JP5297212B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、冷却システムに用いられて冷媒を圧縮する圧縮機に関する。
特許文献1に「ベーンロータリー式圧縮機」が記載されている。この圧縮機はベーンに圧力を与えてベーン溝から押し出すベーン背圧室より容積の大きいガス溜まりを設け、ベーンがベーン溝に押し込まれたときのベーン背圧室での圧力低下を低減させることによって、起動時に生じるベーンのチャタリング時間を短縮すると共に、圧縮機がクラッチを介し駆動力源に連結されている場合は、時間が短縮されたチャタリング音を、起動時に生じるクラッチの作動音によってマスキングする。
また、特許文献2に「気体圧縮機及び該気体圧縮機の製造方法」が記載されている。図14と図15のように、この圧縮機201にはバネの力で閉止される逆止弁203が用いられており、図14のように、運転中は逆止弁203が吸入圧により開放されて冷媒が圧縮室205に吸入されると共に、ベーン背圧室207の高圧冷媒によって各ベーン209が圧縮室205の壁部に押圧され、図15のように、運転を停止すると逆止弁203が閉止して高圧冷媒の低圧側への逆流と効率の低下とを防止する。
特開2006−125362号公報 特開2004−353620号公報
しかし、チャタリングの時間を短縮した特許文献1のベーンロータリー式圧縮機でも、電動モータを組み込んだクラッチレスの場合はチャタリング音をマスキングするクラッチの作動音が得られないので、車両の快適性が損なわれる恐れがある。
また、バネ力で閉止される逆止弁203を用いた特許文献2の気体圧縮機201は、バネ力(流路抵抗)だけの吸入圧ロスと効率低下が生じると共に、チャタリング音を低減するものではない。
そこで、この発明は、チャタリングを防止し、流路抵抗を低減させた圧縮機の提供を目的としている。
請求項1の圧縮機は、圧縮室が設けられたケーシングと、前記圧縮室の内部に回転自在に配置されたロータと、前記ロータに設けられ、底部にベーン背圧室を有する複数のベーン溝と、前記各ベーン溝に配置され、前記ベーン背圧室側と前記圧縮室の内壁側との間を移動自在なベーンとを有し、前記ベーン背圧室の圧力によって前記ベーンを前記内壁側に付勢するように構成され、蒸発器から吸入口を介し前記圧縮室に吸入した冷媒を圧縮して吐出するシステムに用いられる圧縮機であって、作動停止と起動とを含む所定の時間中、前記蒸発器と吸入口との間に発生した低圧側の圧力を維持し、所要のタイミングで開閉操作される低圧維持手段を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された圧縮機であって、前記低圧維持手段が、前記蒸発器と前記吸入口とを連結する冷媒流路上において、蒸発器に近接配置された蒸発器側バルブと、吸入口に近接配置された吸入口側バルブの、両方またはいずれか一方からなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載された圧縮機であって、前記低圧維持手段が、蒸発器側バルブと吸入口側バルブからなり、作動停止に際して、停止の所定時間前のタイミングで前記蒸発器側バルブを閉止した後、停止直前のタイミングで前記吸入口側バルブを閉止し、起動に際して、起動の所定時間前のタイミングで前記吸入口側バルブを開放した後、前記蒸発器側バルブを開放することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2に記載された圧縮機であって、前記低圧維持手段が、蒸発器側バルブと吸入口側バルブのいずれか一方からなり、作動停止に際して、停止の所定時間前のタイミングで前記いずれか一方のバルブを閉止し、起動に際して、起動の所定時間前のタイミングで前記いずれか一方のバルブを開放することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載された圧縮機であって、前記バルブが、開放時は前記流路を連通し、閉止時は前記流路を遮断する弁体と、前記弁体を前記連通状態と遮断状態とに操作する駆動手段とからなることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載された圧縮機であって、前記ロータを、クラッチを介さずに、回転駆動する電動モータを有することを特徴とする。
