JP5291283B2 - 防護柵用支柱 - Google Patents

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本発明は、車道に沿って設置される防護柵用支柱に関する。
車両用の防護柵は、車道からの車両の転落を防止するものであり、所定間隔で立設した複数の支柱(以下、「防護柵用支柱」という。)間に横梁(横架材)を掛け渡した構造を備えている。
防護柵の剛性・強度は、車両の転落防止という観点からすると、大きい方がよいが、必要以上に大きくすると、衝突時の衝撃により運転手や添乗員にダメージを与える虞があり、また、防護柵に接触又は衝突した車両が当該防護柵で跳ね返されて車道側でスピンし、二次災害を引き起こす虞もある。
このため、従来の防護柵は、車両が接触又は衝突してある程度以上の外力が加わったときに、先ず横架材の圧潰および曲げ変形によって衝撃エネルギーが吸収され、次いで防護柵用支柱の傾倒や座屈等によって衝撃エネルギーが吸収されるように構成されており、これにより運転手、添乗員の被害が最小限に抑えられるとともに、車両の車道側への跳ね返えりが防止されている。
防護柵用支柱は、車道脇に構築された基礎に固定される台座と、この台座に立設された支柱本体とを備えるものが一般的であるが、例えば、特許文献1および特許文献2には、図6の(a)および(b)に示すように、支柱本体の後面フランジに後方への傾倒の起点となる湾曲凹部Dを形成し、支柱本体の下半部の中立軸NをS字状にした防護柵用支柱が開示されている。なお、特許文献1に開示されている防護柵用支柱は、アルミニウム合金鋳物製であり、特許文献2に開示されている防護柵用支柱は鋳鉄製である。
特公昭57−42764号公報 特開平11−336034号公報
特許文献1および特許文献2の防護柵用支柱は、その中立軸NをS字状に湾曲させる必要があるので、設計・製作が難しいという問題がある。また、特許文献1および特許文献2の防護柵用支柱では、支柱本体の中立軸NをS字状にすることを必須の要件としているので、採りうるデザインが制約されてしまい、多様化する需要者のニーズに応えられないという問題もある。加えて、特許文献1および特許文献2の防護柵用支柱では、後面フランジの下部をS字状に成形するのに伴って、前面フランジの下部を屈曲させる必要があるので、すっきりとした格好にならないという問題もある。
このような観点から、本発明は、すっきりとした外観でありながらも、衝撃吸収能力に優れていて、かつ、各部の寸法設定が容易で、製造が容易な防護柵用支柱を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために創案された本発明は、車道脇に構築された基礎に固定される台座と、前記台座に立設された支柱本体とを有する防護柵用支柱であって、前記支柱本体は、前記車道に面する前面フランジと、前記前面フランジの後方に配置された後面フランジと、前記前面フランジと前記後面フランジとを繋ぐウェブと、前記車道に沿って設置される複数条の横架材を保持する複数の取付部とを備えており、前記前面フランジの前面が、後方に凸となる円弧面状を呈しており、前記複数の取付部の最上段以外の前記取付部のうち、前記前面フランジに形成された前記取付部は、前記前面フランジの前面に突設されており、前記後面フランジが、前記台座から略垂直に立ち上がる平板状の基部と、前記基部の上端から前側斜め上方に向かって立ち上がる平板状の傾斜部と、前記傾斜部の上端から上方に向かって立ち上がる主体部とを備えており、前記主体部の後面が、後方に凸となる円弧面状を呈しており、前記傾斜部の高さ寸法が、前記基部の高さ寸法の1/4〜1/2であり、前記基部と前記傾斜部との境界部分および前記傾斜部と前記主体部との境界部分が最下段の前記取付部の下方に位置しており、且つ、前記両境界部分において前記後面フランジが折れ曲がっていることを特徴とする
