JP5297407B2 - 交通流計測装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、テレビカメラなどで道路を撮影し、その撮影された画像を処理することで、車両の検出と車種判別を行うようにしたものが記載されている。
また、特許文献2には、道路車線上に類似度判定領域と呼ばれる車両通過判定領域を設け、車両が通過していない背景テンプレートとの相関を取ることで、車両の通過を検出するものが記載されている。
また、特許文献3には、2台のカメラを用いて撮影された画像の視差情報から車両の形状を判定し、車種判別を行なうものが記載されている。
また、特許文献1に記載のものでは、車種判別を行うに当たって、車幅から車種を算出することを前提としているため、大型車と普通車のわずかな車幅の違いにより車種判定を行なうことは、カメラの向きの影響を受けやすく間違いが発生しやすいという問題があった。
また、特許文献2に記載のものでは、背景テンプレートとの相関値が下がると車両進入中と判断し、相関値が再び上がると車両が侵出したと判断し、その相関値の変化によって予め定義してあるテーブルに沿って車両速度と車種を推定している。しかし、その推定条件として先行車両の速度やそれまで計測した平均速度の情報を用いているため、車両毎に速度差のある閑散とした交通流状況下では、その推定自体が正常に働かないという問題があった。
また、特許文献3に記載のものでは、視差情報を得るためにカメラを2台必要とし、また画像撮像機能も2つ必要とするため、機器設置コストがかかるという問題があった。
この発明の実施の形態1について図を用いて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による交通流計測装置の構成を示すブロック図である。
図1において、画像撮像部10(画像撮像手段)は、監視用ITVカメラなどの撮像素子により所定の周期で画像を撮像し、その画像をデジタルデータとして記憶する。車線設定部11は、撮像画像上で車両が通行する車線と、この車線内に車頭または車尾を検出するための車両検出領域を予め設定しておくものであり、これらの設定は監視カメラの設置を行った際に決定される。図2は画像撮像部10で入力された監視画像とその車線設定の一例を示しており、この場合は監視カメラを道路面に対して真下に向けている。
車頭車尾検出部12(車頭車尾検出手段)は、車線設定部11により各車線上に設定された車両検出領域において、シフトマッチングと呼ばれる手法を用いて、車両検出領域内での車両の車頭および車尾を検出する。交通流計測部20は、車頭車尾検出部12にて検出された車頭と車尾の情報をもとにして、車線毎の車両通過台数を計測する処理部である。
また、この発明で用いられる監視カメラは、複数あっても構わない。それぞれの映像について、適用することができる。
そして、これら3つの統計を車線ごとに取り、交通流計測とする。
図2において、第1車線30には、車両検出領域40が設定されている。第2車線31は、第1車線30と反対方向または同じ方向に進行する車線であり、ここにも車両検出領域41が設定される。
図3において、車両検出領域40をシフトマッチングの基準となる基準テンプレート画像Qとし、1時刻前の撮像画像において、車両検出領域(1−pの領域)及び車両進行方向と逆方向の探索領域(n−pの領域)を含むマッチング画像Pを準備する。そして、1画素ずつ順次、車両進行方向と逆方向に基準テンプレート画像Qをシフトさせながら、基準テンプレート画像Qと対向するマッチング画像Pとの間でマッチングを行う。図3(a)は、マッチング手順の始めの状態を表す図、図3(b)は、マッチング手順の終りの状態を表す図である。
DL(0,y)には、列方向(図中横方向)だけの各画素の差分累積値を求める演算式が示されている。yを順次、カウントアップすることにより、1画素分ずつずらしながら、基準テンプレート画像Qとマッチング画像Pとの対向する各画素の列方向の差分累積値を演算する。
まず、シフトマッチング方式について説明する。
シフトマッチング方式とは、最新画像の車両検出領域である基準テンプレート画像Qと、1時刻前の撮像画像の車両検出領域及び探索領域を含むマッチング画像Pとを用いて、全体最適シフト量を決定するテンプレート探索の段階(第1の探索)と、基準テンプレート画像Qを上下2分割し、シフト量0すなわち移動量0の領域と全体最適シフト量に準じたシフト量が発生する最適な分割境界線を探索することで、基準テンプレートQ内で移動が発生している境界位置を特定する段階(第2の探索)を有する。
