JP5303411B2 - 摩擦式駆動装置および倒立振子型移動体 - Google Patents

摩擦式駆動装置および倒立振子型移動体 Download PDF

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Description

本発明は、摩擦式駆動装置および倒立振子型移動体に関し、特に、走行ユニットとして用いられる摩擦式駆動装置およびそれを用いた倒立振子型移動体に関する。
全方向移動体のための走行駆動装置として、環状体と前記環状体の環方向に複数個配置され各々自身の配置位置に於ける前記環状体の接線方向の軸線周りに回転可能なドリブンローラとを含む主輪と、前記主輪の軸線方向の左右両側に各々自身の中心軸線周りに回転可能に配置された左右のドライブディスクと、前記左右のドライブディスクの各々に当該ドライブディスクの中心軸線に対してねじれの関係をなす軸線周りに回転可能に配置され、外周面をもって前記ドリブンローラの外周面に接触する複数個のドライブローラとを有する摩擦式駆動装置がある(例えば、特許文献1)。
この摩擦式駆動装置は、一輪式の倒立振子型移動体の走行ユニット等として用いられ、左右のドライブディスクが倒立振子型移動体のフレームより回転可能に支持され、左右のドライブローラがドリブンローラを左右より挟むようにして主輪を回転(公転)可能に支持する。
この摩擦式駆動装置が用いられた倒立振子型移動体では、ドライブローラがドリブンローラに押し付けられ、ドライブローラとドリブンローラとの摩擦によってドライブディスクの回転がドライブローラよりドリブンローラに伝達され、左右のドライブディスクが互いに同方向に同速度で回転駆動された場合には、主輪が公転し、左右のドライブディスクが互いに異なる方向あるいは異なる速度で回転駆動された場合には、主輪が公転しつつドリブンローラが自転(環状体の接線方向の軸線周りに回転)あるいは主輪が公転せずドリブンローラが自転し、倒立振子制御によって起立した姿勢で、前後左右、斜めに、移動(走行)することができる。
国際公開2008/132779号パンフレット
上述の摩擦式駆動装置では、複数個のドライブローラを各々個別のブラケットに回転可能に取り付け、各ブラケットを個々にドライブディスクにねじ等によって固定している。この場合、各ブラケットのドライブディスクに対する組み付け精度は、作業者の熟練度に依存することになり、ドライブローラの配置精度を高度に保証することが難しい。このことは、摩擦式駆動装置の性能を低下させる原因になる。
また、従来の摩擦式駆動装置では、各ブラケットをドライブディスクに個々にねじ止めしているので、ねじ止めに時間がかかり、組立作業性、分解作業性が悪い。
本発明が解決しようとする課題は、ドライブローラをドライブディスクに取り付ける構成を工夫し、ドライブローラの配置精度を高度に保証し、併せて組立作業性、分解作業性を改善することである。
本発明による摩擦式駆動装置は、環状体と前記環状体の環方向に複数個配置され各々自身の配置位置に於ける前記環状体の接線方向の軸線周りに回転可能なドリブンローラとを含む主輪と、前記主輪の軸線方向の左右両側に各々自身の中心軸線周りに回転可能に配置され、外周部に外周部に自身の中心軸線を対称中心線とした回転対称の位置に複数個のディスク側嵌合凹凸部を形成された左右のドライブディスクと、前記ディスク側嵌合凹凸部の各々に個別に、径方向抜け止め状態でスライド嵌合するブラケット側嵌合凹凸部を底部に形成された複数個のローラブラケットと、前記ローラブラケットの各々に回転可能に取り付けられた複数個のドライブローラと、前記左右のドライブディスクを個々に当該ドライブディスクの中心軸線周りに回転駆動する左右の回転アクチュエータとを有し、前記複数個のディスク側嵌合凹凸部と、前記複数個のローラブラケットの前記ブラケット側嵌合凹凸部とは、互いの嵌合によって、前記ドライブローラが各々の配置位置において前記ドライブディスクの中心軸線に対して平行でも直交でもない一つの仮想面に沿った回転面を有する配置になるよう形成され、且つ全て前記ドライブディスクの軸線方向において同じ側から抜き差し可能で、前記ドライブディスクの軸線方向において抜き差し側とは反対の側においてスライド止めする形状に形成され、前記抜き差し側の前記ドライブディスクの一端面には前記ブラケット側嵌合凹凸部が前記ディスク側嵌合凹凸部より抜け出することを一斉に止める円環部材が着脱可能に固定されている。
