本発明は、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に関し、特にマニュアルフォーカス用のガイド画像を表示する機能を有する撮像装置に関する。
撮像装置のオートフォーカスにおける焦点検出方法として、特許文献1にて開示されたものがある。この焦点検出方法では、撮像素子における画像生成用画素群内に焦点検出用画素群が離散的に配置され、焦点検出用画素群の前面に配置されたマイクロレンズによって撮像光学系からの光束を分割(瞳分割)して一対の被写体像を焦点検出用画素群上に形成する。そして、該一対の被写体像の位相差を検出することで撮像光学系のデフォーカス量を求める。
一方、使用者がマニュアルフォーカスを行う場合に、マニュアルフォーカス操作をサポートするためのガイド画像(フォーカスガイド画像)を表示する撮像装置が特許文献2,3にて開示されている。
特許文献2にて開示された撮像装置では、フィルムカメラの光学ファインダに採用される場合が多かったスプリットイメージに相当するフォーカスガイド画像を電子的に生成して電子ファインダ上に表示する。また、特許文献3にて開示された撮像装置では、非合焦状態において、撮像素子を用いて得られた単一の画像から撮像光学系のデフォーカス量に対じた二重画像を生成し、これをフォーカスガイド画像として電子ファインダ上に表示する。
特開2000−156823号公報
特開2001−309210号公報
特開2005−080093号公報
しかしながら、特許文献2にて開示された撮像装置では、フォーカスガイド画像として、通常の表示画像の一部に被写体の上下が左右方向にずれた様子を示すスプリットイメージ相当の画像を表示する。この場合、使用者がある程度スプリットイメージを使い慣れていないと、これをガイドとして素早くかつ正確にマニュアルフォーカスを行うことが難しい。
また、特許文献3にて開示された撮像装置では、ピント合わせの対象である被写体に対してピントが合っていないと、ピントが合っている他の被写体まで二重像化されて表示されてしまう。このため、マニュアルフォーカス操作を至近方向と無限遠方向のどちらに行えばピントを合わせたい被写体にピントが合うかを即座に判断しにくい。
本発明は、視覚的に理解し易いフォーカスガイド画像を表示できるようにした撮像装置及びその画像表示方法を提供する。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像光学系からの光束のうち、瞳分割手段によって分割された光束により形成された第1の被写体像及び第2の被写体像をそれぞれ光電変換して第1の画像及び第2の画像を生成する画像取得手段と、画像を表示する表示手段と、主被写体が顔の場合に第1及び第2の画像を重畳させた重畳画像を表示手段に表示させ、主被写体が顔でない場合に第1及び第2の画像を用いて生成されたスプリットイメージを表示手段に表示させる処理手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての撮像装置の画像表示方法は、撮像光学系からの光束のうち、瞳分割手段によって分割された光束により形成された第1の被写体像及び第2の被写体像をそれぞれ光電変換して第1の画像及び第2の画像を生成するステップと、主被写体が顔の場合に第1及び第2の画像を重畳させた重畳画像を表示手段に表示させ、主被写体が顔でない場合に第1及び第2の画像を用いて生成されたスプリットイメージを表示手段に表示させるステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、視覚的に理解し易いフォーカスガイド画像を表示できるようにした撮像装置を実現することができる。
また、本発明によれば、使用者により又は自動的にフォーカスガイド画像の切り換えが可能な撮像装置を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1であるデジタルカメラ(撮像装置)の構成を示している。なお、デジタルカメラには、デジタルスチルカメラやビデオカメラが含まれるが、ここではデジタルスチルカメラである場合について説明する。
図1において、100は撮像光学系であり、フォーカスレンズ100aを含む。撮像光学系100は、交換レンズとして不図示のカメラ本体に着脱可能に装着されてもよいし、カメラ本体に一体に備えられていてもよい。
101はCCDセンサやCMOSセンサ等により構成される撮像素子であり、撮像光学系100からの光束により形成された被写体像を光電変換する。
ここで、撮像素子101における画素配列について図2を用いて説明する。図2には、撮像素子101の撮像面における一部分の画素配列を示している。
撮像面(すなわち、単一の撮像素子)上には、R,G,Bのカラーフィルタが設けられた通常の画像生成用画素群(第3の画素群:以下、撮像画素という)203が配置されている。また、撮像画素群203の中には、A像用画素群(SA:第1の画素群)201とB像用画素群(SB:第2の画素群)202がそれぞれ離散的に配置されている。
図5Aには、A像用画素群201のうちの1つの画素の構造を示す。この図において、A像用画素の光入射側には、マイクロレンズ501が形成されている。502はマイクロレンズ501を形成するための平面を構成する平滑層である。
503は遮光層であり、A像用画素の光電変換領域504の中心Oに対して一方向に偏心した絞り開口部を有する。
また、図5Bには、B像用画素群202のうち1つの画素の構造を示す。B像用画素の光入射側には、マイクロレンズ601が形成されている。602はマイクロレンズ601を形成するための平面を構成する平滑層である。
603は遮光層であり、B像用画素の光電変換領域604の中心Oに対して、A像用画素に設けられた遮光層503とは反対方向に偏心した絞り開口部を有する。すなわち、A像用及びB像用画素の遮光層503,603は、各マイクロレンズの光軸を挟んだ対称な位置に絞り開口部を有する。遮光層503,603を設けることにより瞳分割手段が構成される。
このような構成によれば、撮像光学系をA像用画素から見た場合とB像用画素から見た場合とで、撮像光学系の瞳が対称に分割されたことと等価となる。言い換えれば、撮像光学系からの光束が2つの光束にいわゆる瞳分割され、それぞれの分割光束(第1の光束及び第2の光束)がA像用画素及びB像用画素に入射する。
図2において、A像用画素群201とB像用画素群202上には、撮像素子101の画素数が多くなるにつれてより近似した2像(A像とB像)が形成されるようになる。撮像光学系が被写体に対してピントが合っている状態では、A像用画素群201とB像用画素群202からそれぞれ得られる出力(像信号)は互いに一致する。
これに対し、撮像光学系のピントがずれていると、A像用画素群201とB像用画素群202からそれぞれ得られる像信号には位相差が生じる。そして、該位相差の方向は、前ピン状態と後ピン状態とで逆になる。
図5C及び図5Dには、ピント状態と位相差との関係を示す。これらの図においては、A像用画素群201とB像用画素群202を互いに近づけて、それぞれをA,Bの点として示している。また、撮像用画素203は省略している。
被写体上の特定点からの光束は、A像用画素Aに対応する分割瞳を通って該A像用画素Aに入射する光束ΦLaと、B像用画素Bに対応する分割瞳を通って該B像用画素Bに入射する光束ΦLbとに分割される。これら2つの光束は、被写体上の同一点から入射しているため、撮像光学系のピントが合った状態では、図5Cに示すように、同一のマイクロレンズを通過して撮像素子上の1点に到達する。したがって、A像用画素群A(201)とB像用画素群B(202)からそれぞれ得られる像信号は互いに一致する。
しかし、図5Dに示すように、xだけピントがずれている状態では、光束ΦLa,ΦLbのマイクロレンズへの入射角の変化分だけ両光束ΦLa,ΦLbの到達位置が互いにずれる。したがって、A像用画素群A(201)とB像用画素群B(202)からそれぞれ得られる像信号には位相差が生じる。
以上のことを利用して、本実施例のカメラは撮像素子101を用いた焦点検出を行うことができる。
また、本実施例では、A像及びB像用画素群201,202により位相差を持った2つの被写体像(A像及びB像)を光電変換することを利用して、A像用画素群201からの信号を用いてA像(第1の被写体像)に対応する第1の画像(A画像データ)を生成する。また、B像用画素群202からの信号を用いてB像(第2の被写体像)に対応する第2の画像(B画像データ)を生成する。さらに、撮像用画素群203上には、前述した遮光層503,603により分割されない光束によって被写体像(第3の被写体像)が形成される。撮像用画素群203からの信号を用いて通常の撮像画像(又は表示画像:第3の画像)を生成する。
