JP5303472B2 - 超音波診断装置と超音波探触子 - Google Patents

超音波診断装置と超音波探触子 Download PDF

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Description

本発明は、cMUT(capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)チップを用いた超音波探触子を用い、超音波画像を撮像する超音波診断装置に関するものである。
超音波診断装置は、被検体に超音波探触子を介して超音波を送信し、超音波探触子から出力される反射エコー信号に基づき超音波画像を撮像するものである。超音波探触子には、特許文献1に開示されるようなcMUTチップが近年採用されている。cMUTチップとは、半導体微細加工プロセスにより製造される超微細容量型超音波振動子であり、超音波送受信部から供給される駆動信号に重畳して印加されるバイアス電圧値に応じて電気機械結合係数が変化する特性を有する。
また、特許文献2に開示されるように、超音波探触子の振動子間の配列間隔、曲率、焦点及び口径の超音波探触子構成情報が超音波探触子内のメモリに記憶された超音波診断装置がある。
特開2006-20313号公報 特開昭63-154160号公報
しかしながら、上記特許文献1にはcMUTチップを用いた超音波探触子が、特許文献2には振動子の配列条件の情報を記憶するメモリを有する超音波探触子がそれぞれ記載されているに過ぎず、cMUTチップのコラプス状態による超音波探触子の感度低下について何ら問題提起されていない。
ここで、コラプス状態とは、印加されるバイアス電圧がある電圧になると、振動要素の膜体の中心部(上部電極を含む)が下部電極の表面に接触し、下部電極から上部電極に電荷の移動が起こり、電荷の移動の影響によって、振動要素すなわち超音波探触子の感度が低下する状態をいう。また、コラプス状態時の電荷の移動によって発生する電圧を特にコラプス電圧という。
本発明の目的は、超音波探触子の感度低下を抑制することが可能な超音波診断装置及び超音波探触子を提供することにある。
本発明の超音波診断装置は、次の構成要素を有している。
バイアス電圧供給部により供給されるバイアス電圧の大きさによって電気機械結合係数が変わる複数の振動要素を有する超音波探触子と、前記超音波探触子から受信される反射エコー信号に基づいて超音波画像を構成する超音波画像構成部と、前記超音波画像を表示する表示部と、を備えた超音波診断装置であって、前記複数の振動要素のコラプス電圧の平均値、中央値又は最小値の何れかの基準値に乗じる所定割合を可変設定する操作部と、前記所定割合と前記複数の振動要素のコラプス電圧の基準値を乗じて前記複数の振動要素に供給する前記バイアス電圧の大きさを演算する演算部と、前記演算されたバイアス電圧の大きさを記憶する記憶部と、前記記憶されたバイアス電圧の大きさにより前記バイアス電圧供給部に前記バイアス電圧を前記振動要素に供給させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、超音波探触子の感度低下を抑制することが可能な超音波診断装置及び超音波探触子を提供することができる。
本発明の全体構成を示す図。 本発明の超音波探触子の構成を示す図。 本発明の振動子の構成を示す図。 本発明の振動要素の構成を示す図。 本発明の振動要素の駆動状態を示す図。 本発明の振動要素のコラプス状態を示す図。 本発明の容量計測部と送信部の詳細を示す図。 本発明の第1の実施形態と第2の実施形態を示す図。 本発明の第3の実施形態を示す図。 本発明の第4の実施形態を示す図。 本発明の第5の実施形態を示す図。 本発明の第7の実施形態を示す図。 本発明の第8の実施形態を示す図。
符号の説明
1 超音波診断装置、2 超音波探触子、3 メモリ、4 送信部、5 演算部、6 バイアス電圧供給部、7 送受分離部、8 受信部、9 容量計測部、10 整相加算部、12 画像処理部、14 表示部、16 制御部、18 操作部
本発明を適用してなる超音波診断装置1及び超音波探触子2について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態における超音波診断装置1のブロック図である。
図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波探触子2と、メモリ3と、送信部4と、演算部5と、バイアス電圧供給部6と、送受分離部7と、受信部8と、容量計測部9と、整相加算部10と、画像処理部12と、表示部14と、制御部16と、操作部18とから構成されている。
超音波探触子2は、被検体に接触させて、被検体との間で超音波を送受波するものである。超音波探触子2から超音波が被検体に射出され、被検体から発生した反射エコー信号は、超音波探触子2により受波される。
送信部4及びバイアス電圧供給部6を用いて超音波探触子2に駆動信号を供給し、受信部8は超音波探触子2から出力される反射エコー信号を受信し、アナログディジタル変換などの処理が施される。送受分離部7は、超音波探触子2に供給する駆動信号と超音波探触子2から受信される反射エコー信号を適宜切替えて伝達している。
