JP5300668B2 - 液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度の特定方法 - Google Patents
液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度の特定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5300668B2 JP5300668B2 JP2009205299A JP2009205299A JP5300668B2 JP 5300668 B2 JP5300668 B2 JP 5300668B2 JP 2009205299 A JP2009205299 A JP 2009205299A JP 2009205299 A JP2009205299 A JP 2009205299A JP 5300668 B2 JP5300668 B2 JP 5300668B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- benzene
- toluene
- concentration
- liquid sample
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
しかしながら、ベンゼンは、現在においても、たとえば前駆体、溶媒又はガソリンの添加物として化学工業分野で広く使われている。そのため、水質基準において、ベンゼン濃度は、各国で厳しい基準値が設定されている。
ベンゼンの代替合成物の開発が進められているものの、ベンゼンは、現時点で、ガソリン中に数パーセントのオーダーで含まれている。
ガス検出装置50はガス分離装置60とガス分析装置20とを備え、これらは、その途中にポンプ32が設けられた接続流路31を介して接続されている。
図8において、ガス分離装置60には、容器61にヘッドスペース部64を設けて、分析対象ガスとしてベンゼンを含む液体試料40(水)が収容されている。
ガス分離装置60においては、キャリヤーガスを、ガス供給口62から液体試料40中に連続的に供給し、積極的にキャリヤーガスと液体試料40とを接触させるバブリング処理を施す。これによって、液体試料40から分析対象ガスが分離し、ヘッドスペース部64に存在するキャリヤーガス中の分析対象ガス濃度が高まる。本実施形態では、水中に存在するベンゼンがバブリング処理により揮発してヘッドスペース部64のキャリヤーガス中に分離する。
そして、ヘッドスペース部64に存在する分析対象ガスを含むキャリヤーガスは、バルブ65の調節によりガス排出口63から接続流路31へ流れ、ポンプ32によってガス分析装置20へ送られる。
ガス検出セル21は、分析対象ガスを含むキャリヤーガスが流れると共に、測定用の紫外線が通過する紫外線光路兼ガス流路25を備えている。またガス検出セル21には、測定し終えたキャリヤーガスを排出するガス排出流路26が、紫外線光路兼ガス流路25の下流側に備えられている。紫外線光路兼ガス流路25の一端(上流側)は、紫外線光路兼ガス流路25に紫外線を入射する紫外線源22と接続流路27を介して接続され、他方の一端(下流側)は、分光計23と接続流路28を介して接続されている。また分光計23にはパソコン24が接続されており、分析結果を解析できるようになっている。
たとえば、非特許文献2に記載されたガス検出装置を用いてベンゼンとトルエンを含む液体試料からベンゼンを分離する場合、バブリング処理によってベンゼンと共にトルエンもキャリヤーガス中に分離される。
ベンゼンとトルエンとを分離して検出することは、理論的には可能である。すなわち、ベンゼンとトルエンの分光プロファイルの参照波長範囲が分析プロセスの間で一致していれば、一般的な分析手法により、混合ガス中からベンゼンとトルエンを同時に検出することができる。
当該検出には、広範囲なデータベースを正確に構築することが必要である。しかしながら、後述するように、本発明者らの検討によると、バブリング処理においては液体試料から分離される混合ガス中のベンゼン濃度はトルエン濃度に比べて低いため、そのような広範囲なデータベースを正確に構築することは、実際には困難である。さらに、ベンゼン単独の吸収スペクトルは、トルエン単独の吸収スペクトルと重なり合うため、これまでベンゼンとトルエンを含む液体試料からベンゼンのみを検出する精度は著しく低いものであった。
このように、従来のガス検出装置においては、液体試料中にベンゼンと化学構造が類似するトルエン、キシレン等の芳香族化合物が含まれている場合、当該液体試料からベンゼンのみを検出すること、当該液体試料中のベンゼン濃度を高精度で特定することは困難であった。
また本発明によれば、液体試料中に存在するベンゼン及びトルエンのそれぞれの濃度を高精度で特定できる。
本発明のガス検出装置は、ガス供給口及びガス排出口を有する容器に、分析対象ガスを含む液体試料を収容すると共に、キャリヤーガスを供給・排出しながら、前記分析対象ガスを前記キャリヤーガス中に分離するガス分離装置と、前記ガス分離装置で分離された前記分析対象ガスの吸収スペクトルを測定するガス分析装置とを備える。
