JP5303869B2 - Dc−dcコンバータ - Google Patents
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Description
図7は、従来のDC−DCコンバータの概略構成を示す図である(非特許文献1)。
図7において、DC−DCコンバータには、直流入力電源1に接続されたスイッチング回路2および負荷8に接続された整流回路100が設けられ、スイッチング回路2および整流回路100はトランス4を介して接続されている。ここで、トランス4には、1次巻線4aおよび2次巻線4bが設けられるとともに、2次巻線4bには漏れインダクタンス4c、4dが存在している。
そして、制御回路3にて生成されたゲート信号P1、P2はスイッチング素子2a、2bのゲートにそれぞれ印加され、スイッチング素子2a、2bを交互にオンすることにより、直流入力電源1から供給される直流を交流に変換する。そして、スイッチング回路2にて交流に変換された電圧はトランス4に送られ、トランス4の2次巻線4bには、トランス4の1次巻線4aに比例した電圧が印加されることで、トランス4にて電圧変換が行われる。そして、トランス4にて電圧変換された交流は整流回路100に送られ、トランス4の巻線電圧の極性に応じてスイッチング素子5a、5bのゲートを駆動することで、スイッチング回路2のゲート駆動タイミングに同期しながら整流動作が行われ、トランス4にて電圧変換された交流が直流に変換されて負荷8に供給される。
さらに、出力電圧の低いアプリケーションでは、スイッチング素子5a、5bに印加される電圧を適切なレベルにまで高めるために、スイッチング素子5a、5bのゲートを駆動するための巻線をトランス4に追加する必要がある。
図8において、図7の制御回路3の代わりに、スイッチング素子2a、2bのゲート信号P1、P2およびスイッチング素子5a、5bのゲート信号S1、S2を生成する制御回路3aが設けられるとともに、1次側と2次側とを絶縁する信号伝送回路9およびスイッチング素子5a、5bのゲートを駆動するゲート駆動回路10が追加されている。
図9において、図9の制御回路3aの代わりに、トランス4の1次巻線4aに流れる電流に基づいて、スイッチング素子2a、2bのゲート信号P1、P2およびスイッチング素子5a、5bのゲート信号S1、S2を制御する制御回路3aが設けられるとともに、トランス4の1次巻線4aに流れる電流を取り出す電流検出用トランス11およびトランス4の1次巻線4aに流れる電流を検出する検出回路12が追加されている。
図11において、1次側のスイッチング素子2a、2bのゲート信号P1、P2と、2次側のスイッチング素子5a、5bのゲート信号S1、S2との間には、デッドタイムt1、t2が設定されている。そして、ゲート信号P1、P2がオフ、ゲート信号S1、S2がオンの場合には、スイッチング素子5a、5bはともにオン状態であり、各スイッチング素子5a、5bのドレイン−ソース間抵抗に対して負荷電流が分流する。そして、ゲート信号S1がオフすると、スイッチング素子5aのダイオードD3が導通状態になり、そのダイオードD3とスイッチング素子5bのドレイン−ソース間抵抗に対して負荷電流が分流する。
次に、ゲート信号P1がオフすると、スイッチング素子5aのダイオードD3が導通状態になり、そのダイオードD3とスイッチング素子5bのドレイン−ソース間抵抗に対して負荷電流が分流する。以上、ゲート信号P1、S1のオン/オフ動作に対する挙動について説明したが、ゲート信号P2、S2のオン/オフ動作に対する挙動についても同様である。
図12において、軽負荷時には、ゲート信号P1がオンすると、スイッチング素子5aの電流は即座に正から負になり、スイッチング素子5aのダイオードD3は非導通になり、トランス印加電圧が表れる。
一方、重負荷時には、漏れインダクタンス4cの影響により、ゲート信号P1がオンしてから、スイッチング素子5aの電流が正から負になった上で、スイッチング素子5aのダイオードD3が非導通になるまでに遅れ期間t3が発生する。このため、固定で設定されたデッドタイムt1、t2以外にも、スイッチング素子5aのダイオードD3が導通するまでの遅れ期間t3が発生するため、損失の増加につながる。
一方、図9の1次側のスイッチング素子2a、2bが複数存在するハーフブリッジ回路を用いた場合、スイッチング素子2a、2bが同時にオンすると、入力が短絡し過大な短絡電流が流れることから、1次側のスイッチング素子2a、2bにもデッドタイムを設ける必要がある。そして、トランス4の電圧利用率を考慮すると、このデッドタイムは、スイッチング素子2a、2b間の短絡が発生しない最低限の時間であることが好ましい。