整相加算部10は、受信された反射エコー信号を整相加算する。画像処理部12は、整相加算された反射エコー信号に基づいて超音波画像(例えば、断層像、血流像等)を構成する。そして、表示部14は、画像処理された超音波画像を表示画面に表示する。制御部16は上述した各構成要素を制御するものであり、操作部18は制御部16に指示を与えるものであり、トラックボールやキーボード等からなる。超音波探触子2内に超音波探触子に関する情報(例えば、バイアス電圧、コラプス電圧)が記憶されているメモリ3が内蔵されている。
次に、超音波探触子2について図2を参照して詳細に説明する。図2は、超音波探触子2の斜視図である。図2に示すように、超音波探触子2は、複数の振動子20a〜20m(m:自然数)が短柵状に配列された1次元アレイ型のものである。ただし、2次元アレイ型、コンベックス型など他の形態のものを用いてもよい。振動子20a〜20mの背面側にバッキング層22が設けられるとともに、超音波射出側にマッチング層24が配設されている。マッチング層24の超音波射出側に音響レンズ26が設けられている。マッチング層24は、振動子20a〜20mと被検体の音響インピーダンスの整合させることにより、超音波の伝送効率を向上させるものである。なお、マッチング層24を用いない構成でもよい。
振動子20a〜20mは、送信部4及びバイアス電圧供給部6からの駆動信号を超音波に変換して被検体に超音波を送波する。そして、振動子20a〜20mは、被検体から発生した超音波を電気信号に変換して反射エコー信号として受波する。バッキング層22は、振動子20a〜20mから背面側に射出される超音波の伝搬を吸収し、余分な振動を抑制するものである。音響レンズ26は、振動子20a〜20mから送波される超音波ビームを収束させるものであり、1つの焦点距離に基づいて曲率が定められている。
ここで、振動子20a〜20m及び振動要素28について詳細に説明する。図3は、振動子20a〜20mの斜視図を示す。図3に示すように、振動子20aは、超音波探触子2の短軸方向(Y)に均等な複数の電気パターン、例えば3つの区分P1〜P3に分割されている。区分P1には、複数の振動要素28-1〜28-6が例えば6個並べて配設されている。そして、各振動要素28-1〜28-6には、駆動電極が共通に接続されている。同様に、区分P2に属する振動要素28-7〜28-12には、駆動電極が共通に接続されている。区分P3に並べられた振動要素28-13〜28-18には、駆動電極が共通に接続されている。
このような振動要素28-1〜28-18は、バイアス電圧供給部6によって印加されるバイアス電圧の大きさによって電気機械結合係数、すなわち送受信感度が変化するものであり、その電気機械結合係数に基づいて、送信部4から供給される駆動信号を超音波に変換して送波すると共に、受波した超音波を電気信号に変換して反射エコー信号として受波する電気・音響変換素子である。
図4は、振動要素28の構造を示す説明図である。振動要素28は、半導体プロセスによる微細加工により形成されたものであり、半導体基板40、枠体42、膜体44、上部電極46、下部電極48などから構成されている。枠体42は、半導体化合物(例えば酸化膜(PTEOS)や、窒化シリコン(SIN)など絶縁体)から形成されており、半導体基板40上の下部電極48の超音波射出側の面に載置されている。膜体44は、半導体化合物(例えば、酸化膜(PTEOS)や、窒化シリコン(SIN)など絶縁体))から形成されており、枠体42の超音波射出側の面に載置されている。また膜体44には上部電極46が設けられている。上部電極46と下部電極48は、駆動信号を供給する電源を含む送信部4と、直流のバイアス電圧(電界強度)を印加するバイアス電圧供給部6とに接続されている。また、枠体42と膜体44により区画された内部空間のギャップ50は真空状態、あるいは所定のガスが充填された状態にされている。なお、振動要素28は、例えばcMUT(capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer: IEEE Trans. Ultrason. Ferroelect. Freq. Contr. Vol45 pp. 678-690 May 1998)である。
振動要素28の動作について図5を用いて説明する。まず、振動要素28に上部電極46、下部電極48を介して直流のバイアス電圧(Va)がバイアス電圧供給部6によって印加される。バイアス電圧(Va)により上部電極46と下部電極48間に電界が発生する。発生した電界により膜体44が緊張することで電気機械結合係数
が kt 2aになる。この状態は、膜体44による弾性力とバイアス電圧によるクーロン力がつり合った状態である。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、電気機械結合係数( kt 2a)に基づいて膜体44が振動し、超音波が膜体44から射出される。