本発明のガス検出装置は、液体試料中の分析対象ガスをキャリヤーガス中に分離するガス分離装置に特徴があり、その他の構成については、公知のガス検出装置を適宜適用できる。
本実施形態のガス検出装置1は、ガス分離装置10とガス分析装置20とを備えている。
ガス分離装置10とガス分析装置20は、その途中にポンプ32が設けられた接続流路31を介して接続されている。
ガス供給口12とガス排出口13とは、パーベーパレーション膜からなるチューブ14で接続されている。
パーベーパレーション膜としては、分析対象ガスに応じて選択され、液体試料の溶媒分子を透過せず、分析対象物質の分子を選択的に透過して気化させる特性を有するものが用いられる。たとえば分析対象ガスがベンゼンの場合、ポリジメチルシロキサン膜等のシリコーン膜が好適に用いられる。
ガス分析装置20は、上述した図8に示すガス検出装置50におけるガス分析装置20と同一の構成を備える。
上記本発明のガス検出装置を用いて液体試料中の分析対象ガスを検出する方法としては、具体的には以下の方法が挙げられる。
図1において、容器11は、分析対象ガスを含む液体試料で完全に満たされている。容器11内を液体試料で完全に満たすことにより、たとえば液体試料中の分析対象ガスが容器11内のヘッドスペース部へ分離することがないため、分析対象ガスのチューブ14への透過効率が高まり、分析対象ガスの液体試料からの分離効率が向上する。
分析対象ガスは、パーベーパレーション作用により分離可能であるものであれば特に限定されず、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール等のアルコールなどが挙げられる。
液体試料としては、分析対象ガスを含む液状のものであればよく、たとえば、芳香族炭化水素を含む水、芳香族炭化水素を含むガソリン、前記ガソリンを含む水、アルコールを含む水等が挙げられる。
ガス分離装置10においては、液体試料中の分析対象ガスが、パーベーパレーション作用によってパーベーパレーション膜を透過してチューブ14内へ移動する。これにより、液体試料中に存在する分析対象ガスを分離でき、当該分析対象ガスはチューブ14内を流れるキャリヤーガスと共にガス分析装置20へ送られる。
キャリヤーガスとしては、たとえば空気、窒素等を用いることができる。
チューブ14内を流れるキャリヤーガスの流速、その流路内の温度、液体試料の温度は、ガス分離装置10のスケール、チューブ14の口径、液体試料又はキャリヤーガスの種類等に応じて、好適な条件に適宜設定すればよい。
本発明において、「分析対象ガスの吸収スペクトル」とは、分析対象ガスを含むキャリヤーガスを測定して得られるスペクトルを意味する。
なお、液体試料中の各成分の濃度を、ベンゼン濃度0.45ppm、トルエン濃度3ppm及びo−キシレン濃度3ppmとした。
ガス分析装置20には、一端が紫外線源22(重水素灯)と接続流路27を介して接続され、他方の一端が分光計23と接続流路28を介して接続されたガス検出セル21を備えたものを用いた。接続流路27、28には、一様にアルミニウムで覆われた中空ファイバー光学導波管をそれぞれ用いた。
かかる波長の範囲においては、いずれの標準吸収スペクトルも、他の標準吸収スペクトルと重なり合っている。
図2中に付された「▽」は、ベンゼンでは253nm、トルエンでは267nm、o−キシレンでは272nmのピークをそれぞれ示す。
たとえばベンゼンとトルエンとo−キシレンの混合ガスの吸収スペクトルにおいては、波長272nmのピークはほとんどがo−キシレンに由来し、波長267nmのピークはトルエンとo−キシレンの両方に由来し、波長253nmのピークはベンゼンとトルエンとo−キシレンの3成分に由来する。
図2中、3つの波長範囲A〜Cは、いずれもベンゼンとトルエンとo−キシレンの3成分の標準吸収スペクトルが重なり合っている。
図3中で付された「▼」は、低波長側から順に波長253nm、267nm、272nmのピークをそれぞれ示す。
図4(a)に示すグラフでは、波長253nm、267nm、272nmのピーク強度はいずれも、測定時間240秒付近まで右肩上がりで高くなり、測定時間400秒付近を境としてそれ以降ゆるやかに低下している。このことから、バブリング処理によるガス分離では、ガス分離操作を始めた直後から、液体試料中に存在するベンゼンとトルエンとo−キシレンの3成分全部がキャリヤーガス中に分離し、測定時間400秒以降、液体試料から分離する3成分の量はいずれも同様の割合で減少していることが分かる。
図4(b)に示すグラフでは、波長253nmのピーク強度は、測定時間1200秒付近まで高くなった後、それ以降はほぼ一定の強度範囲を示している。波長267nmのピーク強度は、測定時間3200秒まで単調に高くなっている。波長272nmのピーク強度は、測定時間3200秒まで非常に低く、ほとんど確認できない挙動を示している。このことから、パーベーパレーション法によるガス分離では、ガス分離操作を始めてから少なくとも約50分間は、液体試料からo−キシレンがキャリヤーガス中にほとんど分離しないこと、ベンゼンは約20分の間、液体試料から分離しやすいこと、トルエンは時間の経過に伴って分離しやすくなっていることが分かる。このように、図4(b)に示すグラフでは3成分がそれぞれ異なる分離挙動を示している。
