JP5233208B2 - 架橋高分子電解質膜 - Google Patents
架橋高分子電解質膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5233208B2 JP5233208B2 JP2007224222A JP2007224222A JP5233208B2 JP 5233208 B2 JP5233208 B2 JP 5233208B2 JP 2007224222 A JP2007224222 A JP 2007224222A JP 2007224222 A JP2007224222 A JP 2007224222A JP 5233208 B2 JP5233208 B2 JP 5233208B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrolyte membrane
- cross
- proton
- polymer electrolyte
- crosslinking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- DOMBBFBDIIXIKP-UHFFFAOYSA-N Cc1cc(Cc(cc2CO)cc(C)c2O)cc(CO)c1O Chemical compound Cc1cc(Cc(cc2CO)cc(C)c2O)cc(CO)c1O DOMBBFBDIIXIKP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- WVSOJSQQFNRKEF-UHFFFAOYSA-N OCc(c(Cc1ccccc1)c1)c(Cc2cc(O)cc(Cc3ccccc3)c2CO)cc1O Chemical compound OCc(c(Cc1ccccc1)c1)c(Cc2cc(O)cc(Cc3ccccc3)c2CO)cc1O WVSOJSQQFNRKEF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- ISWSIDIOOBJBQZ-UHFFFAOYSA-N Oc1ccccc1 Chemical compound Oc1ccccc1 ISWSIDIOOBJBQZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Description
上記の燃料電池のうちPEFCは、他の燃料電池と異なり、作動温度が低く、出力密度が高いため、車載用電源や家庭据置用電源などへの使用が期待されている。また、上記の燃料電池のうち、DMFCは、他の燃料電池と異なり、ガスの改質器が不要となり、セルの大幅な軽量化、コンパクト化が可能になるため、携帯機器への使用が期待されている。
炭化水素系のプロトン伝導性電解質膜に高いプロトン伝導性を付与する方法として、炭化水素系のプロトン伝導性電解質膜の基材となる高分子をスルホン化させる手法がこれまで提案されてきた(特許文献1参照)。
このような電解質膜については、スルホン化率を高め、電解質膜の水素イオン交換容量を高めることによりプロトン伝導性を向上させる検討がこれまでなされてきた。しかしながら電解質膜の水素イオン交換容量を向上させた場合、電解質膜の水溶性が高くなり、耐水性が低下することが知られている。このため高いプロトン伝導性を示し、かつ高い耐水性を有する電解質膜が求められてきた。
しかしながら、この架橋電解質膜は、架橋反応が、基材となるプロトン伝導性高分子に結合しているスルホン基を介して進行するため、架橋密度を向上させると、架橋電解質膜の水素イオン交換容量が低下するために、架橋電解質膜のプロトン伝導度が低下するという問題点があった。
分子内に少なくとも2つ以上のメチロール基を有し、かつそのメチロール基のすべてが芳香環と結合している化合物である架橋剤または分子内に下記の式(1)、または、下記の式(2)からなる構造単位を少なくとも2つ以上有する化合物である架橋剤または両者を組み合わせた架橋剤とをスルホン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を主成分として形成されてなることを特徴とする架橋高分子電解質膜である。
分子内に少なくとも2つ以上のメチロール基を有し、かつそのメチロール基のすべてが芳香環と結合している化合物である架橋剤または分子内に下記の式(1)、または、下記の式(2)からなる構造単位を少なくとも2つ以上有する化合物である架橋剤または両者を組み合わせた架橋剤とをスルホン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を主成分として形成されてなることを特徴とする架橋高分子電解質膜であり、
プロトン伝導性高分子の水素イオン交換容量を向上させると、水やアルコールに対する溶解性が高くなり、プロトン伝導性膜を燃料電池の電解質膜として使用した場合、燃料電池運転時に発生する水によってプロトン伝導性高分子が溶解することが懸念されるが、架橋剤を用いて芳香族系高分子からなるプロトン伝導性高分子を、スルホン酸基を介さずに架橋させるので、その結果、プロトン伝導性高分子の高い水素イオン交換容量を低下させることなく、高いプロトン伝導性を示し、かつ水に対する溶解性を低下させた、耐水性の大きい架橋高分子電解質膜を提供できるという顕著な効果を奏する。
