JP5290820B2 - 電子部品の測定装置と測定方法 - Google Patents
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Description
[形態1]
本体と端子とを有する電子部品の特性を測定する装置であって、
前記電子部品を支持する支持部と、
前記支持部の温度を所定の第1温度となるように調整する第1温度調整部と、
前記電子部品の前記端子に接触するプローブと、
前記プローブを保持する保持部と、
前記保持部の温度を所定の第2温度となるように調整する第2温度調整部と、
前記保持部に接続され、前記電子部品の前記本体に接触することによって前記本体を前記支持部に押しつける押しつけ部と、
を備え、
前記第2温度は、前記第1温度よりも低い温度環境の下で前記特性を測定するための温度として、前記第1温度よりも高い温度に設定されている
測定装置。
この構成によれば、電子部品の温度に影響を与える両部材(電子部品の支持部とプローブの保持部)の温度が第1温度と第2温度とにそれぞれ調整されるので、電子部品の温度を目標の温度に調整して電子部品の特性を測定することができる。また、電子部品の本体が、温度が調整された支持部に押しつけられるので、電子部品の温度を目標の温度に調整して電子部品の特性を測定することができる。また、押しつけ部の温度を保持部の温度に近づけることができるので、電子部品の温度を目標の温度に調整して電子部品の特性を測定することができる。さらに、プローブの温度が保持部の温度よりも低くなりやすい環境下において、電子部品の温度を目標の温度に調整して電子部品の特性を測定することができる。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.変形例:
図1、図2は、本発明の一実施例としての測定装置を示す説明図である。図1は、測定装置900の正面図であり、図2は、測定装置900の断面図である。本実施例では、測定装置900は、サーミスタ300の温度特性を検査する。具体的には、測定装置900は、所定の温度でのサーミスタ300の電気抵抗を測定する。測定装置900は、プローブ装置100と、支持装置200と、測定部600と、を有している。プローブ装置100は、支持装置200の、鉛直上側に配置されている。図中には、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向が示されている。Z方向は鉛直上方向を示している。
図8は、第2実施例における支持装置の構成を示す説明図である。図1に示す支持装置200との差違は、プレート240が省略されている点だけである。本実施例の支持装置200Bでは、ペルチェ素子230a、230bの上面に、支持部220が直接固定されている。その結果、支持部220の温度調整を、より精度よく行うことができる。なお、測定装置の他の構成は、図1、図2に示す測定装置900と同じである。
図9は、第3実施例におけるプローブ装置の構成を示す説明図である。図2に示すプローブ装置100との差違は、2点ある。第1の差違は、プレート140が省略されている点である。本実施例のプローブ装置100Bでは、ペルチェ素子130の前面に、保持部120(第3ブロック123)が直接固定されている。第2の差違は、温度センサ140Tが、保持部120(第3ブロック123)に固定されている点である。これらの結果、保持部120の温度調整を、より精度よく行うことができる。なお、測定装置の他の構成は、図1、図2に示す第1実施例の測定装置900と同じである。なお、図1に示す支持装置200の代わりに図8に示す支持装置200Bを、本実施例のプローブ装置100Bと組み合わせてもよい。
図10は、第4実施例における測定処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す手順との差違は、ステップS_Rが、ステップS_F1とステップS_F2の間に実行される点だけである。この場合も、図6に示す第1実施例と同様の利点を得ることができる。なお、多数のサーミスタ300の特性測定を行う場合がある。この場合、ステップS110からステップS_Rまでの一連の処理を繰り返せばよい。なお、測定装置の構成としては、上述の各実施例の構成を採用可能である。
図11は、第5実施例における測定処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す手順との差違は、ステップS_Rが、ステップS170とステップS_F1との間に実行される点だけである。この場合も、図6に示す第1実施例と同様の利点を得ることができる。なお、多数のサーミスタ300の特性測定を行う場合がある。この場合、ステップS120からステップS_Rまでの一連の処理を繰り返せばよい。なお、測定装置の構成としては、上述の各実施例の構成を採用可能である。
