JP5300318B2 - 塗布装置と塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は枚葉状の被塗布物および連続して走行する帯状の被塗布物の表面に塗布液を塗布するために用いられる塗布装置に関するものであり、例えば、PDPなどのディスプレイパネル、電池極板、磁気記録テープ、接着テープ、写真用印画紙、オフセット版材において用いるエクストルージョン型の塗布装置に関するものである。
被塗布物の表面に均一に塗布液を塗布する方法として、エクストルージョン型ノズルを用いた塗布装置がある。図17(a)(b)はこの従来の塗布装置を示す。
上ブロック5と下ブロック6の間にはマニホールド1が形成されており、マニホールド1は塗布液供給口2から供給された塗布液を塗布幅方向に分配する。塗布幅方向に分配された塗布液は、スリット3で整流されながら吐出口3aから吐出される。4はスリット3を形成するためのシムである。
粘性を有する塗布液の塗布においては、マニホールド1を流れるときの圧力損失のため、マニホールド1の塗布液供給口2の付近に対してマニホールド端部の塗布液圧力が低下(図17(a)中Pa>Pb>Pc>Pd)し、マニホールド1の圧力は塗布幅方向に均一ではなくなる。
このため、塗布幅方向にわたってスリット3の吐出方向の長さが均一な塗布装置では、圧力の高い部分の塗布量が多く、圧力の低い部分の塗布量が少なくなり、塗布幅方向の塗布量バラツキが生じる。
実際には、マニホールド1で塗布液が塗布幅方向に分配される際、一部の塗布液がスリット3から吐出(図17(a)中 Qa、Qb、Qc、Qd)されつつ塗布幅方向に分配されていく(図17(a)中 Q2、Q3、Q4)ため、塗布液供給口2からマニホールド1の端部に向かうに従い徐々に塗布幅方向の流量が低下していく(図17(a)中 Q2>Q3>Q4)。その結果、塗布幅方向でのマニホールド1内の圧力低下が促進されると共に、マニホールド1の端部での流速が低下してしまうため、沈降しやすい顔料粒子を含むような塗布液を塗布する場合には、マニホールド1の端部で沈降が生じ易くなり、均一な塗布が困難となる。
この問題に対して、塗布幅方向の塗布量分布を均一にするために特許文献1では、スリットの塗布液吐出方向の長さを塗布液の供給口側から反対側に向けて直線状または曲線状にテーパを持たせて短くする方法が示されている。
また、マニホールド内での沈降を防止するために、特許文献2にはマニホールド1の端部に向かってマニホールド相当だけ直径を小さくすることで、マニホールド1内の流速を増加させることが示されている。
特開平6−335653号公報 特開2003−71354号公報
しかしながら、特許文献1,特許文献2の方法では、ある特定の粘度特性を有する塗布液のみに有効であっても、粘度特性の異なる塗布液を用いる場合や、塗布液の粘度にバラツキがある場合には、均一な塗布の実現は困難となる。
本発明は、上記の課題を解決するもので、被塗布物の表面に塗布液を均一に塗布できる塗布装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の塗布装置は、被塗布物の表面に塗布液を塗布するために用いられる塗布装置であって、塗布幅全体にわたり弾性変形するマニホールド本体と、前記マニホールド本体と塗布幅方向の幅全体にわたって係合する圧縮ブロックと、前記圧縮ブロックに圧力を印加する流体を溜める第1および第2の流体溜り部と、前記第1の流体溜り部と前記第2の流体溜り部とを連通する流体流路と、前記第1の流体溜り部に圧力を印加する加圧機構とを備え、前記圧縮ブロックは、前記第2の流体溜り部と塗布幅方向の幅全体にわたって接していることを特徴とする。
本発明の請求項2記載の塗布装置は、請求項1において、前記圧縮ブロックの表面もしくは内面の少なくとも一方の一部に、塗布幅方向と直交する凹部が形成されていることを特徴とする
本発明の請求項3記載の塗布装置は、請求項1または請求項2において、塗布液を貯蔵するタンクと、前記タンクと前記マニホールド本体の間において塗布液を循環させる機構を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の塗布方法は、被塗布物の表面に塗布液を塗布する塗布方法であって、マニホールド本体に塗布液を充填し、加圧機構により第1の流体溜り部内の流体に圧力を印加して第2の流体溜り部内の流体に圧力を印加し、第2の流体溜り部内の圧力が印加された流体により圧縮ブロックを介して前記マニホールド本体を塗布幅全体にわたり弾性変形させて塗布液を吐出することを特徴とする。
