JP5292950B2 - 搬送装置用フリクションローラ - Google Patents
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Description
このような構成のフリクションローラによれば、弾性ローラが摩耗した際に該弾性ローラだけを交換することができるとともに、支持部材を弾性ローラに着脱する作業を容易に行なうことができる。
よって、弾性ローラの一対のテーパ面がなす角度は略153°程度に、支持部材の一対のテーパ面がなす角度は略170°程度に、いずれも鈍角とされ、その中でも比較的大きい角度に設定されている。
このように弾性ローラを支持部材のフランジにより変形させた状態で使用する構成では、弾性ローラにおけるフランジが押し付けられた部分とそうでない部分の境目に大きな応力が生じて該弾性ローラに無理が掛かるため、弾性ローラの交換時期が早まる場合がある。
このようなローレット加工を施す構成では、加工コストが増大するとともに、支持部材と弾性ローラとの間で滑りが発生した際には、却って弾性ローラが損傷してその交換時期が早まることになる。
よって、支持部材へのフランジの形成やローレット加工を不要としながら、支持部材に対する弾性ローラの滑りを効果的に抑制することにより、フリクションローラにより搬送装置のキャリアに推進力を付与してキャリアを駆動するトルク伝達効率を向上することができる。
その上、一対の支持リングを背面合わせしてこれらの傾斜リング部により形成される略V字状のリム部のなす角度が略直角又は鋭角であることから、平リング部に対する傾斜リング部の傾斜角度が比較的小さくなるため、この点からも前記プレス加工を容易に行うことができる。
本発明のフリクションローラが用いられる搬送装置は、以下の実施の形態に示すようなトロリコンベアである摩擦駆動式フロアコンベアの他、台車の側面(台車駆動面)にフリクションローラを圧接して推進力を付与する台車コンベア、摩擦駆動式オーバヘッドコンベア、又は、レール上を走行する電車等であってもよく、すなわち、本発明のフリクションローラは、フリクションローラの外周面を非自走式キャリアの被駆動面に圧接することにより該キャリアに推進力を付与する構成、又は、フリクションローラの外周面を自走式キャリアが走行するレールに圧接することにより該キャリア自体が走行する構成の搬送装置に用いることができる。
そして、搬送経路の適宜箇所に設置されたフリクションローラ式駆動装置15のフリクションローラ1の弾性ローラ2の垂直外周面2Aを、トロリ14の被駆動面14A及び被駆動ロッドの被駆動面に圧接することにより、フリクションローラ1のトルク(回転方向は図中矢印B参照。)がキャリアに伝達されて推進力が付与されるため、該キャリアが搬送経路に沿って搬送される。
なお、フリクションローラ1の前記被駆動面に対向する面以外の大部分は、安全上の配慮等から、カバー21で覆われている。
また、フリクションローラ1は、例えばウレタンゴム又はアクリルニトリルブタジエンゴム等からなる円環状の弾性ローラ2及び弾性ローラ2に内嵌される例えば鋼製の支持部材3を備えるとともに、支持部材3はボルト9,…及びナット10,…により取付部材4のフランジ部8に連結固定される。
支持部材3は、上側の支持リング3Aと下側の支持リング3Bとを背面合わせして連結してなるものであり、これら一対の支持リング3A,3Bは、弾性ローラ2の一方の傾斜内周面2Cに対して面同士が当接する傾斜外周面6Aを有する傾斜リング部6及びその径方向内側に位置して径方向に延びる平リング部5からなる板状のものである。
なお、支持リング3A,3Bの孔5Cは、例えば鋼板製の支持リング3A,3Bの軽量化及び材料の節約のためにプレス成形により適宜位置に形成した抜き孔である。
図4及び図5において、フリクションローラ1の押付け力をW、弾性ローラ2の外周面2A及びトロリ14の被駆動面14A間の摩擦係数をμ1、支持部材3の傾斜リング部6の傾斜外周面6A及び弾性ローラ2の傾斜内周面2C間の摩擦係数をμ2とすると、図4に示す弾性ローラ2及び被駆動面14A間の摩擦力F1は、F1=μ1・Wであり、傾斜リング部6,6の傾斜外周面6A,6A及び弾性ローラ2の傾斜内周面2C,2C間をずらす方向に作用する力F2は、F2=(R1/R2)F1であるため、これらの式から次式(1)が得られる。
また、リム部における滑りを防ぐためには、例えば、式(4)において、R2/R1=0.8とすると、μ2/μ1=1で、θ<106.3°、μ2/μ1=0.8で、θ<79.6°、μ2/μ1=1.2で、θ<147.5°となり、R2/R1=0.75とすると、μ2/μ1=1で、θ<97.2°、μ2/μ1=0.8で、θ<73.7°、μ2/μ1=1.2で、θ<128.3°となる。
よって、摩擦係数のばらつき等を考慮すると、略V字状リム部のなす角度θは略直角又は鋭角としておくのが好ましく、製作のしやすさや被駆動面との接触面積を確保する観点からは、略V字状リム部のなす角度θを略直角とするのがより好ましい実施態様である。
また、弾性ローラ2の傾斜内周面2C,2Cのなす角度を略直角又は鋭角とするとともに、支持部材3の外周面を弾性ローラ2の傾斜内周面2C,2Cに対して面同士が当接する傾斜外周面6A,6Aとしていることから、略V字状のリム部のなす角度が略直角又は鋭角であり、該リム部の傾斜外周面6A,6Aと弾性ローラ2の傾斜内周面2C,2Cとの面同士が当接する構成であるため、弾性ローラ2が支持部材3に対して位置決めされるとともに抜け止めもされ、さらに、略V字状リム部の摩擦力Fが大きくなるため、支持部材3に対する弾性ローラ2の滑りを抑制する効果を高めることができる。
よって、支持部材3へのフランジの形成やローレット加工を不要としながら、支持部材3に対する弾性ローラ2の滑りを効果的に抑制することにより、フリクションローラ1により搬送装置(例えば、摩擦駆動式フロアコンベア11)のキャリアに推進力を付与してキャリアを駆動するトルク伝達効率を向上することができる。
その上、一対の支持リング3A,3Bを背面合わせしてこれらの傾斜リング部6,6により形成される略V字状のリム部のなす角度が略直角又は鋭角であることから、平リング部5に対する傾斜リング部6の傾斜角度が比較的小さくなるため、この点からも前記プレス加工を容易に行うことができる。
1 フリクションローラ
2 弾性ローラ
2C 傾斜内周面
2D 周溝
3 支持部材
3A,3B 支持リング
4 取付部材
5 平リング部
6 傾斜リング部(リム部)
6A 傾斜外周面
6B 先端角部
7 ボス部
8 フランジ部
9 ボルト
10 ナット
11 摩擦駆動式フロアコンベア(搬送装置)
14A 被駆動面
15 フリクションローラ式駆動装置
Claims (2)
- 非自走式キャリアの被駆動面又は自走式キャリアが走行するレールに外周面が圧接される円環状の弾性ローラ及び該弾性ローラに内嵌される支持部材を備え、該支持部材を前記弾性ローラが着脱可能な分割構造としてなる搬送装置用フリクションローラであって、
前記弾性ローラの内周面を、回転軸方向中間部から側端面に向かって径方向外側に広がるように傾斜させ、これら傾斜内周面同士のなす角度を略直角又は鋭角とするとともに、前記支持部材の外周面を前記弾性ローラの傾斜内周面に対して面同士が当接する傾斜外周面としてなり、
前記支持部材が、前記弾性ローラの一方の傾斜内周面に対して面同士が当接する傾斜外周面を有する傾斜リング部及びその径方向内側に位置して径方向に延びる平リング部からなる板状の支持リングの一対を背面合わせして連結してなるものであり、前記支持リングの平リング部に締結され、駆動装置の出力軸に取り付けられる取付部材を備えたことを特徴とする搬送装置用フリクションローラ。 - 前記弾性ローラの傾斜内周面に、前記傾斜リング部の先端角部を逃げる周溝を形成してなる請求項1記載の搬送装置用フリクションローラ。
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