JP5303410B2 - ミシンの給油装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ミシンの給油装置に関するものであり、詳しくは、ミシンのフレームから一部が突出して摺動する部材へ潤滑油を供給するための、ミシンの給油装置に関する。
オーバーロックミシンの針棒や上ルーパ台など、ミシンのフレームから一部が突出して摺動する部材からの油漏れを防止するために、フレーム内を油溜めを備えた第1の密閉室と上記部材の基部が収容される第2の密閉室に区分する構造が従来より知られている(例えば、文献1参照)。文献1は上述の従来技術をオーバーロックミシンの針棒機構に適用したものであり、フレームの一部を構成するベッドと一体に形成されるとともに油溜めを備えた第1の密閉室にはトロコイドポンプが設置され、主軸により駆動させてミシン内部へ潤滑油を循環させるようにしてある。
一方で、第2の密閉室には針棒の基部が収容されるとともに、第1の密閉室から導入される給油管が針棒の近傍で開口するようにされている。そして、前記給油管は第1の密閉室内に飛散する潤滑油を桶状に受け、第2の密閉室内に自然流下させて針棒に導くようにしている。
また、前記した針棒給油室など給油が必要な箇所に適量の潤滑油を供給する手段として、ミシンの主軸とは非連動に作動する油供給装置をタンク(油溜め)に接続し、当該油供給装置から供給される潤滑油を中空の筒体に導入するとともに、筒体内で往復移動可能なピストンを駆動手段で動作させ、筒体の排出口から霧状の潤滑油を発生させるようにしたものが、従来より知られている(例えば、特許文献2参照)。
実公平6−10955号公報(第4−5頁) 特開平11−57269号公報(第1図)
ところが、文献1に開示される従来技術においては、第2の密閉室への給油は第1の密閉室に飛散する潤滑油を給油管により桶状に受け導くことでされるため、その給油量はミシンの個体差や回転数(速度)により不安定である。したがって針棒の焼き付きや磨耗を防止するために、第2の密閉室への給油量は真に必要な量よりも大きめに設定せざるを得ず、結果として油漏れが生じやすくなり、アーム(フレーム)外に排油手段を別途設ける必要があった。
上記の問題を解決するために、例えばトロコイドポンプの吐出口から前記給油管までをチューブなどで接続するようにした場合、トロコイドポンプはミシン内部全体の給油をまかなうため、その給油量は非常に大きく、所望する微量の潤滑油を第2の密閉室へ導くことは極めて困難である。
文献2に開示される従来技術を適用すれば、第2の密閉室へ必要量の潤滑油を供給可能となるが、文献2に開示される給油装置は複雑かつ大がかりなものであり、コスト高を招くとともに、ミシン内部に収容できないという問題がある。
したがって、本発明の課題は、簡素な構成でミシン内部に搭載可能でありながら、第2の密閉室に必要とされる微量の潤滑油を安定して供給することのできるミシンの給油装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のミシンの給油装置は、油溜めと連通してミシンのフレーム内に形成される第1の密閉室と、フレームに回動可能に支持される主軸と、主軸の回動に連動して作動する第1ポンプと、第1ポンプの作動により油溜めの潤滑油を第1の密閉室に供給するミシンの給油装置において、第1ポンプに連動して作動する第2ポンプが第1ポンプに隣接して配置され、
第2ポンプは、潤滑油を収容可能な油収容室と、油収容室に潤滑油を導入する導油孔と、油収容室から潤滑油を排出する噴油孔と、
第1ポンプに連動して一端が油収容室に進退するピンとを備え、油収容室で進退するピンによる油収容室の容積変化により、導油孔による潤滑油の導入と、噴油孔による潤滑油の排出を行い、噴油孔より排出した潤滑油を第1の密閉室と区分される第2の密閉室に供給することを特徴とする。
なお、前記第2の密閉室に収容される摺動部材の表面には特殊表面処理が施されているとよい。
本発明によれば、第2の密閉室内に微量の潤滑油を安定供給できる第2ポンプを、非常に簡素かつコンパクトに構成でき、ミシン内部に搭載できる。
また、第2の密閉室に収容される摺動部材の表面に特殊表面処理が施されることにより、当該摺動部材の磨耗、焼き付きを防止できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用したオーバーロックミシンを一部破断して示した正面図である。図2は、図1のミシンの給油装置の要部を左側面から見た部分破断図である。なお、図1においては、第2の密閉室20の前面に設けられるカバー8を省略し、内部機構を表示するようにしてある。
油溜め3と連通してフレーム1内に形成される第1の密閉室4には、主軸2が水平に配置され、フレーム1に回動可能に支持されている。フレーム1の前方には、第2の密閉室20が第1の密閉室4と区分されて連設され、第2の密閉室20の前面はカバー8で覆われている。主軸2は図示しない公知の上ルーパ駆動機構を介して、上ルーパ軸9に連結される。上ルーパ軸9は水平かつ主軸2と直交して配置され、フレーム1に軸周りの揺動可能に支持されている。上ルーパ軸9の一端は第2の密閉室20に突出している。レバー11は第2の密閉室20内に配置され、その基端が前記上ルーパ軸9の一端にボルト28で固定されるとともに、先端は上ルーパ台14の二股部14aと連結ピン12を介して互いに回動可能に連結されている。連結ピン12は両端が開口する中空状で、その中空内部には油芯56が挿入されている。
上ルーパ土台17はフレーム1前面、第2の密閉室20上方に配置され、ネジ18,18でフレーム1に固定されている。上ルーパ土台17には前後に貫通する横穴17aおよび当該横穴17aに直交して上下に貫通する縦穴17bが形成されており、横穴17aには円筒形状の上ルーパ台案内16が軸周りの揺動可能に嵌挿されている。そして、図2,図7に示すように、上ルーパ土台17および上ルーパ台案内16の前面には上ルーパ土台カバー19が取り付けられている。図7に示すように、上ルーパ台案内16には、上ルーパ台用貫通孔16aおよび油芯挿入孔16bが形成されており、油芯57が油芯挿入孔16bに挿入されている。上ルーパ台14の軸部14bは、上ルーパ土台17の縦穴17b、上ルーパ台案内16の上ルーパ台用貫通孔16a、油芯57を貫通し、上ルーパ台案内用貫通孔16aの上端より突出している。上ルーパ台14の上端には上ルーパ15が取り付けられている。
なお、摺動する上ルーパ台14および上ルーパ台案内16の耐磨耗,耐焼き付き性を向上させるために、上ルーパ台14の軸部14bおよび上ルーパ台案内16の外周面には窒化チタン等のセラミクス被膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)被膜等が形成されているのが望ましい。本実施例においては、上ルーパ台14の軸部14bおよび上ルーパ台案内16の外周面にCr層、Cr−WC傾斜合金層、W含有DLC層の順に積層してなるDLC被膜が形成させてある。
上述した構成により、主軸2の回動に連動して上ルーパ軸9が軸周りに揺動すると、上ルーパ軸9に固定されたレバー11は上下動し、レバー11に連結された上ルーパ台14は上ルーパ台案内16の揺動に伴って傾動しつつ、上ルーパ台用貫通孔16aに案内されて昇降する。
図1,図2に示すように、第1ウォーム7が主軸2にネジ44で固定されている。第1ポンプ5は公知のトロコイドポンプであり、ボディを形成する第1ケーシング6の取付け部6aはフレーム1に固定されている。第1ポンプ軸26は軸周りの回動可能に第1ケーシング6に支持されており、上部が第1ケーシング6より突出している。第1ウォームホイール25は第1ポンプ軸26の上部に形成された当たり面26aにネジ41で固定されているとともに、第1ウォーム7と係合している。主軸2の回動に連動して第1ウォーム7,第1ウォームホイール25,第1ポンプ軸26が回動すると、公知のポンプ作用により、油溜め3の潤滑油は第1ポンプ5に取り込まれ、吐出孔29より排出され、第1の密閉室4内に供給される。
次に、第2ポンプ機構Pについて、図1乃至図6に基づいて説明する。第2ウォーム27は第1ポンプ5の第1ポンプ軸26に取り付けられ、第1ケーシング6の上部かつ第1ウォームホイール25の下部に位置づけられている。第1ポンプ軸26には第1ポンプ軸26の軸心を通りかつ軸線に直交して両端が開口する係合ピン用貫通穴26bが形成されており、係合ピン用貫通穴26bには円筒状の係合ピン45が両端を第1ポンプ軸26の外周面より突出するように嵌挿されている。一方、第2ウォーム27には第1ポンプ軸26と同径の軸用貫通穴27aおよび軸用貫通穴27aに併設され係合ピン45が係合する係合ピン用キー溝27bとが上下に貫通して形成されており、第2ウォーム27は係合ピン用キー溝27bと係合ピン45が係合した状態で第1ポンプ軸26に嵌挿されている。つまり、第2ウォーム27は水平回転方向において第1ポンプ軸26に固定されている。
第2ポンプ30のボディを形成する第2ケーシング32は、第1ポンプ軸26の左方において、第1ケーシング6にネジ23,23で固定されている。第2ケーシング32は第1ケーシング6よりも大きさが小にして、第1ポンプ5に隣接配置可能となっている。貫通穴49は第2ケーシング32を水平方向に貫通して形成されている。第2ポンプ軸31は両端が貫通穴49の開口より突出して軸周りの回動可能に挿通されており、その一端には第2ウォームホイール34が第2ウォーム27と係合した状態でネジ42で固定され、他端にはカラー33がネジ43で固定され第2ポンプ軸31の軸線方向の移動を規制している。図6に示すように、第2ポンプ軸31の外周面の一部には偏心部55が形成されている。偏心部55には第2ポンプ軸31の周回方向に沿って幅dの溝からなる溝部55aが形成されている。図6(b)に示すように、溝部55aを周回方向に切り取った断面で見ると、溝部55aの底面は始点55asから終点55aeに至る連続的な曲線状となっている。溝部55aは第2ケーシング32に嵌挿されて、該第2ケーシング32内に取り込まれる潤滑油を収容する容積がVなる油収容室60を形成している。
図4,図5に示すように、第2ケーシング32には導油孔46,排出孔47,ピン用貫通穴48,噴油孔50が設けられている。排出孔47は一端が第2ケーシング32の導油孔46に開口し、他端が第2ケーシング32の傾斜面32bに開口している。導油孔46は一端が第2ケーシング32の貫通穴49に開口し、他端は第2ケーシング32の後方垂直面32aに開口している。継手51は導油孔46の上記他端に螺合されている。チューブ状の導油管35は第1ポンプ5の吐出孔29から排出された潤滑油の一部が導かれるようにしてあり、その一端は継手51に接続されている。つまり、主軸2の回動に連動して第1ポンプ5より排出された潤滑油の一部が継手51の通孔51a、導油孔46を通じて第2ケーシング32の貫通穴49および該貫通穴49に嵌挿される第2ポンプ軸31に導かれるようにしてある。第2ポンプ30の第2ケーシング32内に導かれる潤滑油のうち過剰分は排出孔47の上記他端を通じて第2ケーシング32の外に排出されるが、その際、潤滑油に混在する微小な塵等も併せて排出される。
ピン用貫通穴48は、排出孔47の手前に位置され、一端が第2ケーシング32の貫通穴49に開口し、他端が第2ケーシング32の上面32cに開口している。ピン37はピン用貫通穴48に上下動可能に挿通されている。ピン37の直径は第2ポンプ軸31に形成された偏心部55の溝部55aの幅dより小さくされており、ピン37が該溝部55aと係合するようにピン用貫通穴48は位置づけられている。板バネ36はピン37を下方すなわち第2ポンプ軸31の偏心部55側に弾性的に押圧するための手段であり、その基端は継手51により第2ケーシング32に固定されているとともに、先端はピン37の上端に弾性的に当接している。
噴油孔50は第2ケーシング32において、ピン用貫通穴48の手前側に、水平に延びて形成されている。そして、噴油孔50は一端が第2ケーシング32の貫通穴49に開口し、他端が第2ケーシング32の前方垂直面32dに開口する。継手52は噴油孔50の上記他端に螺合されている。チューブ状の噴油管38は油収容室60から排出された潤滑油が導かれるようにしてあり、その一端は継手52に接続され、他端が給油管13の基端に接続されている。給油管13は先端が第2の密閉室20内に露出するようにしてフレーム1に固定されており、第2ポンプ30の作動により噴油孔50から排出された潤滑油は、噴油管38を経由して給油管13の開孔13aより第2の密閉室20内に導かれるようにされている。
第2ポンプ軸31の溝部55aは第2ケーシング32の導油孔46と噴油孔50に同時に面しない範囲に設定されている。これは、過剰な潤滑油が導油孔46から第2ポンプ軸31の溝部55aを介して噴油孔50へ直接流通しないようにするための配置である。
以上のように構成されたミシンの給油装置について、作用を以下に説明する。図示しないミシンの駆動源により主軸2が回動すると、第1ウォーム7,第1ウォームホイール25を介して第1ポンプ軸26が主軸2に連動して回動することにより、第1ポンプ5は作動する。第1ポンプ5の作動により、油溜め3の潤滑油は第1ポンプ5に取り込まれ、吐出孔29より排出され、第1の密閉室4の各所を潤滑する。第1の密閉室4内に供給された潤滑油の一部は導油管35、継手51を通じて導油孔46内に導かれる。
次に、第2ポンプ30の1サイクルの動作について、図2,図8をもとに説明する。なお、図8(b)乃至図8(d)に示す各部位は図8(a)と同じなので、一部符号を省略している。主軸2の回動に連動して第1ポンプ軸26が回動すると、第2ウォーム27、第2ウォームホイール34を介して第2ポンプ軸31が軸周り方向R(ミシンの左側面から見て反時計回り)に回動する。
図8(a)は、偏心部55の溝部55aが導油孔46および噴油孔50に面していない状態であり、溝部55aがピン用貫通穴48に面しているためピン37の下部が油収容室60に進入している。この時、油収容室60の容積は、最大容積Vからピン37の油収容室60内に進入している部分の体積vを引いた量となっており、つまり油収容室60には体積V−vの潤滑油が保持されている。続いて、図8(b)に示すように、溝部55aの始点55asが導油孔46に到達し、さらに第2ポンプ軸31が回動するにつれ、油収容室60に進入していたピン37が次第に油収容室60から上方へ退出し、その退出した部分の体積と等しい量の潤滑油が導油孔46から油収容室60内に充填されていく。第2ポンプ軸31がさらに回動すると、ピン37が油収容室60から完全に退出し、油収容室60にはピン37の進退によって生じた容積差、すなわち体積vの潤滑油が導油孔46から補充される。第2ポンプ軸31がさらに回動し溝部55aの終点55aeが導油孔46を通過すると、図8(c)に示すように、溝部55aの始点55asがピン37に到達するまでは油収容室60に体積Vの潤滑油を保持したまま第2ポンプ軸31は回動する。図8(d)に示すように、溝部55aの始点55asがピン37に到達し、さらに第2ポンプ軸31が回動すると、油収容室60に充填されている潤滑油のうち一部は、油収容室60に進入するピン37に押しのけられて噴油孔50に排出される。そして、終点55aeが噴油孔50を通過するまでに、油収容室60に充填されていた体積Vの潤滑油のうち、ピン37の油収容室60に進入した部分の体積vと等しい量の潤滑油が油収容室60から噴油孔50に排出されていく。以上説明したように、第2ポンプ30はピン37が油収容室60へ進退する動作によって1サイクルあたり体積vの潤滑油を導油孔46から油収容室60に取り込み噴油孔50より排出する。