本発明による摩擦式駆動装置は、好ましくは、前記円環部材は、内周面に雌ねじを形成され、前記ドライブディスクに形成された雄ねじにねじ係合する。
本発明による倒立振子型移動体は、走行ユニットとして、上述の発明による摩擦式駆動装置を含む。
本発明による摩擦式駆動装置によれば、各ドライブローラの配置がディスク側嵌合凹凸部とブラケット側嵌合凹凸部との嵌合によって決まるから、ドライブローラの配置精度が、組み付け時の作業者の熟練度に依らずに、ディスク側嵌合凹凸部とブラケット側嵌合凹凸部の機械加工精度により決まる。
また、円環部材によってブラケット側嵌合凹凸部がディスク側嵌合凹凸部より抜け出することが一斉に止められるので、複数個のローラブラケットを個々にドライブディスクにねじ止めする必要がなくなり、組立作業性、分解作業性が改善される。
本発明による摩擦式駆動装置を走行ユニットとして含む倒立振子型移動体の一つの実施例を示す斜視図。 本実施例による摩擦式駆動装置の縦断面図。 本実施例による摩擦式駆動装置の要部の側面図。 本実施例による摩擦式駆動装置の要部の斜視図。 本実施例による摩擦式駆動装置に用いられるローラブラケットの拡大側面図。
以下に、本発明による摩擦式駆動装置および倒立振子型移動体の実施例を、図1〜図5を参照して説明する。尚、上下、前後、左右の直交三次元座標軸を、移動体の移動方向に準じて図示のように定義する。
まず、図1を参照して本実施例による摩擦式駆動装置を走行ユニットとして含む倒立振子型移動体の全体構成について説明する。
倒立振子型移動体はコラム状のフレーム10を有する。フレーム10の下部には、後述する円環状部材24L、24Rと円筒状部材26L、26Rとによって、走行ユニット40(摩擦式駆動装置)と、左右のステップ14L、14Rとが取り付けられている。フレーム10の上部前側にはサドルアーム16によってサドル18が取り付けられている。
走行ユニット40は、一輪式のものであり、フレーム10に内蔵のジャイロスコープ、荷重センサ(図示省略)を用いた倒立振子制御のもとに、フレーム10を起立姿勢に保ち、一輪車として前後左右、斜めの全方向の走行を担う。
つぎに、本実施例による走行ユニット40(摩擦式駆動装置)の詳細を、図2〜図4を参照して説明する。
フレーム10は、下部に、左右方向に間隔をおいて互いに対向する左側壁片部12Lと右側壁片部12Rとを有する。左側壁片部12L、右側壁片部12Rには、各々、下部取付基部をなす円環状部材24L、24Rと、円筒状部材26L、26Rが固定装着されている。円環状部材24L、24Rには前述のステップ14L、14Rが固定されている。
走行ユニット40は、円筒状の左右のマウント部材42L、42Rを有する。左右のマウント部材42L、42Rは、各々、リング部材43L、43Rと共に、取付ボルト44によって円筒状部材26L、26Rに固定装着されている。左右のマウント部材42L、42Rは円筒状部材26L、26Rの内側に配置され、左右方向に延在する一つの中心軸線Aを共通の中心軸線としている。すなわち、左右のマウント部材42L、42Rは、中心軸線Aをもって互いに同心にフレーム10に固定されている。
左右のマウント部材42L、42Rはクロスローラ軸受46L、46Rのアウタレースを兼ねており、マウント部材42L、42Rの内側にはクロスローラ軸受46L、46Rのインナレース47L、47Rが回転自在に設けられている。クロスローラ軸受46L、46Rは、ラジアル荷重とアキシャル荷重(スラスト荷重)を受け持つことができるころがり軸受である。
インナレース47L、47Rには、ボルト45によって後述する波動歯車装置72L、72Rの内歯部材80L、80Rと共に左右のドライブディスク48L、48Rが固定連結されている。
左右のドライブディスク48L、48Rは、各々、円錐状部分481L、481Rを有して切頭円錐形状をなしていて、その切頭側で内歯部材80L、80Rを介してインナレース47L、47Rに固定され、中心軸線Aを回転中心として各々個別に回転可能になっている。
これにより、円環状部材24L、24Rならびにマウント部材42L、42Rは、左右のドライブディスク48L、48Rの円錐状部分481L、481Rの内側に配置されることになる。
