JP5303341B2 - 船推進機 - Google Patents
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Description
それゆえにこの発明の主たる目的は、消費電力を抑えることができる船推進機を提供することである。
請求項2に記載の船推進機は、船体を推進するための船推進機であって、推進機本体と、船体に対して推進機本体を左右方向に揺動可能に取り付けるためのブラケット部と、推進機本体を左右方向に揺動させるためにブラケット部に設けられる電動モータと、推進機本体を操舵する操舵部と、推進機本体の実舵角を検出する実舵角検出部と、操舵部の操舵に関する操舵情報に基づいて保舵が必要か否かを判断し、保舵が必要と判断した場合には、操舵部の操舵に基づく目標舵角と実舵角とが相違していた場合でも電動モータを駆動しないように電動モータを制御する制御部とを備え、操舵情報は操舵部の回転速度平均値を含み、制御部は、回転速度平均値と回転速度平均値に関する第3閾値との比較結果に基づいて保舵が必要か否かを判断する。
請求項3に記載の船推進機は、請求項1または2に記載の船推進機において、操舵情報は操舵部の操舵角に基づく目標舵角と実舵角との角度差をさらに含み、制御部は、さらに角度差と角度差に関する第1閾値との比較結果に基づいて保舵が必要か否かを判断することを特徴とする。
請求項4に記載の船推進機は、請求項3に記載の船推進機において、制御部が保舵が必要と判断する場合には、角度差は第1閾値未満であることを特徴とする。
請求項5に記載の船推進機は、請求項3または4に記載の船推進機において、制御部は、角度差が第1閾値以上の場合には、実舵角が目標舵角となるように電動モータを駆動するように電動モータを制御することを特徴とする。
請求項6に記載の船推進機は、船体を推進するための船推進機であって、推進機本体と、船体に対して推進機本体を左右方向に揺動可能に取り付けるためのブラケット部と、推進機本体を左右方向に揺動させるためにブラケット部に設けられる電動モータと、推進機本体を操舵する操舵部と、推進機本体の実舵角を検出する実舵角検出部と、操舵部の操舵に関する操舵情報に基づいて保舵が必要か否かを判断し、保舵が必要と判断した場合には、操舵部の操舵に基づく目標舵角と実舵角とが相違していた場合でも電動モータを駆動しないように電動モータを制御する制御部とを備え、操舵情報は操舵部の回転角度変化量を含み、制御部は、回転角度変化量と回転角度変化量に関する第2閾値との比較結果および実舵角変化量と実舵角変化量に関する第4閾値との比較結果に基づいて保舵が必要か否かを判断する。
請求項7に記載の船推進機は、船体を推進するための船推進機であって、推進機本体と、船体に対して推進機本体を左右方向に揺動可能に取り付けるためのブラケット部と、推進機本体を左右方向に揺動させるためにブラケット部に設けられる電動モータと、推進機本体を操舵する操舵部と、推進機本体の実舵角を検出する実舵角検出部と、操舵部の操舵に関する操舵情報に基づいて保舵が必要か否かを判断し、保舵が必要と判断した場合には、操舵部の操舵に基づく目標舵角と実舵角とが相違していた場合でも電動モータを駆動しないように電動モータを制御する制御部と、船体の速度である船速を検出する速度検出部と、船速に基づいて閾値を設定する設定部とを備え、制御部は、操舵情報と閾値との比較結果に基づいて保舵が必要か否かを判断する。
請求項8に記載の船推進機は、請求項7に記載の船推進機において、設定部は、船速が大きいほど閾値を小さく設定することを特徴とする。
請求項9に記載の船推進機は、請求項7または8に記載の船推進機において、ブラケット部は、船体に対して推進機本体をさらに上下方向に揺動可能に設けられ、当該船推進機は推進機本体のトリム角を検出するトリム角検出部をさらに含み、設定部は、船速とトリム角とに基づいて閾値を設定することを特徴とする。
請求項10に記載の船推進機は、請求項1から9のいずれかに記載の船推進機において、電動モータの駆動力を推進機本体に伝達するためにブラケット部に設けられる伝達機構と、推進機本体が受ける外力によって推進機本体が左右方向に揺動しないように伝達機構をロックするロック部材とをさらに備えることを特徴とする。
好ましくは、推進機本体が外力を受けたとき伝達機構をロック部材によってロックすることで推進機本体が左右方向に揺動することを防止する。これによって、電動モータに電力を常時供給する必要がなくなり、消費電力を抑えることができる。
