以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
先ず最初に、図1を参照しながら、圧縮固型化装置を備えたシュレッダー装置の廃紙収納ケース、搬送機構、千切り破砕装置について説明する。
ここでは、シュレッダー装置の一例として、繊維細片としての廃紙を千切り作用により細片化する千切り破砕シュレッダー装置について説明する。
本実施の形態に係る繊維細片のシュレッダー装置における圧縮固型化装置6上手側には、図1に示すように、本体ケーシング2と、繊維細片としての廃紙を収納するための廃紙収納ケース3と、廃紙を千切り破砕処理部へと搬送するための搬送機構4と、廃紙を千切り破砕処理を行う千切り破砕装置5とを備えている。
本実施の形態に係る繊維細片の圧縮固型化装置6について、図2乃至図12を参照して具体的な説明をする。
図2に示すように、千切り破砕装置5により細片に千切られた繊維細片は、圧縮固型化装置6により圧縮されて一定容量、一定重量に固型化された繊維細片の紙塊片となる。
図2乃至4に示すように、千切り破砕装置5の排出口に連結された圧縮固型化装置6は、断面矩形の長方形の搬送ケース131の端部の保持板に回転軸132を軸架しており、同回転軸132の外周に一定空間を形成して装着した線状の螺旋スクリュー133と、その搬送先端に連設した螺旋羽根体134と、その進行方向に設けた圧縮装置135とより構成されている。線状の螺旋スクリュー133は先端を自由端としており、先端に繊維細片が滞溜しないようにしている。
上記搬送ケース131の基端側底面151には、図4に示すように、紙粉フィルターを装着した窓159を開口して紙粉対策用の排出ファン152が設けられ、紙粉を吸引するようにしている。すなわち、千切り破砕装置5で発生した紙粉は圧縮固型化装置6の紙粉フィルターで吸引されることにより、紙粉は紙粉フィルター表面に吸着され、その後、紙粉は紙粉フィルター表面から搬送される繊維細片に付着しながら除去されるのでシュレッダー外部へ飛散することを防ぐとともに、常に紙粉フィルターに付着する紙粉を搬送される繊維細片によって除去するためメンテナンス負荷の軽減を図ることができる。図中、152aは、排出ファン152の排気用ダクトであり、排気用ダクト152aは、紙粉が紙粉フィルター表面に吸着されるため空気のみを排出することが可能となる。152bは、窓159と排気用ダクト152aとを連結する排気用縦管である。例えば、紙粉フィルターとしては、0.03mmのメッシュ状の金網で構成してもよい。
回転軸132の基端は、搬送ケース131の基端に位置する機枠139に支持され、先端に近い回転軸132の中間位置は機枠に突設した保持板136に支持されており、この保持板136の前後における回転軸132の一部分には円錐カバー155が装着されて繊維細片が回転軸132を中心とした保持板136の前後部分に滞溜しないようにしている。
しかし、螺旋スクリュー133で先端方向に搬送している途中で保持板136の端面上にも紙の繊維細片が滞留する。このように僅かな繊維細片の滞留状況が生じてもこの部分に徐々に紙の繊維細片や紙粉が積層し紙詰まりを発生して最後は全体の繊維細片の搬送に支障を来たす。従って、この滞留繊維細片を掻き落とすために千切り破砕装置5の排出口の最終位置に、上方向に回転する掻落し掻上げローラ117を配設しており、後述する掻上げローラ117は線状の螺旋スクリュー133の回転軸132に沿って配設し、千切り破砕装置5からの紙細片を千切り破砕装置5と圧縮固型化装置6との境で滞留しないようにしている。螺旋スクリュー133は、保持板136を挟んで前段スクリュー133aと後段スクリュー133bとに分割してなる。
上記螺旋羽根体134の先端は、圧縮面と平行な面を有しており、螺旋羽根体134と螺旋スクリュー133は、徐々に送り角を大きくなるように形成され、螺旋羽根体134と後段スクリュー133bは、360度を2回転して収束させ、前段スクリュー133aは、360度を2回転して収束させるように構成している。
ここで、搬送ケース131の上方に配設している掻上げローラ117について具体的に説明する。
図2、図3、図12及び図20に示すように、第三破砕軸103の下方位置には、対向する掻上げローラ軸118が配設されている。掻上げローラ軸118にも、第三破砕軸103と同様に、先端先鋭状の歯119を多数突設した掻上げローラ歯車120と周面に歯受用溝121を円周状に刻設した第四スペーサ122が互い違いに並設されていると共に、掻上げローラ歯車120は第三スペーサ115の歯受用溝114と、第四スペーサ122の歯受用溝121は第三破砕歯車113とそれぞれ遊嵌状態で対向している。125は掻上げローラ歯車120の歯部であり、112は歯部であり、116は歯部である。
この掻上げローラ117によれば、掻上げローラ歯車120の回転動作によって、第三スペーサ115の歯受用溝114に詰まった繊維細片を掻き出すように作用するとともに、圧縮固型化装置6の上方の端部に積もる繊維細片を掻き落とし繊維細片の蓄積固化を防ぐことができる。また、掻上げローラ117は、第二及び第三破砕歯車107,113の間より落下してくる繊維細片を、圧縮固型化装置6内の空間に均一に掃き散らすことができる。