図1において、102は撮像素子101から出力されたアナログ信号をデジタル信号(画素信号)に変換するA/D変換器である。
103は像分離回路である。図2に示した画素配列のパターンは、画素配列テーブルメモリ104に画素配列テーブルとして記憶されている。
像分離回路103は、画素配列テーブルに従って、A/D変換器102から出力される画素信号からA像用画素群201、B像用画素群202及び撮像画素群203のそれぞれからの画素信号を分離する。そして、像分離回路103は、A像用画素群201からの画素信号をA像保持回路112と画素補正回路105とに出力し、B像用画素群202からの画素信号をB像保持回路111と画素補正回路105に出力する。また、像分離回路103は、撮像画素群203からの画素信号を画素補正回路105に出力する。
画素補正回路105は、上記画素配列テーブルを参照して、各A像用画素と各B像用画素のそれぞれの周囲に配置された撮像画素からの画素信号を用いて各A像用画素と各B像用画素の画素値を補間する。本来、撮像用画素群203と同じパターンでA像用画素及びB像用画素にもR又はBのカラーフィルタが設けられているはずである。このため、画素補正回路105は、各A像用及びB像用画素の周辺に存在する、本来これらが有するはずのカラーフィルタと同じ色のカラーフィルタを有する撮像画素の画素値を用いて、各A像用及びB像用画素の画素値を補間する。
このようにして、画素補正回路105からは、撮像画素群203からの画素補間後の画素信号が出力される。
106は信号処理回路である。信号処理回路106は、画素補正回路105からの画素信号に各種処理を施し、撮像画素群203からの画素信号に基づいて、通常の撮像画像(記録用画像:第3の画像)を表す画像信号(以下、映像信号という)を生成する。以上の撮像素子101〜信号処理回路106により画像取得系(画像取得手段)が構成される。
次に、画像処理系(処理手段)について説明する。図1に示すA像保持回路112は、像分離回路103から入力されたA像用画素群201からの画素信号(A像画素信号)を、次にA像画素信号が入力される直前まで保持するとともに、保持していたA像画素信号を減算器118に出力する。また、B像保持回路111は、像分離回路103から入力されたB像用画素群202からの画素信号(B像画素信号)を、次にB像画素信号が入力される直前まで保持するとともに、保持していたB像画素信号を減算器118に出力する。このようにして、A像保持回路112及びB像保持回路111から出力されるA像画素信号及びB像画素信号はそれぞれ、A像及びB像の映像信号における1フィールド画像(又は1フレーム画像)を構成する。
図3において、301はA像映像信号、すなわちA画像データ(第1の画像)の例である。また、302はB像映像信号、すなわちB画像データ(第2の画像)の例である。撮像光学系100が非合焦状態にあり、撮像素子101上に形成されるA像とB像は互いに左右方向にずれている。したがって、A画像データとB画像データ内のA像とB像も撮像素子101上でのずれ量に対応した左右方向でのずれ量を有する。
減算器118は、A像保持回路112からのA像画素信号とB像保持回路111からのB像画素信号との差の絶対値に相当する差分信号を生成して、コンパレータ114に出力する。差分信号は、A像とB像間(第1及び第2の被写体像間)でのずれ量に相当する。また、このずれ量は位相差検出方式における位相差に相当する。
コンパレータ114は、閾値メモリ117に記憶されている所定値としての閾値と、減算器118からの差分信号の値とを比較する。コンパレータ114は、差分信号の値が閾値よりも大きい(又は以上である)場合は「1」を、そうでなければ「0」を出力する。そして、コンパレータ114からの出力が「1」か「0」か、すなわち差分信号の値が閾値より大きいか小さいかによって後述するスイッチ116が切り換わる。
110はグラフィックイメージを保持するGUI用VRAMであり、109はCPUである。CPU109は、画像処理系の各部の動作を制御する。
また、CPU109は、A像用画素群201からの画素信号とB像用画素群202からの画素信号を像信号として用いてこれらの位相差を検出し、該位相差から撮像光学系100のデフォーカス量を求める。そして、該デフォーカス量に基づいてフォーカスレンズ100aの駆動量を算出し、フォーカスレンズ100aがその駆動量だけ移動するように制御する。すなわち、CPU109は、位相差検出方式のフォーカス制御を行うフォーカス制御手段としても機能する。
113はVRAM110からグラフィックイメージを読み取ってOSD(オンスクリーンディスプレイ)映像信号を生成するOSD回路である。OSD映像信号は、使用者がカメラを操作するのに必要なグラフィカルインターフェース(GUI)情報を表示するための信号である。GUI情報には、メニューアイコンやメッセージ等の情報が含まれる。
115は後述するハイライト部の表示色(特定色)としてCPU109によって指定された色に応じたハイライト表示色信号を出力するハイライト表示色出力部である。
スイッチ116は、コンパレータ114からの出力に応じて、OSD回路113からのOSD映像信号とハイライト表示色出力部115からのハイライト表示色信号のうちスーパーインポーズ合成回路107に出力する信号を切り換える。コンパレータ114からの信号が「1」であった場合は、スイッチ116はハイライト表示色出力部115側に切り換わり、コンパレータ114からの信号が「0」であった場合は、スイッチ116はOSD回路113側に切り換わる。
スーパーインポーズ合成回路107は、信号処理回路106から出力される映像信号にスイッチ116からの出力(OSD映像信号又はハイライト表示色信号)を重畳させる。以上が画像処理系の構成と動作である。
108はLCD等により構成されたディスプレイデバイス(表示手段)である。ディスプレイデバイス108は、スーパーインポーズ合成回路107から出力された映像信号を表示する。
また、120はマニュアルフォーカス(MF)モードとオートフォーカス(AF)モードを使用者が選択するためのフォーカスモードスイッチである。CPU109は、AFモードが選択されている場合には、スーパーインポーズ合成回路107から通常の映像信号のみをディスプレイデバイス108に出力させる。これにより、通常の撮像画像(第3の画像)がディスプレイデバイス108に表示される。
一方、MFモードが選択されている場合には、CPU109は、スーパーインポーズ合成回路107に、A像の映像信号とB像の映像信号とをスーパーインポーズ合成させる。そして、スーパーインポーズ合成回路107は、スーパーインポーズ合成により生成したAB重畳映像信号をディスプレイデバイス108に出力させる。これにより、A画像データとB画像データとが重畳(合成)された重畳画像、言い換えれば二重画像がディスプレイデバイス108に表示される。
この重畳画像(二重画像)は、使用者によるマニュアルフォーカス操作のガイドとなるフォーカスガイド画像(フォーカスサポート画像又はフォーカスアシスト画像等とも称される)となる。なお、MFモードが選択されている場合において、不図示のフォーカスガイドスイッチが操作されることを条件に、フォーカスガイド画像を表示させるようにしてもよい。
図4の上図には、図3に示したA画像データとB画像データとを重畳してディスプレイデバイス108上に表示された重畳画像(二重画像)の例を示す。撮像光学系100のデフォーカス量に応じてA像とB像がずれて表示されている。この重畳画像だけでも、マニュアルフォーカス操作のガイドとなる情報を視覚的に理解し易い形態で使用者に提示することができる。
図4には示していないが、重畳画像上において撮像光学系100が合焦している被写体領域ではA像とB像が互いに一致して表示される。このため、非合焦状態の被写体領域に対して合焦させたい場合には、その被写体領域が合焦している被写体領域に対して近いか遠いかによってどちらの方向にマニュアルフォーカス操作をすればよいかを使用者は直感的に判断することができる。
