JP5292751B2 - 燃料電池用セパレータ、その製造方法およびそれを備えた燃料電池 - Google Patents
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Description
電解質膜1をその両面に常法により電極触媒層2、3を接合・積層して膜電極結合体12が形成される。
図3および図4に示したように、従来の固体高分子型燃料電池(PEFC)の単セル11は、固体高分子電解質膜1(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)をそれぞれカーボンブラック粒子に触媒物質[主として白金(Pt)あるいは白金族金属(Ru、Rh、Pd、Os、Ir)]を担持した空気極側触媒層2と燃料極側触媒層3とで挟持したセルの空気極側触媒層2と燃料極側触媒層3とをそれぞれ空気極側ガス拡散層4と燃料極側ガス拡散層5で挟持して空気極6および燃料極7を構成した膜 電極接合体12を備えている。
そして、空気極側ガス拡散層4と燃料極側ガス拡散層5に面して反応ガス流通用の凹状溝(ガス流路)8を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる一組のセパレータ10により挟持して単セル11が構成される。
そして、空気などの酸化剤を空気極6に供給し、水素を含む燃料ガスもしくは有機物燃料を燃料極7に供給して発電するようになっている。
燃料極側:2H2 →4H+ +4e- 式(1)
空気極側:O2 +4H+ +4e- →2H2 O 式(2)
燃料極側では水素分子(H2)の酸化反応が起こり、空気極側では酸素分子(O2)の還元反応が起こることで、燃料極7側で生成されたH+ イオンは固体高分子電解質膜1中を空気極6側に向かって移動し、e-(電子)は外部の負荷を通って空気極6側に移動する。
一方、空気極6側では酸化剤ガスに含まれる酸素と、燃料極7側から移動してきたH+イオンおよびe-とが反応して水が生成される。かくして、固体高分子形燃料電池は、水素と酸素から直流電流を発生し、水を生成することになる。
また、空気極6に対向するセパレータ10表面には、酸化剤ガスを流通させるための凹溝状の酸化剤ガス流路8が設けられている。
燃料極側反応:CH3 OH+H2 O→CO2 +6H+ +6e- 式(3)
空気極側反応:6H+ +(3/2)O2 +6e- →3H2 O 式(4)
全反応: CH3 OH+(3/2)O2 →CO2 +2H2 O 式(5)
この際、蟻酸等の中間生成物も微量発生する。
必要な電力により、スタック枚数は異なり、一般的に携帯電気機器のポータブル電源では数枚から10枚程度、コジェネレーション用定置型電気および温水供給機では60〜90枚程度、自動車用途では250〜400枚程度といわれている。
高出力化のためにはスタック枚数の増大は必然的であり、単位電池セル11の厚みやコストが燃料電池本体のサイズや価格に大きく影響することになる。
また、セパレータ10が導電性を有する場合、MEA12において触媒反応により発生した電子を、外部回路へ供給するための供給路としての役割を担わせることも出来る。
例えば、水素を燃料ガスとする固体高分子型燃料電池では、その内部は70〜80℃のpH=1〜2の硫酸雰囲気と同等といわれており、直接メタノール型の場合は中間生成物である蟻酸を含んだメタノール雰囲気となる。
また、発生した電力を効率良く取り出すためにセパレータ10には高い導電性が必要である。導電性を低下させる要因としては、セパレータ10の構成物質自体の体積固有抵抗やガス拡散層4、5(カーボンペーパーやカーボンクロスにより構成される)とセパレータ10との接触抵抗などが挙げられるが、一般的にガス拡散層4、5とセパレータ10の接触抵抗が高く、問題となる。
しかし、カーボンセパレータ10は、脆いため機械的な衝撃、振動に弱く、またカーボンセパレータを作製するためには数mm程度の厚さの黒鉛板が必要であり、薄型化が困難である。
しかし、このようにして得られるセパレータも強度に乏しく、強度維持のために、最低でも1〜2mm程度の厚さが必要となり、燃料電池の薄型化の障害となっている。
しかし、金属製のセパレータは、一般に耐食性が低いという欠点がある。
しかしながら、導電性介在物を介した場合、導電性介在物が脱落する可能性が考えられ、また、金めっきのピンホールに関しては、金属基材として比較的に耐食性の高いステンレス系金属を用いることで対応しているが、ステンレス系金属の耐食性も十分とはいえない。また、ピンホールを低減させるために高価な金めっきをμmオーダーの厚さ施す必要があり、セパレータの低価格化の障害となっている。
また、前記セパレータの表面の少なくとも前記拡散層との接触面に、触媒反応により炭化水素ガスから分解析出して成長させたカーボン層を成長させる方法がある(特許文献6参照)が、400℃程度の高温のガス雰囲気下での加工が必要であることや金属触媒(例えばニッケル)が必要なことなど、その加工が容易でない。また、触媒として用いた金属(例えばニッケル)成分の溶出による電池性能の低下が懸念される。
本発明の第1の目的は、耐食性と機械的強度などを充分に有すると同時にガス拡散層とセパレータとの間の接触抵抗を低減するとともに薄型化を可能にした、安価な導電性に優れた燃料電池用セパレータを提供することであり、
本発明の第2の目的は、そのような燃料電池用セパレータを容易に低コストで製造する方法を提供することであり、
本発明の第3の目的は、そのような燃料電池用セパレータを備えた小型で安価であり、かつ安定して連続発電可能な信頼性の高い燃料電池を提供することである。
前記導電性耐食皮膜の一部をガス拡散層中に浸透させてガス拡散層と一体化させることで前記金属基板とガス拡散層とが前記導電性耐食皮膜を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されていることを特徴とする燃料電池用セパレータである。
前記導電性フィラーが、繊維状および/または粉体状導電性フィラーであることを特徴とする。
前記導電性フィラーがカーボン粉体、カーボンファイバー、金属炭化物、金属窒化物、金属珪化物および耐食性金属からなる群から選択されて成ることを特徴とする。
前記導電性耐食皮膜の厚さが10〜50μmであることを特徴とする。
前記金属基板が、純鉄または鉄合金、純銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる群から選択される少なくとも1つから成ることを特徴とする。
(1)前記金属基板に導電性フィラーおよび樹脂成分を含む導電性耐食皮膜形成用溶液を塗布する工程。
(2)前記導電性耐食皮膜形成用溶液が塗布された金属基板の前記導電性耐食皮膜形成用溶液塗布側にガス拡散層を接触させて配置する工程。
(3)熱処理して乾燥・安定化させて導電性耐食皮膜を形成する際に、前記導電性耐食皮膜形成用溶液の一部をガス拡散層中に浸透させ、形成された前記導電性耐食皮膜の一部をガス拡散層と一体化させることで前記金属基板とガス拡散層とを前記導電性耐食皮膜を介して強固に積層するとともに電気的に接続する工程。
前記導電性耐食皮膜の一部をガス拡散層中に浸透させてガス拡散層と一体化させることで前記金属基板とガス拡散層とが前記導電性耐食皮膜を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されていることを特徴とするものであり、
金属基板とガス拡散層とが導電性耐食皮膜を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されているので、ガス拡散層とセパレータの接触抵抗を大幅に低減して導電性を高めることができるとともに、金属基板を用いるために高い機械的強度を有し、堅牢性を維持したまま、薄型化および軽量化が可能となり、一方、導電性耐食皮膜を介しているため金属基板を用いた時に懸念される酸化皮膜成長による導電性の低下を招くことなく、高い耐食性を確保したまま、高い導電性を維 持できるという顕著な効果を奏する。
前記導電性フィラーが、繊維状および/または粉体状導電性フィラーであることを特徴とするものであり、
繊維状導電性フィラーあるいはさらに粉体状導電性フィラーはそれ自体が導電性に優れるとともに導電性耐食皮膜表面より突出して形成され易く、導電性耐食皮膜を介してガス拡散層および金属基板を積層すると、ガス拡散層とセパレータの接触抵抗を低減でき、また粉体状導電性フィラーは導電性耐食皮膜自体の導電性の向上に寄与するというさらなる顕著な効果を奏する。
前記導電性フィラーがカーボン粉体、カーボンファイバー、金属炭化物、金属窒化物、金属珪化物および耐食性金属からなる群から選択されて成ることを特徴とするものであり、
入手も容易である上、耐食性、導電性、価格の点でも好ましいというさらなる顕著な効果を奏する。
前記導電性耐食皮膜の厚さが10〜50μmであることを特徴とするものであり、
導電性耐食皮膜の耐食性や機械的強度を考慮すると10μm以上必要であり、電気抵抗や薄型化を考慮すると50μm以下であることが好ましいため、10〜50μmの範囲内であると、耐食性や機械的強度を維持しつつ、電気抵抗を低減し、薄型化を達成できるというさらなる顕著な効果を奏する。