また、バイアス電圧(Va)に代えて、バイアス電圧(Vb)を振動要素28に印加する。この場合、電気機械結合係数は kt 2bになる。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、電気機械結合係数( kt 2b)に基づいて超音波が膜体44から射出される。なお、Va<Vbのとき、 kt 2a< kt 2bとなる。超音波を受波するときも同様に、被検体から発生した反射エコー信号により膜体44の振動が励起されることにより、内部空間48の容量が変化し、変化した内部空間48の変化量から電気信号が取得される。
すなわち、振動要素28の電気機械結合係数は、膜体44の緊張度により決められる。したがって、振動要素28に印加するバイアス電圧の大きさを変えることで膜体44の緊張度を制御すれば、同一振幅の駆動信号が入力されたときでも、振動要素28から射出される超音波の音圧(例えば振幅)を変化させることができる。
そして、バイアス電圧供給部6によって振動要素28に印加するバイアス電圧が大きくなると、バイアス電圧によるクーロン力が膜体44による弾性力を超える。そして、図6に示すように、バイアス電圧が大きくなるに伴って徐々に膜体44の中心部が大きく変形する。さらに、バイアス電圧がコラプス電圧と呼ばれる値を超えると、膜体44の中心部(上部電極46を含む)が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触する。この状態がコラプス状態である。そして、コラプス状態が長く継続した時に下部電極48と上部電極46の間の膜体44(絶縁体)へ電荷がわずかながらトラップ(移動)してしまう。次に振動要素28にバイアス電圧を印加した場合、下部電極48と上部電極46の間の膜体44へトラップされた電荷のためにコラプス状態以前より電界が小さくなるため電気機械結合係数が低下し、振動要素28から射出される超音波の音圧が小さくなってしまう。
そこで、予めコラプス電圧を計測し、コラプス電圧以下のバイアス電圧にて使用することが肝要である。
ここで第1の実施形態について図1〜8を用いて説明する。超音波探触子2の振動要素28のコラプス電圧を予め計測し、計測したコラプス電圧からバイアス電圧を演算し、演算したバイアス電圧を超音波探触子2内のメモリ3に記憶させておく。なお、バイアス電圧とは、コラプス電圧より低い電圧である。そして、超音波を送受信するとき、メモリ3からバイアス電圧をバイアス電圧供給部6に出力し、バイアス電圧供給部6はそのバイアス電圧を設定する。
第1の実施形態を具体的に説明する。振動子20a〜20m中のある1つの振動要素28のコラプス電圧を計測する。コラプス電圧を計測する振動要素28は、超音波送受信にほとんど影響しない、例えば振動子20a〜20mの端部に設置された振動要素28が適している。なお、本実施形態では、振動子20a〜20mの振動要素28は、ほぼ均一に構成されているものとする。
図7に示すように、送信部4は、各種送波波形データが記憶されているメモリ31と、メモリ31に接続され、メモリ31から読み出された送波波形データをアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換器(以下DAC)32と、DAC32に接続され、アナログ信号を増幅し、振動要素28から超音波を照射するための送信波形を生成するパルサ33とからなる。メモリ31は制御部16と接続されている。
振動要素28の容量値を計測する容量計測部9は、出力電流を計測する出力電流計測部35と、出力電圧を計測する出力電圧計測部36と、ベクトル演算部37とからなる。出力電流計測部35は、パルサ33の出力と振動要素28の間に配置され(図示省略)、送信波形の出力電流を計測する。出力電圧計測部36は、パルサ33とGND(図示省略)の基準電位間に配置され、送信波形の電圧を計測する。ベクトル演算部37には、出力電流計測部35と出力電圧計測部36の各出力が接続されており、電圧、電流の強度および、各位相関係によってインピーダンスやリアクタンスが求まる。ベクトル演算部37は、特にリアクタンス成分から振動要素28の容量値を演算して求める。なお、容量計測部9は、送信部4の回路と共通化することができる。
パルサ33は、低周波(10k〜1MHz)のsin波形信号を振動要素28へ出力する。バイアス電圧供給部6は振動要素28の上部電極46と、下部電極48間にバイアス電圧を変化させて印加する。振動要素28は、バイアス電圧の変化に応じて上部電極46と下部電極48間の電界強度すなわちクーロン力が変化して、膜体44による弾性力とつりあいによりギャップ50が変化する。このとき、出力電流計測部35と出力電圧計測部36によって検出された電流波形と電圧波形とを用いて、ベクトル演算部37は容量値を演算して求める。電流I(t)は、低周波のsin電圧V(t)よりほぼ90°位相進んでいる状態であるため、リアクタンス成分は、ほぼ容量値を示す状態である。よって、ベクトル演算部37は、そのリアクタンス成分に基づいて容量値を演算して求める。