さらに、本実施例では、重畳画像上において、A像とB像のずれ量に応じた強調表示を行う。具体的には、減算器118からの差分信号が閾値メモリ117に記憶されている閾値(所定値)よりも大きい場合(閾値以上の場合としてもよい)は、コンパレータ114からの出力によってスイッチ116がハイライト表示色出力部115側に切り換わる。これにより、ハイライト表示色出力部115からハイライト表示色信号がスーパーインポーズ合成回路107に入力される。スーパーインポーズ合成回路107は、図4の下図にハッチングして示した領域(ハイライト部)403をハイライト表示色(特定色)で強調表示するように、AB重畳映像信号にハイライト表示色信号を合成する。
ここで、ハイライト部403は、A像とB像のずれ量が上記閾値に対応するずれ量よりも大きい被写体領域であって、例えばA像の輪郭とB像の輪郭とによって囲まれたずれ領域である。
このようにして、本実施例では、重畳画像上におけるA像とB像間のずれ量が閾値より大きい被写体領域をハイライト表示色(特定色)で強調表示する。これにより、使用者は、その被写体領域に対する撮像光学系100のデフォーカス量が大きいことや、その被写体領域に対して合焦させるためにマニュアルフォーカス操作を大きく行うべきであることを一目で判断することができる。ハイライト表示色による強調表示がされておらず単にA像とB像がずれて表示されている場合には、マニュアルフォーカス操作を細かく行うべきであることを一目で判断することができる。
なお、ハイライト表示色出力部115からのハイライト表示色信号の出力を周期的に行うことで、強調表示が行われるオン状態と行われないオフ状態とに交互に切り換える、すなわち強調表示を点滅させることも可能である。強調表示を点滅させることで、強調表示の非点灯のときにハイライト部の元々の被写体画像を確認することができる。
なお、上述した重畳画像の生成処理を、後述するようにコンピュータプログラム(ソフトウエア)を用いて行ってもよい。
実施例1では、撮像光学系100からの光束を左右方向に瞳分割してA像及びB像を形成する場合について説明したが、該光束を上下方向に瞳分割してA像及びB像を形成するようにしてもよい。
さらに、撮像光学系100からの光束を左右方向及び上下方向に瞳分割して、左右方向にて対をなすA像及びB像と、上下方向にて対をなすA像及びB像を形成するようにしてもよい。
図6には、左右方向及び上下方向に瞳分割する場合における各対のA像及びB像のずれ量(差分信号)を、図1に示した閾値メモリ117に記憶された閾値と比較してスイッチ116を切り換える信号を生成する回路構成を示している。なお、本実施例において、実施例1と共通する構成要素には、実施例1と同符号を付す。
112H,111Hはそれぞれ、左右方向にて対をなすA像とB像の画素信号(以下、横A像画素信号と横B像画素信号という)を保持した後出力する横A像保持回路及び横B像保持回路である。また、112V,111Vはそれぞれ、上下方向にて対をなすA像とB像の画素信号(以下、縦A像画素信号と縦B像画素信号という)を保持した後出力する縦A像保持回路及び縦B像保持回路である。
118Hは横減算器であり、横A像画素信号と横B像画素信号の差を示す横差分信号を出力する。また、118Vは縦減算器であり、縦A像画素信号と縦B像画素信号の差を示す縦差分信号を出力する。
114Hは横コンパレータであり、横差分信号が閾値メモリ117に記憶された閾値よりも大きい(又は以上)の場合は「1」を、そうでなければ「0」を出力する。114Vは縦コンパレータであり、縦差分信号が閾値メモリ117に記憶された閾値よりも大きい(又は以上)の場合は「1」を、そうでなければ「0」を出力する。
130はOR回路であり、横コンパレータ114H及び縦コンパレータ114Vからの出力のうち少なくとも一方が「1」である場合に「1」を出力し、いずれも「0」である場合に「0」を出力する。
スイッチ116は、OR回路130からの出力が「1」である場合には、ハイライト表示色出力部115側に切り換わる。また、OR回路130からの出力が「0」であった場合は、スイッチ116はOSD回路113側に切り換わる。
本実施例では、左右方向及び上下方向のうち少なくとも一方においてA像とB像のずれ量が大きい被写体領域をハイライト部として強調表示が行われる。このため、被写体の輪郭が縦線により構成されている場合と横線で構成されている場合の両方に対して良好なマニュアルフォーカスガイドが可能となる。
実施例1では、A像とB像のずれ量の差が閾値より大きい被写体領域をハイライト部として強調表示する場合について説明した。しかし、図1におけるコンパレータ114の出力とスイッチ116との間にインバータを挿入することで、A像とB像のずれ量の差が閾値より小さい被写体領域をハイライト部として強調表示することも可能である。これにより、合焦に近い状態にある被写体領域を明確に使用者に認識させるマニュアルフォーカスガイドが可能となる。
実施例1では、ハードウエアによって、A像とB像のずれ量を示す差分信号を生成し、さらに差分信号の値を閾値と比較することで強調表示を行うか否かを切り換える場合について説明した。しかし、同様の処理をソフトウエアによって行うこともできる。
なお、実施例1では、A画像データ(A像の映像信号)とB画像データ(B像の映像信号)とを重畳させた重畳画像(AB重畳映像信号)を表示した上で、A像とB像のずれ量が大きい領域を強調表示する場合について説明した。しかし、本実施例では、通常の撮像画像(第3の画像)上にA像とB像のずれ量に応じた強調表示を行う場合について説明する。
図7には、ソフトウエア処理によって実施する場合の回路構成を示す。
701は実施例1の撮像素子101と同じ構成を有する撮像素子であり、702は撮像素子701から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。
703はA/D変換後の撮像素子701の出力を格納するメモリである。706はメモリ703内に格納された画像を処理して通常の映像信号やA像及びB像映像信号(第1及び第2の画像)を生成する処理手段としてのCPUである。704は映像信号を格納する表示用メモリである。
705はLCD等により構成されるディスプレイデバイス(表示手段)である。
図8のフローチャートには、MFモードにおいてCPU706が行う処理(画像表示方法)の流れを示している。
ステップS801で処理を開始すると、ステップS802において、CPU706は、撮像素子701からの信号をA/D変換器702でデジタル変換してメモリ703に格納する。メモリ703に格納されたデータには、A像用画素群からのA像画素信号、B像用画素群からのB像画素信号、及び撮像画素群からのRGB画素信号が混在している。
次にステップS803では、CPU706は、メモリ703に格納されたデータからA像画素信号とB像画素信号をピックアップして、A像に対応したA画像データとB像に対応したB画像データを作成する。
次に、ステップS804では、CPU706は、各A像用画素とB像用画素の位置に本来あるべき色のデータを周辺の撮像画素の画素値から補間する。これにより、画素補間されたRGB画素信号を作成する
さらにステップS805では、CPU706は、RGB画素信号に対する信号処理を行って通常の撮像画像であるカラー表示用画像を作成する。
次のステップS806では、CPU706は、今回のルーチンが強調表示のタイミング(周期)かどうかを判断し、強調表示のタイミングであればステップS806に進む。強調表示のタイミングでない場合はステップS808に進む。強調表示のタイミングか否かはCPU706内のタイマーを用いて判定する。
続いてステップS807では、CPU706は、A画像データ内のA像とB画像データ内のB像間のずれ量(絶対値)が所定の閾値より大きい画素(被写体領域)を判定する。そして、ずれ量が所定の閾値より大きい画素については、ステップS805で作成したカラー表示用画像のうち対応する画素を強調表示用の色で上書きする。
次に、ステップS808では、CPU706は、ステップS805で作成したカラー表示用画像又はステップS807で一部の画素が強調表示用の特定色で上書きされたカラー表示用画像を表示用メモリ704に転送する。表示用メモリ704に書き込まれたカラー表示用画像は所定のタイミングでディスプレイデバイス705に転送されて表示される。
このように、本実施例では、通常のカラー表示用画像上において、A像とB像間におけるずれ量が大きい被写体領域の強調表示を行う。これにより、二重画像を表示することなくデフォーカス量が大きい被写体領域を使用者に明確に認識させることができる。
そして、ステップS802からステップS808を繰り返し実行することにより、強調表示のON/OFFが繰り返され、点滅するような強調表示を行うことができる。
なお、本実施例においても、実施例3と同様に、A像とB像のずれ量の差が閾値より小さい被写体領域を強調表示することも可能である。