請求項1の圧縮機は、作動停止と起動とを含む所定の(チャタリングが生じる恐れがある)時間中に、蒸発器と吸入口との間に発生した低圧側の圧力を低圧維持手段によって維持すると共に、この低圧維持手段を所要のタイミングで開閉操作する。
下記のように、作動停止に先立って低圧維持手段を閉止すると、吐出口側から高温高圧の冷媒が内部を通って圧縮室とベーン背圧室を均圧にし、圧縮室とベーン背圧室とが均圧になると各ベーンは自重によってロータのベーン溝の底部に戻る。
その後、再起動に先立ち、低圧維持手段に維持されている低圧の冷媒を利用して圧縮室の圧力をベーン背圧室より低くすれば、各ベーンがベーン溝から飛び出して圧縮室壁部に接触する。従って、起動させた時には各ベーンがすでに圧縮室の壁部と接触しているからチャタリングが防止されると共に、圧縮行程へ瞬時に移行することができる。
なお、蒸発器を含む低圧低温流路と膨張弁から吐出ポートにかけての高圧高温流路との圧力差は、圧縮機を停止した後も数分間維持されることが実験によって確認されている。
請求項2の圧縮機は、低圧維持手段が蒸発器側バルブと吸入口側バルブの両方またはいずれか一方から構成されており、請求項1の構成と同等の効果が得られる。
請求項3の圧縮機は、請求項2の構成と同等の効果が得られる。
また、低圧維持手段が蒸発器側バルブと吸入口側バルブからなるこの構成では、作動停止に際して、停止の所定時間前(例えば、1.5秒前)のタイミングで蒸発器側バルブを閉止し、次いで、停止直前(停止操作中)のタイミングで吸入口側バルブを閉止すると、両バルブの間に通常の低圧より遙かに低い圧力(極低圧)が得られ、維持(保持)されると共に、吐出口側からの高温高圧冷媒により圧縮室とベーン背圧室とが均圧になって各ベーンがベーン溝の底部に戻る。
さらに、再起動に際して、直前(例えば、0.5秒前)に吸入口側のバルブを開放すると、維持されている極低圧により各ベーンがベーン溝から突き出して圧縮室の壁部に接触するから、この状態で起動させれば、チャタリングが防止されると共に、蒸発器側のバルブを開放して圧縮行程へ瞬時に移行することができる。
また、この構成では、蒸発器側バルブと吸入口側バルブを用いたことによって極低圧を保持することが可能になり、それだけ効果的なチャタリング防止機能が得られる。
また、作動停止に先立って蒸発器側と吸入口側の両バルブを閉止するので、吐出口側からの高圧高温冷媒が圧縮室を介して吸入口側へ逆流し、効率を低下させることが防止される。
請求項4の圧縮機は、請求項2の構成と同等の効果が得られる。
また、作動停止に際して、停止の所定時間前(例えば、0.5秒前)のタイミングでいずれか一方のバルブを閉止し、その後、作動を停止すると、蒸発器とバルブとの間に低圧低温冷媒による低圧が得られ、維持(保持)されると共に、吐出口からの高温高圧冷媒により圧縮室とベーン背圧室とが均圧になって各ベーンがベーン溝の底部に戻る。
さらに、再起動に際して、起動の所定時間前(例えば、0.5秒前)のタイミングで、閉止されているバルブを開放すると、蒸発器側に保持されている低圧低温の冷媒によって圧縮室の圧力がベーン背圧室より低くなり、各ベーンがベーン溝から突き出して圧縮室の壁部に接触するから、この状態で起動させれば、チャタリングが防止されると共に、圧縮行程へ瞬時に移行することができる。
また、作動停止に先立ってバルブを閉止するから、高圧高温冷媒の逆流と効率低下が防止される。
請求項5の圧縮機は、請求項2〜請求項4の構成と同等の効果が得られる。
また、バルブが、例えば、ロータリーバルブのように、駆動手段によって弁体を連通状態と遮断状態とに操作するように構成されているから、バネ力で閉止される逆止弁を用いた圧縮機と異なって、バネ力(流路抵抗)による吸入圧ロスと効率の低下から解放される。