演算部5は、バイアス電圧供給部6により振動要素28に印加したバイアス電圧と容量計測部9によって求めた容量値の関係をトレースしてCVカーブを抽出する。バイアス電圧供給部6の印加電圧を小さい値から次第に大きく変化させたとき、バイアス電圧の増加に応じて容量値が増加する。図8で示されるように、振動要素28のコラプス電圧(Vc)はCVカーブにて容量値の増加が止まる点で表される。
そして、演算部5は、抽出したCVカーブの波形を微分する。演算部5は、傾き(微分値)が正から負に変わる点をコラプス電圧(Vc)として計測する。このコラプス電圧(Vc)とは、膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触した状態のバイアス電圧である。
図8(a)に示すように、演算部5は、コラプス電圧(Vc)より低い、例えば70%の電圧をバイアス電圧(Vdc)として演算する。そして、演算部5は、演算したバイアス電圧(Vdc)をメモリ3に記憶させる。
超音波を送受信する際、メモリ3からバイアス電圧(Vdc)を読み出し、バイアス電圧供給部6のバイアス電圧(Vdc)を設定する。バイアス電圧供給部6はそのバイアス電圧(Vdc)を振動子20a〜20mのそれぞれの振動要素28に印加する。すなわち、全てのチャンネルの振動素子28に同じバイアス電圧(Vdc)が印加される。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、バイアス電圧(Vdc)による電気機械結合係数に基づいて超音波が膜体44から射出される。
本実施形態では、コラプス電圧(Vc)の70%の電圧がバイアス電圧(Vdc)として設定されたため、振動子20a〜20mの振動要素28においてコラプス電圧(Vc)に多少のばらつき(±10%程度)があった場合でも、それぞれの振動要素28がコラプス電圧(Vc)に達しない。なお、バイアス電圧供給部6はバイアス電圧(Vdc)以下のバイアス電圧を設定することもできる。
以上より、本実施形態では、バイアス電圧供給部6によって設定されるバイアス電圧がコラプス電圧に到達しないため、膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触することがない。よって、下部電極48から上部電極46へ電荷の移動が起こることがない。そのため、超音波探触子2の感度を保つことができる。
なお、本実施形態では、演算部5はコラプス電圧(Vc)の70%の値をバイアス電圧(Vdc)として演算したが、その値に限られない。操作部18は、図8(b)に示すように、コラプス電圧(Vc)の何%の値をバイアス電圧(Vdc)とするかを所定の範囲内で設定することができる。操作部18は、コラプス電圧(Vc)の70%〜90%の範囲内、例えば、80%、85%、90%の値がバイアス電圧(Vdc)となるよう、演算部5を設定することができる。
ここで第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と異なる点は、メモリ3にコラプス電圧を記憶させる点である。
超音波探触子2の振動要素28のコラプス電圧を予め計測し、そのコラプス電圧を超音波探触子2内のメモリ3に記憶させておく。そして、超音波を送受信するとき、メモリ3からコラプス電圧を出力し、演算部5は出力されたコラプス電圧以下となるバイアス電圧を演算し、バイアス電圧供給部6はバイアス電圧を設定する。
演算部5により、振動子20a〜20m中のある1つの振動要素28のコラプス電圧(Vc)を計測する。この計測方法は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。メモリ3は、バイアス電圧供給部6と演算部5によって抽出した振動要素28のコラプス電圧(Vc)を記憶する。
そして、超音波を送受信する際、演算部5は、メモリ3に記憶されたコラプス電圧(Vc)情報からバイアス電圧(Vdc)を演算する。図8(a)に示すように、演算部5は、コラプス電圧 (Vc)以下の例えば70%の値をバイアス電圧(Vdc)として演算する。
バイアス電圧供給部6はそのバイアス電圧(Vdc)を振動子20a〜20mのそれぞれの振動要素28に印加する。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、バイアス電圧(Vdc)による電気機械結合係数に基づいて超音波が膜体44から射出される。
本実施形態によれば、バイアス電圧供給部6によって設定されるバイアス電圧がコラプス電圧に到達することがないため、膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触することがない。よって、下部電極48と上部電極46間の膜体44へ電荷の移動が起こることがない。そのため、超音波探触子2の感度を保つことができる。
ここで第3の実施形態について図9を用いて説明する。第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点は、複数の振動要素28からコラプス電圧を求め、複数のコラプス電圧に基づいてバイアス電圧供給部6のバイアス電圧を設定する点である。