この構成によれば、マニホールド本体内への塗布液充填後、マニホールド本体の弾性変形により塗布液吐出を行う。そのため、吐出時の吐出量分布に、従来法のように圧力損失や流量低下を伴うマニホールド内幅方向流れが影響することはなくなる。また、マニホールド本体を塗布幅全体にわたり弾性変形させて塗布液を加圧し吐出させるため、マニホールド本体端部でも十分な内部圧力を得ることが可能となり、塗布幅方向で均一な吐出量による精密塗布が可能になる。
また、吐出時に幅方向流れを介さないことから、吐出時にマニホールド端部で流速低下が生じて沈降することがなく、沈降しやすい顔料粒子を含むような塗布液を塗布する場合にも、均一な塗布が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図8は本発明の実施の形態1を示す。
図1と図2に示すこのエクストルージョン型塗布装置は、塗布液が供給されるホース状のマニホールド本体1Aに、上ブロック5と下ブロック6ならびに側板41a,41bで構成されたノズル本体42がセットされており、上ブロック5と下ブロック6の内側には、マニホールド本体1Aを取り巻く第2の流体溜り部13と、流体流路14を介して第2の流体溜り部13に連通する第1の流体溜り部12が形成されている。第1の流体溜り部12にはピストン9が設けられている。マニホールド本体1Aには供給側の一端43から塗料液が供給される。
先端がピストン9に接続されたステム44にはボールナット16が取り付けられており、ボールナット16にはモータ11によって正逆回転させることが出来るボールねじ10が螺合している。
第2の流体溜り部13には、第2の流体溜り部13の流体で圧縮されて弾性変形する圧縮ブロック7の一部が露出して設けられている。圧縮ブロック7の基端部の内側通路7aには、弾性材料で形成されたホース状の前記マニホールド本体1Aが挿通されている。
圧縮ブロック7には、マニホールド本体1Aの外側に係合する内側通路7aとは別に、マニホールド本体1Aに形成されている吐出口45から放出された塗料液を塗布の幅方向に導くスリット部3Aが形成されている。4はスリット部3Aを形成するためのシムである。
さらに、マニホールド本体1Aの前記上ブロック5と下ブロック6で挟まれる前の位置には供給側バルブ15Aが設けられ、前記上ブロック5と下ブロック6の間を通過した後の位置には排出側バルブ15Bが設けられている。
圧縮ブロック7としては、フッ素樹脂であるPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を用いることができる。しかしながら弾性変形可能な材料であれば良く、これに限るものではない。
なお、マニホールド本体1Aに形成されている吐出口45は、供給側バルブ15Aと排出側バルブ15Bとで挟まれたマニホールド本体1Aの内部圧力が規定値を超えたときに、マニホールド本体1A自身の弾性に抗して開放され、内部圧力が規定値をを下回るとマニホールド本体1A自身の弾性によって閉塞するものとして説明する。
ここで、塗布液の吐出工程を図3(a)(b)および図4(a)(b)を用いて説明する。
図3(a)はマニホールド本体1A内に塗布液が充填されている状態の側方断面図、図3(b)はその状態を上ブロック6の側から見た断面図を示している。
マニホールド本体1A内に塗布液が充填され、供給側バルブ15Aおよび排出側バルブ15Bが閉じられた状態から、モータ11によりボールねじ10を第2の流体溜り部13の内圧を上昇させる回転方向に駆動することにより、加圧ピストン9により流体8が圧縮され流体8の圧力が上昇する。流体8としては、PG(プロピレングリコール)を用いることができる。しかしながら、同様の非圧縮性の性質をもつ流体であれば良く、これに限るものではない。
その結果、図4(a)(b)に示すように、流体8の圧力により圧縮ブロック7が弾性変形して収縮し、マニホールド本体1Aの内部圧力が規定値を超えて吐出口45が開放されて、圧縮ブロック7のスリット部3Aから塗布液が吐出される。