ドライブディスク48L、48Rの円錐状部分481L、481Rの外周部には、各々、円周方向に等間隔をおいてドライブディスク48L、48Rの中心軸線を対称中心線として回転対称に複数個のローラブラケット50L、50Rが取り付けられている。ローラブラケット50L、50Rはローラ支持軸54L、54R(図5参照)によってドライブローラ56L、56Rを回転可能に支持している。
左右のドライブディスク48L、48Rにおける左右のドライブローラ56L、56Rの配置姿勢は、ローラ軸54L、54Rの軸線方向がドライブディスク48L、48Rの中心軸線に対して平行でも直交でもない一つの仮想面を直交する方向に延在していることにより、ドライブディスク48L、48Rの中心軸線に対して平行でも直交でもない一つの仮想面に平行な面に回転面を有する配置になる。
換言すると、左右のローラ軸54L、54Rは、左右対称の配置で、各々、中心軸線Aに対してねじれの関係をなす軸線方向に延在している。これにより、左右のローラ軸54L、54Rにより支持された左右のドライブローラ56L、56Rは、左右対称で、はすば歯車の歯すじと同様の傾斜配置になる。
ドライブディスク48L、48Rに対するローラブラケット50L、50Rの取付構造、ローラブラケット50L、50Rの構造については、詳しく後述する。
左右のドライブディスク48L、48Rは、各々、切頭側より軸線方向に互いに近付く方向に延出した円筒延長部483L、483Rを有する。円筒延長部483Lと483Rとは、クロスローラ軸受58によって相対回転可能に連結されている。クロスローラ軸受58は、ラジアル荷重とアキシャル荷重(スラスト荷重)を受け持つことができるころがり軸受であり、インナレースをもって一方の円筒延長部483Lの外周面に嵌合し、アウタレースをもって他方の円筒延長部483Rの内周面に嵌合している。クロスローラ軸受58のインナレースは円筒延長部483Lの外周にねじ締結された締結リング62によって円筒延長部483Lに軸線方向に固定され、クロスローラ軸受58のアウタレースは円筒延長部483Lの外周にねじ締結された締結リング60によって円筒延長部483Lに軸線方向に固定されている。
クロスローラ軸受58は、左右のドライブディスク48L、48Rを相対回転可能に連結する連結機構の主要部をなしており、上述の組み付けにより、左右のドライブディスク48L、48Rの径方向と軸線方向の双方の相対変位を規制(禁止)している。換言すると、クロスローラ軸受58は、左右のドライブディスク48L、48Rを、相対回転可能に同心に連結し、且つ互いに軸線方向に変位できないようにしている。
これにより、左右のドライブディスク48L、48Rの相互の同心精度が保証されると共に、左右のドライブディスク48L、48Rの軸線方向の離間量が所定値に不変設定される。
左右のインナレース47L、47Rの更の内側には、電動モータ64L、64Rが配置されている。左右の電動モータ64L、64Rは、ステータコイル(図示省略)等を内蔵したアウタハウジング66L、66Rをボルト68によって左右のマウント部材42L、42Rに固定されている。左右の電動モータ64L、64Rは、ともに中心軸線Aと同心配置で、軸線方向に互いに近付く方向に延出したロータ軸70L、70Rを有する。
ロータ軸70L、70Rの先端部には、左右の波動歯車装置72L、72Rのウェーブプラグ74L、74Rが固定連結されている。波動歯車装置72L、72Rは、周知の構造のものであり、左右の電動モータ64L、64Rと共に中心軸線Aと同心配置で、入力部材である楕円形輪郭をした高剛性のウェーブプラグ74L、74Rと、ウェーブプラグ74L、74Rの外周面に嵌め込み装着されたウェーブベアリング76L、76Rと、ウェーブベアリング76L、76Rの外周面に摩擦係合し外周面に外歯を有するフランジ付き薄肉円筒形状の可撓性外歯部材78L、78Rと、可撓性外歯部材78R、78Lの外歯と噛合する内歯を有する高剛性のリング形状の内歯部材80L、80Rとを有する。内歯部材80L、80Rは、出力部材であり、前述したようにボルト45によって左右のドライブディスク48L、48Rに固定連結されている。
これにより、左右の電動モータ64L、64Rの出力回転は、左右の波動歯車装置72L、72Rによって減速され、左右のドライブディスク48L、48Rに個別に伝達される。
左右のドライブディスク48L、48Rは、左右の複数個のドライブローラ56L、56Rによる円環状ローラ群によって左右両側より挟むようにして主輪84を中心軸線Aと同一あるいは近似の中心軸線上に支持している。換言すると、主輪84は、左右の複数個のドライブローラ56L、56Rによる円環状配置のローラ群によって左右両側より挟まれるようにして左右のドライブディスク48L、48Rより、中心軸線Aと同一あるいは近似の中心軸線上に無軸で支持され、自身の中心周りに回転(公転)可能になっている。
主輪84は、角柱体により構成された無端円環状の環状体86と、環状体86の外周に嵌合装着された複数個のインナスリーブ88と、各インナスリーブ88の外周にボール軸受90によって回転可能に取り付けられた複数のドリブンローラ92とにより構成されている。 ドリブンローラ92は、接地するローラであり、各々、ボール軸受90と嵌合する金属製円筒部92Aと、金属製円筒部92Aの外周に加硫接着されたゴム製円筒部92Bとにより構成されている。
ドリブンローラ92は、インナスリーブ88と共に環状体86の環方向(周方向)に複数個あり、自身の配置位置における環状体86の接線方向の軸線周りに回転(自転)可能になっている。
左右のドライブローラ56L、56Rは、外周面をもって主輪84の実質的な外周面をなすドリブンローラ92のゴム製円筒部92Bの外周面に接触し、摩擦によってドライブディスク48L、48Rの回転(推進力)をドリブンローラ92に伝達する。
ドリブンローラ92と左右のドライブローラ56L、56Rとの関係(個数)は、最下部分において接地しているドリブンローラ92には必ず少なくとも一組の左右のドライブローラ56L、56Rが接触し、ドライブローラ56L、56Rより、少なくとも接地状態にあるドリブンローラ92に常に推進力(回転力)が与えられる設定になっている。
左右のドライブローラ56L、56Rは、各々、主輪84の中心軸線(輪中心)周りの回転方向、より正確には、各ドライブローラ56L、56Rのドリブンローラ92との接触箇所における接線方向に対して、直交および平行の何れでもない方向に延在する中心軸線周りに回転自在に配置されている。
つまり、左右のドライブローラ56L、56Rは、各々、主輪84の中心軸線周りの回転方向(公転方向)に対して傾斜し、ドライブディスク48L、48Rの回転軸線に対してねじれの関係をなす回転軸線を有し、ドライブディスク48L、48Rの中心軸線に対して平行でも直交でもない一つの仮想面に沿った回転面を有する配置になっている。
換言すると、左右の各ドライブローラ56L、56Rの中心軸線は、ドリブンローラ92の中心軸相当の環状体86の半径線に対してある角度をもって傾いていると同時に、環状体86の中心線が接する仮想平面に対してある角度をもって傾いている。この三次元的な中心軸線の傾きにより、ドライブディスク48L、48Rにおけるドライブローラ56L、56Rの配置は、喩えると、ある角度の円錐面上に置かれた「はす歯傘歯車」の歯(歯すじ)の傾きに似ている。このことについて、より詳細な説明が必要ならば、国際公開2008/139740号パンフレットを参照されたい。
本実施例では、左右の電動モータ64L、64Rによって左右のドライブディスク48L、48Rの回転方向あるいは(および)回転速度を互いに違えると、ドライブディスク48L、48Rの回転力による円周(接線)方向の力に対し、この力に直交する向きの分力が左右のドライブローラ56L、56Rとドリブンローラ92との接触面に作用する。この分力により、ドリブンローラ92の外表面には、これを捩る力が作用し、ドリブンローラ92が自身の中心軸線周りに回転(自転)することになる。
このドリブンローラ92の回転は、左右のドライブディスク48L、48Rの回転速度差によって定まる。例えば、左右のドライブディスク48L、48Rを互いに同一速度で逆向きに回転させると、主輪84は全く公転せず、ドリブンローラ92の自転だけが生じる。これにより、主輪84には左右方向の走行力が加わることになり、倒立振子移動体は、左右方向に移動(真横移動)する。
これに対し、左右のドライブディスク48L、48Rの回転方向および回転速度が同一である場合には、ドリブンローラ92が自転することがなく、主輪84が公転し、倒立振子移動体10は、前進(直進)あるいは後進する。
このように、左右の電動モータ64L、64Rによって左右のドライブディスク48L、48Rの回転速度および回転方向を独立に制御することにより、倒立振子移動体は、路面上で全方向へ移動することができる。
上述の実施例では、左右のドライブディスク48L、48Rの駆動源である左右の電動モータ64L、64Rが、各々、左右のドライブディスク48L、48Rと同一軸線(中心軸線A)上に配置されているので、左右のドライブディスク48L、48Rと左右の電動モータ64L、64Rとを、一つの回転中心軸線上で、左右の波動歯車装置72L、72Rを介在させて駆動連結することができる。
これにより、左側の電動モータ64L、波動歯車装置72L、複数個のドライブローラ56Lを取り付けられたドライブディスク48Lと、右側の電動モータ64R、波動歯車装置72R、複数個のドライブローラ56Rを取り付けられたドライブディスク48Rとを、各々、一つの組立体(サブアッセンブリ)として構成することができる。
このサブアッセンブリ化により、左右のドライブディスク48L、48R、左右の電動モータ64L、64R、左右の波動歯車装置72L、72Rの下部フレーム10に対する取り付け、取り外しを一括して作業性よく行えるようになり、メンテナンス性が改善される。
本実施例では、更に、左右のドライブディスク48L、48がクロスローラ軸受58によって連結されていることにより、図4に示されているように、上述の左右のサブアッセンブリを単一ユニット化、つまり、左右の電動モータ64L、64R、波動歯車装置72L、72R、ドライブディスク48L、48Rの全体を一つの組立体として取り扱うことができ、走行ユニット40の下部フレーム10に対する取り付け、取り外しを一括して更に作業性よく行えるようになる。
これにより、電動モータ64L、64R、波動歯車装置72L、72Rを含む左右のドライブディスク48L、48Rの下部フレーム10に対する組み付け、取り外しの作業性がよくなる。
また、左右の電動モータ64L、64Rが左右のドライブディスク48L、48Rの中心部に同軸配置されることにより、電動モータ64L、64Rがドライブディスク48L、48Rより径方向外方に離れた位置に配置される場合に比して、電動モータ64L、64Rを含む駆動系の占有スペースを削減できる。
これにより、コンパクトな設計が可能になり、走行ユニット40の小型化を図ることができる。特に、左右の電動モータ64L、64Rが左右のドライブディスク48L、48Rの一つの半径方向で見て左右のドライブローラ56L、56Rと軸線方向に重複する部分を含んでいることにより、走行ユニット40(摩擦式駆動装置)の左右方向の幅寸法を小さくできる。
また、左右の電動モータ64L、64Rが左右のドライブディスク48L、48Rの中心部に同軸配置されることにより、コンパクトな減速装置である波動歯車装置を用いることができ、このことによっても、走行ユニット40(摩擦式駆動装置)の小型化が図られる。
つぎに、図3〜図5を参照してドライブディスク48L、48Rに対するローラブラケット50L、50Rの取付構造、ローラブラケット50L、50Rの構造について説明する。
左右のドライブディスク48L、48Rの円錐状部分481L、481Rの外周部には、円周方向に等間隔をおいてドライブディスク48L、48Rの中心軸線を対称中心線とした回転対称位置に各々ディスク側嵌合凹部30L、30Rが形成されている。
ディスク側嵌合凹部30L、30Rは、各々、リップ片部301L、301Rを有する鈎形横断面形状の凹溝で、ドライブディスク48L、48Rの中心軸線に対して平行でも直交でもない方向に直線状に延在している。換言すると、ディスク側嵌合凹部30L、30Rは、左右のドライブディスク48L、48Rにおいて左右対称で、はすば歯車の歯すじと同様の傾斜配置になる。
そして、ディスク側嵌合凹部30L、30Rは、全て長手方向の一方においてドライブディスク48L、48Rの同じ側の端面に開口し、この開口がブラケット抜き差し口302L、302Rになっている。ディスク側嵌合凹部30L、30Rの長手方向の他方は、壁によって塞がれ、スライド止め部303L、303Rになっている。
