JP5302054B2 - Dnaが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法、細胞画像解析装置、及びプログラム - Google Patents

Dnaが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法、細胞画像解析装置、及びプログラム Download PDF

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本発明は、アポトーシス細胞のうち、DNA鎖が切断されて亀裂(ニック)が生じているものの未だDNAが断片化されていない細胞と、DNAが断片化された細胞とを区別して検出する方法、該方法に用いられる細胞画像解析装置、及び該方法を用いたアポトーシスのステージの評価方法に関する。
アポトーシスは、ある制御されたカスケードに従って進行するプログラムされた細胞死であり、多細胞生物の発生に非常に重要な役割を担っている。また、ネクローシス(細胞壊死)と異なり、原則的に炎症を惹起しないため、生体内の細胞環境のホメオスターシス維持のためにも重要なメカニズムである。このため、古くから、アポトーシスカスケードを解明すべく、世界中で研究がなされている。また、治療等においてアポトーシスが重要であるとされる疾患も多い。例えば、癌等の増殖性疾患では、癌細胞をアポトーシスへ誘導する創薬研究が盛んである。逆に、パーキンソン病やアルツハイマー病等の神経系疾患においては、アポトーシスを抑制することにより、病症の進行を遅らせたり、病態を改善できることが期待されるため、アポトーシスを抑制できる化合物をターゲットとした創薬開発が盛んである。
アポトーシスはもともと、形態学的に定義された概念であり、ネクローシスと比べ、顕著な形態学的変化を伴う細胞死の様式である。アポトーシスに陥った細胞は収縮し、核が濃縮し断片化された後、断片化した核が細胞膜に包まれたアポトーシス小体が形成される。このアポトーシス小体は食細胞により処理される。一般的には、細胞の丸化(細胞容積減少)、核の凝集、DNA断片化(染色体DNAがヌクレオソームごとに切断されること)、及びアポトーシス小体の形成(細胞の分断化)が、アポトーシスの特徴的な形態的変化であるといわれている。
アポトーシスのシグナル伝達系は複数のカスケードが複雑に絡み合っており、非常に多くの因子が関与している。このため、アポトーシスの検出方法も多岐にわたっている。また、アポトーシスのステージは、その形態学的特徴から、主に、初期、中期、後期と分類されており、このステージを区別して検出する方法の開発も盛んである。ここで、アポトーシスは、シグナルが誘導されてから細胞死までの工程が細胞内で行われているため、アポトーシスの検出には、細胞をダイレクトに検出する方法が好ましい。例えば、従来から、核等の細胞内器官を蛍光物質で染色し、顕微鏡にて撮像し、撮像された細胞画像を解析する技術が提案されており(例えば、特許文献1等)、このような顕微鏡画像解析を応用することにより、アポトーシスの各ステージの形態的変化をより高感度に検出することができる。
代表的なアポトーシスの検出方法として、細胞質内における断片化カスパーゼの誘導を検出する方法、細胞膜の透過性変化を検出する方法、DNA鎖の切断(分解)を検出する方法、DNA断片化を検出する方法、及びミトコンドリアの膜電位の変化を検出する方法等が挙げられる。これらのうち、DNA断片化を検出する方法以外は、蛍光マーカー等を利用することにより、一般的に用いられているフローサイトメータや顕微鏡観察により行われている。一方、DNA断片化を検出する方法は、フローサイトメータを用いては検出することができず、現在のところ、顕微鏡観察により行われている。
上記の4つの検出方法のうち、特にDNA断片化は、その反応が完全に不可逆的なものであるため、多くの論文などで、他のマーカーとともに平行して行うアポトーシスの評価の対象とされている。DNA断片化を検出する方法としては、細胞から抽出したDNAを電気泳動等により長さごとに分離し、梯子状のラダー像を確認する方法が広く行われている。これは、染色体DNAがヌクレオソーム単位で切断される(ヌクレオソームとヌクレオソームまで切断される)ために観察される。ヌクレオソーム1個に約180bpが巻き付いているので、一番小さい断片が180bp、その次が360bpと、整数倍の大きさの断片が検出される。また、DNA断片化に伴い、核も断片化することが観察される。そこで、インターカレーター等の二本鎖DNAの染色試薬を用いて核を染め、顕微鏡下で核の断片化という形態的変化を観察することによって、DNA断片化を検出する方法もある。
一方、二本鎖DNAの断片化の前に起こる現象がDNA鎖の切断(分解)である。このため、フローサイトメータを用いてアポトーシスを検出する場合には、DNA断片化の代用として、アポトーシスの初期段階で頻繁に生じる特徴的な現象であるDNA鎖分解のアッセイを行うことが多い。DNA鎖の分解を検出する方法としては、TUNEL(ターミナルトランスフェラーゼニックエンドラベリング)法が挙げられる。TUNEL法は、外来酵素であるターミナルトランスフェラーゼを用いて、DNA鎖の切断部位を、修飾ヌクレオチドであるビオチン-dUTP等で標識する。断片化されたDNAを検出することができ、従来のテンプレート依存のISNT(インサイチュニックトランスレーション)法より感度が高く、その上、手間がかからないため、アポトーシス解析には使用頻度の高い検出方法である。
特許第3576491号公報
しかしながら、TUNEL法では、断片化されたDNAのみならず、二本鎖DNAのうちの一本鎖にのみニック(亀裂)が入ったものも検出されるため、DNAが断片化された細胞と共に、まだ断片化に至っていない細胞までも検出してしまうことになる。このため、フローサイトメータを用いてTUNEL法により検出する場合には、DNA鎖の切断ステージにある細胞とDNAの断片化ステージにある細胞情報が混在することになり、真の評価ができないことになる。
また、フローサイトメータを用いてTUNEL法を行い、DNA断片化を顕微鏡で観察する方法もあるが、この場合には、全く同じ細胞で2種類の異なるアッセイを測定することは難しく、また手間がかかるという問題がある。さらに、DNA断片化を顕微鏡で観察する場合には、一般的に比較的薄く染色された核中に、濃く染色された断片化された核(DNA)が観察されるが、測定者が目視でDNAが断片化された細胞を検出し、その数を測定する場合には、測定者の負担が大きい上に、個人(測定者)の主観により結果がばらつくことが少なくない。
本発明は、画像解析により、DNA鎖に切断が生じているものの未だ断片化に至っていないステージのアポトーシス細胞と、DNA断片化がなされたステージのアポトーシス細胞とを区別して検出することにより、DNA断片化がなされたステージのアポトーシス細胞をより精確に検出するための方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1) 画像解析により、DNAが断片化されたアポトーシス細胞を検出する方法であって、(a)細胞観察用容器に固定された1又は複数の細胞に対して、蛍光性の二本鎖核酸染色剤を用いた核染色と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色とを行う工程と、(b)前記工程(a)において染色された細胞を、顕微鏡を用いて撮像し、各細胞の二本鎖核酸染色画像及びTUNEL染色画像を取得する工程と、(c)前記工程(b)において取得された二本鎖核酸染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞の核が断片化されているか否かを判別する工程と、(d)前記工程(b)において取得されたTUNEL染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞のDNA鎖の切断が生じているか否かを判別する工程と、(e)前記工程(c)において核が断片化されていると判別された細胞であって、かつ、前記工程(d)においてDNA鎖の切断が生じていると判別された細胞を、DNAが断片化されている細胞として検出する工程と、を有し、前記工程(c)における二本鎖核酸染色画像の解析を、細胞核用閾値、断片化細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及びTUNEL染色用閾値を予め記憶する閾値記憶部を備える細胞画像解析装置、前記二本鎖核酸染色画像を入力する画像入力工程と、前記細胞画像解析装置が、入力された二本鎖核酸染色画像から、前記細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域のうち細胞核用面積閾値以上の面積を有する領域を細胞核領域として抽出する細胞核領域抽出工程と、前記細胞画像解析装置が、前記細胞核領域から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出する断片化細胞核領域抽出工程と、前記細胞画像解析装置が、前記細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が、2個以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核が断片化されており、1個又は0個である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていないと判別する断片化細胞核判別工程と、により行い、前記工程(d)におけるTUNEL染色画像の解析を、前記細胞画像解析装置、前記TUNEL染色画像を入力する画像入力工程と、前記細胞画像解析装置が、入力されたTUNEL染色画像の、前記二本鎖核酸染色画像において抽出された細胞核領域に相当する領域に含まれる画素の輝度値の統計値を測定するTUNEL染色輝度値測定工程と、前記細胞画像解析装置が、前記統計値が、前記TUNEL染色用閾値以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、前記TUNEL染色用閾値未満である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていないと判別するDNA鎖切断判別工程と、により行うことを特徴とするDNAが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法、