請求項6の圧縮機は、請求項1〜請求項5の構成と同等の効果が得られる。
また、電動モータでロータを直接駆動するようにしたこの構成では、クラッチによるマスキング音は発生しなくても、上記のようにチャタリング音が殆ど発生しない本発明の圧縮機の場合、クラッチによるマスキング音は不要であると共に、起動時のチャタリング音とクラッチの作動音から解放されたことによって車両の静粛性と快適性が大幅に向上する。
圧縮機1の斜視図である。 ロータリーバルブ収容部31の斜視図及びロータリーバルブ23とバルブ開閉機構27の分解斜視図である。 ロータリーバルブ23とバルブ開閉機構27の分解斜視図である。 ロータリーバルブ23を冷媒の通過方向に沿って切断した断面図である。 圧縮機1が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 圧縮機1が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 圧縮機1が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 圧縮機1が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 ロータリーバルブ21,23の開閉状態と圧縮機1の停止と再起動に伴う各部の圧力差とベーン13の位置との関連性を示す状態図とグラフである。 圧縮機101が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 圧縮機101が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 圧縮機101が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 ロータリーバルブ103の開閉状態と圧縮機101の停止と再起動に伴う各部の圧力差とベーン13の位置との関連性を示す状態図とグラフである。 従来例が用いられた冷却システムを示すブロック図である。 従来例が用いられた冷却システムを示すブロック図である。
<第1実施形態>
図1〜図9を参照しながら圧縮機1の説明をする。図1は圧縮機1の斜視図、図2はロータリーバルブ収容部31の斜視図及びロータリーバルブ23とバルブ開閉機構27の分解斜視図、図3はロータリーバルブ23とバルブ開閉機構27の分解斜視図、図4はロータリーバルブ23を冷媒の通過方向に沿って切断した断面図、図5と図6と図7と図8は圧縮機1が用いられた冷却システムを示すブロック図、図9はロータリーバルブ21,23の開閉状態と圧縮機1の停止と再起動に伴う各部の圧力差とベーン13の位置との関連性を示す状態図とグラフである。
圧縮機1は、圧縮室3が設けられたシリンダブロック5(ケーシング)と、圧縮室3の内部に回転自在に配置されたロータ7と、ロータ7に設けられ、底部にベーン背圧室9を有する複数のベーン溝11と、各ベーン溝11に配置され、ベーン背圧室9側と圧縮室3の内壁側との間を移動自在なベーン13とを有し、ベーン背圧室9の圧力によってベーン13を前記内壁側に付勢するように構成され、蒸発器15から吸入口17を介し圧縮室3に吸入した冷媒を圧縮して吐出するシステムに用いられる圧縮機1であって、作動停止と起動とを含む所定の時間中、蒸発器15と吸入口17との間に発生した低圧側の圧力を維持し、所要のタイミングで開閉操作される低圧維持手段を有する。
前記低圧維持手段は、蒸発器15と吸入口17とを連結する冷媒流路19上において、蒸発器15に近接配置されたロータリーバルブ21(蒸発器側バルブ)と、吸入口17に近接配置されたロータリーバルブ23(吸入口側バルブ)からなり、圧縮機1の作動停止に際しては、停止の所定時間前(例えば、1.5秒前)のタイミングでロータリーバルブ21を閉止し、次いで、停止直前(停止操作中)のタイミングでロータリーバルブ23を閉止し、起動に際しては、起動の所定時間前(例えば、0.5秒前)のタイミングでロータリーバルブ23を開放し、次いで、ロータリーバルブ21を開放して運転状態に移行する。
また、各ロータリーバルブ21,23は、開放時に冷媒流路を連通し、閉止時に遮断する弁体25と、弁体25を連通状態と遮断状態とに操作するバルブ開閉機構27(駆動手段)とから構成されている。
また、圧縮機1は、ロータ7を回転駆動する電動モータ29を内蔵してユニット化されている。
シリンダブロック5の軸方向両側にはフロントブロックとリアブロックが配置されており、圧縮室3はシリンダブロック5とフロントブロックとリアブロックとロータ7の間に形成され、フロントブロックはロータリーバルブ収容部31(図2)に固定されている。電動モータ29は出力軸を介してロータ7に連結されており、ON信号を受けて起動し、0FF信号を受けて作動を停止する。
図5〜図8のように、圧縮機1は、蒸発器15から吸入口17を介して吸入した冷媒(気体)を圧縮し、吐出口33から凝縮器35に吐出するように構成されており、凝縮器35で冷却された冷媒は膨張弁37で減圧されて蒸発器15に流入する。
ロータリーバルブ21,23は、冷媒流路39が設けられた弁体25と、円筒部41で弁体25を回転自在に支持すると共に、冷媒流路39と連通する冷媒流路43が設けられた流路部材45からなり、ロータリーバルブ23の場合、流路部材45はバルブ収容部31に設けられている。
バルブ開閉機構27は、可逆回転可能な電動モータ47とウォームギア機構49と、バルブ収容部31に取り付けられてバルブ開閉機構27を保護するカバー51からなり、ウォームギア機構49はウォーム53とヘリカルギアのウォームホイール55からなり、ウォーム53は電動モータ47に連結され、ウォームホイール55は弁体25に連結されている。電動モータ47はモータ駆動回路部に設けられたロック電流検出機構を介して回転方向と通電時間とを制御され、ウォーム53とウォームホイール55とを介し弁体25を両方向に回転させることによってロータリーバルブ21,23を開放し、また、閉止させる。弁体25には回転角度規制ロッドが設けられ、バルブ収容部31にはこの回転角度規制ロッドと係合し弁体25の回転角度を規制する回転角度規制溝が設けられている。
図5のように、圧縮機1の運転中はロータリーバルブ21,23の両方が開放されており、蒸発器15と冷媒流路19と吸入口17に低圧低温の冷媒が流れ、吐出口33と凝縮器35と膨張弁37に高圧高温の冷媒が流れる。
次に、図6のように、圧縮機1の運転を停止するOFF信号を出す直前(例えば、1.5秒前)に蒸発器15側のロータリーバルブ21を閉止すると、ロータ7の回転に伴う圧縮機1のポンプ作用によってロータリーバルブ21から冷媒流路19とロータリーバルブ23と圧縮室3までの間には、真空に近い低圧(極低圧)が生じて保持されると共に、バルブ21を閉止することによって高圧高温冷媒の逆流が防止される。
次に、図7のように、圧縮機1の運転を停止させる直前に吸入口17側のロータリーバルブ23を閉止すると、上記の真空に近い低圧がロータリーバルブ21とロータリーバルブ23の間で保持される。
図5〜図7の状態では、吐出口33側からベーン背圧室9に供給される高圧高温冷媒によって各ベーン13は圧縮室3の壁部に接触している。
次いで、図8のように、OFF信号によって圧縮機1の運転を停止させると、高圧高温の冷媒によって圧縮室3とベーン背圧室9とが均圧になり、各ベーン13は自重によりベーン溝11の底部側に戻る。
次に、再起動に際して、直前(例えば、0.5秒前)に吸入口17側のロータリーバルブ23を開放すると、バルブ21,23の間に保持されている極低圧によって圧縮室3の圧力が低下し、各ベーン13がベーン溝11から突き出して圧縮室3の壁部に接触する。圧縮機1をこの状態から起動させれば、チャタリングが防止されると共に、蒸発器15側のロータリーバルブ21を開放すれば、圧縮行程へ瞬時に移行することができる。
以下、図9の状態図とグラフにより、ロータリーバルブ21,23の状態と圧縮機1の停止と再起動に伴う各部の圧力差とベーン13の位置との関連性を説明する。