また、かかる評価誤差は、キャリヤーガス中の混合ガス濃度の違いによっても大きくなる傾向を示す。
混合ガスの吸収スペクトルに対する3成分の寄与度は、下記手順により評価することができる。
手順(ii):ベンゼンとトルエンとo−キシレンとの混合割合の異なる混合ガス、これら3成分の合計の濃度の異なる混合ガスの吸収スペクトルを測定する。
手順(iii):手順(i)〜(ii)より、波長毎のピーク強度と各成分の濃度との相関についてデータベースを構築する。
手順(iv):手順(iii)で構築したデータベースに基づいて、下記数式(1)により、実測した混合ガスの吸収スペクトルとのフィッティング処理を行い、3成分それぞれの寄与度を決定する。
(実測した混合ガスの吸収スペクトル)=b×(ベンゼンの標準スペクトル)+t×(トルエンの標準スペクトル)+x×(o−キシレンの標準スペクトル)
b,t,xは、ベンゼンの寄与度,トルエンの寄与度,o−キシレンの寄与度をそれぞれ表すパラメータである。
ベンゼンの寄与度は高いほど、混合ガス中のベンゼンの検出感度が高いことを意味する。
ベンゼンの寄与度/トルエンの寄与度(b/t)は高いほど、混合ガスに含まれるベンゼンの含有割合が高い(ベンゼン選択性が高い)ことを意味する。
混合ガスの吸収スペクトルに対する3成分の寄与度は、バブリング処理によるガス分離においては測定時間240秒後に測定した吸収スペクトルについて、パーベーパレーション法によるガス分離においては測定時間800秒後に測定した吸収スペクトルについて、それぞれ評価を行った。
また、b/tについて、測定時間240〜3200秒で0.16とほとんど変化していない。このことから、ベンゼン選択性は認められないことが分かる。したがって、バブリング処理によるガス分離においては、上述した評価誤差を生じやすい。
また、b/tについて、測定時間800秒で約0.54と最も高い値を示し、それ以降、時間の経過に伴って減少していることが分かる。パーベーパレーション法によるガス分離は、バブリング処理によるガス分離に比べて、測定時間800秒でb/tが約3.4倍高い値を示している。このことから、ベンゼン選択性が高いことが分かる。したがって、パーベーパレーション法によるガス分離は、上述した評価誤差を生じにくいと云える。また、その評価誤差を、バブリング処理によるガス分離の場合の最高30%まで低減できる。
すなわち、パーベーパレーション法によるガス分離によれば、測定時間の最適条件を800秒と設定することにより、液体試料からベンゼンとトルエンとo−キシレンを分離する際、これら3成分に分離速度の違いを生じさせることができる。すなわち、キャリヤーガス中の3成分の濃度が時間の経過と共に変化する。これにより、従来よりもベンゼンの混合割合の高い混合ガスを液体試料から分離できる。ガス分析装置では、波形の異なる吸収スペクトルが連続的に測定される。ここで得られる混合ガスの吸収スペクトルは、混合ガス中のベンゼンの混合割合が高いことから、ベンゼンの寄与度が高いものである。そのため、パーベーパレーション法によるガス分離によれば、予め設定された波長毎のピーク強度と各成分の濃度との相関(データベース)に基づいて、混合ガスの吸収スペクトルからベンゼンのみを検出しやすく、かつ、液体試料中のベンゼン濃度を高精度で特定できる。
キャリヤーガス中のベンゼン濃度が低いと、吸収スペクトルにおいて、ベンゼン由来のシグナルとノイズとの比(SN比)が小さくなり、ベンゼンの検出感度が減少する(図5中、測定時間800秒より短い時間側の低SN比領域)。
したがって、ベンゼンの検出感度が求められる用途では、測定時間の最適条件を800秒より長く(上限を1200秒付近に)設定することが好ましい。
本発明は、分析対象ガスとしてベンゼン及びトルエンを含む液体試料から分離されたガスを繰り返して分析することにより前記液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度を特定する方法である。
まず初めに、図1に示すガス検出装置1におけるポンプ32の運転を開始する。ポンプ32は、液体試料から分離した全てのガスの測定が終了するまで運転を継続する。
ついで、リファレンス測定を行う。リファレンス測定では、キャリヤーガスのみをガス分析装置20に送り、背景雑音及びキャリヤーガスのスペクトルを測定し、参照スペクトルとする。
次に、バルブ15bを液体試料側に切り換え、ガス分離装置10で分離した混合ガスをガス分析装置20に送り、吸収スペクトルの本測定を連続的に行う。
得られる吸収スペクトルを、それぞれスペクトル番号N=1、2,3・・・とする。
本実施形態では、1回のスペクトル取得に80秒を要する。