この防護柵用支柱は、前面フランジの前面が後方に凸となる円弧面状を呈しているので、すっきりとした外観となり、さらに、すっきりとした外観であるが故に、各部の寸法設定や製造が容易になる。なお、この防護柵用支柱においては、後面フランジが、基部と傾斜部との境界部分および傾斜部と主体部との境界部分において折れ曲がっているので、支柱本体に車道側から衝突荷重が作用した場合には、これら境界部分を起点にして支柱本体が後方に傾倒し、衝撃を効果的に吸収する。
なお、支柱本体に車道側から衝突荷重が作用すると、支柱本体が後方に傾倒するのに伴って、前面フランジには引張力が作用することになるが、この引張力は、上に向かうに従って小さくなるので、前記前面フランジの幅寸法および前面フランジの肉厚の少なくとも一方を、上に向かうに従って漸減させるとよい。このようにすると、支柱本体が必要以上に重厚になることが防止されるので、防護柵用支柱の軽量化を図ることが可能となり、さらには、材料費を抑えることが可能となる。
本発明においては、前記前面フランジの前面に加えて、前記後面フランジの前記主体部の後面を、後方に凸となる円弧面状にしているので、防護柵用支柱の外観がより一層すっきりとしたものとなる。
なお、前記後面フランジの前記基部に対する前記傾斜部の傾斜角度が15度を下回ると、傾倒の起点になり難くなり、45度を上回ると、後面フランジの折れ曲がりが目立つようになり、すっきりとした外観を損ねることになるので、前記した傾斜角度は、15〜45度に設定するとよい。
また、本発明においては、前記後面フランジの前記傾斜部の上端が、前記基部の上端よりも前側に位置することになるが、その間隔が前記傾斜部の肉厚の0.8倍を下回ると、傾倒の起点になり難くなり、2.5倍を上回ると、後面フランジの折れ曲がりが目立つようになり、すっきりとした外観を損ねることになるので、前記後面フランジの前記傾斜部の上端を、前記傾斜部の肉厚の0.8〜2.5倍分だけ、前記基部の上端よりも前側に位置させるとよい。
また、前記台座にボルト挿通孔を形成する場合には、当該ボルト挿通孔を前記前面フランジと前記後面フランジとの間に位置させるとよい。このようにすると、ボルト挿通孔に挿通したボルト(基礎に埋設されたアンカーボルトを含む)が前面フランジと後面フランジとウェブとに囲まれ、当該ボルトが車道側および路肩側から視認し難くなるので、防護柵用支柱を基礎に据え付けた後においても、すっきりとした外観を維持することが可能となる。
本発明に係る防護柵用支柱の材質は特に限定されるものではないが、好適には、アルミニウム合金製の鋳造品であることが望ましい。軽量で腐食し難いアルミニウム合金で防護柵用支柱を構成すれば、その運搬や現場での取り回しが容易になり、また、維持管理に要する手間を軽減することが可能となる。
本発明に係る防護柵用支柱は、すっきりとした外観でありながらも、衝撃吸収能力に優れている。また、本発明に係る防護柵用支柱によれば、各部の寸法設定が容易になるとともに、製造が容易になる。
図1は、本実施形態に係る防護柵用支柱Pを備えた車両用防護柵Gを示す斜視図である。この図に示すように、車両用防護柵Gは、車道Rに沿って設置される三条の横架材H1,H2,H3と、この横架材H1,H2,H3を支持する複数の防護柵用支柱P,P,…と、を備えている。なお、各部材において、車道Rに臨む面を「前面」とし、その反対側(路肩側)の面を「後面」とする。
三条の横架材H1,H2,H3は、互いに平行に配置されている。なお、本実施形態においては、三条の横架材H1,H2,H3を備える車両用防護柵Gを例示するが、横架材の条数を限定する趣旨ではない。
上段の横架材H1は、長手方向に連設された複数の中空梁材H11,H11,…と、隣り合う中空梁材H11,H11の境界部分の内部に配置された連結部材H12とを備えて構成されている。中空梁材H11は、断面略楕円形を呈する筒状の形材であり、隣り合う防護柵用支柱P,Pの間隔と同じ長さに切断されている。連結部材H12は、隣り合う中空梁材H11,H11の境界部分を跨ぐように配置される。
同様に、中段の横架材H2は、長手方向に連設された複数の中空梁材H21,H21,…と、隣り合う中空梁材H21,H21の境界部分の内部に配置された連結部材H22とを備えて構成されている。中空梁材H21は、断面略楕円形を呈する筒状の形材であり、隣り合う防護柵用支柱P,Pの間隔と同じ長さに切断されている。連結部材H22は、隣り合う中空梁材H21,H21の境界部分を跨ぐように配置される。
下段の横架材H3構成は、中段の横架材H2の構成と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態においては、横架材H1,H2,H3の断面が略楕円形である場合を例示したが、これに限定されることはなく、例えば、円形、砲弾形、矩形などであっても差し支えない。
防護柵用支柱1は、アルミニウム合金製の鋳造品であり、図2に示すように、車道R脇に構築された鉄筋コンクリート製の基礎Kに固定される台座1と、この台座1に立設された支柱本体2と、を有する。
台座1は、上方から見た形状が矩形を呈していて、基礎Kに埋設されたナットN1に対応する位置にボルト挿通孔1aが形成されている。ボルト挿通孔1aには、ナットN1に螺合するボルトB1が挿通される。なお、本実施形態では、ボルト挿通孔1aは、後記するウェブ23を挟んで両側に二箇所ずつ形成されているが、ボルト挿通孔1aの数を限定する趣旨ではない。図3の(f)に示すように、ボルト挿通孔1aは、後記する支柱本体2の前面フランジ21と後面フランジ22との間に位置しており、かつ、ボルト挿通孔1aの中心は、前面フランジ21の側端と後面フランジ22の側端とを通る直線Sよりもウェブ23側に位置している。なお、台座1は、矩形を呈するものに限定されることはなく、図示は省略するが、多角形や円形等を呈するものであっても差し支えない。
図2に示す支柱本体2は、車道Rに面する前面フランジ21と、この前面フランジ21の後方に配置された後面フランジ22と、前面フランジ21と後面フランジ22とを繋ぐウェブ23とを備えており、さらに本実施形態においては、前面フランジ21の上端から後面フランジ22の上端にかけて形成された上段取付部24と、前面フランジ21の中央部の前面に形成された中段取付部25および下段取付部26と、を備えている。
前面フランジ21は、図3の(c)に示すように、前方から見た形状が略台形を呈していて、その幅寸法が上に向かうに従って漸減している。また、図3の(b)に示すように、前面フランジ21は、側方から見た形状が後方に凸な円弧状を呈している。つまり、前面フランジ21の前面は、円弧面状を呈している(図1参照)。図3の(b)、(e)および(f)に示すように、前面フランジ21は、上から下まで肉厚が変わらない断面長方形の肉厚一定領域21aと、この肉厚一定領域21aの後側に形成された断面台形の肉厚変化領域21bとを備えている。肉厚変化領域21bの肉厚は、上に向かうに従って漸減している。つまり、本実施形態においては、肉厚変化領域21bの肉厚を上に向かうに従って漸減させることで、前面フランジ21の肉厚を上に向かうに従って漸減させている。
後面フランジ22は、図3の(b)に示すように、その下部の二箇所に折れ点(折線)m1,m2を有している。すなわち、後面フランジ22の下部は、二箇所で折れ曲がっている。なお、台座1の上面から折れ点m1までを基部22aと称し、折れ点m1から折れ点m2までを傾斜部22bと称し、折れ点m2から上段取付部24までを主体部22cと称することとする。
基部22aは、平板状を呈していて、台座1から略垂直に立ち上がっている。基部22aの高さ寸法h(図4参照)は、後面フランジ22の高さ寸法hの1/12〜1/8である。
傾斜部22bは、平板状を呈していて、基部22aの上端から前側斜め上方に向かって立ち上がっている。なお、図4に示すように、傾斜部22bの高さ寸法hは、基部22aの高さ寸法hの1/4〜1/2である。
傾斜部22bは、基部22aに対して傾斜しているが、基部22aに対する傾斜部22bの傾斜角度θは、15〜45度に設定するとよい。本実施形態では、基部22aに対する傾斜部22bの傾斜角度θを、30度に設定している。なお、傾斜角度θが15度を下回ると、傾倒の起点になり難くなり、45度を上回ると、後面フランジ22の折れ曲がりが目立つようになり、すっきりとした外観を損ねることになる。
傾斜部22bの上端は、基部22aの上端よりも前側(車道R側)に位置している。本実施形態では、傾斜部22bの上端を、傾斜部22bの肉厚の1.3倍分だけ、基部22aの上端よりも前側に位置させている。なお、基部22aの上端と傾斜部22bの上端の間隔dが傾斜部22bの肉厚の0.8倍を下回ると、傾倒の起点になり難くなり、2.5倍を上回ると、後面フランジ22の折れ曲がりが目立つようになってすっきりとした外観を損ねることになるので、傾斜部22bの上端は、傾斜部22bの肉厚tの0.8〜2.5倍だけ、基部22aの上端よりも前側に位置させるとよい。なお、本実施形態では、傾斜部22bの肉厚tは、基部22aの肉厚tよりも僅かに薄く、かつ、下端から上端まで一定である。
主体部22cは、傾斜部22bの上端から上方に向かって立ち上がっている。本実施形態では、主体部22cは、側方から見た形状が後方に凸な円弧状を呈している。つまり、主体部22cの後面は、円弧面状を呈している(図2参照)。なお、本実施形態においては、主体部22cの曲率半径のほうが、前面フランジ21の曲率半径よりも大きくなっている。また、主体部22cの肉厚tは、傾斜部22bの肉厚tと同じで、下端から上端まで一定である。
図3の(a)に示すように、基部22a、傾斜部22bおよび主体部22cは、いずれも、後方から見た形状が略台形を呈している。すなわち、後面フランジ22の幅寸法は、上に向かうに従って漸減している。
ウェブ23は、台座1の上面から起立している。ウェブ23は、図3の(f)に示すように、前面フランジ21の中心C1と後面フランジ22の中心C2とを含む鉛直面V上に位置している。
上段取付部24は、図3の(b)に示すように、上段の横架材H1(図1参照)を保持する部位であり、本実施形態では、支柱本体2の上端部に形成されている。上段取付部24は、上段の横架材H1の後部を支持する取付座24aと、横架材H1の下面に形成された係合凹溝H13に係合する係合凸部24bとを備えている。図3の(d)に示すように、取付座24aには、ウェブ23を挟んで両側に、挿通孔24cが形成されている。挿通孔24cには、上段の横架材H1を固定するための固定ボルトB2(図3の(b)参照)が挿通される。
中段取付部25は、図3の(b)に示すように、中段の横架材H2を保持する部位であり、前面フランジ21に突設されている。中段取付部25の上面は、中段の横架材H2の外面に沿うように楕円弧面状に成形されている。また、中段取付部25には、図3の(e)に示すように、左右二箇所に挿通孔25a,25aが形成されている。挿通孔25aには、中段の横架材H2を固定するための固定ボルトB3(図3の(b)参照)が挿通される。
下段取付部26は、下段の横架材H3を保持する部位であり、前面フランジ21に突設されているが、その主要な構成は中段取付部25と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、下段取付部26は、折れ点m2よりも上方に位置している。
図2に示すように、防護柵用支柱Pを基礎Kの上面に設置するには、台座1のボルト挿通孔1a,1a,…が基礎Kに埋設したナットN1、N1,…の直上に位置するように台座1を基礎Kの上面に載置し、その後、台座1のボルト挿通孔1aにボルトB1を挿通し、その軸部をナットN1に螺合すればよい。
また、図3の(b)に示すように、防護柵用支柱Pに上段の横架材H1を固定するには、中空梁材H11,H11の境界部分(すなわち、連結部材H12が配置されている部分)を支柱本体2の上段取付部24に保持させればよい。具体的には、横架材H1の係合凹溝H13を上段取付部24の係合凸部24bに係合させつつ、横架材H1の後部を上段取付部24の取付座24aに載置し、取付座24aの挿通孔24c,24c(図3の(d)参照)と中空梁材H11の挿通孔(図示略)とにボルトB2の軸部を挿通するとともに、その先端部を連結部材H12に形成された雌ねじ孔(図示略)に螺合すればよい。
また、防護柵用支柱Pに中段の横架材H2を固定するには、中空梁材H21,H21の境界部分(すなわち、連結部材H22が配置されている部分)を中段取付部25に載置したうえで、中段取付部25の挿通孔25a,25a(図3の(e)参照)と中空梁材H21の挿通孔(図示略)とにボルトB3の軸部を挿通するとともに、その先端部を連結部材H22の雌ねじ孔(図示略)に螺合すればよい。下段取付部26に下段の横架材H3を固定する場合も同様である。
以上のように構成された防護柵用支柱Pに、車道R側から衝突荷重が作用すると、後面フランジ22が基部22aと傾斜部22bとの境界部分(折れ点m1)および傾斜部22bと主体部22cとの境界部分(折れ点m2)において折れ曲がっているので、まず、これら境界部分を起点にして支柱本体2が後方に傾倒し、その後、ウェブ23が面外方向に座屈する。つまり、防護柵用支柱Pは、支柱本体2が後方に傾倒することで、衝撃を効果的に吸収し、さらに、ウェブ23が座屈することで、前面フランジ21の破断を防止するとともに、車両に加わる衝撃力が増大するのを防止する。
そして、この防護柵用支柱Pによれば、前面フランジ21の前面が円弧面状を呈するとともに、後面フランジ22の主体部22cの後面が円弧面状を呈しているので、すっきりとした外観となり、さらに、すっきりとした外観であるが故に、各部の寸法設定や製造が容易になる。
また、防護柵用支柱Pにおいては、前面フランジ21の幅寸法および肉厚を上に向かうに従って漸減させるとともに、後面フランジ22の幅寸法を上に向かうに従って漸減させているので、支柱本体2の全体が必要以上に重厚になることが防止され、ひいては、防護柵用支柱Pの軽量化を図ることが可能となり、さらには、材料費を抑えることが可能となる。なお、支柱本体2が後方に傾倒する際に前面フランジ21に発生する引張力は、上に向かうに従って小さくなるので、前面フランジ21の幅寸法および肉厚を上に向かうに従って漸減させても、支柱本体2の耐力が低下することはない。同様に、支柱本体2が後方に傾倒する際に後面フランジ22に発生する圧縮力は、上に向かうに従って小さくなるので、後面フランジ22の幅寸法を、上に向かうに従って漸減させても、支柱本体2の耐力が低下することはない。
また、本実施形態においては、台座1に形成したボルト挿通孔1aを前面フランジ21と後面フランジ22との間に位置させたので、ボルト挿通孔1aに挿通したボルトB1が前面フランジ21と後面フランジ22とウェブ23とに囲まれることになる。すなわち、防護柵用支柱Pによれば、ボルトB1が車道R側および路肩側から視認し難くなるので、基礎Kに据え付けた後においても、すっきりとした外観を維持することが可能となる。
本実施形態においては、軽量で腐食し難いアルミニウム合金で防護柵用支柱Pを構成したので、その運搬や現場での取り回しが容易になり、また、維持管理に要する手間を軽減することが可能となる。
なお、前記した防護柵用支柱Pの構成は適宜変更しても差し支えない。例えば、本実施形態においては、前面フランジ21の前面を円弧面状としたが、平面状(平板状)としても差し支えない。同様に、本実施形態においては、後面フランジ22の主体部22cの後面を円弧面状としたが、平面状(平板状)としても差し支えない。
また、本実施形態においては、前面フランジ21の幅寸法および肉厚の両方を、上に向かうに従って漸減させたが、これに限定されることはなく、図示は省略するが、前面フランジ21の幅寸法および肉厚の少なくとも一方を、上に向かうに従って漸減させてもよいし、前面フランジ21の幅寸法および肉厚の両方を不変としても差し支えない。
また、本実施形態においては、後面フランジ22の幅寸法を上に向かうに従って漸減させたが、上に向かうに従って漸増させても差し支えない。
支柱本体2の上端部に衝撃荷重を模擬した水平荷重を静的に作用させたときの荷重と変位量との関係を図5に示す。
防護柵用支柱Pの材質は、重力鋳造用アルミニウム合金のAC7A−Fである。台座1の厚さは30mmで、支柱本体2の高さは763mmである。
前面フランジ21の下端における幅寸法は120mmで、上端における幅寸法は95mmである。また、前面フランジ21の下端における肉厚は22mmで、上端における肉厚は11mmである。
後面フランジ22の下端(基部22aの下端)における幅寸法は110mmで、折れ点m1における幅寸法は96mmで、折れ点m2における幅寸法は90mmである。後面フランジ22の高さhは、743mmである。また、基部22aの高さhは68mmであり、肉厚tは12mmである。傾斜部22bの高さhは25mmであり、肉厚tは11mmである。また、主体部22cの高さは650mmであり、肉厚tは11mmである。
ウェブ22cの肉厚は6mmである。
同一の形状および同一の材質で形成された二つの供試体(ケース1、ケース2)について実験を行った。図5に示すように、ケース1では34.0kN、ケース2では34.4kNでウェブ23に座屈が発生したが、支柱本体2の上端部の変位量が30cmに達するまで急激な荷重の落ち込みはなかった。支柱本体2の上端部の変位量が30cmに達して時点での荷重が20kN程度であることから、防護柵用支柱Pが車両の接触・衝突時の衝撃荷重に十分耐え、所定の衝突エネルギーを吸収し得る特性を備えていることが分かる。
本発明の実施形態に係る防護柵用支柱を備える車両用防護柵の斜視図である。 本発明の実施形態に係る防護柵用支柱の斜視図である。 本発明の実施形態に係る防護柵用支柱を示す図であって、(a)は後面図、(b)は側面図、(c)は前面図、(d)は(b)のX1−X1矢視図、(e)は(b)のX2−X2線断面図、(f)は(b)のX3−X3線断面図である。 本発明の実施形態に係る防護柵用支柱の下部を示す拡大側面図である。 防護柵用支柱の上端部に衝撃荷重を模擬した水平荷重を静的に作用させたときの荷重と変位量との関係を示すグラフである。 (a)および(b)は、従来の防護柵用支柱を示す側面図である。
符号の説明
P 防護柵用支柱
1 台座
1a ボルト挿通孔
2 支柱本体
21 前面フランジ
22 後面フランジ
22a 基部
22b 傾斜部
22c 主体部
23 ウェブ
K 基礎

Claims (4)

  1. 車道脇に構築された基礎に固定される台座と、前記台座に立設された支柱本体とを有する防護柵用支柱であって、
    前記支柱本体は、前記車道に面する前面フランジと、前記前面フランジの後方に配置された後面フランジと、前記前面フランジと前記後面フランジとを繋ぐウェブと、前記車道に沿って設置される複数条の横架材を保持する複数の取付部とを備えており、
    前記前面フランジの前面が、後方に凸となる円弧面状を呈しており、
    前記複数の取付部の最上段以外の前記取付部のうち、前記前面フランジに形成された前記取付部は、前記前面フランジの前面に突設されており、
    前記後面フランジが、前記台座から略垂直に立ち上がる平板状の基部と、前記基部の上端から前側斜め上方に向かって立ち上がる平板状の傾斜部と、前記傾斜部の上端から上方に向かって立ち上がる主体部とを備えており、
    前記主体部の後面が、後方に凸となる円弧面状を呈しており、
    前記傾斜部の高さ寸法が、前記基部の高さ寸法の1/4〜1/2であり、
    前記基部と前記傾斜部との境界部分および前記傾斜部と前記主体部との境界部分が最下段の前記取付部の下方に位置しており、且つ、前記両境界部分において前記後面フランジが折れ曲がっており、
    前記後面フランジの前記基部に対する前記傾斜部の傾斜角度が15〜45度であり、
    前記後面フランジの前記傾斜部の上端は、前記傾斜部の肉厚の0.8〜2.5倍分だけ、前記基部の上端よりも前側に位置していることを特徴とする防護柵用支柱。
  2. 前記前面フランジの幅寸法および肉厚の少なくとも一方が、上に向かうに従って漸減していることを特徴とする請求項1に記載の防護柵用支柱。
  3. 前記台座に形成されたボルト挿通孔が、前記前面フランジと前記後面フランジとの間に位置していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防護柵用支柱。
  4. アルミニウム合金製の鋳造品であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の防護柵用支柱。
JP2006146098A 2006-05-26 2006-05-26 防護柵用支柱 Active JP5291283B2 (ja)

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