JP5300503B2 - ポリアルキレングリコールおよびその製造方法およびその用途 - Google Patents
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このようなカーボンブラックの分散剤として、スチレン−アクリル酸共重合体等が知られている(例えば特許文献1)。しかし、上記重合体はアニオン性である為、例えばカチオン性の添加剤とは併用し難く、配合に制約があるとの問題があった。
また、近年の安全に対する嗜好の高まりにより、例えばカーボンブラックを使い捨て食器の顔料等の人体に直接触れる用途へ使用する場合には、分散剤には有害物質が実質的に含まれていないことが要求される。よって、より有害物質の含有量が少ないカーボンブラックの分散剤が要求されてきている。また、種々の分散剤が開発されているにもかかわらず、依然として更なるカーボンブラックの分散性能を向上する要求が大きくなってきている。
上記一般式(1)において、Arは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基、ベンジル基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基を表し、nは10を超えて100未満の数を表す、
上記一般式(2)において、Arは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基、ベンジル基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基を表し、n1は0を超えて100未満の数を表し、n2は0以上50未満の数を表し、n1とn2の合計は10を超えて100未満の数を表し、R1はn2が0のとき炭素数1〜4のアルキル基を表し、n2が0を超えるときは水素原子を表す。
上記一般式(1)において、Arは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基、ベンジル基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基を表し、nは10を超えて100未満の数を表す、
上記一般式(2)において、Arは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基、ベンジル基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基を表し、n1は0を超えて100未満の数を表し、n2は0以上50未満の数を表し、n1とn2の合計は10を超えて100未満の数を表し、R1はn2が0のとき炭素数1〜4のアルキル基を表し、n2が0を超えるときは水素原子を表す。
本発明のポリアルキレングリコールは、下記一般式(1)または下記一般式(2)のいずれかで表される構造を有することを特徴としている。
上記一般式(1)において、Arは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基、ベンジル基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基を表し、nは10を超えて100未満の数を表す、
上記一般式(2)において、Arは置換または無置換のフェニル基、ナフチル基、ベンジル基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基を表し、n1は0を超えて100未満の数を表し、n2は0以上50未満の数を表し、n1とn2の合計は10を超えて100未満の数を表し、R1はn2が0のとき炭素数1〜4のアルキル基を表し、n2が0を超えるとき水素原子を表す。
上記一般式(3−1)において、R2〜R6は、それぞれ独立に有機基を表す。また、一般式(3−1)の構造は、一般式(3−1)の構造式に併記した破線矢印の指し示す、芳香環の炭素原子を介して、ポリアルキレングリコール鎖と結合する酸素原子または窒素原子と結合する。
上記一般式(3−2)において、R2〜R6は、それぞれ独立に有機基を表す。また、一般式(3−2)の構造は、一般式(3−2)の構造式に併記した破線矢印の指し示す、メチレン基の炭素原子を介して、ポリアルキレングリコール鎖と結合する酸素原子または窒素原子と結合する。
上記一般式(3−3)〜(3−4)において、R2〜R6は、それぞれ独立に有機基を表す。また、一般式(3−3)〜(3−4)の構造は、それぞれ一般式に併記した破線矢印の指し示す、芳香環の炭素原子を介して、ポリアルキレングリコール鎖と結合する酸素原子または窒素原子と結合する。
工程Aは、上記の通り、芳香族化合物(i)にアルキレンオキサイドを1.5〜5モル付加したアルキレンオキサイド付加物を製造する工程である。
上記工程Aは、芳香族化合物(i)とアルキレンオキサイドを無触媒で、または触媒存在下で反応させる。反応速度の観点から、工程Aは触媒存在下で行うことが好ましい。好ましい触媒としては酸触媒または塩基性触媒である。
好ましくは更に、反応触媒を添加する工程(A−4)を含む。(A−4)の工程を含むことにより、反応効率が向上し、不純物を低減させることができる為、得られるポリアルキレングリコールのカーボンブラックの分散性能が向上する。
更に(A−2)または(A−3)の工程の前に、好ましくは(A−4)の工程の後に、水分等の不純物を除去する工程(A−5)を設けても良い。
上記(A−2)の工程と(A−3)の工程は同時に開始しても、(A−2)の工程よりも(A−3)の工程を後に開始しても良いが、(A−2)の工程終了後、(A−3)の工程を継続する(すなわち、(A−2)の工程よりも(A−3)の工程を後に終了させる)ことが好ましい。(A−2)の工程の後に、(A−3)の工程の全部または一部を行なうことにより、工程Bの前に芳香族化合物(i)1モルに対して、1.5〜5モルのアルキレンオキサイドを付加した化合物(アルキレンオキサイド付加物)を効率よく製造することが可能となる。そのようにして得られたアルキレンオキサイド付加物(芳香族化合物(i)1モルに対して、1.5〜5モルのアルキレンオキサイドを付加した化合物)を工程Bの原料として使用することにより、得られるポリアルキレングリコールのカーボンブラックの分散性能が顕著に向上する傾向にある。
また、工程(A−4)は、(A−2)の工程、(A−3)の工程の前に行なうことが好ましい。
上記工程A、工程Bは、好ましくは無溶媒で行なわれるが、溶媒を使用しても良い。溶媒を使用する場合、芳香族化合物(i)、アルキレンオキサイドを溶解できるものが好ましい。
芳香族化合物(i)が水酸基またはアミノ基に起因する活性水素原子を2つ有する場合には、2モル以上が5モル以下が好ましく、該活性水素原子を3つ有する場合には、3モル以上5モル以下が好ましい。
本発明のポリアルキレングリコールは、上記工程Aの後に、水分や、反応液中の副生成物であるアルキレングリコールや未反応の芳香族化合物(i)やその他の不純物を除去するための精製工程(工程Pとも言う)を行なうことを必須とする。「上記工程Aの後に行なう」とは、工程Aで得られたアルキレンオキサイド付加物(芳香族化合物(i)1モルに対して、1.5〜5モルのアルキレンオキサイドを付加した化合物)から不純物を除去することを意味するが、工程Bの為に、触媒を添加する場合には、添加した後で行なうことも可能である。例えば工程Bの為に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を添加(追加)する場合は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の添加後に行なうことが好ましい。また、上記精製工程(工程P)は、工程Bにおいて、工程Aで得られたアルキレンオキサイド付加物とアルキレンオキサイドを反応させる前に行なうことが好ましい。
減圧とは、例えば0.1〜1000hPaである。
上記精製工程(工程P)は、好ましくは20〜160℃で行なわれる。更に好ましくは60〜120℃である。