ステップ(S102)では、予め設定された、ベンゼンとトルエンの単独又は混合ガスの吸収スペクトルにおける波長毎のピーク強度と各成分の濃度との相関に基づいて、前記ステップ(S101)で測定された吸収スペクトルにおけるベンゼンとトルエンのそれぞれの寄与度を算出する。
ステップ(S103)では、前記ステップ(S101)で測定された吸収スペクトルにおいてベンゼン由来のピークの検出を行う。
ステップ(S105)では、当該分析時点における分析回数が、ベンゼン濃度を特定する際に予め設定された最多の分析回数未満であること、及び当該分析時点で測定された吸収スペクトルのSN比(シグナル/ノイズ)が、ベンゼン濃度を特定する際に予め設定された吸収スペクトルのSN比以上であることの条件を満たすか否かを判定する。
本実施形態において、最多の分析回数は予め16回(測定時間として1280秒)に設定されている。これは、図4(b)より、キャリヤーガス中のベンゼン濃度が最も高くなるのが測定時間1200秒付近であることに起因する。また、吸収スペクトルのSN比は3に設定されている。
前記ステップ(S105)において前記条件を満たしていない場合には、ステップ(S102)に戻り、スペクトル番号N=2の吸収スペクトルにおけるベンゼンとトルエンのそれぞれの寄与度を算出し、その後、ステップ(S103)へと進む。
本実施形態において、最少の分析回数は予め15回(測定時間として1200秒)に設定されている。
分析回数が最少の分析回数以上では、トルエン由来のピークによってベンゼン由来のピークが確認できないため、当該算出のトルエン濃度を前記液体試料中のトルエン濃度とする。
前記ステップ(S107)において当該分析時点における分析回数が前記最少の分析回数未満である場合には、ステップ(S102)に戻り、スペクトル番号N=2の吸収スペクトルにおけるベンゼンとトルエンのそれぞれの寄与度を算出し、その後、ステップ(S103)へと進む。
貯蔵タンクからガソリンが漏洩した場合、地下水にガソリンが流れ込んで地下水が汚染される問題がある。
たとえば前記液体試料として「ガソリンが混入した地下水」を用いた場合、本発明に係る濃度の特定方法により特定したベンゼン濃度又はトルエン濃度から、地下水の汚染状態を評価できる。
ステップ(S106)より、地下水中のベンゼン濃度X(ppb)が特定される。
また、ガソリン中のトルエン濃度は、一般に、ベンゼン濃度の7倍と云われている。このことから、前記ステップ(S108)で特定したトルエン濃度Y(ppb)より、地下水中のベンゼン濃度を、トルエン濃度Yの1/7(ppb)として特定することができる。
そして、ベンゼン濃度X(ppb)又はY/7(ppb)がガス分析装置20におけるベンゼンの検出下限(本実施形態では100ppb)より大きい場合、ベンゼンによって地下水が汚染されていると評価できる。
本発明のガス検出装置は、水又はガソリン等に含まれるベンゼンを検出する装置として利用できる。
本発明のガス検出方法によれば、水又はガソリン等に含まれるベンゼン濃度を特定することができ、たとえば地下水の汚染状態を評価できる。
Claims (1)
- ガス供給口及びガス排出口を有し、前記ガス供給口と前記ガス排出口とがパーベーパレーション膜からなるチューブで接続されている容器に、分析対象ガスを含む液体試料を収容すると共に、キャリヤーガスを供給・排出しながら、前記分析対象ガスを前記キャリヤーガス中に分離するガス分離装置と、前記ガス分離装置で分離された前記分析対象ガスの吸収スペクトルを測定するガス分析装置とを備えたガス検出装置を用い、
前記容器に前記液体試料を収容すると共に、前記チューブに前記キャリヤーガスを流しながら、前記液体試料中に存在する前記分析対象ガスを前記キャリヤーガス中に分離し、前記の分離された分析対象ガスを含むキャリヤーガスを前記ガス分析装置へ送り、前記キャリヤーガス中に分離した前記分析対象ガスの吸収スペクトルを連続的に測定し、前記吸収スペクトルの時間変化を分析するガス検出方法により、
前記分析対象ガスとしてベンゼン及びトルエンを含む液体試料から分離されたガスを繰り返して分析することにより前記液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度を特定する方法であって、
前記分離されたガスの吸収スペクトルを測定するステップ(S101)と、
予め設定されたベンゼンとトルエンとの混合ガスの吸収スペクトルにおけるベンゼンとトルエンのそれぞれの寄与度に基づいて、前記ステップ(S101)で測定された吸収スペクトルにおけるベンゼンとトルエンのそれぞれの寄与度を算出するステップ(S102)と、
前記ステップ(S101)で測定された吸収スペクトルにおいてベンゼン由来のピークの検出を行うステップ(S103)と、
前記ステップ(S103)においてベンゼン由来のピークが検出された場合に、予め設定されたベンゼンの標準吸収スペクトルとベンゼン濃度との相関に基づいて、前記ベンゼン由来のピークからベンゼン濃度を算出するステップ(S104)と、
当該分析時点における分析回数が、ベンゼン濃度を特定する際に予め設定された最多の分析回数未満であること、及び当該分析時点で測定された吸収スペクトルのSN比(シグナル/ノイズ)が、ベンゼン濃度を特定する際に予め設定された吸収スペクトルのSN比以上であることの条件を満たすか否かを判定するステップ(S105)と、
