JP5291375B2 - 車両用ホイールの製造方法 - Google Patents
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Description
また、フランジ部をリムドロップ部に嵌め込む際にカジリが発生したり、ホイール軸方向におけるリムとディスクの位置ずれも生じる。
さらに、板厚や加工誤差等により、上記嵌合代にばらつきが生じ、ひいては疲労寿命にもばらつきが出てしまう。
したがって、特許文献1の製造方法によれば、理論上ではリムからディスクへの力の伝達が溶接部のみならず凸部を介しても行われるので、溶接部での応力集中、曲げ応力作用を回避できる。
しかも、嵌合工程より後にプレスを行うことにより、ディスク、リムの寸法誤差に影響されずに確実にフランジ部とリム円筒部の密着を得ることができる。
また、嵌合代を過大にしなくて済み、ディスクのフランジ部をリムの円筒部に嵌め込む際の力を低減できるので、カジリや嵌合傷の発生を最小限にすることができるとともに、リムに対してディスクを高精度に位置決めすることができる。
これによれば、限定された面積で押し込みを行いフランジ部とリム円筒部の密着を得るので、プレス荷重は小さくて済み、プレスによるディスクやリムの変形を最小限に抑えることができる。
これによれば、密着面積を広げることにより、疲労寿命を一層延ばすことができる。
これによれば、フランジ部に比べて薄いリム側だけを大きく変形させるので、プレス荷重は小さくて済み、プレスによるディスクやリムの変形を最小限に抑えることができる。
これによれば、リムからディスクへ伝達される力が溶接部に集中することなく、力を効率良く伝達する密着部を提供できる。
これによれば、溶接部両端と軸方向に対峙する箇所に密着部が配置されるので、この溶接部の亀裂を確実に抑制できる。
これによれば、溶接部両端と軸方向に対峙する箇所に密着部が配置されるので、この溶接部の亀裂を確実に抑制できる。
上記立ち上がり部12はリムドロップ部11から径方向外側に突出しており、両者の境はR部15(断面が円弧状に湾曲した部位)をなしている。
上記フランジ部22の先端縁は、真円上に等間隔をなして配置された複数例えば4つの縁部22aと、これら縁部22aから凹んだ縁部とを有している。各縁部22aにおいて所定長さにわたる部位が溶接箇所Xとして提供される。
第1の工程で、図1(A),図3(A)に示すように、ディスク20のフランジ部22をリム10のリムドロップ部11の内周に嵌め込む。図1の例では、この嵌め込み状態でフランジ部22の縁部22aはリムドロップ部11の幅方向の略中央に達しているが、中央部に達しなくてもよいし、中央部を超えてもよい。
このプレス加工に用いられる金型は、図2に示すように円柱形状をなすバックアップ型としての内型41と、その周りに等間隔をなして配置された複数例えば4つの押圧型としての外型42とを有している。これら外型42の角度位置(周方向位置)は上記フランジ部22の縁部22aに対応している。
外型42の成形面42aには周方向に延びる押込部42xが形成されている。この押込部42xは、断面形状が凸曲線例えば円弧を描くようにして、上記成形面42aから突出している。
上記押込部42xは成形面42aの幅方向中央よりリム10のR部15寄り、換言すれば縁部22aから遠ざかった位置に形成されている。
図2において、上記押込部42xの周方向長さは、成形面42aと等しく、上述した縁部22aにおける溶接部50より長いが、上記押込部42xの周方向長さが、成形面42aより短くても良い。また、上記押込部42xの周方向長さが、上記溶接部50の長さと等しくても良い。
上記溝11xの周方向長さLは、フランジ部22の溶接部50より長く、その両端は溶接部50の両端から周方向に突出している。ただし、溶接部50の全長がカバーされておれば、上記溝11xの周方向の長さが、溶接部50の周方向長さと等しくても良い。
上記範囲の下限より押し込み深さが少ないとリムドロップ部11からフランジ部22への膨らみが少なく、密着が不十分となり、溶接部の耐久性を向上させる効果がない。また、上記範囲の下限より押し込み幅が狭いとリムドロップ部11からフランジ部22への膨らみが少なく、密着が不十分となるとともに、応力集中等による割れも生じやすくなる。また、上記範囲の上限より押し込み幅が広いと、リムドロップ部を広範囲に変形させてしまい、リム形状の歪みが生じたり、密着性が低下したりすることもある。
周方向両端に位置する溝11x’の中間部は、溶接部50の両端とホイール軸方向に対峙し、周方向位置が重なる。
この実施形態によれば、プレス加工によってリムドロップ部11が押込部42xに押し込まれて内型側に膨らみ、フランジ部22を内型41側に押し込み、フランジ部22も溝41yに向かって膨らむ。
第4実施形態において、内型に押込部に対応する溝を形成してもよい(図5参照)。
上記第3実施形態およびそれ以降に説明した全ての実施形態において、プレスにより形成される溝は、図1に示すように連続してもよいし、図4に示す第2実施形態のように周方向に分割されていてもよい。
上記特定部位は溶接部とホイール軸方向に対峙した関係(周方向位置が一致した関係)に無くてもよい。特定部位は、フランジ部とリムドロップ部の重ね合わせ領域の全周にわたって配置してもよい。
上記実施形態では、ディスクフランジ部をリムに嵌合させた後、溶接を経てから、プレス加工を実行しているが、嵌合工程の後、プレス加工工程を経てから溶接を行ってもよい。特許請求の範囲における溶接部は、実際に溶接が完了した部位のみならず、溶接が予定される部位をも含む。
10 リム
11 リムドロップ部(円筒部)
11x、11x’ 溝(凹部)
13 ビードシート部
20 ディスク
22 フランジ部
22x 溝(凹部)
41,41A、41B 内型
41a 成形面
41x 押込部
42,42’,42A,42B 外型
42a 成形面
42x 押込部
Claims (7)
- (ア)リムの円筒部の内周にディスクの円筒状をなすフランジ部を嵌め込む嵌合工程と、
(イ)嵌合工程より後で、上記フランジ部の先端縁と上記リムの円筒部とを溶接する溶接工程と、
(ウ)上記嵌合工程より後に、上記フランジ部の内側に配置される内型と、上記リムの円筒部の外側に配置される外型を用い、上記リムの円筒部と上記フランジ部との重ね合わせ領域において、少なくとも上記フランジ部の先端縁の溶接部からホイール軸方向に離れた特定部位をプレスすることにより、この特定部位での上記円筒部と上記フランジ部との密着状態を得るプレス加工工程と、
を有することを特徴とする車両用ホイールの製造方法。 - 上記内型と外型の少なくとも一方は上記特定部位に対応する押込部を有し、上記プレス加工の際にこの押込部を上記特定部位での上記円筒部の外周面及び/又は上記フランジ部の内周面に押し込むことにより、当該周面に凹部を形成することを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイールの製造方法。
- 上記内型と外型が円筒面をなす成形面を有し、これら内型と外型の少なくとも一方の成形面から突出するようにして上記押込部が形成されており、
上記プレス加工工程において上記内型と外型の成形面同士のプレスにより、上記円筒部と上記フランジ部は、上記特定部位のみならず、上記特定部位と上記溶接部との間の領域でも密着することを特徴とする請求項2に記載の車両用ホイールの製造方法。 - 上記外型だけが上記押込部を有し、上記プレス加工により、上記円筒部の外周面にのみ上記凹部が形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用ホイールの製造方法。
- 上記押込部が円弧状をなしてホイール周方向に延び、上記プレス加工工程において上記押込部により形成される凹部が、溝からなることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の車両用ホイールの製造方法。
- 上記溶接部が上記フランジ部の先端縁に間隔をおいて複数配置され、上記溝は上記特定部位において連続し、その長さが上記溶接部の長さ以上であり、上記溝の両端が上記溶接部の両端と一致しているか、または上記溶接部の両端より周方向に突出していることを特徴とする請求項5に記載の車両用ホイールの製造方法。
- 上記溶接部が上記フランジ部の先端縁に間隔をおいて複数配置され、上記溝は上記特定部位において間隔をおいて複数形成され、少なくとも上記溶接部の両端に対応する溝は、上記溶接部の端と周方向位置が重なることを特徴とする請求項5に記載の車両用ホイールの製造方法。
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