図9に示すように、演算部5により、例えば、振動子20a〜20mの中の3つの振動要素28においてCVカーブを抽出する。第1の振動要素については、破線60に示すような特性が得られる。第2の振動要素については、実線62に示すような特性が得られる。第3の振動要素については、一点鎖線64に示すような特性が得られる。
演算部5は、それぞれの振動要素28においてコラプス電圧(Vc1,Vc2,Vc3)を求める。この計測方法は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。演算部5は、コラプス電圧(Vc1,Vc2,Vc3)情報から、コラプス電圧(Vc1,Vc2,Vc3)の平均値(Vcav)を求める。そして、演算部5は、コラプス電圧の平均値(Vcav)からバイアス電圧(Vdc)を演算する。図9に示すように、演算部5は、コラプス電圧の平均値(Vcav)以下、例えば70%の値をバイアス電圧(Vdc)として演算する。メモリ3は、演算されたバイアス電圧を記憶する。
超音波を送受信する際、メモリ3からバイアス電圧(Vdc)を読み出し、バイアス電圧供給部6のバイアス電圧(Vdc)を設定する。バイアス電圧供給部6はそのバイアス電圧(Vdc)を振動子20a〜20mのそれぞれの振動要素28に印加する。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、バイアス電圧(Vdc)による電気機械結合係数に基づいて超音波が膜体44から射出される。
本実施形態では、複数の振動要素28におけるコラプス電圧の平均値(Vcav)以下、70%の値をバイアス電圧(Vdc)として設定した。よって、複数の振動要素28においてコラプス電圧 (Vc)が多少のばらついていても対応することができる。
また、演算部5は、これらの振動要素28のコラプス電圧(Vc1,Vc2,Vc3)から、コラプス電圧の平均値(Vcav)を求めたが、コラプス電圧の最小値(Vc1)に基づいてバイアス電圧(Vdc)を演算してもよい。例えば、演算部5は、コラプス電圧の最小値(Vc1)以下、70%の値をバイアス電圧(Vdc)として演算する。したがって、それぞれの振動要素28のバイアス電圧をコラプス電圧に到達させることなく、バイアス電圧供給部6においてバイアス電圧を設定することができる。
本実施形態によれば、バイアス電圧供給部6によって設定されるバイアス電圧がコラプス電圧に到達することがないため、膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触することがない。よって、下部電極48と上部電極46間の膜体44へ電荷の移動が起こることがない。そのため、超音波探触子2の感度を保つことができる。
なお、本実施形態では、振動子20a〜20mの中の3つの振動要素28におけるコラプス電圧(Vc1,Vc2,Vc3)を抽出し、バイアス電圧(Vdc)を求めたが、3つに限られない。例えば、振動子20a〜20mの中の5つの振動要素28におけるコラプス電圧(Vc1〜Vc5)を抽出し、バイアス電圧(Vdc)を求めてもよい。また、振動子20a〜20m毎に1つの振動要素28のコラプス電圧を抽出し、バイアス電圧(Vdc)を求めてもよい。上記選択については、操作部18で任意に選択することができる。また、本実施形態では、コラプス電圧の平均値で説明したが、コラプス電圧の中央値や、コラプス電圧の最小値など他の定義でバイアス電圧(Vdc)を抽出してもよい。
ここで第4の実施形態について図10を用いて説明する。第1の実施形態〜第3の実施形態と異なる点は、全ての振動要素28のコラプス電圧を求め、全てのコラプス電圧に基づいてバイアス電圧供給部6のバイアス電圧を設定する点である。
まず、演算部5により、振動子20a〜20mの全ての振動要素28においてCVカーブを抽出する。演算部5は、それぞれの振動要素28においてコラプス電圧を求める。この計測方法は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
演算部5は、これらのコラプス電圧(Vc)の頻度・度数を表すヒストグラムを求める。そして、演算部5は、求めたヒストグラムにおける、平均値や中央値(Vcav)を求める。そして、演算部5は、コラプス電圧(Vc)の平均値や中央値(Vcav)からバイアス電圧(Vdc)を演算する。図10に示すように、演算部5は、コラプス電圧の平均値や中央値(Vcav)以下、例えば70%の値をバイアス電圧(Vdc)として演算する。メモリ3は、演算されたバイアス電圧(Vdc)を記憶する。
超音波を送受信する際、メモリ3からバイアス電圧(Vdc)を読み出し、バイアス電圧供給部6のバイアス電圧(Vdc)を設定する。バイアス電圧供給部6はそのバイアス電圧(Vdc)を振動子20a〜20mのそれぞれの振動要素28に印加する。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、バイアス電圧(Vdc)による電気機械結合係数に基づいて超音波が膜体44から射出される。