操舵部の操舵に関する操舵情報が閾値以上になれば、船体の進行方向が所望の方向からずれるおそれがある。したがって、好ましくは、操舵情報が閾値未満であれば電動モータを駆動せず、その一方、操舵情報が閾値以上になれば、実舵角が目標舵角となるように、電動モータを駆動して推進機本体を左右方向に揺動させる。このようにして、必要な場合にのみ実舵角を修正(転舵)することによって、消費電力を抑えながら船体を所望の方向に航行させることができる。
ここでは、この発明の一実施形態の船推進機10を船1に設置した場合について説明する。図中、FWDは、船1の前進方向を示している。
船推進機10は、船外機本体28(後述)を操舵するために船体2内に設けられる操舵部12と、船体2を前進または後進させる操作を行うために操舵部12の近傍に設けられるコントロールレバー部14と、船推進機10の動作を制御するためのECU(電子制御ユニット)16と、操舵部12の回転操作による操舵角を検出する操舵角センサ18と、操舵部12に反力を与えるために操舵部12に連結される反力モータ20と、船1の走行状態を検出するための走行状態検出部22と、船1を推進するために船体2の船尾板3に取り付けられる2機の船外機24とを含む。走行状態検出部22は、速度センサ22a、トリム角センサ22b、ヨーレートセンサ22c、姿勢センサ22d、横加速度センサ22e、エンジン状態センサ22fおよび外力センサ22gを含む。速度センサ22aは、たとえばGPSを利用して船速を検出する。トリム角センサ22bは、たとえばトリムシリンダの駆動量を検出して船外機本体28のトリム角を検出する。ヨーレートセンサ22cは船1の旋回状態を検出する。姿勢センサ22dは、たとえばジャイロを用いて船1のロール角やピッチ角などの船1の姿勢を検出する。横加速度センサ22eは船1の旋回時の遠心力を検出する。エンジン状態センサ22fは、スロットル開度やエンジン回転数を検出する。外力センサ22gは、たとえば船外機本体28に設けた荷重センサによって船外機本体28に加えられる外力を検出する。これらの構成要素は、主としてLANケーブル26によって相互に電気的に接続されている。
船外機24は、舵を有さず船外機24自体で舵を切るように構成されている。
図3を参照して、船外機24は、船外機本体28とスイベルブラケット30とチルトブラケット32とを含む。
ブラケット下部44は船外機本体28の上下方向(Z方向)に沿って中空筒状に設けられ、ブラケット下部44にはスイベル軸48が回動自在に挿入される。したがって、スイベル軸48は船外機本体28の上下方向(Z方向)に延びるように設けられる。スイベル軸48の上端部50が連結部52を介して船外機本体28に連結される。これによって、船外機本体28が、スイベルブラケット30ひいては船体2に対してスイベル軸48を中心として相対的に左右方向(図1の矢印X1方向および矢印X2方向)に揺動可能に取り付けられる。
ブラケット上部46は、ブラケット下部44の上端部に設けられ、前方(矢印FWD方向)に突出するように構成される。ブラケット上部46は、上面開口の略箱状に形成され、側方から見て、前方に向かうにつれて次第に高さ方向が大きくなる一対の側壁部56,58と、一対の側壁部56,58の前部を連結する前壁部60とを有する。ブラケット下部44に挿入されているスイベル軸48の上端部50は、ブラケット上部46に突出している。
図7を参照して、操舵に関する動作について説明する。
まず、操舵角センサ18が操舵部12の操舵角を検出し(ステップS1)、ECU16はその操舵角に基づいて目標舵角を算出する(ステップS3)。そして、回動センサ92が回動軸90の回動角度を検出し、ECU16はその回動角度に基づいて船外機本体28の実舵角を検出する(ステップS5)。ECU16は、算出した目標舵角と船外機本体28の実舵角との角度差を算出し(ステップS7)、後述する方法によって保舵が必要か否を判断する(ステップS9)。保舵が必要であれば、保舵の要否判断に用いる閾値が後述する方法で設定される(ステップS11)。そして、ECU16は、電動モータ62が駆動しないように電流指令値をゼロに設定し(ステップS13)、終了する。