塗布液の吐出終了後には、図5(a)に示すように供給側バルブ15Aを開放するとともに、塗布液を供給しながら、モータ11によりボールねじ10を吐出時と逆方向に回転駆動させる。これにより流体8が圧縮状態から解放されるため、その圧力が低下し、その結果、圧縮ブロック7の内側通路7aの弾性変形が復元する。
圧縮ブロック7の弾性変形が復元し、マニホールド本体1A内に塗布液が充填された時点で、供給側バルブ15Aを閉じることで図3に示した状態に戻り、塗布の準備状態となる。
ここで、本動作中にマニホールド内部の塗布液が負圧になってスリット部3Aからエアーが混入することを防ぐため、塗布液の単位時間あたりの供給量が、マニホールド本体1Aの弾性変形が復元する際の単位時間あたりのマニホールド内体積増加量と同じになるよう、マニホールド本体1Aへの塗布液供給手段としてのポンプおよび加圧ピストン9の動作条件を設定すると良い。
また、スリット部3Aからエアーが混入することを防ぐため、図6に示すように、スリット部3Aをリップシール材17で封止して本動作を行っても良い。このリップシール材17としては、フッ素樹脂を用いることができる。しかしながら、塗布液による腐食・変形などが無く、スリット先端部を傷つけずに封止できるものであればよく、これに限るものではない。
また、図7に示すように、マニホールド本体1A内への塗布液充填と共に、塗布前の準備動作も兼ねたスリット部3Aの内部やスリット3Aの先端部の洗浄(存在する異物や凝集物を取り除く)を行うことを目的とし、本動作中の塗布液の単位時間あたりの供給量を意図的にマニホールドの弾性変形が復元する際の単位時間あたりのマニホールド内体積増加量よりも多くし、スリット部3Aから吐出させつつ塗布液をマニホールド本体1Aに充填させても良い。
ところで勿論、塗布終了後に上記の充填動作を行わず、更に加圧ピストン9を流体8の圧力が上昇する方向に駆動させることで吐出動作を繰り返しても良いが、その場合、圧縮ブロック7の弾性変形量が大きくなる。その結果、圧縮ブロック7の劣化を促進する可能性があるため、できる限り微少な弾性変形での動作を繰り返すことが望ましい。
また、特に塗布液に沈降しやすい物質を含んでいる場合には、塗布液の吐出終了後に、図8に示すように供給側バルブ15Aおよび排出側バルブ15Bを開いた状態にして塗布液を供給・排出してマニホールド本体1A内の塗布液を循環させることが好ましい。
これにより、マニホールド本体1A内で生じた沈降物、および沈降により濃度が低下したマニホールド本体1A内の塗布液を押し出して新鮮な塗布液に入替えることが可能となるため、沈降物がスリット部3Aから吐出され、すじムラや特異点などの不良の原因となったり、低濃度の塗布液が吐出されて塗布面内で均一に所定の固形分の分布が得られないということがなくなり、安定した塗布が可能になる。
塗布幅方向での均一な吐出を実現するために、図2(b)に示すように、流体8が第1の流体溜り部12から、流路の狭い第1と第2の流体溜り部を繋ぐ流体流路14を介して第2の流体溜り部13へ流れこむ構造としている。第1の流体溜り部で加圧された流体8を流路の狭い第1と第2の流体溜り部を繋ぐ流体流路14に通過させることで塗布幅方向に均一に整流できるため、第2の流体溜り部13内を塗布幅方向に均一に加圧できるようになる。その結果、弾性変形可能な圧縮ブロック7に対しても塗布幅方向に均一に圧力が伝達され、塗布幅方向での弾性変形量も均一となった結果、塗布幅方向で均一な塗布液の吐出量分布が得られる。
(実施例1)(比較例1)
具体的な実施例と従来の塗布装置を比較例として比較して説明する。
図9はこの実施の形態1の塗布装置の全体構成を示している。この実施例1では、塗布液が、塗布液タンク34から3方バルブ32と供給側バルブ15Aを介してマニホールド本体1Aに供給され、吸着ステージ35上の被塗布物31に塗布を実行した。33はマニホールド本体1Aへの塗布液供給用ポンプとしての注射器型のプランジャーポンプである。所望の流量を安定して供給できるものであれば良く、プランジャーポンプ33に限るものではない。
図10は従来の塗布装置の全体構成を示している。この比較例1は、ノズルのみを従来のエクストルージョン型ノズル102に変更しただけが実施例1とは異なっている。
実施例1と比較例1について、吐出される塗布液の幅方向吐出量分布および幅方向固形分濃度分布について数値解析を行った。
