヤ横すべり角αiに応じて前後力の最大値が変化するからである。
車両重心点での横すべり角速度dβ/dtと、ヨーレートγと、車速Vと、車両重心点での横加速度ayとには下記(4)式の関係がある。
dβ/dt=(ay/V)−γ …………(4)
そして、下記(5)式に示すように、横すべり角β、及びヨーレートγに応じて、各輪の横すべり角αiを推定する。Lfは車両重心点から前輪車軸までの距離、Lrは車両重心点から後輪車軸までの距離、dTは前後輪トレッドである(前輪トレッドと後輪トレッドを同一とする)。
ブラッシュモデルと呼ばれるタイヤモデルを用いると、タイヤ前後力Fx、タイヤ摩擦円半径μFz、前後方向のタイヤすべり率σ、及びタイヤ横すべり角αの関係は下記(6)式、及び(7)式で表される(「自動車の運動と制御」安部正人、山海堂)。L、Kα、Ks、θはタイヤの特性で決まる定数である。
制動時(Fx<0)
[モータ失陥のないタイヤ]
駆動力最大値:FxMAXi
制動力最大値:−FxMAXi
[モータ失陥のあるタイヤ]
駆動力最大値:0
制動力最大値:−FxMAXi
F*i ← Fxi
続くステップS105では、下記に示すように、理想前後力X0、理想横力Y0、及び理想ヨーモーメントM0の夫々を、そのまま目標前後力X*、目標横力Y*、及び目標ヨーモーメントM*として設定してから所定のメインプログラムに復帰する。
Y* ← Y0
M* ← M0
ステップS200では、制駆動力配分の再構成を行ってから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS201では、制駆動力限界範囲内で、理想車両挙動(理想前後力X0、理想横力Y0、理想ヨーモーメントM0)を実現することのできる制駆動力配分の組合せを求める。例えば、特開2008−87500号公報で開示されているように、下記の要領で求める。
ここでは、先ず前述したブラッシュモデルにより、各輪において、前後力Fxi(L)、タイヤ摩擦円半径μFz、及びタイヤ横すべり角αに応じて、スリップ率σを算出する。
そして、同じくブラッシュモデルにより、タイヤスリップ率σ、タイヤ横力Fy、タイヤ横すべり角α、及びタイヤ摩擦円半径μFzの関係は、下記(8)式、及び(9)式で表される(「自動車の運動と制御」安部正人、山海堂)。
制動時(σ>0)
そして、下記(10)式に示すように、各輪タイヤ横力Fyi(L)、及び各輪制駆動力Fxi(L)に応じて、車両挙動(車両前後力X(L)、車両横力Y(L)、及び車両ヨーモーメントM(L))を算出する。δfは前輪舵角である。
X(L)=FxFL(L)cosδf+FxFR(L)cosδf+FxRL(L)+FxRR(L)
−FyFL(L)sinδf−FyFR(L)sinδf
Y(L)=FyFL(L)cosδf+FyFR(L)cosδf+FxRL(L)+FxRR(L)
+FxFL(L)sinδf+FxFR(L)sinδf
M(L)=Lf(FyFL(L)cosδf+FyFR(L)cosδf
+FxFL(L)sinδf+FxFR(L)sinδf)
−Lr(FxRL(L)+FxRR(L))
…………(10)
J(L)=Qx(X(L)−X0)2
+Qy(Y(L)−Y0)2
+Qm(M(L)−M0)2 …………(11)
そして、X=X0、Y=Y0、M=M0と見なせるほど、評価関数Jが閾値より小さくなる制駆動力配分の組合せがあれば、そのなかで評価関数Jが最小となる制駆動力配分の組合せを選出する。ここで選出された組合せを新たな理想制駆動力Fxi(S)とする。
ステップS203では、下記に示すように、選出された制駆動力Fxi(S)を目標制駆動力F*iとして設定する。
F*i ← Fxi(S)
続くステップS204では、下記に示すように、前後力X0、横力Y0、及びヨーモーメントM0の夫々を、目標前後力X*、目標横力Y*、及び目標ヨーモーメントM*として設定してから本サブルーチンを終了する。
X* ← X0
Y* ← Y0
M* ← M0
ステップS206では、加速時の再構成を行ってから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS207では、減速時の再構成を行ってから所定のメインプログラムに復帰する。
本サブルーチンは、先ず加速方向の理想前後力X0を減少補正し(最大で0まで)、それでも理想横力Y0や理想ヨーモーメントM0を実現できないときに、これら理想横力Y0及び理想ヨーモーメントM0をも減少補正するものである。
ステップS211では、理想前後力をX0からXrに減少補正した上で、理想横力Y0及び理想ヨーモーメントM0を実現することのできる制駆動力配分の組合せを求める。
Jy(L)=Qy(Y(L)−Y0)2+Qm(M(L)−M0)2 …………(12)
そして、Y=Y0、M=M0と見なせるほど、評価関数Jyが閾値より小さくなる制駆動力配分の組合せがあれば、その中でX(L)が最大となる制駆動力配分の組合せを選ぶ。ここで選出された組合せを新たな理想制駆動力Fxi(S)とする。
ステップS213では、下記に示すように、選出された制駆動力Fxi(S)を目標制駆動力F*iとして設定する。
F*i ← Fxi(S)
X* ← Xr
Y* ← Y0
M* ← M0
ここでは、前述した評価関数Jyを指標とし、この評価関数Jyが最小となり、且つX(L)がゼロとなる制駆動力配分の組合せを選出する。ここで選出された組合せを新たな理想制駆動力Fxi(S)とする。
続くステップS216では、下記に示すように、選出された制駆動力Fxi(S)を目標制駆動力F*iとして設定する。
F*i ← Fxi(S)
X* ← 0
Y* ← Y(S)
M* ← M(S)
本サブルーチンは、旋回方向が理想と逆転しない範囲で、理想前後力X0(減速)の実現を図るものである。
ステップS221では、理想横力Y0と同一方向の横力、及び理想ヨーモーメントM0と同一方向のヨーモーメントを実現することができ、且つ最も理想前後力X0に近い前後力を実現することのできる制駆動力配分の組合せを選出する。ここで選出された組合せを新たな理想制駆動力Fxi(S)とする。
続くステップS222では、下記に示すように、選出された制駆動力Fxi(S)を目標制駆動力F*iとして設定する。
F*i ← Fxi(S)
X* ← X(S)
Y* ← Y(S)
M* ← M(S)
反力制御部400では、先ず車速Vや運転操作量(アクセル操作量、ブレーキ操作量、ステアリング操作量)に応じて、各運転操作(アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作)に対する通常反力を算出する。また、反力補正量を算出し、通常反力と反力補正量との加算によって最終的な操作反力を算出し、この最終的な操作反力を各操作子(アクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイール)を介して運転者へ伝達する。
図12は、ブレーキ操作に対する反力補正量の算出に用いるマップである。
図13は、ステアリング操作に対する反力補正量の算出に用いるマップである。
先ず、加速指令がある場合(X0>0)、図11のマップを参照し、理想前後力X0と目標前後力X*との差分ΔX(=|X0−X*|)に応じて運転者のアクセル操作に対する反力補正量を算出する。このマップは、差分ΔXが大きい、つまり加速度減少量が大きいほど、通常反力に対する増加方向への反力補正量(正値)が大きくなるように設定されている。Raは反力補正量の立ち上がり量であり、官能評価により自由に設定すればよい。また、差分Xに応じて反力補正量を直線的に変化させているが、曲線的、又は段階的に変化させてもよい。
先ず、運転者の運転操作に応じて理想前後力X0、理想横力Y0、及び理想ヨーモーメントM0を算出し、これら理想車両挙動に応じて各輪の理想制駆動力Fxiを算出する。また、摩擦円理論、及びモータ失陥の有無に応じて、制駆動力を発生可能な限界範囲を算出する。
そして、各輪の理想制駆動力Fxiのうち、全てが限界範囲内であれば(ステップS103の判定が“Yes”)、そのまま理想制駆動力Fxiに応じて各輪の制駆動力を駆動制御する(ステップS104、S105)。一方、各輪の理想制駆動力Fxiのうち、一つでも限界範囲外となれば(ステップS103の判定が“No”)、理想制駆動力Fxiを再構成する、つまり全てが限界範囲内となる新たな理想駆動力Fxiの組合せを算出する(ステップS200)。
先ず、限界範囲内で理想車両挙動を実現できる新たな制駆動力配分を探し、幾らか見つかれば(ステップS202の判定が“Yes”)、評価関数Jが最小となる制駆動力配分を選出し、これを新たな理想制駆動力Fxi(S)として再設定し、この理想制駆動力Fxi(S)に応じて各輪の制駆動力を駆動制御する(ステップS203、S204)。一方、限界範囲内で理想車両挙動を実現できる制駆動力配分が存在しないときには(ステップS202の判定が“No”)、理想車両挙動の修正が余儀なくされる。
このように、再構成制御を実行することで、極力、当初の理想前後力X0、理想横力Y0、及び理想ヨーモーメントM0を実現することができる。
そこで、本実施形態では、再構成制御によって新たな理想制駆動力Fxi(S)によって達成される車両挙動と、当初の理想車両挙動(理想前後力X0、理想横力Y0、及び理想ヨーモーメントM0)との差を推定し、推定した差に応じて各種運転操作に対する操作反力を制御する。すなわち、推定した差が大きいほど、通常の操作反力を大きく補正する。このように、運転者へのインフォメーションとして操作反力を補正することで、車両挙動が変化する旨を運転者に認識させることができる。したがて、運転者に運転操作の修正を促すことができ、車両挙動を速やかに安定化させることができる。
このように、車両挙動に変化が現れる前に、車両挙動を安定化させる方向への操作反力が補正されるので、どの程度、車両の運動限界を超えた操作をしているかを運転者に認知させることができ、しかも最適な運転操作を促すことで速やかに車両挙動を安定化させることができる。
本実施形態では、運転操作子として、アクセルペダル23、ブレーキペダル24、及びステアリングホイール11を採用しているが、これに限定されるものではない。要は、運転操作に対する操作反力を制御できる構造であれば、ジョイスティック型のレバーなど、任意の運転操作子でよい。
本実施形態では、前輪2FL・2FRとステアリングホイール11とを機械的に連結した構成について説明したが、これに限定されるものではなく、双方を機械的に非連結状態にし、運転者のステアリング操作に応じて前輪舵角を制御するステアリングバイワイヤに適用してもよい。同様に、ブレーキペダル24とブレーキブースタや制動機構を機械的に非連結状態とし、運転者のブレーキ操作に応じて制動力を制御するブレーキバイワイヤに適用してもよい。
本実施形態では、4輪全ての制駆動力を制御しているが、これに限定されるものではなく、例えば前輪2輪の操舵角と駆動力とを制御してもよい。すなわち、操舵角、駆動力、制動力など、複数の異なる種類の制御対象を制御するものであっても本発明を適用できる。
以上より、アクセルペダル23、ブレーキペダル24、及びステアリングホイール11が「運転操作子」に対応し、反力制御部400が「反力制御手段」に対応する。また、静的理想量算出部201、動的理想量算出部202、及び理想ヨーモーメント算出部203が「目標車両挙動算出手段」に対応し、理想制駆動力算出部204が「目標制御量算出手段」に対応する。また、ステップS102の処理が「限界範囲算出手段」に対応し、ステップS102を除く図7〜図10の再構成制御処理が「再構成制御手段」に対応し、反力制御部400が「補正手段」に対応する。
このように、新たな目標制御量によって達成される車両挙動と目標車両挙動との差に応じて、運転操作に対する操作反力を制御することで、目標制駆動力の再構成に伴って車両挙動が変化することを運転者に認識させることができる。
このように、再構成制御を行う前後の車両挙動の差が大きいほど操作反力を大きく補正することで、どの程度、車両の運動限界を超えた操作をしているかを運転者に認知させることができる。また、適切な運転操作を運転者に促すことができるので、速やかに車両挙動を安定化させることもできる。さらに、車両挙動の変化が小さいところでの、運転操作のハンチングを防ぐこともできる。
このように、車両の前後加速度を減少方向に変更するときには、アクセル操作に対する操作反力を増加補正することで、どの程度、アクセル操作が過ぎているかを運転者に認知させることができ、速やかにアクセル操作を是正させることができる。
このように、車両の減速度を増加方向に変更するときには、ブレーキ操作に対する操作反力を減少補正することで、どの程度、ブレーキ操作が不足しているかを運転者に認知させることができ、速やかにブレーキ操作を是正させることができる。
このように、車両のヨーレート又は横加速度を減少方向に変更するときには、ステアリング操作に対する操作反力を増加補正することで、どの程度、ステアリング操作が大きすぎるか又は急すぎるかを運転者に認知させることができ、速やかにステアリング操作を是正させることができる。
このように、加速要求時には、車両のヨーレート又は横加速度の変更よりも、車両加速度の減少変更を優先することによって、車両挙動を安定させた状態で、理想の横運動に近づくことができる。
(7)前記再構成制御手段は、車両が減速状態にある場合には、車両減速度の変更よりも、車両のヨーレート又は横加速度の減少変更を優先することによって、減速度が抜けるような急低下を抑制することができる。
このように、新たな目標制御量によって達成される車両挙動と目標車両挙動との差に応じて、運転操作に対する操作反力を制御することで、目標制駆動力の再構成に伴って車両挙動が変化することを運転者に認識させることができる。
3FL〜3RR 電動モータ
8 ヨーレートセンサ
11 ステアリングホイール
13 アシストモータ
21 ステアリング操作量センサ
23 アクセルペダル
24 ブレーキペダル
25 反力モータ
26 反力モータ
27 アクセル操作量センサ
28 ブレーキ操作量センサ
29 加速度センサ