図10において、スイッチング回路2aには、スイッチング素子2a、2bおよびコンデンサ2eが設けられ、スイッチング素子2a、2bには、ダイオードD1、D2がそれぞれ逆並列接続された電界効果型トランジスタM1、M2がそれぞれ設けられている。また、トランス14には、1次巻線4eおよび2次巻線4bが設けられている。
そして、1次巻線4eの一端にはスイッチング素子2aが接続されるとともに、1次巻線4eの他端にはスイッチング素子2eが接続され、1次巻線4eの中間タップにはコンデンサ2eが接続されている。
このため、トランス4の電圧印加時間が短くなることから、トランス4の電圧利用率が低下し、トランス4の平均電圧が低下する。この結果、トランス4の巻数比を変更しなければならず、トランス4の2次電流の増加に起因して部品が大型化したり、電力損失が増加したりするという問題があった。
そこで、本発明の目的は、トランスの電圧利用率の低下を伴うことなく、2次側素子の電力損失を低減することが可能なDC−DCコンバータを提供することである。
図1は、本発明の第1実施形態に係るDC−DCコンバータの概略構成を示す図である。
図1において、DC−DCコンバータには、図9の構成に加え、可変遅延回路13が設けられている。ここで、可変遅延回路13は、検出回路12にて検出されたトランス4の1次巻線4aに流れる電流の増減に伴って、スイッチング素子5a、5bのゲート信号S1、S2の遅延時間を制御することにより、スイッチング素子5a、5bのオフタイミングを増減させることができる。
図2において、軽負荷時には、ゲート信号P1がオンすると、スイッチング素子5aの電流は即座に正から負になり、スイッチング素子5aのダイオードD3は非導通になることから、トランス印加電圧が早期に表れる。
一方、重負荷時には、漏れインダクタンス4cの影響により、ゲート信号P1がオンしてから、スイッチング素子5aの電流が正から負になった上で、スイッチング素子5aのダイオードD3が非導通になるまでに遅れ期間t3が発生することから、トランス印加電圧が表れるのが遅れる。
また、上述した第1実施形態では、トランス4の1次巻線4aに流れる電流の増減に伴って、スイッチング素子5a、5bのオフタイミングを増減させる方法について説明したが、負荷8に流れる電流の増減に応じた挙動を示すならば、トランス4の1次巻線4aに流れる電流以外の信号を用いるようにしてもよい。
図3において、DC−DCコンバータには、図8の構成に加え、マスク回路30、レベル判定回路31および電流検出器32、33が設けられている。ここで、電流検出器32、33は、スイッチング素子5a、5bのドレイン電流をそれぞれ検出することができる。なお、電流検出器32、33は、スイッチング素子5a、5bのソース電流をそれぞれ検出するようにしてもよい。レベル判定回路31は、電流検出器32、33にてそれぞれ検出された電流のレベルを判定することができる。マスク回路30は、電流検出器32、33にてそれぞれ検出された電流のレベルが閾値を下回る場合、スイッチング素子5a、5bをオフするようにゲート駆動回路10に指示することができる。
なお、レベル判定回路31はコンパレータ、マスク回路30はORゲートなどの論理回路、電流検出器32、33は電流検出トランスやシャント抵抗を用いることができる。
図4において、スイッチング素子5aのドレイン電流は電流検出器32にて検出され、レベル判定回路31に送られるとともに、制御回路3aから出力されたゲート信号S1は、信号伝送回路9を介してマスク回路30に送られる。そして、レベル判定回路31は、スイッチング素子5aのドレイン電流は閾値を下回るかどうかを判定し、スイッチング素子5aのドレイン電流が閾値を下回った場合、そのことをマスク回路30に通知する。
これにより、重負荷時においても、スイッチング素子5aのダイオードD3が導通する期間をt4に短縮することができ、トランス4の電圧利用率の低下を伴うことなく、2次側素子の電力損失を低減することが可能となる。
なお、図4の説明では、電流検出器32にて検出された電流のレベルに基づいて、スイッチング素子5aのオフタイミングを制御する方法について説明したが、電流検出器33にて検出された電流のレベルに基づいて、スイッチング素子5bのオフタイミングを制御する場合についても同様である。