つまり、第1の探索で、1時刻の間に車両がどれだけ進んだか(シフト量)がわかり、このシフト量に基づき、第2の探索で得られる分割境界線が車頭または車尾である。
マッチング手法としては、現在入力画像の車両検出領域40として設けたマッチングの基準となる横m画素、縦p画素の基準テンプレート画像Q(x,y)と、現在入力画像から1時刻過去の画像の車両検出領域及び探索領域を含むマッチング対象となる横m画素、縦n画素のマッチング画像P(x,y)の2つの画像に対して処理を行なう。ただし、マッチング画像Pは探索領域を含み、基準テンプレート画像Qより縦方向の画素数が大きいため、n>pとする。
逆に、車尾侵出時は、基準テンプレート画像Qの上部は車尾移動量に応じたシフト量が発生し、基準テンプレート画像Qの下部はシフト量0となる。
以上のように、基準テンプレート画像Qを上下に分割できるY座標を計算することで、車頭もしくは車尾の座標を特定することが可能となる。
ここで、車体が写っていない場合、路面にペイント等のマッチングスコアに影響を与える模様が存在すると、シフト量0が最もマッチング度が高くなり、模様のない均一路面の場合は、シフト量の平均値とシフト量0もしくは最適シフト量時のスコアの差が低くなるため、その場合はシフト量0すなわち移動量0と判断する。
ステップS1で、マッチングスコア合計値DD(s)が最小となるsを求め、その値を全体最適シフト量Sminとする。
次いで、ステップS2で、Sminが、0もしくはDD(Smin)の値とスコア合計平均AVの値に差がない場合は、シフト量0すなわち車両検出領域40には車両非侵入状態と判断する。
次に、ステップS4の車尾候補探索において、D(t)=DS(Smin,1,t)+DS(0,t+1、p)が最小となるtminを求める。この分割線tも分割線hと同様に、1画素ずつ上方から下方にずらしながら、この式を演算する。Sminが移動の発生する場所、0が移動の発生しない場所である。この求められた、合計値の一番小さい分割線tminが、車尾候補となる。
ステップS6は、ステップS3とステップS4の結果を評価するものであり、D(hmin)<D(tmin)の場合は、hminの座標にて車頭を検出する。D(hmin)>D(tmin)の場合は、tminの座標にて車尾を検出する。
ステップS7で、ステップS6から現在入力画像中の基準テンプレート画像Q内に車頭、車尾の有無およびその位置座標を決定し、現入力画像中でのY座標位置、すなわち車両Y座標位置として算出する。
次に、この発明の実施の形態2について図を用いて説明する。
図5は、この発明の実施の形態2による交通流計測装置の構成を示すブロック図である。
図5において、10〜12、20は図1におけるものと同一のものである。図5では、車線に設けられる車両検出領域40を変換する車両検出領域変換部13(車両検出領域変換手段)を設けている。
図6では、監視カメラの設置条件が道路車線の長手方向を斜めに見下ろす角度(所定の俯角)になっている。車線30a、31aはその斜めに見下す角度で撮像された車線であり、車両検出領域40a、41aがそれぞれ設けられている。
図7において、40a、41aは図6におけるものと同一のものである。車両検出領域40a、41aは、車両検出領域変換部13により変換されて、正四角形の矩形である車両検出領域40b、41bとなる。
なお、図6及び図7の車両変換領域40a、41a、40b、41bは、本来の車両変換領域(1−pの領域)に加えて探索領域(n−pの領域)も含むものとする。
次に、図6をもとに車両検出領域変換部13の変換処理について説明する。
実施の形態1でのシフトマッチング手法は、正方形もしくは長方形の矩形同士での車両進行方向における移動量とその位置を検出するものであった。しかしながら、図6のように斜め方向の画像では、車両の移動方向が上下方向とは一致せず傾いている。そのため、この監視カメラの設置条件でシフトマッチング手法を適用すると、マッチングが取りにくくなる。
次に、車両検出領域の変換方法について、図7を用いて説明する。
車線設定部11により設定された車線情報に沿うように正四角形ではない非矩形の車両検出領域40aが設定される。その領域に対して領域下端の幅mを基準とし、上端の幅もmとなるよう拡大する。