前記金属基板が、純鉄または鉄合金、純銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる群から選択される少なくとも1つから成ることを特徴とするものであり、
これらの金属は安価で比重が小さいので用途に応じて選択して使用すれば耐食性や機械的強度を維持しつつ、電気抵抗を低減し、薄型化および低価格化を達成できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の燃料電池用セパレータを容易に低コストで製造することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の燃料電池用セパレータを用いた膜電極結合体を備えた構成を有するので、小型で安価であり、かつ安定して連続発電可能であり信頼性が高いという顕著な効果を奏する。
図1は、本発明の燃料電池用セパレータの要部断面を模式的に示す説明図である。
図1に示したように、本発明の燃料電池用セパレータ20は、反応ガスをガス拡散層21を経て図示しない電極に供給するための凹状溝(ガス流路)22を有する金属基板23の両面24上に、導電性耐食皮膜25が形成されている。
金属基板23とガス拡散層21とは導電性耐食皮膜25を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されている。
図1に示した26の部分は一体化部分を示す。
この工程では、ガス拡散層21と導電性耐食皮膜25との接触が確保されていればよく、例えば熱プレス加工のよう外圧による押し込み加工などは必要としない。
本発明の燃料電池用セパレータ20は、金属基板23とガス拡散層21とが導電性耐食皮膜25を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されているので、ガス拡散層21とセパレータ20の接触抵抗を大幅に低減して導電性を高めることができるとともに、金属基板23を用いるために高い機械的強度を有し、堅牢性を維持したまま、薄型化および軽量化が可能となり、一方、導電性耐食皮膜25を介しているため金属基板23を用いた時に懸念される酸化皮膜成長による導電性の低下を招くことなく、高い耐食性を確保したまま、高い導電性が維持される。
本発明の燃料電池用セパレータに用いる金属基板としては、例えば、純鉄材や銅合金材、アルミウムやアルニウム合金材など充分に機械的強度を有し、比較的安価な材料を使用することができる。金属基板はその用途により選択することができ、携帯電気機器など軽量化が必要なものには比重の軽いアルミニウムおよびアルミニウム合金を利用することが好ましい。
これらの樹脂の質量平均分子量などで表される分子量はウエットコーテイングなど加工性に支障を来さない限り機械的強度を考慮すると大きい方が好ましく、1万〜1000万、さらに好ましくは2万〜500万である。
繊維状導電性フィラーとしては、具体的には、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどから選ばれる1種あるいは2種以上の繊維状カーボンを挙げることができる。
カーボン繊維としては、高い導電性を確保するために抵抗が0.015Ω・cm以下であることが好ましい。
カーボン繊維の平均長さが5〜100μmの範囲内であると、高い導電性を確保できる上、取り扱い性に優れる。
粉体状導電性フィラーとしては、十分な導電性を有し、発電環境下で十分な耐食性を有するものであれば特に制限はなく、具体的には、例えば、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック等のカーボン粉体、WC、TiCなどの金属炭化物、TiN、TaNなどの金属窒化物、TiSi,ZrMoSiなどの金属珪化物およびAg,Auなどの耐食性金属などから選ばれた1種ないし2種以上の混合物を挙げることができる。粉体状導電性フィラーとしては、高い導電性を確保するために粉体抵抗が0.015Ω・cm以下、単体の比抵抗が1mΩ・cm以下であることが好ましい。
まず、金属基板に導電性耐食皮膜を形成する。上述した貫通孔あるいは凹状溝の加工法がウェットエッチング法、切削法、ブラスト法あるいは放電加工などであれば金属基板上への導電性耐食皮膜形成前に形状加工を施す必要がある。貫通孔あるいは凹状溝の加工法がプレス法であれば形状加工により導電性耐食皮膜が除去されることがないため、形状加工の順番は導電性耐食皮膜形成の前後どちらでも構わない。
