JP5290941B2 - 折板屋根受具 - Google Patents

折板屋根受具 Download PDF

Info

Publication number
JP5290941B2
JP5290941B2 JP2009267515A JP2009267515A JP5290941B2 JP 5290941 B2 JP5290941 B2 JP 5290941B2 JP 2009267515 A JP2009267515 A JP 2009267515A JP 2009267515 A JP2009267515 A JP 2009267515A JP 5290941 B2 JP5290941 B2 JP 5290941B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof
folded
mounting base
plate roof
pedestal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009267515A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011111762A (ja
Inventor
文義 大野
勇 塚越
五丈 井上
伸一 深田
Original Assignee
三晃金属工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三晃金属工業株式会社 filed Critical 三晃金属工業株式会社
Priority to JP2009267515A priority Critical patent/JP5290941B2/ja
Publication of JP2011111762A publication Critical patent/JP2011111762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5290941B2 publication Critical patent/JP5290941B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

本発明は、折板屋根の流れ方向としての屋根板材の長手方向が長尺で、その長手方向に熱伸縮が発生しても、良好に対応できる折板屋根受具に関する。
従来より、折板屋根流れ方向としての屋根板材の長手方向が長尺な場合において、熱伸縮に対応するように種々開発されている。その折板屋根において、山部と谷部とが連続する折板屋根では、外気温度の変化によって、屋根板材の長手方向が長尺な場合、その長手方向に沿って伸縮する。この伸縮量は、夏等の高温時には極めて大きく、熱歪が発生することにより、特に馳締等の連結部の吊子及び支持具による固定箇所では、熱伸縮による大きな歪が現れて、きしみ音が出る音鳴り現象が発生していたので、これを解消すべく、熱伸縮に対応して適宜可動する可動型屋根受具(スライド型固定金具ともいう。)が開発されており、この種のものとして特許文献1及び特許文献2に開示されている。
該可動型屋根受具は、施工時の温度条件並びに、完成後の使用状態における伸び側、縮み側の変位を吸収するため、確実にスライド代を確保する必要がある。しかし、施工時、スライド中央位置に吊子をセットした(センタリング)状態で可動型屋根受具を取り付けても、その後屋根葺き作業等を行うと、その段階で可動型屋根受具の吊子が勝手にスライドしてしまい、不適切な(伸縮吸収代が無い)位置で屋根材に固定されることがしばしば生じ得る。この場合、伸縮代のない可動型屋根受具に熱伸縮力が集中し、可動型屋根受具が破損する虞も生じていた。折板屋根の屋根板材によって施工された屋根で、特に大形建造物においては、従来の可動型屋根受具を使用しても、そのスライド性能が十分発揮されないことがあった。また、固定型屋根受具(拘束型固定金具ともいう。)に対して、屋根板材の過大な熱伸縮による荷重が働き、前記固定型屋根受具には損傷が引き起こされることがあった。
特開2008−255648 特開2009−203718
このような破損については次の要因が考えられる。その折板屋根板材には、熱伸縮力以外に、屋根板材自身の重量、積雪荷重、風荷重、地震荷重等の様々の負荷が掛かる。これらの負荷が掛かった状態では、円滑にスライドしないことが生じ得る。また建物の供用期間中にはこれらの負荷により、躯体や屋根板材が変形し、スライド性能が低下することが考えられる。一般には熱伸縮に対応できるような可動型屋根受具については、特許文献1及び特許文献2に開示されているが、これらの特許文献1,2では上記の問題点や或は施工時、スライド中央位置から吊子がずれてしまうという不都合な点は解決されていない。
また、一般に、二重屋根に使用される固定型屋根受具の方が熱伸縮による負荷は大きい。これは、二重屋根を使用する建物では、空調等を備えることが一般であり、そのために、躯体や二重屋根の下葺き用の屋根板材の温度条件の変動が小さく、上葺き用の屋根板材の温度変化がそのまま熱伸縮負荷として断熱具にかかることになる。また、上葺き屋根板材の下に断熱材があることで、熱が上葺き屋根板材の下に逃げにくくなるため、上葺き屋根板材の温度変動が大きくなり、可動型屋根受具の開発の要望がある。本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、折板屋根の流れ方向としての屋根板材の長手方向が長尺で、その長手方向に熱伸縮が発生しても、良好に追従することができ、弾性力にて復元機能を持たせるようにすることを実現することにある。