次に搬送ケース131の変形例について、図12を用いて説明する。図12に示す搬送ケース131の変形例は、図3及び図4に示す搬送ケース131内の構成と同一符号を付することにより重複説明を省略する。
図12は、搬送ケース131中に前段後段スクリュー133a、133b及び螺旋羽根体134をすべて収納した状態であり、この螺旋羽根体134の先端面は、搬送ケース131と圧縮ケース137との境に位置して、圧縮ケース137の開口部213に面した状態としている。
搬送ケース131内の底面及び側面の一部には、一定の搬送面積を得るために凹部212構造となっており、この凹部212は、保持板136の前段後段スクリュー133a,133bにおける円錐カバー155が装着される位置に設けられる。従って、搬送ケース131内において前段スクリュー133aで搬送されてきた繊維細片が、円錐カバー155によって搬送面積を狭められることなく、凹部212により広がった搬送面積となるため、繊維細片の単位面積あたりの搬送力を常に一定とすることが可能となると共に、圧縮固型化装置6における搬送ケース131の斜め上方に配設した掻上げローラ117から凹部212により円滑に繊維細片を搬送ケース131内に搬送できるようにしている。
次に搬送ケース131のさらに変形例について、図16を用いて説明する。図16に示す搬送ケース131の変形例は、図12に示す搬送ケース131内の構成と同一符号を付することにより重複説明を省略する。
図12に示す搬送ケース131は、排出ファン152を搬送ケース131底面に配設したが、図16に示す搬送ケース131底面には、搬送ケース131内の紙粉を窓159のみを設けて、排出ファン152は、圧縮ケース137底部に配設するようにしている。そして、同排出ファン152は、搬送ケース131内の紙粉を窓159より吸引して開口137a、137bを通過した後に圧縮ケース137の下方へ排出するようにしている。
次に搬送ケース131の下手側に設けた圧縮装置135について説明する。
螺旋羽根体134の先方には圧縮装置135が連設されており、同圧縮装置135は、前後開口の圧縮ケース137と、その内部中途に出入れ自在に設けた当板138とよりなる。圧縮ケース137の上下左右の内側面は、繊維細片の進行方向に沿った拡開状のテーパー面としている。当板138は、圧縮ケース137の外部に載置された付勢機構140と連動連結され、常時は圧縮ケース137内に収納されて箱内を閉塞状態としているが、当板138に繊維細片の塊が一定の圧縮負荷としてかかると一定容量の繊維細片固型化物になるように圧縮されて、最終的には当板138を付勢に抗して圧縮ケース137の外部に押しやって圧縮ケース137内を開放し、一定容量の繊維細片固型化物はそのまま圧縮ケース137の外部に押出し放出される。かかる付勢機構140は、当板作動機構130に付設し当板138を圧縮ケース137内へ進入付勢させる。この当板作動機構130は、圧縮ケース137の側壁の外方に立設した当板用軸145に当板138を軸支すると共に、当板用軸145を中心として当板138の回動により圧縮ケース137に穿設したスリット142から当板138を圧縮ケース137内外へ進退作動させるようになす。この付勢機構140は、当板138の作動基部158と付勢枠160との間に介設したスプリング148により、当板138に対する繊維細片の圧送にともない、漸次付勢力が減少すべく構成される。
付勢機構140について図3乃至図11を参照しながら説明する。
図4及び図6に示すように、圧縮ケース137の側壁141には、当板用のスリット142を上下2個形成されている。図5中、この圧縮ケース137の外側壁143には、上下プレート144が突設される。
図5及び図7に示すように、上下プレート144の間に当板用軸145を立設し、図7及び図8に示すように、当板用軸145に当板138を水平に連設し、同当板用軸145を中心にして当板138は回動して当板用のスリット142から圧縮ケース137内外を出入する。
図7及び図8に示すように、当板138の伸延部分には縦軸146を挿貫して同縦軸146に上下3枚のスプリング受け用の突片147を連設し、突片147の一端と、圧縮ケース137の基端に位置する付勢枠160との間にスプリング148を介設している。図5中、149は、付勢枠160のスプリング受け部を示す。
従って、図7乃至図11に示すように、通常の圧縮初期段階では、当板138は、スプリング148の付勢力によって縦軸146を中心に回動して圧縮ケース137内に押込まれた状態となり、圧縮ケース137内において一定容量の繊維細片の紙塊片が圧縮されて当板138に当接する。この状態で次々に紙塊が圧送されてきて一定量の繊維細片の紙塊片が当板138に遮られて滞留すると共に、紙塊片に一定の硬度が生じてくる。図10及び図11中、更なる後続の紙塊片の圧送により硬度が一定以上になると当板138は紙塊片の圧送力によってスプリング148の付勢に抗して開放方向、すなわち、圧縮ケース137外に回動していく。図11中、当板138が一定位置にまで開放されて変位するとスプリング148の付勢力は支点Aと作用点B,Cの位置関係により減少し、最終的な当板138の容易な開放作動を促す。繊維細片固型化物が圧縮ケース137から排出されると同圧縮ケース137中で当板138に付加される力はなくなるためスプリング148の付勢力により当板138は元の状態に戻る。