上記工程Bにおける反応液中に水分や副生成物であるアルキレングリコールや未反応の芳香族化合物(i)が存在すると、上記工程Bを経て得られるポリアルキレングリコールのカーボンブラックの分散性能が低下する傾向があるので、極力存在させないようにすることが好ましい。また、上記工程Bの終了後は、ポリアルキレングリコールの粘性が増加するため、未反応の芳香族化合物(i)が更に除外し難くなる。その場合、用途によってはポリアルキレングリコールが使用できなくなる為、工程Bの開始前に極力存在させないようにすることが好ましい。
上記芳香族化合物(i)は、置換または無置換のフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ベンジルアルコール、アニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、ベンジルアルコール、ベンジルアミンから選ばれる化合物である。
本発明において、置換のフェノール、置換の1−ナフトール、置換の2−ナフトール、置換のベンジルアルコールとは、フェノールやナフトール、ベンジルアルコールにおいて、芳香族環に結合する水素原子の一部または全部が置換された化合物であり、少なくとも一つのフェノール性の水酸基を有する。置換のフェノール、置換の1−ナフトール、置換の2−ナフトール、置換のベンジルアルコールとしては、下記一般式(4−1)〜(4−4)で表される構造の化合物であることが好ましい。
上記一般式(4−1)、(4−2)においてR2〜R6は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。上記一般式(4−3)、(4−4)において、R2〜R8は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。但し、(4−1)〜(4−2)においてR1〜R6のいずれかは水素原子でなく、(4−3)〜(4−4)においてR1〜R8のいずれかは水素原子でなく、
本発明において、置換のアニリン、置換の1−ナフチルアミン、置換の2−ナフチルアミン、置換のベンジルアミンは、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミンにおいて、芳香族環に結合する水素原子の一部または全部が置換された化合物、またはアミノ基の活性水素の内一部が置換された化合物であり、少なくとも一つの1級または2級のアミノ基を有する。下記一般式(4−5)〜(4−8)で表される構造の化合物であることが好ましい。
上記一般式(4−5)〜(4−8)においてR1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、但し、(4−5)〜(4−6)においてR1〜R6のいずれかは水素原子でなく、(4−7)〜(4−8)においてR1〜R8のいずれかは水素原子でなく、上記一般式(4−5)、(4−6)においてR2〜R6は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表し、上記一般式(4−7)、(4−8)において、R2〜R8は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表す。
上記一般式(4−1)〜(4−8)において、R2〜R8を表す有機基としては、炭素数1〜4の有機基が好ましく、例えば、アルキル基、アルキレン基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アシル基、エーテル基、アミド基、エステル基、ケトン基等である。上記ポリアルキレングリコール鎖と結合する酸素原子または窒素原子を含む有機基以外の有機基、および一般式(4−1)〜(4−8)におけるR2〜R8を表す有機基の炭素数が4を超えると、カーボンブラックの分散性能が低下する傾向にある。
上記工程Aで得られたアルキレンオキサイド付加物に更にアルキレンオキサイドを付加する工程(工程B)において、アルキレンオキサイドは公知の方法により付加することができるが、好ましくは酸触媒または塩基性触媒触媒存在下で付加することが好ましい。特に好ましくは水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを使用する。
<ポリアルキレングリコール組成物>
本発明のポリアルキレングリコール組成物は、上記一般式(1)、(2)のいずれかで表されるポリアルキレングリコールを必須として含むことを特徴としている。上記一般式(1)、(2)のいずれかで表されるポリアルキレングリコールの含有量は、組成物100質量部に対し、1〜100質量部である。
本発明のポリアルキレングリコール組成物は、安定性性や取り扱い性を考慮して、水を含んでいても良い、水の含有量は、組成物100質量部に対し、0〜50質量部が好ましい。安定性向上の面からは5〜30質量部が好ましい。
本発明のポリアルキレングリコールの製造方法は、上記〔ポリアルキレングリコール〕の箇所に記載した製造方法である。
本発明のポリアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール組成物は、顔料分散剤として使用可能であるが、水処理剤、繊維処理剤等の添加剤として用いられうる。
本発明のポリアルキレングリコールやポリアルキレングリコール組成物は、無機顔料分散剤に添加することができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
本発明のポリアルキレングリコールやポリアルキレングリコール組成物は、水処理剤に添加することができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
本発明のポリアルキレングリコールやポリアルキレングリコール組成物は、繊維処理剤に添加することができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明のポリアルキレングリコールやポリアルキレングリコール組成物を含む。
上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される1種または2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
上記繊維処理剤は、粉末状等の固体状、液体状のいずれでも構わない。
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンでポリアルキレングリコール組成物(ポリアルキレングリコール組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
ガスクロマトグラフィーを用いて定量した。測定条件は以下の通り行なった。
装置:Shimadzu製GC−15A、J&W社キャピラリーカラムDB−1(0.53mmφ×30m)
条件:40℃で5min保持、10℃/min昇温、200℃で5min保持
(ポリエチレングリコールの測定条件)
不純物のポリエチレングリコールは高速液体クロマトグラフィーを用いて定量を行なった。測定条件は以下の通り行なった。
使用カラム:Shodex GF−1G 7B 昭和電工社製
GF−310 HQ
溶離液:水/アセトニトリル=98/2(質量%)
サンプル:上記溶離液にて反応生成物濃度が0.1質量%となるように調整したものを使用した。
サンプル打ち込み量:250μL
流速:1mL/分
カラム温度:40℃
検出器:Waters 2414 RI検出器
System:Waters alliance 2695
解析ソフト:Waters Empoer2(標準パッケージ/GPCオプション)
検量線作成用標準物質:ポリエチレングリコール
(ポリアルキレングリコール化合物の測定条件)
本発明のポリアルキレングリコールは、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C1 UG120
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/Lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液
(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:RI、UV(検出波長215nm)