図5において、DC−DCコンバータには、図8の構成に加え、マスク回路30および電流極性判別回路34、35が設けられている。ここで、電流極性判別回路34、35は、スイッチング素子5a、5bに流れる電流の極性を判別することができる。マスク回路30は、電流極性判別回路34、35にて判別された電流の極性反転に基づいて、スイッチング素子5a、5bをオフするようにゲート駆動回路10に指示することができる。具体的には、スイッチング素子5a、5bのソースからドレインに流れる電流の方向を正とすると、スイッチング素子5a、5bに流れる電流の極性が正から負に変化した時に、スイッチング素子5a、5bをオフするようにゲート駆動回路10に指示することができる。例えば、マスク回路30は、スイッチング素子2aのゲート信号P1がオンし、スイッチング素子5aに流れる電流の極性が正から負に切り替わる瞬間にスイッチング素子5aをオフさせることができる。
一方、スイッチング素子2a、2bのゲート信号P1、P2をオンしてから、スイッチング素子5a、5bのゲート信号S1、S2をオフするので、1次側のスイッチング素子2a、2bと2次側のスイッチング素子5a、5bが同時にオンする懸念があるが、スイッチング素子5a、5bにゲート信号S1、S2がそれぞれ入力されてからオンするまでの応答速度が速い場合には、これらのスイッチング素子の短絡による影響を少なくすることができる。
なお、DC−DCコンバータの1次側回路は、図7から図9に示したハーフブリッジ回路を用いる方法の他、図10のプッシュプル回路やフルブリッジ回路を用いるようにしてもよい。また、DC−DCコンバータの整流回路はカレントダブラを用いるようにしてもよい。
図6において、整流回路100aには、図1の整流回路100の平滑インダクタ6の代わりに平滑インダクタ6a、6bが設けられている。また、トランス24には、1次巻線4aおよび2次巻線4fが設けられている。そして、2次巻線4fの一端にはスイッチング素子5aおよび平滑インダクタ6aの一端が接続されるとともに、2次巻線4ef他端にはスイッチング素子5bおよび平滑インダクタ6bの一端が接続され、平滑インダクタ6a、6bの他端は互いに共通接続されている。
2 スイッチング回路
2a、2b、5a、5b スイッチング素子
D1〜D4 ダイオード
M1〜M4 電界効果型トランジスタ
2c、2d コンデンサ
3 制御回路
4、14、24 トランス
4a 1次巻線
4b、4f 2次巻線
4c、4d 漏れインダクタンス
6、6a、6b 平滑インダクタ
7 平滑コンデンサ
8 負荷
9 信号伝送回路
10 ゲート駆動回路
11 電流検出用トランス
12 検出回路
13 可変遅延回路
30 マスク回路
31 レベル判定回路
32、33 電流検出器
34、35 電流極性判別回路
100、100a 整流回路
Claims (2)
- 直流を交流に変換する直流/交流変換回路と、
同期整流方式にて交流を直流に変換する交流/直流変換回路と、
前記直流/交流変換回路から出力された交流を前記交流/直流変換回路に入力する漏れインダクタンスを含むトランスと、
前記直流/交流変換回路のスイッチング素子のスイッチング制御を行うとともに、前記交流/直流変換回路のスイッチング素子のスイッチング制御を行う制御回路と、
前記交流/直流変換回路に接続される負荷に流れる電流の増減に応じた挙動を示す前記交流/直流変換回路、または前記トランス内の電流のいずれかを検出する検出回路と、
前記検出回路にて検出された電流の増減に伴って、前記交流/直流変換回路のスイッチング素子のオフタイミングを増減させる可変遅延回路とを備え、
前記可変遅延回路が前記オフタイミングを増減させる時間は、前記交流/直流変換回路のスイッチング素子をオンしてから前記トランス印加電圧が発生するまでの前記漏れインダクタンスによる遅れ期間であることを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 直流を交流に変換する直流/交流変換回路と、
同期整流方式にて交流を直流に変換する交流/直流変換回路と、
前記直流/交流変換回路から出力された交流を前記交流/直流変換回路に入力するトランスと、
前記直流/交流変換回路のスイッチング素子のスイッチング制御を行うとともに、前記交流/直流変換回路のスイッチング素子のスイッチング制御を行う制御回路と、
前記交流/直流変換回路のスイッチング素子に流れる電流の極性を判別する電流極性判別回路と、
前記電流極性判別回路にて判別された電流の極性反転に基づいて、前記交流/直流変換回路のスイッチング素子をオフさせるマスク回路とを備え、
前記マスク回路は、前記極性反転の瞬間に前記交流/直流変換回路のスイッチング素子をオフさせることを特徴とするDC−DCコンバータ。
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