上記各実施例では、単一の撮像素子内に、マイクロレンズにより瞳分割された光束により形成されたA像及びB像を光電変換する画素群と瞳分割されない光束により形成された被写体像を光電変換する撮像画素群とが設けられている場合について説明した。しかし、本発明は、撮像画素群を有する撮像素子と、A像及びB像を光電変換する画素群を有する別の撮像素子とを用いてもよい。つまり、本発明においては、撮像素子が少なくとも1つ用いられていればよい。
また、瞳分割の方向は、左右方向や上下方向に限らず、斜め方向でもよい。
図9には、本発明の実施例5であるデジタルカメラ(撮像装置)の構成を示している。なお、デジタルカメラには、デジタルスチルカメラやビデオカメラが含まれるが、ここではデジタルスチルカメラである場合について説明する。
図9において、4101は撮像光学系であり、フォーカスレンズ4101aを含む。撮像光学系4101は、交換レンズとして不図示のカメラ本体に着脱可能に装着されてもよいし、カメラ本体に一体に備えられていてもよい。
4102はCCDセンサやCMOSセンサ等により構成される撮像素子であり、撮像光学系4101からの光束により形成された被写体像(第3の被写体像)を光電変換する。
4103はA/D変換部であり、撮像素子4102から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
4104は信号処理部であり、A/D変換部4103から出力されたデジタル信号に対して色変換処理等の信号処理を行い、LCD等によって構成される表示部(表示手段)4106に表示可能な画像信号を生成する。
4105は表示画像生成部であり、後述する後述するA画像データ(第1の画像)及びB画像データ(第2の画像)や、信号処理部4104からの画像信号(本画像:第3の画像)を用いてフォーカスガイド画像を生成する。この表示画像生成部4105の動作については後述する。
4109はスイッチであり、表示部4106に出力する画像信号を、信号処理部4104の出力と表示画像生成部4105の出力との間で切り換える。
4107は位相差像取得部であり、撮像光学系4101からの光束を2つの光束(第1の光束及び第2の光束)に瞳分割し、該2つの光束によってそれぞれ形成された2つの像(第1の被写体像及び第2の被写体像:以下、A像及びB像という)を形成する。そして、A像及びB像を光電変換して、A像及びB像にそれぞれ対応するA画像データ及びB画像データを生成する。位相差像取得部4107の構成については後述する。
撮像素子4102、A/D変換部4103、信号処理部4104及び位相差像取得部4107により画像取得手段が構成される。また、表示画像生成部4105及び後述する制御部4110により処理手段が構成される。
ここで、位相差像取得部4107の構成例について、図21を用いて説明する。図21において、4107a,4107cはそれぞれA像用センサとB像用センサであり、前述した撮像素子4102とは別の1つ又は2つの撮像素子により形成されている。A像用センサ4107aとB像用センサ4107cには、撮像光学系4101からの光束の一部であって図9に示した瞳分割レンズ(瞳分割手段)4107eによって瞳分割されたA像用光束及びB像用光束(第1の光束及び第2の光束)がそれぞれ入射する。A像用センサ4107aとB像用センサ4107c上にはそれぞれ、A像用光束によるA像とB像用光束によるB像とが形成される。A像とB像は、撮像光学系4101が非合焦状態にあるときに、そのデフォーカス量に応じた位相差を持つ。A像用センサ4107aとB像用センサ4107cはそれぞれ、A像とB像を光電変換する。
4107b,4107dはそれぞれ、A像用信号処理部とB像用信号処理部である。A像用信号処理部4107bは、A像用センサ4107aから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換後の信号に対して所定の処理を行ってA像に対応したA画像データを生成する。B像用信号処理部4107dは、B像用センサ4107cから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換後の信号に対して所定の処理を行ってB像に対応したB画像データを生成する。
図9において、4108は相関演算部であり、位相差像取得部4107から出力されたA像とB像の位相差を相関演算により算出する。算出された位相差は、撮像光学系4101のデフォーカス量に対応するため、オートフォーカス制御に用いられる。具体的には、位相差から撮像光学系4101のデフォーカス量が算出され、該デフォーカス量に基づいてフォーカスレンズ4101aの合焦位置までの駆動量が算出される。そして、フォーカスレンズ4101aがその駆動量だけ移動するように制御する。
4110は制御部であり、後述するようにスイッチ4109を制御する。
次に、図10、図11、図12及び図13を用いて、表示画像生成部4105での処理について説明する。図10には、撮像素子4102からの信号に基づいて信号処理部4104にて生成される通常の撮像画像である本画像を示す。
図11及び図12にはそれぞれ、位相差像取得部4107により生成された、A像及びB像に対応するA画像データ及びB画像データを示す。撮像光学系4101が非合焦状態にあるとき、本画像と比較して、A画像データにおけるA像は右側に、B画像データにおけるB像は左側にずれている。表示画像生成部4105は、これらA画像データ及びB画像データを用いてフォーカスガイド画像(フォーカスサポート画像又はフォーカスアシスト画像等とも称される)を生成する。
フォーカスガイド画像としては、A画像データ及びB画像データを係数(α)を使って半透明合成(重畳)するアルファブレンド行うことでA画像データ及びB画像データの重畳画像(二重画像)として生成することができる。アルファブレンドは、以下の式(1)により行う。
O(x,y)=A(x,y)×α+B(x,y)×(1−α) …(1)
ただし、O(x,y):重畳画像(二重画像)
A(x,y):A画像データ
B(x,y):B画像データ
α:加重係数(透過度情報)
(x,y):画素の座標
また、別のフォーカスガイド画像としては、A像(A画像データ)とB像(B画像データ)との差分(ずれ量)の絶対値を示す画像である差分画像を本画像に重畳させることで、これらの重畳画像(二重画像)として生成することができる。
まず、表示画像生成部4105に入力されたA像及びB像の差分を示す差分画像、以下の式(2)により算出する。
O(x,y)=|A(x,y)−B(x,y)| …(2)
ただし、O(x,y):差分画像
A(x,y):A画像データ
B(x,y):B画像データ。
次に、式(2)で求まった差分画像に2値化処理を施して、図14に示すように、ピントがずれている領域(白領域)を示す2値化画像を生成する。
そして、この2値化画像(ピントがずれている領域、つまりはA像とB像の差分)を図10の本画像に重畳することにより、図13に示す二重画像を生成する。以上の差分画像を用いた二重画像の生成処理の流れを図15Aに示す。
なお、本実施例では、A画像データ及びB画像データを用いて二重画像を生成する場合について説明したが、本画像とA画像データ又は本画像とB画像データを用いて二重画像を生成してもよい。
図9において、4112はマニュアルフォーカス(MF)モードとオートフォーカス(AF)モードを使用者が選択するためのフォーカスモードスイッチである。制御部4110は、AFモードが選択されている場合には、スイッチ4109を信号処理部4104側に設定して本画像を表示部4106に出力させる。これにより、本画像のみが表示部4106に表示される。
一方、MFモードが選択されている場合には、制御部4110は、スイッチ4109を表示画像生成部4105側に設定して、フォーカスガイド画像としての重畳画像(二重画像)を表示部4106に出力させる。これにより、フォーカスガイド画像が表示部4106に表示され、使用者はこのフォーカスガイド画像を見ながらマニュアルフォーカス操作を行うことができる。なお、MFモードが選択されている場合において、不図示のフォーカスガイドスイッチが操作されることを条件に、フォーカスガイド画像を表示させるようにしてもよい。
上述したアルファブレンドを用いる場合と差分画像を用いる場合に共通する、A像とB像の取得から二重画像の表示までの処理(画像表示方法)の流れを図15Bのフローチャートに示している。
ステップS4701では、制御部4210は、位相差像取得部4107にA画像データ及びB画像データを生成させる。