(カーボンブラック分散能の評価法)
(1)グリシン67.56g、塩化ナトリウム52.60g、48%水酸化ナトリウム5.00gに純水を加えて600.0gとした後、48%水酸化ナトリウムでpH10とし、グリシンバッファーを調製した。
(2)次に、このグリシンバッファー6.00gとエタノール11.10gに純水を加えて1000.0gとし、分散液を調製した。また、ポリアルキレングリコール化合物の1.0%水溶液を10gほど調製した。
(3)100mlのビーカーにカーボンブラック0.09gを取り、ここに上記分散液81.0g、およびポリアルキレングリコール化合物水溶液9.0gを加え、試験液とした。
(4)ここに、長さ30mmのスターラーチップを入れて500rpmで5分間攪拌した。攪拌を止めて5分間静置した後、試験液の上澄み液を5mlのホールピペットで採取した。
(5)この濁りをUV検出器(波長380nm)で測定し、得られた吸光度の数値をカーボンブラック分散能とした。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、フェノール94.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.16g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、フェノールに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(1)(アルキレンオキサイド付加物(1))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(1)を314.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.32g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド308.0g(7モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、フェノールに平均12モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(2)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、フェノール94.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.16g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、フェノールに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(1)(アルキレンオキサイド付加物(1))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(1)を314.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.28g(300ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド660.0g(15モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、フェノールに平均20モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(3)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、フェノール94.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.16g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、フェノールに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(1)(アルキレンオキサイド付加物(1))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(1)を314.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.63g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド1980.0g(45モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、フェノールに平均50モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(4)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ベンジルアルコール108.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.16g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、ベンジルアルコールに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(5)(アルキレンオキサイド付加物(5))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(5)を328.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.62g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド1980.0g(45モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、ベンジルアルコールに平均50モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(6)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、アニリン93.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.16g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、アニリンに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(7)(アルキレンオキサイド付加物(7))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(7)を313.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.63g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド1980.0g(45モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、アニリンに平均50モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(8)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、m−クレゾール108.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.16g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、m−クレゾールに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(9)(アルキレンオキサイド付加物(9))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(9)を328.