まず、速度センサ22aが船速を検出し(ステップS21)、トリム角センサ22bがトリム角を検出する(ステップS23)。そして、ECU16は、たとえば図9に示す情報を有するマップを参照して、検出された船速およびトリム角に基づいて閾値を設定し(ステップS25)、ステップS13に進む。たとえば、トリム角が小さいほどヨーレートが大きくなる(小さい舵角でもよく曲がる)船であれば、図9(a)に示すようなマップが用いられる。図9(a)は、トリム角が一定の場合には船速が大きくなるほど閾値が小さくなり、船速が一定の場合にはトリム角が大きいほど閾値が大きくなっている。一方、トリム角が大きいほど横滑りし易くかつロールが小さくなり、横加速度が大きくなる船であれば、図9(b)に示すようなマップが用いられる。図9(b)は、トリム角が一定の場合には船速が大きくなるほど閾値が小さくなり、船速が一定の場合にはトリム角が大きいほど閾値が小さくなっている。
まず、ECU16は、操舵部12の操作の有無を判断する(ステップS31)。これはたとえば操舵角センサ18からの出力に基づいて判断できる。操舵部12の操作がなければ、ECU16は、目標舵角と実舵角との角度差が図7のステップS11で設定された第1閾値より小さいか否かを判断する(ステップS33)。当該角度差が第1閾値より小さければ、保舵が必要であると判断し、ステップS11へ進む。一方、当該角度差が第1閾値以上であれば、保舵は不要であると判断し、第1閾値を初期値に戻し(ステップS35)、ステップS15へ進む。初期値はたとえば第1閾値の最小値に設定される。一方、ステップS31において、操舵部12の操作があれば、保舵は不要と判断し、ステップS15へ進む。
まず、ECU16は、操舵角センサ18からの出力に基づいて操舵部12の回転角度の変化量を算出する(ステップS41)。回転角度変化量は、前回の回転角度と今回の回転角度との差として算出される。そして、ECU16は、当該回転角度変化量が図7のステップS11で設定された第2閾値より小さいか否かを判断する(ステップS43)。当該回転角度変化量が第2閾値より小さければ、保舵が必要であると判断し、ステップS11へ進む。一方、当該回転角度変化量が第2閾値以上であれば、保舵は不要であると判断し、ステップS15へ進む。
まず、ECU16は、操舵部12の回転速度平均値を算出する(ステップS51)。このとき、ECU16は、操舵角センサ18からの出力に基づいて、操舵部12の数回分の回転速度を算出し、当該回転速度を平均して回転速度平均値を得る。そして、ECU16は、回転速度平均値が図7のステップS11で設定された第3閾値より小さいか否かを判断する(ステップS53)。当該回転速度平均値が第3閾値より小さければ、保舵が必要であると判断し、ステップS11に進む。一方、当該回転速度平均値が第3閾値以上であれば、保舵は不要であると判断し、ステップS15へ進む。
まず、ECU16は、操舵角センサ18からの出力に基づいて操舵部12の回転角度の変化量を算出する(ステップS61)。回転角度変化量は、前回の回転角度と今回の回転角度との差として算出される。そして、ECU16は、当該回転角度変化量が図7のステップS11で設定された第2閾値より小さいか否かを判断する(ステップS63)。当該回転角度変化量が第2閾値より小さければ、ステップS65へ進む。ステップS65では、ECU16は、回動センサ92からの出力に基づいて船外機本体28の実舵角の変化量を算出する。実舵角変化量は、前回の実舵角と今回の実舵角との差として算出される。そして、ECU16は、当該実舵角変化量が図7のステップS11で設定された第4閾値より小さいか否かを判断する(ステップS67)。当該実舵角変化量が第4閾値より小さければ、保舵が必要であると判断し、ステップS11へ進む。一方、当該実舵角変化量が第4閾値以上であれば、保舵は不要であると判断し、ステップS15へ進む。
2 船体
10 船推進機
12 操舵部
14 コントロールレバー部
16,42 ECU
18 操舵角センサ
22 走行状態検出部
22a 速度センサ
22b トリム角センサ
24 船外機
28 船外機本体
30 スイベルブラケット
32 チルトブラケット
38 プロペラ
40 エンジン
48 スイベル軸
62 電動モータ
64 ロッククラッチ
66 伝達機構
78 ドライバ
92 回動センサ
Claims (10)
- 船体を推進するための船推進機であって、
推進機本体と、
前記船体に対して前記推進機本体を左右方向に揺動可能に取り付けるためのブラケット部と、
前記推進機本体を左右方向に揺動させるために前記ブラケット部に設けられる電動モータと、
前記推進機本体を操舵する操舵部と、
前記推進機本体の実舵角を検出する実舵角検出部と、
前記操舵部の操舵に関する操舵情報に基づいて保舵が必要か否かを判断し、保舵が必要と判断した場合には、前記操舵部の操舵に基づく目標舵角と前記実舵角とが相違していた場合でも前記電動モータを駆動しないように前記電動モータを制御する制御部とを備え、
前記操舵情報は前記操舵部の回転角度変化量を含み、
前記制御部は、前記回転角度変化量と前記回転角度変化量に関する第2閾値との比較結果に基づいて前記保舵が必要か否かを判断する、船推進機。 - 船体を推進するための船推進機であって、
推進機本体と、
前記船体に対して前記推進機本体を左右方向に揺動可能に取り付けるためのブラケット部と、
前記推進機本体を左右方向に揺動させるために前記ブラケット部に設けられる電動モータと、
前記推進機本体を操舵する操舵部と、
前記推進機本体の実舵角を検出する実舵角検出部と、
前記操舵部の操舵に関する操舵情報に基づいて保舵が必要か否かを判断し、保舵が必要と判断した場合には、前記操舵部の操舵に基づく目標舵角と前記実舵角とが相違していた場合でも前記電動モータを駆動しないように前記電動モータを制御する制御部とを備え、
前記操舵情報は前記操舵部の回転速度平均値を含み、
前記制御部は、前記回転速度平均値と前記回転速度平均値に関する第3閾値との比較結果に基づいて前記保舵が必要か否かを判断する、船推進機。 - 前記操舵情報は前記操舵部の操舵角に基づく目標舵角と前記実舵角との角度差をさらに含み、
前記制御部は、さらに前記角度差と前記角度差に関する第1閾値との比較結果に基づいて前記保舵が必要か否かを判断する、請求項1または2に記載の船推進機。 - 前記制御部が前記保舵が必要と判断する場合には、前記角度差は前記第1閾値未満である、請求項3に記載の船推進機。
- 前記制御部は、前記角度差が前記第1閾値以上の場合には、前記実舵角が前記目標舵角となるように前記電動モータを駆動するように前記電動モータを制御する、請求項3または4に記載の船推進機。
- 船体を推進するための船推進機であって、
推進機本体と、
前記船体に対して前記推進機本体を左右方向に揺動可能に取り付けるためのブラケット部と、
前記推進機本体を左右方向に揺動させるために前記ブラケット部に設けられる電動モータと、
前記推進機本体を操舵する操舵部と、
前記推進機本体の実舵角を検出する実舵角検出部と、
前記操舵部の操舵に関する操舵情報に基づいて保舵が必要か否かを判断し、保舵が必要と判断した場合には、前記操舵部の操舵に基づく目標舵角と前記実舵角とが相違していた場合でも前記電動モータを駆動しないように前記電動モータを制御する制御部とを備え、
前記操舵情報は前記操舵部の回転角度変化量を含み、
前記制御部は、前記回転角度変化量と前記回転角度変化量に関する第2閾値との比較結果および実舵角変化量と前記実舵角変化量に関する第4閾値との比較結果に基づいて前記保舵が必要か否かを判断する、船推進機。 - 船体を推進するための船推進機であって、
推進機本体と、
前記船体に対して前記推進機本体を左右方向に揺動可能に取り付けるためのブラケット部と、
前記推進機本体を左右方向に揺動させるために前記ブラケット部に設けられる電動モータと、
前記推進機本体を操舵する操舵部と、
前記推進機本体の実舵角を検出する実舵角検出部と、
前記操舵部の操舵に関する操舵情報に基づいて保舵が必要か否かを判断し、保舵が必要と判断した場合には、前記操舵部の操舵に基づく目標舵角と前記実舵角とが相違していた場合でも前記電動モータを駆動しないように前記電動モータを制御する制御部と、
前記船体の速度である船速を検出する速度検出部と、
前記船速に基づいて閾値を設定する設定部とを備え、
前記制御部は、前記操舵情報と前記閾値との比較結果に基づいて前記保舵が必要か否かを判断する、船推進機。 - 前記設定部は、前記船速が大きいほど前記閾値を小さく設定する、請求項7に記載の船推進機。
- 前記ブラケット部は、前記船体に対して前記推進機本体をさらに上下方向に揺動可能に設けられ、
当該船推進機は前記推進機本体のトリム角を検出するトリム角検出部をさらに含み、
前記設定部は、前記船速と前記トリム角とに基づいて前記閾値を設定する、請求項7または8に記載の船推進機。 - 前記電動モータの駆動力を前記推進機本体に伝達するために前記ブラケット部に設けられる伝達機構と、
前記推進機本体が受ける外力によって前記推進機本体が左右方向に揺動しないように前記伝達機構をロックするロック部材とをさらに備える、請求項1から9のいずれかに記載の船推進機。
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