また、演算部5は、全ての振動要素28のコラプス電圧(Vc)から、ヒストグラムの平均値や中央値(Vcav)を求めたが、ヒストグラムにおける最小値(Vc1)に基づいてバイアス電圧(Vdc)を演算してもよい。例えば、演算部5は、コラプス電圧の最小値(Vc1)の70%の値をバイアス電圧(Vdc)となるよう演算する。したがって、それぞれの振動要素28のバイアス電圧をコラプス電圧に到達させることなく、バイアス電圧供給部6においてバイアス電圧を設定することができる。
本実施形態によれば、全ての振動要素28において、バイアス電圧供給部6によって設定されるバイアス電圧がコラプス電圧に到達することがないため、膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触することがない。よって、下部電極48と上部電極46間の膜体44へ電荷の移動が起こることがない。そのため、超音波探触子2の感度を保つことができる。
ここで第5の実施形態について図11を用いて説明する。第1の実施形態〜第4の実施形態と異なる点は、経時的にコラプス電圧を計測し、メモリ3に記憶されているバイアス電圧又はコラプス電圧を更新する点である。
まず、第1の実施形態〜第4の実施形態に示すようにバイアス電圧又はコラプス電圧をメモリ3に記憶させておく。そして、メモリ3に記憶させた時から、例えば、1月又は1年経過した時に、再度、バイアス電圧供給部6と演算部5、容量計測部9により振動子20a〜20m中のある1つ振動要素28、又は複数の振動要素28、又は全ての振動要素28のコラプス電圧を計測する。ここでは、1月又は1年経過した時にコラプス電圧を計測したが、この期間については、操作部18で任意に設定することができる。
図11で示されるように、振動要素28のコラプス電圧(Vc)は、CVカーブにて容量の増加が止まる点で表される。実線CVカーブ80は過去の実測値であり、破線CVカーブ82は現在の実測値である。
演算部5は、実線CVカーブ80から抽出されたコラプス電圧(Vc1)以下のバイアス電圧(Vdc1)を演算する。メモリ3には、演算されたバイアス電圧(Vdc1)が記憶されている。そして、演算部5は、破線CVカーブ82から抽出されたコラプス電圧(Vc2)以下のバイアス電圧(Vdc2)を演算する。メモリ3は、演算されたバイアス電圧(Vdc2)をバイアス電圧(Vdc1)に置き換えて記憶する。
超音波を送受信する際、メモリ3からバイアス電圧(Vdc2)を読み出し、バイアス電圧供給部6のバイアス電圧(Vdc2)を設定する。バイアス電圧供給部6はそのバイアス電圧(Vdc2)を振動子20a〜20mのそれぞれの振動要素28に印加する。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、バイアス電圧(Vdc2)による電気機械結合係数に基づいて超音波が膜体44から射出される。
本実施形態によれば、振動要素28の経時劣化によるコラプス電圧の変化に対応してバイアス電圧を設定しているため、バイアス電圧がコラプス電圧に到達することがない。膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触することがなく、下部電極48と上部電極46の間の膜体44へ電荷の移動が起こることがない。そのため、超音波探触子2の感度を保つことができる。
なお、本実施形態では、1月又は1年経過した時にコラプス電圧を計測し、バイアス電圧を更新したが、例えば、500回の診断に1回の割合でコラプス電圧を計測し、メモリ3内のバイアス電圧を更新してもよい。
ここで第6の実施形態について説明する。第1の実施形態〜第5の実施形態と異なる点は、振動要素28の種類に応じてバイアス電圧を設定する点である。
振動要素28の径が大きい場合、膜体44の剛性が小さいためコラプス電圧(Vc)は低い。一方、振動要素28の径が小さい場合、膜体44の剛性が大きいためコラプス電圧(Vc)は高くなる。また、振動要素28のギャップ50が大きい場合、電界強度が小さいためコラプス電圧(Vc)は高い。一方、振動要素28のギャップ50が小さい場合、電界強度が高いためコラプス電圧(Vc)は低い。また、膜体44の誘電率などによってもコラプス電圧は変化する。このような特性があることから、振動要素28の構造や種類によって、コラプス電圧(Vc)が定め、バイアス電圧を設定する必要がある。
そこで、本実施形態では、超音波探触子2に搭載された振動要素28の種類(例えば、ギャップや径)に応じて、コラプス電圧(Vc)を計測する。この計測方法は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。演算部5は、振動要素28の種類に応じて計測したコラプス電圧(Vc)以下、例えば70%の電圧をバイアス電圧(Vdc)として演算する。そして、演算部5は、演算したバイアス電圧を振動要素28の種類の情報とともにメモリ3に記憶させる。
超音波を送受信する際、メモリ3から振動要素28の種類に応じたバイアス電圧(Vdc)を読み出し、バイアス電圧供給部6のバイアス電圧(Vdc)を設定する。バイアス電圧供給部6は、バイアス電圧(Vdc)と振動要素28の種類を対応させ、それぞれの振動要素28にバイアス電圧(Vdc)を印加する。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、バイアス電圧(Vdc)による電気機械結合係数に基づいて超音波が膜体44から射出される。