ローラブラケット50L、50Rは、図5に示されているように、上方開口のボックス型のものであり、ボックス内にドライブローラ56L、56Rを収容し、ローラ軸54L、54Rによってドライブローラ56L、56Rを回転可能に支持している。ローラブラケット50L、50Rの底部には、ディスク側嵌合凹部30L、30Rに抜き差し可能にスライド嵌合するブラケット側嵌合凸部32L、32Rが一体形成されている。
ブラケット側嵌合凸部32L、32Rは、ディスク側嵌合凹部30L、30Rの横断面形状と補形をなす鈎形の横断面形状の突条で、ローラ軸54L、54Rの中心軸線と90度のねじれの関係をなす方向に直線状に延在している。
ローラブラケット50L、50Rは、ブラケット側嵌合凸部32L、32Rを、ブラケット抜き差し口302L、302Rよりディスク側嵌合凹部30L、30Rに差し込まれことにより、径方向に抜け止め状態でドライブディスク48L、48Rに取り付けられる。
これにより、複数個のディスク側嵌合凹部30L、30Rと、複数個のブラケット側嵌合凸部32L、32Rとは、互いのスライド嵌合によって、ローラブラケット50L、50Rに支持されているドライブローラ56L、56Rを、各々の配置位置において、ドライブディスク48L、48Rの中心軸線に対して平行でも直交でもない一つの仮想面に沿った回転面を有する配置にすることになる。
この複数個のディスク側嵌合凹部30L、30Rと、複数個のブラケット側嵌合凸部32L、32Rとは、ブラケット抜き差し口302L、302Rがディスク側嵌合凹部30L、30Rの長手方向の同じ側にあることにより、全てドライブディスク48L、48Rの軸線方向において同じ側から抜き差し可能で、ドライブディスク48L、48Rの軸線方向において抜き差し側とは反対の側に、スライド止め形状として突き当たり壁(凹部を塞ぐ壁)によるスライド止め部303L、303Rがある。なお、ディスク側嵌合凹部30L、30Rは、ブラケット抜き差し口302L、302Rの側よりスライド止め部303L、303Rの側へ向かうに従ってドライブディスク48L、48Rの中心軸線に近付く方向に傾斜している。
ドライブディスク48L、48Rのブラケット抜き差し口302L、302Rの側の端部には円環部材34L、34Rが配置されている。円環部材34L、34Rは、内周面に雌ねじ341L、341Rを形成され、雌ねじ341L、341Rをもってドライブディスク48L、48Rの前記一端面の側に形成された雄ねじ484L、483Rにねじ係合することにより、ドライブディスク48L、48Rに着脱可能に固定される。円環部材34L、34Rには、ねじ回しのための工具係合孔342L、342Rがあけられている。
円環部材34L、34Rは、ドライブディスク48L、48Rに固定されることにより、複数個のブラケット抜き差し口302L、302Rを一斉に塞ぎ、ブラケット側嵌合凸部32L、32Rがディスク側嵌合凹部30L、30Rより抜け出することを一斉に止める。
ローラブラケット50L、50Rの取り付けは、円環部材34L、34Rを外した状態で、ブラケット側嵌合凸部32L、32Rをブラケット抜き差し口302L、302Rよりドライブディスク48L、48Rのディスク側嵌合凹部30L、30Rにスライド嵌合式に差し込むことにより行われる。全てのローラブラケット50L、50Rの差し込みが完了すれば、円環部材34L、34Rをドライブディスク48L、48Rにねじ締結する。
これにより、ブラケット側嵌合凸部32L、32Rがディスク側嵌合凹部30L、30Rより抜け出することが一斉に阻止され、ローラブラケット50L、50R、ついてはドライブローラ56L、56Rの取り付けが完了する。
上述の取付構造によれば、各ドライブローラ56L、56Rの配置がディスク側嵌合凹部30L、30Rとブラケット側嵌合凸部32L、32Rとの嵌合によって決まる。このため、ドライブローラ56L、56Rの配置精度は、組み付け時の作業者の熟練度に依らずに、ディスク側嵌合凹部30L、30Rとブラケット側嵌合凸部32L、32Rの機械加工精度により決まり、ばらつきのないものとすることができる。
また、ディスク側嵌合凹部30L、30Rが、左右のドライブディスク48L、48Rにおいて、はすば歯車の歯すじと同様の傾斜配置であることにより、所要のローラ配置姿勢を確保した上で、ドライブローラ56L、56Rを、ドライブディスク48L、48Rの円周廻りに高密度に配置することが可能になる。
