JP5292803B2 - セパレータ、燃料電池スタックおよび燃料電池スタックの製造方法 - Google Patents

セパレータ、燃料電池スタックおよび燃料電池スタックの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セパレータ、燃料電池スタックおよび燃料電池スタックの製造方法に関する。
燃料電池では、電解質膜の両面に電極を設けた膜電極接合体とセパレータを複数積層した積層体を、外部から保持して固定することで燃料電池スタックを形成する。この燃料電池スタックの発電性能を確保するためには、スタック面圧を全面にわたって均一に調整することで、スタックの電極領域における接触抵抗を均一化することが望ましい。そのための手段として、例えば、燃料電池スタックの締結荷重を、複数のばねを用いてそれぞれの電極領域毎に最適な荷重を付与する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−5169号公報
しかし、例えば燃料電池スタックの構成部材である金属セパレータは、製造時のプレス工程や接合工程での平面度のコントロールが困難であり、この金属セパレータ等の構成部品を積層して燃料電池スタックを製造すると、構成部品のうねりが残ってしまう。すなわち、金属セパレータをうねった状態で積層すると積層した部材間に摩擦力が発生し、擬似的に断面係数が増大するために締結荷重を付与しても平面に倣いにくく、結果としてうねった箇所で面圧が不均一となり、発電性能が低減する。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、セパレータの平面度を向上させて発電性能を向上できるセパレータ、燃料電池スタックおよび燃料電池スタックの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る燃料電池スタックは、膜電極接合体およびセパレータを積層した燃料電池スタックである。当該セパレータは、積層して締結荷重を付与する前の初期状態において、外周部およびマニホールドの縁部の少なくとも一部に、前記膜電極接合体と接する側へ90度を超えて屈曲した屈曲部、および前記屈曲部よりも端部側で突出した当接部を備える曲げ機構を有している。前記当接部が前記膜電極接合体と接するようにセパレータおよび膜電極接合体を積層した後、積層方向に締結荷重を付与し、前記膜電極接合体と接する前記当接部がセパレータの面に沿う内側に向うように前記曲げ機構を屈曲させて形成される。
上記目的を達成する本発明に係る燃料電池スタックの製造方法は、膜電極接合体およびセパレータを積層した燃料電池スタックの製造方法である。当該製造方法では、まず、積層して締結荷重を付与する前の初期状態において、外周部およびマニホールドの縁部の少なくとも一部に、前記膜電極接合体と接する側へ90度を超えて屈曲した屈曲部、および前記屈曲部よりも端部側で突出した当接部を備えた曲げ機構を有するセパレータを、前記当接部が前記膜電極接合体と接するように前記膜電極接合体とともに積層する。この後、前記積層した膜電極接合体および膜電極接合体に積層方向へ締結荷重を付与し、前記膜電極接合体と接する前記当接部がセパレータの面に沿う内側に向うように前記曲げ機構を屈曲させる。
上記のように構成した本発明に係るセパレータは、膜電極接合体と接する側へ90度を超えて屈曲した屈曲部と、屈曲部よりも端部側で突出した当接部とを備えた曲げ機構を有しているため、膜電極接合体とともに積層して締結荷重を付与することで、当接部が膜電極接合体と接しつつ内側方向へ向かって倒れる。これにより、セパレータが引き伸ばされてうねりが低減し、セパレータの平面度が向上して発電性能が向上する。
上記のように構成した本発明に係る燃料電池スタックは、膜電極接合体と接する側へ90度を超えて屈曲した屈曲部と、屈曲部よりも端部側で突出した当接部とを備えた曲げ機構を有するセパレータを膜電極接合体とともに積層して締結荷重を付与し、当接部がセパレータの面に沿う内側に向うように曲げ機構を屈曲させて形成される。これにより、燃料電池スタックのセパレータが引き伸ばされてうねりが低減し、セパレータの平面度が向上して発電性能が向上する。
上記のように構成した本発明に係る燃料電池スタックの製造方法は、膜電極接合体と接する側へ90度を超えて屈曲した屈曲部と、屈曲部よりも端部側で突出した当接部とを備えた曲げ機構を有するセパレータを膜電極接合体とともに積層して締結荷重を付与し、当接部がセパレータの面に沿う内側に向うように曲げ機構を屈曲させる。これにより、セパレータが引き伸ばされてうねりが低減し、セパレータの平面度が向上して発電性能が向上した燃料電池スタックを製造できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、理解を容易にするために、図面によっては各構成要素が誇張して示されている。
図1は、本発明に係るセパレータを用いた燃料電池スタックを示す側面図、図2は、同燃料電池を示す平面図、図3は、同燃料電池スタックの部分拡大断面図、図4は、同セパレータの1つを示す平面図、図5は、同セパレータの一部を示す部分拡大斜視図である。
本実施形態に係る燃料電池スタック1は、図1〜3に示すように、燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(酸素)との反応により起電力を生じる単セル2を所定数だけ積層されている。
積層された単セル2の両端には、集電板3およびエンドプレート4を配置し、締結手段5によってこれらを保持することにより燃料電池スタック1を構成する。締結手段5は、単セル2の積層方向に延在し、両エンドプレート4の側面にボルト6により締結される固定梁7であり、エンドプレート4の周囲に複数設けられる。なお、締結手段5はこの形態に限定されず、例えば単セル2の積層方向に延在する締結ボルトや、クランプ等を用いてもよい。
一方のエンドプレート4には、燃料電池スタック1内部において燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水のそれぞれを流通させるために、燃料ガス導入口8、燃料ガス排出口9、酸化剤ガス導入口10、酸化剤ガス排出口11、冷却水導入口12、および冷却水排出口13が形成されている。
単セル2は、図3に示すように、膜電極接合体19と、膜電極接合体19の両面のそれぞれに配置されるセパレータ20とを有している。
膜電極接合体19は、固体高分子電解質膜を、その両側から燃料極と空気極とによって挟み込んだ積層構造を有している。固体高分子電解質膜としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体膜などを使用することができる。燃料極および空気極のそれぞれは、触媒層およびガス拡散層を含んでいる。
セパレータ20は、流路溝を形成するために、凹凸形状を有している。膜電極接合体19の両面のそれぞれにセパレータ20を配置することにより、燃料ガスを流通させるための燃料ガス流路21、酸化剤ガスを流通させるための酸化剤ガス流路22、および冷却水を流通させるための冷却水流路23を形成している。セパレータ20は、本実施形態では金属製の基材をプレス成形することにより成形しており、例えばステンレス製である。したがって、セパレータ20の流路は、プレス成形により形成される。燃料ガスは、燃料ガス導入口8から導入され、セパレータ20の燃料ガス流路21を流れ、燃料ガス排出口9から排出される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス導入口10から導入され、セパレータ20の酸化剤ガス流路22を流れ、酸化剤ガス排出口11から排出される。冷却水は、冷却水導入口12から導入され、セパレータ20の冷却水流路23を流れ、冷却水排出口13から排出される。
セパレータ20には、燃料ガス導入口8、燃料ガス排出口9、酸化剤ガス導入口10、酸化剤ガス排出口11、冷却水導入口12、および冷却水排出口13に対応して、複数の導入マニホールド25aおよび排出マニホールド25b(導入マニホールド25aおよび排出マニホールド25bを総してマニホールド25と称する。)が設けられている。導入マニホールド25aおよび排出マニホールド25bは、流路21,22または23に連通する。セパレータ20は、これらのマニホールド25からそれぞれの流路21,22または23へ特定の媒体を流入、排出させるために、特定のマニホールド以外のマニホールド25の回りが、シール材24により封止されている。
セパレータ20の外周には、縁部に沿って複数の曲げ機構26が設けられる。曲げ機構26は、対向する辺にそれぞれ対向するように対となって配置されることが好ましい。本実施形態では、セパレータ20の長辺において互いに対向する2対の曲げ機構26と、短辺において互いに対向する1対の曲げ機構26が形成されている。
なお、曲げ機構26は上述の形態に限定されず、例えば、曲げ機構の数が異なる形態や、曲げ機構が対向しないで配置される形態や、曲げ機構が1つのみの形態や、または外周部全体にわたって曲げ機構を形成する形態であってもよい。また、曲げ機構を、マニホールド25の縁部に形成してもよい。すなわち、セパレータ20の縁部であれば、いずれに形成されてもよい。
次に、セパレータ20の曲げ機構26について詳述する。
積層して締結荷重を付与する前の初期状態におけるセパレータ20の曲げ機構26は、図4,5に示すように、膜電極接合体19と接する側へ90度を超えて屈曲する屈曲部27と、屈曲部27よりも端部側に突出した当接部28とを備えている。
屈曲部27は、90度を超えて屈曲することで、セパレータ20の法線方向よりもセパレータ20の面に沿う内側方向に向かって屈曲している。
当接部28は、荷重を付与する前の初期状態において膜電極接合体19と接する部位であり、屈曲部27よりも端部側をさらに屈曲させて形成される。なお、当接部28を屈曲させて形成することなく、最先端の縁部を当接部28とすることも可能である。
また、曲げ機構26は、屈曲部27に対してセパレータ20の面に沿う内側方向に、筋押し部29(折り曲げ部)を有している。筋押し部29は、膜電極接合体19と接する側と反対側の面に、セパレータ20の縁に沿って形成される。筋押し部29は、筋折りされることで曲げ剛性が周囲よりも低くなっており、力が作用する際に容易に屈曲される。なお、筋押し部29は、膜電極接合体19と接する側の面に形成してもよい。
シール材24は、セパレータ20および膜電極接合体19のそれぞれの間を密封するとともに、接合する機能を有している。シール材24は、本実施形態では熱硬化性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂には、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂または不飽和ポリエステル等が使用できる。
エンドプレート4は、絶縁材からなるが、セパレータ20および膜電極接合体19で構成される積層体14との間に他の絶縁部材が配置されれば、絶縁材でなくてもよい。
次に、本実施形態に係るセパレータ20の作用について説明する。
図6は、本実施形態に係るセパレータを圧縮装置に設置した際を示す平面図、図7は、同セパレータおよび膜電極接合体を積層した際を示す断面図、図8は、図7における曲げ機構近傍を拡大した部分断面図、図9は、積層したセパレータおよび膜電極接合体を圧縮する過程を示す断面図、図10は、図9における曲げ機構近傍を拡大した部分断面図、図11は、積層したセパレータおよび膜電極接合体の圧縮が終了した際を示す断面図、図12は、図11における曲げ機構近傍を拡大した部分断面図である。
燃料電池スタック1を製造するには、図6,7に示すように、圧縮装置30を使用する。圧縮装置30は、互いに相対的に近接離間可能であり、積層体14を挟んで押圧するための上側プレス板31および下側プレス板32とを備えている。
上側プレス板31は、セパレータ20に接する面がセパレータ20の面と略一致する形状を有しており、プレス装置に連結されて駆動される。下側プレス板32には、セパレータ20の曲げ機構26の位置に対応して、上側プレス板31に向かって垂直に延びる位置決め部33が固定されている。
セパレータ20は、積層する前に、互いに接する2つのセパレータ20がその間に冷却水流路23を形成するように接合(溶接)されている。なお、セパレータ20は、必ずしも接合されていなくてよい。このセパレータ20は金属製であり、プレス成形工程や接合工程において正確な平面度を実現することが困難であるため、少なからずうねった形状を有している。
この接合されたセパレータ20および膜電極接合体19を、図7,8に示すように、所定枚数だけ交互に積層する。この膜電極接合体19には、外周部およびマニホールド25の周り等の所定の位置にシール材24が塗布されているが、セパレータ20の当接部28が隣接する膜電極接合体19と接するため、シール材24は、膜電極接合体19と接触しない。すなわち、曲げ機構26によりセパレータ20と膜電極接合体19の間に所定の間隔が確保される。
この状態において、屈曲部27の、セパレータ20の面に沿う外側方向の最外端部Xが、セパレータ20と接する膜電極接合体19の端部よりも外側に位置する。したがって、セパレータ20は位置決め部33に接して中間ばめやしまりばめによって正確に位置決めされる。また、筋押し部29は、セパレータ20と接する膜電極接合体19の端部よりも内側に位置している。
次に、図9,10に示すように、上側プレス板31と下側プレス板32を近接させ、セパレータ20と膜電極接合体19を積層方向に締結荷重を付与して圧縮する。この際、屈曲部27がセパレータ20に沿う内側方向へ屈曲しているため、当接部28が内側方向へ向かうように屈曲変形する。このとき、曲げ剛性の低い筋押し部29が主に変形する。この屈曲変形によって、当接部28に内側方向へ向かう力が作用するとともに、当接部28と膜電極接合体19の間には摩擦力も作用するため、当接部28が内側方向へ滑りつつ、セパレータ20を外側方向へ引き伸ばす力が作用する。これにより、セパレータ20が引き伸ばされてうねりが徐々に低減する。このとき、セパレータ20の面は膜電極接合体19から離隔しているため、セパレータ20の面と膜電極接合体19の面の間で摩擦力が生じず、容易にセパレータ20が引き伸ばされる。また、曲げ機構26が、対向するように対となって配置されているため、セパレータ20が対向する方向へ良好に引き伸ばされる。
この後、図11,12に示すように、セパレータ20を外側方向へ引き伸ばしてうねりを低減させた状態でさらに締結荷重を付与して圧縮し、セパレータ20と膜電極接合体19のアクティブ領域Aを接触させる。このとき、セパレータ20は、シール材24とも接する。これにより、曲げ機構26の当接部28がセパレータ20に沿う内側方向へ倒れた形状となるが、当接部28の最先端がシール材24に接することなく、シール材24に干渉しない。すなわち、倒れ込んだ際に先端部がシール材24と所定の間隔を有して離隔するように、圧縮前の曲げ機構26の積層方向(セパレータの法線方向)の高さが設定されている。
また、屈曲変形の中心が筋押し部29であるため、屈曲部27および当接部28が、最終的に筋押し部29よりも内側に位置することとなる。さらに、この筋押し部29が膜電極接合体19の端部よりも内側に位置していることから、曲げ機構26の全体が、膜電極接合体19の端部よりも内側に位置する。したがって、セパレータ20が膜電極接合体19の端部よりも外側に突出せず、セパレータ20間の絶縁を良好に確保することができる。
次に、積層体14を上側プレス板31および下側プレス板32で加圧した状態のまま保持しつつ加熱し、熱硬化性樹脂であるシール材24を硬化させた後、上側プレス板31および下側プレス板32を離隔させて積層体14を取り出す。この後、必要な部位にシール部材を配しつつ両端に集電板3およびエンドプレート4を配置し、両エンドプレート4に固定梁7をボルト6で締結して、燃料電池スタック1が形成される。
セパレータの平面のうねりが大きい燃料電池においては、セパレータと膜電極接合体のアクティブ領域における接触面圧が不均一となるため、接触抵抗が不均一となり、燃料電池としての発電性能が低下する。また、セパレータの平面のうねりが過大となると、シール材24における圧縮面圧の不均一により、反応ガスの漏れの原因ともなりえる。面圧を制御するために、例えば複数の領域毎に異なる締結荷重を付与する方法もあるが、積層されたセパレータおよび膜電極接合体等の部材間に摩擦力が発生するため、擬似的に断面係数が増大し、締結荷重では平面に倣いにくい。したがって、この方法では面圧の不均一を確実に低減させることは困難である。また、セルの所定枚数(例えば10セル)毎に剛体プレートを挟みつつ積層することで、セパレータのたわみを低減することができるが、同時にスペース効率が悪くなり、発電容量が低下する。また、セパレータを平面に倣わすために位置決め治具等にしまりばめで嵌合しつつ積層する方法もあるが、この方法では、セパレータの端部がしまりばめにより変形し、シール材と対峙する面が平面でなくなる等の不具合が生じる。また、セパレータをクランプにより引っ張りつつ積層する方法もあるが、この方法では、セパレータにクランプする部位を設ける必要があり、アクティブ領域の比率が低下し、また製造設備の規模が大きくなってしまう。
しかし、本実施形態に係るセパレータ20によれば、セパレータ20の平面のうねりを低減させて積層することができるため、セパレータ20と膜電極接合体19のアクティブ領域Aにおける接触面圧をより均一化し、発電性能を向上させることができる。また、シール材24における圧縮面圧もより均一化でき、セパレータ20のシール材24と対峙する面も平面で保たれるため、反応ガスの漏れの発生をより確実に抑制できる。
また、セパレータ20の端部に曲げ機構26を設けるだけで、積層の際の圧縮荷重によりセパレータ20のうねりを矯正できるため、面圧を制御するための追加的な構造等を燃料電池スタック1に設ける必要がなく、また従来の設備を使用できる。したがって、燃料電池スタック1のスペース効率およびアクティブエリア比率が向上して発電容量を向上でき、設備費の負担も抑えることができる。
また、セパレータ20と膜電極接合体19を積層した初期状態において、曲げ機構26が膜電極接合体19よりも突出し、かつ曲げ機構26が設けられることでセパレータ外周部の剛性が向上するため、曲げ機構26と位置決め部33の間で中間ばめやしまりばめによって位置決めを行うことができる。これにより、セパレータ20が最適な位置に位置決めされるため、流路溝を構成する凹凸形状の位置精度を向上できる。さらに、セパレータ20が圧縮されてうねりが解消されつつ引き伸ばされると、曲げ機構26のセパレータ20の面に沿う外側方向の最外端部Xが位置決め部33に押し付けられるため、セパレータ20が最適な位置にセルフアライメントされる。これにより、セパレータ20を最適な位置に移動させるために外部から力を作用させる必要がなく、位置決め時のセパレータ20の破損を抑制できる。
また、圧縮装置30により圧縮する前の初期状態において、筋押し部29が膜電極接合体19よりも内側に位置し、かつ屈曲部27が膜電極接合体19よりも外側に突出しているため、初期状態でセパレータ20を位置決めした後、圧縮した最終的な状態において、セパレータ20が膜電極接合体19の端部よりも内側に収納される。したがって、セパレータ20の位置決めとセパレータ20間の絶縁を、同時に実現できる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、シール材が、硬化させるための加熱が不要な材質であれば、上述した加熱する工程は不要となる。また、積層したセパレータ20および膜電極接合体19を圧縮する工程では、1つの燃料電池スタック1を構成する全てのセパレータ20および膜電極接合体19を一度に圧縮するのではなく、複数回に分けて行うこともできる。また、圧縮の際に、積層したセパレータ20および膜電極接合体19の両側に集電板3およびエンドプレート4を配置し、集電板3およびエンドプレート4とともに圧縮することもできる。また、セパレータ20は、適当な導電性、強度および耐食性を有するように、カーボン材およびバインダー樹脂を有する混合物から形成されてもよい。
本発明に係るセパレータを用いた燃料電池スタックを示す側面図である。 同燃料電池を示す平面図である。 同燃料電池スタックの部分拡大断面図である。 同セパレータの1つを示す平面図である。 同セパレータの一部を示す部分拡大斜視図である。 本実施形態に係るセパレータを圧縮装置に設置した際を示す平面図である。 同セパレータおよび膜電極接合体を積層した際を示す断面図である。 図7における曲げ機構近傍を拡大した部分断面図である。 積層したセパレータおよび膜電極接合体を圧縮する過程を示す断面図である。 図9における曲げ機構近傍を拡大した部分断面図である。 積層したセパレータおよび膜電極接合体の圧縮が終了した際を示す断面図である。 図11における曲げ機構近傍を拡大した部分断面図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック、
2 単セル、
5 締結手段、
19 膜電極接合体、
20 セパレータ、
24 シール材、
25 マニホールド、
26 曲げ機構、
27 屈曲部、
28 当接部、
29 筋押し部(折り返し部)、
30 圧縮装置、
33 位置決め部、
A アクティブ領域、
X 最外端部。

Claims (14)

  1. 膜電極接合体およびセパレータを積層した燃料電池スタックであって、
    前記セパレータは、積層して締結荷重を付与する前の初期状態において、外周部およびマニホールドの縁部の少なくとも一部に、前記膜電極接合体と接する側へ90度を超えて屈曲した屈曲部、および前記屈曲部よりも端部側で突出した当接部を備える曲げ機構を有し、
    前記当接部が前記膜電極接合体と接するようにセパレータおよび膜電極接合体を積層した後、積層方向に締結荷重を付与して前記膜電極接合体と接する前記当接部がセパレータの面に沿う内側に向うように前記曲げ機構を屈曲させた燃料電池スタック。
  2. 前記曲げ機構の初期状態におけるセパレータの法線方向の高さは、前記セパレータが前記膜電極接合体と前記当接部のみで接するように設定される請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記曲げ機構の先端部が、前記膜電極接合体およびセパレータの間に介在されるシール材に対し、所定の間隔を有して離隔した請求項1または2に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記曲げ機構は、前記屈曲部のセパレータの面に沿う内側に、曲げ剛性が周囲よりも低い折り曲げ部を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記折り曲げ部は、前記セパレータと接する膜電極接合体の端部よりもセパレータの面に沿う内側に位置する請求項4に記載の燃料電池スタック。
  6. 前記初期状態における前記屈曲部のセパレータの面に沿う外側方向の最外端部が、当該セパレータと接する膜電極接合体の端部よりも外側に位置する請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  7. 前記曲げ機構が、前記セパレータの対向する両縁部に対となって設けられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
  8. 膜電極接合体およびセパレータを積層した燃料電池スタックの製造方法であって、
    積層して締結荷重を付与する前の初期状態において、外周部およびマニホールドの縁部の少なくとも一部に、前記膜電極接合体と接する側へ90度を超えて屈曲した屈曲部、および前記屈曲部よりも端部側で突出した当接部を備えた曲げ機構を有するセパレータを、前記当接部が前記膜電極接合体と接するように前記膜電極接合体とともに積層した後、前記積層した膜電極接合体および膜電極接合体に積層方向へ締結荷重を付与し、前記膜電極接合体と接する前記当接部がセパレータの面に沿う内側に向うように前記曲げ機構を屈曲させる燃料電池スタックの製造方法。
  9. 前記曲げ機構の初期状態におけるセパレータの法線方向の高さを、前記セパレータが前記膜電極接合体と前記当接部のみで接するように設定する請求項8に記載の燃料電池スタックの製造方法。
  10. 前記曲げ機構の前記当接部の最先端の初期状態におけるセパレータの法線方向の高さを、積層方向に締結荷重が付与されて曲げ機構が変形した際に、膜電極接合体およびセパレータの間に介在されるシール材に達する長さよりも低く設定する請求項8または9に記載の燃料電池スタックの製造方法。
  11. 前記曲げ機構を、前記屈曲部のセパレータの面に沿う内側に設けられる、曲げ剛性が周囲よりも低い折り曲げ部において屈曲させる請求項8〜10のいずれか1項に記載の燃料電池スタックの製造方法。
  12. 前記セパレータおよび膜電極接合体を、前記折り曲げ部が前記セパレータと接する膜電極接合体の端部よりもセパレータの面に沿う内側に位置するように積層する請求項11に記載の燃料電池スタックの製造方法。
  13. 前記初期状態において、前記屈曲部のセパレータの面に沿う外側方向の最外端部を、当該セパレータと接する膜電極接合体の端部よりも外側に位置させる請求項8〜12のいずれか1項に記載の燃料電池スタックの製造方法。
  14. 前記曲げ機構を、セパレータの対向する両縁部に対となって設ける請求項8〜13のいずれか1項に記載の燃料電池スタックの製造方法。
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