本実施形態によれば、振動要素28の種類によるコラプス電圧の変化に対応してバイアス電圧を設定しているため、バイアス電圧がコラプス電圧に到達することがない。膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触することがなく、下部電極48と上部電極46の間の膜体44へ電荷の移動が起こることがない。そのため、超音波探触子2の感度を保つことができる。
ここで第7の実施形態について図12を用いて説明する。第1の実施形態〜第6の実施形態と異なる点は、チャンネル毎にバイアス電圧に重みを設定する点である。
バイアス電圧供給部6は、演算部5によって求められたバイアス電圧(Vdc)に基づいて、チャンネル毎に異なるバイアス電圧を設定する。
まず、振動子20a〜20m中のある1つ振動要素28のコラプス電圧(Vc)を計測する。この計測方法は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。そして、演算部5は、コラプス電圧(Vc)以下、例えば70%の電圧をバイアス電圧(Vdc)として演算する。メモリ3はバイアス電圧(Vdc)を記憶している。
そして、バイアス電圧供給部6は、超音波探触子2の中央部のチャンネルのバイアス電圧(Vdc)の重みを大きくし、端部のチャンネルのバイアス電圧(Vdc)の重みを小さくする。具体的には、図12に示すように、バイアス電圧供給部6は、8チャンネルの振動要素28に付与するバイアス電圧を重み1とする。バイアス電圧供給部6は、4チャンネルと12チャンネルの振動要素28に付与するバイアス電圧を重み0.8とする。そして、バイアス電圧供給部6は、1チャンネルと16チャンネルの振動要素28に付与するバイアス電圧をほぼ重み0とする。
8チャンネルに適用されたバイアス電圧(Vdc)の重みが最も大きい。8チャンネル以外のチャンネルについては、8チャンネルに適用されたバイアス電圧(Vdc)以下のバイアス電圧が設定されることになる。よって、全てのチャンネルにおいての振動要素28のバイアス電圧をコラプス電圧に到達させることなく、バイアス電圧を設定することができる。膜体44の中心部が半導体基板40上の下部電極48の表面に接触することがなく、下部電極48と上部電極46の間の膜体44へ電荷の移動が起こることがない。そのため、超音波探触子2の感度を保つことができる。
また、バイアス電圧供給部6は、口径に応じて重みの分布を変化させることもできる。例えば、5チャンネル〜11チャンネルの口径で超音波を送受信したい場合、1〜4チャンネルと12〜16チャンネルの重みを0にする。つまり、バイアス電圧供給部6は超音波送受信に使用しないチャンネルの重みを0にする。
ここで第8の実施形態について図13を用いて説明する。第1の実施形態〜第7の実施形態と異なる点は、コラプス電圧(Vc)及びバイアス電圧(Vdc)を演算する演算部92を含む演算装置90を超音波診断装置1外に設けた点である。なお、第1の実施形態と重複する説明は省略する。
演算装置90は、コラプス電圧(Vc)及びバイアス電圧(Vdc)を演算する演算部92と、演算部92を操作する制御部94と操作部96とからなる。
演算部92は、バイアス電圧供給部6により振動要素28に印加するバイアス電圧と容量計測部9によって求めた容量値の関係をトレースしてCVカーブを抽出する。演算部92は、傾き(微分値)が正から負に変わる点をコラプス電圧(Vc)として計測する。図8(a)に示すように、演算部92は、コラプス電圧(Vc)以下、例えば70%の電圧をバイアス電圧(Vdc)として演算する。そして、演算部92は、演算したバイアス電圧(Vdc)をメモリ3に記憶させる。
製品出荷時などで一旦、バイアス電圧(Vdc)をメモリ3に記憶させたら、演算装置90(演算部92)と超音波探触子2及び超音波診断装置1内の構成要素との接続を解除する。このとき、メモリ3とバイアス電圧供給部6の接続状態は保たれている。
そして、超音波を送受信する際、メモリ3からバイアス電圧(Vdc)を読み出し、バイアス電圧供給部6のバイアス電圧(Vdc)を設定する。バイアス電圧供給部6はそのバイアス電圧(Vdc)を振動子20a〜20mのそれぞれの振動要素28に印加する。そして、膜体44に送信部4から駆動信号が供給されることにより、バイアス電圧(Vdc)による電気機械結合係数に基づいて超音波が膜体44から射出される。
以上より、本実施形態では、演算装置90が超音波診断装置1外に設けられ、製品出荷時には、超音波診断装置1と演算装置90との接続を解除されるため、安価な超音波診断装置1を提供することができる。
本実施形態例では、下部電極48と上部電極46の間の絶縁体を膜体44側へ設ける構造で説明したが、下部電極48上にも絶縁体を設けるなどでも実現できる。
以上、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (10)

  1. バイアス電圧供給部により供給されるバイアス電圧の大きさによって電気機械結合係数が変わる複数の振動要素を有する超音波探触子と、
    前記超音波探触子から受信される反射エコー信号に基づいて超音波画像を構成する超音波画像構成部と、
    前記超音波画像を表示する表示部と、
    を備えた超音波診断装置であって、
    前記複数の振動要素のコラプス電圧の平均値、中央値又は最小値の何れかの基準値に乗じる所定割合を可変設定する操作部と、
    前記所定割合と前記複数の振動要素のコラプス電圧の基準値を乗じて前記複数の振動要素に供給する前記バイアス電圧の大きさを演算する演算部と、
    前記演算されたバイアス電圧の大きさを記憶する記憶部と、
    前記記憶されたバイアス電圧の大きさにより前記バイアス電圧供給部に前記バイアス電圧を前記振動要素に供給させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記記憶部は、前記超音波探触子内に内蔵されたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記制御部は、前記振動要素のコラプス電圧の大きさ以下となるようなバイアス電圧の大きさを前記演算部に演算させ、前記演算されたバイアス電圧の大きさを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記制御部は、前記複数の振動要素毎に予め測定されたコラプス電圧以下となるように前記バイアス電圧の大きさを前記演算部に演算させ、前記演算されたバイアス電圧の大きさを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記制御部は、前記複数の振動要素のうちの全てのコラプス電圧以下の電圧の1つに基づいて前記バイアス電圧の大きさを前記演算部に演算させ、前記演算されたバイアス電圧の大きさを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 前記コラプス電圧を経時的に計測するコラプス電圧計測部を備え、
    前記制御部は、前記コラプス電圧計測部によって計測されたコラプス電圧以下となるよう前記バイアス電圧の大きさを前記演算部に演算させ、前記演算されたバイアス電圧の大きさを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 前記制御部は、前記振動要素の種類に応じて計測されたコラプス電圧以下となるように前記バイアス電圧の大きさを前記演算部に演算させ、前記演算されたバイアス電圧の大きさを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の振動要素で構成されるチャンネル毎に異なるバイアス電圧の大きさを前記演算部に演算させ、前記演算されたバイアス電圧の大きさを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  9. バイアス電圧供給部により供給されるバイアス電圧の大きさによって電気機械結合係数が変わる複数の振動要素を有する超音波探触子と、
    前記超音波探触子から受信される反射エコー信号に基づいて超音波画像を構成する超音波画像構成部と、
    前記超音波画像を表示する表示部と、
    を備えた超音波診断装置であって、
    前記複数の振動要素のコラプス電圧の平均値又は中央値又は最小値の何れかの基準値を記憶する記憶部と、
    前記複数の振動要素のコラプス電圧の基準値に乗じる所定割合を可変設定する操作部と、
    前記所定割合と前記複数の振動要素のコラプス電圧の基準値を乗じて前記複数の振動要素に供給する前記バイアス電圧の大きさを演算し、前記バイアス電圧の大きさにより前記バイアス電圧供給部に前記バイアス電圧を前記振動要素に供給させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  10. バイアス電圧供給部により供給されるバイアス電圧の大きさによって電気機械結合係数が変わる複数の振動要素を有する超音波探触子と、
    前記超音波探触子から受信される反射エコー信号に基づいて超音波画像を構成する超音波画像構成部と、
    前記超音波画像を表示する表示部と、
    を備えた超音波診断装置であって、
    前記超音波探触子の前記振動要素のコラプス電圧を計測する計測部と、
    前記複数の振動要素のコラプス電圧の平均値、中央値又は最小値の何れかの基準値に乗じる所定割合を可変設定する操作部と、
    前記所定割合と前記複数の振動要素のコラプス電圧の基準値を乗じて前記複数の振動要素に供給する前記バイアス電圧の大きさを演算する演算部と、
    前記演算されたバイアス電圧の大きさを記憶する記憶部と、
    前記バイアス電圧の大きさにより前記バイアス電圧供給部に前記バイアス電圧を前記振動要素に供給させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
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