最終的には当板138はスプリング148の付勢に抗して当板用軸145を中心に回動して当板用スリット142から圧縮ケース137の外部に退去し圧縮ケース137内を開放し、一定容量の繊維細片固型化物はそのまま圧縮ケース137の外部に押出し放出される。この場合、当板用軸145と、縦軸146と、付勢枠160のスプリング受け部149との位置関係でスプリング148の付勢力が調整される。
すなわち、圧縮ケース137内において当板138に一定容量の繊維細片の紙塊片が圧縮されて当接し、最終的に当板138がスプリング148の付勢に抗して当板用軸145を中心に回動して当板用スリット142から圧縮ケース137の外部に退去するまでのプロセスにおいて、最終段階となる当板138の圧縮ケース137外退去に近づくに従ってスプリング148の付勢力が低下するように構成している。これは、当板138を円滑に退去させて圧縮ケース137内を容易に開放し繊維細片固型化物が圧縮ケース137から放出されやすいようにするためである。また、繊維細片固型化物が圧縮ケース137から放出されやすいようにするために、同圧縮ケース137の上下左右側壁141に外方に向って暫時厚みを薄くしたプレート161を配設し、繊維細片固型化物がプレート161に摺動しつつ圧縮ケース137外退去に近づくにつれて、プレート161からの圧力が低下して排出されやすいようにしている。図7中、連結軸150,150は、上下の当板138,138が一体に作動するように連設するためのものである。
次に、圧縮装置の上方には、紙塊片を下方に押下げるための押下げ落下装置が設けられており、以下、具体的に説明する。
圧縮ケース137の終端開口部には、該圧縮ケース137から押出排出された繊維細片固型物たる紙塊片が下方に落下するための垂直筒210を連通連結している。垂直筒210の下方には、紙塊片を収納する収納箱211が配設されている。垂直筒210の上方には、押下げ落下装置200を設けており、紙塊片が収納箱211内に山積みとなり垂直筒210内に滞留して落下不能となった場合に押下げ落下装置200により強制的に紙塊片を押下げて収納箱211内に山積みとなった紙塊片を突き崩して紙塊片が収納箱211内に落下可能とする。
押下げ落下装置200は、垂直筒210の上方に昇降自在に設けたプレスロッド201と、このプレスロッド201に装着し該プレスロッド201を上昇付勢するためのスプリング202と、プレスロッド201の上端に設けたプレスボタン203と、プレスロッド201の下端に連設した当接プレート204とよりなる。
従って、紙塊片が垂直筒210中に滞留した場合は、プレスボタン203を指で押すとスプリング202の付勢に抗してプレスロッド201が降下し垂直筒210内に滞留した紙塊片を当接プレート204を介して押下げて、その下方の収納箱211内に山積みになった紙塊片の山を崩して紙塊片の落下を容易とする。
また、垂直筒210の内部上端には、圧縮ケース137から紙塊片が水平排出される方向と対向する位置に検知プレート205が吊下状態で枢支されており、垂直筒210内の上端に落下できない紙塊片が滞留すると、この滞留した紙塊片は後続の紙塊片に押しやられて、その前方に位置する検知プレート205を枢着部206を中心に一定の角度以上に回動させて回動終端近傍に配設したセンサー207と当接させる。すなわち、紙塊片が垂直筒210内上部に押し付けられた状態、換言すれば、紙塊片が垂直筒210内に滞留した状態を検知して報知することになる。
かかる紙塊片の滞留状態の報知を受けて人手によりプレスボタン203を押すと、プレスロッド201を介して滞留した紙塊片を下方に押し付けて収納箱211内に落下させることになる。
このように押下げ落下装置200を設けた垂直筒210は、圧縮ケース137から排出された紙塊片を単に収納箱211内に案内するだけでなく、垂直筒210内の上部に配設したセンサー207により落下不能の紙塊片を検知報告して押下げ落下装置200により強制的に下方に押下げ落下させる機能も果たすことができる。なお、押下げ落下装置200は、手動式のほか、センサー207の信号に基づいてモーターを駆動させ、垂直筒210を下方に押下げるようにして、自動化することも可能である。
次に、上記圧縮装置135の他の実施例について、図12乃至図15を参照して具体的な説明をする。他の実施例の圧縮装置335の構成について、圧縮装置135の構成と同一符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施例では、上記した実施例における当板138を付勢するためのスプリング148の位置が反対側に配設するようにしたことに特徴を有する。
すなわち、この本実施例では、図13〜図15に示すように、スプリング148を当板138と紙塊片の排出下手側に設けたスプリング受け部149との間に介設して、図8のスプリング148とまったく同じ機能を付与するものであり、スプリング受け部149は、圧縮ケース137の上下板に張出し状に張設した上下張出し板361の間に介設した縦板362に上下3個形成しており、当板138の縦軸146に突設した上下3枚のスプリング受け用の突片147と前記スプリング受け部149の間にスプリング148を介在させて、図8ないし図11に示すのと同じスプリング機能を果たすように構成している。