噴油孔50に排出された潤滑油は、噴油孔50に嵌挿された継手52に接続された噴油管38を経由して給油管13内に輸送され、給油管13の開孔13aより滲出して第2の密閉室20内に導かれる。開孔13aより滲出した潤滑油は連結ピン12の後方端面と接触して、その一部は連結ピン12に嵌挿される油芯56に取り込まれ連結ピン12と上ルーパ台14の二股部14aとの摺動面を潤滑する。油芯56に取り込まれない潤滑油は、上ルーパ台14の昇降に伴い第2密閉室20内にミスト状に飛散し、その一部が上ルーパ台14の軸部14bおよび上ルーパ台案内16の下面に付着し、上ルーパ台案内16と上ルーパ台14との摺動面および上ルーパ台案内16と上ルーパ土台17との摺動面をそれぞれ潤滑する。上記した各摺動面の潤滑に与らなかった潤滑油は、やがて第2密閉室20の内壁を下方に伝って排出口21より油溜め3に戻される。
以上のように構成された第2ポンプ機構Pによれば、第1ウォーム7,第2ウォーム27の条数をa1,a2、第1ウォームホイール25,第2ウォームホイール34の歯数をb1,b2とすると、主軸2に対する第2ポンプ軸31の減速比はa1*a2/b1*b2となる。本実施例ではa1<b1,a2<b2であるように設定しており、主軸から一組のウォーム,ウォームホイールで連結されたポンプ軸と比して、第2ポンプ軸31は主軸2に対し非常に大きな減速比を得ることができる。つまり、第2ポンプ30は主軸2に連動しつつも、極めて微量の潤滑油を吐出可能となっている。
第2ポンプ30は極めて単純な構造にして、例えば、第1ポンプがトロコイドポンプの場合、これと比して圧力損失が非常に小さい。また、第2ポンプ30において、第2ポンプ軸31の1サイクルの吐出量vは第2ポンプ軸31の溝部55aの最大深さhおよびピン37の直径mにより決まるが、第2ポンプ軸31の溝部55aの最大深さhおよびピン37の直径mは加工精度が出しやすいため、第2ポンプ30を小型化しても高い吐出量精度を確保できる。そして、上述のように第2ポンプ30は第1の密閉室4内に第1ポンプ5に隣接してコンパクトに配置することができる。
図10は第2の密閉室20に供給される潤滑油の給油量と上ルーパ台14の摺動状態との関係を示す概念図であり、横軸に主軸2の回転速度、縦軸に第2の密閉室20への給油量をとっている。点線Laは油漏れの閾値を示し、閾値Laより上方は上ルーパ台14からの油漏れが生じる領域である。一点鎖線Lbは磨耗,焼き付きの閾値を示し、閾値Lbより下方は上ルーパ台14に磨耗,焼き付きが生じる領域である。したがって、給油量は実線Lで示すような閾値Laと閾値Lbの中間位に設定されることが望ましいが、出願人の検証によると、実線Lで示すような給油量は極めて微量であり、従来の給油機構すなわち本実施例でいえば第1ポンプ5のみを設けた場合、実線Lに示す給油量を第2の密閉室20に安定して導くことは非常に困難であった。本実施例の第2ポンプ30を、減速比および油収容室60に進退するピン37の容積vを適宜設定させて設けることで、図10の実線Lに沿う給油量を第2の密閉室20へ供給可能となった。また、本実施例のように上ルーパ台14の外周面に耐磨耗,耐焼き付き性に優れた被膜を設けると、閾値Lbは閾値Lb’へと低下し、上ルーパ台14の耐磨耗,耐焼き付き性が向上する。
出願人は本実施例のオーバーロックミシンについて第2の密閉室20への給油量を従来の10分の1になるよう設定して耐久試験を実施したところ、耐久試験のオーバーロックミシンは1000時間超の期間、上ルーパ台14からの油漏れや上ルーパ台14の磨耗,焼き付きを生じることなく完動した。
本実施例では第2ポンプ30から吐出された潤滑油を噴油管38に接続される給油管13によって第2の密閉室20内に導入するようにしているが、フレーム1に通孔63(図11参照)を一端が第1の密閉室4に開口し他端が上ルーパ台案内16の背面、油芯挿入孔16aに挿通された油芯57(図11参照)に面して開口するように設け、噴油管38を前記通孔63の一端に接続するようにしてもよい。さらに、本実施例のポンプ機構Pを針棒61の基部が収容される針棒室61に適用することができる。
本実施例においては、第2ポンプ30には1つの吐出ポート(噴油孔50)を備えた単一のポンプ機構を設けているが、複数のポンプ機構を共在させることが可能である。図9に示すように、第2ポンプ軸31に溝部55aを有する偏心部55,溝部65aを有する第2偏心部65を導油孔46の貫通穴49側開口が面する範囲で併設し、図9(b)に示すように第2偏心部65と連通させて第2ピン用貫通孔68,第2噴油孔70を設けると、第2ポンプ30には2つのポンプ機構がそれぞれ独立して動作可能となる。このように構成された別実施例の第2ポンプ30を用いれば、複数の密閉室、例えば第2の密閉室20,針棒室61をそれぞれ単独に給油することが可能である。
本発明を適用したオーバーロックミシンの一部破断正面図である。 同ミシンの要部を示す左側面断面図である。 本発明のミシンの給油装置の要部を示す(a)概略平面断面図,(b)概略左側面断面図である。 第2ポンプの構造要部を示す右側面断面図である。 第2ポンプの第2ケーシングの構造を示す(a)平面図,(b)図5(a)のB−B一部破断右側面図である。 第2ポンプの第2ポンプ軸の構造を示す(a)左側面図,(b)図6(a)のC−C断面図である。 上ルーパ機構の分解斜視図である。 第2ポンプの1サイクルにおける挙動を示した要部右側面図である。 本発明の別実施例における(a)第2ポンプ軸の左側面図,(b)第2ケーシングの平面図である。 第2の密閉室に供給される潤滑油の給油量と上ルーパ台の摺動状態との関係を示す概念図である。 第2の密閉室へ潤滑油を導く経路の別実施例である。
1 フレーム
2 主軸
3 油溜め
4 第1の密閉室
5 第1ポンプ
6 第1ケーシング
7 第1ウォーム
13 給油管
20 第2の密閉室
25 第1ウォームホイール
26 第1ポンプ軸
27 第2ウォーム
29 吐出孔
30 第2ポンプ
31 第2ポンプ軸
32 第2ケーシング
34 第2ウォームホイール
35 導油管
36 板バネ
37 ピン
38 噴油管
46 導油孔
47 排出孔
48 ピン用貫通穴
49 貫通穴
50 噴油孔
55 偏心部
55a 溝部
55as 始点
55ae 終点
60 油収容室

Claims (2)

  1. 油溜めと連通してミシンのフレーム内に形成される第1の密閉室と、フレームに回動可能に支持される主軸と、主軸の回動に連動して作動する第1ポンプと、第1ポンプの作動により油溜めの潤滑油を第1の密閉室に供給するミシンの給油装置において、第1ポンプに連動して作動する第2ポンプが第1ポンプに隣接して配置され、第2ポンプは、潤滑油を収容可能な油収容室と、油収容室に潤滑油を導入する導油孔と、油収容室から潤滑油を排出する噴油孔と、第1ポンプに連動して一端が油収容室に進退するピンとを備え、油収容室で進退するピンによる油収容室の容積変化により、導油孔による潤滑油の導入と、噴油孔による潤滑油の排出を行い、噴油孔より排出した潤滑油を第1の密閉室と区分される第2の密閉室に供給することを特徴とするミシンの給油装置。
  2. 前記第2の密閉室に収容される摺動部材の表面に特殊表面処理が施されていることを特徴とする、請求項1に記載のミシンの給油装置。
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