JP5302287B2 - 電磁波吸収体 - Google Patents
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本発明の透明電磁波吸収体を構成する透明電磁波吸収フィルムは、プラスチックフィルムの一方の面に透明導電体層を有し、他方の面に複数方向の線状痕群を有する。図1(a)〜図1(d)は、プラスチックフィルム10の一方の面に透明導電体層11が形成され、他方の面に実質的に平行で断続的な多数の線状痕12が二方向に形成された透明電磁波吸収フィルムの一例を示す。
プラスチックフィルム10を形成する樹脂は、透明性及び絶縁性とともに十分な強度、可撓性及び加工性を有する限り特に制限されず、例えばポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアリーレンサルファイド(ポリフェニレンサルファイド等)、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられる。プラスチックフィルム10の厚さは10〜100μm程度で良い。
透明導電体層11は金属薄膜からなる。透明導電体層11はスパッタリング法、真空蒸着法等の公知の方法により形成することができる。優れた電磁波吸収能を発揮するために、金属薄膜の表面抵抗は100〜1000Ω/□であり、好ましくは200〜1000Ω/□であり、より好ましくは250〜800Ω/□である。このような透明導電体層11を形成する金属として、ニッケル、アルミニウム、クロム等が挙げられる。これらの金属は勿論単体に限らず、合金でも良い。アルミニウム薄膜も良好な導電性及び可視光透過性を有するが、膜厚(表面抵抗)の均一化が難しい。一方、ニッケル薄膜は良好な導電性及び可視光透過性を有するとともに、表面抵抗の分布が均一であるので、本発明の目的に好適である。
図1(b)〜図1(d) に示すように、プラスチックフィルム10の他方の面(透明導電体層11を有さない面)に多数の実質的に平行で断続的な線状痕12a,12bが複数方向(図示の例では二方向)に不規則な幅及び間隔で形成されている。なお、説明のために図1(c) 及び図1(d) では線状痕12の深さを誇張している。二方向に配向した線状痕12は種々の幅W及び間隔Iを有する。なお間隔Iは、線状痕12の配向方向(長手方向)及びそれに直交する方向(横手方向)の両方における間隔を意味する。線状痕12の幅W及び間隔Iはいずれも線状痕形成前のプラスチックフィルム10の表面Sの高さ(元の高さ)で求める。線状痕12が種々の幅W及び間隔Iを有するので、透明電磁波吸収フィルム1は広範囲にわたる周波数の電磁波を効率良く吸収することができる。
厚さ10〜20 nmの金属薄膜からなる透明導電体層11は非常に薄いので、線状痕の形成中にロールとの摺接で付く擦過傷により大きな影響を受ける。そのため、図3に示すように透明導電体層11の上に厚さ1〜5μm程度の透明オーバーコート13を形成するのが好ましい。透明オーバーコート13は透明プラスチックの溶液を塗布することにより形成することができる。
図4に示すように、透明導電体層11及び線状痕12を有する面にそれぞれ透明な保護層14a,14bを形成するのが好ましい。透明保護層14a,14bは透明プラスチックのハードコート又はフィルムであるのが好ましい。フィルムを用いる場合、熱ラミネート法又はドライラミネート法により接着するのが好ましい。プラスチックハードコートは、例えば光硬化性樹脂の塗布及び紫外線の照射により形成することができる。透明保護層14a,14bを形成するハードコート又はフィルムは、線状痕12の効果を確保するためにプラスチックフィルム10と異なる材質であるのが好ましい。各透明保護層14a,14bの厚さは10〜100μm程度が好ましい。透明保護層14aにより透明導電体層11が保護され、透明保護層14bにより線状痕12による不透明性が解消される。
図5(a)〜図5(e) はプラスチックフィルムに線状痕を二方向に形成する装置の一例を示す。線状痕の形成は透明導電体層11の形成の前後いずれでも行うことができるが、透明導電体層11を予め形成した市販のプラスチックフィルム10を使用する方が製造コストを低減できる。その場合、線状痕の形成中に透明導電体層11の損傷を防ぐために、透明導電体層11の上にオーバーコート13を形成しておくのが好ましい。しかし、線状痕はプラスチックフィルム10のプラスチック面(透明導電体層11のない面)に形成するので、透明導電体層11の有無は線状痕の形成方法に直接関係しない。従って、以下の説明では単にプラスチックフィルム10に線状痕を形成する場合を例にとる。
本発明の第一の電磁波吸収体は、複数枚の透明電磁波吸収フィルムを透明誘電体を介して積層するか、1枚以上の透明電磁波吸収フィルムと1枚以上の透明導電フィルムとを透明誘電体を介して積層することにより得られる透明電磁波吸収体である。透明誘電体は透明プラスチック板が好ましく、その厚さは吸収すべき電磁波の中心波長λの1/4を含む範囲、例えばλ/12〜λ/2の範囲とするのが好ましい。
第一の透明電磁波吸収体は、複数枚の透明電磁波吸収フィルムを透明誘電体を介して積層してなる。図10(a)、図10(b) 及び図10(c) は第一の透明電磁波吸収体の例を示す。この透明電磁波吸収体は、第一の透明電磁波吸収フィルム1a/透明誘電体30/第二の透明電磁波吸収フィルム1b/透明誘電体30/第三の透明電磁波吸収フィルム1cの層構成を有する。各透明電磁波吸収フィルム1a〜1cの透明導電体層11は、図10(b) に示すように全てプラスチックフィルム10の同じ側にあっても、図10(c) に示すように一部反対側にあっても良い。
第二の透明電磁波吸収体の一例は、図12に示すように複数枚の透明電磁波吸収フィルムと1枚の透明導電フィルム1dとを透明誘電体を介して積層してなる。透明導電フィルムは、透明導電体層(金属薄膜)11に線状痕12を形成していない以外透明導電フィルム1と同じで良い。図16(a)〜図16(c) に示すように2枚の透明電磁波吸収フィルム1a,1bと1枚の透明導電フィルム1dの組合せの場合、透明導電フィルム1dが中央に位置し、両側に透明電磁波吸収フィルム1a,1bが位置するのが好ましい。この場合、透明導電フィルム1dは反射板として機能すると考えられる。両側の透明電磁波吸収フィルム1a,1bにおける線状痕の交差角θsの組合せは、例えば60°/60°[図16(a)]、60°/90°[図16(b)]、及び90°/90°[図16(c)]である。
本発明の第二の電磁波吸収体は、1枚又は複数枚の電磁波吸収フィルムを誘電体を介して導電性反射板と積層してなり、前記電磁波吸収フィルムはプラスチックフィルムの一方の面に金属薄膜からなる導電体層を有するとともに、他方の面に不規則な幅及び間隔で実質的に平行な多数の断続的な線状痕群が複数方向に形成されていることを特徴とする。第二の電磁波吸収体は、(a) 導電性反射板を積層する点、及び(b) 電磁波吸収フィルムの導電体層、及び電磁波吸収フィルムと反射板の間に設ける誘電体がいずれも透明である必要がない点で第一の電磁波吸収体と異なる。従って、以下これらの点についてのみ詳述する。特に断りがなければ、第一の電磁波吸収体についてした説明は、透明である点を除いてそのまま第二の電磁波吸収体にも当てはまる。勿論、第二の電磁波吸収体に用いる電磁波吸収フィルムが透明であっても構わない。
厚さ16μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一面に厚さがそれぞれ10 nm,15 nm及び20 nmのNi薄膜を蒸着してなる透明導電フィルムの表面抵抗(直流二端子法で測定)及び可視光透過率測定した。結果を表1に示す。
透明導電フィルムの電磁波吸収能
参考例3の透明導電フィルムの試験片TP(32 cm×52 cm)の電磁波吸収能を、図20に示す装置を用いて評価した。この装置は、厚さ2 cmの誘電体ホルダ62と、ホルダ62から100 cm離れた送信アンテナ63a及び受信アンテナ63bと、アンテナ63a,63bに接続したネットワークアナライザ64とを有する。まずホルダ62の前面(アンテナ側)に固定したアルミニウム板(32 cm×52 cm×2 mm)に、アンテナ63aから10°から60°まで10°間隔で入射角度θiを変えながら、1〜5.5 GHzの周波数の電磁波(円偏波)を0.25 GHzの周波数間隔で照射し、アンテナ63bで反射波を受信し、ネットワークアナライザ64により反射電力を測定した。次にNi薄膜をアンテナ63a,63b側にして試験片TPをホルダ62の前面に固定し、上記と同様にして反射電力を測定した。
交差角60°/交差角90°/交差角60°の透明電磁波吸収体
粒径分布が50〜80μmのダイヤモンド微粒子を電着したパターンロール2a,2bを有する図5(a) に示す構造の装置を用い、参考例2の透明導電フィルムのプラスチック面(Ni薄膜が形成されていない面)に90°で交差する二方向の線状痕を形成し、図2(a) に示す透明電磁波吸収フィルムを作製し、また参考例2の透明導電フィルムのプラスチック面(Ni薄膜が形成されていない面)に60°で交差する二方向の線状痕を形成し、図2(b) に示す透明電磁波吸収フィルムを作製した。これらの透明電磁波吸収フィルムにおける線状痕の特性は下記の通りであった。
幅Wの範囲:0.5〜5μm
平均幅Wav:2μm
横手方向間隔Iの範囲:2〜30μm
平均横手方向間隔Iav:10μm
平均長さLav:5 mm
交差角θs:90°及び60°
交差角90°/交差角60°/交差角90°の透明電磁波吸収体
実施例1で作製した線状痕の交差角θsが90°の透明電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)2枚と、実施例1で作製した線状痕の交差角θsが60°の透明電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚とを、図14(b) に示すように組合せ、透明誘電体(32 cm×52 cm×2 cmのプラスチック板)を介して積層し、交差角90°の透明電磁波吸収フィルム/透明誘電体/交差角60°の透明電磁波吸収フィルム/透明誘電体/交差角90°の透明電磁波吸収フィルムからなる層構成を有する透明電磁波吸収体を作製した。この透明電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を参考例4と同様に測定した。結果を図23に示す。図23から明らかなように、10°〜60°の入射角度範囲で、TE波のピーク吸収率は約12〜26 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約24〜43 dBであった。この結果から、交差角が90°/60°/90°の組合せでは10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TM波の方がTE波より多く吸収されることが分かる。
交差角60°/交差角45°/交差角60°の透明電磁波吸収体
線状痕の交差角θsを45°とした以外実施例1と同様にして透明電磁波吸収フィルムを作製した。この透明電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚を、線状痕の交差角θsが60°の透明電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)2枚と図14(e) に示すように組合せ、透明誘電体(32 cm×52 cm×2 cmのプラスチック板)を介して積層し、交差角60°の透明電磁波吸収フィルム/透明誘電体/交差角45°の透明電磁波吸収フィルム/透明誘電体/交差角60°の透明電磁波吸収フィルムからなる層構成を有する透明電磁波吸収体を作製した。この透明電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を参考例4と同様に測定した。結果を図24に示す。図24から明らかなように、TE波のピーク吸収率は約13〜22 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約25〜45 dBであった。この結果から、交差角が90°/45°/90°の組合せでは10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TM波の方がTE波より多く吸収されることが分かる。
交差角90°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せ
実施例1で作製した線状痕の交差角θsが90°の電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚を、誘電体(32 cm×52 cm×3 cmのプラスチック板)を介してアルミニウム板(32 cm×52 cm×2 mm)からなる反射板と積層し、得られた電磁波吸収体を図18に示す装置のホルダ62に固定し、参考例4と同様に電磁波吸収能を評価した。交差角90°の電磁波吸収フィルム/誘電体/反射板からなる電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を図25に示す。図25から明らかなように、TE波のピーク吸収率は約12〜22 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約10〜43 dBであった。この結果から、交差角が90°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せでは、10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TM波の方がTE波より多く吸収されることが分かる。
交差角60°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せ
実施例1で作製した線状痕の交差角θsが60°の電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚を、誘電体(32 cm×52 cm×3 cmのプラスチック板)を介してアルミニウム板(32 cm×52 cm×2 mm)からなる反射板と積層し、得られた電磁波吸収体を図18に示す装置のホルダ62に固定し、参考例4と同様に電磁波吸収能を評価した。交差角60°の透明電磁波吸収フィルム/透明誘電体/反射板からなる電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を図26に示す。図26から明らかなように、TE波のピーク吸収率は約12〜24 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約10〜38 dBであった。この結果から、交差角が60°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せでは、10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TM波の方がTE波より多く吸収されることが分かる。
交差角45°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せ
実施例3で作製した線状痕の交差角θsが45°の電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚を、誘電体(32 cm×52 cm×3 cmのプラスチック板)を介してアルミニウム板(32 cm×52 cm×2 mm)からなる反射板と積層し、得られた電磁波吸収体を図18に示す装置のホルダ62に固定し、参考例4と同様に電磁波吸収能を評価した。交差角45°の電磁波吸収フィルム/誘電体/反射板からなる電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を図27に示す。図27から明らかなように、TE波のピーク吸収率は約13〜30 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約10〜45 dBであった。この結果から、交差角が60°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せでは、10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TE波及びTM波とも吸収率は同程度であることが分かる。
交差角36°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せ
交差角を36°とした以外実施例1と同様にして電磁波吸収フィルムを作製した。この電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚を、誘電体(32 cm×52 cm×3 cmのプラスチック板)を介してアルミニウム板(32 cm×52 cm×2 mm)からなる反射板と積層し、得られた電磁波吸収体を図18に示す装置のホルダ62に固定し、参考例4と同様に電磁波吸収能を評価した。交差角36°の電磁波吸収フィルム/誘電体/反射板からなる電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を図28に示す。図28から明らかなように、TE波のピーク吸収率は約13〜28 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約10〜36 dBであった。この結果から、交差角が36°の電磁波吸収フィルムと反射板との組合せでは、10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TM波の方がTE波よりやや多く吸収されることが分かる。
90°/60°/反射板の組合せ
実施例1で作製した線状痕の交差角θsが90°の電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚と、実施例1で作製した線状痕の交差角θsが60°の電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚と、アルミニウム板(32 cm×52 cm×2 mm)からなる反射板とを誘電体(32 cm×52 cm×3 cmのプラスチック板)を介して積層し、交差角θsが90°の電磁波吸収フィルム/誘電体/交差角θsが60°の電磁波吸収フィルム/誘電体/反射板からなる層構成を有する電磁波吸収体を得た。この電磁波吸収体を図18に示す装置のホルダ62に固定し、参考例4と同様に電磁波吸収能を評価した。この電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を図29に示す。図29から明らかなように、TE波のピーク吸収率は約15〜38 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約12〜31 dBであった。この結果から、90°/60°/反射板の組合せでは、10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TE波の方がTM波より多く吸収されることが分かる。
90°/45°/反射板の組合せ
実施例1で作製した線状痕の交差角θsが90°の電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚と、実施例3で作製した線状痕の交差角θsが45°の電磁波吸収フィルムの試験片(32 cm×52 cm)1枚と、アルミニウム板(32 cm×52 cm×2 mm)からなる反射板とを誘電体(32 cm×52 cm×3 cmのプラスチック板)を介して積層し、交差角θsが90°の電磁波吸収フィルム/誘電体/交差角θsが45°の電磁波吸収フィルム/誘電体/反射板からなる層構成を有する電磁波吸収体を得た。この電磁波吸収体を図18に示す装置のホルダ62に固定し、参考例4と同様に電磁波吸収能を評価した。この電磁波吸収体のピーク吸収率及びピーク周波数を図30に示す。図30から明らかなように、TE波のピーク吸収率は約15〜35 dBであり、またTM波のピーク吸収率は約13〜33 dBであった。この結果から、90°/45°/反射板の組合せでは、10°〜60°の入射角度範囲で、(a) TE波及びTM波とも高いピーク吸収率を示すとともに、(b) TE波の方がTM波より多く吸収されることが分かる。
1a,1b,1c・・・(透明)電磁波吸収フィルム
1d・・・(透明)導電フィルム
10・・・プラスチックフィルム
11・・・金属薄膜
12,12a,12b,12c・・・線状痕
13・・・(透明)オーバーコート
14a,14b・・・(透明)保護層
1'・・・複合フィルム
2a,2b,2c,2d・・・パターンロール
3a,3b,3c,3d,3e・・・押えロール
30・・・(透明)誘電体
40・・・反射板
Claims (21)
- 複数枚の透明電磁波吸収フィルムを透明誘電体を介して積層してなる透明電磁波吸収体であって、前記透明電磁波吸収フィルムはプラスチックフィルムの一方の面に透明導電体層を有するとともに、他方の面に不規則な幅及び間隔で実質的に平行な多数の断続的な線状痕群が複数方向に形成されており、前記透明導電体層は厚さ10〜20 nmの金属薄膜からなることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項1に記載の透明電磁波吸収体において、前記金属薄膜が100〜1000Ω/□の表面抵抗を有することを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項2に記載の透明電磁波吸収体において、前記金属薄膜がアルミニウム又はニッケル薄膜であることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、各透明電磁波吸収フィルムの線状痕が二方向に配向しており、その交差角が30〜90°であることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、前記線状痕の幅は90%以上が0.1〜100μmの範囲内にあって、平均1〜50μmであり、前記線状痕の間隔は0.1〜200μmの範囲内にあって、平均1〜100μmであることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、前記透明誘電体を介して隣接する透明電磁波吸収フィルムの線状痕の配向及び/又は交差角が異なることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、前記透明誘電体の厚さが吸収すべき電磁波の中心波長λの1/12〜1/2であることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 1枚以上の透明電磁波吸収フィルムと1枚以上の透明導電フィルムとを透明誘電体を介して積層してなる透明電磁波吸収体であって、前記透明導電フィルムはプラスチックフィルムの一方の面に透明導電体層を形成したもので、前記透明導電体層は厚さ10〜20 nmの金属薄膜からなり、前記透明電磁波吸収フィルムは前記透明導電フィルムのプラスチック面に不規則な幅及び間隔で実質的に平行な多数の断続的な線状痕群が複数方向に形成してなることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項8に記載の透明電磁波吸収体において、前記金属薄膜が100〜1000Ω/□の表面抵抗を有することを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項9に記載の透明電磁波吸収体において、前記金属薄膜がアルミニウム又はニッケル薄膜であることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項8〜10のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、前記透明電磁波吸収フィルムの線状痕が二方向に配向しており、その交差角が30〜90°であることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項8〜11のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、前記線状痕の幅は90%以上が0.1〜100μmの範囲内にあって、平均1〜50μmであり、前記線状痕の間隔は0.1〜200μmの範囲内にあって、平均1〜100μmであることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項8〜12のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、2つ以上の透明電磁波吸収フィルムを有する場合は最も近接した透明電磁波吸収フィルム同士の線状痕の配向及び/又は交差角が異なることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 請求項8〜13のいずれかに記載の透明電磁波吸収体において、前記透明誘電体の厚さが吸収すべき電磁波の中心波長λの1/12〜1/2であることを特徴とする透明電磁波吸収体。
- 1枚又は複数枚の電磁波吸収フィルムを誘電体を介して導電性反射板と積層してなる電磁波吸収体であって、前記電磁波吸収フィルムはプラスチックフィルムの一方の面に金属薄膜からなる導電体層を有するとともに、他方の面に不規則な幅及び間隔で実質的に平行な多数の断続的な線状痕群が複数方向に形成されていることを特徴とする電磁波吸収体。
- 請求項15に記載の電磁波吸収体において、前記金属薄膜が100〜1000Ω/□の表面抵抗を有することを特徴とする電磁波吸収体。
- 請求項16に記載の電磁波吸収体において、前記金属薄膜がアルミニウム又はニッケルの薄膜であることを特徴とする電磁波吸収体。
- 請求項15〜17のいずれかに記載の電磁波吸収体において、各電磁波吸収フィルムの線状痕が二方向に配向しており、その交差角が30〜90°であることを特徴とする電磁波吸収体。
- 請求項15〜18のいずれかに記載の電磁波吸収体において、前記線状痕の幅は90%以上が0.1〜100μmの範囲内にあって、平均1〜50μmであり、前記線状痕の間隔は0.1〜200μmの範囲内にあって、平均1〜100μmであることを特徴とする電磁波吸収体。
- 請求項15〜19のいずれかに記載の電磁波吸収体において、前記誘電体を介して隣接する電磁波吸収フィルムの線状痕の配向及び/又は交差角が異なることを特徴とする電磁波吸収体。
- 請求項15〜20のいずれかに記載の電磁波吸収体において、前記透明誘電体の厚さが吸収すべき電磁波の中心波長λの1/12〜1/2であることを特徴とする電磁波吸収体。
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