かかるスプリング位置の構成とすることにより、当板138で繊維細片の紙塊片を受けて圧縮動作に入って紙塊片の圧縮が完了した後に、スプリング148の付勢に抗して当板138が退去し始めた際に、一気に付勢力が減殺して当板138が開放状態となり圧縮された紙塊片が排出されることになるのであり、図8ないし図11のスプリング機能と比較するとこの実施例のスプリングの位置の方がスプリング長を長くとることができる。従って、スプリング長の長い分だけ当板138の退去時の付勢力減殺効果を高めることができ、付勢力減殺初期に生起しやすい付勢力の増減の繰返しを防止することができる。翻っては、繊維細片の紙塊片への圧縮強度の減殺を防止して一定硬度を有した繊維細片の圧縮紙塊片を得ることができる効果を有する。
なお、上下張出し板361は、張出し先端部を上下同一形状とした左右二又分岐状に形成しており、この上下の分岐先端部同士を縦板362に連結し、この縦板362にスプリング基端が係止されるスプリング受け部149を形成する。従って、スプリング受け部149と、スプリング先端が係止されるスプリング受け用の突片147との間の距離を長くとることができ、その分スプリング長も長くなり、前述した付勢力の増減の繰返しを防止できる。
また、上張出し板361aは、垂直筒210の天板を形成することになり、その中央には前述したプレスロッド201の昇降用の挿入孔208が形成されている。従って、押下げ落下装置200は、上張出し板361a上に設けられることになる。
次に、上記圧縮装置135のさらに他の実施例について、図16乃至図19を参照して具体的な説明をする。さらに他の実施例の圧縮装置435の構成について、圧縮装置135の構成と同一符号を付することにより一部重複説明を省略する。
本実施例では、上記した実施例における当板138の位置が圧縮ケース137の上方に位置するようにしたことに特徴を有する。すなわち、図16及び図17に示すように、本実施例の圧縮装置435は前方開口で、後方は半円弧状の圧縮ケース137とし、同圧縮ケース137の天井壁に左右2個の当板用スリット142,142を穿設し、同当板用スリット142に当板138が進退自在に配設される。同圧縮ケース137の底壁441に基端から先端に向けてそり上げた板ばね440を配設している。
具体的には圧縮ケース137の上部には別途、付勢枠160を立設しており、同付勢枠160の下部には当板用軸145を左右に横架しており、同当板用軸145には上方に回転自在に左右の当板138,138の基部を固設している。左右の当板138,138は、前端縁で紙塊片を受止めるように略垂直形状にしていると共に当板用軸145の後方には横軸446を軸架して、同横軸446にはスプリング受け用の突片147を連設し、突片147の一端と付勢枠160の間にはスプリング148を介設している。図中、149は付勢枠160のスプリング受け部であり、450は横軸446が回動する長孔である。
また、左右の当板138,138の後部には左右の当板138,138を連結軸150で介設している。
このように構成された圧縮装置435においては、スプリング148よりなる付勢機構140と連動連結して常時は圧縮ケース137内に当板138,138が収納されて、圧縮ケース137内の上半部で繊維細片を受止めるようにしているが繊維細片の塊が一定の圧縮負荷として当板138,138にかかると一定容量の繊維細片固型化物になるように圧縮されて、最終的には当板138を付勢に抗して圧縮ケース137の外部に押しやって圧縮ケース137内を開放し、一定容量の繊維細片固型化物はそのまま圧縮ケース137の下方より排出される。かかる付勢機構140は、当板作動機構130に付設し当板138を圧縮ケース137内へ進入付勢させる。この当板作動機構130は、圧縮ケース137の天井壁に配設した当板用軸145に当板138を軸支すると共に、当板用軸145を中心として当板138の回動により圧縮ケース137に穿設したスリット142から当板138を圧縮ケース137内外へ進退作動させるようになす。この付勢機構140は、当板138の作動基部158と付勢枠160との間に介設したスプリング148により、当板138に対する繊維細片の圧送にともない、漸次付勢力が減少すべく構成される。
従って、図17に示すように、通常の圧縮初期段階では、当板138は、スプリング148の付勢力によって横軸446を中心に回動して圧縮ケース137内に押込まれた状態となり、圧縮ケース137内において一定容量の繊維細片の紙塊片が圧縮されて当板138に当接する。この状態で次々に紙塊片が圧送されてきて一定量の繊維細片の紙塊片が当板138に遮られて滞留すると共に、紙塊片に一定の硬度が生じてくる。更なる後続の紙塊片の圧送により硬度が一定以上になると当板138は紙塊片の圧送力によってスプリング148の付勢に抗して開放方向、すなわち、圧縮ケース137外に回動していく。当板138が一定位置にまで開放されて変位するとスプリング148の付勢力は支点Aと作用点B,Cの位置関係により減少し、最終的な当板138の容易な開放作動を促す。繊維細片固型化物が圧縮ケース137から排出されると同圧縮ケース137中で当板138に付加される力はなくなるためスプリング148の付勢力により当板138は元の状態に戻る。