次に、ステップS4702では、制御部4210は、フォーカスモードスイッチ4112によりMFモードが選択されているか否か(又はフォーカスガイドスイッチが操作されたか否か)を判別する。MFモードが選択されていない場合(AFモードが選択されている場合)はステップS4703に進む。また、MFモードが選択されている場合(又はフォーカスガイドスイッチが操作された場合)は、ステップS4704に進む。
ステップS4703では、制御部4210は、スイッチ4109を信号処理部4104側に設定して、本画像の表示を選択する。
ステップS4704では、制御部4210は、表示画像生成部4105に二重画像を生成させる。また、制御部4210は、スイッチ4109を表示画像生成部4105側に設定する。
次に、ステップS4705では、本画像又は二重画像が表示部4106に出力されて表示される。
本実施例によれば、視覚的に理解し易い二重画像をフォーカスガイド画像として表示することができる。
なお、図には示していないが、二重画像上において撮像光学系4101が合焦している被写体領域ではA像とB像が互いに一致して表示される。このため、非合焦状態の被写体領域に対して合焦させたい場合には、その被写体領域が合焦している被写体領域に対して近いか遠いかによってどちらの方向にマニュアルフォーカス操作をすればよいかを使用者は直感的に判断することができる。
図16には、本発明の実施例6であるカメラの構成を示す。本実施例のカメラは、互いに異なる第1及び第2のフォーカスガイド画像を生成することができ、これらを選択的に表示させることができる。なお、図16において、実施例5(図9)のカメラと共通する構成要素には実施例5と同符号を付して説明を省略する。
図16において、4212は第1の表示画像生成部(第1の画像生成手段)である。第1の表示画像生成部4212は、位相差像取得部4107からのA画像データ(第1の画像)及びB画像データ(第2の画像)や信号処理部4104からの本画像(第3の画像)を用いて、重畳画像である第1のフォーカスガイド画像を生成する。
4213は第2の表示画像生成部(第2の画像生成手段)であり、A画像データ及びB画像データを用いて、第1のフォーカスガイド画像とは異なる第2のフォーカスガイド画像を生成する。第2のフォーカスガイド画像については後述する。
4209はスイッチであり、表示部4106に表示する画像を、信号処理部4104からの本画像、第1の表示画像生成部4212からの第1のフォーカスガイド画像及び第2の表示画像生成部4213からの第2のフォーカスガイド画像の中で切り換える。
4211は主被写体識別部(被写体識別手段)であり、信号処理部4104の出力である本画像のデータから、主被写体の特徴の有無を抽出し、その抽出結果(識別結果)を出力する。主被写体は、使用者の選択操作によって又はカメラにより自動的に行われる。
4214は位相差信頼度算出部(信頼度算出手段)であり、位相差像取得部4107から出力されたA像とB像の像信号に基づいてA像とB像間の位相差の信頼度を算出し、その算出結果を出力する。この位相差信頼度算出部4214は、後述する実施例7で使用される。
4210は制御部(制御手段)である。制御部4210は、主被写体識別部4211又は位相差信頼度算出部4214からの出力結果に基づいて、表示部4106に、本画像、第1のフォーカスガイド画像及び第2のフォーカスガイド画像のうちいずれを表示するか決定する。そして、その決定結果に応じてスイッチ4209を切り換える。
ここで、第2のフォーカスガイド画像について説明する。フォーカスガイド画像としては、特許文献2にて開示されているスプリットイメージに相当する画像(以下、スプリットイメージという)もある。図19に示すように、主被写体(ここでは、「木」)の輪郭がはっきりしている場合には、スプリットイメージを利用した方が実施例5で説明した二重画像(図20)を利用するよりもピント合わせを行い易い。
ここで、スプリットイメージについて図26を用いて説明する。図26中の(a)は「棒」を主被写体とした本画像である。(b),(c)はそれぞれA画像データとB画像データである。(d)はスプリットイメージである。スプリットイメージは、A画像データとB画像データのうち、互いに左右方向の位置は同じで上下方向にて隣接する位置にある被写体領域1803,1804の画像を上下方向にて組み合わせることで生成される。そして、本画像のうちA画像データ及びB画像データにおける被写体領域1803,1804に対応する領域にスプリットイメージを挿入(上書き)することで、本画像内にスプリットイメージを表示することができる。
しかし、図18に示すように、主被写体が人物の顔のように輪郭がはっきりしていないものである場合は、スプリットイメージではピント合わせを行い難い。また、顔がスプリットイメージによって切断されてしまうのは、視覚的に好ましくない。
このため、本実施例では、主被写体識別部4211によって主被写体が顔か否かを識別し、顔である場合は二重画像を、顔でない場合はスプリットイメージをフォーカスガイド画像として選択する。すなわち、主被写体識別部4211は、本画像のデータから顔の特徴(両目、口等)の有無を抽出して主被写体が顔か否かを識別する顔検出部である。
制御部4210は、主被写体識別部4211によって顔が識別された場合は、スイッチ4209を第1の表示画像生成部4212を選択するように設定し、表示部4106に第1のフォーカスガイド画像(二重画像)を表示させる。また、主被写体識別部4211によって顔が識別された場合は、スイッチ4209を第2の表示画像生成部4213を選択するように設定し、表示部4106に第2のフォーカスガイド画像(スプリットイメージ)を表示させる。
以下、フォーカスガイド画像の切り換えに関する処理(画像表示方法)の流れを、図17のフローチャートを用いて説明する。この処理は、制御部4210内に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
ステップS910で撮像モードが開始されると、ステップS920に進み、制御部4210は、フォーカスガイド画像を表示するか否かを判別する。この判別は、実施例5にて説明したように、フォーカスモードがMFモードか否かや、フォーカスガイドスイッチが操作されたか否かに従う。フォーカスガイド画像を表示しない場合はステップS970に進み、スイッチ4209を信号処理部4104からの本画像が表示部4106に出力されるように設定する。そして、ステップS980に進み、本画像を表示部4106に表示させる。
また、フォーカスガイド画像を表示する場合は、ステップS930に進み、制御部4210は、主被写体識別部4211に主被写体(顔)の識別を行わせる。
ステップS940において主被写体が顔であると識別された場合は、ステップS950に進む。ステップS950では、制御部4210は、スイッチ4209を第1の表示画像生成部4212からの二重画像が表示部4106に出力されるように設定する。そして、ステップS980に進み、二重画像を表示部4106に表示させる。
ステップS940において主被写体が顔以外の物体であると識別した場合は、ステップS960に進む。ステップS960では、制御部4210は、スイッチ4209を第2の表示画像生成部4213からのスプリットイメージが表示部4106に出力されるように設定する。そして、ステップS980に進み、スプリットイメージを表示部4106に表示させる。
このように本実施例では、主被写体の識別結果に応じて、よりピント合わせを行い易くするフォーカスガイド画像を切り換えて表示することができる。
なお、本実施例では、主被写体の識別結果に応じてフォーカスガイド画像を切り換える場合について説明したが、フォーカスガイド画像の切換条件は主被写体の識別結果に限られない。使用者がスイッチ等の操作部材を操作することに応じてフォーカスガイド表示を切り換えられるようにしてもよい。
また、切り換え可能なフォーカスガイド画像は、二重画像とスプリットイメージに限られない。さらに、切り換え可能なフォーカスガイド画像を3つ以上設けてもよい。
また、主被写体の識別結果(顔である場合)にスプリットイメージの表示を停止し、本画像の表示に切り換えるようにしてもよい。
次に、本発明の実施例7として、実施例6の変形例について説明する。本実施例のカメラの構成は、実施例6で説明したものと同じである。
ピントを合わせたい被写体領域のコントラストが低い場合、位相差像取得部4107で生成されたA像及びB像間の位相差を正確に求めることが困難である。このことについて、図24及び図25を用いて説明し、さらに位相差の信頼度についても説明する。