こうすることで、幅m高さnの平行四辺形の矩形ができるが、この横方向のずれを統一して正四角形の矩形である車両検出領域40bへと変換する。 この変換後の車両検出領域40bを用いて、シフトマッチングを行うことで、車頭及び車尾を実施の形態1と同様に検出することができる。
以下、この発明の実施の形態3について図を用いて説明する。
図8は、この発明の実施の形態3による交通流計測装置の構成を示すブロック図である。
図8において、10〜13、20は図5におけるものと同一のものである。図8では、昼夜を判定する昼夜判定部14と、夜間に大型車両の車頭を検出する夜間大型車両車頭検出部15(夜間車頭検出手段)が新たに設けられている。
夜間の監視カメラの撮像画像は、照明環境の整っている路線では車両の陰影を画像処理にて十分検出可能であるが、照明環境の乏しい路線では、ヘッドライトにより路面に反射するわずかな光と車両後端のテールランプのみという映像条件が多い。
その場合では、車尾はテールランプを用いて、実施の形態1で記載するシフトマッチング手法で検出可能である。
また、車高の低い普通車については、車頭についても十分検出可能であるが、車高の高い大型車量の車頭については、路面と車頭との境界がシフトマッチングでは特定しにくいという問題がある。
この夜間大型車両車頭検出部15を用いて、路面と車頭の境界座標を検出する手法としては、まず図3で示す基準テンプレート画像Qにおいて、その輝度値をY軸方向へ投影する。その投影結果をDDT(s)とすると式(6)となる。
増減フィルタリングの手法としては、図3の基準テンプレート画像Qについて、図の上方から下方へ1画素ずつずらした分割線からなる車頭位置候補を基準にして、上方向にDDT(s)の結果を累積加算し、車頭位置候補を基準にして下方向にDDT(s)の結果を累積減算する。その2つの結果の合計値が最大値となるような分割線の基準位置座標を計測することで、車頭位置と路面位置との境界座標を検出することが可能となる。
ここで、増減フィルタリングの累積範囲は、該当道路の照明環境下にて変化させ、どのようなヘッドライトと車頭の明暗差を大型車両の車頭として取り扱うかを設定する。
照明灯のない路線においては、経験的に上下8画素合計16画素の範囲で、増減フィルタリングを行なうと、大型車両の車頭位置が効率よく検出されることを確認している。
以下、この発明の実施の形態4について図を用いて説明する。
図9は、この発明の実施の形態4による交通流計測装置の構成を示すブロック図である。
図9において、10〜15は図8におけるものと同一のものである。図9では、車頭車尾検出部12または夜間大型車両車頭検出部15の出力を受けて、車両の車高、車長を計測する車高車長計測部16(車高車長計測手段)を設けている。
図10において、監視カメラ50の撮影方向と、車両60の位置の関係が示されている。
図10(a)は、時刻T1における監視カメラ50と車両60の関係を示す図、図10(b)は、時刻T2における監視カメラ50と車両60の関係を示す図、図10(c)は、時刻T3における監視カメラ50と車両60の関係を示す図である。
図11において、監視カメラ50の撮影方向と、車両60の位置の関係が示されている。
図11(a)は、時刻T1における監視カメラ50と車両60の関係を示す図、図11(b)は、時刻T2における監視カメラ50と車両60の関係を示す図、図11(c)は、時刻T3における監視カメラ50と車両60の関係を示す図、図11(d)は、時刻T4における監視カメラ50と車両60の関係を示す図である。
次に、図10を参照して車高車長計測部16の動作について説明する。
実施の形態4は、実施の形態1〜実施の形態3で述べた方法で、車両の車頭および車尾を検出することにより、その位置座標情報と計測時刻情報とカメラ設置情報から、通過車両の車高と車長および車速を計測するものである。
このように計測された位置座標Z1、Z2、ZT2、ZT3と時刻情報T1、T2、T3とカメラ設置条件であるカメラ高さHの情報から、路面に投影された車頭の速度Vz、本来の車頭位置の速度Vh、車尾の速度Vtを式で表すと式(7)のようになる。
車尾の車速Vtと本来の車頭位置の車速Vhは式(13)となる。
よって、上記により求められた車高から車長が、先に記載された計算式にて計測することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態5について図を用いて説明する。
図12は、この発明の実施の形態5による交通流計測装置の構成を示すブロック図である。
図12において、10〜16、20は図9におけるものと同一のものである。図12では、画像撮像部10の出力側に、インターレース方式で撮像された画像を偶数ラインフレームと奇数ラインフレームとに分離するインターレース画像分離部17を設けている。
このため、実施の形態5では、撮像されたインターレース画像の特徴を利用し、車両の車頭車尾が検出領域に少なくとも1回以上存在すれば、車高車長を計測することが可能となる手法を提案するものである。
そのため、インターレース画像では、動きの早い物体に関しては偶数フレームと奇数フレームとを合成すると画像の間で櫛型の画像となる。
この櫛型画像は、言い換えれば、60分の1秒で車両が進んだ量とも置き換えられる。つまり、偶数ラインフレームと奇数ラインフレームの画像は、60分の1秒のシフト量を有することになる。このため、車速の早い車両に関しては、インターレース画像を用いることで、車頭と車尾を安定して検出することが可能となる。
その実現方法としては、インターレース画像と通常撮像画像と両方で車頭及び車尾を検出し、速度情報とマッチング結果の信頼性が高い情報を用いることで実現する。
11 車線設定部
12 車頭車尾検出部
13 車両検出領域変換部
14 昼夜判定部
15 夜間大型車両車頭検出部
16 車高車長計測部
17 インターレース画像分離部
20 交通流計測部
30 第1車線
31 第2車線
40 車両検出領域
41 車両検出領域
50 監視カメラ
60 車両
Claims (6)
- 道路状態を撮像した画像を処理し、交通量を計測する交通流計測装置であって、
所定の周期で道路状態を撮像する画像撮像手段、
この画像撮像手段により撮像された画像内の車線毎に車両検出領域を形成し、この車両検出領域の最新画像と所定の周期前に撮像された画像を対向させながら、両画像の各画素の輝度の差分を累積することにより、車両の車頭または車尾を検出する車頭車尾検出手段を備えたことを特徴とする交通流計測装置。 - 上記画像撮像手段は、上方から上記道路状態を撮像し、
上記車頭車尾検出手段は、上記車両検出領域の上記最新画像をテンプレート画像とし、所定の周期前に撮像された上記車両検出領域及びこの車両検出領域に続く探索領域を有する画像をマッチング画像として、上記テンプレート画像を車両の進行方向から順次ずらしながら、上記テンプレート画像及びこれに対向するマッチング画像の各画素の輝度の差分を累積することにより、両者のシフト量を計算する第1の探索と、
上記テンプレート画像を進行方向と交差する方向に分割する分割線を車両の進行方向から順次ずらしながら、分割線の上部が背景領域となり、下部が移動体領域となるような上記分割線の位置座標を得て、この得られた位置座標を上記車頭または車尾の位置座標とする第2の探索とを有することを特徴とする請求項1記載の交通流計測装置。 - 上記画像撮像手段によって、所定の俯角で撮像された場合に、上記所定の俯角で撮像された画像の内の車両検出領域を上方からの撮像状態に変換する車両検出領域変換手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の交通流計測装置。
- 照明設備の少ない夜間の道路上で上記車頭を検出する夜間車頭検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の交通流計測装置。
- 上記車頭車尾検出手段により検出された上記車頭及び車尾に基づき、通過車両の車高及び車長を計測する車高車長計測手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の交通流計測装置。
- 上記画像撮像手段によって撮像される画像が、インターレース映像である場合に、上記車頭車尾検出手段は、上記インターレース映像の奇数ラインフレームと偶数ラインフレームとを用いて、最新画像及び所定の周期前に撮像された画像として、上記車頭または車尾を検出することを特徴とした請求項1〜請求項5のいずれかに記載の交通流計測装置。
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