塗布液としてGeO、B、ZnO、Biを含むガラス組成物を50重量%、バインダー樹脂としてエチルセルローズを5重量%、溶剤としてα−テルピネオールを45重量%含有し、粘土がせん断速度4(1/s)の場合は500(P)であり、せん断速度0.1(1/s)の場合は800(P)であるPDP前面板パネル用の誘電体ペーストを用い、電極付ガラス基板上に幅550mm×長さ950mmの範囲を、塗布速度50mm/sで、焼成後厚み30μm狙いで塗布する場合を想定し、解析を行った。
実施例1および比較例1でそれぞれ解析した幅方向吐出量分布(塗布幅方向で5分割し、分割された各部分の平均値をそれぞれ算出)を幅方向塗布膜厚分布に換算した結果を表1および図11(a)(b)に示す。スリット部3Aの塗布幅方向の中央がC、それよりも右側の位置がR1、R1よりもさらに右側の位置がR2である。スリット部3Aの塗布幅方向の中央がCよりも左側の位置がL1、L1よりもさらに左側の位置がL2である。
今回の評価基準として、塗布幅方向膜厚バラツキが0.5μm以下を◎、0.5μmを超え1μm以下を○、1μmを超え1.5μm以下を△、1.5μmを超えるものを×として評価し、表1に示した。
Figure 0005300318
表1および図11(a)(b)から分かるように、比較例1では、マニホールド内幅方向流れにおける圧力損失や流量低下により、塗布幅端部の吐出量が低下し塗布幅方向バラツキが大きくなる。これに対して、実施例1では、塗布幅全体にわたりマニホールドの弾性変形により塗布液吐出を行うため、吐出量分布に従来法のような圧力損失や流量低下を伴うマニホールド内幅方向流れが影響することが無くなり、塗布幅方向バラツキが非常に小さい均一な塗布が実現できていることが分かる。
(実施例2)(比較例2)
実施例2では図9に示した塗布装置を使用して、塗布液として、体積累積平均径D50=2μmのMgO粒子を分子量600のアセチレングリコールに濃度5重量%で分散させた粘度が8(cps)のものを用い、被塗布物としては電極・誘電体・MgO層が形成されたPDP前面板パネル用のガラス基板を用い、そのMgO層表面の幅550mm×長さ950mmの範囲を、塗布速度50mm/sで、乾燥後にガラス基板に対して塗布面上方から垂直に塗布範囲を見た場合の投影面積として、MgO単結晶粉体の占める面積の割合(被覆率)が平均20%となる狙いで塗布することを想定し、解析を行った。
比較例2では、図10に示した塗布装置を使用して、実施例2と同様に塗布することを想定し、解析を行った。
実施例2および比較例2でそれぞれ解析した、粒子を含んだ塗布液の幅方向での吐出量分布および粒子濃度分布(それぞれ塗布幅方向で5分割し、分割された各部分の平均値をそれぞれ算出)を幅方向被覆率分布に換算した結果を表2および図12(a)(b)に示す。塗布幅方向被覆率バラツキが0.5%以下を◎、0.5%を超え1%以下を○、1%を超え1.5%以下を△、1.5%を超えるものを×として評価し、表2に示した。
Figure 0005300318
表2および図12(a)(b)から分かるように、比較例2では、マニホールド内幅方向流れにおける圧力損失や流量低下により、塗布幅端部の吐出量が低下するため、塗布幅方向中央部に比べて塗布幅方向両端部の被覆率が低くなってしまう。また、マニホールド両端部での流速低下によりマニホールド両端部での塗布液の滞留(フレッシュな塗布液が塗布液供給口から供給されなくなる)が生じ、マニホールド端部でMgO粒子の沈降が発生することも、塗布幅両端部での被覆率が低下する原因となる。これに対して、実施例1では、塗布幅全体にわたりマニホールドの弾性変形により塗布液吐出を行うため、塗布毎に塗布幅両端部においても十分なマニホールド内圧力を得ることができるため、塗布幅方向での被覆率バラツキが非常に小さい。また、実施例1では、マニホールドを収縮して塗布液を吐出した後、塗布毎にマニホールドを膨張させつつ塗布液を充填する動作を入れることで、塗布動作中においてマニホールド量端部においても十分な塗布液の流れを生じさせることができるため、比較例2の場合のようなマニホールド両端部での塗布液の滞留が生じることはなくマニホールド端部でMgO粒子が沈降することはなくなる。その結果、実施例2では塗布幅両端部の被覆率が低下するようなことはなくなる。
このように、実施の形態1の塗布装置では、塗布幅方向被覆率バラツキが非常に小さい均一な塗布が実現できることが分かる。
(実施例3)(比較例3)
