JP5295421B1 - 光学素子用無機材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛と硫黄とからなる化合物を主体とする光学素子用無機材料において、亜鉛に対する硫黄の元素比率(S/Zn)が0.80以上0.95以下である。化合物としてZnS1−x(0<x≦0.2)で表される立方晶系多結晶体を含み、該立方晶系多結晶体の平均結晶粒径が0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。さらに、化合物として立方晶系多結晶体の結晶間に介在する非晶質体をさらに含むことが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明の第1の実施の形態に係る光学素子用無機材料は、亜鉛と硫黄とからなる化合物を主体とする。ここで、「亜鉛と硫黄とからなる化合物」とは、ZnSy(yは任意の正の数)で表される化合物をいい、ZnSで表されるいわゆる硫化亜鉛に限定されるものではない。また、「この化合物を主体とする」とは、この化合物が、光学素子用無機材料全体に対して最も大きい質量を占めることをいい、具体的には、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。
本発明の第2の実施の形態に係る光学素子用部品は、第1の実施の形態に係る光学素子用無機材料と、該光学素子用無機材料の表面に積層された反射防止膜とを備える。
本発明の第3の実施の形態に係る光学素子用無機材料の製造方法は、硫化亜鉛立方晶系結晶粒子粉末をホットプレス用耐熱モールドに充填し、0.1Pa以下の雰囲気圧(P1)下で加熱脱気する第一工程、前記雰囲気圧(P1)を保ちつつ、ホットプレスにより前記ホットプレス用耐熱モールド内の充填物を850℃以上1100℃以下の温度範囲(t2)まで昇温させながら20MPa以上70MPa以下の圧力範囲まで加圧する第二工程、及び前記温度範囲(t2)及び圧力範囲を保ちつつ、不活性ガス及び非酸化性ガスのいずれか一方又は双方により0.1MPa以上の雰囲気圧(P2)とし、該雰囲気圧下で熱間圧縮成形をする第三工程を有する。
本工程においては、先ず硫化亜鉛立方晶系結晶粒子粉末をホットプレス用耐熱モールドに充填し、0.1Pa以下の雰囲気圧(P1)下で結晶粒子粉末を加熱脱気する。
本工程においては、前記雰囲気圧(P1:0.1Pa以下)を保ちつつ、ホットプレスにより前記ホットプレス用耐熱モールド内の充填物を昇温加圧する。この際の加圧は、一軸加圧であってもよく、ガス等を用いた等方加圧(HIP)であってもよい。
本工程においては、第二工程で昇温及び加圧した後の前記温度範囲(t2)及び圧力範囲を保ちつつ、不活性ガス及び非酸化性ガスのいずれか一方又は双方により雰囲気圧を0.1MPa以上の雰囲気圧(P2)とし、この雰囲気圧(P2)下で熱間圧縮成形をする。この熱間圧縮成形は、不活性ガス及び非酸化性ガスのいずれか一方又は双方による雰囲気圧(P2)の調整により、硫化亜鉛立方晶系結晶粒子粉末からの硫黄元素の逃散を制御しながら行うことが好ましい。このようにすることで原料粉末からの硫黄元素の逃散が抑えられ、赤外線透過性の高い光学素子用無機材料を得ることができる。なお、この逃散は、例えばSOx(xは通常0.5〜3.0)、H2S等の化合物の放出といった形態で生じる。
第三工程の熱間圧縮成形により得られる成形物は、通常、室温まで冷却後、ホットプレス用耐熱モールドから取り出し、研削、研磨等の加工がなされる。このようにして、第一の実施の形態に係る光学素子用無機材料を得ることができる。
純度99.5%、平均粒子径4.2μmの硫化亜鉛立方晶系結晶粒子粉末200gを内径100mmのホットプレス用黒鉛耐熱モールドに充填し、雰囲気圧が0.1Pa以下になるまで減圧した。次いで、モールドを10℃/分の速度で800℃まで昇温して2時間保持した(第一工程)。次に、前記雰囲気圧を保ちつつ、ホットプレスを5℃/分の速度で1000℃まで昇温しながら、3.25MPa/分の速度で65MPaまで加圧した(第二工程)。この後、1000℃、65MPaの加熱加圧状態を保ちつつ、Arガスを雰囲気圧が0.5MPa(ゲージ圧)になるまで送入した。前記ホットプレスの加熱加圧状態(1000℃、65MPa)及び雰囲気圧(0.5MPa)を24時間維持することで熱間圧縮成形を行った(第三工程)。この後、得られた成形物を冷却した後モールドから取り出し、表面研削及び研磨加工し、直径100mm、厚さ6mmの光学素子用無機材料を得た(第四工程)。
得られた光学素子用無機材料から直径30mm、厚さ2mm及び4mmの2種類の光学特性評価試料を切り出し、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−6300)により、2.5μm〜14μmの波長領域の光透過率を測定した。厚さ2mmの試料の測定結果を図1に、厚さ4mmの試料の計測結果を図2に示す。
第一工程における保持時間を1時間とし、第三工程における保持時間(熱間圧縮成形時間)を15時間にしたこと以外は実施例1と同様の製造方法により光学素子用無機材料を得た。
光透過率は、2.5〜3μm波長領域で1〜2%、4〜6μm波長領域で13〜41%、7〜12μm波長領域で45〜62%、13〜14μm波長領域で24〜43%と、十分な透光性を有することが確認できた。
第一工程における保持時間を1時間とし、第二工程における加熱温度及び第三工程における保持温度を950℃、第三工程における保持時間(熱間圧縮成形時間)を6時間、Arガスによる雰囲気圧を0.3MPa(ゲージ圧)にしたこと以外は実施例1と同様の製造方法により光学素子用無機材料を得た。
光透過率は、2.5〜3μm波長領域で0%、4〜6μm波長領域で0〜6%、7〜12μm波長領域で0〜21%、13〜14μm波長領域で10〜18%と、透光性を有することが確認できた。
第一工程における保持時間を1時間とし、第三工程における保持時間(熱間圧縮成形時間)を6時間にしたこと以外は実施例1と同様の製造方法により光学素子用無機材料を得た。
光透過率は、2.5〜3μm波長領域で1〜3%、4〜6μm波長領域で15〜42%、7〜12μm波長領域で43〜62%、13〜14μm波長領域で23〜44%と、透光性を有することが確認できた。
第一工程における保持時間を1時間とし、第二工程における加熱温度及び第三工程における保持温度を1050℃、第三工程における保持時間(熱間圧縮成形時間)を6時間、Arガスによる雰囲気圧を0.3MPa(ゲージ圧)にしたこと以外は実施例1と同様の製造方法により光学素子用無機材料を得た。
光透過率は、2.5〜3μm波長領域で0%、4〜6μm波長領域で0〜2%、7〜12μm波長領域で0〜22%、13〜14μm波長領域で14〜23%と、透光性を有することが確認できた。
第一工程における昇温を500℃まで、保持時間を1時間とし、第二工程における加熱温度及び第三工程における保持温度を800℃、第三工程における保持時間(熱間圧縮成形時間)を6時間、Arガスによる雰囲気圧を0.3MPa(ゲージ圧)としたこと以外は実施例1と同様の製造方法により光学素子用無機材料を得た。実施例1と同様にして光学特性評価試料を作製し、7〜12μm波長領域の最大光透過率を測定したところ1%であった。
Claims (7)
- 亜鉛と硫黄とからなる化合物を主体とする光学素子用無機材料において、
亜鉛に対する硫黄の元素比率(S/Zn)が0.80以上0.95以下であり、
前記化合物として、ZnS 1−x (0<x≦0.2)で表される立方晶系多結晶体を含み、
前記立方晶系多結晶体の平均結晶粒径が0.5μm以上20μm以下であり、
厚さ2mmでの最大光透過率が、2.5〜3μm波長領域で34%以上45%以下、4〜6μm波長領域で57%以上70%以下、7〜12μm波長領域で62%以上75%以下、13〜14μm波長領域で43%以上60%以下であることを特徴とする光学素子用無機材料。 - 請求項1記載の光学素子用無機材料において、
前記化合物として前記立方晶系多結晶体の結晶間に介在する非晶質体をさらに含むことを特徴とする光学素子用無機材料。 - 請求項1又は2記載の光学素子用無機材料において、
気孔を含有し、該気孔の平均径が0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする光学素子用無機材料。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子用無機材料において、
3点曲げ強度が80MPa以上180MPa以下であることを特徴とする光学素子用無機材料。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子用無機材料において、
不活性ガス及び非酸化性ガスのいずれか一方又は双方によって0.1MPa以上とした雰囲気圧下での、硫化亜鉛立方晶系結晶粒子粉末の熱間圧縮成形により形成されていることを特徴とする光学素子用無機材料。 - 請求項5記載の光学素子用無機材料において、
前記硫化亜鉛立方晶系結晶粒子粉末が、0.1Pa以下の雰囲気圧及び400℃以上850℃未満の温度範囲を1.5時間以上4時間以下保つことにより行われた加熱脱気を経たものであることを特徴とする光学素子用無機材料。 - 請求項5又は6記載の光学素子用無機材料において、
前記熱間圧縮成形が18時間以上30時間以下行われていることを特徴とする光学素子用無機材料。
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