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、台座支持部が上部に設けられた固定台座本体と、屋根面固定部材の下部が取り付けられる取付台座と、2個の弾性部材とからなり、前記台座支持部の長手方向両端側には弾性部材がそれぞれ配置されると共に、前記取付台座を略中央に位置させて前記2個の弾性部材を直列状に介在させ、前記両弾性部材の付勢力にて前記取付台座が折板屋根の流れ方向に可動するように設けられてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記両弾性部材は、コイルバネとしてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項2において、前記両コイルバネは、圧縮コイルバネとしてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。請求項4の発明を、請求項3において、前記両圧縮コイルバネのそれぞれの一端は、前記取付台座の長手方向両端縁に固着されてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項5の発明を、請求項2において、前記両コイルバネは、引張コイルバネとしてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。請求項6の発明を、請求項5において、前記両引張コイルバネのそれぞれの一端は前記取付台座の長手方向両端縁に連結され、前記両引張コイルバネのそれぞれの他端は前記台座支持部の長手方向両側に連結されてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項7の発明を、請求項1において、前記両弾性部材は、高分子ゴム材としてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。請求項8の発明を、請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれか1項の記載において、前記台座支持部には、スライド案内部が形成され、前記取付台座は、前記スライド案内部を介して前記折板屋根の流れ方向に可動してなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項9の発明を、請求項8において、前記スライド案内部は前記台座支持部の長手方向に沿って適宜の間隔をおいて2個形成され、且つスライド案内部には溝状孔が形成され、該溝状孔に前記取付台座が挿入され、前記台座支持部上を可動してなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。請求項10の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9のいずれか1項の記載において、前記取付台座は、台座支持部に対して前記弾性部材の付勢力にて略中立位置に維持されるようにしてなる折板屋根受具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、折板屋根受具は、前記台座支持部の長手方向両端側には弾性部材がそれぞれ配置されると共に、前記取付台座を略中央に位置させて前記2個の弾性部材を直列状に介在させたことにより、取付台座に装着された屋根面固定部材が折板屋根の流れ方向における熱伸縮に対して良好に追従することができる。
特に、通常の外気温度から高温又は低温に変化した場合に屋根板材はその熱伸縮が極めて大きくなり、その屋根板材の熱伸縮に伴って屋根面固定部材も可動する。このとき弾性部材は、弾性付勢力を有することとなり、外気温が常温に戻るときには、前記取付台座は、前記弾性部材の弾性付勢力によって、元の位置へ戻る移動ではアシスト(補助)され、取付台座と共に屋根面固定部材も屋根板材の熱伸縮に極めて良好に追従することができる。また、折板屋根が流れ方向に傾斜したタイプものでは、屋根板材の自重が屋根面固定部材にかかり、長期に亘って下方に移動してしまうものであるが、本発明においては、弾性部材によって、取付台座が支持されているので、弾性部材がその折板屋根受具の受け持つ部分の重量に対して十分に支持し、屋根板材が下方に移動することを防止することができる。
請求項2の発明では、両弾性部材は、コイルバネとしたことにより、特に屋根板材の熱伸縮によって生じる略直線方向の荷重に対抗するのに部材として極めて好適であり、且つ本発明における装着も比較的簡単にすることができる。請求項3の発明では、前記両コイルバネは、圧縮コイルバネとしたことにより、本発明の弾性部材として装着し易く、且つ扱い易いものにすることができる。
請求項4の発明では、両圧縮コイルバネのそれぞれの一端は、前記取付台座の長手方向両端縁に固着されたことにより、圧縮コイルバネが取付台座と共に移動し、弾性部材の紛失を防止することができる。請求項5の発明では、両コイルバネは、引張コイルバネとしたことにより、圧縮コイルバネと同様に通常に使用されるものであり、本発明における装着も比較的簡単にすることができる。
請求項6の発明では、両引張コイルバネのそれぞれの一端は前記取付台座の長手方向両端縁に連結され、前記両引張コイルバネのそれぞれの他端は前記台座支持部の長手方向両側に連結された構成のために、取付台座は、常時2個の弾性部材の弾性付勢力を受けることとなり、特に自重の大きな屋根板材が使用される折板屋根に対して好適である。請求項7の発明では、請求項1において、前記両弾性部材は、高分子ゴム材が使用されることで、金属製のバネのように錆びることがなく、安定した状態で使用することができる。
請求項8の発明では、台座支持部には、スライド案内部が形成され、前記取付台座は、前記スライド案内部を介して前記折板屋根の流れ方向に可動する構成により、取付台座は、より一層安定した動作にすることができる。請求項9の発明では、台座支持部の長手方向における取付台座の動作を正確に行うことができる。請求項10の発明では、取付台座は、台座支持部に対して前記弾性部材の付勢力にて略中立位置に維持されるようにしたことにより、折板屋根受具は、その施工が完了するまで、屋根面固定部材は固定台座本体に対して略中立状態にあり、屋根面固定部材の位置を固定台座本体に対して一々調整しながら固定する必要はなくなり、作業効率を向上させることができる。
(A)は本発明の第1実施形態における折板屋根受具の斜視図、(B)は(A)の分解斜視図、(C)は(A)の一部省略したXa−Xa矢視断面図、(D)は(C)のXb−Xb矢視断面図、(E)は(C)の一部省略したYa−Ya矢視断面図である。 (A)は折板屋根受具を馳締タイプの外囲体に使用した状態の縦断正面略示図、(B)は(A)の要部拡大図、(C)は折板屋根受具を馳締タイプの外囲体に使用した状態の斜視図である。 (A)は折板屋根に本発明を装着した全体の略示図、(B)は(A)の一部断面にした要部拡大図、(C)及び(D)は第1実施形態の折板屋根受具の作用図である。 (A)は第1実施形態の変形例を示す縦断側面図、(B)及び(C)は第1実施形態における変形例の作用図である。 (A)は本発明の第2実施形態の要部斜視図、(B)は(A)の一部省略したXc―Xc矢視拡大断面図、(C)は(A)のXd―Xd矢視拡大断面図、(D)は第2実施形態の変形例を示す要部断面図である。 (A)は本発明の第3実施形態の縦断側面図、(B)は作用図、(C)は第3実施形態の変形例を示す要部断面図である。 (A)は本発明の第4実施形態の縦断側面図、(B)は要部斜視図、(C)は第4実施形態の変形例を示す要部断面図である。 (A)は本発明の第5実施形態の縦断側面図、(B)は一部省略した平面図、(C)は(A)のXe−Xe矢視断面図である。 (A)は本発明の第6実施形態の縦断側面図、(B)は(A)のXf−Xf矢視端面図、(C)は(A)のYb−YbXe矢視図、(D)は要部分解斜視図である。 本発明の第7実施形態の斜視図である。 (A)は本発明の第8実施形態の要部縦断側面図、(B)は第8実施形態の要部分解斜視図である。 (A)は本発明の第9実施形態の斜視図、(B)は第9施形態の縦断側面図ある。 (A)は本発明の第10実施形態の縦断側面図、(B)は要部斜視図、(C)は第10施形態の作用図である。 (A)は本発明をキャップ材を有する嵌合タイプの折板屋根に使用した要部正面図、(B)は(A)の要部縦断側面図、(C)は(B)の要部斜視図、(D)は重合タイプの折板屋根に使用した状態の要部正面略示図、(E)は嵌合タイプの折板屋根に使用した状態の要部正面略示図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は、図1に示すように、主に固定台座本体Aと取付台座4と、2個の弾性部材6,6とからなる。固定台座本体Aは、金属板材が適宜折曲されることにより一体的に形成されたものであり、台座支持部1の幅方向両側に脚部2,2が形成されている。前記台座支持部1の幅方向一端側の脚部2との間には門形状部3が形成されることもある。該門形状部3が形成されるのは、特に折板屋根を構成する屋根板材9として、馳締タイプのものが使用される場合であり、且つ後述する馳締タイプの屋根面固定部材7を使用する場合に、左右の高さを略均一にする役目をなす〔図1(E)参照〕。
前記台座支持部1には、後述する取付台座4が可動可能に装着される。前記両脚部2は、脚柱片21と、該脚部2の下端に形成された固定片22とから形成されたものである。前記脚柱片21は、略垂直状の板片として形成されたものであり、固定片22は、前記脚柱片21の下端に略直角に折曲形成されたものである。また、両脚柱片21,21は、「ハ」字又は台形状となるように傾斜状に形成されることもある。
本発明は、以上の主要なる構成部材によって、前記台座支持部1の長手方向両端側には、弾性部材6がそれぞれ1個づつ配置されると共に、両弾性部材6,6の間に前記取付台座4が位置されて前記2個の弾性部材6,6が直列状に介在され、両弾性部材6,6の付勢力によって、前記取付台座4が折板屋根の流れ方向に可動可能となるように構成されたものである。このような構成には、種々の実施形態が存在する。
第1実施形態(図1乃至図4)は、前記台座支持部1は、図1(B)に示すように、長方形に形成され、中央の領域には、2個のスライド案内部5,5が形成されている。さらに前記台座支持部1の長手方向の両端で且つ上方に向かって、端部立上り部11,11が形成されている。また、取付台座4は、図1(B)に示すように、スライド主板部41と屋根面固定部材取付け部42とから構成されている。ここで、本発明における長手方向とは、この折板屋根受具によって屋根板材9を支持する状態において、該屋根板材9の長手方向と同一方向である、そして、屋根板材9の長手方向は、折板屋根の流れ方向となる。本発明の折板屋根受具における長手方向を、図1(C),(D),図3(A),(B)で示されている。
スライド主板部41は、長方形の金属板であり、後述するスライド案内部5によって、前記台座支持部1上を長手方向に往復移動することができる。前記屋根面固定部材取付け部42は、スライド主板部41の長手方向の中心に位置して形成されたものであり、後述する屋根面固定部材7が装着される部位であり、貫通孔42aとして形成され、必要に応じてボルトと螺合するための内螺子が形成されている〔図1(B)参照〕。また、後述するように、螺子軸42bが固着されることもある〔図14(A),(B),(D)等参照〕。
前記スライド案内部5は、案内板51に溝状孔51aが形成されたものである。前記案内板51は、前記台座支持部1に対して垂直(略垂直も含む)に形成されている。実際にはスライド案内部5の案内板51は、台座支持部1とは別部材となるものであり、溶接等の固着手段により2個の案内板51,51は、前記台座支持部1上に固着される〔図1(B)参照〕。2個のスライド案内部5,5の間隔の中心位置は、前記台座支持部1の長手方向の中心位置に一致するように設定される〔図1(C)参照〕。
前記スライド案内部5の溝状孔51aは、取付台座4が挿入且つスライド自在となるように、サイズが決定される。具体的には、前記溝状孔51aは、水平方向を長手方向とする略線状の長方形に形成されたものである。溝状孔51aの幅(左右)方向の溝幅は、取付台座4のスライド主板部41の幅方向の厚さ寸法よりも僅かに大きく形成され、溝状孔51aの上下方向の溝幅は、取付台座4のスライド主板部41の厚さ寸法よりも僅かに大きく形成され、スライド主板部41が良好に往復移動することができるようになっている。また、両案内板51,51の間隔は、後述する屋根面固定部材7の下部が屋根板材の熱伸縮範囲よりも広く形成されている。すなわち、屋根面固定部材7は、取付台座4と共に移動するときに前記スライド案内部5と干渉することがないように構成される。
そして、弾性部材6は、前記台座支持部1の長手方向の両側にそれぞれ1個ずつ配置され、前記取付台座4が、前記スライド案内部5,5によってスライド可動自在に装着されれる。さらに、両弾性部材6,6の間に前記取付台座4が位置して、弾性部材6,取付台座4,弾性部材6となる直列状の配列構成で、台座支持部1に装着される〔図1(C),(D)参照〕。
弾性部材6は、複数の種類が存在し、バネやゴムが使用される。バネとしたものではコイルバネ,板バネ,空気バネ等が存在する。またゴムは高分子ゴムが使用される。まず、弾性部材6としてコイルバネが使用される例について説明する。本発明において、弾性部材6は、バネ定数が伸縮量にかかわらず、常に一定であり、伸縮は線形に比例するものであることが好ましい。本発明においてコイルバネには、圧縮コイルバネ61と引張コイルバネ62とが存在する。本発明において、圧縮コイルバネ61が使用される場合には、コイルバネは2個とも圧縮コイルバネ61となる。また、引張コイルバネ62が使用される場合には、コイルバネは2個とも引張コイルバネ62が使用される。
まず、圧縮コイルバネ61が使用される例について説明する。台座支持部1の長手方向中心位置と、前記取付台座4の長手方向中心位置とを一致させる。このとき、取付台座4の屋根面固定部材取付け部42の位置は、台座支持部1の長手方向に対しても中心となる。これによって、台座支持部1の両端部立上り部11,11と、取付台座4のスライド主板部41の長手方向両端の端縁41a,41aとの両間隙S,Sの間隔寸法Lは等しくなっている〔図1(C),(D)参照〕。そして、両間隙S,Sには、前記圧縮コイルバネ61,61が配置される。圧縮コイルバネ61の自然長は、前記間隙Sの間隔寸法Lと略同一であることが好ましい。
すなわち、中立状態における台座支持部1と取付台座4において、屋根面固定部材7と共に取付台座4が台座支持部1に対してΔL移動すると、一方の側の端部立上り部11と取付台座4の端縁41aとの間隔は、L−ΔLとなり、他方側の端部立上り部11と取付台座4の端縁41aとの間隔は、L+ΔLとなる。そして、間隔の狭くなった端部立上り部11と取付台座4の端縁41aとの間に収納された圧縮コイルバネ61は圧縮されて、弾性付勢力を生じることになる。そして、台座支持部1と取付台座4の長手方向の中心が一致している中立状態のときには、両圧縮コイルバネ61,61には、両方とも略自然長であるため、両方の圧縮コイルバネ61,61には弾性付勢力は生じていない。
上記構成において、前記取付台座4が長手方向のいずれか一方に移動することにより、移動した側に配置された圧縮コイルバネ61が圧縮され、弾性付勢力Fが発生し、取付台座4には圧縮された圧縮コイルバネ61からの弾性付勢力を受けることになり、取付台座4を自由な状態にすることで、圧縮された圧縮コイルバネ61の弾性付勢力によって、取付台座4は、元の位置に戻り、台座支持部1の取付台座4の長手方向中心の位置が一致し、中立状態となる。
前記両圧縮コイルバネ61,61の伸縮方向の一端は、前記取付台座4の前記両端縁41a,41aに溶接等の固着手段によって固着される。すなわち、両圧縮コイルバネ61,61は、前記取付台座4と共に移動することになる。圧縮コイルバネ61を使用する例では、通常取付台座4の移動によって圧縮された側の圧縮コイルバネ61のみが弾性付勢力Fを生じるものであり、他方側の圧縮コイルバネ61は、自由状態にある〔図3(C),(D)参照〕。
次に、引張コイルバネ62が使用される例について図4に基づいて説明する。引張コイルバネ62が使用される例についても、圧縮コイルバネ61の場合と略同様であり、台座支持部1の長手方向中心位置と、前記取付台座4の長手方向中心位置とを一致させ、屋根面固定部材取付け部42の位置は、台座支持部1の長手方向に対しても中心となるように設定する。両間隙S,Sには、前記引張コイルバネ62,62が配置される。引張コイルバネ62の自然長は、台座支持部1と取付台座4とが中立状態にあるときの前記間隙Sの間隔寸法Lと略同一であることが好ましい。
さらに、引張コイルバネ62には、伸縮方向の両端にフック62a,62aが形成され、一方のフック62aが前記台座支持部1の端部立上り部11に係止され、他方のフック62aが前記取付台座4の端縁41a箇所に係止される〔図4(A)参照〕。前記端部立上り部11及び端縁41a箇所には、前記フック62aが,係止される被係止部11a及び41bがそれぞれ形成されており、具体的にはフック62aが係止可能な貫通孔として形成されている。
上記構成において、前記取付台座4が長手方向のいずれか一方に移動することにより、移動した側とは反対側に位置する引張コイルバネ62が伸び、伸び方向と反対方向の弾性部材6が発生し、前記取付台座4の移動した側の引張コイルバネ62が圧縮され、縮み方向とは反対方向の弾性付勢力が発生し、前記取付台座4には、両引張コイルバネ62,62による弾性付勢力F,Fを受けることになる〔図4(B),(C)参照〕。このように、引張コイルバネ62が使用される例では、取付台座4の移動に伴い、両引張コイルバネ62,62は、伸縮することとなり、取付台座4は、両引張コイルバネ62,62からの弾性付勢力を受けるものである。
次に、第2実施形態では、図5(A),(B)に示すように、スライド案内部5は、前記台座支持部1の長手方向両端から幅方向両側より折返し片52,52が形成されたものである。該折返し片52,52は幅方向において左右対称形状であり、台座支持部1の幅方向両端から屈曲片52a,52aを介して、前記台座支持部1の上面に被さるように爪状片52b,52bが形成されたものである。このような1対の折返し片52,52としたスライド案内部5は、前記台座支持部1の長手方向両側に形成され、前記爪状片52b,52bと、前記台座支持部1との間に取付台座4が挟持された状態で台座支持部1上を長手方向に沿って可動するように構成される。
また、前記スライド主板部41の取付台座4が形成されている部分は略門形状又は凸形状の段差部43として形成され、屋根面固定部材7の固定用ボルトをねじ込み易い構造としている。この第2実施形態でも、前記第1実施形態と同様に2個の弾性部材6,6が前記取付台座4を中央にして、直列状の配列が行われる。使用される弾性部材6は、第1実施形態と同様にコイルバネ(圧縮コイルバネ61又は引張コイルバネ62)又は板バネ,空気バネ或は高分子ゴムが使用される。
第2実施形態の変形例として、前記折返し片52,52が前記台座支持部1ではなく前記取付台座4側に形成されものである〔図5(D)参照〕。具体的には、該取付台座4の長手方向の両側で且つ下方側に向かって前記折返し片52,52が形成されたものである。すなわち、前記折返し片52の爪状片52bは、取付台座4の下面側に対向するようにして形成されている。そして、取付台座4の下面と爪状片52b,52b,…とによって、前記台座支持部1を挟持しつつ、取付台座4が台座支持部1上を可動する構成としたものである。この変形例においても、前記取付台座4には、段差部43が形成されるものである。
次に、第3実施形態では、図6(A),(B)に示すように、スライド案内部5の折返しカバー部53が前記台座支持部1の長手方向両端に形成されたものである。具体的には台座支持部1の長手方向両端縁に屈曲片53aがそれぞれ形成され、該屈曲片53aを介して、前記台座支持部1の上面に被さるようにカバー状片53bが形成されたものである。折返しカバー部53は、前記台座支持部1の長手方向両端において左右対称形状に形成される。
そして、前記台座支持部1と折返しカバー部53のカバー状片53bとの間に前記弾性部材6が配置され、且つ前記取付台座4の長手方向両側箇所が前記両折返しカバー部53のカバー状片53bと、台座支持部1の上面との間に挿入され、前記台座支持部1上で且つ両折返し片52,52間に前記2個の弾性部材6と前記取付台座4とが直列状に配列される。第3実施形態の変形例としては、取付台座4側に折返しカバー部53が形成されたものである〔図6(C)参照〕
次に、第4実施形態では、図7に示すように、スライド案内部5として、前記台座支持部1の長手方向にガイド板54,54が形成され、該両ガイド板54,54には、端部ガイド溝状孔54a,54aが形成されている。前記取付台座4が前記端部ガイド溝状孔54a,54aに挿入され、前記取付台座4が移動するように構成される。また弾性部材6はピン部材によって連結されている。
次に、第5実施形態では、図8に示すように、スライド案内部5として、前記台座支持部1の幅方向両側にガイド板54,54が形成され、該両ガイド板55,55には、側部ガイド溝状孔55a,55aが形成されている。また前記取付台座4の幅方向両側より、側部ガイド片55b,55bが形成され、前記側部ガイド溝状孔55a,55aに挿入され、前記取付台座4が移動するように構成される。
次に、第6実施形態では、図9に示すように、スライド案内部5として、前記台座支持部1には長手方向に沿って、底部ガイド溝状孔56aが形成され、取付台座4には垂下状ガイド部56bが形成されたものである。第7実施形態では、図10に示すように、前記取付台座4に段差部43が形成されたものである。第8実施形態では、図11に示すように、台座支持部1に段差部12が形成されたものである。
第9実施形態としては、図12に示すように、コイルバネとして捩りコイルバネ63が使用されるものである。捩りコイルバネ63が使用される場合においても、2個の捩りコイルバネ63,63の配置は、前記コイルバネ(圧縮コイルバネ61及び引張コイルバネ62)の場合と略同様である。ただし、前記台座支持部1には、捩りコイルバネ63を固定するための固定片12が形成される。
また、第10実施形態としては、弾性部材6として高分子ゴム64を使用されるものである〔図13(A)参照〕。その配置は、前記コイルバネ(圧縮コイルバネ61及び引張コイルバネ62)の場合と略同様である。そして、高分子ゴム64が使用される例では、前記取付台座4の両端縁41a,41aに接着剤又はビス等の固着具によって固着される〔図13(B),(C)参照〕。
屋根面固定部材7は、後述する屋根板材9の種類に基づいて種々のタイプが存在する。まず馳締タイプの屋根板材9では、屋根面固定部材7は馳締用吊子としての役割をなすものであり、取付基部71と馳締舌片部72とからなる。馳締舌片部72は、図1に示すように、首部721の上端から馳締屈曲部722が形成されている。該馳締屈曲部722は、延長方向を長手方向として形成されている。前記首部721は、前述したように、取付基部71から略垂直状に立ち上がり形成されたものである。
前記馳締屈曲部722は、弧状屈曲片722a,頂片722b,弧状端縁722cが形成されており、後述の馳締タイプの屋根板材9の弧状に形成された下馳部94と上馳部95に対応するものである。具体的には、図1(E)に示すように、前記首部721の上端には、弧状屈曲片722aが形成され、該弧状屈曲片722aの上端より頂片722bが形成され、該頂片722bの端部より弧状端縁722cが形成されている。前記弧状屈曲片722aは、前記弧状端縁722cよりも曲率半径が大きく形成されている。また、前記頂片722bは、平坦状に形成されている。
具体的には、前記首部721の上端の長手方向の長さと、馳締屈曲部722の長手方向の長さとが同一で一致するように形成されている〔図1(C)参照〕。また、特に図示しないが、前記馳締屈曲部722の変形例としては、角状に形成されることもあり、具体的には略三角形状に屈曲形成されたものである。この角状の馳締屈曲部722を有する馳締舌片部72は、角馳タイプの屋根板材に適応するものである。前記取付基部71には、取付孔が形成され、前記取付台座4にボルト等の固着具にて固着される。屋根面固定部材7には、その他のタイプとして、後述するように嵌合キャップ材97を使用する嵌合タイプの屋根板材9に適応するもの〔図14(A)乃至(C)参照〕や、屋根板材9,9同士の山形部同士を重合させて連結する重合タイプの屋根板材9に適応するもの〔図14(D)参照〕や、重合する山形部同士に嵌合屈曲部が設けてあり、重合且つ嵌合させて連結するタイプに適応するもの〔図9(E)参照〕等が存在する。
次に、屋根板材9 は、種々の折板タイプが存在するものであり、馳締タイプ(図3,図4参照)、嵌合キャップ材97を使用する嵌合タイプ〔図14(A)参照〕,山形部同士を重合して連結する重合タイプ〔図14(D)参照〕,山形部に嵌合屈曲部が形成され、山形部同士を重合且つ嵌合して連結する嵌合タイプ〔図14(E)参照〕等が存在する。まず馳締タイプの屋根板材9としては、図3,図4に示すように、主板91の幅方向両側部分より立上り側部92,92が形成され、両立上り側部92,92の両端より頂部93,93が形成され、該頂部93,93の一方の端から下馳部94が形成され,他方の頂部93の端には上馳部95が形成されている。前記屋根板材9は、金属製であり、具体的には金属板からロール成形等によって成形されたものである。
そして、このような屋根板材9,9 …が複数並設され、隣接する屋根板材9,9 同士の下馳部94と上馳部95との間に、前記馳締舌片部72における馳締屈曲部722が介在され、前記下馳部94と前記上馳部95と前記馳締屈曲部722を介して馳締め結合され馳締外囲体が施工される。具体的には、前記固定台座本体Aの馳締屈曲部722の内方側(又は下面側)に下馳部94が巻き込まれ、前記馳締屈曲部722の外方側(上面側)に上馳部95が巻き付けるように覆う構造となる。馳締舌片部72の長手方向と、屋根板材9の長手方向とは一致している。すなわち、屋根板材9の熱伸縮における伸縮方向と、固定台座本体Aの馳締舌片部72の長手方向とが一致しているものである。
また、前記下馳部94と上馳部95との総称として馳部ということもある。馳締外囲体は、屋根板材9,9 ,…から構成される。前記下馳部94及び上馳部95は、共に丸馳としたものであり、略円弧状に形成されたものである。また下馳部94と上馳部95との別の実施形態では、角形状としたものが存在する。角形状としたものでは、略三角形状に折曲形成されるものである。
図14(A)乃至(C)は、被嵌合部96と、嵌合キャップ材97とから構成される。このタイプの屋根板材9に適応する屋根面固定部材7では嵌合吊子73が使用される。そして、隣接する屋根板材9,9の対向する被嵌合部96,96が前記嵌合吊子73によって前記折板屋根受具の取付台座4上に固定され、対向する前記被嵌合部96,96と前記嵌合吊子73に前記嵌合キャップ材97が嵌合固定される。また、前記取付台座4と嵌合吊子73との間にはブロック部材74が固着されている。該ブロック部材74には、前記嵌合吊子73を固定するための螺子軸75が設けられており、ナットを介して前記嵌合吊子73が固定される。
図14(D)では、重合タイプの屋根板材9であり、屋根板材9に形成された山形部98,98同士を重合させるものである。この場合には、前記取付台座4上に螺子軸75が設けられた前記ブロック部材74が装着される。そして、山形部98,98の頂部同士が重合されると共に、その頂部同士に前記螺子軸75が貫通し、ナットが前記っ螺子75に締め付けられて、前記ブロック部材74に固定される。図14(E)では、屋根板材9の山形部98,98に嵌合屈曲部98a,98aが形成されており、該嵌合屈曲部98a,98a同士が嵌合されるものである。この場合には屋根面固定部材7には、前記嵌合屈曲部98a,98aに嵌合する被嵌合突起74a, 74aが形成されたブロック部材74に嵌合固定される。
本発明の折板屋根受具は、屋根を構成する屋根板材9の熱伸縮に伴って、該屋根板材9の伸び又は縮みと共に移動し、且つ伸縮における元の長さに戻るときには、前記折板屋根受具に装着された弾性部材6の弾性付勢力に伴って取付台座4と共に屋根面固定部材7が屋根板材9の熱伸縮に確実に追従することができるものである。さらに本発明の折板屋根受具は、建築現場に持ち込まれたときの状態は、弾性部材6によって取付台座4は、台座支持部1に対して略中立位置に維持されており、前記取付台座4の長手方向中心に固着された屋根面固定部材7も前記台座支持部1の長手方向に対して略中立位置が維持されるものである。つまり、屋根施工直後であっても、前記屋根面固定部材7の常にセンタリングが保持できる。
本発明の折板屋根受具の取付台座4に屋根面固定部材7を固着具等を介して固着する際に、特に何ら手を加えることなく屋根面固定部材7が固定台座本体Aに対して中立位置(略中立位置)となるようにすることができる。屋根面固定部材7を略中立位置にすることにより、固定台座本体Aに対して、前記取付台座4と共に屋根面固定部材7はその長手方向に沿って、正方向及び反対方向のいずれにも均等に移動可能にすることができる。したがって、屋根板材9の熱伸縮方向において、その伸び方向又は縮み方向のいずれに対しても、前記屋根面固定部材7は、均等に可動可能にすることができる。
ここで、折板屋根を構成する屋根板材9は、その長手方向に沿って熱伸縮するものであり、屋根板材9の長手方向が折板屋根の流れ方向と一致する。すなわち折板屋根は、流れ方向に熱伸縮が行われることになる。なお、ここで前記屋根板材9の正方向の移動は、屋根板材9の熱伸縮の伸び方向と同一の方向であり、前記屋根板材9の反対方向の移動は、屋根板材9の熱伸縮の縮み方向と同一の方向である。これによって、折板屋根における屋根板材9の熱伸縮を良好に吸収することができ、板鳴り現象を防止することができる。
本発明の折板屋根を使用して屋根の施工を行う工程について説明する。ここでは、折板屋根は、馳締タイプのものであり、折板屋根を構成する屋根板材9は馳締タイプのものである。本発明の折板屋根受具は、現場に搬送されるときには、前記固定台座本体Aの取付台座4は、弾性部材6の弾性付勢力によって台座支持部1の長手方向に対して略中立状態に維持されている〔図1(C),(D)参照〕。それゆえに、屋根面固定部材7は、取付台座4に固着するときには、折板屋根受具に対して屋根面固定部材7が勝手に変位することがなく、たとえ変位するようなことがあったとしても、弾性部材6の弾性付勢力によって、屋根面固定部材7は折板屋根受具に対して中立状態にされる。そして、屋根面固定部材7は、取付台座4に固着するときには、固定台座本体Aに対して中立状態にすることが容易にできる。
まず、平行或いは所定の規則に基づいて配置施工された複数の母屋,胴縁等の構造材100上に複数の折板屋根受具の固定台座本体Aが配置固着される。次に、幅方向に複数配置固着された固定台座本体A,A,…のそれぞれの間に前記屋根板材9が配置され、幅方向に隣接する屋根板材9,9の対向する下馳部94と上馳部95が前記屋根面固定部材7の馳締舌片部72の馳締屈曲部722によって馳締固定され、これによって屋根板材9が折板屋根受具に支持固定される。折板屋根受具は、その施工が完了するまで、屋根面固定部材7は固定台座本体Aに対して略中立状態にある。したがって、屋根面固定部材7の位置を固定台座本体Aに対して一々調整しながら固定する必要はなくなり、作業効率を向上させることができる。
本発明の折板屋根受具による折板屋根の熱伸縮に対する作用について説明する。なお、ここでは、圧縮コイルバネ61が使用されたものについて説明する。外気の温度変化により、折板屋根の流れ方向に熱伸縮が発生する。すなわち、折板屋根を構成する屋根板材9の長手方向に熱伸縮が発生する。該屋根板材9を支持固定する屋根面固定部材7は、熱伸縮に伴って移動する。このとき、該屋根面固定部材7と共に取付台座4が台座支持部1に対して可動(移動)することになる。たとえば、屋根板材9の熱伸縮により、前記屋根面固定部材7が図3(B)に示すように、中立位置から左側に移動する。すると、取付台座4も右側に移動する。取付台座4が可動することによって、取付台座4の可動方向側の弾性部材6は圧縮され、弾性付勢力が蓄えられることになる。
そして、外気の温度が変化する前の温度に戻ると屋根板材9も、熱伸縮によって変化する前の元の長さに戻るが、このとき、圧縮された圧縮コイルバネ61の弾性付勢力Fによって、前記取付台座4を元の位置(例えば中立位置)に戻そうとするように働く。これによって、屋根面固定部材7は、屋根板材9と共に元の位置に戻ることができる。図3(C)は、外気の温度変化により、屋根板材9の熱伸縮と共に前記屋根面固定部材7が、中立位置から右側に移動した場合である。
この場合についても、前述した前記屋根面固定部材7が、中立位置から左側に移動した場合と略同様の状態となるが、この場合では、他方側の圧縮コイルバネ61が縮むことになる。このように、取付台座4が可動することによって、取付台座4の可動方向側の圧縮コイルバネ61は圧縮され、弾性付勢力が蓄えられることになる。そして、温度変化が生じて前記屋根板材9が元の長さとなるような熱伸縮が生じたときには、前記弾性部材6の弾性付勢力が取付台座4を元の位置に戻ることを補助(アシスト)し、屋根面固定部材7が屋根板材9の熱伸縮に正確且つ良好に追従することができるようにしたものである。
次に、両弾性部材6,6を引張コイルバネ62,62とした場合の作用を、図4に基づいて説明する。それぞれの引張コイルバネ62の両端が対向する組の固定規制部13と可動規制部43に、フック62a,62aを介して係止連結されている。そして、外気温の変化により折板屋根を構成する屋根板材9の熱伸縮によって屋根面固定部材7が移動すると、取付台座4も同様に移動する。図4(B)では、屋根板材9の熱伸縮と共に前記屋根面固定部材7が、中立位置から左側に移動した場合であり、図4(C)では、屋根板材9の熱伸縮と共に前記屋根面固定部材7が、中立位置から右側に移動した場合である。
前記取付台座4が屋根面固定部材7と共に、長手方向のいずれか一方に移動することにより、長手方向一方側の引張コイルバネ62が縮み、また他方側の引張コイルバネ62が伸びる。そして、前記両間隔S,Sに収納された引張コイルバネ62,62は、相互に逆方向で且つ同一の大きさの弾性付勢力が生じる。
すなわち、一方の引張コイルバネ62は、縮んで正の弾性付勢力(+F)が発生し、他方の引張コイルバネ62は伸びて負の弾性付勢力(―F)が発生する。正の弾性付勢力(+F)と負の弾性付勢力(―F)とは、共に、前記取付台座4を前記台座支持部1に対して中立位置に戻そうとする方向に作用するものである。そこで、屋根板材9が熱伸縮して長さ変化する前の元の長さに戻るときには、両引張コイルバネ62,62の弾性付勢力が、前記屋根面固定部材7を、中立位置又は下の位置に戻そす働きを行うものである。特に両弾性部材6,6を引張コイルバネ62とした場合には、2つの弾性付勢力がかかるので、屋根面固定部材7は極めて強固な押圧力を受けて、元の位置に戻る場合には戻ることができる。
A…固定台座本体、1…台座支持部、4…取付台座、41a…端縁、
5…スライド案内部、6…弾性部材、61…圧縮コイルバネ、62…引張コイルバネ、
63…高分子ゴム材、7…屋根面固定部材。

Claims (10)

  1. 台座支持部が上部に設けられた固定台座本体と、屋根面固定部材の下部が取り付けられる取付台座と、2個の弾性部材とからなり、前記台座支持部の長手方向両端側には弾性部材がそれぞれ配置されると共に、前記取付台座を略中央に位置させて前記2個の弾性部材を直列状に介在させ、前記両弾性部材の付勢力にて前記取付台座が折板屋根の流れ方向に可動するように設けられてなることを特徴とする折板屋根受具。
  2. 請求項1において、前記両弾性部材は、コイルバネとしてなることを特徴とする折板屋根受具。
  3. 請求項2において、前記両コイルバネは、圧縮コイルバネとしてなることを特徴とする折板屋根受具。
  4. 請求項3において、前記両圧縮コイルバネのそれぞれの一端は、前記取付台座の長手方向両端縁に固着されてなることを特徴とする折板屋根受具。
  5. 請求項2において、前記両コイルバネは、引張コイルバネとしてなることを特徴とする折板屋根受具。
  6. 請求項5において、前記両引張コイルバネのそれぞれの一端は前記取付台座の長手方向両端縁に連結され、前記両引張コイルバネのそれぞれの他端は前記台座支持部の長手方向両側に連結されてなることを特徴とする折板屋根受具。
  7. 請求項1において、前記両弾性部材は、高分子ゴム材としてなることを特徴とする折板屋根受具。
  8. 請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれか1項の記載において、前記台座支持部には、スライド案内部が形成され、前記取付台座は、前記スライド案内部を介して前記折板屋根の流れ方向に可動してなることを特徴とする折板屋根受具。
  9. 請求項8において、前記スライド案内部は前記台座支持部の長手方向に沿って適宜の間隔をおいて2個形成され、且つスライド案内部には溝状孔が形成され、該溝状孔に前記取付台座がに挿入され、前記台座支持部上を可動してなることを特徴とする折板屋根受具。
  10. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9のいずれか1項の記載において、前記取付台座は、台座支持部に対して前記弾性部材の付勢力にて略中立位置に維持されるようにしてなることを特徴とする折板屋根受具。
JP2009267515A 2009-11-25 2009-11-25 折板屋根受具 Active JP5290941B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009267515A JP5290941B2 (ja) 2009-11-25 2009-11-25 折板屋根受具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009267515A JP5290941B2 (ja) 2009-11-25 2009-11-25 折板屋根受具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011111762A JP2011111762A (ja) 2011-06-09
JP5290941B2 true JP5290941B2 (ja) 2013-09-18

Family

ID=44234312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009267515A Active JP5290941B2 (ja) 2009-11-25 2009-11-25 折板屋根受具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5290941B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5702235B2 (ja) * 2011-07-05 2015-04-15 三晃金属工業株式会社 折板屋根受具
CN115306086B (zh) * 2022-08-18 2023-12-05 中建八局第三建设有限公司 基于形状记忆合金的屋面直立锁缝抗风组件及使用方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4869023B2 (ja) * 2006-10-30 2012-02-01 株式会社マルイチ 屋根板支持具
JP2009203628A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Maruichi:Kk 屋根板取り付け金具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011111762A (ja) 2011-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010510416A5 (ja)
JP6115734B2 (ja) 燃料電池の組み立て方法及び組み立て装置
JP5290941B2 (ja) 折板屋根受具
JP2005299078A (ja) 橋梁用制振装置
JP5958757B2 (ja) ブレースダンパー
JP5290942B2 (ja) 折板屋根受具
JP4640958B2 (ja) 摩擦ダンパ
JP6424004B2 (ja) 建築用受具
JP5290943B2 (ja) 折板屋根受具
JP6062723B2 (ja) 折板屋根受具
JP4395419B2 (ja) 制震間柱
JP2010043415A (ja) 制震デバイス
JP6081768B2 (ja) 折板屋根受具
JP5698589B2 (ja) 折板屋根受具
JP2011047195A (ja) 馳締用吊子
JP2012082637A (ja) 折板屋根受具
JP2012082638A (ja) 折板屋根受具
JP2008231822A (ja) 折板屋根の支持具
JP2017214748A (ja) ダンパー構造及びダンパーの製造方法
JP2017043954A (ja) 壁パネル取付補助具及びそれを用いた壁構造
JP5702235B2 (ja) 折板屋根受具
JP2016199344A (ja) ベルトコンベヤの支持構造
JP5597118B2 (ja) 折板屋根受具
JP7384633B2 (ja) 締め具及び固定具
JP5423193B2 (ja) 折板パネル構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5290941

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250