JP5291993B2 - 大型貯槽の切断解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大型貯槽の切断解体方法、特に気体や液体を貯蔵するための略円筒形状若しくは略球形状の貯槽本体を切断によって解体する大型貯槽の切断解体方法に関するものである。
大量の気体や液体を貯蔵しておくための施設として、円筒形状若しくは球形状を有する大型貯槽が広く用いられている。このような大型貯槽は、金属或いは金属とその断熱材等の複合で構成されており、経年変化を避けることができないことから、安全性を確保するため所定の年数、例えば20年毎に解体され、新たな施設が構築されている。
図10は、従来の球形状の大型貯槽の解体方法の概略を説明する斜視図である。大型貯槽100の解体においては、まず大型貯槽100の本体である所定の厚みを有する貯槽本体10を解体する必要がある。従来は、その貯槽本体10を所定大きさ毎にバーナー等を用いて切断し、その切断した部分の外表面にシャックルと呼ばれる吊り具50を複数箇所にそれぞれ取り付け、この吊り具50を取り付けた切断片を、クレーン車52を用いて1個ずつ吊り上げて剥離し、運搬するという方法が取られている。
この場合、作業者は大型貯槽100の上部に上って、その切断動作並びに吊り具50の取付け動作、更にはクレーン車52による吊り下げを的確に行うための長時間の高所作業を余儀なくされる。このため、大型貯槽100の周囲に大掛りな足場54を形成する作業も必要となっている。また、大型貯槽100の周囲に十分なスペースがない場合には、クレーン車52の動作が制限されその作業は非常に困難を極めている。更に、所定大きさ毎の切断、吊り下げ移動動作を繰り返すことから、長時間の作業を要し、近隣の居住者への悪影響も生じる。然も、上記のように長時間作業のために解体工費も非常に大きなものとなっている。
上記の問題を解決するため、特許文献1には、所定厚さの略球形状の外殻部材にて貯槽本体が形成され、その貯槽本体の内部空間に対象物を貯蔵するようにした大型球形貯槽を、貯槽本体の底部に所定大きさの開口を形成し(開口形成工程)、貯槽本体の天井部及びそれに続く下側部を天井部の中心近傍位置から所定間隔をもって広がる渦巻状ラインに沿って順次連続して切断していき(切断工程)、この切断工程の後又はこれに並行して、切断した部位の天井部の中心側端部から順次貯槽本体の内側を通して開口形成工程で形成した開口から外側へ引き下げつつ(引下げ工程)貯槽本体を解体していく大型球形貯槽の切断方法が開示されている。
図11は、上記の特許文献1に記載されている大型球形貯槽の切断解体方法を説明する概略図である。大型球形貯槽100の本体である貯槽本体10の天井部の中心近傍位置から渦巻状ラインに沿って切断工程が行われるが、この渦巻き状に切断した部分13は、その重量で下方へ撓んで下がってくる。こうして切断された天井部の中心側部分の始端部分14にワイヤー16を掛け、このワイヤー16を下方へ引っ張り動作すると(引下げ工程)、あたかも貯槽本体10をその天井部からリンゴの皮を剥いて行くように所定幅で引き剥がしつつ解体していくことが可能である。更に、引下げ工程では、切断した部位の天井部の中心側端部14から順次貯槽本体10の内側を通して開口形成工程で形成した開口12から外側へ引き下げ動作が行われるので、解体動作はより迅速なものとなる。
特許第3574477号公報
上記の特許文献1によれば、従来のように貯槽本体を所定の大きさ毎に切断してそれぞれ個々に運び出していくという動作に比べ、高所における作業者の人員及び作業時間も極めて少なくて足り、重量を利用した引下げ動作という簡単な動作によって迅速に解体が進められる。例えば、略球形状の貯槽本体10の最下部を円形に切り取って開口12を形成し、その部分を通して切断部位を引き出していくことができる。したがって、大型貯槽100の周囲に解体作業のための広いスペースがない場合でも簡単にその解体が可能である。
しかしながら、特許文献1に開示された所謂りんご皮むき工法の場合、大型貯槽100の貯槽本体10の周囲を周回しつつ切断ラインを形成していくため、貯槽本体10の全体を切断するまでに切断手段の周回移動回数が多くなるという状況がある。したがって、貯槽本体10の周囲に種々の部材が取り付けられており、且つそれらの取り外し作業が容易でない場合、切断の周回動作において邪魔になるという状況もあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型貯槽を迅速且つスムーズに解体することができ、作業者の高所作業も減少させることのできる大型貯槽の切断解体方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の大型貯槽の切断解体方法は、
所定厚さの外殻部材にて形成された貯槽本体を有し、該貯槽本体の内部空間に対象物を貯蔵する大型貯槽を、該貯槽本体の上下の端部間で上下方向に伸長する切断ラインを所定間隔毎に形成して切断前記貯槽本体を切断しつつ解体する大型貯槽の切断解体方法において,前記貯槽本体は略円筒形状を有し、前記貯槽本体の側壁の最上部位置から最下部位置に向かって所定間隔毎に縦方向に切断ラインを形成することで行われる縦切断工程と、該縦切断工程を行いつつ、該縦切断工程で形成される切断部の上部を下方に導く誘導工程と、前記切断された外殻部材片を前記貯槽本体の外側又は内側方向に引き伸ばす引伸工程と、前記引き伸ばされた外殻部材片を前記貯槽本体から切断する最終切断工程と、を有すること特徴とする。
斯かる構成を採用することにより、貯槽本体は上下方向に、すなわち、縦方向に所定間隔で切断されるので、貯槽本体の周囲を切断手段が周回動作する必要がなく、1回の周回移動で全体の切断が可能である。また、所定幅毎に縦に切断されることで、切断片は貯槽本体の上下の端部間で連続した形状となり、上方から切断片が落下することもない。したがって、切断解体作業の安全性を確保することができる。
更に、略円筒形状の貯槽本体の側壁が、所定の間隔をもって最上部位置から縦方向に、最下部位置まで切断されるので、側壁部は上方から垂れ下がりつつ地面まで達し、また、そのまま倒れ落ちる。したがって、上述のように切断片が上方から落下する状況は生じない。この様に、略円柱状の貯槽本体の側壁部は所定幅毎に順次、安全且つ円滑に切断されて行くこととなる。
また、誘導工程により、切断工程の進行中に切断された部位を下方に下げることができるので、切断部位の着地をより衝撃の少ないものとすることができ、より安全性の高い切断作業を達成することができる。なお、この下方への導き作業は、例えば、切断した上部部位の上端部にワイヤーなどを取付け、これを牽引手段によって牽引することなどによって行うことができる。その際、貯槽本体の内側に引き下げるか外側に引き下げるかは、貯槽本体の設置状況等に応じて適宜選択される。なお、この下方に垂れる動作は、切断した部位の自重によっても生じるが、この様に誘導動作を行うことで、より安定した着地動作が得られる。
請求項に記載の大型貯槽の切断解体方法は、請求項に記載の大型貯槽の切断解体方法において、
前記縦切断工程は、前記貯槽本体の上方から途中位置まで切断する第1切断工程と、前記第1切断工程に続いて、前記切断した上部部位の上端部を下方に導く誘導工程と、前記誘導工程の後、前記切断した部位の前記途中位置から前記貯槽本体の最下部位置まで切断する第2切断工程と、を含むことを特徴とする。

この様に、一旦途中位置まで切断しておき、その段階で、切断された上部部位の下方への導き作業を行うことで、より安定した誘導作業が達成される。この下方への導き作業は、上述の請求項4の場合と同様に、例えば、切断した上部部位の上端部にワイヤーなどを取付け、これを牽引手段によって牽引することなどによって行うことができる。なお、この下方に垂れる動作は、切断した部位の自重によっても生じるが、この様に誘導動作を行うことで、より安定した着地動作が得られる。