また、分子骨格内に芳香環を有する芳香族系高分子は架橋剤との反応性が高く前記プロトン伝導性高分子をスルホン酸基を介さずに架橋させる化学反応が好ましく進行するという顕著な効果を奏する。
これにより様々な水素イオン交換容量のプロトン伝導性高分子材料の中から適切な基材を選択することができ、また、高い水素イオン交換容量のプロトン伝導性高分子を選択すれば水やアルコール系の溶媒に溶解または分散させることができるため、溶解または分散させる溶媒の選択肢を増やすことができるという顕著な効果を奏する。
電極触媒層を架橋高分子電解質膜の両面に強固に接合して成るので、高いプロトン伝導性および耐水性を有し、燃料電池に用いた際に運転時に使用する高温高湿の水蒸気や、運転時にカソードで発生する水分の影響による電解質膜の劣化を抑制でき、燃料電池の長時間運転時における高い発電特性および発電安定性を確保でき信頼性が向上するという効果を奏する。前記電極触媒層が、少なくとも反応触媒、導電剤、および、プロトン酸基を有する架橋していないプロトン伝導性高分子を主成分として形成される場合は、プロトン伝導性高分子として高いプロトン伝導性を有するとともに、架橋しなくても十分高い耐水性を有するプロトン伝導性高分子を選択することが好ましい。
膜と電極触媒層が同様な架橋反応により架橋すると同時に接合するため、電極に含まれる架橋高分子が架橋高分子電解質膜の両面に強固に接合するので、より高いプロトン伝導性および耐水性を有し、燃料電池に用いた際に運転時に使用する高温高湿の水蒸気や、運転時にカソードで発生する水分の影響による電解質膜の劣化を抑制でき、燃料電池の長時間運転時における高い発電特性および発電安定性を確保でき信頼性が向上するというさらなる効果を奏する。
架橋高分子電解質膜と電極触媒層を接合させて膜・電極接合体を作製する場合に、電解質膜と電極触媒層に同じ架橋反応をする成分を用いて、電解質膜と電極触媒層の接合時に圧力および熱により架橋反応を進行させることにより、電解質膜と電極触媒層が強固に接合性した膜・電極接合体が得られるので、高いプロトン伝導性および耐水性を有し、燃料電池に用いた際に運転時に使用する高温高湿の水蒸気や、運転時にカソードで発生する水分の影響による電解質膜の劣化を抑制でき、燃料電池の長時間運転時における高い発電特性および発電安定性を確保でき信頼性が向上するという効果を奏する。
分子内に少なくとも2つ以上のメチロール基を有し、かつそのメチロール基のすべてが芳香環と結合している化合物である架橋剤または分子内に前記の式(1)、または、前記の式(2)からなる構造単位を少なくとも2つ以上有する化合物である架橋剤または両者を組み合わせた架橋剤とをスルホン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を主成分として形成されてなることを特徴とするものである。
図1に示した架橋高分子100は、スルホン酸基(ハ)を有するプロトン伝導性ポリエーテルエーテルケトン(イ)と、1分子内に2つのメチロール基を有する架橋剤としてのp−キシリレングリコール(ロ)を混合して加熱処理して架橋反応(脱水縮合、架橋)を進めて得られる架橋高分子であって、複数分子のプロトン伝導性ポリエーテルエーテルケトン(イ)のスルホン酸基(ハ)以外の芳香環の部分がそれぞれp−キシリレングリコール残基(ロ´)を介して架橋されて構成されている。
水素イオン交換容量が0.5meq/g未満ではイオン伝導性が劣り、燃料電池に使用の際に内部抵抗が大きく出力密度が低下する恐れがあり、10meq/gを超えると耐水性が低下する恐れがある。
芳香環を骨格内に有する樹脂としては、具体的には、例えば、芳香族ポリエーテル、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルニトリル、芳香族ポリエーテルピリジン、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアゾール、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネートなどを挙げることができる。
また、これら高分子の共重合体、誘導体を用いても良く、単独または2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
そして、フェノールとホルムアルデヒドを付加させて得られる前記中間体は本発明で使用する架橋剤としても用いることができる。
中でも、芳香環に−CH2OHで示されるメチロール基が結合した構造を有する架橋剤は、加熱により容易に架橋反応が進行するため、好ましい。
前記式(1)からなる構造単位を分子内に少なくとも2つ以上有する化合物の例としては、例えば、式(7)に示されるような(6,6'−メチレンビス(2−ベンジル−6,1−フェニレン))ジメタノール[(6,6'-methylenebis(2-benzyl-6,1-phenylene))dimethanol]を挙げることができる。
前記式(2)からなる構造単位を分子内に少なくとも2つ以上有する化合物の例としては、例えば、式(8)に示されるような5,5'−メチレンビス(3−ベンジル−4−(ヒドロキシメチル)フェノール)[5,5'-methylenebis(3-benzyl-4-(hydroxymethyl)phenol] を挙げることができる。
前記式(3)からなる構造単位を分子内に少なくとも2つ以上有する化合物の例としては、例えば、式(9)に示されるような(5,5'−メチレンビス(3−メチル−5,1−フェニレン))ジメタノール[5,5'-methylenebis(3-methyl-5,1-phenylene))dimethanol] を挙げることができる。
前記式(4)からなる構造単位を分子内に少なくとも2つ以上有する化合物の例としては、例えば、式(10)に示されるような4,4'−メチレンビス(2−ヒドロキシメチル)−6−メチルフェノール)[4,4'-methylenebis(2-(hydroxymethyl)-6-methylphenol)]を挙げることができる。
前記構造単位は分子内に2つ以上であることが必要であるが、しかしあまり多過ぎると、架橋剤の分子量が大きくなり過ぎてしまい、有機溶媒、水、無機溶媒などの溶媒に対する溶解性や分散性が低下し、溶媒を用いてプロトン伝導性高分子および必要な添加物や添加剤と混合して均一に溶解させたり分散させたりできなくなるなどのために、均一で良好な架橋高分子電解質膜や電極触媒層が得られなくなる恐れがある。
したがって、分子内に含まれる前記構造単位の数量は、溶媒の種類や使用量、架橋剤の添加量、プロトン伝導性高分子の種類や使用量、必要な添加物や添加剤の種類や使用量などを考慮して、均一で良好な架橋高分子電解質膜や電極触媒層が得られる範囲内で決める必要がある。
前記式(5)からなる化合物の例としては、例えば、式(11)に示されるような(5−メチル−1,3−フェニレン)ジメタノール[(5-methyl-1,3-phenylene)dimethanol]や、前述したp−キシリレングリコール[p-xyleneglycol]を挙げることができる。
前記式(6)からなる化合物の例としては、例えば、式(12)に示されるような(2−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−フェニレン)ジメタノール[2-hydroxy-5-methyl-1,3-phenylene)dimethanol] を挙げることができる。
前記架橋剤の添加量は、好ましくはプロトン伝導性高分子100質量部に対して、0.5〜100質量部である。
0.5質量部未満では架橋が不十分で耐水性を改善できない恐れがあり、100質量部を超えると前記プロトン伝導性高分子のプロトン酸基と反応してしまいプロトン伝導性が低下する恐れがある。
また、電極触媒層とプロトン伝導性高分子電解質膜の基材として同様の高分子材料を用いると、膜電極接合体の製造時に電極触媒層とプロトン伝導性高分子電解質膜とを接合する際に、熱圧着により架橋反応を同時進行させて、電極触媒層とプロトン伝導性高分子電解質膜とを強固に密着させ、界面抵抗を低減できるので、加熱法を用いることがより好ましい。
加熱法を用いると、装置やプロセスなどが簡単になり容易に経済的に架橋反応を行うことができる利点もある。
これらは単独で用いても複用してもよい。添加物は球状、針状、チップ状など、様々な状態で添加することができる。添加物のサイズは、電解質膜を作製する際の塗布特性、電解質膜中における分散の均一性を考慮すると、0.05μm〜10μmの範囲であることが好ましい。
膜電極接合体は図2に示したような積層構造からなる。
前記のようにして製造した本発明の架橋高分子電解質膜1の両面に常法により空気極側電極触媒層2および燃料極側触媒層3を接合・積層して膜電極結合体12が形成される。電極触媒層2、3は、それぞれ導電剤としてのカーボンブラック粒子に反応触媒、前記プロトン伝導性高分子または前記プロトン伝導性高分子と架橋剤とを反応させて前記プロトン伝導性高分子のプロトン酸基以外の部分を前記架橋剤を介して架橋して得られる架橋高分子から構成されている。
まず、スルホン化されたポリエーテルエーテルケトン(商品名:450PF、ビクトレックス社製)(以下、スルホン化PEEKと称す)1gと、架橋剤のp−キシリレングリコールを0.05gを水とイソプロピルアルコールの混合溶媒中で混合させた。
スルホン化は、PEEKを濃硫酸中、室温で100h撹拌後、硫酸を除去することで行った。
使用したスルホン化PEEKの水素イオン交換容量を測定を行った。
水素イオン交換容量の測定はスルホン化PEEKをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、中和点からスルホン基のモル数を算出した。
このときのスルホン化PEEKの水素イオン交換容量は2.7meq/gであった。
混合溶媒は体積比で水:イソプロピルアルコール=1:1とした。溶媒の量は20gとした。
熱プレスの条件は、プレス温度120℃、プレス時間1h、プレス圧力60kgf/cm2 とした。得られたプロトン伝導性架橋高分子膜の水素イオン交換容量は2.5meq/gであった。
また、得られた本発明のプロトン伝導性架橋高分子電解質膜について、120℃、100%R.H.の雰囲気下に100時間放置するという条件で耐水性試験を行った。試験前後の質量変化率は10%であった。
まず、実施例1で使用したスルホン化PEEK1gと、p−キシリレングリコールを0.25gを水とイソプロピルアルコールの混合溶媒中で混合させた。
スルホン化PEEKの水素イオン交換容量は2.7meq/gであった。
混合溶媒は体積比で水:イソプロピルアルコール=1:1とした。溶媒の量は20gとした。
また得られた本発明のプロトン伝導性架橋高分子電解質膜について、実施例1と同様な条件で耐水性試験を行った。試験前後の重量変化率は2%であった。
まず、白金担持量が45質量%である白金担持カーボン触媒と、スルホン化PEEK、p−キシリレングリコールを溶媒中で混合し、その後、遊星型ボールミルで分散処理を行った。出発原料の組成比は白金担持カーボン触媒とスルホン化PEEKが質量比で2:1となるようにし、溶媒の組成は水、イソプロピルアルコール、1−プロパノールを体積比で1:1:1とした。p−キシリレングリコールの添加量は、スルホン化PEEKの質量に対し15%を添加した。また、分散液の固形分含有量は10質量%とした。
前記のようにして作製した分散液を、ドクターブレード法を用いて、電極触媒層の白金担持量が0.3mg/cm2 になるように調節しながら前記導電性多孔質体などからなるガス拡散層4、5上に塗工し、その後、60℃で5分間乾燥させることにより架橋処理を行っていない電極触媒層2、3を形成した。
作製した架橋処理を行っていないプロトン伝導性高分子電解質膜1を架橋処理を行っていない前記電極触媒2、3で挟持した状態で120℃、60kgf/cm2 、1時間の条件でホットプレスを行うことにより、両者を同時に架橋するとともに、同時に両者間を架橋せしめて接合して本発明の膜電極接合体(MEA)12を得た。
このようにして得られたMEA12を、反応ガス流通用のガス流路8を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる一組のセパレータ10により挟持し、ボルトで両極を締め付けることにより測定セル11を作製し、下記の発電性能評価条件で発電性能測定を行った。
セル温度80℃、反応ガスとして、燃料極7に水素を供給し、空気極6に酸素を供給した。
流量は水素;200mL/min.酸素;100mL/min.とした。
反応ガスの相対湿度を100%とした。
(発電性能測定結果):
電圧0.7Vの時の電流密度は610mA/cm2 であった。
実施例3と同様な方法で、まず白金担持量が45質量%である白金担持カーボン触媒と、スルホン化PEEK、p−キシリレングリコールを溶媒中で混合し、その後、遊星型ボールミルで分散処理を行った。
出発原料の組成比は白金担持カーボン触媒とスルホン化PEEKが質量比で2:1となるようにし、溶媒の組成は水、イソプロピルアルコール、1−プロパノールを体積比で1:1:1とした。p−キシリレングリコールの添加量は、スルホン化PEEKの質量に対し15%を添加した。また、分散液の固形分含有量は10質量%とした。
前記のようにして作製した分散液を、ドクターブレード法を用いて、電極触媒層の白金担持量が0.3mg/cm2 になるように調節しながら前記導電性多孔質体などからなるガス拡散層4、5上に塗工し、その後、60℃で5分間乾燥させた後、120℃1時間熱処理することにより架橋処理を行って、架橋処理した電極触媒層2、3を形成した。
作製した架橋処理したプロトン伝導性高分子電解質膜1を架橋処理した前記電極触媒2、3で挟持した状態で120℃、60kgf/cm2 、1時間の条件でホットプレスを行うことにより、両者間を架橋せしめて接合してMEA12を得た。
このようにして得られたMEA12を、反応ガス流通用のガス流路8を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる一組のセパレータ10により挟持し、ボルトで両極を締め付けることにより測定セル11を作製し、下記の発電性能評価条件で発電性能測定を行った。
セル温度80℃、反応ガスとして、燃料極7に水素を供給し、空気極6に酸素を供給した。
流量は水素;200mL/min.酸素;100mL/min.とした。
反応ガスの相対湿度を100%とした。
(発電性能測定結果):
電圧0.7Vの時の電流密度は320mA/cm2 であった。
これは、実施例4においては架橋処理したプロトン伝導性架橋高分子電解質膜1を架橋処理した電極触媒2、3で挟持した状態でホットプレスを行って両者を接合してMEA12を作製したのに対して、実施例3においては、架橋処理していないプロトン伝導性高分子電解質膜1を架橋処理していない電極触媒2、3で挟持した状態でホットプレスを行って、両者を同時に架橋せしめるとともに、同時に両者間を架橋せしめて接合して、MEA12を作製したため、両者の界面間でより強固に接合し、燃料電池の内部抵抗をより減少させることができたためと考えられる。しかしこの考えに限定されるものではない。
まず、架橋剤のp−キシリレングリコールを添加せず、スルホン化PEEKのみを1g、水とイソプロピルアルコールの混合溶媒に溶解させた。スルホン化PEEKの水素イオン交換容量は2.7meq/gであった。混合溶媒は体積比で水:イソプロピルアルコール=1:1とした。溶媒の質量は20gとした。
分子内に少なくとも2つ以上のメチロール基を有し、かつそのメチロール基のすべてが芳香環と結合している化合物である架橋剤または分子内に前記の式(1)、または、前記の式(2)からなる構造単位を少なくとも2つ以上有する化合物である架橋剤または両者を組み合わせた架橋剤とをスルホン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を主成分として形成されてなることを特徴とする架橋高分子電解質膜であり、
架橋剤を用いて芳香族系高分子からなるプロトン伝導性高分子を、スルホン酸基を介さずに架橋させるので、その結果、プロトン伝導性高分子の高い水素イオン交換容量を低下させることなく、高いプロトン伝導性を示し、かつ水に対する溶解性を低下させることができ、耐水性の大きい架橋高分子電解質膜を得ることができるという顕著な効果を得ることでき、
そして本発明の架橋高分子電解質膜を備えた燃料電池は、燃料電池の運転時に使用する高温高湿の水蒸気や、運転時にカソードで発生する水分の影響による電解質膜の劣化を抑制でき、その結果、燃料電池の長時間運転時における高い発電特性および発電安定性を確保でき信頼性が向上するという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
2 空気極側電極触媒層
3 燃料極側電極触媒層
4 空気極側ガス拡散層
5 燃料極側ガス拡散層
6 空気極
7 燃料極
8 ガス流路
9 冷却水流路
10 セパレータ
11 単セル
12 膜電極結合体
100 架橋高分子
(イ) プロトン伝導性高分子
(ロ) 架橋剤(p−キシリレングリコール)
(ロ') 架橋剤残基(p−キシリレングリコール残基)
(ハ) プロトン酸基
Claims (4)
- 前記架橋剤が、加熱することにより架橋反応を開始することを特徴とする請求項1記載の架橋高分子電解質膜。
- 前記架橋反応における加熱温度が60℃〜250℃の間であることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2記載の架橋高分子電解質膜。
- 前記架橋剤のプロトン伝導性ポリエーテルケトンまたはプロトン伝導性ポリエーテルエーテルケトンに対する添加量が、プロトン伝導性高分子100質量部に対し、0.5〜100質量部であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の架橋高分子電解質膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007224222A JP5233208B2 (ja) | 2007-08-30 | 2007-08-30 | 架橋高分子電解質膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007224222A JP5233208B2 (ja) | 2007-08-30 | 2007-08-30 | 架橋高分子電解質膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009059522A JP2009059522A (ja) | 2009-03-19 |
JP5233208B2 true JP5233208B2 (ja) | 2013-07-10 |
Family
ID=40555093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007224222A Expired - Fee Related JP5233208B2 (ja) | 2007-08-30 | 2007-08-30 | 架橋高分子電解質膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5233208B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5359514B2 (ja) * | 2009-04-23 | 2013-12-04 | 凸版印刷株式会社 | 燃料電池電極用電解質、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池及び燃料電池電極用電解質の製造方法 |
JP5593757B2 (ja) * | 2010-03-17 | 2014-09-24 | 凸版印刷株式会社 | 架橋剤およびその製造方法 |
JP5565233B2 (ja) * | 2010-09-17 | 2014-08-06 | 凸版印刷株式会社 | 架橋高分子電解質膜、それを用いた膜電極接合体、燃料電池 |
KR101557638B1 (ko) * | 2013-11-11 | 2015-10-19 | 한국원자력연구원 | 방사선에 의해서 화학적 안정성이 향상된 가교 술폰화 폴리에테르에테르케톤 양이온교환막 및 이의 제조 방법 |
CN113087950A (zh) * | 2021-02-20 | 2021-07-09 | 湖北工程学院 | 一种壳聚糖复合膜、以及燃料电池 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5023503B2 (ja) * | 2006-02-08 | 2012-09-12 | Jsr株式会社 | 高分子電解質を含む混合溶液、架橋構造を有する重合体を含む高分子電解質組成物および高分子電解質膜 |
JP5043342B2 (ja) * | 2006-02-08 | 2012-10-10 | 本田技研工業株式会社 | 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-08-30 JP JP2007224222A patent/JP5233208B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009059522A (ja) | 2009-03-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4327732B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池、およびその製造方法 | |
KR101135479B1 (ko) | 연료전지용 고분자 전해질막, 이의 제조방법, 및 이를포함하는 연료전지 시스템 | |
KR100542203B1 (ko) | 연료전지용 바인더 조성물, 막-전극 접합체 및 막-전극접합체의 제조방법 | |
KR100684836B1 (ko) | 연료전지용 촉매 복합체, 이의 제조방법, 이를 포함하는막-전극 어셈블리, 및 이를 포함하는 연료전지 시스템 | |
JP5165205B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用膜電極構造体 | |
KR100805527B1 (ko) | 소형 이동전원용 연료 전지 및 이 연료전지에 사용되는막-전극 어셈블리 | |
JP5233208B2 (ja) | 架橋高分子電解質膜 | |
JP5353337B2 (ja) | 高分子電解質、膜電極接合体および燃料電池 | |
KR100728181B1 (ko) | 연료전지용 막-전극 어셈블리 및 이를 포함하는 연료전지시스템 | |
EP2036927B1 (en) | Ionic polymer particle dispersion liquid and method for producing the same | |
KR100654244B1 (ko) | 연료전지용 고분자 전해질막, 및 이를 이용한 막-전극접합체, 연료전지 | |
EP2202830A1 (en) | Membrane electrode assembly and fuel cell | |
KR20110114790A (ko) | 불소계 이오노모를 이용하여 표면 개질한 탄화수소계 고분자 전해질 분리막, 막 전극 접합체 및 연료전지 | |
JP2008501221A (ja) | 新たな膜電極接合体 | |
JP4664683B2 (ja) | 膜−電極アセンブリ及びその燃料電池 | |
JP2005259513A (ja) | 燃料電池用電極、膜/電極接合体及び固体高分子型燃料電池 | |
JP5303838B2 (ja) | プロトン伝導性材料、それを用いて成る膜電極接合体(mea)およびその製造方法 | |
JP5870495B2 (ja) | 高分子電解質および該高分子電解質を用いた膜電極接合体ならびに燃料電池 | |
JP5565233B2 (ja) | 架橋高分子電解質膜、それを用いた膜電極接合体、燃料電池 | |
KR100810683B1 (ko) | 연료전지용 고분자 전해질막, 및 이를 이용한 막-전극접합체, 연료전지 | |
JP2010033741A (ja) | プロトン伝導性電極、膜−電極接合体、及び電気化学装置 | |
KR100786841B1 (ko) | 연료 전지용 고분자 전해질 막 및 이를 포함하는 막-전극어셈블리 및 이를 포함하는 연료 전지 시스템 | |
KR20170127250A (ko) | 전해질막 및 이를 포함하는 연료전지 | |
KR100709201B1 (ko) | 연료 전지용 고분자 전해질 막, 이를 포함하는 연료 전지용막-전극 어셈블리 및 이를 포함하는 연료 전지 시스템 | |
JP5347293B2 (ja) | 高分子電解質、膜電極接合体、燃料電池及び高分子電解質の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100727 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110721 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121204 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130226 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130311 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5233208 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |