JP5298878B2 - 結像レンズおよびカメラ装置および携帯情報端末装置 - Google Patents
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レトロフォーカスタイプは、射出瞳位置を像面から遠ざけて「周辺光束がエリアセンサに対し垂直に近い角度で入射する」ようにでき、各画素に色フィルタやマイクロレンズを有するエリアセンサ(撮像素子)に適した構成であるが、屈折力配置の非対称性が大きく、コマ収差や歪曲収差、倍率色収差等の補正が不完全になりがちであるという問題点も存在する。
デジタルカメラやデジタルビデオカメラでは「結像レンズによる像」はエリアセンサの受光面に結像し、読み取られてデジタル信号化されるが、通常は上記受光面に近接して、受光面保護用のカバーガラスや、色分解フィルタといった平行平板状の光学部材が設けられる。レトロフォーカスタイプにより「エリアセンサに対し垂直に近い角度で入射」する光は、上記平行平板状の光学部材の平坦な面で反射すると結像レンズのレンズ面で反射して像面に再入射し「ゴースト」を生成させ易い。
そして、第1レンズ群の焦点距離:f1、第1正レンズの物体側面の曲率半径:R_2FL1、全系の焦点距離:fAが、条件:
(1) −0.5(1/fA)<1/R_2FL1< 1/f1
を満足する。
(2) 0.0 < fA/f1 < 0.4
を満足することが好ましい(請求項2)。
(3) −0.8<(R_1R1+R_1R2)/(R_1R1−R_1R2)<−0.3を満足することが好ましい(請求項3)。
請求項1〜4の任意の1に記載の結像レンズにおける「第2レンズ群の第2Rレンズ群」は、「非球面を有する1枚の正レンズ」で構成することができる(請求項5)。この場合において、第2レンズ群の第2Rレンズ群を構成する1枚の正レンズは「物体側面が凸面で、この凸面の曲率半径:R_2R、最大像高:Y’が、条件:
(4) 2.5< R_2R/Y’ <5.0
を満足する」ことが好ましい(請求項6)。
第2Fレンズ群は「結像レンズ中で主要な結像作用」を担い、収差補正上も最も重要なレンズ群である。
第2Fレンズ群は、その屈折力配分として「正・負・正」のいわゆるトリプレットタイプを基本としているが、屈折力配分における「中央の負の屈折力」を2つのレンズに分担させ、第2Fレンズ群の構成として「正・負・負・正の4枚構成」としている。
(2A) 0.0 <fA/f1< 0.2
を満足するのが良い。
なお、第1Rレンズ群の両凸レンズには「高屈折率低分散の光学材料」を用いることが好ましい。高屈折率光学材料を用いることにより、第1Rレンズ群を1枚の正レンズで構成しても過大な収差を発生させずにすむ。また、低分散な光学材料を用いることで「軸上色収差・倍率色収差」を全体として十分に補正することが可能になる。
上記第1Rレンズ群の正レンズの材料は、屈折率:nd・アッベ:νdは、以下の条件を満足するのが良い。
35 <νd< 55 。
第2Fレンズ群をこのように構成することにより、第1正レンズと第1負レンズの接合面には「主に軸上色収差を補正する役割」を持たせ、第2負レンズと第2正レンズの接合面には「主に倍率色収差を補正する役割」を持たせることができ、全体の色収差補正を効果的に行うことが可能になる。
請求項6における条件(4)は、収差を抑えつつ、像面近くに配置される撮像素子のカバーガラス等の平行平板とレンズ面により発生するゴーストの低減に有効な条件である。
条件(4)の上限値を超えると,上述した「収差のバランス取りや射出瞳距離のコントロール」が困難になってくる。
なお、フォーカシングは「全体を繰出」して行なっても良いが、第2レンズ群の変位で行っても良い。より好ましくは「第1レンズ群と第2レンズ群を異なる速度で移動する」ことによりフォーカシングするのがよい。
図1〜図5に示す結像レンズは、開口絞りSと、この開口絞りSの物体側(図1〜図5の左方)に配置される第1レンズ群Iと、開口絞りSの像側(図1〜図5の右方)に配置される第2レンズ群IIとで構成される。
図16(A)は正面側と上部面とを示し、図16(B)は背面側と上面部を示す。
携帯情報端末装置は、結像レンズ1(以下、「撮影レンズ1」と言う。)として、上に説明した請求項1〜7の任意の1に記載の結像レンズ(具体的には後述の実施例1〜5の適宜のもの)を有する。
図17に示すように、装置は撮影レンズ1と受光素子(撮像素子)13を有し、撮影レンズ1によって形成される撮影対象物の像を受光素子13によって読取るように構成されている。
受光素子13からの出力は中央演算装置11の制御を受ける信号処理装置14によって処理されてデジタル情報に変換される。即ち、携帯情報端末装置は「撮影画像をデジタル情報とする機能」を有している。
デジタル情報化された撮影画像は、中央演算装置11による制御により、液晶モニタ7に表示することができ、また、半導体メモリ15に記憶させることができる。また、通信カード等16を介して外部に通信して送ることもできる。
図6〜図10に順次、実施例1〜5に関する収差図を示す。
これらの図において、球面収差の図における破線は正弦条件を表し、非点収差の図中の実線はサジタル、破線はメリディオナルを表す。「d」はd線、「g」はg線に対する収差曲線図である。
また、図11〜図15は、各実施例にかかる結像レンズにおいて、物体側から入射角:30度で入射し、撮像素子の平行平板Fと第2Fレンズ群の第1正レンズの物体側面で反射された反射光に対する光線追跡の結果を示している。
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
ω:半画角
R:曲率半径
D:面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
「非球面」は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率):C、光軸からの高さ:H、円錐乗数:k、上記各非球面係数を用いて、周知の次式で表現される。
X=CH2/[1+√(1-(1+K)C2H2)]
+A4・H4+A6・H6+A8・H8+A10・H10+A12・H12+A14・H14+A16・H16+A18・H18
f=6.02 F1.81
実施例1のデータを表1に示す。
第4面
K=-0.45000,A4=-3.25734E-04,A6=-9.32912E-06,A8=7.29745E-08,
A10=-6.48034E-09
第14面
K=-2.92559E-04,A4=2.21131E-06,A6=-1.61322E-07,A8=2.26618E-09 。
各条件式のパラメータの値を表2に示す。
F=6.00 F1.80
実施例2のデータを表3に示す。
第4面
K=-0.40000,A4=-4.07064E-04,A6=-9.23532E-06,A8=-7.96701E-08,
A10=-3.61167E-09,A12=-3.61500E-11,A14=2.19580E-14,A16=8.93836E-15,
A18=-1.95337E-15
第14面
K=0.0,A4=-3.58070E-04,A6=5.60374E-07,A8=-1.61334E-07,
A10=1.41953E-09 。
各条件式のパラメータの値を表4に示す。
f=6.00 F1.90
実施例3のデータを表5に示す。
第4面
K=-0.40000,A4=-3.72757E-04,A6=-5.62333E-06,A8=-2.23363E-07,
A10=-7.20448E-10,A12=-3.61500E-11,A14=2.19580E-14,A16=8.93836E-15,
A18=-1.95337E-15
第14面
A4=-3.07134E-04,A6=2.41618E-06,A8=-1.97489E-07,
A10=2.81138E-09 。
各条件式のパラメータの値を表6に示す。
f=6.00 F1.90
実施例4のデータを表7に示す。
第4面
K=-0.40000,A4=-4.16841E-04,A6=-9.42561E-06,A8=-1.58154E-07,
A10=-3.26524E-09,A12=-3.61500E-11,A14=2.19580E-14,A16=8.93836E-15,
A18=-1.95337E-15
第14面
A4=-2.85929E-04,A6=1.93947E-06,A8=-1.43395E-07,
A10=2.11542E-09 。
各条件式のパラメータの値を表8に示す。
f=6.00 F1.89
実施例5のデータを表9に示す。
第4面
K=-0.40000,A4=-4.08087E-04,A6=-9.12948E-06,A8=-1.55692E-07,
A10=-3.07007E-09 ,A12=-3.61500E-11, A14=2.19580E-14,A16=8.93836E-15,
A18=-1.95337E-15
第14面
A4=-2.75989E-04,A6=1.94315E-06,A8=-1.43531E-07,
A10=1.93052E-09 。
各条件式のパラメータの値を表10に示す。
II 第2レンズ群
1F 第1Fレンズ群
1R 第1Rレンズ群
S 絞り
2F 第2Fレンズ群
2R 第2Rレンズ群
Claims (9)
- 開口絞りと、この開口絞りの物体側に配置される第1レンズ群と、上記開口絞りの像側に配置される第2レンズ群とで構成され、
上記第1レンズ群は、物体側から順に、負のパワーを有する第1Fレンズ群と、正のパワーを有する第1Rレンズ群とが、上記第1レンズ群中で最も広い空気間隔を隔して配置され、
上記第2レンズ群は、物体側から順に、第2Fレンズ群と、第2Rレンズ群とが、各レンズ群中で最も狭い空気間隔を隔てて配置され、
上記第1レンズ群の第1Fレンズ群は、少なくとも2枚の負レンズを有してなり、第1Rレンズ群は、1枚の両凸レンズからなり、
上記第2レンズ群の第2Fレンズ群は、物体側から順に、第1正レンズ、第1負レンズ、第2負レンズ、第2正レンズを連続して配置して構成され、第2Rレンズ群は、少なくとも1枚のレンズからなり、
第1レンズ群の焦点距離:f1、第1正レンズの物体側面の曲率半径:R_2FL1、全系の焦点距離:fAが、条件:
(1) −0.5(1/fA)<1/R_2FL1< 1/f1
を満足することを特徴とする結像レンズ。 - 請求項1記載の結像レンズにおいて、
第1レンズ群の焦点距離:f1、全系の焦点距離:fAが、条件:
(2) 0.0 < fA/f1 < 0.4
を満足することを特徴とする結像レンズ。 - 請求項1または2記載の結像レンズにおいて、
第1Rレンズ群を構成する1枚の両凸レンズの、物体側面の曲率半径:R_1R1、像側面の曲率半径:R_1R2が、条件:
(3) −0.8<(R_1R1+R_1R2)/(R_1R1−R_1R2)<−0.3
を満足することを特徴とする結像レンズ。 - 請求項1〜3の任意の1に記載の結像レンズにおいて、
第2Fレンズ群を構成する、第1正レンズと第1負レンズ、第2負レンズと第2正レンズがそれぞれ接合されていることを特徴とする結像レンズ。 - 請求項1〜4の任意の1に記載の結像レンズにおいて、
第2レンズ群の第2Rレンズ群が、非球面を有する1枚の正レンズで構成されていることを特徴とする結像レンズ。 - 請求項5記載の結像レンズにおいて、
第2レンズ群の第2Rレンズ群を構成する1枚の正レンズは、物体側面が凸面であり、この凸面の曲率半径:R_2R、最大像高:Y’が、条件:
(4) 2.5< R_2R/Y’ <5.0
を満足することを特徴とする結像レンズ。 - 請求項1〜6の任意の1に記載の結像レンズを有するカメラ装置。
- 請求項7記載のカメラ装置において、
撮影画像をデジタル情報とする機能を有することを特徴とするカメラ装置。 - 請求項8のカメラ装置を撮影機能部として有する携帯情報端末装置。
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