本発明に係る大型貯槽の切断解体方法によれば、貯槽本体は縦方向に所定間隔に切断されるので、切断手段の周回移動動作は少なくて足り、切断作業中における大型貯槽の貯槽本体の周囲の設備の存在の影響は少ないものとなる。したがって、貯槽本体を迅速且つスムーズに解体することができ、また、作業者の高所作業も減少させることも可能である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を、以下図面を参照しながら詳述する。第1の実施の形態では縦切断工程が後述するように2つの工程に分けて行われることが特徴になっている。
図1〜3は、大型貯槽の略円筒形状の貯槽本体10を解体する場合を示している。但し、大型貯槽の天井部(図示していない)は、適宜切断しても貯槽本体10内に落下し、危険性は少ないことから、通常の解体撤去方法にて取り除かれており、底面部28は貯槽本体10の側壁10aに接続されているものとする。
このような大型貯槽の貯槽本体10は、例えば9mm〜24mmの厚さの金属板或いはそれに断熱材としての樹脂を組合せて形成されており、バーナー等によって、その切断が行われることとなる。
まず、貯槽本体10の上部位置から周方向に略等間隔をおいて、縦方向(鉛直下方)に切断線20を入れ(図1(a))、次いでこの切断線20を貯槽本体10の途中位置37まで伸長して形成する(図1(b))。この縦切断工程は、例えば、高所作業車(図示していない)の先端部に設けられたバーナー等の切断手段(図示していない)により貯槽本体10の外側から行われる。なお、切断解体の途中から貯槽本体10の内側から行うようにしても良い。また、この縦切断工程は高所作業車に載った作業者が手作業で行うこともある。切断線20の周方向の間隔は、適宜決めることができるが、廃棄する際に取り扱い易い大きさになるように貯槽本体10の大きさを考慮して適宜決めることができる。図1(a)では、切断線20が周方向に16本、切断線20が形成されている。したがって、貯槽本体10は16枚の外殻部材片に切断されることとなる。図1ではそれらの外殻部材片をb1〜b16として示している。なお、途中位置37は、ここでは貯槽本体10の略半分の高さの位置としているが、作業性や安全性を考慮して適宜決めることが可能である。上記の縦切断工程を第1切断工程と定義している。
次に、図1(b)に示すように、外殻部材片b1の上端部24にクランプ等の治具(図示していない)を用いてワイヤーを取り付け、これを牽引手段によって牽引する。この様子を図1(b)では矢印Aで示している。なお、貯槽本体10の内側に引き下げるか外側に引き下げるかは、貯槽本体10の設置状況等に応じて適宜選択される。上述の縦切断工程を行いつつ、形成される切断部の上部を貯槽本体10の外側又は内側下方に導く工程を誘導工程と定義している。
この誘導工程により、切断工程の進行中に切断された側壁10aの一部は、ワイヤーにより牽引されるので、着地をより衝撃の少ないものとすることができ、より安全性の高い切断作業を達成することができる。
なお、図1(b)では、誘導工程により、切断された外殻部材片を貯槽本体10の外側に誘導する例を示しており、この誘導工程を行うと、図2(a)に示すように、外殻部材片b1は、途中位置37付近で折れ曲がり、切断した部材の先端が鉛直下方に垂れ地面に着地することとなる。
図2(a)では、外殻部材片b1からb3まで、誘導工程によりそれらの先端が貯槽本体10の外側下方に垂れて地面に着地している様子が示されており、安全上問題がなければ同時に全部若しくは複数枚の外殻部材片に対して、実行することが可能である。
全ての外殻部材片b1〜b16が誘導工程により垂れた後に(図2(b))、各外殻部材片に対して途中位置37から底面部28まで切断線20を形成する。この切断工程を第2切断工程と定義する。その後、例えば、外殻部材片b1の上端部24を把持して、外殻部材片b1を貯槽本体10の外側に引き伸ばしても良い。この外殻部材片を引き伸ばす工程を引伸工程と定義する。この動作を図2(b)では矢印Bで示している。その後、底面部28から外殻部材片b1を切断して分離する。同様の操作を外殻部材片b2〜b16まで行い、得られた外殻部材片b1〜b16を重ねて束ね、トラック等に積載して切断解体作業が終了する。なお、図2(b)では外殻部材片b1に第2切断工程と引伸工程とが実施され、外殻部材片b1が底面部28から切り離された状態が示されており、図3では全ての外殻部材片b1〜b16に第2切断工程と引き伸ばし工程とが実施され、各外殻部材片b1〜b16が底面部28から切り離された状態が示されている。なお、各外殻部材片は略平板状に伸ばされるので、トラック等に積載し破棄易いが、引伸工程を経ずに折れ曲がった状態で廃棄しても構わない。また、全ての外殻部材片に誘導工程を施した後に第2切断工程を施しているが、数枚の外殻部材片に誘導工程を施した後に第2切断工程を施し、その後に次の外殻部材片に同じ作業を繰り返しても良い。
図4は、外殻部材片b1〜b3を、貯槽本体10の内側に誘導した場合について示している。即ち、誘導工程において、切断した部位の上部を貯槽本体10の内側下方に牽引し、貯槽本体10の内側に、切断した外殻部材片の上部を下方に垂れさせた場合について示している。誘導工程の後の工程については、前述と同様である。このように、貯槽本体10の外側に外殻部材片を誘導することに支障がある場合には、貯槽本体10の内側に誘導することとなる。
図5は、略球形状の貯槽本体10を有する大型貯槽100を解体する場合の例について示す。貯槽本体10の最上部の頂点位置18から周方向に略等間隔を置いて、縦方向(鉛直下方)に切断線20を入れる(図5(a))。次いで、切断線20は、最上部の頂点位置18から貯槽本体10の赤道部27まで伸長して形成される(第1切断工程、図5(b))。周方向の間隔は、適宜決めることができるが、切断した外殻部材片の最大の横幅は、略球形である貯槽本体10の赤道部27での横幅となるので、廃棄する際に取り扱い易い大きさになるように貯槽本体10の大きさを考慮して決めることができる。図5(a)では、切断線20が周方向に10本、切断線20が形成されている。したがって、貯槽本体10は10枚の外殻部材片に切断されることとなる。図5では、それらの外殻部材片をa1〜a10として示している。
上記の第1切断工程を実施すると、切断された外殻部材片、例えば外殻部材片a1は、誘導工程がなくても自重により赤道部27付近で折れ曲がり、その先端部が貯槽本体10の内部下方に垂れることとなる。この垂れる方向を図5(b)では矢印Dで示しており、また同図では、外殻部材片a1〜a3までが貯槽本体10の内部に垂れた状態を示している。
複数の外殻部材片a1〜a3が貯槽本体10の内部に垂れた後に、各外殻部材片a1〜a3に対して、赤道部27から貯槽本体10の最下部位置まで切断線20を形成する(第2切断工程)。この第2切断工程を実施すると、外殻部材片a1〜a3は、貯槽本体10の底部に落下することとなるが、外殻部材片の一部を把持しておきながら第2切断工程を行い、その後に外殻部材片を貯槽本体10の外部に落下させるようにしても良い。更にその後、必要に応じて切断した外殻部材片を引き伸ばしても良い。貯槽本体10は10枚の外殻部材片a1〜a10に解体された後に、それらの外殻部材片a1〜a10をトラック等に積載して切断解体作業が終了する。
図6は、外殻部材片a1〜a10を上述の誘導工程により貯槽本体10の外側に垂れさせた場合について示している。即ち、第1切断工程を行いつつ、図7の矢印Eで示すように、例えば外殻部材片a10の上部25を貯槽本体10の外側下方に引き出す。その結果として、図7に示すように各外殻部材片は、上記の誘導工程により赤道部27付近で折れ曲がり、切断した部材の先端が貯槽本体10の外側で鉛直下方に垂れ地面に着地することとなる。図6では、外殻部材片a1〜a3までが、誘導工程により貯槽本体10の外側に垂れている様子が示されている。これは、ちょうどみかんの皮を剥いた様子に似ている。それ故、本解体方法をみかんの皮むき工法と称する。
次いで、全ての外殻部材片a1〜a10を誘導工程で貯槽本体10の外側に折り曲げた後に、外殻部材片a1〜a10に対して赤道部27から貯槽本体10の最下部まで切断線20を入れる(第2切断工程)。この工程を実施すると、外殻部材片a1〜a10は、貯槽本体10から地面に落下することとなるが、外殻部材片の一部を把持しておきながら第2切断工程を行い、その後に外殻部材片を地面に落下させても良い。更にその後、必要に応じて切断した外殻部材片a1〜a10を引き伸ばしても良い。その後、外殻部材片a1〜a10をトラック等に積載して切断解体作業が終了する。なお、全ての外殻部材片に誘導工程を施した後に第2切断工程を施しているが、数枚の外殻部材片に誘導工程を施した後に第2切断工程を施し、その後に次の外殻部材片に同じ作業を繰り返しても良い。
以上で説明したように、本発明の大型貯槽の切断解体方法の第1の実施の形態によれば、貯槽本体10は一旦貯槽本体10の途中位置まで切断(第1切断工程)され、その切断された上部部位が貯槽本体の内側又は外側下方へ誘導される(誘導工程)。その後、貯槽本体10の途中位置から最下部位置まで切断(第2切断工程)が行われる。したがって、貯槽本体10の周囲を切断手段が何十回も周回動作する必要がなく、複数回、場合によっては1回の周回移動で全体の切断が可能である。また、所定幅毎に切断されることで、切断片は貯槽本体10の上下の端部間で連続した形状となり、上方から切断片が落下することもない。更に、縦切断工程が第1切断工程と第2切断工程に分かれているので、より安全に解体作業を行うことができる。加えて、長時間の高所作業が解消され、解体時間の短縮化も達成されることとなる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を、以下図面を参照しながら詳述する。図7は、大型貯槽の略円筒形状の貯槽本体10を切断解体する場合を示している。但し、大型貯槽の天井部(図示していない)は、第1の実施の形態と同様に、通常の解体撤去方法にて取り除かれており、底面部28は貯槽本体10の側壁10aに接続されているものとする。
縦切断工程は、高所作業車53の先端部に設けられたバーナー等の切断手段により、貯槽本体10の外部から行われる。切断解体の途中から貯槽本体10の内部から行うようにしても良い。なお、この縦切断工程は高所作業車に載った作業者が手作業で行うこともある。第2の実施の形態における縦切断工程による切断線21は、貯槽本体10の側壁10aの上部位置から下部位置に向かって連続して入れられる。図示したように切断線21は順番に、切断線21−1から切断線21−2の方向に形成される。切断線21−1、21−2・・・を形成することで、切断された側壁10aの一部(外殻部材片と称する)は、自重により貯槽本体10の外側又は内側に倒れ地面に着地することとなる。図7では、外殻部材片C1が貯槽本体10の外側に倒れている様子が示されている。次いで、切断線21−2と所定の間隔を置いて切断線21−3が形成される。このようにして、貯槽本体10の外周全部に亘り、その側壁10aに切断線21を形成することによって貯槽本体10の解体が行われる。
切断した側壁10aの一部、即ち外殻部材片を、決められた方向、例えば貯槽本体10の外側に倒す場合には、切断した上部部位の上端部24にクランプ等の治具(図示してない)を用いてワイヤーを取り付け、これを牽引手段によって牽引することによって行うことができる。この様子を図7では矢印Aで示している。なお、貯槽本体10の内側に引き下げるか外側に引き下げるかは、貯槽本体10の設置状況等に応じて適宜選択される。この縦切断工程を行いつつ、形成される切断部の上部を貯槽本体10の外側又は内側下方に導く工程を、第1の実施の形態と同様に誘導工程と定義している。
この誘導工程により、切断工程の進行中に切断された側壁10aの一部は、ワイヤーにより牽引されるので、着地をより衝撃の少ないものとすることができ、より安全性の高い切断作業を達成することができる。
倒れた外殻部材片C1、C2は、底面部28から切り落とすことにより、廃棄可能となる。貯槽本体10の側壁10a全周に亘って切断線21を形成し、全ての外殻部材片を底面部28から切断し、それらを回収して解体作業が終了する。なお、切断された外殻部材片の幅は、作業の安全性や切断された外殻部材片の廃棄のし易さ等を考慮して最適に決められる。
図8は、略球形状の貯槽本体10を有する大型貯槽100を解体する場合の例が示されている。このような大型貯槽100の貯槽本体10は、例えば9mm〜30mmの厚さの金属板或いはそれに断熱材としての樹脂を組合せて形成されており、バーナー等によって、その切断が行われる。なお、略球形状の貯槽本体10は、略円筒形状の貯槽本体にあるような天井部や底面部はない。
まず、1本の切断線31−1が貯槽本体10の最上部位置から最下部位置まで形成される。この縦切断工程は、前述のように高所作業車の先端部に設けられたバーナー等の切断手段により、貯槽本体10の外部から行うことが可能である。なお、切断線31−1は、略球形状の貯槽本体10の最上部の頂点位置から底部最下点までをほぼ最短距離で結ぶラインであり、上方から下方に向かって形成される。次いで、所定の間隔を置いて、切断線31−2が貯槽本体10の最上部位置から最下部位置まで形成される。切断線31−1、31−2を形成することで、切断された側壁10aの一部は、自重により貯槽本体10の内側に倒れ、貯槽本体10の底部に着地することとなる。図8では、外殻部材片C1が貯槽本体10の内側に倒れている様子が示されている。次いで、切断線31−2と所定の間隔を置いて切断線31−3が形成される。このようにして、貯槽本体10の外周全部に亘り、その側壁10aに切断線31を形成することによって貯槽本体10の解体が行われる。なお、切断された側壁10aの一部、即ち外殻部材片は、それが形成される毎に貯槽本体10の外部に搬出されることが望ましい。
切断された外殻部材片の最大幅は、作業の安全性や切断された外殻部材片の廃棄のし易さ等を考慮して最適に決められる。また、図8では、切断された外殻部材片C1が貯槽本体10の内側に自重により倒れ込んだ様子を示しているが、前述の誘導工程により貯槽本体10の外側に倒しても良い。その場合には、貯槽本体10は、あたかもその最上部位置からみかんの皮を剥いでいくように順次解体されることとなる。
以上で説明したように、本発明の大型貯槽の切断解体方法の第2の実施の形態によれば、貯槽本体10は上下の端部間で上下方向に伸長する切断ラインを所定間隔で形成して行くので、貯槽本体10の周囲を切断手段が何十回も周回動作する必要がなく、複数回、場合によっては1回の周回移動で全体の切断が可能である。また、所定幅毎に切断されることで、切断片は貯槽本体10の上下の端部間で連続した形状となり、上方から切断片が落下することもない。したがって、切断解体作業の安全性を確保することができる。その結果、大型貯槽100は迅速且つスムーズに解体される。
更に、従来のような所定の大きさ毎に貯槽本体10を切断し、それに吊りピースを取り付け、それらをクレーン車で吊り降ろす作業が全て不要となり、高所における長時間の作業が解消される。また、切断された外殻部材片は自重により倒れるので解体時間の短縮化も達成される。
図9は、略球形の貯槽本体10が赤道部27で、支柱42によって支えられている場合について示す。即ち、貯槽本体10の赤道部27は鉄板等によって補強されており、これに支柱42が接続され、貯槽本体10が支えられている。
このような場合は、まず赤道部27の上部領域に対して頂点位置18から赤道部27まで縦切断工程によって切断線が入れられる。切断された側壁10aの一部、即ち外殻部材片a1、a2は、貯槽本体10の内側に自重により倒れ込むこととなる。図9では、外殻部材片a1、a2が貯槽本体10の内部に倒れている様子が示されている。次いで、赤道部27の下部領域に対して縦切断工程による切断線が入れられると、外殻部材片a1、a2は赤道部27によってのみ支持されている状態となる。そして、例えば、外殻部材片a1の一部をクレーン車等によって保持しながら、赤道部27の部分を切断することにより、外殻部材片a1を貯槽本体10から取り出すことが可能となる。同様の作業を各外殻部材片に対して行い、最後に支柱42を切断することにより、貯槽本体10が切断解体されることとなる。この場合においても、貯槽本体10の周囲を切断手段が何十回も周回動作する必要がなく、複数回、場合によっては1回の周回移動で全体の切断が可能である。
上述した第1及び第2の実施の形態の更なる良好な結果として、解体のための工賃も低減させることが可能であり、また、解体現場周辺への悪影響も減少する。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、略球形状の貯槽本体を切断する際、貯槽本体の最上部の頂点位置から底部最下点までを切断しているが、上部位置に小さな開口部を設けて縦切断工程をし易くしても良い。この場合、開口によってできる円形部材は貯槽本体の内部に安全に落下させることができる。
本発明の大型貯槽の切断解体方法の第1の実施の形態に係り、略円筒形状の大型貯槽を切断解体する場合の説明図であり、工程の前半について示す。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第1の実施の形態に係り、略円筒形状の大型貯槽を切断解体する場合の説明図であり、工程の後半について示す。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第1の実施の形態に係り、略円筒形状の大型貯槽を各外殻部材片に切断解体した様子を示す。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第1の実施の形態に係り、略円筒形状の大型貯槽を切断解体する場合の説明図であり、外殻部材片を貯槽本体の内側に誘導する場合の説明図である。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第1の実施の形態に係り、略球形状の大型貯槽を切断解体する場合の説明図である。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第1の実施の形態に係り、略球形状の大型貯槽を切断解体する場合の説明図であり、外殻部材片を貯槽本体の外側に誘導する場合の説明図である。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第2の実施の形態に係り、略円筒形状の貯槽本体を切断解体する場合の説明図である。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第2の実施の形態に係り、略球形状の貯槽本体を切断解体する場合の説明図である。 本発明の大型貯槽の切断解体方法の第2の実施の形態に係り、略球形状の貯槽本体を切断解体する場合の説明図であり、貯槽本体が赤道部で支持されている場合ついて示す。 従来の切断解体方法の説明図である。 特許文献1に示されている所謂りんご皮むき工法の説明図である。
符号の説明
a1〜a10、b1〜b16、C1 外殻部材片
10 貯槽本体
18 頂点位置
20、21 切断線
24 上端部
25 上部
27 赤道部
28 底面部
37 途中位置
A、E 外殻部材片誘導方向
B 外殻部材片引伸方向
100 大型貯槽

Claims (2)

  1. 所定厚さの外殻部材にて形成された貯槽本体を有し、該貯槽本体の内部空間に対象物を貯蔵する大型貯槽を、該貯槽本体の上下の端部間で上下方向に伸長する切断ラインを所定間隔毎に形成して切断前記貯槽本体を切断しつつ解体する大型貯槽の切断解体方法において,
    前記貯槽本体は略円筒形状を有し、
    前記貯槽本体の側壁の最上部位置から最下部位置に向かって所定間隔毎に縦方向に切断ラインを形成することで行われる縦切断工程と、
    該縦切断工程を行いつつ、該縦切断工程で形成される切断部の上部を下方に導く誘導工程と、
    前記切断された外殻部材片を前記貯槽本体の外側又は内側方向に引き伸ばす引伸工程と、
    前記引き伸ばされた外殻部材片を前記貯槽本体から切断する最終切断工程と、
    を有すること特徴とする大型貯槽の切断解体方法。
  2. 前記縦切断工程は、
    前記貯槽本体の上方から途中位置まで切断する第1切断工程と、
    前記第1切断工程に続いて、前記切断した上部部位の上端部を下方に導く誘導工程と、
    前記誘導工程の後、前記切断した部位の前記途中位置から前記貯槽本体の最下部位置まで切断する第2切断工程と、
    を含むことを特徴とする請求項に記載の大型貯槽の切断解体方法。
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