導電性耐食皮膜の厚さが厚すぎると導電性が低下しすぎる恐れがあり、薄すぎるとピンホールの発生や機械的強度や耐食性が低下する恐れがあるので、耐食性や機械低強度や電気抵抗や薄型化を考慮すると10〜50μmであることが好ましい。導電性樹脂溶液の固形分濃度は前記導電性耐食皮膜の厚が前記範囲内となるよう選択することが好ましい。
導電性フィラーの比率が25vol%未満では十分な導電性を得ることが難しく、また、十分な耐食性と機械的特性を得るためには樹脂成分が50vol%以上であることが好ましい。
また、電極触媒層はガス拡散層−セパレータ一体化を行う以前にガス拡散層の導電性耐食皮膜と接触する側とは反対の面に予め形成しておくことも出来る。その場合、熱プレスなどによるMEA形成時にはセパレータまで含んだ単電極セルの形成が可能となる。
また、電解質膜に電極触媒層を転写して形成したMEAを用いることも可能である。
また、スタックが必要な場合は必要枚数をスタックした状態で一括形成が可能となる。
まず、金属基材として1mm厚のアルミニウム板(JIS:AL1050)を100mm角に断裁し、その後表面処理液(アデカ製C−74011wt%溶液)を用い、常温にて40秒浸漬後、純水にて洗浄を行い、水分を乾燥した。
次に、以下の構成比の導電性樹脂溶液をバーコーターによりまず片面をウエットコーティングした。次いで40mm角のカーボンペーパー(ガス拡散層)をコーティング直後の導電性樹脂溶液を塗布した上に乗せ、そのままオーブン中にて80℃10分の乾燥を行った。
次に、導電性樹脂溶液をコーティングした面と反対側の表面にバーコーターにより導電性樹脂溶液をウエットコーティングした。
次いで40mm角のカーボンペーパー(ガス拡散層)をコーティング直後の導電性樹脂溶液を塗布した上に裏面のカーボンペーパーの位置と合致するように乗せ、そのままオーブン中にて80℃10分の乾燥を行った。さらに同基板をオーブン中にて160℃60分加熱することにより確実に溶媒分の除去を行って、金属基板の導電性耐食皮膜の表裏の所定の位置に40mm角のカーボンペーパー(ガス拡散層)が強固に積層され電気的に接続されたサンプルを形成した。
樹脂 PVDF(ダイキン製)2.6質量%
導電性フィラー:アセチレンブラック0.5質量%
カーボンナノファイバー(VGCF−S、昭和電工製)0.5質量%
溶媒:DMF 96.4質量%
* 樹脂:導電性フィラー(vol比)=72.2:27.8
上記実施例1のサンプルを10mm角に断裁して、抵抗値の測定を行った。抵抗値は測定時の測定物にかかる圧力により変化するため、測定は0.5〜5MPa程度まで安定に加圧出来るような測定治具を作製し行った。
抵抗測定は測定治具を用いJIS7194に準じて4探針法にて行った。
抵抗値の測定結果を図2に示す。
実施例1と同様にして、金属基材として1mm厚のアルミニウム板(JIS:AL1050)を100mm角に断裁し、その後表面処理液(アデカ製C−74011wt%溶液)を用い、常温にて40秒浸漬後、純水にて洗浄を行い、水分を乾燥した。
次に、前記構成比の導電性樹脂溶液をバーコーターによりまず片面をウエットコーティングした。導電性樹脂溶液コーティング後のアルミニウム板は、そのままオーブン中にて80℃10分の乾燥を行った。
次に、導電性樹脂溶液をコーティングした面と反対側の表面にバーコーターにより導電性樹脂溶液をウエットコーティングした。そのままオーブン中にて80℃10分の乾燥を行った。さらに同基板をオーブン中にて160℃60分加熱することにより確実に溶媒分の除去を行い導電性耐食皮膜を形成した。
上記比較例1のサンプルを10mm角に断裁し、次いで10mm角にカットしたカーボンペーパー(ガス拡散層)を導電性耐食皮膜の表裏に配し、測定治具で挟み込むようにして、実施例1と同様にして抵抗値の測定を行った。
抵抗値の測定結果を図2に示す。
導電性耐食皮膜を形成した金属基材の替わりに、厚さ19mmのグラファイトプレートを用いた。
グラファイトプレートに10mm角にカットしたカーボンペーパー(ガス拡散層)を配し、測定治具で挟み込むようにして、実施例1と同様にして抵抗値の測定を行った。
抵抗値の測定結果を図2に示す。
それに対して、比較例1の抵抗値は15〜8mΩと大きい。実施例1は比較例1と比べて1/5程度に抵抗値を抑えることが出来たことが判る。
本発明の燃料電池用セパレータ20のガス拡散層21が形成される面を内側にして向かい合わせにして配置し、その間に図3、4に示すような固体高分子電解質膜1(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)の両面にそれぞれカーボンブラック粒子に触媒物質[主として白金(Pt)あるいは白金族金属(Ru、Rh、Pd、Os、Ir)]を担持した電極触媒層2、3を接合・積層して形成された膜電極結合体12を挟み込んで空気極6および燃料極7を形成するように組み立てた構成を備えた燃料電池の単セル11を構成した。