図5のように、ロータリーバルブ21,23が開放され、圧縮機1が駆動されている間は、蒸発器15側からの低圧低温の冷媒によって圧縮室3がベーン背圧室9より低圧になり、ベーン13がベーン溝11から突き出して(飛び出して)圧縮室3の壁部に接触する。
また、図6のように、圧縮機1の停止に先立って、ロータリーバルブ21を閉止すると、冷媒流路19(ロータリーバルブ21の下流)で圧力が低下して圧縮室3との圧力差が上昇し、次いで、図7のように、ロータリーバルブ23を閉止すると、バルブ21,23の間でこの圧力差(極低圧)が保持され、図8のように、圧縮機1を停止すると、圧縮室3とベーン背圧室9とが均圧(圧力差ゼロ)になってベーン13がベーン溝11の底部側に引っ込む。
また、圧縮機1の再起動に先立って、矢印61のように、ロータリーバルブ23を開放すると、バルブ21,23の間に保持されている極低圧によりベーン13がベーン溝11から突き出してチャタリングが防止される状態になると共に、上記の極低圧が消費され、矢印63のように、冷媒流路19(バルブ21,23の間)と圧縮室3との圧力差が一時的に低下すると共に、矢印65のように、圧縮室3とベーン背圧室9の圧力差が徐々に大きくなり、矢印67のように、圧縮機1を起動させ、ロータリーバルブ21を開放すると、圧縮室3とベーン背圧室9の圧力差及び冷媒流路19と圧縮室3との圧力差が運転状態の値に戻る。
次に、圧縮機1の効果を説明する。
圧縮機1は、作動停止に際して、蒸発器15側のロータリーバルブ21と吸入口側のロータリーバルブ23をこの順に閉止して各バルブ21、23の間に極低圧を保持すると共に、再起動に際しては、各バルブ21,23の間に保持されている極低圧によりベーン13を圧縮室3の壁部に接触させることによってチャタリングを防止すると共に、圧縮行程へ瞬時に移行できる。
また、蒸発器15側のバルブ21と吸入口17側のバルブ23を用いたことによって極低圧を保持することが可能になり、それだけ効果的なチャタリング防止機能が得られる。
また、運転停止に先立って各バルブ21,23を閉止するから、高圧高温冷媒の逆流と効率低下が防止される。
また、バルブ開閉機構27によって弁体25を駆動するロータリーバルブ21,23を用いる圧縮機1は、バネ力で閉止される逆止弁を用いた場合と異なって、バネ力(流路抵抗)による吸入圧ロスと効率の低下から解放される。
また、電動モータ29でロータ7を直接駆動するように構成したので、クラッチによるマスキング音は発生しなくても、上記のようにチャタリング音が殆ど発生しない圧縮機1の場合、クラッチによるマスキング音は不要であり、さらに、起動時のチャタリング音及びクラッチの作動音から解放されたことにより、車両の静粛性と快適性が大幅に向上している。
<第2実施形態>
図10〜図13を参照しながら圧縮機101の説明をする。図10〜図12は圧縮機101が用いられた冷却システムを示すブロック図、図13はロータリーバルブ103の開閉状態と圧縮機101の停止と再起動に伴う各部の圧力差とベーン13の位置との関連性を示す状態図とグラフである。
圧縮機101は、圧縮室3が設けられたシリンダブロック5(ケーシング)と、圧縮室3の内部に回転自在に配置されたロータ7と、ロータ7に設けられ、底部にベーン背圧室9を有する複数のベーン溝11と、各ベーン溝11に配置され、ベーン背圧室9側と圧縮室3の内壁側との間を移動自在なベーン13とを有し、ベーン背圧室9の圧力によってベーン13を前記内壁側に付勢するように構成され、蒸発器15から吸入口17を介し圧縮室3に吸入した冷媒を圧縮して吐出するシステムに用いられる圧縮機101であって、作動停止と起動とを含む所定の時間中、蒸発器15と吸入口17との間に発生した低圧側の圧力を維持し、所要のタイミングで開閉操作される低圧維持手段を有する。
前記低圧維持手段は、吸入口17側に配置されたロータリーバルブ103(蒸発器側バルブと吸入口側バルブのいずれか一方)からなり、作動停止に際して、停止の所定時間前(例えば、0.5秒前)のタイミングでロータリーバルブ103を閉止し、起動に際して、起動の所定時間前(例えば、0.5秒前)のタイミングでロータリーバルブ103を開放し、運転状態に移行する。
また、ロータリーバルブ103は、開放時に冷媒流路を連通し、閉止時に遮断する弁体25と、弁体25を連通状態と遮断状態とに操作するバルブ開閉機構27(駆動手段)とから構成されている。
また、圧縮機101は、ロータ7を回転駆動する電動モータ29を内蔵してユニット化されている。
図10のように、圧縮機101の運転中はロータリーバルブ103が開放されており、蒸発器15と冷媒流路19と吸入口17に低圧低温の冷媒が流れ、吐出口33と凝縮器35と膨張弁37に高圧高温の冷媒が流れる。
次に、図11のように、圧縮機101の運転を停止するOFF信号を出す直前(例えば、0.5秒前)にロータリーバルブ103を閉止すると、吐出口33側からの高圧高温冷媒が圧縮室3を介して吸入口17側へ逆流することが防止されると共に、ロータリーバルブ103から蒸発器15の間に低圧低温冷媒による低圧が保持される。
図10と図11の状態では、吐出口33側からベーン背圧室9に供給される高圧高温冷媒によって各ベーン13は圧縮室3の壁部に接触している。
次いで、図12のように、圧縮機101の運転を停止させると、高圧高温の冷媒によって圧縮室3とベーン背圧室9とが均圧になり、各ベーン13は自重によってベーン溝11の底部側に戻る。
次に、再起動に際して、直前(例えば、0.5秒前)にロータリーバルブ103を開放すると、ロータリーバルブ103から蒸発器15の間に保持されている低圧によって圧縮室3が低圧になり、各ベーン13がベーン溝11から突き出して圧縮室3の壁部に接触する。圧縮機101をこの状態から起動させれば、チャタリングが防止されると共に、圧縮行程へ瞬時に移行することができる。
以下、図13の状態図とグラフにより、ロータリーバルブ103の状態と圧縮機101の停止と再起動に伴う各部の圧力差とベーン13の位置との関連性を説明する。
図10のように、ロータリーバルブ103が開放されて圧縮機101が駆動されている間は、蒸発器15側からの低圧低温の冷媒によって圧縮室3がベーン背圧室9より低圧になり、ベーン13がベーン溝11から突き出して(飛び出して)圧縮室3の壁部に接触する。
また、図11のように、圧縮機101の停止に先立ってロータリーバルブ103を閉止すると、蒸発器15とロータリーバルブ103との間(冷媒流路19)で低圧が保持され、次いで、図12のように、圧縮機101を停止すると、圧縮室3とベーン背圧室9とが均圧(圧力差ゼロ)になってベーン13がベーン溝11の底部側に引っ込む。
また、圧縮機101の再起動に先立って、矢印69のように、ロータリーバルブ23を開放すると、冷媒流路19に保持されている上記の低圧によりベーン13がベーン溝11から飛び出すと共に、矢印71のように、圧縮室3とベーン背圧室9の圧力差が徐々に大きくなり、チャタリングを伴わずに圧縮機101を起動させることができる。
次に、圧縮機101の効果を説明する。
圧縮機101は、作動停止に際し、ロータリーバルブ103を閉止して、再起動に際しては、蒸発器15とバルブ103の間に保持された低圧によってベーン13を圧縮室3の壁部に接触させることにより、チャタリングを防止し、圧縮行程へ瞬時に移行することができる。
また、運転停止に先立ってバルブ103を閉止するから、高圧高温冷媒の逆流と効率低下が防止される。
また、バルブ開閉機構27によって弁体25を駆動するロータリーバルブ103を用いる圧縮機101は、バネ力で閉止される逆止弁を用いた場合と異なって、バネ力(流路抵抗)による吸入圧ロスと効率の低下から解放される。
また、電動モータ29でロータ7を直接駆動するように構成したので、クラッチによるマスキング音は発生しなくても、上記のようにチャタリング音が殆ど発生しない圧縮機101の場合、クラッチによるマスキング音は不要であり、さらに、起動時のチャタリング音及びクラッチの作動音から解放されたことにより、車両の静粛性と快適性が大幅に向上している。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、本発明は上述した実施形態だけに限定解釈されるものではなく、本発明の技術的な範囲内で様々な変更が可能である。
例えば、低圧維持手段を構成するバルブは、駆動手段により弁体を連通状態と遮断状態とに操作するバルブであれば、ロータリーバルブに限らない。
1 圧縮機
3 圧縮室
5 シリンダブロック(ケーシング)
7 ロータ
9 ベーン背圧室
11 ベーン溝
13 ベーン
15 蒸発器
17 吸入口
19 冷媒流路
21 ロータリーバルブ(蒸発器側バルブ:低圧維持手段)
23 ロータリーバルブ(吸入口側バルブ:低圧維持手段)
25 弁体
27 バルブ開閉機構(駆動手段)
29 電動モータ
101 圧縮機
103 ロータリーバルブ(蒸発器側バルブと吸入口側バルブのいずれか一方: 低圧維持手段)

Claims (6)

  1. 圧縮室(3)が設けられたケーシング(5)と、前記圧縮室(3)の内部に回転自在に配置されたロータ(7)と、前記ロータ(7)に設けられ、底部にベーン背圧室(9)を有する複数のベーン溝(11)と、前記各ベーン溝(11)に配置され、前記ベーン背圧室(9)側と前記圧縮室(3)の内壁側との間を移動自在なベーン(13)とを有し、前記ベーン背圧室(9)の圧力によって前記ベーン(13)を前記内壁側に付勢するように構成され、
    蒸発器(15)から吸入口(17)を介し前記圧縮室(3)に吸入した冷媒を圧縮して吐出するシステムに用いられる圧縮機(1,101)であって、
    作動停止と起動とを含む所定の時間中、前記蒸発器(15)と吸入口(17)との間に発生した低圧側の圧力を維持し、所要のタイミングで開閉操作される低圧維持手段を有することを特徴とする圧縮機(1,101)。
  2. 請求項1に記載された圧縮機(1,101)であって、
    前記低圧維持手段が、前記蒸発器(15)と前記吸入口(17)とを連結する冷媒流路(19)上において、蒸発器(15)に近接配置された蒸発器側バルブ(21)と、吸入口(17)に近接配置された吸入口側バルブ(23,103)の、両方(21,23)またはいずれか一方(103)からなることを特徴とする圧縮機(1,101)。
  3. 請求項2に記載された圧縮機(1)であって、
    前記低圧維持手段が、蒸発器側バルブ(21)と吸入口側バルブ(23)からなり、
    作動停止に際して、停止の所定時間前のタイミングで前記蒸発器側バルブ(21)を閉止した後、停止直前のタイミングで前記吸入口側バルブ(23)を閉止し、
    起動に際して、起動の所定時間前のタイミングで前記吸入口側バルブ(23)を開放した後、前記蒸発器側バルブ(21)を開放することを特徴とする圧縮機(1)。
  4. 請求項2に記載された圧縮機(101)であって、
    前記低圧維持手段が、蒸発器側バルブと吸入口側バルブのいずれか一方(103)からなり、
    作動停止に際して、停止の所定時間前のタイミングで前記いずれか一方のバルブ(103)を閉止し、
    起動に際して、起動の所定時間前のタイミングで前記いずれか一方のバルブ(103)を開放することを特徴とする圧縮機(101)。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれかに記載された圧縮機(1,101)であって、
    前記バルブが、開放時は前記流路を連通し、閉止時は前記流路を遮断する弁体(25)と、前記弁体(25)を前記連通状態と遮断状態とに操作する駆動手段(27)とからなることを特徴とする圧縮機(1,101)。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載された発明であって、
    前記ロータ(7)を、クラッチを介さずに、回転駆動する電動モータ(29)を有することを特徴とする圧縮機(1,101)。
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