このことは、最下部分において接地している後述の主輪84のドリブンローラ92には必ず少なくとも一組の左右のドライブローラ56L、56Rが接触し、ドライブローラ56L、56Rより少なくとも接地状態にあるドリブンローラ92に常に推進力(回転力)が与えられる設定にすることに大きく寄与する。
また、円環部材34L、34Rによってブラケット側嵌合凸部32L、32Rがディスク側嵌合凹部30L、30Rより抜け出することが一斉に止められるので、複数個のローラブラケット50L、50Rを個々にドライブディスク48L、48Rにねじ止めする必要がなくなり、組立作業性、分解作業性が改善される。
また、ディスク側嵌合凹部30L、30Rは、ブラケット抜き差し口302L、302Rの側よりスライド止め部303L、303Rの側へ向かうに従ってドライブディスク48L、48Rの中心軸線に近付く方向に傾斜しているので、逆傾斜である場合に比して、ドライブローラ56L、56Rに作用する荷重が円環部材34L、34Rにかからなくなり、ローラブラケット50L、50Rの取付強度の面で有利になる。
なお、上述の実施例では、ドライブディスク側が嵌合凹部に、ローラブラケット側が嵌合凸部になっているが、この凹凸嵌合の関係は、逆であってもよく、ドライブディスク側に嵌合凸部が、ローラブラケット側に嵌合凹部が形成されてもよい。また、この嵌合凹凸部の断面形状は、凹部側が片側にのみリップ部がある溝形状、凸部側が鈎形状であることに限られることはなく、凹部側が両側にリップ部がある溝形状、凸部側が上下反転のT形状や、アリ溝係合等、径方向に抜け出すことがない係合によるものであればよい。
また、スライド止め形状は、凹部を塞ぐ突き当たり壁によるものに限られることはなく、溝底部に形成された突起等であってもよい。
10 フレーム
14L、14R ステップ
18 サドル
30L、30R ディスク側嵌合凹部
32L、32R ブラケット側嵌合凸部
40 走行ユニット
42L、42R マウント部材
47L、47R 側壁部
48L、48R ドライブディスク
50L、50R ローラブラケット
54L、54R ローラ軸
56L、56R ドライブローラ
64L、64R 電動モータ
72L、72R 波動歯車装置
84 主輪
86 環状体
92 ドリブンローラ

Claims (3)

  1. 環状体と前記環状体の環方向に複数個配置され各々自身の配置位置に於ける前記環状体の接線方向の軸線周りに回転可能なドリブンローラとを含む主輪と、
    前記主輪の軸線方向の左右両側に各々自身の中心軸線周りに回転可能に配置され、外周部に自身の中心軸線を対称中心線とした回転対称の位置に複数個のディスク側嵌合凹凸部を形成された左右のドライブディスクと、
    前記ディスク側嵌合凹凸部の各々に個別に、径方向抜け止め状態でスライド嵌合するブラケット側嵌合凹凸部を底部に形成された複数個のローラブラケットと、
    前記ローラブラケットの各々に回転可能に取り付けられた複数個のドライブローラと、
    前記左右のドライブディスクを個々に当該ドライブディスクの中心軸線周りに回転駆動する左右の回転アクチュエータとを有し、
    前記複数個のディスク側嵌合凹凸部と、前記複数個のローラブラケットの前記ブラケット側嵌合凹凸部とは、互いの嵌合によって、前記ドライブローラが各々の配置位置において前記ドライブディスクの中心軸線に対して平行でも直交でもない一つの仮想面に沿った回転面を有する配置になるよう形成され、且つ全て前記ドライブディスクの軸線方向において同じ側から抜き差し可能で、前記ドライブディスクの軸線方向において抜き差し側とは反対の側においてスライド止めする形状に形成され、
    前記抜き差し側の前記ドライブディスクの一端面には前記ブラケット側嵌合凹凸部が前記ディスク側嵌合凹凸部より抜け出することを一斉に止める円環部材が着脱可能に固定されている摩擦式駆動装置。
  2. 前記円環部材は、内周面に雌ねじを形成され、前記ドライブディスクに形成された雄ねじにねじ係合する請求項1に記載の摩擦式駆動装置。
  3. 走行ユニットとして、請求項1または2に記載の摩擦式駆動装置を含む倒立振子型移動体。
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