そして、空気を空気極6に供給し、メタノールを燃料極7に供給して発電を行った結果、良好な発電を行うことができた。
前記導電性耐食皮膜の一部をガス拡散層中に浸透させてガス拡散層と一体化させることで前記金属基板とガス拡散層とが前記導電性耐食皮膜を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されていることを特徴とするものであり、
金属基板とガス拡散層とが導電性耐食皮膜を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されているので、ガス拡散層とセパレータの接触抵抗を大幅に低減して導電性を高めることができるとともに、金属基板を用いるために高い機械的強度を有し、堅牢性を維持したまま、薄型化および軽量化が可能となり、一方、導電性耐食皮膜を介しているため金属基板を用いた時に懸念される酸化皮膜成長による導電性の低下を招くことなく、高い耐食性を確保したまま、高い導電性を維持できるという顕著な効果を奏し、
本発明の燃料電池用セパレータを用いた膜電極結合体を備えた構成を有する燃料電池は、小型で安価であり、かつ安定して連続発電可能であり信頼性が高いという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
2 空気極側電極触媒層
3 燃料極側電極触媒層
4 空気極側ガス拡散層
5 燃料極側ガス拡散層
6 空気極
7 燃料極
8 ガス流路
9 冷却水流路
10、20 セパレータ
11 単セル
12 膜電極結合体
21 ガス拡散層
22 凹状溝(ガス流路)
23 金属基板
24 面
25 導電性耐食皮膜
26 一体部分
Claims (7)
- 反応ガスをガス拡散層を経て電極に供給するための貫通孔あるいは凹状溝を有する金属基板の少なくとも一方の面上に、導電性フィラーを含有する導電性樹脂により形成された導電性耐食皮膜が形成された燃料電池用セパレータにおいて、
前記導電性耐食皮膜の一部をガス拡散層中に浸透させてガス拡散層と一体化させることで前記金属基板とガス拡散層とが前記導電性耐食皮膜を介して強固に積層されるとともに電気的に接続されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 前記導電性フィラーが、繊維状および/または粉体状導電性フィラーであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記導電性フィラーがカーボン粉体、カーボンファイバー、金属炭化物、金属窒化物、金属珪化物および耐食性金属からなる群から選択されて成ることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記導電性耐食皮膜の厚さが10〜50μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記金属基板が、純鉄または鉄合金、純銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる群から選択される少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法において、少なくとも下記(1)〜(3)の工程により製造することを特徴とする燃料電池セパレータ製造方法。
(1)前記金属基板に導電性フィラーおよび樹脂成分を含む導電性耐食皮膜形成用溶液を塗布する工程。
(2)前記導電性耐食皮膜形成用溶液が塗布された金属基板の前記導電性耐食皮膜形成用溶液塗布側にガス拡散層を接触させて配置する工程。
(3)熱処理して乾燥・安定化させて導電性耐食皮膜を形成する際に、前記導電性耐食皮膜形成用溶液の一部をガス拡散層中に浸透させ、形成された前記導電性耐食皮膜の一部をガス拡散層と一体化させることで前記金属基板とガス拡散層とを前記導電性耐食皮膜を介して強固に積層するとともに電気的に接続する工程。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータを、ガス拡散層が形成される面を内側にして向かい合わせにして配置し、その間に電解質膜の両面に電極触媒層を接合・積層して形成された膜電極結合体を挟み込んで組み立てられた構成を備えたことを特徴とする燃料電池。
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