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上述の各実施例において、特性測定の対象の電子部品としては、サーミスタ300に限らず、任意の電子部品を採用可能である。例えば、圧力センサや濃度センサや加速度センサやGPS(Global Positioning System)の受信機(GPSセンサ)を採用してもよい。また、このようなセンサに限らず、ダイオードやトランジスタや集積回路やチップアンテナ等の種々の電子部品を採用可能である。いずれの場合も、電子部品の電気的特性を担う要素を含む部分が、「電子部品の本体」に相当する。このような要素としては、例えば、温度に応じて抵抗値が変化する抵抗体や、特定ガスの濃度に応じて変化する信号を出力するセルや、半導体チップや、集積回路等が挙げられる。そして、このような要素に接続されて、その要素と外部との間の電気信号の入出力を行う導電部材が、「電子部品の端子」に相当する。また、プローブの総数としても、2に限らず、電子部品と、測定される特性とに応じた任意の数を採用可能である。また、プローブを介して測定される特性としては、電気抵抗に限らず、任意の電気的な特性を採用可能である。例えば、周波数特性を測定してもよい。この場合、プローブを介して交流信号を電子部品に供給して、別のプローブを介して電子部品からの出力信号を取得すればよい。いずれの場合も、上述した各実施例の測定装置や測定方法を適用することによって、電子部品の温度を目標の温度に調整して電子部品の特性を測定することができる。特に、温度に依存して変化する特性を測定する場合には、電子部品の温度を目標の温度に調整することが重要であるので、効果が顕著である。例えば、サーミスタや熱電対のような種々の温度センサの温度特性(温度と、温度センサから得られる信号との対応関係)を測定する場合には、特に効果が顕著である。また、比較的低い温度での特性の測定結果から比較的高い温度での特性を推定する場合にも、効果が顕著である。なお、本体における端子の配置としては、任意の配置を採用可能である。例えば、図4に示すサーミスタ300のように、本体320の1つの面に複数の端子(端子311、312)を配置してもよい。また、本体における、1つの面と、その面の反対側の面とに、端子を分散して配置してもよい。一般には、本体の任意の位置に端子を配置してよい。また、端子の形状としては、任意の形状を採用可能である。例えば、図4に示す端子(端子311、312)のように、本体(本体320)に一端が接続された棒状の端子を採用してもよい。また、本体に一端が接続されたワイヤーを端子として採用してもよい。また、本体の表面に積層された板状(層状)の端子を採用してもよい。ここで、板状の端子の一部が、本体の外にはみ出ていても良い。
上述の各実施例において、保持部の構成としては、プローブを保持する任意の構成を採用可能である。例えば、上述の各実施例において、各プローブ111、112(図2)が、保持部120(第2ブロック122)に固定されていてもよい。この場合には、サーミスタ300に過剰な力が印加されることを避けるために、プローブ111、112がサーミスタ300(端子311、312)に接触したことに応じて、プローブ装置100の移動を止めることが好ましい。同様に、押しつけ部113が保持部120(第2ブロック122)に固定されていてもよい。ここで、プローブ111、112と、押しつけ部113とが保持部120に固定されていてもよい。この場合、プローブ111、112と、押しつけ部113とが、保持部120の移動によって同時にサーミスタ300と接触するように、プローブ111、112と押しつけ部113とのそれぞれの相対位置を決定することが好ましい。
上述の各実施例において、押しつけ部の構成としては、電子部品の本体を支持部に押しつけることが可能な任意の構成を採用可能である。例えば、押しつけ部が保持部120から分離していてもよい。また、押しつけ部が、支持部220に固定されていてもよい。ただし、上述の実施例のように、押しつけ部(押しつけ部113)が保持部(保持部120)に接続されていることが好ましい。また、上述の各実施例のように、支持部220に支持された電子部品(サーミスタ300)に向かって保持部120を移動させることによって、押しつけ部113とプローブ111、112とが保持部120と一体となって電子部品に向かって移動するように、測定装置が構成されていることが好ましい。こうすれば、測定装置の構成を簡略化することができる。なお、上述の各実施例において、押しつけ部113(図2)とステップS130、S170(図6、図10、図11)を省略してもよい。
上述の各実施例において、支持部の構成としては、電子部品を支持する任意の構成を採用可能である。例えば、電子部品を受け入れる凹部としては、段差の無いフラットな底面を有する凹部を採用してもよい。ここで、電子部品の本体が支持部(凹部の底面)と接触し、電子部品の端子が支持部(凹部の底面)から離れていてもよい。また、電子部品を受け入れる凹部の無い支持部を採用してもよい。例えば、平板形状の支持部を採用し、平板の表面に電子部品を載せてもよい。ただし、図4に示す実施例のように、電子部品を受け入れる凹部を有する支持部を採用することが好ましい。こうすれば、電子部品の位置ズレを抑制できる。また、1つの支持部によって支持される電子部品の総数としては、10に限らず任意の数を採用可能である。
上述の各実施例では、電子部品の目標温度(第1目標温度TT1(図1))よりも低い温度環境の下で測定を行うこととしたが、目標温度よりも高い温度環境の下で測定を行ってもよい。この場合には、各プローブ111、112(図2)における電子部品と接触する部分(先端部分)の温度は、高い温度環境による昇温によって、保持部120の温度よりも高くなる。そこで、保持部120の第2目標温度TT2を第1目標温度TT1よりも若干低くすることによって、プローブ111、112の温度が、電子部品の目標温度(第1目標温度TT1)よりも過剰に高くなることを抑制できる。
上述の各実施例において、温度を調整する装置としては、ペルチェ素子に限らず、任意の装置を採用可能である。例えば、目標温度よりも低い温度環境の下で測定を行う場合には、電気ヒータを利用してもよい。電気ヒータのON/OFFを制御することによって、温度を調整することができる。目標温度よりも高い温度環境の下で測定を行う場合には、冷却液を循環させるクーラーを利用してもよい。冷却液の循環のON/OFFを制御することによって、温度を調整することができる。ただし、上述の各実施例のようにペルチェ素子を採用すれば、電気的な制御によって温度を調整することができるので、温度調整部の構成を簡略化することができる。また、ペルチェ素子を流れる電流の向きを切り換えることによって発熱と吸熱とを切り換えることができるので、高精度な温度調整が可能である。ただし、ペルチェ素子を利用する場合に、発熱と吸熱とのいずれか一方のON/OFFを制御することによって、温度を調整してもよい。また、ペルチェ素子の総数としては、1や2に限らず、任意の数を採用可能である。
上述の各実施例において、測定処理の手順としては、図6、図10、図11に示す手順に限らず、種々の手順を採用可能である。例えば、上述の各実施例において、5つのステップS100〜S140の順番としては、任意の順番を採用可能である。例えば、ステップS120とステップS130との間に、ステップS100、S110を実行してもよい。また、ステップS140の後に、ステップS100、S110を実行してもよい。いずれの場合も、保持部の温度と支持部の温度とが目標温度にそれぞれ調整されている状態で、電子部品の特性を測定することが好ましい。すなわち、支持部の温度が予め決められた第1許容誤差の範囲内で第1目標温度に維持され、保持部の温度が予め決められた第2許容誤差の範囲内で第2目標温度に維持された状態で、特性を測定することが好ましい。また、電子部品の本体が支持部に押しつけられた状態で、電子部品の特性を測定することが好ましい。同様に、6つのステップS150〜S170、S_F1、S_F2、S_Rの順番としても、任意の順番を採用可能である。例えば、ステップS160、S170よりも前に、ステップS_F1、S_F2を実行してもよい。いずれの場合も、ステップS_Rは、ステップS160、S170の後に実行される。
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の第1制御部510の機能を、CPUとメモリとを有しプログラムを実行するコンピュータによって実現してもよい。
111…第1プローブ
112…第2プローブ
113…押しつけ部
120…保持部
121…第1ブロック
122…第2ブロック
123…第3ブロック
130…ペルチェ素子
140…プレート
140T…温度センサ
150…基部
200、200B…支持装置
220…支持部
220A…第1部分
220B…第2部分
220R…凹部
220T…温度センサ
220A1…第1凹壁部
220A2…第2凹壁部
230a…ペルチェ素子
240…プレート
250…基部
300…サーミスタ
311…第1端子
312…第2端子
320…本体
510…第1制御部
520…第2制御部
600…測定部
900…測定装置
IG…検査グループ
Claims (8)
- 本体と端子とを有する電子部品の特性を測定する装置であって、
前記電子部品を支持する支持部と、
前記支持部の温度を所定の第1温度となるように調整する第1温度調整部と、
前記電子部品の前記端子に接触するプローブと、
前記プローブを保持する保持部と、
前記保持部の温度を所定の第2温度となるように調整する第2温度調整部と、
前記保持部に接続され、前記電子部品の前記本体に接触することによって前記本体を前記支持部に押しつける押しつけ部と、
を備え、
前記第2温度は、前記第1温度よりも低い温度環境の下で前記特性を測定するための温度として、前記第1温度よりも高い温度に設定されている
測定装置。 - 請求項1に記載の測定装置であって、
前記第2の温度は、前記第1の温度よりも高く、前記第1の温度よりも摂氏5度までの範囲内である
測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の測定装置であって、
前記第1温度調整部は、前記支持部の温度を調整するための第1ペルチェ素子を含み、
前記第2温度調整部は、前記保持部の温度を調整するための第2ペルチェ素子を含む、
測定装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の測定装置であって、
前記電子部品は、前記本体として温度変化に応じて電気的特性が変化する部分を有する温度センサである、
測定装置。 - 本体と端子とを有する電子部品の特性を測定する方法であって、
前記電子部品を支持する支持部の温度を所定の第1温度となるように調整する工程と、
プローブを保持する保持部の温度を所定の第2温度となるように調整する工程と、
前記支持部に支持された前記電子部品の前記端子に前記プローブを接触させる工程と、
前記保持部に接続されている押しつけ部を、前記電子部品の前記本体に接触させることによって、前記本体を前記支持部に押しつける工程と、
を備え、
前記第2温度は、前記第1温度よりも低い温度環境の下で前記特性を測定するための温度として、前記第1温度よりも高い温度に設定されている
測定方法。 - 請求項5に記載の測定方法であって、
前記第2の温度は、前記第1の温度よりも高く、前記第1の温度よりも摂氏5度までの範囲内である
測定方法。 - 請求項5または請求項6に記載の測定方法であって、
前記支持部の温度を調整する工程は、第1のペルチェ素子を用いて前記支持部の温度を調整する工程を含み、
前記保持部の温度を調整する工程は、第2のペルチェ素子を用いて前記保持部の温度を調整する工程を含む、
測定方法。 - 請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の測定方法であって、
前記電子部品は、前記本体として温度変化に応じて電気的特性が変化する部分を有する温度センサである、
測定方法。
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