図24には、被写体領域のコントラストが高くエッジがはっきりしている場合のA像及びB像の輝度(縦軸)の例を示している。また、図25には、被写体領域のコントラストが低い場合のA像及びB像の輝度の例を示している。両図において、横軸は画素の位置を示す。
図24のようにコントラストが高い場合には、相関演算を行うことでA像及びB像の位相差を求めることが可能である。これに対し、図25のようにコントラストが低い場合は、位相差を算出することは困難である。この位相差を正確に算出可能な程度を示す値を位相差の信頼度と記す。より具体的には、位相差の信頼度は、A像及びB像中の輝度の最大値と最小値の差によって決定される。
位相差の信頼度が低い場合には、フォーカスガイド画像を、A画像データとB画像データを用いずに本画像を用いて生成した方がよい。このため本実施例では、位相差の信頼度に応じて、フォーカスガイド画像を、A及びB画像データを用いて生成したスプリットイメージ(第1のフォーカスガイド画像)と、本画像を用いて生成した部分拡大画像(第2のフォーカスガイド画像)との間で切り換える。
具体的には、図16に示した第1の表示画像生成部4213でスプリットイメージを生成し、第2の表示画像生成部4213で部分拡大画像を生成する。ただし、部分拡大画像の生成にはA画像データとB画像データを用いないので、図16に示した第2の表示画像生成部4213へのA画像データとB画像データの入力ラインは不要となる。
そして、位相差信頼度算出部4214で算出した位相差の信頼度に応じて、スイッチ4209を通じて表示部4106に出力されるフォーカスガイド画像をスプリットイメージと部分拡大画像との間で切り換える。
部分拡大画像の生成について説明する。まず、図10に示した本画像において、使用者がピントを合わせたい被写体領域を指定(トリミング)する。そして、該トリミング領域を所定の倍率で電子的に拡大することで、図23に示すような部分拡大画像1502が生成される。生成された部分拡大画像1502は、本画像上における任意の領域に挿入(上書き)されて表示される。
位相差の信頼度が所定の閾値より高い場合(又は以上である場合)、制御部4210は、スイッチ4209を第1の表示画像生成部4212からのスプリットイメージが表示部4106に出力されるように設定する。一方、位相差の信頼度が上記閾値より低い場合、制御部4210は、スイッチ4209を第2の表示画像生成部4213からの部分拡大画像が表示部4106に出力されるように切り換える。
以下、本実施例での処理(画像表示方法)の流れについて、図22のフローチャートを用いて説明する。この処理は、制御部4210内に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
ステップS1410で撮像モードが開始されると、ステップS1420に進み、制御部4210は、フォーカスガイド画像を表示するか否かを判別する。この判別は、実施例5にて説明したように、フォーカスモードがMFモードか否かや、フォーカスガイドスイッチが操作されたか否かに従う。フォーカスガイド画像を表示しない場合はステップS1470に進み、スイッチ4209を信号処理部4104からの本画像が表示部4106に出力されるように設定する。そして、ステップS1480に進み、本画像を表示部4106に表示させる。
一方、フォーカスガイド画像を表示する場合は、ステップS1430に進み、制御部4210は、位相差信頼度算出部4214にA像とB像の位相差の信頼度の算出を行わせる。
そして、ステップS1440では、制御部4210は、位相差の信頼度が閾値より高いか否かを判別する。高いと判別した場合はステップS1450に進む。
ステップS1450では、制御部4210は、第1の表示画像生成部4212から表示部4106にスプリットイメージを出力するようにスイッチ4209を設定する。そして、ステップS1480にてスプリットイメージを表示部4106に表示させる。
ステップS1440において位相差の信頼度が閾値より低いと判別した場合はステップS1460に進む。ステップS1460では、制御部4210は、第2の表示画像生成部4213から表示部4106に部分拡大画像を出力するようにスイッチ4209を設定する。そして、S1480にて部分拡大画像を表示部4106に表示させる。
本実施例によれば、位相差の信頼度フォーカスガイド画像を切り換えるので、被写体のコントラストに対して適切なフォーカスガイド画像を使用者に提示することができる。
なお、本実施例では、位相差の信頼度に応じてフォーカスガイド画像をスプリットイメージと部分拡大画像に切り換える場合について説明したが、実施例5で説明した二重画像と部分拡大画像との間で切り換えるようにしてもよい。
上記実施例5〜7では、本画像を生成するための撮像素子とA画像データとB画像データを生成するための撮像素子とを別々に設けた場合について説明した。しかし、本画像を生成するための画素群と、A画像データとB画像データを生成するための画素群を含む単一の撮像素子を用いてもよい。つまり、本発明においては、撮像素子が少なくとも1つ用いられていればよい。このような撮像素子は、図2にて説明した撮像素子に相当する。
上記実施例1〜4では、非合焦領域に特定色を付加したり該特定色を点滅させたりして表示する場合について説明した。また、上記実施例6〜8では、複数種類のフォーカスガイド表示を切り換える場合について説明した。本実施例では、これらを組み合わせて実施する場合について説明する。本実施例により、ユーザにとってより視覚的に分かり易いフォーカスガイド表示を行うことができる。
図27には、本発明の実施例8であるデジタルカメラ(撮像装置)の構成を示している。なお、デジタルカメラには、デジタルスチルカメラやビデオカメラが含まれるが、ここではデジタルスチルカメラである場合について説明する。また、本実施例において、図1なに示した実施例1のカメラの構成要素と共通する構成要素には、実施例1と同符号を付して説明に代える。
3001はハイライト画像生成部であり、GUI用VRAM110と、ハイライト表示色出力部115と、ODS回路113と、スイッチ116と、減算器118と、閾値メモリ117と、コンパレータ114とを含む。ハイライト画像生成部3001は、フォーカスガイド画像としてのハイライト画像(図4の下図に示すような、ハイライト表示色の領域を含む二重画像)を生成する。
3002はスプリットイメージ生成部である。スプリットイメージ生成部3002は、A像保持回路112及びB像保持回路111からのA像映像信号(A画像データ:第1の画像)及びB像映像信号(B画像データ:第2の画像)を入力として、他のフォーカスガイド画像であるスプリットイメージを生成する。
3008は信号処理部106からの通常の撮像画像(第3の画像:以下、本画像という)を表す映像信号を入力として、さらに他のフォーカスガイド画像である部分拡大画像を生成する部分拡大画像生成部である。
3006は主被写体識別部であり、本画像に含まれる主被写体が、顔か否かを識別する。主被写体識別部3006は、主被写体が顔である場合は「0」を、顔でない場合は「1」を出力する。なお、本実施例では、主被写体が顔か否かを識別する場合について説明するが、顔以外の物体か否かを識別するようにしてもよい。
3003は、実施例7で説明したように、A像及びB像間の位相差の信頼度を算出する位相差信頼度算出部である。
3004,3007はそれぞれ、スーパーインポーズ合成回路107に出力するフォーカスガイド画像を切り換えるスイッチである。スイッチ3004は、主被写体識別部3006の出力が「0」である場合に、CPU109によって「0」に切り換えられる。また、主被写体識別部3006の出力が「1」の場合に、CPU109によって「1」に切り換えられる。また、スイッチ3007は、位相差信頼度算出部3003からの出力が後述する「0」である場合に、CPU109によって「0」に切り換えられる。また、位相差信頼度算出部3003からの出力が後述する「1」である場合に、CPU109によって「1」に切り換えられる。
スーパーインポーズ合成回路107は、信号処理部106からの本画像に、スイッチ116からのOSD映像信号もしくはハイライト表示色信号、又はスイッチ3004,3007からのスプリットイメージもしくは部分拡大画像をスーパーインポーズ合成する。該合成画像はディスプレイデバイス108に表示される。