30 コントローラ
200 理想量算出部
201 静的理想量算出部
202 動的理想量算出部
203 理想ヨーモーメント
204 理想制駆動力算出部
300 再構成制御部
400 反力制御部
Claims (7)
- 運転者によって運転操作される運転操作子と、運転者の運転操作に応じて前記運転操作子に操作反力を付与する反力制御手段と、
運転者の運転操作に応じて目標車両挙動を算出する目標車両挙動算出手段と、該目標車両挙動算出手段が算出した目標車両挙動に応じて、複数の制御対象に対する夫々の目標制御量を算出する目標制御量算出手段と、該目標制御量算出手段が算出した目標制御量の夫々に対して限界範囲を算出する限界範囲算出手段と、
前記目標制御量算出手段が算出した目標制御量のうち、全てが前記限界範囲算出手段の算出した限界範囲内であれば、当該目標制御量に応じて前記制御対象を制御し、少なくとも一つが前記限界範囲算出手段の算出した限界範囲外であれば、全てが夫々の当該限界範囲内となる配分の新たな目標制御量を算出し、当該新たな目標制御量に応じて前記制御対象を制御する再構成制御手段と、
前記再構成制御手段が新たな目標制御量に応じて前記制御対象を制御する際に、当該新たな目標制御量によって達成される車両挙動と前記目標車両挙動との差に応じて前記操作反力を補正する補正手段と、を備え、
前記補正手段は、前記新たな目標制御量によって達成される車両挙動と前記目標車両挙動との差が大きいほど、前記操作反力を大きく補正することを特徴とする車両制御装置。 - 前記運転操作子は、アクセル操作子を含み、
前記反力制御手段は、運転者のアクセル操作に応じて前記アクセル操作子に操作反力を付与し、
前記補正手段は、前記目標車両挙動と比べて、前記新たな目標制御量によって達成される車両挙動が、車両前後方向の加速度を減少させる車両挙動であるときに、前記アクセル操作子に対する操作反力を増加補正することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記運転操作子は、ブレーキ操作子を含み、
前記反力制御手段は、運転者のブレーキ操作に応じて前記ブレーキ操作子に操作反力を付与し、
前記補正手段は、前記目標車両挙動と比べて、前記新たな目標制御量によって達成される車両挙動が、車両前後方向の減速度を増加させる車両挙動であるときに、前記ブレーキ操作子に対する操作反力を減少補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。 - 前記運転操作子は、ステアリング操作子を含み、
前記反力制御手段は、運転者のステアリング操作に応じて前記ステアリング操作子に操作反力を付与し、
前記補正手段は、前記目標車両挙動と比べて、前記新たな目標制御量によって達成される車両挙動が、車両のヨーレート又は横加速度を減少させる車両挙動であるときに、前記ステアリング操作子に対する操作反力を増加補正することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両制御装置。 - 前記再構成制御手段は、車両が加速状態にある場合には、車両のヨーレート又は横加速度を減少させるよりも、車両前後方向の加速度を減少させることを優先した車両挙動となるように、前記新たな目標制御量を算出することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両制御装置。
- 前記再構成制御手段は、車両が減速状態にある場合には、車両前後方向の減速度を減少させるよりも、車両のヨーレート又は横加速度を減少させることを優先した車両挙動となるように、前記新たな目標制御量を算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両制御装置。
- 運転者の運転操作に応じて目標車両挙動を算出し、算出した目標車両挙動に応じて、複数の制御対象に対する夫々の目標制御量を算出し、算出した目標制御量の夫々に対して限界範囲を算出し、
前記目標制御量のうち、全てが前記限界範囲内であれば、当該目標制御量に応じて前記制御対象を制御し、少なくとも一つが前記限界範囲外であれば、全てが夫々の当該限界範囲内となる配分の新たな目標制御量を算出し、当該新たな目標制御量に応じて前記制御対象を制御するものであって、
前記新たな目標制御量に応じて前記制御対象を制御する際に、当該新たな目標制御量によって達成される車両挙動と前記目標車両挙動との差に応じて、運転操作に対する操作反力を制御し、前記差が大きいほど、前記操作反力を大きくすることを特徴とする車両制御方法。
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