図9と図10では、吸着ステージ35上の被塗布物31に対して塗布を実行したが、ロール上の被塗布物31に対して塗布を実行する場合も同様である。実施例3と比較例3では、ロール上の被塗布物31に対して塗布することを想定し、解析を行った。
実施例3では、塗布液として、活物質であるコバルト酸リチウムと、導電材であるカーボン粒子と、樹脂であるポリフルオロビニリデン(PVDF)、溶媒としてN−メチル−ピロリドン(NMP)をそれぞれ、活物質:カーボン:(樹脂+溶媒)の割合を60重量%:10重量%:30重量%で含む、粘度が8000(cp)のリチウム2次電池正極用ペーストを用い、被塗布物としては、幅500mm、厚み10μmのアルミ箔を用い、塗布幅480mmの範囲を1000mm長さで間欠塗布することを想定すると共に、塗布速度は100mm/sとし、乾燥後塗布厚みが平均100μmとなる狙いで塗布することを想定し、解析を行った。
比較例3では、実施例3と同様に塗布することを想定し、解析を行った。
実施例3および比較例3でそれぞれ解析した幅方向吐出量分布(塗布幅方向で5分割し、分割された各部分の平均値をそれぞれ算出)を幅方向塗布膜厚分布に換算した結果を表3および図13に示す。塗布幅方向膜厚バラツキが0.5μm以下を◎、0.5μmを超え1.5μm以下を○、1.5μmを超え2.5μm以下を△、2.5μmを超えるものを×として評価し表3に示した。
Figure 0005300318
表3および図13から分かるように、比較例3では、マニホールド内幅方向流れにおける圧力損失や流量低下により、塗布幅端部の吐出量が低下し塗布幅方向バラツキが大きくなる。これに対して、実施例3では、塗布幅全体にわたりマニホールドの弾性変形により塗布液吐出を行うため、吐出量分布に従来法のような圧力損失や流量低下を伴うマニホールド内幅方向流れが影響することが無くなった結果、塗布幅方向バラツキが非常に小さい均一な塗布が実現できていることが分かる。
この実施の形態の塗布装置では、マニホールド内幅方向流れを伴うマニホールド内への塗布液充填後、塗布幅全体にわたりマニホールド本体1Aの弾性変形により塗布液吐出を行うため、吐出量分布に、従来法のように圧力損失や流量低下を伴うマニホールド内幅方向流れが影響することはなくなることから、特に広幅大面積での均一塗布が可能となる。また、吐出時に幅方向流れを介さないことから、吐出時にマニホールド端部で流速低下が生じて沈降することがなく、沈降しやすい顔料粒子を含むような塗布液を塗布する場合にも、均一な塗布が可能となる。
(実施の形態2)
ここで、図4(a)および図4(b)で示したマニホールドが弾性変形し塗布液を吐出する状態の具体例を、図14,図15に基づいて説明する。
図14(a)は、マニホールド本体1A内に塗布液が充填されている状態の上ブロック側からの断面図であり、図14(b)は、図14(a)中の右端部の丸囲み内を拡大した図を示す。この実施の形態2では、圧縮ブロック7の表面の一部に凹部18を形成して、図15(a)(b)に示すように僅かの力で圧縮ブロック7の内側通路7aが大きく弾性変形するように構成されている。
(実施の形態3)
上記の各実施の形態では、流体8により圧縮ブロック7を介してマニホールド本体1Aを弾性変形させる場合を例に挙げて説明したが、図16に示すように、加圧ピストン9によってマニホールド本体1Aを弾性変形させても良い。この場合に、圧縮ブロック7の表面に、実施の形態2で示したように凹部18を設けても良い。特に塗布幅方向の両端部の付近は、流体により加圧される部分と、より外側の流体により加圧されない部分との境界にあたるため、塗布幅方向の中央部に比べて変形しにくくなる。このような場合、塗布幅方向で変形量に差が生じてしまい、その結果、塗布幅方向の吐出量分布も悪化してしまう。そこで、前記のような圧縮ブロック7の表面に凹部18を設けると、塗布幅量端部付近の柔軟性が高まり容易に変形し易くなる。その結果、塗布幅方向の中央部と両端部での吐出バラツキの小さい均一な塗布を実現できる。
上記の各実施の形態では、圧縮ブロック7の両端部にのみに凹部18を設けたが、位置や個数によらず、塗布幅方向の中央部も含めた両端部以外の場所にも複数個の凹部18を設けても良い。それにより、マニホールド本体の柔軟性が高まり吐出動作のレスポンスが向上するため、間欠塗布動作における始終端の液切れ性が向上するなどの効果が得られる。
上記の各実施の形態では、圧縮ブロック7の表面に凹部18を設けたが、圧縮ブロック7の内面に設けても同様の効果が得られる。
上記の各実施の形態では、塗布幅と同じ幅にわたり流体によりマニホールド本体1Aを弾性変形させたが、上記のような塗布幅方向中央部と両端部での変形量の差を小さくする効果が得られるため、塗布幅より広い幅にわたりマニホールドを弾性変形させても良い。
本発明は、近年更なる塗布の高精度化が求められてきている、ディスプレイパネル、電池極板、磁気記録テープ、接着テープ、写真用印画紙、オフセット版材などに塗布形成される膜の品質向上に有効である。
本発明の実施の形態1の塗布装置のノズル部分の斜視図 同実施の形態のノズル部分を上ブロック側から見た断面図と側方断面図 同実施の形態においてマニホールド内に塗布液が充填されている状態の側方断面図と上ブロック側からの断面図 同実施の形態においてマニホールドが弾性変形し塗布液を吐出している状態の側方断面図と上ブロック側からの断面図 同実施の形態においてマニホールド本体1A内に塗布液を充填している状態の側方断面図と上ブロック側からの断面図 同実施の形態においてリップシール材でスリット先端を封止した状態でマニホールド内に塗布液を充填している状態の上ブロック側からの断面図 同実施の形態においてスリット部から塗布液を吐出しながらマニホールド内に塗布液を充填している状態の上ブロック側からの断面図 同実施の形態においてマニホールド本体1A内の塗布液を循環している状態の側方断面図と上ブロック側からの断面図 本発明の実施の形態1の塗布装置の全体構成図 従来のエクストルージョン型ノズルを用いた比較例の塗布装置の全体構成図 実施例1および比較例1の膜厚評価結果の説明図 実施例2および比較例2の被覆率評価結果の説明図 実施例3および比較例3の膜厚評価結果の説明図 本発明の実施の形態2においてマニホールド内に塗布液が充填されている状態の上ブロック側からの断面図とその要部の拡大図 同実施の形態においてマニホールドが弾性変形し塗布液を吐出している状態の上ブロック側からの断面図とその要部の拡大図 本発明の実施の形態3のノズル部分を上ブロック側から見た断面図と側方断面図 従来のエクストルージョン型ノズルの上ブロック側からの断面図と側方断面図
符号の説明
1A マニホールド本体
2 塗布液供給口
3A スリット部
4 シム
5 上ブロック
6 下ブロック
7 圧縮ブロック
7a 内部通路
8 流体
9 ピストン
10 ボールねじ
11 モータ
12 第1の流体溜り部
13 第2の流体溜り部
14 流体流路
15A 供給側バルブ
15B 排出側バルブ
16 ボールナット
17 リップシール材
18 凹部
31 被塗布物
32 3方バルブ
33 プランジャーポンプ
34 塗布液タンク
35 吸着ステージ
41a,41b 側板
42 ノズル本体
45 吐出口

Claims (4)

  1. 被塗布物の表面に塗布液を塗布するために用いられる塗布装置であって、
    塗布幅全体にわたり弾性変形するマニホールド本体と、
    前記マニホールド本体と塗布幅方向の幅全体にわたって係合する圧縮ブロックと、
    前記圧縮ブロックに圧力を印加する流体を溜める第1および第2の流体溜り部と、
    前記第1の流体溜り部と前記第2の流体溜り部とを連通する流体流路と、
    前記第1の流体溜り部に圧力を印加する加圧機構とを備え、
    前記圧縮ブロックは、前記第2の流体溜り部と塗布幅方向の幅全体にわたって接していることを特徴とする
    塗布装置。
  2. 前記圧縮ブロックの表面もしくは内面の少なくとも一方の一部に、塗布幅方向と直交する凹部が形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の塗布装置。
  3. 塗布液を貯蔵するタンクと、
    前記タンクと前記マニホールド本体の間において塗布液を循環させる機構を備えた
    請求項1または請求項2記載の塗布装置。
  4. 被塗布物の表面に塗布液を塗布する塗布方法であって、
    マニホールド本体に塗布液を充填し、
    加圧機構により第1の流体溜り部内の流体に圧力を印加して第2の流体溜り部内の流体に圧力を印加し、
    第2の流体溜り部内の圧力が印加された流体により圧縮ブロックを介して前記マニホールド本体を塗布幅全体にわたり弾性変形させて塗布液を吐出することを特徴とする塗布方法。
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