3005はスイッチであり、ディスプレイデバイス108への出力を、信号処理部106からの本画像と、スーパーインポーズ合成回路107からのフォーカスガイド画像を重畳した本画像との間で切り換える。CPU109は、フォーカスモードスイッチ120によりAFモードが選択されている場合には、スイッチ3005を通じて、信号処理部106からの本画像のみをディスプレイデバイス108に出力させる。また、MFモードが選択されている場合には、CPU109は、スイッチ3005を通じて、スーパーインポーズ合成回路107から、本画像にフォーカスガイド画像をスーパーインポーズ合成した画像をディスプレイデバイス108に出力させる。
なお、MFモードが選択されている場合において、不図示のフォーカスガイドスイッチが操作されることを条件に、フォーカスガイド画像を表示させるようにしてもよい。
また、フォーカスガイド画像であるが、ユーザが不図示の操作スイッチなどにより、好みのフォーカスガイド表示に手動で切り換えられるようにしても良い。
以下、本実施例における撮像素子101を含む画像取得系(画像取得手段)及び画像処理系(処理手段)の構成と動作(画像表示方法)について、図27と図28のフローチャートとを用いて説明する。なお、図28のフローチャートは、MFモードが選択されている場合の動作を示している。
図27に示す画像取得系において、撮像光学系100からの光束は、撮像素子101上に被写体像を形成する。被写体像を光電変換した撮像素子101からのアナログ信号は、A/D変換器102でデジタル信号(画素信号)に変換される。
図28におけるステップS3001において、像分離回路103は、画素配列テーブルを参照して、A/D変換器102から出力される画素信号からA像用画素群201、B像用画素群202及び撮像画素群203のそれぞれからの画素信号を分離する。像分離回路103は、A像用画素群201からの画素信号をA像保持回路112に出力し、B像用画素群202からの画素信号をB像保持回路111に出力する。また、撮像画素群203からの画素信号を画素補正回路105に出力する。
ステップS3002において、画素補正回路105は、実施例1と同様に、画素配列テーブルを参照して、各A像用画素及び各B像用画素のそれぞれの周囲に配置された撮像画素からの画素信号を用いて各A像用画素及び各B像用画素の画素値を補間する。このようにして、画素補正回路105からは、撮像画素群203から出力された画素信号に対して画素補間が行われた画素信号が出力される。
ステップS3003において、信号処理回路106は、画素補正回路105からの画素信号に各種処理を施して、撮像画素群203からの画素信号に基づく本画像を表す映像信号を生成する。
次に、画像処理系について説明する。ステップS3004において、位相差信頼度算出部3003は、位相差の信頼度を算出する。位相差の信頼度は、実施例7で説明した通りである。
図29には、位相差信頼度算出部3003の構成例を示している。位相差信頼度算出部3003には、A像保持回路112の出力(A像映像信号)とB像保持回路111の出力(B像映像信号)とが入力される。3301は最小値メモリであり、1フィールド画像(又は1フレーム画像)におけるA像保持回路112とB像保持回路111の出力の最小値を保持する。
3302は最大値メモリであり、1フィールド画像(又は1フレーム画像)におけるA像保持回路112とB像保持回路111の出力の最大値を保持する。
1フィールド画像(又は1フレーム画像)の保持が完了した後、最大値メモリ3302と最小値メモリ3301はそれぞれが保持した値を減算器3304に出力する。減算器3304は、入力された最大値と最小値の差、すなわちコントラストを求め、コンパレータ3305に出力する。コンパレータ3305は、減算器3304から出力されたコントラストと閾値メモリ3303に記憶された閾値(所定値)とを比較する。コントラストが閾値以上の場合には「0」を、コントラストが閾値より小さい場合は「1」を出力する。
ステップS3005において、主被写体識別部3006は、信号処理部106からの本画像内に存在する主被写体を識別する。ここでは、例として、主被写体が顔であるか否かを識別する場合について説明する。
ステップS3006では、CPU109は、位相差信頼度算出部3003で算出された位相差の信頼度が所定の信頼度(所定値)より高いか低いかを判定する。位相差の信頼度が所定の信頼度より高い場合は、ステップS3007に移行する。
ステップS3007では、CPU109は、主被写体識別部3006において主被写体が顔であると識別されたか否かを判定する。主被写体が顔であると識別された場合はステップS3008に移行する。
ステップS3008では、CPU109は、スイッチ3004を[0](ハイライト画像生成部3001側)に切り換え、スイッチ3007を[0](スイッチ3004側)に切り換える。そして、ステップS3030に移行する。
ステップS3030では、ハイライト画像生成部3001の減算器118は、実施例1で説明したように、A像保持回路112からのA像画素信号とB像保持回路111からのB像画素信号との差の絶対値に相当する差分信号を生成する。
ステップS3031では、ハイライト画像生成部3001のコンパレータ114は、閾値メモリ117に記憶されている閾値(所定値)と減算器118からの差分信号の値(差分値)とを比較する。コンパレータ114は、差分値が閾値よりも大きい(又は以上である)場合は「1」を、そうでなければ「0」を出力する。コンパレータ114からの出力に応じてスイッチ116が切り換わる。この後、ステップS3011に移行する。
ステップS3011では、スーパーインポーズ合成回路107は、信号処理回路106から出力された本画像とハイライト画像生成部3001からのハイライト画像とをスーパーインポーズ合成する。これにより、本画像上にハイライト表示色領域が重畳表示された画像がディスプレイデバイス108に表示される。ハイライト表示色領域は、点滅表示されてもよい。
一方、ステップS3007において主被写体が顔ではないと判定された場合は、ステップS3008に移行し、CPU109は、スイッチ3004を[1](スプリットイメージ生成部3002側)に切り換える。また、スイッチ3007を[0](スイッチ3004側)に切り換える。
そして、ステップS3040において、スプリットイメージ生成部3002は、スプリットイメージを生成する。図30はスプリットイメージ生成部3002の構成一例を示している。
スプリットイメージ生成部3002には、A像保持回路112の出力とB像保持回路111の出力が入力される。3201はスイッチであり、スプリットイメージ生成部3002の出力をA像保持回路112の出力側とB像保持回路111の出力側とで切り換える。画素の座標が、図19に示した領域2101内の座標である場合にはスイッチ3201をA像保持回路112の出力側に切り換え、領域2102内の座標である場合にはB像保持回路111の出力側に切り換える。これにより、図19に示すようなスプリットイメージが生成される。
ステップS3011では、スーパーインポーズ合成回路107は、信号処理回路106から出力された本画像とスプリットイメージとをスーパーインポーズ合成する。これにより、本画像上にスプリットイメージが重畳表示された画像がディスプレイデバイス108に表示される。
また、ステップS3006において位相差の信頼度が低いと判定された場合は、ステップS3010に移行する。ステップS3010では、CPU109は、スイッチ3004を[0](ハイライト画像生成部3001側)に切り換える。また、スイッチ3007を[1](部分拡大画像生成部3008側)に切り換える。
ステップS3050において、部分拡大画像生成部3008は、本画像のうちユーザがピントを合わせたい被写体領域として指定したトリミング領域を読み込む。そして、ステップS3051において、部分拡大画像生成部3008は、本画像のうち該トリミング領域を所定の倍率で電子的に拡大して出力する。
ステップS3011では、スーパーインポーズ合成回路107は、信号処理回路106から出力された本画像と部分拡大画像生成部3008から出力された部分拡大画像とをスーパーインポーズ合成する。これにより、図23に示したように、本画像上に部分拡大画像が重畳表示された画像がディスプレイデバイス108に表示される。
以上のように、本実施例では、主被写体が顔である場合にはハイライト画像を、主被写体が顔でない場合にはスプリットイメージを、位相差の信頼度が低い場合には部分拡大画像をそれぞれフォーカスガイド画像として出力する。これにより、フォーカスガイド画像を、主被写体の識別結果や位相差の信頼度に応じた適切な画像に切り換えて表示することができる。
なお、本実施例では、フォーカスガイド画像を、主被写体が顔である場合にはハイライト画像とし、主被写体が顔でない場合にはスプリットイメージとしたが、これ以外のフォーカスガイド画像の切り換えを行ってもよい。例えば、主被写体が顔である場合には二重画像とし、顔でない場合にスプリットイメージとしてもよい。
実施例9では、ハードウエアによる構成を示したが、実施例9と同様のフォーカスガイド画像の切り換え処理は、例えば、実施例4において図7に示した回路構成を採用することで、ソフトウエアによっても実施できる。
図31には、本実施例において、CPU706が行う処理(画像表示方法)の流れを示している。
ステップS3600で処理を開始すると、ステップS3600aでは、CPU706は、撮像素子701からの信号をA/D変換器702でデジタル変換してメモリ703に格納する。メモリ703に格納されたデータには、A像用画素群からのA像画素信号、B像用画素群からのB像画素信号、及び撮像画素群からのRGB画素信号が混在している。
次に、ステップS3601では、メモリ703に格納されたデータからA像画素信号とB像画素信号をピックアップ(分離)する。
次に、ステップS3602では、CPU706は、各A像用画素とB像用画素の位置に本来あるべき色のデータを周辺の撮像画素の画素値から補間する。これにより、画素補間されたRGB画素信号を作成する
次に、ステップS3603aでは、CPU706は、RGB画素信号に対する信号処理を行って本画像であるカラー表示用画像を作成する。
さらに、ステップS3603bでは、CPU706は、A画像データとB画像データ用の画素信号を生成する。
次に、ステップS3604では、CPU706は、位相差の信頼度を算出する。また、ステップS3605では、CPU706は、本画像内の主被写体を識別する。
ステップS3606では、CPU706は、ステップS3004で算出した位相差の信頼度が所定の信頼度より高いか否かを判定する。位相差の信頼度が所定の信頼度より高い場合は、ステップS3607に移行し、位相差の信頼度が所定の信頼度より低い場合は、ステップS3610に移行する。
ステップS3607では、ステップS3605における主被写体の識別結果が顔であるか否かを判定する。顔である場合にはステップS3608に移行し、顔でない場合はステップS3609に移行する。
ステップS3608では、CPU706は、図32に示すハイライト表示処理を行う。
ステップS3080においてハイライト表示処理を開始すると、ステップS3081にて、CPU706は、今回のルーチンが強調表示のタイミング(周期)かどうかを判定する。強調表示のタイミングか否かはCPU706内のタイマーを用いて判定する。強調表示のタイミングであればステップS3082に移行する。強調表示のタイミングでない場合はステップS3083に進み、本処理を終了して、図31のステップS3611に進む。
ステップS3082では、CPU706は、A画像データ内のA像とB画像データ内のB像間のずれ量(絶対値)が所定の閾値より大きい画素(被写体領域)を判定する。そして、ずれ量が所定の閾値より大きい(一定レベル以上の)画素については、カラー表示用画像のうち対応する画素を強調表示用の色で上書きする。そして、ステップS3083にて本処理を終了し、図31のステップS3611に進む。
図31のステップS3609では、CPU706は、主被写体が顔ではないとの判定結果に応じて、図33に示すスプリットイメージ表示処理を行う。
ステップS3090でスプリットイメージ表示処理を開始すると、ステップS3091では、CPU706は、CPU706は、カラー表示用画像(本画像)における判定対象領域がA画像データを表示する領域か否かを判定する。A画像データを表示する領域である場合は、ステップS3092に移行する。
ステップS3092では、CPU706は、カラー表示用画像のうち上記判定対象領域をA画像データで上書きする。そして、ステップS3093に移行する。
ステップS3091において判定対象領域がA画像データを表示する領域ではないと判定した場合は、そのままステップS3093に移行する。
ステップS3093では、カラー表示用画像における判定対象領域がB画像データを表示する領域か否かを判定する。B画像データを表示する領域である場合は、ステップS3094に移行する。
ステップS3094では、CPU706は、カラー表示用画像のうち上記判定対象領域をB画像データで上書きする。その後、ステップS3095に移行して、本処理を終了する。そして、図31のステップS3611に進む。
ステップS3093において、判定対象領域がB画像データを表示する領域ではないと判定した場合は、そのままステップS3095に移行して、本処理を終了する。そして、図31のステップS3611に進む。
図31のステップS3610では、CPU706は、位相差の信頼度が所定の信頼度より低いとの判定結果に応じて、図34に示す部分拡大画像表示処理を行う。
ステップS3100で部分拡大画像処理を開始すると、ステップS3101で、CPU706は、カラー表示用画像のうち拡大する領域をトリミングする。
次に、ステップS3102では、CPU706は、該トリミング領域を所定の倍率で電子的に拡大して部分拡大画像を生成する。
そして、ステップS3103では、CPU706は、カラー表示用画像のうち部分拡大画像を表示する領域に、ステップS3102で生成した部分拡大画像を上書きする。その後、ステップS3104に移行して、本処理を終了する。そして、図31のステップS3611に進む。
ステップS3611では、CPU706は、ステップS3608、S3609及びS3610のいずれかにより生成されたフォーカスガイド画像を表示用メモリ704に転送する。表示用メモリ704へ書き込まれた画像は、自動的にディスプレイデバイス705に転送されて表示される。
なお、本実施例では説明しなかったが、二重画像をフォーカスガイド画像として用いてもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例1であるカメラの構成を示すブロック図。
実施例1のカメラに用いられる撮像素子の画素配列を示す図。
実施例1におけるA像とB像を示す図。
実施例1におけるA像とB像が重畳された画像の例及び強調表示の例を示す図。
図2の撮像素子におけるA像用画素の構造を示す断面図。
図2の撮像素子におけるB像用画素の構造を示す断面図。
図2の撮像素子における合焦状態における像信号の位相差を説明するための模式図。
図2の撮像素子における非合焦状態における像信号の位相差を説明するための模式図。
本発明の実施例2であるカメラにおける画像処理部の一部の構成を示すブロック図。
本発明の実施例4であるカメラの構成を示すブロック図
実施例4での処理動作を示すフローチャート。
本発明の実施例5であるカメラの構成を示すブロック図。
各実施例における本画像を示す図。
各実施例におけるA像(A画像データ)を示す図。
各実施例におけるB像(B画像データ)を示す図。
実施例5における二重画像を示す図。
実施例5における差分画像(2値化画像)を示す図。
実施例5における二重画像の生成の流れを示す図。
実施例5における二重画像の生成手順を示すフローチャート。
本発明の実施例6であるカメラの構成を示すブロック図。
実施例6における処理手順を示すフローチャート。
実施例6において顔の上にスプリットイメージを表示した例を示す図。
実施例6において顔以外の被写体の上にスプリットイメージを表示した例を示す図。
実施例6において二重画像を表示した例を示す図。
実施例6における位相差像取得部の構成例を示す図。
本発明の実施例7であるカメラにおける処理手順を示すフローチャート。
実施例7における部分拡大画像の例を示す図。
実施例7において、被写体のコントラストが高い場合のA像及びB像の輝度を示す図。
実施例7において、被写体のコントラストが低い場合のA像及びB像の輝度を示す図。
実施例6におけるスプリットイメージの生成例を示す図。
本発明の実施例9であるカメラの構成を示すブロック図。
実施例9のカメラの動作の流れを示すフローチャート。
実施例9における位相差信頼度算出部の構成例を示す図。
実施例9におけるスプリットイメージ生成部の構成例を示す図。
本発明の実施例10であるカメラにおける処理手順を示すフローチャート。
実施例10におけるハイライト画像表示処理を示すフローチャート。
実施例10におけるスプリットイメージ表示処理を示すフローチャート。
実施例10における部分拡大画像表示処理を示すフローチャート。