JP5302471B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
1.1 誘導加熱調理器の構成
図1に、本発明の実施形態1の誘導加熱調理器の構成を示す。本実施形態の誘導加熱調理器は、機器上面にトッププレート1を有する。トッププレート1は、ガラスなどの電気絶縁物からなり、光を透過する。鍋10などの調理容器は、トッププレート1上に載置される。
1.2.1 鍋載置の判別
図3(a)、(b)、(c)に、種々の大きさの鍋がトッププレート1上に載置される例を示す。図3(a)は、通常の大きさの2つの鍋10a、10bが第1の加熱コイル2a及び第2の加熱コイル2b上に載置される例を示している。この場合、第1の加熱コイル2aの外縁内に設けられた第1の光検出部6a及び第2の加熱コイル2bの外縁内に設けられた第2の光検出部6bは外乱光を検出しないため、第1の鍋載置判別部4a及び第2の鍋載置判別部4bは、それぞれ第1の加熱コイル2a及び第2の加熱コイル2b上に鍋10a、10bが載置されていると判断する。一方、第3の光検出部6dの上には、鍋10a、10bが載置されていないため、外乱光がトッププレート1を通って第3の光検出部6dに到達する。これにより、第3の鍋載置判別部4dは、加熱コイル2a、2bの間に対向するトッププレート1上には、鍋が載置されていないと判断する。よって、制御部7は、各鍋載置判別部4a、4b、4dからの出力に基づき、加熱コイル2a、2b上に載置された鍋10a、10bが別個の鍋であると判断し、第1の加熱コイル2aによる鍋10aの加熱と、第2の加熱コイル2bによる鍋10bの加熱とが、それぞれ独立して行われるように制御する。具体的には、制御部7は、第1のインバータ3aの動作と第2のインバータ3bの動作が独立するように制御すると共に、第2のインバータ3bから出力される高周波電流が第2の加熱コイル2bに供給されるように、切替部11を第2の加熱コイル2bに接続する。このとき、制御部7は、操作部5aから入力される制御命令に基づいて第1のインバータ3aを制御し、操作部5bから入力される制御命令に基づいて第2のインバータ3bを制御する。
図5を用いて、第1の加熱コイル2aと補助コイル2dの両方で一つの鍋を加熱する際の、第1のインバータ3aと第2のインバータ3bの連携動作について説明する。図5(a)は、操作部5a又は操作部5bを介して使用者により設定される火力設定(W)を示している。図5(b)、(c)は、第1のインバータ3a及び第2のインバータ3bを連携動作させる場合の、第1の加熱コイル2aの加熱電力(W)と補助コイル2dの加熱電力(W)をそれぞれ示している。制御部7は、第1の加熱コイル2aと補助コイル2dの加熱電力量が使用者によって設定された火力設定に対応し、且つ、第1の加熱コイル2aと補助コイル2dの電力比が常に略一定(A’/A≒B’/B)となるように、第1のインバータ3aと第2のインバータ3bとを連携動作させる。
本実施形態の誘導加熱調理器は、単独で加熱可能な第1の加熱コイル2aと第2の加熱コイル2bとの間に、第1の加熱コイル2aと共同で加熱動作を行う補助コイル2dを新たに設けている。よって、第1の加熱コイル2aよりも底面サイズが大きく、且つ第1の加熱コイル2aと第2の加熱コイル2bの両方にまたがるほど底面サイズが大きくない鍋(図3(b)参照)を、第1の加熱コイル2aと補助コイル2dの両方を用いて加熱することが可能となる。これにより、一つの加熱コイルの外径サイズよりも大きな底面サイズを持つ大型の鍋を、加熱分布に偏りが生じず、調理性能を損なうことなく加熱することができる。
なお、本実施形態においては、連携動作時に、第1の加熱コイル2aと補助コイル2dの電力比が常に略一定となるように、それぞれの電力量を決定しているが、火力設定が小さいときは電力量を低く抑えることが難しい。そのため、火力設定が小さいときは、加熱コイルへの電力供給時間を低減することによって所定時間当たりの電力量を下げても良い。図8に、電力供給時間を低減する場合の例を示している。図8(a)は使用者により設定された火力設定を示し、図8(b)は第1の加熱コイル2aの加熱電力を示し、図8(c)は補助コイル2dの加熱電力を示している。図8(a)〜(c)では、100W未満の電力量に抑えることが難しい場合について例示している。火力設定が「3」のとき(時刻t1〜t2)の補助コイル2dの電力量は100Wであるため、第2のインバータ3bは100Wの電力を補助コイル2dに供給し続ける。一方、火力設定が「2」に変更されると(時刻t2)、補助コイル2dの電力量を50Wまで下げなければならない(図8参照)。そこで、所定時間当たりの合計の電力量が50Wになるように、第2のインバータ3bは、補助コイル2dに電力を供給する時間を50%にしている(時間t2〜t3)。すなわち、補助コイル2dに電力を供給する時間と供給しない時間とを設けている。これにより、時間t2〜t3の見かけ上の電力量が50Wになる。このように、所定の電力量(振幅)に抑えることが難しい場合は、電力供給時間(幅)を低減することによって、見かけ上の電力量が所定量になるように制御しても良い。補助コイル2dへの電力供給と同様に、第2の加熱コイル2bに対する電力供給についても、電力供給時間を低減することによって、見かけ上の電力量が所定量になるように制御しても良い。
本発明の実施形態2では、鍋の温度上昇に基づいた鍋載置の判別方法について説明する。図9に、本発明の実施形態2の誘導加熱調理器の構成を示す。本実施形態の誘導加熱調理器は、図1の第1の光検出部6a、第2の光検出部6b、第3の光検出部6d、及び第4の光検出部6cの代わりに、第1の温度検出部8a、第2の温度検出部8b、第3の温度検出部8d、及び第4の温度検出部8cを備える。第1の鍋載置判別部4a、第2の鍋載置判別部4b、第3の鍋載置判別部4d、第4の鍋載置判別部4cは、それぞれ、第1の温度検出部8a、第2の温度検出部8b、第3の温度検出部8d、及び第4の温度検出部8cが検出する所定時間内の温度上昇量に基づいて、鍋が載置されているかどうかを判別する。これ以外の点について、本実施形態の誘導加熱調理器は、実施形態1の誘導加熱調理器と同一である。
本発明の実施形態3では、インバータ及びコイルに流れる電流による鍋の電気的特性に基づいた鍋載置の判別方法について説明する。図11に、本発明の実施形態3の誘導加熱調理器の構成を示す。本実施形態の誘導加熱調理器は、図1の第1の光検出部6a、第2の光検出部6b、第3の光検出部6d、及び第4の光検出部6cの代わりに、第1の電気的特性測定部9a、第2の電気的特性測定部9b、第3の電気的特性測定部9d、及び第4の電気的特性測定部9cを備える。第1の鍋載置判別部4a、第2の鍋載置判別部4b、第3の鍋載置判別部4d、第4の鍋載置判別部4cは、それぞれ、第1の電気的特性測定部9a、第2の電気的特性測定部9b、第3の電気的特性測定部9d、及び第4の電気的特性測定部9cが測定する、鍋10の電気的特性に基づいて、鍋が載置されているかどうかの判別と鍋の材質の判別とを行う。すなわち、本実施形態において、第1の鍋載置判別部4a、第2の鍋載置判別部4b、第3の鍋載置判別部4d、第4の鍋載置判別部4cは、鍋10の電気的特性に基づいて鍋が載置されているかどうかを判別する機能と、鍋10の電気的特性に基づいて鍋の材質を判別する鍋材質判別部としての機能とを有する。制御部7は、第1の鍋載置判別部4aと第3の鍋載置判別部4dとが判別した鍋の材質に基づいて、第1の加熱コイル2aと補助コイル2dとの上に載置された鍋が同一の鍋か別々の鍋かを判断する。また、制御部7は、第1の鍋載置判別部4aと第2の鍋載置判別部4b、好ましくはさらに第3の鍋載置判別部4dとが判別した鍋の材質に基づいて、第1の加熱コイル2aと第2の加熱コイル2bとの上に載置された鍋が同一の鍋か別々の鍋かを判断する。これ以外の点について、本実施形態の誘導加熱調理器は、実施形態1の誘導加熱調理器と同一である。
囲内に含まれているため、この特性から鍋があることが分かる。このように、鍋の電気的特性として入力電流Iin及びコイル電流ILの値を検出することによって、補助コイル2d上に鍋が載置されているかどうかを判別することができる。これにより、第1の加熱コイル2aと第2の加熱コイル2bとの間に鍋が載置されているかどうかを判別できる。また、コイル電流IL−入力電流Iinの特性は、鍋A、Bの材質によっても異なる。よって、コイル電流IL−入力電流Iinの特性値を検出することによって、鍋の材質を特定できる。これにより、複数の電気的特性測定部、例えば、第1の電気的特性測定部9aと第3の電気的特性測定部9dとから測定される電気的特性を比較することによって、より具体的には電気的特性に基づいて特定した鍋の材質を比較することによって、第1の加熱コイル2a上に載置されている鍋と、第1の加熱コイル2aと第2の加熱コイル2bとの間に載置されている鍋とが同一の鍋か別々の鍋かを判別することができる。なお、鍋の電気的特性として、コイル電流IL−入力電流Iinを示したが、これ以外にも、コイル電圧−入
力電流Iinなど他の電気的特性であってもよい。
測定し、第1の鍋載置判別部4aは測定された鍋の電気的特性に基づいて、第1の加熱コイル2a上に鍋が載置されているかどうかと鍋の材質の種類(鍋種)とを判別する(S1401)。なお、鍋種の判別と鍋が載置されているかどうかの判別は共に同一の電気的特性を用いて行えるため、鍋種を判定することにより鍋が載置されているかどうかが分かる。
本発明の実施形態4では、第2のインバータ2bと補助コイル2dへの他の電力供給方法について説明する。図15に、本発明の実施形態4の誘導加熱調理器の構成を示す。本実施形態の誘導加熱調理器は、実施形態1の切替部11と異なる切替部12を備えている。実施形態1の切替部11は、第2の加熱コイル2bと補助コイル2dのいずれか一方に電力供給を切り替えるものであったが、実施形態4の切替部12は、接続を切り替えることにより、第2の加熱コイル2bと補助コイル2dのいずれか一方への電力供給と、第2の加熱コイル2b及び補助コイル2dの両方への電力供給とを可能にする。
2a 第1の加熱コイル
2b 第2の加熱コイル
2c 第3の加熱コイル
2d 補助コイル
3a 第1のインバータ
3b 第2のインバータ
3c 第3のインバータ
4a 第1の鍋載置判別部
4b 第2の鍋載置判別部
4c 第4の鍋載置判別部
4d 第3の鍋載置判別部
5、5a、5b、5c 操作部
6a 第1の光検出部
6b 第2の光検出部
6c 第4の光検出部
6d 第3の光検出部
7 制御部
8a 第1の温度検出部
8b 第2の温度検出部
8c 第4の温度検出部
8d 第3の温度検出部
9a 第1の電気的特性測定部
9b 第2の電気的特性測定部
9c 第4の電気的特性測定部
9d 第3の電気的特性測定部
10 鍋
11 切替部
12 切替部
91 入力電流検出部
92 コイル電流検出部
Claims (4)
- 調理容器を載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置され、前記調理容器を単独で加熱可能な、異なる円心を有する、第1及び第2の加熱コイルと、
第1の加熱コイルより小さく且つ前記第1の加熱コイルの半径方向の大きさが前記第1の加熱コイルの円周方向の大きさより小さく、前記第1及び第2の加熱コイルの間に配置されて、少なくとも前記第1の加熱コイルと共同でのみ動作して前記調理容器を加熱する補助コイルと、
前記第1の加熱コイルに電力を供給する第1のインバータと、
前記補助コイルに電力を供給する第2のインバータと、
前記第1及び第2のインバータの出力を制御する制御部と、
前記第1の加熱コイルに対する制御命令を入力するために設けられた操作部と、
前記第1の加熱コイルに対向するトッププレート上に調理容器が載置されているかどうかを判別する第1の鍋載置判別部と、
前記第2の加熱コイルに対向するトッププレート上に調理容器が載置されているかどうかを判別する第2の鍋載置判別部と、
前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルとの間に対向するトッププレート上の領域に調理容器が載置されているかどうかを判別する第3の鍋載置判別部と、
を有し、
前記制御部は、前記第1の鍋載置判別部と前記第3の鍋載置判別部がともに調理容器が載置されていると判別した場合に、前記操作部から入力された前記制御命令に基づいて、前記第1の加熱コイルの電力量と前記補助コイルの電力量とが使用者によって設定された火力設定に対応し、且つ、前記補助コイルの電力量が前記第1の加熱コイルの電力量より予め定められた割合で小さい値となるように、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの動作を連携させて制御する誘導加熱調理器。 - 前記制御部は、前記第1のインバータ及び前記第2のインバータの動作を連携させて制御する場合、前記第1の加熱コイルの電力量と前記第2の加熱コイルの電力量との合計が、前記第1のインバータを単独で動作させる場合の前記第1の加熱コイルの電力量と等しくなるように制御する、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記予め定められた値が略一定である請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記予め定められた値が前記火力設定に応じて可変である請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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