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.62g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド1980.0g(45モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、m−クレゾールに平均50モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(10)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、カテコール110.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.17g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、カテコールに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(11)(アルキレンオキサイド付加物(11))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(11)を330.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.62g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド1980.0g(45モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、カテコールに平均50モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(12)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、α−ナフトール144.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.18g(500ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド220.0g(5モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、α−ナフトールに平均5モルのエキレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール(11)(アルキレンオキサイド付加物(11))を得た。
(工程P)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、ポリアルキレングリコール(13)を364.0g(1モル)、付加反応触媒として48%水酸化ナトリウム水溶液0.60g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換した後100℃まで昇温した。次いで、撹拌しながら反応容器の上部からガラス製トラップを装着した配管を接続し、真空ポンプを用いて反応容器内を6.65×103Pa(50Torr)に減圧した。その後エタノールドライアイス浴でガラス製トラップを冷却しながら、同温度で1時間不純物の除去を行った。
(工程B)
不純物の除去終了後、窒素雰囲気下で130℃まで昇温した。そして安全圧下で130℃を保持したままエチレンオキシド1980.0g(45モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、α−ナフトールに平均50モルのエキレンオキシドが付加した本発明のポリアルキレングリコール(14)を得た。
(工程A)
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、フェノール94.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.46g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド2200.0g(50モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、フェノールに平均50モルのエキレンオキシドが付加した比較ポリアルキレングリコール(R1)を得た。
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、カテコール110.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.46g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド2200.0g(50モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、カテコールに平均50モルのエキレンオキシドが付加した比較ポリアルキレングリコール(R2)を得た。
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えたSUS製オートクレーブ反応容器に、アニリン93.0g(1モル)、付加反応触媒として水酸化ナトリウム0.46g(200ppm)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして安全圧下で150℃を保持したままエチレンオキシド2200.0g(50モル)を反応器内に導入し、付加反応が完結するまでその温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、アニリンに平均5モルのエキレンオキシドが付加した比較ポリアルキレングリコール(R3)を得た。
上記実施例及び比較例で得られたポリアルキレングリコール(2)、(3)、(4)、(6)、(8)、(10)、(12)、(14)、(R1)、(R2)、(R3)のカーボンブラック分散能を上記評価方法に従って測定した。測定結果を表1に示す。表中の「検出されない」とは、測定した結果、0ppmであったことを表す。
本発明のポリアルキレングリコールは、従来のポリアルキレングリコールと比較して良好なカーボンブラックの分散能を示すことが明らかとなった。具体的には、本発明のポリアルキレングリコールは、工程A、P、Bを必須とする製造方法により製造されることにより、当該製造方法によらない従来のポリアルキレングリコールと比較してカーボンブラックの分散能が顕著に向上することが明らかとなった。
また、従来と比較して芳香族化合物の残存量も少ないことから、安全性に対する要求が高い用途にも適用可能であることが明らかとなった。
Claims (3)
- 下記一般式(1)、(2)のいずれかで表されるポリアルキレングリコールであって、
該ポリアルキレングリコールは芳香族化合物にアルキレンオキサイドを1.5〜5モル付加してアルキレンオキサイド付加物を製造する工程(工程A)と、
上記工程Aの後に、水分や、反応液中の副生成物であるアルキレングリコールや未反応の芳香族化合物(i)を除去するため、減圧条件下、20〜160℃で行われる精製工程(工程P)と、
得られたアルキレンオキサイド付加物に更にアルキレンオキサイドを付加する工程(工程B)を必須とする製造方法により製造されるものであり、
上記芳香族化合物は、置換または無置換のフェノール、ナフトール、ベンジルアルコール、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミンであり、
上記芳香族化合物の含有量が30ppm未満である
ポリアルキレングリコール組成物。
2が0を超えるとき水素原子を表す。 - 下記一般式(1)、(2)のいずれかで表されるポリアルキレングリコールを含む組成物であって、置換または無置換のフェノール、ナフトール、ベンジルアルコール、アニリン、ナフチルアミン、ベンジルアミンから選ばれる芳香族化合物の合計が30ppm未満である、
ポリアルキレングリコール組成物。
- 請求項1または請求項2に記載のポリアルキレングリコール組成物を含む、無機顔料分散剤。
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