前記ステップ(S105)において前記条件を満たしている場合に、前記ステップ(S104)で算出されたベンゼン濃度を、前記液体試料中のベンゼン濃度として特定するステップ(S106)と、
前記ステップ(S103)においてベンゼン由来のピークが検出されなかった場合に、当該分析時点における分析回数が、トルエン濃度を特定する際に予め設定された最少の分析回数以上であるか否かを判定するステップ(S107)と、
前記ステップ(S107)において当該分析時点における分析回数が前記最少の分析回数以上である場合に、予め設定されたトルエンの標準吸収スペクトルとトルエン濃度との相関に基づいて、トルエン由来のピークからトルエン濃度を算出し、当該算出のトルエン濃度を、前記液体試料中のトルエン濃度として特定するステップ(S108)と
を含むことを特徴とする液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度の特定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009205299A JP5300668B2 (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度の特定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009205299A JP5300668B2 (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度の特定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011058804A JP2011058804A (ja) | 2011-03-24 |
JP5300668B2 true JP5300668B2 (ja) | 2013-09-25 |
Family
ID=43946634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009205299A Expired - Fee Related JP5300668B2 (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度の特定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5300668B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103808660B (zh) * | 2014-03-12 | 2017-02-15 | 大连民族学院 | 一种紫外‑可见光谱分析用气体池 |
JP7258292B2 (ja) * | 2019-05-16 | 2023-04-17 | 国立大学法人東北大学 | 高分子複合材料の分析方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0495752A (ja) * | 1990-08-06 | 1992-03-27 | Agency Of Ind Science & Technol | 気体透過膜を用いた液体中の溶存成分ガス濃度測定法 |
JPH0694609A (ja) * | 1992-09-14 | 1994-04-08 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 油中ガス濃度測定用センサ装置 |
JP3599599B2 (ja) * | 1999-05-25 | 2004-12-08 | 日本電信電話株式会社 | ガス濃縮分析装置 |
JP4229394B2 (ja) * | 2003-08-06 | 2009-02-25 | 日本電信電話株式会社 | 多孔質材料を用いた分子の検出方法ならびに該多孔質材料及び該多孔質材料の製造方法 |
-
2009
- 2009-09-04 JP JP2009205299A patent/JP5300668B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011058804A (ja) | 2011-03-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Mertes et al. | Development of a sensitive long path absorption photometer to quantify peroxides in aerosol particles (Peroxide-LOPAP) | |
Suzuki et al. | A high-temperature catalytic oxidation method for the determination of dissolved organic carbon in seawater: analysis and improvement | |