最終的には当板138はスプリング148の付勢に抗して当板用軸145を中心に回動して当板用スリット142から圧縮ケース137の外部に退去し圧縮ケース137内を開放し、一定容量の繊維細片固型化物はそのまま圧縮ケース137の外部に押出し放出される。この場合、当板用軸145と、横軸446と、付勢枠160のスプリング受け部149との位置関係でスプリング148の付勢力が調整される。なお、圧縮ケース137内に配設した板ばね440は、搬送ケース131より搬送される繊維細片が少量である初期状態において、繊維細片を上方へ押上げて当板138,138に当接し易くしている。そして、大量の繊維細片が搬送されて圧縮作用が始まると板ばね440の先端は底壁441に当接するようになっている。
すなわち、圧縮ケース137内において当板138に一定容量の繊維細片の紙塊片が圧縮されて当接し、最終的に当板138がスプリング148の付勢に抗して当板用軸145を中心に回動して当板用スリット142から圧縮ケース137の外部に退去するまでのプロセスにおいて、最終段階となる当板138の圧縮ケース137外退去に近づくに従ってスプリング148の付勢力が低下するように構成している。これは、当板138を円滑に退去させて圧縮ケース137内を容易に開放し繊維細片固型化物が圧縮ケース137から放出されやすいようにするためである。また、繊維細片固型化物が圧縮ケース137から放出されやすいようにするために、同圧縮ケース137の左右側壁141,141に外方に向って暫時厚みを薄くしたプレート161,161を配設し、繊維細片固型化物がプレート161に摺動されて圧縮ケース137外退去に近づくにつれて、プレート161からの圧力が低下して排出されやすいようにしている。さらに、圧縮ケース137の後方を半円弧状の形状としたことで、繊維細片固型化物が圧縮ケース137内に滞留することなく下方へ放出される。
圧縮ケース137の下方より排出される紙塊片は、図19に示すテーブル400上面の開口401に排出され、同開口401に連設した漏斗形状の排出管402を介して同テーブル400内に載置したゴミ箱410上方に排出されるものである。このテーブル400の上面には、クリップを入れる長方形状の窪み403と使用済みのステップラの刃を入れる紙コップ405を収納する開口部404が形成されている。408は、テーブル400の四隅に配設した移動用のキャスターである。
上記のように構成した圧縮固型化装置6においては、その上手側に千切り破砕装置5を配設し、後述するように千切り破砕装置5では、廃紙を千切り繊維細片とするものであるため、圧縮固型化装置6における搬送ケース131中で圧縮搬送されながら最終的に圧縮装置で上記のような圧縮作用が行われるために以下に記述するような本発明独特の繊維片圧縮の効果が生成されるものであり、具体的に説明する。
すなわち、引き千切りの繊維細片は、繊維が露出した状態であり、この繊維細片は、皺がよることで繊維細片同士が絡み易く、従来の切断面がきれいな細片に比べ、圧縮を容易に行うことができるものであり、例えば、A4サイズの廃紙1000枚を引き千切り破砕した後、圧縮固型化すると10リットル〜16リットルに固化される。すなわち、従来、圧縮固型化されていない繊維細片では体積膨張のため4t車に約0.2t程度しか積載できなかったが、本実施形態の圧縮固型化装置で圧縮固化した繊維細片固型化物の場合には4t車に最大積載容量の4tまで積載することができ輸送効率を向上する効果がある。
このように、引き千切りの繊維細片を圧縮固化した紙塊片では、ランダムな形状の紙の繊維細片が折り重なって固まっているため再現性を困難にして機密性を向上することができる。
すなわち、廃紙を千切り破砕装置5で引きちぎった繊維細片にして圧縮固型化装置6に送入するため、従来の細片に比べて、圧縮し易く、容易に繊維細片固型化物にして排出することができる。
例えば、回転軸132に配設している螺旋スクリュー133が、回転軸132に一体的に形成されて隙間の無い形状である場合には、大量の千切り繊維細片を搬送しようとすると、繊維細片の特有の性質上、繊維細片同士が綿のように絡みあって、回転する螺旋スクリュー133とつれ回りしてしまい、搬送されずに一箇所に滞留してしまう虞があった。しかし、本実施の形態に係る圧縮固型化装置6の線状の螺旋スクリュー133では、繊維細片の供回りを防ぎ回転軸方向の搬送効率を向上することができる。本実施の形態に係る圧縮固型化装置6によれば、螺旋スクリュー133をできるだけ細い針金形状とすることで、千切り繊維細片に対して線接触となり、搬送ケース131内の面との接触に対してもつれ回りしずらくなり、回転軸132の回転トルクを搬送力に容易に転換することができる。
かかる構成では、繊維細片同士が綿のように絡んだ状態(ブリッジ化)でも、そのブリッジ状の繊維細片ごと搬送することができることから、細い形状の螺旋スクリュー133でも効率良く搬送することができる。
さらには、上述した搬送ケース131の断面を四角形状にすることにより、さらに一層、繊維細片のつれ回りを防ぐことができる。螺旋スクリュー133の回転軸を2点支持するように構成し、さらに上方に掻上げローラ117を配設して繊維細片を掻落とすため、繊維細片の蓄積固化を防止することができる。かかる構成により圧縮圧を高めても軸支している箇所等による金属音等の騒音を防止することができる。換言すると、かかる構成により圧縮面におけるステックスリップを防ぎ金属音の発生を防止できる。例えば、線状螺旋スクリューの材質には、強度を得るためにステンレスを用いることが好ましい。
かかる構成によれば、駆動モータ78から得る小さな回転動力のみで効率よく繊維細片を圧縮固化することができ、圧縮する機構を小型化することができる。また、繊維細片を圧縮した後の後処理であるエージングの必要がなくなり、すなわち、エージング用排出路が不要になるため、装置の小型化を実現でき、コストも削減することができる。なお、エージングとは、弱い圧縮力で固めた繊維細片の紙塊片では、圧縮力をすぐに解放してしまうと圧縮前の容積に戻ってしまうため、圧縮後にもしばらく予圧を与えることをいう。
かかる構成により搬送効率を高めて、圧縮ケースの断面積を半分にすることができ、単位面積当たりの圧力を倍とすることができる。
つぎに、圧縮固型化装置6に至るまでの廃紙収納ケース3および搬送機構4、千切り破砕装置5について具体的に説明する。
圧縮固型化装置の上手側には、廃紙を収納する廃紙収納ケース3を備えており、以下、図1、図21及び図22を参照して、廃紙収納ケース3について説明する。
廃紙収納ケース3は、図1、図21及び図22に示すように、搬送ベルト9上を覆う蓋体10と補助受台11とを有している。
蓋体10及び補助受台11は、廃紙のサイズに応じて伸縮或は折畳み自在であり、本実施例では、A4サイズ、A3サイズの2種類に対応しているが、B5、B4サイズもA4サイズ、A3サイズで収納処理が可能である。
蓋体10は、搬送ベルト9上に積層した廃紙の上方を密閉状に閉蓋可能に構成され、下方開放の方形箱状に形成されており、図1中、同蓋体10の先端部を本体ケーシング2の前方上部の側壁に枢支し、同枢支部12を中心に開閉蓋可能としている。51は、搬送ベルト9に回転動力を与える駆動軸51であり、52は、駆動軸51に搬送ベルト9を介して連動連結した遊動軸52である。
しかも、蓋体10内側には、伸縮用の補助蓋体13を重複状態に重ねて収納しており、補助蓋体13も蓋体10と同様に下方開放の箱状に形成している。
しかも、補助蓋体13を蓋体10の端部から引き出すことにより、蓋体10は伸長した形態に変化し、大サイズの廃紙の上方を覆うことができるようになる。
図1及び図22に示すように、補助蓋体13の先端外側面には、2箇所に凸形状の突片16,16が設けられる。各突片16,16は、本体ケーシング2基端上面側の各開口17,17又は補助受台11の終端表面の各開口18,18と係合する。
図1及び図21に示すように、補助蓋体13の両側壁において、中途部の2箇所に凸形状の突片19,19が、本体ケーシング2の基端側近傍の2箇所に凸形状の突片20,20が設けられている。
補助蓋体13を縮めた状態のとき、両側壁において基端側の各突片20,20は、図22に示すように、本体ケーシング2上面両側の各開口21,21と係合する。
また、補助蓋体13を引き出した状態のとき、図21及び図22に示すように、補助蓋体13の両側壁において基端側の各突片20,20は、補助受台11表面両側の各開口22,22と係合すると共に、補助蓋体13の両側壁において中途部の各突片19,19は、本体ケーシング2上面両側の各開口21,21と係合する。
また、補助蓋体13の先端外側面と蓋体10の先端内側面との間には、図21に示すように、それぞれ凹凸よりなる第1係合部材14が、また、補助蓋体13の中途部と蓋体10の基端内側面との間には、それぞれ凹凸よりなる第2係合部材15が設けられている。第1係合部材14は第1凸部23と第1凹部24とからなり、第2係合部材15は第2凸部25と第2凹部26とからなる。
蓋体10及び補助蓋体13には、補助蓋体13を伸縮するための機構が設けられている。
このように、補助蓋体13を伸縮するための機構を設けることにより、蓋体10と補助蓋体13とを摺動自在に伸縮することができ、補助蓋体13を保持することができる。
次に、補助受台11の構造について説明する。
補助受台11は、図1、図21及び図22に示すように、大サイズの廃紙を処理する場合に用いるものであり、蓋体10から補助蓋体13を伸長して蓋体10等で大サイズの廃紙を覆う状態とした場合に、搬送ベルト9位置の後方にはみ出した大サイズの廃紙を支持するためのものであり、搬送ベルト9の後方側に張り出して装着される。例えば、大サイズの廃紙は、A3サイズ、B4サイズである。
補助受台11は、先端を本体ケーシング2の後方の側壁に設けられた枢支部30に枢支されており、垂直方向に曲折自在に構成している。
小サイズの廃紙を処理する場合は、搬送ベルト9上に小サイズの廃紙が収まるため補助受台11は不要であり、この場合は、枢支部30から下方に折曲して垂直に収納した状態としておく。例えば、小サイズの廃紙は、A4サイズ、B5サイズである。
大サイズの廃紙を処理する場合は、枢支部30を中心に水平方向に変位させて、搬送ベルトの後方から張り出して大サイズの廃紙を支持する。
かかる補助受台11の先端部と、本体ケーシング2側壁との間には、ロック機構36が介設されている。
すなわち、大サイズの廃紙処理に際して補助受台11を水平状態にセットした場合には、仮に、補助受台11にロック機構36が作用しないと、補助受台11を強引に垂直方向に折畳むことができ、搬送ベルト後方にはみ出した大サイズの廃紙が露出してしまう。
かかる状態で折畳み状態の補助受台11の上方から露出した廃紙を外に引出せば、秘密保持のための廃紙破砕の目的に沿わず、廃紙から秘密漏洩が生起する虞がある。
かかる不測の事態を防止するため、補助受台11を大サイズ廃紙処理用に水平状態にセットした場合に、蓋体10と補助蓋体13とを一体に閉蓋すると、補助蓋体13の突片19、あるいは突片20がロック機構36を作動させて、自動的に補助受台11のロック機構36が作動される。
かかる状態では、補助受台11は、外的要因によって折曲することができず、収納状態とはならない。従って、不用意に大サイズの廃紙の引出しが行えず、秘密保持目的を十分に達しうる。
補助蓋体13の側壁と本体ケーシング2の側壁、すなわち、搬送ベルト9上の廃紙収容空間の側壁との間には、図1、図21及び図22に示すように、蓋体用ロック機構44が介設されている。
すなわち、閉蓋して、本体ケーシング2の側壁に設けたロックピン45をソレノイド46により進退作動させると、ロックピン45と補助蓋体13の側壁とが係合し、あるいは、離脱して蓋体10の開閉ロックがなされる。なお、補助蓋体13には、前後に2個のピン孔47を穿設しており、補助蓋体13の収納状態の場合と伸長した場合とにそれぞれロックピン45が係合できるように構成している。
なお、ロックピン45の電動操作は、別途設けた操作スイッチ48により行うものであり、同操作スイッチ48は、所定の操作キー8を用いなければ操作できないように構成している。
このように、所定の操作キー8を用いてスイッチ操作を行うように構成することにより、不用意に廃紙処理中に閉蓋して廃紙の抜き取りが行えないようにしている。
また、廃紙収容空間7の内底面においては、内側壁面と一定の間隙を保持して規制板49を立設しており、閉蓋作動時に、蓋体10の両側壁が廃紙収容空間7の内側壁面と規制板49との間の間隙に嵌入するように構成している。
すなわち、外部から蓋体10の両側壁を不用意に内方へ加圧しても、規制板49により内方へ変位しないようにして、本体ケーシング2との間に介設した蓋体用ロック機構44の不用意な解除を生起しないようにしている。
次に、廃紙収納ケース3の他の実施例について、図24を参照して具体的な説明をする。
廃紙収納ケース3は、本体ケーシング2基端を側面視湾曲形状に上方へ凸設する湾曲部2aが形成されており、蓋体10で搬送ベルト9上方を覆うようにしている。例えば、長尺なA3廃紙を廃紙収納ケース3内に載置すると、廃紙の後端が湾曲部2aに沿って上方へ湾曲されるため、同廃紙収納ケース3を可及的に短縮することができるようにしている。蓋体10の先端外側面には、本体ケーシング2基端上面側の開口17と係合する突片20が設けられロックできるようにしている。
廃紙収納ケース3の下手側には、廃紙を千切り破砕処理部へと搬送するための搬送機構4を備えており、以下に、図24を参照して、搬送機構4について詳細に説明する。
搬送機構4は、図24に示すように、搬送ベルト9の下手側に配設されており、同搬送ベルト9と圧接自在のフリーローラ56と、フリーローラ56の下手側に配設したガイドローラ73と、同ガイドローラ73の下手側に配設した小径ガイドローラ79,80とにより構成される。しかも、搬送ベルト9に対面したガイドローラ73に厚手の廃紙が送入されるとガイドローラ73のガイド軸71に連設したモータ反転スイッチ77が、その状態を検知して、同搬送ベルト9を反転作動させて、余分に送入されてきた廃紙をフリーローラ56の直前位置まで返送するように構成されている。次いで、廃紙が返送されると、正常の廃紙搬送状態に戻ることにより、搬送ベルト9は通常の廃紙進行方向に作動するように構成されている。図中、51は駆動軸、55はワンウェイ軸、57はワンウェイローラ、59は規制軸、61は整紙板、64は押圧軸、65は押圧ローラ、67、76は付勢機構、82は補助軸、83は補助ローラである。
搬送機構の下手側には、廃紙を千切り破砕処理を行う千切り破砕装置5を備えており、以下、図25を参照して、千切り破砕装置5について詳細に説明する。
千切り破砕装置5は、図25に示すように、搬送機構4の下手側に配設されており、第一破砕軸101と第二破砕軸102と第三破砕軸103とにより構成され、第一破砕軸101の第一破砕歯車105と、第二破砕軸102の第二破砕歯車107とを噛合状態として両歯車105,107の各歯部110,111により廃紙を突き刺す構成とすると共に、第三破砕軸103の第三破砕歯車113と、第二破砕軸102の第二破砕歯車107との各歯部111,116によって廃紙を狭着し、第三破砕軸103の回転速度を、他の破砕軸の回転速度より速くすることにより廃紙を千切り状に切断破砕するものである。
すなわち、第一と第二の破砕歯車105,107間において、廃紙には歯部110,111が突き刺さって瞬間的状況では廃紙の後部が一瞬固定状態を生起し、他方その進行方向前方では周速の速い第三破砕歯車113が廃紙前部を進行方向に引っ張ることになるため、廃紙はこの間で千切られて繊維細片となる。
特に、周速の異なる破砕歯車により、更なる細断状の千切り作動が行われて、ほぼ5mm前後の繊維細片に引き千切られ、かつ、廃紙の繊維細片の長さも略5mmより大きい状態で残留することになる。
なお、繊維細片は、繊維が剥き出した状態となっており、例えば、綿のようにあらゆる箇所に堆積しやすく、また、互いに絡み易い性質を持っている。さらに、繊維細片は、機構部品の隙間や角部に積もると固化してしまう性質も持っている。
次に、図26から図27を参照して、搬送機構4、千切り破砕装置5、圧縮固型化装置6への動力伝達について説明する。これらの動力伝達は、搬送機構4に動力伝達する駆動系と、千切り破砕装置5に動力伝達する千切り破砕系と、圧縮固型化装置6に動力伝達する圧縮系と、により構成される。
駆動系は、搬送ベルト9を駆動させる駆動軸51の両端に設けた駆動軸ギアA181と駆動軸ギアB182とよりなる。駆動軸51は、駆動モータ78の出力軸178から小プーリ175、伝達ベルト179、大プーリ176を介して回転動力を受動する。180は、主駆動中間軸180であり、同じ軸上の外側端部に大プーリ176と主駆動中間軸ギア177とに嵌着される。
駆動軸51に並設された多数のプーリ53間には、受けローラ54を互い違いに装着しており、駆動軸51は、各プーリ53に装着した搬送ベルト9及び受けローラ54に回転動力を伝達する。さらに、搬送ベルト9上方にワンウェイ軸55を配設すると共に、このワンウェイ軸55には、フリーローラ56とワンウェイローラ57とが互い違いに多数並設して装着されており、フリーローラ56は、当接した搬送ベルト9の回転に伴って動力を受動する。また、搬送ベルト9下方にガイド軸71を配設すると共に、ガイド軸71には、ガイドローラ73を一定間隔を保持して多数並設しており、各ガイドローラとの間に当接ローラ74を介設するため、ガイドローラ73は、当接した搬送ベルト9の回転に伴って動力を受動する。52は、駆動軸51に追従して回転する遊動軸52である。
千切り破砕系は、3つの破砕軸である第一破砕軸101と第二破砕軸102と第三破砕軸103と各破砕軸に嵌着した第一破砕軸ギア184,第二破砕軸ギア185,第三破砕軸ギアA186,第三破砕軸ギアB187よりなる。
第一破砕軸101は、駆動モータ78の出力軸178から小プーリ175、伝達ベルト179、大プーリ176、主駆動中間軸ギア177、駆動軸ギアA181、駆動軸51、駆動軸ギアB182、カウンタ軸ギア183、第一破砕軸ギア184を介して回転動力を受動する。
第二破砕軸102は、駆動モータ78の出力軸178から小プーリ175、伝達ベルト179、大プーリ176、主駆動中間軸ギア177、駆動軸ギアA181、駆動軸51、駆動軸ギアB182、カウンタ軸ギア183、第一破砕軸ギア184、第二破砕軸ギア185を介して回転動力を受動する。
第三破砕軸103は、駆動モータ78の出力軸178から小プーリ175、伝達ベルト179、大プーリ176、主駆動中間軸ギア177、第三破砕軸ギアA186を介して回転動力を受動する。
圧縮系は、搬送圧縮を行う回転軸132と回転軸ギア191、及び圧縮固型化装置の上方で回転して掻落とす掻上げローラ軸118と掻上げローラ軸ギア188とよりなる。
回転軸132は、駆動モータ78の出力軸178から小プーリ175、伝達ベルト179、大プーリ176、主駆動中間軸ギア177、回転中間軸ギア190、回転軸ギア191を介して回転動力を受動する。192は、回転中間軸ギア190の回転中間軸192である。
掻上げローラ軸118は、駆動モータ78の出力軸178から小プーリ175、伝達ベルト179、大プーリ176、主駆動中間軸ギア177、第三破砕軸ギアA186、第三破砕軸103、第三破砕軸ギアB187、掻上げローラ軸ギア188を介して回転動力を受動する。
第三破砕軸ギア186,187は、第一及び第二破砕軸ギア184,185よりも約3倍の周速で回転できるギア比で構成される。
この回転軸ギア191の回転動力は、回転軸132を介して螺旋羽根体134及び螺旋スクリュー133に伝動伝達される。
上述した動力伝達系とすることにより、1つの駆動モータ78で搬送機構4、千切り破砕装置5、圧縮固型化装置6を駆動することができる。
なお、本実施の形態に係る圧縮固型化装置は、千切り破砕シュレッダー装置に用いることを限定するものではなく、その他のシュレッダー装置に用いてもよい。また、シュレッダー装置に限らず、長尺紙を印刷・裁断する帳票自動作成装置の長尺紙から廃棄される端部の紙細片を収集圧縮して固形化する用途にも適用することができる。さらには、繊維体としての果実汁や野菜汁の絞りかすの繊維細片を圧縮固形化する用途にも適用することができる。
本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。