) 前記細胞観察用容器が、スライドガラスまたはマルチウェルプレートであることを特徴とする前記(1記載のDNAが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法、
) 顕微鏡画像の取得および画像解析を、イメージングサイトメータを用いて行うことを特徴とする前記(1)又は(2)記載のDNAが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法、
) 細胞核用閾値、断片化細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及びTUNEL染色用閾値を予め記憶する閾値記憶部と、蛍光性の二本鎖核酸染色剤により染色された細胞が撮像された二本鎖核酸染色画像と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色された、前記二本鎖核酸染色画像と同一視野のTUNEL染色画像を入力する画像入力部と、入力された二本鎖核酸染色画像から、前記細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域のうち細胞核用面積閾値以上の面積を有する領域を細胞核領域として抽出する細胞核領域抽出部と、前記細胞核領域から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出する断片化細胞核領域抽出部と、前記細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が、2個以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核が断片化されており、1個又は0個である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていないと判別する断片化細胞核判別部と、入力されたTUNEL染色画像の、前記二本鎖核酸染色画像において抽出された細胞核領域に相当する領域に含まれる画素の輝度値の統計値を測定するTUNEL染色輝度値測定部と、前記統計値が、前記TUNEL染色用閾値以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、前記TUNEL染色用閾値未満である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていないと判別するDNA鎖切断判別部と、核が断片化されていると判定され、かつ、DNA鎖の切断が生じていると判定された細胞を、DNAが断片化されたアポトーシス細胞であると解析する解析部と、を備えることを特徴とする細胞画像解析装置、
) 前記断片化細胞核領域抽出部は、前記細胞核領域から断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を候補領域として抽出する候補領域抽出部と、前記候補領域において、各画素の輝度値の傾きに基づいた境界線検出処理を行うことによって境界線を検出し、検出された境界線によって囲まれる領域を断片化細胞核領域として抽出する領域決定部と、を備えることを特徴とする前記()記載の細胞画像解析装置、
) 細胞核用閾値、断片化細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及びTUNEL染色用閾値を予め記憶する閾値記憶部を備えるコンピュータに対し、蛍光性の二本鎖核酸染色剤により染色された細胞が撮像された二本鎖核酸染色画像と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色された、前記二本鎖核酸染色画像と同一視野のTUNEL染色画像を入力する画像入力工程と、入力された二本鎖核酸染色画像から、前記細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域のうち細胞核用面積閾値以上の面積を有する領域を細胞核領域として抽出する細胞核領域抽出工程と、前記細胞核領域から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出する断片化細胞核領域抽出工程と、前記細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が、2個以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核が断片化されており、1個又は0個である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていないと判別する断片化細胞核判別工程と、入力されたTUNEL染色画像の、前記二本鎖核酸染色画像において抽出された細胞核領域に相当する領域に含まれる画素の輝度値の統計値を測定するTUNEL染色輝度値測定工程と、前記統計値が、前記TUNEL染色用閾値以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、前記TUNEL染色用閾値未満である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていないと判別するDNA鎖切断判別工程と、核が断片化されていると判定され、かつ、DNA鎖の切断が生じていると判定された細胞を、DNAが断片化されたアポトーシス細胞であると解析する解析工程と、を実行させるためのプログラム、
本発明のアポトーシス細胞の検出方法により、アポトーシス評価において非常に重要な形態変化であるDNA鎖の切断とDNAの断片化とを区別して検出することができる。このため、本発明のアポトーシス細胞の検出方法を用いることにより、アポトーシス細胞のステージをより精確に評価することが可能となる。
さらに、本発明の細胞画像解析装置を用いることにより、自動的に、DNA鎖に切断が生じているものの未だ断片化に至っていないステージのアポトーシス細胞と、DNA断片化がなされたステージのアポトーシス細胞とを区別して検出することが可能である。
細胞画像解析装置の一態様である細胞画像解析装置の機能構成を表す概略ブロック図である。 閾値記憶部が記憶する細胞核用閾値と断片化細胞核用閾値との概略を表す概略図である。 アポトーシスを起こしていない細胞核の画像の例を表す図である。 アポトーシスを起こした細胞核の画像の例を表す図である。 細胞画像解析装置の動作例を表すフローチャートである。 断片化細胞核領域抽出処理における断片化細胞核領域抽出部の動作例を表すフローチャートである。 細胞画像解析装置1aのうちの、領域決定部106aの結果の例を表す図である。 実施例1において、画像解析の結果を示した図である。 実施例1において、スタウロスポリン濃度ごとの解析結果を示した図である。
本発明において、「DNAが断片化する」とは、染色体DNAが、ヌクレオソームとヌクレオソームの間で切断され、2以上のフラグメントに分解されることを意味する。
また、「DNA鎖が切断する」とは、染色体を構成する二本鎖DNAのうちの少なくとも一方の鎖の1箇所が切断されることを意味する。つまり、DNA鎖が切断されている細胞には、DNAが断片化されている細胞が含まれるが、単に染色体DNAに切断が生じており、フラグメントに分解されていない、すなわちDNAが断片化されていない細胞も含まれる。
また、「核が断片化する」とは、一の細胞由来の染色体DNAが2以上の凝集領域を形成している状態を意味する。この凝集領域は、二本鎖核染色剤により強く染色される。つまり、二本鎖核染色をした場合に、核領域内に強く染色される領域が2以上ある場合に、「核が断片化されている」という。
<DNAが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法>
本発明のアポトーシス細胞の検出方法は、画像解析により、二本鎖核酸染色剤を用いた核染色(二本鎖核酸染色)とTUNEL染色とを併用することにより、DNA鎖に切断が生じているものの未だ断片化に至っていないステージ(以下、「DNA鎖切断ステージ」という。)のアポトーシス細胞と、DNA断片化がなされたステージ(以下、「DNA断片化ステージ」という。)のアポトーシス細胞とを区別して検出することを特徴とする。TUNEL染色により、DNA鎖に切断が生じているか否かを判別することができる。TUNEL染色陽性細胞(TUNEL染色された細胞)には、二本鎖DNAのうちの一本鎖にのみニックが入り、未だ断片化まで至っていない細胞(以下、「DNA鎖切断細胞」ということがある。)と、二本鎖DNAの両方の鎖が切断されて断片化された細胞(以下、「DNA断片化細胞」ということがある。)のいずれもが含まれる。一方で、二本鎖核酸染色剤を用いた核染色により、核の断片化が生じているか否かを判別することができるが、核が断片化された細胞(以下、「核断片化細胞」ということがある。)では、DNAも断片化されている。そこで、二本鎖核酸染色とTUNEL染色とを併用することにより、TUNEL染色陽性細胞のうち、核断片化細胞をDNA断片化細胞とし、核の断片化が観察されなかった細胞をDNA鎖切断細胞として区別して検出することができる。
本発明においては、二本鎖核酸染色及びTUNEL染色された細胞観察用容器中の細胞を、顕微鏡を用いて、個々の細胞ごとに核断片化の有無やTUNEL染色の有無を判別する。この際に、顕微鏡画像を取得して画像解析を行うことにより、顕微鏡下の目視観察を行う従来の方法よりも、簡便かつ迅速であり、判別時の操作負担を顕著に軽減することができる。
本発明のアポトーシス細胞の検出方法は、具体的には、下記の工程(a)〜(e)を有することを特徴とする。
(a)細胞観察用容器に固定された1又は複数の細胞に対して、蛍光性の二本鎖核酸染色剤を用いた核染色と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色とを行う工程。
(b)前記工程(a)において染色された細胞を、顕微鏡を用いて撮像し、各細胞の二本鎖核酸染色画像及びTUNEL染色画像を取得する工程。
(c)前記工程(b)において取得された二本鎖核酸染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞の核が断片化されているか否かを判別する工程。
(d)前記工程(b)において取得されたTUNEL染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞のDNA鎖の切断が生じているか否かを判別する工程。
(e)前記工程(c)において核が断片化されていると判別された細胞であって、かつ、前記工程(d)においてDNA鎖の切断が生じていると判別された細胞を、DNAが断片化されている細胞として検出する工程。
以下、工程ごとに説明する。
まず、工程(a)として、細胞観察用容器に固定された1又は複数の細胞に対して、蛍光性の二本鎖核酸染色剤を用いた核染色と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色とを行う。
細胞観察用容器としては、一般的に細胞染色に用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、スライドガラス又はマルチウェルプレートであることが好ましい。
スライドガラス又はマルチウェルプレートを用いて、イメージングサイトメータ等を用いることにより、多数の検体も迅速かつ簡便に処理することが可能となる。
細胞観察用容器への細胞の固定方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。例えば、自然乾燥させてもよく、ホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒド、メタノール等の細胞固定架橋剤を呈することにより、細胞観察用容器へ細胞を固定することができる。固定処理後、細胞固定架橋剤を除去するため、PBS等で洗浄する。洗浄処理後、すぐに細胞染色を行わない場合は、細胞観察用容器をPBS等のバッファーを満たし、乾燥防止のフィルムを貼付して4℃で保存することもできる。また、検出用抗体と反応させる前に、細胞を固定した細胞観察用容器を、スキムミルク含有PBS等を用いてブロッキングすることも好ましい。
二本鎖核酸染色やTUNEL染色は、当該技術分野において汎用されている細胞染色であり、常法により行うことができる。また、両染色を同時に行っても良く、別々に行っても良い。
例えば、二本鎖核酸染色は、界面活性剤等による細胞膜透過処理を行った細胞を、二本鎖核酸染色剤溶液に一定時間浸漬させることによって行うことができる。
二本鎖核酸染色剤としては、二本鎖DNAを染色し得る蛍光物質からなる染色剤であれば特に限定されるものではなく、公知の蛍光性核染色剤の中から、適宜選択して用いることができる。本発明においては、インタカレーターであることが好ましい。公知の蛍光性の二本鎖核酸染色剤として、例えば、DAPI(4‘,6−diamino−2−phenylindole)、PI(propidium iodide)、Hoechst、DRAQ5(登録商標)(Biostatus社製)、Sytox(登録商標)(インビトロジェン社製)、YOYO(登録商標)(インビトロジェン社製)等が挙げられる。
一方、TUNEL染色では、まず、細胞膜透過処理を行った細胞を、ターミナルトランスフェラーゼと修飾dUTP(修飾物質により修飾されたdUTP)とを含む溶液に一定時間浸漬させることにより、DNA鎖の切断部位の3’−OH基に修飾dUTPを取り込ませる。修飾dUTPは、ターミナルトランスフェラーゼによりDNA鎖の切断部位に取り込まれるものであれば、特に限定されるものではなく、ヌクレオチドを検出するために一般的に用いられる修飾物質により修飾されたdUTPを用いることができる。このような修飾dUTPとして、例えば、BrdUTP(ブロモ化デオキシウリジン三リン酸)や、ビオチン−dUTP等のようなリガンドを修飾物質としたものが挙げられる。このようなリガンドとしては、通常ヌクレオチド等の標識に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ビオチン(biotin)、グルタチオン(Glutathione)、DNP(dinitorophenol)、ジゴキシゲニン(digoxigenin)、ジゴキシン(digoxin)、2以上の糖からなる糖鎖、6以上のアミノ酸からなるポリペプチド、オーキシン、ジベレリン、ステロイド、タンパク質、及びそれらの類縁体等がある。
その後、この修飾物質を指標としてDNA鎖の切断部位を蛍光染色することができる。例えば、修飾dUTPとしてBrdUTPを用いた場合には、抗BrdUTP抗体を用いて免疫染色を行う。免疫染色としては、蛍光物質で標識された抗BrdUTP抗体を用いて染色する直接法であってもよく、蛍光物質で標識された二次抗体(抗BrdUTP抗体に対する抗体)を用いて染色する間接法であってもよい。抗体を標識する蛍光物質としては、一般的にタンパク質等の生体分子の標識に用いられる蛍光物質であれば、特に限定されるものではなく、公知の蛍光物質の中から適宜選択して用いることができる。該蛍光物質として、例えば、FITC(フルオレセインイソチオシアナート)、フルオレセイン、ローダミン(Rhodamin)、TAMRA、NBD、TMR(テトラメチルローダミン)等が挙げられる。
また、ビオチン−dUTP等のように、リガンドを修飾物質とした修飾dUTPを用いた場合には、当該リガンドと特異的に結合し得る受容体を蛍光物質で標識したものを用いて蛍光染色することができる。受容体としては、該リガンドの抗体や該リガンドの検出等に通常用いられている化合物等を用いることができ、例えば、リガンドがビオチンの場合にはアビジンやストレプトアビジンであり、リガンドがグルタチオンの場合にはGST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、リガンドがマルトース等のアミロースの場合にはMBP(マルトース結合タンパク質)等である。
本発明においては、工程(b)において二本鎖核酸染色画像とTUNEL染色画像とを区別して取得するため、TUNEL染色において、抗体や受容体の標識として用いられる蛍光物質は、二本鎖核酸染色剤と蛍光特性の異なる蛍光物質を用いる。なお、本発明において、蛍光特性が異なるとは、FITCとローダミンのように、励起光照射により発される蛍光の波長が、区別して検出し得るほど異なることを意味する。
次に、工程(b)として、染色された細胞を、顕微鏡を用いて撮像し、各細胞の二本鎖核酸染色画像及びTUNEL染色画像を取得する。染色画像は、共焦点レーザ顕微鏡等を用いて、染色において標識として用いた蛍光物質の蛍光特性に適した波長の励起光を細胞に照射し、該蛍光物質から発された蛍光を検出して撮像することにより取得することができる。二本鎖核酸染色画像とTUNEL染色画像とを、1ショット(1顕微鏡視野)ごとに別個に取得し、蓄積する。
次いで工程(c)において、取得された二本鎖核酸染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞の核が断片化されているか否かを判別する。断片化された核は、断片化されていない核よりも密度が高いため、二本鎖核酸染色剤により、より強く(濃く)染色される。ここで、染色画像においては、強く染色されている領域のほうが、弱く(薄く)染色される領域よりも画素(ピクセル)当たりの輝度(明るさの度合)が大きくなる。そこで、この輝度の相違を利用して、二本鎖核酸染色画像中の細胞を、核が断片化されているものとされていないものとに区別して検出することができる。加えて、同時に一細胞あたりの断片化された核の数も検出することができる。
具体的には、予め、二本鎖核酸染色画像中の核を認識するための細胞核用閾値及び細胞核用面積閾値、並びに断片化された核(以下、「断片化細胞核」ということがある)を認識するための断片化細胞核用閾値を設定しておき、二本鎖核酸染色画像から、各画素が細胞核用閾値以上の輝度の値(以下、「輝度値」という。)を有する領域のうち細胞核用面積閾値以上の面積を有する領域を細胞核領域として抽出する。なお、ここでいう面積とは、領域の正確な面積の数値のみならず、領域に含まれる画素の数を意味しても良い。
さらに、抽出された細胞核領域から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出する。細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が2個以上である場合に、当該細胞核領域を含む細胞の核は断片化されており、当該細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が1個又は0個である場合には、当該細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていない、と判別する。
ここで、細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及び断片化細胞核用閾値は、解析する対象の細胞の種類、用いる二本鎖核酸染色剤の種類等を考慮して適宜設定されるものである。例えば、解析対象の細胞と同種の細胞を予め二本鎖核酸染色剤を用いて染色し、染色画像を取得した後、当該染色画像から核領域の輝度値や面積値を測定し、得られた測定値に基づいて設定することができる。同様に、断片化細胞核用閾値は、解析対象の細胞と同種の細胞であって、アポトーシス誘導剤処理等によりアポトーシスを起こした細胞の染色画像を取得した後、当該染色画像から核が断片化されている領域の輝度値を測定し、得られた測定値に基づいて設定することができる。
また、抽出された全ての細胞核領域に対して、断片化細胞核領域の抽出を行ってもよいが、細胞核領域の面積値と他の形状の記述ファクターとにより抽出対象とする細胞核領域の集団を特定してもよい。このように、他の形状の記述ファクターを用いることにより、抽出対象からデブリスを排除することができる。形状の記述ファクターとしては、例えば、サーキュラリティーファクター、円周ペリメータ、MAXフェレット、エロンゲーションファクター等がある。
さらに工程(d)として、取得されたTUNEL染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞のDNA鎖の切断が生じているか否かを判別する。TUNEL染色陽性細胞(TUNEL染色により染色された細胞)はDNA鎖が切断されており、TUNEL染色陰性細胞はDNA鎖が切断されていない。本発明においては、核におけるTUNEL染色の蛍光強度が予め設定された閾値以上である場合に、当該核を含む細胞はTUNEL染色陽性細胞であるとする。
具体的には、予め、TUNEL染色用閾値を設定しておき、TUNEL染色画像中の細各胞核領域(二本鎖核酸染色画像から抽出された各細胞核領域に相当する領域)に対して、それぞれ、当該領域に含まれる画素の輝度値の統計値を測定する。輝度値の統計値とは、細胞核領域に含まれる全画素の輝度値の合計値であってもよく、1画素当たりの平均値であってもよい。測定された統計値が、TUNEL染色用閾値以上である場合に、当該細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、当該測定量がTUNEL染色用閾値未満である場合に、当該細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていない、と判別する。
ここで、TUNEL染色用閾値は、TUNEL染色に用いる蛍光物質の種類や解析する対象の細胞の種類等を考慮して、適宜設定することができる。例えば、TUNEL染色画像中の細胞が存在していない領域の輝度値(バックグラウンド)の統計値をTUNEL染色用閾値としてもよく、アポトーシスが起こっていない細胞をTUNEL染色して染色画像を取得後、当該染色画像から細胞内外の適当な領域の輝度値を測定し、得られた測定値の統計値に基づいて設定してもよい。
また、断片化細胞核領域の抽出と同様に、工程(c)において抽出された全ての細胞核領域に対して、TUNEL染色陽性か陰性かを判断してもよく、特定の集団に含まれるものに対してのみ行っても良い。
その後、工程(e)において、工程(c)において核が断片化されていると判別された細胞であって、かつ、工程(d)においてDNA鎖の切断が生じていると判別された細胞を、DNAが断片化されている細胞として検出することにより、DNAが断片化されたアポトーシス細胞を検出することができる。
理論上は、工程(c)において核が断片化されていると判別された細胞の中には、正常細胞であって、細胞周期のM(mitosis)期の細胞も含まれる。特に、倍加した娘染色体が紡錘体に引っ張られてそれぞれ極方向へ移動した後、細胞質分裂前の細胞(M期の後期〜終期の細胞)は、1細胞当たりの断片化細胞核領域が2個抽出されるためである。一方で、これらのM期の細胞は、TUNEL染色陰性であり、工程(d)においてDNA鎖の切断が生じていないと判断される。つまり、本発明のように、核の断片化の有無とTUNEL染色の有無(DNA鎖の切断の有無)とを併用して評価することにより、DNAが断片化されたアポトーシス細胞を精度よく検出することができる。
また、1細胞当たりの断片化細胞核領域が2個抽出された細胞に関しては、個々の細胞ごとに二本鎖核酸染色画像を呼び出し、目視で確認することにより、当該細胞がM期の正常細胞なのか、それともアポトーシス細胞であるのかを、さらに正確に判断することができる。その他、アポトーシスを起こしていないことが明らかである細胞(例えば、アポトーシス誘導剤等の刺激を加えていない細胞等)をネガティブコントロールとして用いることによっても、正常細胞とアポトーシス細胞とをより正確に識別することが可能となる。
DNAの断片化は、アポトーシスの中期から後期にかけて観察される形態変化である。そこで、本発明の検出方法により検出されたDNAが断片化された細胞は、中期又は後期のアポトーシス細胞であると評価することができる。
このため、発明のアポトーシス細胞の検出方法を用いることにより、ある試験化合物で細胞を処理した場合のアポトーシスに対する影響を評価することも可能であり、よって、アポトーシスの誘導剤や抑制(阻害)剤等のスクリーニングを効率よく行うことができる。また、試験化合物の毒性試験にも応用することができる。
その他、本発明の検出方法には、カスパーゼやBcl−2ファミリータンパク質等のアポトーシスシグナルに関与しているとされる生体分子の免疫染色を組み合わせてもよい。なお、これらの生体分子の免疫染色は、細胞観察用容器に固定された細胞に対して、TUNEL染色と別個に行ってもよいが、同時に行うこともできる。
例えば、活性型カスペース3に対する特異的抗体を用いて免疫染色を行った場合、染色された細胞(陽性細胞)はアポトーシス細胞であると判別することができる。このように、アポトーシスシグナルに関連する生体分子の免疫染色を組み合わせることにより、より精確にアポトーシス細胞を検出することができる。
<細胞画像解析装置>
工程(c)、(d)、及び(e)は、これらの工程を実現可能な一の画像解析装置を用いて解析することができる。
図1は、このような細胞画像解析装置の一実施形態である細胞画像解析装置1の機能構成を表す概略ブロック図である。細胞画像解析装置1は、画像入力部101、閾値記憶部102、細胞核領域抽出部103、断片化細胞核領域抽出部104a、断片化細胞核判別部111、TUNEL染色輝度値測定部112、DNA鎖切断判別部113、解析部114、及び解析結果出力部107を備える。細胞画像解析装置1aは、パーソナルコンピューターやワークステーション等の情報処理装置を用いて構成されても良いし、顕微鏡などに組み込まれた専用装置として構成されても良い。
画像入力部101は、蛍光物質で染色された細胞が顕微鏡にて撮像された細胞画像(二本鎖核酸染色画像及びTUNEL染色画像)のデジタルデータを細胞画像解析装置1aに入力する。なお、二本鎖核酸染色画像とTUNEL染色画像は、同一視野の細胞を撮像した画像である。
閾値記憶部102は、細胞核領域抽出部103、断片化細胞核領域抽出部104a、及びDNA鎖切断判別部113の処理で用いられる細胞核用閾値、断片化細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及びTUNEL染色用閾値を予め記憶する。
細胞核領域抽出部103は、入力された二本鎖核酸染色画像から、細胞核用閾値及び細胞核用面積閾値に基づいて細胞核領域を抽出し、細胞核領域の位置と範囲を表す情報を取得する。なお、ここでいう面積とは、領域の正確な面積の数値のみならず、領域に含まれる画素の数を意味しても良い。
断片化細胞核領域抽出部104aは、入力された二本鎖核酸染色画像の細胞核領域から断片化細胞核用閾値に基づいて断片化細胞核領域を抽出し、断片化細胞核領域の位置と範囲を表す情報を取得する。
具体的には、断片化細胞核領域抽出部104aは、候補領域抽出部105a、領域決定部106aを備える。候補領域抽出部105aは、細胞核領域の内側から、断片化細胞核用閾値以上の輝度の値(輝度値)を持つ領域を候補領域として抽出する。領域決定部106aは、候補領域の各画素の輝度値の傾きに基づいた境界線検出処理を行うことによって境界線を検出し、検出された境界線によって囲まれる領域を断片化細胞核領域として抽出する。なお、ここでいう輝度とは、例えば濃淡画像においては濃淡を表す値であり、画像中の各ピクセル(画素)の明るさを表す値である。
断片化細胞核判別部111は、断片化細胞核領域抽出部104aの結果に基づき、細胞核領域抽出部103で抽出された細胞核領域において核の断片化の有無を判別する。具体的には、前記細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が、2個以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核が断片化されており、1個又は0個である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていないと判別する。
TUNEL染色輝度値測定部112は、入力されたTUNEL染色画像の、前記二本鎖核酸染色画像において抽出された細胞核領域に相当する領域(以下、単に「TUNEL染色画像の細胞核領域」ということがある。)に含まれる画素の輝度値の統計値を測定する。輝度値の統計値とは、細胞核領域に含まれる全画素の輝度値の合計値であってもよく、1画素当たりの平均値であってもよい。
DNA鎖切断判別部113は、TUNEL染色輝度値測定部112の結果及びTUNEL染色用閾値に基づき、細胞核領域抽出部103で抽出された細胞核領域においてDNA鎖切断の有無を判別する。具体的には、TUNEL染色輝度値測定部112により得られた前記統計値が、前記TUNEL染色用閾値以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、前記TUNEL染色用閾値未満である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていないと判別する。
解析部114は、断片化細胞核判別部111及びDNA鎖切断判別部113の結果に基づき、細胞核領域抽出部103で抽出された細胞核領域を含む細胞が、DNAが断片化されたアポトーシス細胞であるか否かを解析する。具体的には、断片化細胞核判別部111において核が断片化されていると判定され、かつ、DNA鎖切断判別部113においてDNA鎖の切断が生じていると判定された細胞を、DNAが断片化されたアポトーシス細胞であると解析する。
解析結果出力部107は、細胞核領域及び断片化細胞核領域それぞれの位置と範囲を表す情報に基づいて、解析結果を生成し出力する。解析結果出力部107は、解析結果を画像出力装置に文字又はグラフなどの図形として表示させることによって出力しても良いし、プリンターに印字させることによって出力しても良い。解析結果出力部107が出力する解析結果は、例えば以下の項目である。
・細胞核領域の数
・断片化細胞核領域の数
・内部から断片化細胞核領域が抽出されなかった細胞核領域の数
・内部から断片化細胞核領域が抽出された細胞核領域の数
・細胞核領域の面積の総和
・断片化細胞核領域の面積の総和
・細胞核領域の面積の総和と断片化細胞核領域の面積の総和との比
・二本鎖核酸染色画像における細胞核領域の輝度値の平均値と断片化細胞核領域の輝度値の平均値との比
・TUNEL染色画像における細胞核領域の輝度値の平均値
・TUNEL染色画像における細胞核領域の輝度値の合計値
・各細胞核領域の核の断片化の有無
・各細胞核領域のDNA鎖の切断の有無
・DNA鎖が切断されていると判別された細胞核領域の数
・DNA鎖が切断されていないと判別された細胞核領域の数
・核が断片化されており、かつDNA鎖が切断されていると判別された細胞核領域の数
・核が断片化されており、かつDNA鎖が切断されていないと判別された細胞核領域の数
・核が断片化されておらず、かつDNA鎖が切断されていると判別された細胞核領域の数
・核が断片化されておらず、かつDNA鎖が切断されていないと判別された細胞核領域の数
図2は、閾値記憶部102が記憶する細胞核用閾値と断片化細胞核用閾値との概略を表す概略図である。図2のグラフは、予め実験によって得られた二本鎖核酸染色画像においてy軸の値を所定値に固定したときのx軸方向の輝度値の変化を表す。図2において、A1〜A3の各領域の境界となるx座標の値は、設計者や実験者によって設定される値である。A1の領域は、細胞核領域及び断片化細胞核領域のいずれにも該当しない領域である。二本鎖核酸染色画像では、細胞核を選択的に染色する蛍光物質を用いて細胞核の染色が行われるため、A1のように細胞核及び断片化細胞核が存在していない領域は輝度値が低い画素によって占められる。A2の領域は、断片化細胞核が存在していない細胞核領域である。A3の領域は、断片化細胞核が存在している領域である。二本鎖核酸染色画像では、細胞核の密度が高い領域ほど輝度値が高くなるため、断片化細胞核が存在する領域は、断片化細胞核が存在していない細胞核領域よりも輝度値が高い。
このような実験結果に基づいて、細胞核用閾値及び断片化細胞核用閾値の値が設定される。則ち、領域A1と領域A2との境界となる画素における輝度値が細胞核用閾値として設定され、領域A2と領域A3との境界となる画素における輝度値が断片化細胞核用閾値として設定される。このとき、断片化細胞核用閾値の値は細胞核用閾値よりも大きい値として設定される。実際には、細胞核用閾値及び断片化細胞核用閾値の二つの値は、予め複数の実験を行い細胞核領域と断片化細胞核が存在する領域の輝度値の統計をとることによって、実験環境に応じて最適に決定される。
図3(a)は、アポトーシスを起こしていない細胞核の画像の例を表す図である。図3(b)は、細胞核領域抽出部103によって抽出された細胞核領域の例を表す図である。
図3(b)において、符号Xで表される破線で囲まれた領域が、細胞核領域抽出部103によって抽出された細胞核領域を表す。なお、図3を含む本願図面では、図面作成の都合により輝度値が低いほど白く表し、輝度値が高いほど黒く表す。
図4(a)は、アポトーシスを起こした細胞核の画像の例を表す図である。図4(a)に表されるように、アポトーシスを起こした細胞核の画像には、細胞核の内側に複数の断片化細胞核が存在する。図4(b)は、細胞核領域抽出部103によって抽出された細胞核領域及び断片化細胞核領域抽出部104aによって抽出された断片化細胞核領域の例を表す図である。図4(b)において、符号Xで表される破線で囲まれた領域が、細胞核領域抽出部103によって抽出された細胞核領域を表す。また、図4(b)において、符号Yで表される実線で囲まれた領域が、断片化細胞核領域抽出部104aによって抽出された断片化細胞核領域を表す。
図5は、細胞画像解析装置1aの動作例を表すフローチャートである。以下、図5を用いて細胞画像解析装置1aの動作例について説明する。まず、画像入力部101が細胞画像(二本鎖核酸染色画像及びTUNEL染色画像)のデジタルデータを細胞画像解析装置1aに入力する(ステップS101)。次に、細胞核領域抽出部103が、閾値記憶部102に記憶される細胞核用閾値を読み出し、二本鎖核酸染色画像から細胞核用閾値以上の輝度値を持つ領域を全て抽出する(ステップS102)。次に、細胞核領域抽出部103が、閾値記憶部102に記憶される細胞核用面積閾値を読み出し、ステップS102において抽出された領域のうち、その面積が細胞核用面積閾値以上の領域を、細胞核領域として全て抽出する(ステップS103)。
次に、断片化細胞核領域抽出部104aが断片化細胞核領域抽出処理を実行する(ステップS104)。図6は、断片化細胞核領域抽出処理における断片化細胞核領域抽出部104aの動作例を表すフローチャートである。まず、候補領域抽出部105aが、閾値記憶部102に記憶される断片化細胞核用閾値を読み出し、ステップS103において抽出された各細胞核領域の内側から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を持つ領域を候補領域として全て抽出する(ステップS201)。
次に、領域決定部106aが、各候補領域の各画素の輝度値の傾きに基づいた境界線抽出処理を行うことによって全ての境界線を抽出する(ステップS202)。ステップS202における境界線抽出処理は、従来の画像処理技術における境界線抽出処理(境界線検出処理)を適用して実現される。例えば、領域決定部106aは、候補領域の各画素において輝度値に関する微分値を算出し、微分値が局所的に極大となる画素を連続的に繋ぎ合わせることによって境界線を抽出する。
次に、領域決定部106aが、抽出された各境界線によって囲まれる各領域をそれぞれ断片化細胞核領域として抽出し(ステップS203)、断片化細胞核領域抽出処理を終了する。
図5に戻って説明を続ける。断片化細胞核領域抽出処理が終了すると、断片化細胞核判別部111が、断片化細胞核領域抽出部104aの抽出結果に基づいて、ステップS103において抽出された各細胞核領域において、核が断片化されているか否かを判別する(ステップS105)。
次に、TUNEL染色輝度値測定部112が、TUNEL染色画像のから、ステップS103において抽出された各細胞核領域に含まれる全画素の輝度値を測定し、測定された輝度値から細胞核領域ごとの統計値を算出する(ステップS106)。
次に、DNA鎖切断判別部113が、閾値記憶部102に記憶されるTUNEL染色用閾値を読み出し、TUNEL染色輝度値測定部112の測定結果に基づき、ステップS103において抽出された各細胞核領域において、DNA鎖が切断されているか否かを判別する(ステップS107)。
なお、ステップS104〜S107は、ステップ105の前にS104が行われており、かつ、ステップ107の前にS105が行われている限り、どのような順番で行ってもよい。例えば、ステップS106及びS107を行った後に、ステップS104及びS105を行ってもよい。
次に、解析部114が、断片化細胞核判別部111の判別結果及びDNA鎖切断判別部113の判別結果に基づき、細胞核領域抽出部103で抽出された細胞核領域を含む細胞が、DNAが断片化されたアポトーシス細胞であるか否かを解析する(ステップS108)。
解析部114による解析が終了すると、解析結果出力部107が、解析部114の解析結果を生成し出力し(ステップS109)、図5に表される処理を終える。
図7は、細胞画像解析装置1aのうちの、領域決定部106aの結果の例を表す図である。細胞画像解析装置1aに入力された細胞画像に複数の細胞核や断片化細胞核が撮像されている場合、細胞核領域抽出部103は、撮像されている全ての細胞核領域(図7においては符号Xによって表される3つの破線内部の領域)を抽出し、断片化細胞核領域抽出部104aは、撮像されている全ての断片化細胞核領域(図7においては符号Yによって表される8つの実線内部の領域)を抽出する。
このように構成された細胞画像解析装置1aでは、細胞核用閾値と、細胞核用閾値よりも値が大きい断片化細胞核用閾値とを用いることによって、則ち輝度値に関する二つの閾値を用いることによって、細胞核領域と断片化細胞核領域とをそれぞれ抽出することが可能となる。
また、図2に表されるように、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出してしまうと、複数の断片化細胞核領域が一つの断片化細胞核領域として誤って検出されてしまう場合がある。このような問題に対し、断片化細胞核領域抽出部104aは、断片化細胞核用閾値を用いた処理に加えて、各画素の輝度値の傾きに基づいた境界線抽出処理を行うことによって境界線を抽出し、抽出された境界線によって囲まれる領域を断片化細胞核領域として抽出するため、より正確に断片化細胞核領域を抽出することが可能となる。
<変形例>
断片化細胞核領域抽出部104aは、ステップS201の処理において抽出された候補領域の全てを、ステップS202及びステップS203の処理を行うことなく、断片化細胞核領域としてそのまま抽出しても良い。言い換えれば、断片化細胞核領域抽出部104aは、細胞核領域から断片化細胞核用閾値以上の輝度値を持つ領域を断片化細胞核領域として抽出するように構成されても良い。
上述した本発明の細胞画像解析装置の一態様である細胞画像解析装置1aの機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
本発明のアポトーシス細胞の検出方法は、このような細胞画像解析装置と、細胞の染色画像を取得するための顕微鏡部及び撮像部、並びに撮像された画像を蓄積し記録する画像記録部とを備える、イメージングサイトメータを用いて行うことが好ましい。なお、本発明においてイメージングサイトメータとは、自動的に染色画像の取得と得られた染色画像の解析を行うことができる画像解析装置を意味する。例えば、スライドガラス上の細胞集団に対して、レーザを収束させたスポットで走査し、この細胞集団の個々の細胞が発する蛍光を検出し、走査画像データを画像処理することにより、個々の細胞のデータを抽出して測定するレーザ走査型サイトメータ(例えば、特開平3−255365号公報参照。)やこれを適宜改良したサイトメータ等が挙げられる。
特に、取得された顕微鏡画像に基づき得られた解析データから、顕微鏡画像の画像データを呼び出す手段を有するイメージングサイトメータを用いることが好ましい。各解析データ、例えば、細胞核領域、断片化細胞核領域、TUNEL染色画像の輝度値の統計値等のデータに対して画像データを迅速に確認することができるため、より信頼性の高い診断結果を得ることができるためである。また、解析結果をヒストグラムやドットプロットにより表示する手段を有していることが好ましい。本発明においては、ドットプロット表示がより望ましい。ドットプロット表示では、個々の細胞が1つ1つのドットとして表示されるため、解析結果をドットプロット表示することにより、個々の細胞情報を画像とともに瞬時に確認できる利点がある。
<アポトーシスのステージの評価方法>
本発明の検出方法に、さらに他のアポトーシス細胞を検出する方法を組み合わせることにより、一の測定試料中に含まれる複数の細胞のそれぞれに対して、アポトーシスのステージを評価することが可能になる。本発明においては、アポトーシスの特定のステージの細胞を特異的に検出する方法を組み合わせることが好ましく、中でも、初期のアポトーシス細胞を検出する方法と組み合わせることが好ましい。
例えば、細胞膜中のフォスファチジルセリンの局在変化、ミトコンドリア膜の脱分極、及び細胞膜の透過性向上は、アポトーシスの初期から観察される変化であり、これらを検出する方法と、本発明とを組み合わせることにより、初期のアポトーシス細胞と、中期又は後期のアポトーシス細胞とを、精度よく評価することができる。
フォスファチジルセリンは、通常は細胞膜の内膜に局在しているが、アポトーシスが起こると外膜へ移行することが分かっている。フォスファチジルセリンの局在変化は、フォスファチジルセリンと特異的に結合する化合物又は該化合物を蛍光物質で標識したものを用いた細胞染色(フォスファチジルセリン染色)を行うことにより検出することができる。フォスファチジルセリンと特異的に結合する化合物としては、例えば、アネキシンV等が挙げられる。
ミトコンドリア膜の脱分極は、例えば、ミトコンドリア膜が脱分極を起こしているか否かにより、細胞内における局在や蛍光特性が変化する蛍光性のミトコンドリア膜電位検出用プローブを用いた蛍光細胞染色により、検出することができる。このようなミトコンドリア膜電位検出用プローブは、公知のいずれのプローブを用いてもよく、例えば、CMXRos、JC−1、DiOC6等を挙げることができる。
アポトーシス細胞では、細胞膜の透過性が向上する。そこで、アポトーシスを起こしていない細胞の細胞膜は透過できないが、アポトーシスを起こした細胞の細胞膜を透過する大きさの蛍光物質(細胞膜透過性検出用プローブ)を用いて細胞染色を行うことにより、アポトーシス細胞を検出することができる。このような細胞膜透過性検出用プローブは、公知のいずれのプローブを用いてもよく、例えば、PI等を挙げることができる。
フォスファチジルセリン蛍光染色、ミトコンドリア膜電位検出用プローブを用いた蛍光染色、及び細胞膜透過性プローブを用いた蛍光染色のうち、1のみを本発明の検出方法に組み合わせてもよく、複数を組み合わせてもよく、全てを組み合わせても良い。組み合わせる染色方法の数が多いほど、信頼性の高い評価を得ることができる。
フォスファチジルセリン蛍光染色、ミトコンドリア膜電位検出用プローブを用いた蛍光染色、及び細胞膜透過性プローブを用いた蛍光染色は、いずれも、生細胞(固定処理や細胞膜透過処理を行っていない状態の細胞)を用いて染色を行わなければならない。このため、検出対象である細胞に対して、まず、これらの染色を行った後に、細胞観察用容器に固定する。次に、固定された細胞に対して、蛍光性の二本鎖核酸染色剤を用いた核染色及びDNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色を行う。その後、染色の種類ごとに、それぞれ染色画像を取得する。
フォスファチジルセリン染色画像を取得した場合には、当該フォスファチジルセリン染色画像を解析する。画像解析により、フォスファチジルセリンが細胞膜の外側に局在していると判別された細胞をアポトーシス細胞であると評価し、フォスファチジルセリンが細胞膜の中側に局在していると判別された細胞は、アポトーシスを起こしていない細胞(非アポトーシス細胞)であると評価する。
また、ミトコンドリア膜電位検出用プローブ染色画像を取得した場合には、当該ミトコンドリア膜電位検出用プローブ染色画像を解析する。この画像解析の結果、ミトコンドリア膜に脱分極が生じていると判別された細胞をアポトーシス細胞であると評価し、脱分極が生じていないと判別された細胞を非アポトーシス細胞であると評価する。
細胞膜透過性検出用プローブ染色画像を取得した場合には、当該細胞膜透過性プローブ染色画像を解析する。この画像解析の結果、当該細胞膜透過性プローブにより染色されたと判別された細胞をアポトーシス細胞であると評価し、染色されなかったと判別された細胞を非アポトーシス細胞であると評価する。
これらの3種類の染色画像の少なくとも1の解析により、アポトーシス細胞であると評価された細胞であって、二本鎖核酸染色剤による染色とTUNEL染色の解析から、DNAが断片化されていると判断されなかった(DNAが断片化されていないと判断された)細胞を、初期のアポトーシス細胞であると評価することができる。
その他、アポトーシスの特定のステージにおいて活性化等される生体分子の免疫染色を組み合わせてもよい。なお、これらの生体分子の免疫染色は、細胞観察用容器に固定された細胞に対して、TUNEL染色と別個に行ってもよいが、同時に行うこともできる。
例えば、活性型カスペース3は、比較的アポトーシスの初期ステージから検出される。このため、活性型カスペース3の免疫染色を組み合わせた場合、活性型カスペース3陽性細胞(免疫染色により活性型カスペース3が検出された細胞)であって、DNA断片化されていないと判断された細胞は、初期のアポトーシス細胞であると評価することができる。
なお、本発明の検出方法等は、TUNEL染色と二本鎖核酸染色を併用することを特徴とするが、TUNEL染色に代えて生細胞に対する染色(例えば、前述のフォスファチジルセリン染色やミトコンドリア膜電位検出用プローブを用いた蛍光細胞染色)と、Hoechst等の生細胞の核酸を染色し得る二本鎖核酸染色剤を用いた染色とを併用することにより、生細胞の状態でアポトーシス細胞のステージを評価することができる。具体的には、各染色剤を添加した培地で細胞を培養し、この状態で細胞画像を取得し、取得された画像に対し、画像解析を行う。この方法では、一の生細胞の経時変化を観察することができるため、アポトーシスの進行を画像解析により評価することもできる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
スタウロスポリンによってアポトーシスを誘導したHL60細胞を、TUNEL染色した後、二本鎖核酸染色剤で染色し、画像解析を行い、DNAが断片化された細胞を検出した。具体的には、以下のように行った。なお、HL60細胞の培養は、10%FBS(ウシ胎児血清、GIBCO社製)含有RPMI培地(GIBCO社製)を用いて、35cmフラスコに、1〜9×10cells/mLとなるように播種して、37℃、COインキュベータ中で行った。
<スタウロスポリン処理>
24well plateに0.5×10cells/wellとなるように播種したHL60細胞に、最終濃度がそれぞれ0、0.1、0.25、0.5、1.0μMとなるように、スタウロスポリン(CALBIOCHEM社製)を添加し、5時間インキュベートした。
<細胞固定>
インキュベート後、wellから細胞を培地ごと15mLチューブに移し、培地を除去した後、4%パラホルムアルデヒド(和光純薬社製)溶液を添加して室温で20分間静置することにより、細胞を固定した。その後、遠心処理を行って4%パラホルムアルデヒド溶液を除去し、PBSで1回洗浄した後、PBSを添加して細胞懸濁液を調製した。
この細胞懸濁液を、96well plateに、5×10cells/wellとなるように加えた。当該プレートを、600rpm、10分間の遠心処理を行った後、プレート向きを逆にして再度600rpm、10分間の遠心処理を行って溶液を除去し、30分間おいて自然乾燥させた。その後、70%冷エタノールを100μL/wellずつ加えて−20℃で1晩置いて細胞を固定した。その後、エタノールを除去し、PBSで洗浄した。
<免疫染色>
各wellに、1%TritonXを100μL/wellずつ加え、氷上で10分間静置した後、PBSで1回洗浄した。各wellに、50μLのLabeling Reaction Mixを加えて37℃で1時間インキュベートした。次いで、Rinsing Buffer(0.1%TritonX及び0.5%BSA含有PBS)で3回洗浄した後、各wellに、anti−BrdU抗体(CALBIOCHEM社製)をIncubation Buffer(1%BSA及び0.1%Tween20含有PBS)で200倍に希釈した溶液を100μL/wellずつ加え、室温で1時間インキュベートした。各wellを、Washing Buffer(0.1%Tween20含有PBS)で2回洗浄した後、anti−mouse−Alexa647抗体(Alexa Fluor 647 goat anti−mouse IgG(H+L)、Invitrogen社製)をIncubation Bufferで250倍に希釈した溶液を100μL/wellずつ加え、室温遮光下で30分間インキュベートした。さらに、Washing Bufferで2回洗浄した後、PBSで1μg/mLに希釈したDAPI(Roche社製)溶液を、100μL/wellずつ加え、室温で10分間インキュベートした後、PBSで2回洗浄した。なお、Labeling Reaction Mixは、10μLの×5TdT Buffer(Roche社製)、2μLの25mM CoCl(Roche社製)、0.125μLのTdT enzyme(Roche社製)、及び1μLの2mM BrdUTP(SIGMA社製)に蒸留水を加えて最終量50μLとしたものである。
<画像解析>
上記操作後の各wellに、100μLずつPBS加えておいたものを試料とし、CELAVIEW(オリンパス社製)を用いて、DAPI染色画像(二本鎖核酸染色画像)とTUNEL染色画像を取得し、解析した。なお、以下に示す条件により、染色画像の取得を行った。
Auto focus
Type: Object−based
ZDC Sequence : Don’t use ZDC
Acquisition
Color channel: DAPI
Microscope
Objective : LUCPLFLAN 20×
Filter cube : UV
Z offset(μm) : 0
Camera
Exposure time(ms): 25
Preacquisition delay(s): 0
Illumination
Fluorescence
Excitation filter : UV
Intensity : 33.3
Color channel : Alexa647
Microscope
Objective : LUCPLFLAN 20×
Filter cube : Cy5
Z offset (μm) : −1
Camera
Exposure time(ms): 500
Preacquisition delay(s): 0
Illumination
Fluorescence
Excitation filter : RED
Intensity : 100
Well Manager
Position : 6Columns/well 6Rows/well 36Total positions
Spacing : 550Column spacing(μm) 550Row spacing(μm)
その後、図5に示すフローチャートに従い、DAPI染色画像から細胞核領域を抽出し、抽出された細胞核領域から断片化細胞核領域を抽出した。1の細胞核領域から2以上の断片化細胞核領域が抽出された細胞を、核が断片化された細胞として判別した。また、TUNEL染色画像から、TUNEL染色陽性細胞を、DNA鎖の切断が生じている細胞として判別した。
図8に、画像解析の結果を示す。
図8(a)は、細胞核領域が抽出されて認識された細胞を、面積値とサーキュラリティーファクターをパラメータとして、ドットプロット(スキャッターグラム)により表示したものである。1ドットが1細胞(すなわち1細胞核領域)を示している。なお、ドットプロットに換えてヒストグラムにより表示してもよい。図8(a)のドットプロットに示すように、解析対象とする細胞核領域(細胞)を含む集団(線で囲まれた領域)を特定し、当該集団に含まれるものに対してのみ、以降の画像解析を行った。
図8(b)は、細胞核領域が抽出されて認識された細胞を、抽出された断片化細胞核領域の数ごとに表示したグラフである。X軸は1細胞(1細胞核領域)あたりの断片化細胞核領域の数を示している。図中、領域Aは、細胞核領域当たりの断片化細胞核領域が2個以上である細胞の集団を示しており、領域Bは、断片化細胞核領域が1個又は0個である細胞の集団を示している。
図8(c)は、細胞核領域が抽出されて認識された細胞を、TUNEL染色画像中の当該細胞核領域に含まれる画素の輝度値の平均値をパラメータとして表示したヒストグラムである。図中、領域Cは、輝度値の平均値がTUNEL染色用閾値以上であったTUNEL染色陽性細胞の集団を示しており、領域Dは、TUNEL染色用閾値未満であったTUNEL染色陰性細胞の集団を示している。
表1に示すように、図8(b)及び(c)に示す領域AとDの両方に分類される細胞は、アポトーシスを起こしていない正常な細胞であり、領域BとCの両方に分類される細胞は、DNAが断片化されたアポトーシス細胞である。一方、領域AとCの両方に分類される細胞は、DNA鎖が切断されているが、DNAは断片化されていないステージのアポトーシス細胞である。なお、表中、「+」は、DNA鎖の切断やDNAの断片化が生じていることを、「−」は、DNA鎖の切断やDNAの断片化が生じていないことを、それぞれ示している。
スタウロスポリン濃度ごとの解析結果を表2及び図9に示す。表2中、「解析細胞数」とは、図8(a)に示す、DAPI染色画像から抽出された細胞核領域(細胞)のうち、解析対象とした細胞(線で囲まれた領域の細胞)の数を示している。表2中、「核断片化細胞」とは、図8(b)の領域Bに含まれる細胞(2以上の断片化細胞核領域が抽出された細胞)の数を示し、「TUNEL陽性細胞」とは、図8(c)の領域Cに含まれる細胞(DNA鎖が切断しているDNA鎖切断細胞)の数を示し、「DNA断片化細胞」とは、図8(b)の領域Bに含まれ、かつ図8(c)の領域Cに含まれる細胞の数を示している。
図9は、表2の数値をグラフとしたものである。図中、「DNA body」はDNA鎖の切断が生じている細胞の数(領域Bの細胞数)を、「TUNEL」はTUNEL染色陽性細胞の数(領域Cの細胞数)を、「DNA body and TUNEL positive」はDNA断片化細胞数(領域BとCの両方に含まれる細胞数)を、それぞれ示している。図9に示すように、スタウロスポリン濃度が0.1μMの場合には、核断片化細胞数とDNA鎖切断細胞数はほぼ等しかったが、スタウロスポリン濃度が高くなるにつれて、核断片化細胞数よりもDNA鎖切断細胞数が多くなる傾向が観察された。これは、DNA断片化に至る前のDNA鎖にニックが生じた細胞も計上されているためと考えられる。つまり、この結果からも、TUNEL染色のみでは、DNA断片化細胞を正確に検出できないが、本発明のように、二本鎖核酸染色を併用することにより、DNA断片化細胞をより精度よく検出できることが明らかである。
本発明のアポトーシス細胞の検出方法を用いることにより、画像解析を用いて、DNA鎖の切断とDNAの断片化とを区別して検出することができるため、アポトーシスの解析等の学術的分野のみならず、創薬開発等の分野においても利用が可能である。
1…細胞画像解析装置、101…画像入力部、102…閾値記憶部、103…細胞核領域抽出部、104a…断片化細胞核領域抽出部、105a…候補領域抽出部、106a…領域決定部、107…解析結果出力部、108…ピーク検出部、109…断片化細胞核領域選択部、111…断片化細胞核判別部、112…TUNEL染色輝度値測定部、113…DNA鎖切断判別部、114…解析部

Claims (6)

  1. 画像解析により、DNAが断片化されたアポトーシス細胞を検出する方法であって、
    (a)細胞観察用容器に固定された1又は複数の細胞に対して、蛍光性の二本鎖核酸染色剤を用いた核染色と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色とを行う工程と、
    (b)前記工程(a)において染色された細胞を、顕微鏡を用いて撮像し、各細胞の二本鎖核酸染色画像及びTUNEL染色画像を取得する工程と、
    (c)前記工程(b)において取得された二本鎖核酸染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞の核が断片化されているか否かを判別する工程と、
    (d)前記工程(b)において取得されたTUNEL染色画像を解析することにより、当該画像中の細胞のDNA鎖の切断が生じているか否かを判別する工程と、
    (e)前記工程(c)において核が断片化されていると判別された細胞であって、かつ、前記工程(d)においてDNA鎖の切断が生じていると判別された細胞を、DNAが断片化されている細胞として検出する工程と、
    を有し、前記工程(c)における二本鎖核酸染色画像の解析を、
    細胞核用閾値、断片化細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及びTUNEL染色用閾値を予め記憶する閾値記憶部を備える細胞画像解析装置に、前記二本鎖核酸染色画像を入力する画像入力工程と、
    前記細胞画像解析装置が、入力された二本鎖核酸染色画像から、前記細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域のうち細胞核用面積閾値以上の面積を有する領域を細胞核領域として抽出する細胞核領域抽出工程と、
    前記細胞画像解析装置が、前記細胞核領域から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出する断片化細胞核領域抽出工程と、
    前記細胞画像解析装置が、前記細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が、2個以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核が断片化されており、1個又は0個である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていないと判別する断片化細胞核判別工程と、
    により行い、
    前記工程(d)におけるTUNEL染色画像の解析を、
    前記細胞画像解析装置に、前記TUNEL染色画像を入力する画像入力工程と、
    前記細胞画像解析装置が、入力されたTUNEL染色画像の、前記二本鎖核酸染色画像において抽出された細胞核領域に相当する領域に含まれる画素の輝度値の統計値を測定するTUNEL染色輝度値測定工程と、
    前記細胞画像解析装置が、前記統計値が、前記TUNEL染色用閾値以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、前記TUNEL染色用閾値未満である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていないと判別するDNA鎖切断判別工程と、
    により行うことを特徴とする、DNAが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法。
  2. 前記細胞観察用容器が、スライドガラスまたはマルチウェルプレートであることを特徴とする請求項に記載のDNAが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法。
  3. 顕微鏡画像の取得および画像解析を、イメージングサイトメータを用いて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のDNAが断片化されたアポトーシス細胞の検出方法。
  4. 細胞核用閾値、断片化細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及びTUNEL染色用閾値を予め記憶する閾値記憶部と、
    蛍光性の二本鎖核酸染色剤により染色された細胞が撮像された二本鎖核酸染色画像と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色された、前記二本鎖核酸染色画像と同一視野のTUNEL染色画像を入力する画像入力部と、
    入力された二本鎖核酸染色画像から、前記細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域のうち細胞核用面積閾値以上の面積を有する領域を細胞核領域として抽出する細胞核領域抽出部と、
    前記細胞核領域から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出する断片化細胞核領域抽出部と、
    前記細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が、2個以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核が断片化されており、1個又は0個である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていないと判別する断片化細胞核判別部と、
    入力されたTUNEL染色画像の、前記二本鎖核酸染色画像において抽出された細胞核領域に相当する領域に含まれる画素の輝度値の統計値を測定するTUNEL染色輝度値測定部と、
    前記統計値が、前記TUNEL染色用閾値以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、前記TUNEL染色用閾値未満である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていないと判別するDNA鎖切断判別部と、
    核が断片化されていると判定され、かつ、DNA鎖の切断が生じていると判定された細胞を、DNAが断片化されたアポトーシス細胞であると解析する解析部と、
    を備えることを特徴とする細胞画像解析装置。
  5. 前記断片化細胞核領域抽出部は、
    前記細胞核領域から断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を候補領域として抽出する候補領域抽出部と、
    前記候補領域において、各画素の輝度値の傾きに基づいた境界線検出処理を行うことによって境界線を検出し、検出された境界線によって囲まれる領域を断片化細胞核領域として抽出する領域決定部と、
    を備えることを特徴とする請求項記載の細胞画像解析装置。
  6. 細胞核用閾値、断片化細胞核用閾値、細胞核用面積閾値、及びTUNEL染色用閾値を予め記憶する閾値記憶部を備えるコンピュータに対し、
    蛍光性の二本鎖核酸染色剤により染色された細胞が撮像された二本鎖核酸染色画像と、DNA鎖切断部位を蛍光標識するTUNEL染色された、前記二本鎖核酸染色画像と同一視野のTUNEL染色画像を入力する画像入力工程と、
    入力された二本鎖核酸染色画像から、前記細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域のうち細胞核用面積閾値以上の面積を有する領域を細胞核領域として抽出する細胞核領域抽出工程と、
    前記細胞核領域から、断片化細胞核用閾値以上の輝度値を有する領域を断片化細胞核領域として抽出する断片化細胞核領域抽出工程と、
    前記細胞核領域から抽出された断片化細胞核領域が、2個以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核が断片化されており、1個又は0個である場合に前記細胞核領域を含む細胞の核は断片化されていないと判別する断片化細胞核判別工程と、
    入力されたTUNEL染色画像の、前記二本鎖核酸染色画像において抽出された細胞核領域に相当する領域に含まれる画素の輝度値の統計値を測定するTUNEL染色輝度値測定工程と、
    前記統計値が、前記TUNEL染色用閾値以上である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じており、前記TUNEL染色用閾値未満である場合に前記細胞核領域を含む細胞はDNA鎖の切断が生じていないと判別するDNA鎖切断判別工程と、
    核が断片化されていると判定され、かつ、DNA鎖の切断が生じていると判定された細胞を、DNAが断片化されたアポトーシス細胞であると解析する解析工程と、
    を実行させるためのプログラム。
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