Peng et al. | Battery-operated portable high-throughput solution cathode glow discharge optical emission spectrometry for environmental metal detection | |
EP2423677B1 (en) | Total organic carbon meter provided with system blank function | |
WO2014000685A1 (zh) | 一种水中挥发性有机物的采样检测装置 | |
RU2336518C2 (ru) | Фотоакустический способ измерения концентрации неуглеводородного компонента в метаносодержащей газовой смеси | |
CN207992053U (zh) | 基于光谱吸收法的变压器油中气体含量在线监测装置 | |
CN109752344B (zh) | 一种便携式非甲烷总烃浓度检测仪及检测方法 | |
CN106596439A (zh) | 一种同时测量空气中亚硝酸、臭氧、二氧化氮的设备及测量方法 | |
WO2018160971A1 (en) | System and method for impurity detection in beverage grade gases | |
KR101030405B1 (ko) | 촉매적 변형에 의한 분석 민감도 증진법 | |
JP5300668B2 (ja) | 液体試料中のベンゼン濃度及びトルエン濃度の特定方法 | |
DK2777062T3 (en) | Device and method for determining the amounts of two or more substances present in a liquid | |
CN114113213A (zh) | 用于确定含碳氢化合物的燃料气体的总热值或净热值的测量装置 | |
KR101012463B1 (ko) | 변압기 절연유의 가스추출장치 | |
JP6584366B2 (ja) | ガス分析装置およびガス分析方法 | |
US20200094201A1 (en) | Equilibrator for Rapid and Continuous Detection of a Gas in a Liquid | |
JP2018146539A (ja) | 多波長蛍光分析装置 | |
JP4048139B2 (ja) | 濃度測定装置 | |
WO2010142908A1 (fr) | Dispositif et procede de determination de la concentration d'un compose dans une phase aqueuse ou gazeuse | |
EP3094405B1 (fr) | Dispositif microfluidique pour l'analyse de polluants en écoulement | |
JP6446457B2 (ja) | ガスのシロキサン含有量を求めるための方法および装置 | |
CN117268879B (zh) | 一种采气井口的气体采集分析方法及装置 | |
JP2004309143A (ja) | 炭酸ガスの地中固定におけるガスモニタリング装置およびガスモニタリング方法並びに炭酸ガスの地中固定方法 | |
WO2018127516A1 (fr) | Dispositif et procédé d'extraction d'au moins un gaz dissout dans un liquide |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111111 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130205 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130404 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20130404 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130522 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130611 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130618 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5300668 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |