JP5288103B2 - 磁気ランダムアクセスメモリ及びデータ読み出し方法 - Google Patents

磁気ランダムアクセスメモリ及びデータ読み出し方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)及びデータ読み出し方法に関する。
MRAMは、高集積・高速動作の観点から有望な不揮発性メモリである。MRAMでは、TMR(Tunnel MagnetoResistance)効果などの磁気抵抗効果を示す「磁気抵抗素子」が、記憶素子として利用される。磁気抵抗素子は、非磁性層とその非磁性層を挟む2層の強磁性体層とを含む。その2層の強磁性体層の一方は、磁化の向きが固定された磁化固定層(ピン層)であり、他方は、磁化の向きが反転可能な磁化自由層(フリー層)である。
磁化固定層と磁化自由層の磁化の向きが“反平行”である場合の磁気抵抗素子の抵抗値(R+ΔR)は、磁気抵抗効果により、それらが“平行”である場合の抵抗値(R)よりも大きくなる。MRAMのメモリセルは、その抵抗値の変化を利用することによってデータを不揮発的に記憶する。例えば、高抵抗状態はデータ「1」に対応づけられ、低抵抗状態はデータ「0」に対応づけられる。メモリセルのデータは、磁気抵抗素子の抵抗値を検知することによって判別可能である。一方、メモリセルのデータは、磁化自由層の磁化の向きを反転させることによって書き換え可能である。
図1は、特許文献1(特開2004−348934号公報)に記載されているMRAMの回路構成の一部を示している。複数の書き込みワード線103W及び複数の読み出しワード線103Rが、X方向に延びており、Xセレクタ108に接続されている。また、複数の第1ビット線104と複数の第2ビット線105が、Y方向に延びており、Yセレクタ111に接続されている。
セルアレイ110は、アレイ状に配置された複数のメモリセル120を有している。各メモリセル120は、トランジスタ106と磁気抵抗素子107を有している。トランジスタ106のゲートは、書き込みワード線103Wに接続されている。トランジスタ106のソース/ドレインの一方は、第1ビット線104に接続され、他方は第2ビット線105に接続されている。磁気抵抗素子107の一端は読み出しワード線103Rに接続され、その他端は第2ビット線105に接続されている。
一部のメモリセル120は、参照セル120rである。参照セル120rに接続される第1ビット線104及び第2ビット線105は、それぞれ第1参照ビット線104r及び第2参照ビット線105rである。電流センスアンプ115は、Yセレクタ111と第2参照ビット線105rに接続されている。
あるメモリセル120(選択メモリセル120s)のデータ読み出しは、次の通りである。Xセレクタ108は、選択メモリセル120sにつながる1本の読み出しワード線103Rを選択し、その読み出しワード線103Rに読み出し電圧を印加する。Yセレクタ111は、選択メモリセル120sにつながる1本の第2ビット線105を選択する。電流センスアンプ115の電圧と読み出しワード線103Rの電圧の差により、選択された第2ビット線105には検知電流Isが流れる。その検知電流Isの大きさは、選択メモリセル120sの磁気抵抗素子107の抵抗状態に依存する。また、参照セル120rにつながる第2参照ビット線105rには、参照電流Irが流れる。
電流センスアンプ115は、検知電流Isと参照電流Irに基づいて、選択メモリセル120sに記録されたデータの判別を行う。例えば、参照セル120rのデータは「0」に固定されているとする。その場合、検知電流Isと参照電流Irがほぼ同じであれば、電流センスアンプ115は、選択メモリセル120sのデータを「0」と判定する。一方、検知電流Isが参照電流Irより小さければ、電流センスアンプ115は、選択メモリセル120sのデータを「1」と判定する。
ここで、注意すべきことは、選択メモリセル120sを通過せずに流れる電流の存在である。図1で示されたMRAMは、メモリセル120同士が多数の並列な経路によって結ばれたクロスポイントアレイ構成を有している。選択メモリセル120sのデータ読み出し時、その並列な経路上に、選択メモリセル120sを通過しない電流が流れる。その電流は、以下「回り込み電流」と参照される。この回り込み電流は、選択された第2ビット線105を流れる検知電流Isに影響を及ぼす。すなわち、回り込み電流は、選択メモリセル120sに関するデータ判定の信頼性を低下させる。読み出しデータの信頼性を高めるためには、回り込み電流の影響を抑制することが重要である。
特許文献2(特開2002−8369号公報)にも、クロスポイントセルアレイが記載されている。特許文献2に記載された技術によれば、読み出しデータの信頼性を高めるために、データ読み出し時、選択ビット線に印加される電圧Vsと非選択ビット線に印加される電圧Vnsが等しく設定される。但し、電圧Vsと電圧Vnsを完全に一致させることは、現実的には困難である。従って、回り込み電流を完全になくすことは難しく、回り込み電流による読み出しデータの信頼性低下への対策が必要である。
特開2004−348934号公報 特開2002−8369号公報
本発明の1つの目的は、読み出しデータの信頼性を向上させることができるMRAMの回路構成及びデータ読み出し方法を提供することにある。
本発明の第1の観点において、MRAMが提供される。MRAMは、マトリックス状に配置された複数のセルを含むセルアレイを備える。そのセルアレイは、同じビット線に接続されたメモリセルグループと参照セルとを含む。メモリセルグループは、ゲートが共通ワード線に接続された共通トランジスタと、共通トランジスタを介して当該ビット線に接続された複数のメモリセルとを含む。複数のメモリセルの各々は、一端が読み出しワード線に接続され他端が共通トランジスタを介して当該ビット線に接続された第1磁気抵抗素子を有する。参照セルは、ゲートが参照ワード線に接続された参照セルトランジスタと、一端が参照読み出しワード線に接続され他端が参照セルトランジスタを介して当該ビット線に接続された第2磁気抵抗素子と、を有する。各メモリセルに記録される記録データは可変であり、一方、参照セルに記録されている参照データは固定されている。
本発明の第2の観点において、MRAMのデータ読み出し方法が提供される。MRAMは、同じビット線に接続されたメモリセルグループと参照セルとを含む。メモリセルグループは、共通トランジスタを介して当該ビット線に接続された複数のメモリセルを含む。複数のメモリセルの各々は、一端が読み出しワード線に接続され他端が共通トランジスタを介して当該ビット線に接続された第1磁気抵抗素子を有する。参照セルは、一端が参照読み出しワード線に接続され他端が参照セルトランジスタを介して当該ビット線に接続された第2磁気抵抗素子を有する。各メモリセルに記録される記録データは可変であり、一方、参照セルに記録されている参照データは固定されている。
上記複数のメモリセルのうち選択メモリセルの記録データを読み出す方法は、(A)第1読み出しステップと、(B)第2読み出しステップと、(C)データ判定ステップとを含む。
(A)第1読み出しステップは、(A1)共通トランジスタ及び参照セルトランジスタをONするステップと、(A2)ビット線に第1電圧を印加するステップと、(A3)複数のメモリセルにつながる全ての読み出しワード線に、第1電圧を印加するステップと、(A4)参照読み出しワード線に、第1電圧と所定の電圧差を有する第2電圧を印加するステップと、ここで、第2磁気抵抗素子には参照データに応じた参照電流が流れ、ビット線には少なくとも参照電流を含む第1ビット線電流が流れ、(A5)第1ビット線電流に基づいて参照電圧を生成するステップと、を含む。
(B)第2読み出しステップは、(B1)共通トランジスタ及び参照セルトランジスタをONするステップと、(B2)ビット線に第1電圧を印加するステップと、(B3)複数のメモリセルのうち選択メモリセル以外のメモリセルにつながる読み出しワード線及び参照読み出しワード線に、第1電圧を印加するステップと、(B4)選択メモリセルにつながる読み出しワード線に、第2電圧を印加するステップと、ここで、選択メモリセルの第1磁気抵抗素子には記録データに応じたセンス電流が流れ、ビット線には少なくともセンス電流を含む第2ビット線電流が流れ、(B5)第2ビット線電流に基づいてセンス電圧を生成するステップと、を含む。
参照電圧は、記録データが0の場合のセンス電圧と記録データが1の場合のセンス電圧との間である。(C)データ判定ステップは、センス電圧を参照電圧と比較することによって、選択メモリセルの記録データを判別するステップを含む。
本発明の1つの効果は、MRAMのデータ読み出し時に、読み出しデータの信頼性が向上することである。
1.第1の実施の形態
1−1.全体構成
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るMRAMの構成を概略的に示すブロック図である。MRAM1は、セルアレイ10A、複数種のワード線(WL,RWL,CWL,WLR,RWLR,WLD,RWLD)、及び複数のビット線対を備えている。各ビット線対は、第1ビット線BL1と第2ビット線BL2から構成される。各ワード線の延在方向はX方向であり、各ビット線の延在方向はX方向と直交するY方向である。
MRAM1は更に、Xセレクタ2とX終端回路3を備えている。Xセレクタ2は、ワード線(WL,RWL,CWL,WLR,RWLR,WLD,RWLD)に接続されている。データ読み出し時あるいはデータ書き込み時、Xセレクタ2は、必要なワード線を選択し、また、各ワード線に所定の電圧を印加する。X終端回路3は、Xセレクタ2に接続されている。
MRAM1は更に、Yセレクタ4、読み出し回路5A及び書き込み回路6を備えている。Yセレクタ4は、ビット線BL1、BL2に接続されている。データ読み出し時、Yセレクタ4は、必要なビット線を選択し、選択されたビット線を読み出し回路5Aに接続する。読み出し回路5Aは、選択されたビット線に所定の読み出し電圧を印加し、当該ビット線を流れるビット線電流(読み出し電流)に基づいて読み出しデータを判別する。データ書き込み時、Yセレクタ4は、必要なビット線を選択し、選択されたビット線を書き込み回路6に接続する。書き込み回路6は、選択されたビット線に所定の書き込み電圧を印加する。
1−2.セルアレイ10A
セルアレイ10Aは、マトリックス状に配置された複数のセルを含んでいる。より詳細には、セルアレイ10Aは、複数のメモリセル20、複数の参照セル30、及び複数のダミーセル40を含んでいる。各セルは、いずれかのビット線対BL1、BL2に接続されており、また、複数種のワード線(WL,RWL,CWL,WLR,RWLR,WLD,RWLD)のうちいくつかに接続されている。以下、各セルの構成、及び各セルのデータ設定方法を説明する。
(メモリセルグループ200、メモリセル20)
メモリセル20は、データを記憶するためのセルであり、マトリックス状に配置されている。また、図2に示されるように、Y方向(列方向)に沿って配置された所定数のメモリセル20が、1つのメモリセルグループ200を構成している。つまり、セルアレイ10Aは、マトリックス状に配置された複数のメモリセルグループ200を含んでおり、各メモリセルグループ200が所定数のメモリセル20を含んでいる。1つのメモリセルグループ200に含まれるメモリセル20の数は任意である。
各メモリセル20は、ビット線対BL1、BL2、ワード線WL、及び読み出しワード線RWLに接続されている。1つのビット線対BL1、BL2は、Y方向に沿って配置された1列のメモリセル20(メモリセルグループ200)に共通に接続されている。1本のワード線WL及び1本の読み出しワード線RWLは、X方向(行方向)に沿って配置された1行のメモリセル20に共通に接続されている。また、1本の共通ワード線CWLが、X方向に沿って配置された1行のメモリセルグループ200に共通に接続されている。
図3は、1つのメモリセルグループ200の回路構成例を示している。本例では、1つのメモリセルグループ200が、4個のメモリセル20−1〜20−4を含んでいる。つまり、1つのメモリセルグループ200は、4ビットのデータを記憶する記憶ブロックとして機能する。
図3に示されるように、メモリセルグループ200は、Y方向に沿って配置された4個のメモリセル20−1〜20−4に加えて、共通トランジスタ210を含んでいる。共通トランジスタ210のゲートは、共通ワード線CWLに接続されている。また、共通トランジスタ210のソース/ドレインの一方は、第2ビット線BL2に接続されており、その他方はメモリセル20−1〜20−4に共通に接続されている。言い換えれば、メモリセル20−1〜20−4は、共通トランジスタ210に対して並列に接続されており、その共通トランジスタ210を介して第2ビット線BL2に接続されている。
各メモリセル20は、セルトランジスタ21と磁気抵抗素子23(第1磁気抵抗素子)を有している。また、メモリセル20−1〜20−4は、ワード線WL1〜WL4のそれぞれと読み出しワード線RWL1〜RWL4のそれぞれに接続されている。例えば、メモリセル20−1のセルトランジスタ21のゲートはワード線WL1に接続されている。磁気抵抗素子23の一端は、読み出しワード線RWL1に接続されている。磁気抵抗素子23の他端は、セルトランジスタ21を介して第1ビット線BL1に接続され、共通トランジスタ210を介して第2ビット線BL2に接続されている。他のメモリセル20−2〜20−4に関しても同様である。
このように、第1ビット線BL1は、それぞれのメモリセル20−1〜20−4のセルトランジスタ21を介して、それぞれの磁気抵抗素子23に接続されている。一方、第2ビット線BL2は、1つの共通トランジスタ210を介して、全てのメモリセル20−1〜20−4の磁気抵抗素子23に接続されている。
このように構成されたメモリセルグループ200において、メモリセル20に対してデータを書き込む方法は次の通りである。例として、メモリセル20−4が書き込み対象の選択メモリセルである場合を説明する。Xセレクタ2は、共通ワード線CWLとワード線WL4を選択し、それら共通ワード線CWLとワード線WL4にHighレベルの電圧を印加する。これにより、共通トランジスタ210と選択メモリセル20−4のセルトランジスタ21がONする。また、Xセレクタ2は、ワード線WL1〜WL3にグランド電圧を印加する。更に、Xセレクタ2は、全ての読み出しワード線RWL1〜RWL4をフローティング状態に設定する。
一方、Yセレクタ4は、選択メモリセル20−4につながるビット線対BL1、BL2を選択し、選択ビット線対BL1、BL2を書き込み回路6に電気的に接続する。また、Yセレクタ4は、その他のビット線対をフローティング状態に設定する。書き込み回路6は、選択ビット線BL1、BL2のそれぞれに相補の電圧を印加する。その結果、その電圧差に応じた書き込み電流が、選択ビット線BL1、BL2間を流れる。より詳細には、書き込み電流は、選択メモリセル20−4の磁気抵抗素子23近傍のセル配線24を経由して、選択ビット線BL1、BL2間を流れる。このセル配線24を流れる書き込み電流により発生する書き込み磁界が、選択メモリセル20−4の磁気抵抗素子23に印加される。
書き込み磁界の大きさが所定の閾値を超えると、磁気抵抗素子23の磁化自由層の磁化方向が、その書き込み磁界に応じた向きに変わる。書き込み磁界の方向、すなわち、書き込み電流の方向は、選択ビット線BL1、BL2に印加される相補電圧を反転させることにより反転可能である。このようにして、選択メモリセル20−4に所望のデータを書き込むことが可能である。
本実施の形態において、磁気抵抗素子23が低抵抗状態にある場合はデータ「0」に対応付けられ、磁気抵抗素子23が高抵抗状態にある場合はデータ「1」に対応付けられる。データ「0」の場合、磁気抵抗素子23の抵抗値はR0であり、データ「1」の場合、磁気抵抗素子23の抵抗値はR1(>R0)であるとする。各メモリセル20に記録される記録データは「0」あるいは「1」に可変に設定可能であり、磁気抵抗素子23の抵抗値はR0あるいはR1となり得る。
(参照セル30)
参照セル30は、データ読み出し時にリファレンスレベルを生成するために使用されるセルである。図2に示されるように、本実施の形態に係るセルアレイ10Aは、X方向に沿って配置された1行の参照セル30を備えている。各参照セル30は、ビット線対BL1、BL2、第1参照ワード線WLR1、第2参照ワード線WLR2、及び参照読み出しワード線RWLRに接続されている。
図4は、参照セル30の構成例を示している。参照セル30は、第1参照セルトランジスタ31、第2参照セルトランジスタ32、及び磁気抵抗素子33(第2磁気抵抗素子)を有している。第1参照セルトランジスタ31のゲートは第1参照ワード線WLR1に接続されており、第2参照セルトランジスタ32のゲートは第2参照ワード線WLR2に接続されている。磁気抵抗素子33の一端は、参照読み出しワード線RWLRに接続されている。磁気抵抗素子33の他端は、第1参照セルトランジスタ31を介して第1ビット線BL1に接続され、第2参照セルトランジスタ32を介して第2ビット線BL2に接続されている。
MRAM1の製造後、参照セル30の磁気抵抗素子33は、低抵抗状態あるいは高抵抗状態に設定される。つまり、参照セル30の記録データ(参照データ)は、「0」か「1」に固定される。参照セル30の参照データの設定方法は次の通りである。Xセレクタ2は、参照ワード線WLR1、WLR2の両方を選択し、それら参照ワード線WLR1、WLR2にHighレベルの電圧を印加する。これにより、参照セルトランジスタ31、32の両方がONする。また、Xセレクタ2は、参照読み出しワード線RWLRをフローティング状態に設定する。
一方、Yセレクタ4は、ビット線対BL1、BL2を選択し、選択ビット線対BL1、BL2を書き込み回路6に電気的に接続する。書き込み回路6は、選択ビット線BL1、BL2のそれぞれに相補の電圧を印加する。その結果、その電圧差に応じた書き込み電流が、選択ビット線BL1、BL2間を流れる。より詳細には、書き込み電流は、参照セル30の磁気抵抗素子33近傍のセル配線34を経由して、選択ビット線BL1、BL2間を流れる。このセル配線34を流れる書き込み電流により発生する書き込み磁界が、磁気抵抗素子33に印加される。
書き込み磁界の大きさが所定の閾値を超えると、磁気抵抗素子33の磁化自由層の磁化方向が、その書き込み磁界に応じた向きに変わる。書き込み磁界の方向、すなわち、書き込み電流の方向は、選択ビット線BL1、BL2に印加される相補電圧を反転させることにより反転可能である。このようにして、参照セル30に記録される参照データを、所望のデータに予め設定することができる。
好適には、上述のメモリセル20の磁気抵抗素子23(第1磁気抵抗素子)と参照セル30の磁気抵抗素子33(第2磁気抵抗素子)は、同一の構造を有する。つまり、記録されているデータが同じであれば、磁気抵抗素子23、33の抵抗値は等しい。例えば、参照セル30の参照データが「0」に固定されている場合、磁気抵抗素子33の抵抗値は上述の“R0”である。一方、参照データが「1」に固定されている場合、磁気抵抗素子33の抵抗値は上述の“R1”である。以下の説明では、図4に示されるように、参照データが「0」に固定されており、磁気抵抗素子33の抵抗値は“R0”であるとする。
(ダミーセル40)
ダミーセル40は、データ読み出し時にビット線電流を調整するために使用されるセルである。図2に示されるように、本実施の形態に係るセルアレイ10Aは、X方向に沿って配置された3行のダミーセル40(ダミーセル部)を備えている。より詳細には、1行の第1ダミーセル40−1、1行の第2ダミーセル40−2、及び1行の第3ダミーセル40−3が、それぞれX方向に沿って配置されている。第1ダミーセル40−1は、ダミーワード線WLD11〜WLD13及びダミー読み出しワード線RWLD1に接続されている。第2ダミーセル40−2は、ダミーワード線WLD21〜WLD23及びダミー読み出しワード線RWLD2に接続されている。第3ダミーセル40−3は、ダミーワード線WLD31〜WLD33及びダミー読み出しワード線RWLD3に接続されている。また、Y方向に沿って配置されたダミーセル40−1、40−2、40−3は、同じビット線対BL1、BL2に接続されている。
図5は、1つのダミーセル40の構成例を示している。ここでは例として第1ダミーセル40−1を説明する。他の第2ダミーセル40−2及び第3ダミーセル40−3の構成も、図5で示されるものと同様である。
第1ダミーセル40−1は、ダミーセルトランジスタ41、42、43、磁気抵抗素子44及び45を有している。ダミーセルトランジスタ41、42及び43のゲートは、それぞれ、ダミーワード線WLD11、WLD12及びWLD13に接続されている。磁気抵抗素子44の一端は、セル配線46に接続され、また、ダミーセルトランジスタ41を介して第1ビット線BL1に接続されている。磁気抵抗素子44の他端は、ダミーセルトランジスタ43を介して第2ビット線BL2に接続されている。磁気抵抗素子45の一端は、ダミー読み出しワード線RWLD1に接続されている。磁気抵抗素子45の他端は、セル配線46に接続され、また、ダミーセルトランジスタ42を介して第2ビット線BL2に接続されている。セル配線46は、ダミーセルトランジスタ41、42間を接続している。
図5で示される構成において、2つの磁気抵抗素子44、45には同じデータが記録される。そのデータ設定方法は次の通りである。Xセレクタ2は、ダミーワード線WLD11、WLD12を選択し、それらダミーワード線WLD11、WLD12にHighレベルの電圧を印加する。これにより、ダミーセルトランジスタ41、42がONする。また、Xセレクタ2はダミーワード線WLD13にグランド電圧を印加し、これにより、ダミーセルトランジスタ43がOFFする。更に、Xセレクタ2は、ダミー読み出しワード線RWLD1をフローティング状態に設定する。
一方、Yセレクタ4は、ビット線対BL1、BL2を選択し、選択ビット線対BL1、BL2を書き込み回路6に電気的に接続する。書き込み回路6は、選択ビット線BL1、BL2のそれぞれに相補の電圧を印加する。その結果、その電圧差に応じた書き込み電流が、選択ビット線BL1、BL2間を流れる。より詳細には、書き込み電流は、磁気抵抗素子44、45近傍のセル配線46を経由して、選択ビット線BL1、BL2間を流れる。このセル配線46を流れる書き込み電流により発生する書き込み磁界が、磁気抵抗素子44、45のそれぞれに印加される。
ここで、図5で模式的に示されているように、磁気抵抗素子44、45のそれぞれに印加される磁界の方向が同じになるようにセル配線46が形成されていることに留意されたい。ダミーセル40においてセル配線46の方向や位置を適宜設計することによって、磁気抵抗素子44、45のそれぞれに印加される書き込み磁界の方向を一致させること可能である。従って、磁気抵抗素子44、45には同じデータが書き込まれる。尚、書き込み磁界の方向、すなわち、書き込み電流の方向は、選択ビット線BL1、BL2に印加される相補電圧を反転させることにより反転可能である。このようにして、2つの磁気抵抗素子44,45に所望の同じデータを記録することができる。
また、図5で示される構成において、ダミーセルトランジスタ43とダミー読み出しワード線RWLD1の間には、2つの磁気抵抗素子44、45が直列に接続されている。ダミーセルトランジスタ43をONすることによって、それら磁気抵抗素子44、45を通して第2ビット線BL2とダミー読み出しワード線RWLD1の間に電流を流すことができる。その電流の大きさは、直列に接続された磁気抵抗素子44、45の合成抵抗に依存する。よって、これら2つの磁気抵抗素子44、45を、その合成抵抗を有する1つの磁気抵抗素子(第3磁気抵抗素子)とみなすこともできる。第3磁気抵抗素子の一端は、ダミーセルトランジスタ43を介して第2ビット線BL2に接続され、その他端はダミー読み出しワード線RWLD1に接続されている。
好適には、磁気抵抗素子44、45の各々は、上述のメモリセル20の磁気抵抗素子23(第1磁気抵抗素子)や参照セル30の磁気抵抗素子33(第2磁気抵抗素子)と同じ構造を有する。つまり、記録されているデータが同じであれば、磁気抵抗素子23、33、44、45の抵抗値は等しい。例えば、磁気抵抗素子44、45に同じデータ「0」が記録されている場合、磁気抵抗素子44、45の各々の抵抗値は上述の“R0”であり、第3磁気抵抗素子の抵抗値は“2×R0”である。一方、磁気抵抗素子44、45に同じデータ「1」が記録されている場合、磁気抵抗素子44、45の各々の抵抗値は上述の“R1”であり、第3磁気抵抗素子の抵抗値は“2×R1”である。
本実施の形態において、第1ダミーセル40−1の磁気抵抗素子44、45のデータは「0」に固定されている。従って、第1ダミーセル40−1の第3磁気抵抗素子の抵抗値は“2×R0”である。また、第2ダミーセル40−2の磁気抵抗素子44、45のデータは「1」に固定されている。従って、第2ダミーセル40−2の第3磁気抵抗素子の抵抗値は“2×R1”である。また、第3ダミーセル40−3の磁気抵抗素子44、45のデータは「0」に固定されている。従って、第3ダミーセル40−3の第3磁気抵抗素子の抵抗値は“2×R0”である。
再度図2を参照して、本実施の形態に係るセルアレイ10Aでは、メモリセルグループ200(複数のメモリセル20)、1個の参照セル30、及び複数のダミーセル40(40−1〜40−3)が、Y方向に沿って配置されている。そして、それらメモリセルグループ200、1個の参照セル30、及び複数のダミーセル40は、同じビット線対BL1、BL2に接続されている。後述されるように、データ読み出し時、読み出し回路5Aは、同じ第2ビット線BL2を介してそれらメモリセルグループ200、1個の参照セル30、及び複数のダミーセル40に接続される。
1−3.読み出し回路5A
図6は、本実施の形態に係る読み出し回路5Aの構成例を示している。読み出し回路5Aは、入力端子IN、NMOSトランジスタTR、インバータINV、負荷抵抗RES、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電圧保持回路C1、第2電圧保持回路C2、コンパレータCMP、及び出力端子OUTを有している。
NMOSトランジスタTRは、入力端子INとノードN1の間に介在している。NMOSトランジスタTRのソースは入力端子INに接続され、そのドレインはノードN1に接続され、そのゲートはインバータINVの出力に接続されている。インバータINVの入力は、NMOSトランジスタTRのソースに接続されている。負荷抵抗RESは、電源とノードN1の間に介在している。負荷抵抗RESの抵抗値はRloadである。
ノードN1は、第1スイッチSW1を介して第1電圧保持回路C1に接続され、第2スイッチSW2を介して第2電圧保持回路C2に接続されている。第1スイッチSW1は例えばトランスファゲートであり、スイッチ制御信号QAによってON/OFF制御される。第2スイッチSW2は例えばトランスファゲートであり、スイッチ制御信号QBによってON/OFF制御される。第1電圧保持回路C1、C2は例えばキャパシタである。キャパシタC1は、第1スイッチSW1がONされたときノードN1の電圧によって充電され、第1スイッチSW1がOFFされた後もその電圧を保持する。同様に、キャパシタC2は、第2スイッチSW2がONされたときノードN1の電圧によって充電され、第2スイッチSW2がOFFされた後もその電圧を保持する。
コンパレータCMPの2つの入力は、それぞれ第1電圧保持回路C1及び第2電圧保持回路C2に接続されている。また、コンパレータCMPの出力は、出力端子OUTに接続されている。コンパレータCMPは、第1電圧保持回路C1で保持されている電圧と第2電圧保持回路C2で保持されている電圧との比較を行い、その比較結果を出力端子OUTに出力する。
データ読み出し時、読み出し回路5Aの入力端子INは、第2ビット線BL2に接続される。そして、読み出し回路5Aは、接続された第2ビット線BL2に所定の読み出し電圧Vc(第1電圧)を印加する役割を果たす。より詳細には、図6で示された回路構成により、入力端子INの電圧はインバータINVの閾値電圧に固定される。その閾値電圧が読み出し電圧Vcと同一となるようにインバータINVが設計される。そのような設計は、例えばインバータINVをCMOSで構成し、そのCMOSインバータに含まれるNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのディメンジョンを適切に選ぶことによって、容易に実現可能である。図6に示されるNMOSトランジスタTRとインバータINVは、第2ビット線BL2に読み出し電圧Vcを印加する「クランプ回路」を構成していると言える。
また、データ読み出し時、読み出し回路5Aは、接続された第2ビット線BL2を流れるビット線電流に基づいて、読み出しデータを判別する役割も果たす。読み出しデータの判別には、負荷抵抗RES、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電圧保持回路C1、第2電圧保持回路C2及びコンパレータCMPが用いられる。これら構成は、読み出しデータを判別するための「センス回路」を構成していると言える。
1−4.読み出し動作
以下、本実施の形態に係るMRAM1のデータ読み出し動作を詳細に説明する。読み出し対象のメモリセル20は、以下、「選択メモリセル」と参照される。また、選択メモリセル20を含むメモリセルグループ200は、以下、「選択メモリセルグループ」と参照される。また、選択メモリセルグループ200につながる第2ビット線BL2は、以下、「選択第2ビット線」と参照される。
また、以下の説明において、Xセレクタ2は、各種ワード線(WL,CWL,WLR1,WLR2,WLD11〜31,WLD12〜32,WLD13〜33)を選択し、選択されたワード線に電源電圧Vddを印加する。これにより、選択ワード線(WL,CWL,WLR1,WLR2,WLD11〜31,WLD12〜32,WLD13〜33)のそれぞれにつながるトランジスタ(21,210,31,32,41,42,43)がONする。一方、Xセレクタ2は、選択されなかったワード線にグランド電圧Gndを印加する。これにより、非選択ワード線(WL,CWL,WLR1,WLR2,WLD11〜31,WLD12〜32,WLD13〜33)のそれぞれにつながるトランジスタ(21,210,31,32,41,42,43)がOFFする。更に、Xセレクタ2は、各種読み出しワード線(RWL,RWLR,RWLD)に様々な電圧を印加することができる。
選択メモリセル20からのデータ読み出し動作は、次の3つのステップからなる。
(1)第1ステップ:参照電圧Vrefの生成
(2)第2ステップ:センス電圧Vs(x)の生成
(3)第3ステップ:参照電圧Vrefとセンス電圧Vs(x)の比較
以下、各ステップを詳細に説明する。
(第1ステップ)
図7は、本実施の形態における第1ステップを説明するための回路図である。読み出し対象の選択メモリセルは、図中のメモリセル20−4であるとする。
Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200につながる共通ワード線CWLを選択し、選択共通ワード線CWLにつながる共通トランジスタ210をONする。Xセレクタ2は、それ以外の共通ワード線CWL及び全てのワード線WL1〜WL4を選択しない。また、Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200につながる全ての読み出しワード線RWL1〜RWL4に所定の電圧Veを印加する。この電圧Veは、読み出し電圧Vc(第1電圧)と実質的に同じ電圧である。そのために、Xセレクタ2は、図6で示された読み出し回路5Aと同様のクランプ回路を有していればよい。Xセレクタ2は、それ以外の読み出しワード線RWL1〜RWL4をグランドレベル、あるいは、フローティング状態にする。
また、Xセレクタ2は、参照セル30につながる第2参照ワード線WLR2を選択し、参照セル30の第2参照セルトランジスタ32をONする。Xセレクタ2は、第1参照ワード線WLR1を選択しない。また、Xセレクタ2は、参照読み出しワード線RWLRに、読み出し電圧Vc(第1電圧)と所定の電圧差を有する第2電圧を印加する。典型的には、第2電圧はグランド電圧Gndである。
更に、Xセレクタ2は、第1ダミーセル40−1につながるダミーワード線WLD13及び第2ダミーセル40−2につながるダミーワード線WLD23を選択し、第1ダミーセル40−1と第2ダミーセル40−2のそれぞれのダミーセルトランジスタ43をONする。Xセレクタ2は、それ以外のダミーワード線WLDを選択しない。その結果、全てのダミーセル40のダミーセルトランジスタ41、42及び第3ダミーセル40−3のダミーセルトランジスタ43がOFFする。以下、ダミーセルトランジスタ43がONする第1ダミーセル40−1及び第2ダミーセル40−2は、「第1ダミーセル群」と参照される。更に、Xセレクタ2は、第1ダミーセル群(40−1、40−2)につながるダミー読み出しワード線RWLD1、RWLD2に、上述の第2電圧(Gnd)を印加する。また、Xセレクタ2は、それ以外のダミー読み出しワード線RWLD3をグランドレベル、あるいは、フローティング状態にする。
このような動作により、選択第2ビット線BL2は、選択メモリセルグループ200中の磁気抵抗素子23、参照セル30中の磁気抵抗素子33、及び第1ダミーセル群(40−1、40−2)中の磁気抵抗素子44、45に電気的に接続される。
一方、Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2を読み出し回路5Aの入力端子INに電気的に接続する。また、Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2以外の第2ビット線BL2及び第1ビット線BL1をフローティング状態に設定する。読み出し回路5Aは、選択第2ビット線BL2に上述の読み出し電圧Vc(第1電圧)を印加する。読み出し電圧Vcは、グランド電圧Gndと所定の電圧差を有する。
以上の電圧印加の結果、第1ステップでは、選択第2ビット線BL2に「第1ビット線電流IBL1」が流れる。第1ビット線電流IBL1は、次の3種類の電流を含んでいる。
第1は、参照セル30に流れる「参照電流Iref」である。参照セル30においては、参照データに応じた参照電流Irefが磁気抵抗素子33に流れる。上述の通り、本実施の形態において、参照セル30の参照データは「0」に固定されており、磁気抵抗素子33の抵抗値はR0である。抵抗値R0の抵抗の両端に電圧差Vc−Gndを印加したときに流れる電流はI(0)であるとする。この電流I(0)を用いることにより、参照電流Irefは次の式(1)で表される。
式(1):
Iref=Vc/R0=I(0)
第2は、第1ダミーセル群(40−1、40−2)によって生成される「第1ダミー電流Id1」である。第1ダミーセル群には、その第1ダミーセル群に含まれる全ての第3磁気抵抗素子(44、45)の合成抵抗値(第1合成抵抗値)に応じた第1ダミー電流Id1が流れる。上述の通り、本実施の形態において、第1ダミーセル40−1の第3磁気抵抗素子(44、45)の抵抗値は2×R0であり、第2ダミーセル40−2の第3磁気抵抗素子(44、45)の抵抗値は2×R1である。抵抗値R1の抵抗の両端に電圧差Vc−Gndを印加したときに流れる電流はI(1)であるとする。抵抗値R1は抵抗値R0より大きいため、電流I(1)は電流I(0)より小さい。電流I(0)及び電流I(1)を用いることにより、第1ダミー電流Id1は次の式(2)で表される。
式(2):
Id1=Vc/(2×R0)+Vc/(2×R1)=(I(0)+I(1))/2
第3は、選択メモリセルグループ200に流れる「第1回りこみ電流Ipara1」である。選択メモリセル20−4の磁気抵抗素子23の抵抗値はRs(=R0あるいはR1)であるとする。また、選択メモリセルグループ200中の非選択メモリセル20−1〜20−3の磁気抵抗素子23の合成抵抗値はRnであるとする。このとき、第1回り込み電流Ipara1は、近似的に次の式(3)で表される。
式(3):
Ipara1〜(Vc−Ve)×(1/Rs+1/Rn)
第1ステップにおいて、選択第2ビット線BL2に流れる第1ビット線電流IBL1は、参照電流Iref、第1ダミー電流Id1及び第1回り込み電流Ipara1を含んでいる(IBL1=Iref+Id1+Ipara1)。
読み出し回路5Aは、第1ビット線電流IBL1に基づいて参照電圧Vrefを生成する。図6を参照して、電源から入力端子INに向けて第1ビット線電流IBL1が流れる。このとき、負荷抵抗RESと第1ビット線電流IBL1によって電圧降下が生じる。電源電圧がVddであり、負荷抵抗RESの抵抗値がRloadである場合、ノードN1の電圧Vrefは、次の式(4)で表される。
式(4):
Vref=Vdd−Rload×(Iref+Id1+Ipara1)
第1ステップにおいて、読み出し回路5Aは第1モードで動作する。具体的には、スイッチ制御信号QAがHighレベルに設定され、第1スイッチSW1がONする。一方、スイッチ制御信号QBはLowレベルに設定され、第2スイッチSW2はOFFする。結果として、キャパシタC1がノードN1の電圧Vrefで充電される。その後、第1スイッチSW1はOFFし、キャパシタC1は電圧Vrefを保持する。この電圧Vrefが、第1ステップで生成される参照電圧Vrefである。
(第2ステップ)
図8は、本実施の形態における第2ステップを説明するための回路図である。Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200につながる共通ワード線CWLを選択し、選択共通ワード線CWLにつながる共通トランジスタ210をONする。Xセレクタ2は、それ以外の共通ワード線CWL及び全てのワード線WL1〜WL4を選択しない。また、Xセレクタ2は、選択メモリセル20−4につながる読み出しワード線RWL4に、上述の第2電圧(Gnd)を印加する。一方、Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200中の非選択メモリセル20−1〜20−3につながる読み出しワード線RWL1〜RWL3に電圧Veを印加する。この電圧Veは、読み出し電圧Vc(第1電圧)と実質的に同じ電圧である。Xセレクタ2は、それ以外の読み出しワード線RWL1〜RWL4をグランドレベル、あるいは、フローティング状態にする。
また、Xセレクタ2は、参照セル30につながる第2参照ワード線WLR2を選択し、参照セル30の第2参照セルトランジスタ32をONする。Xセレクタ2は、第1参照ワード線WLR1を選択しない。また、Xセレクタ2は、参照読み出しワード線RWLRに上述の電圧Veを印加する。
更に、Xセレクタ2は、第1ダミーセル40−1につながるダミーワード線WLD13及び第3ダミーセル40−3につながるダミーワード線WLD33を選択し、第1ダミーセル40−1と第3ダミーセル40−3のそれぞれのダミーセルトランジスタ43をONする。Xセレクタ2は、それ以外のダミーワード線WLDを選択しない。その結果、全てのダミーセル40のダミーセルトランジスタ41、42及び第2ダミーセル40−2のダミーセルトランジスタ43がOFFする。以下、ダミーセルトランジスタ43がONする第1ダミーセル40−1及び第3ダミーセル40−3は、「第2ダミーセル群」と参照される。更に、Xセレクタ2は、第2ダミーセル群(40−1、40−3)につながるダミー読み出しワード線RWLD1、RWLD3に、上述の第2電圧(Gnd)を印加する。また、Xセレクタ2は、それ以外のダミー読み出しワード線RWLD2をグランドレベル、あるいは、フローティング状態にする。
このような動作により、選択第2ビット線BL2は、選択メモリセルグループ200中の磁気抵抗素子23、参照セル30中の磁気抵抗素子33、及び第2ダミーセル群(40−1、40−3)中の磁気抵抗素子44、45に電気的に接続される。
一方、Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2を読み出し回路5Aの入力端子INに電気的に接続する。また、Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2以外の第2ビット線BL2及び第1ビット線BL1をフローティング状態に設定する。読み出し回路5Aは、選択第2ビット線BL2に上述の読み出し電圧Vc(第1電圧)を印加する。尚、読み出し電圧Vcは、第1ステップと第2ステップとで同じクランプ回路で生成される。そのため、選択第2ビット線BL2に印加される読み出し電圧Vcは、第1ステップと第2ステップとで実質的に等しい。電圧Veに関しても同様である。
以上の電圧印加の結果、第2ステップでは、選択第2ビット線BL2に「第2ビット線電流IBL2」が流れる。第2ビット線電流IBL2は、次の3種類の電流を含んでいる。
第1は、選択メモリセル20−4に流れる「センス電流I(x)」である。選択メモリセル20−4の磁気抵抗素子23には、記録データx(=0,1)に応じたセンス電流I(x)が流れる。磁気抵抗素子23の抵抗値はR0あるいはR1である。従って、センス電流I(x)は、電流I(0)あるいは電流I(1)である。
第2は、第2ダミーセル群(40−1、40−3)によって生成される「第2ダミー電流Id2」である。第2ダミーセル群には、その第2ダミーセル群に含まれる全ての第3磁気抵抗素子(44、45)の合成抵抗値(第2合成抵抗値)に応じた第2ダミー電流Id2が流れる。上述の通り、本実施の形態において、第1ダミーセル40−1の第3磁気抵抗素子(44、45)の抵抗値は2×R0であり、第3ダミーセル40−3の第3磁気抵抗素子(44、45)の抵抗値も2×R0である。従って、第2合成抵抗値は、第1ステップにおける第1合成抵抗値と異なり、第2ダミー電流Id2は第1ダミー電流Id1と異なることになる。第2ステップにおける第2ダミー電流Id2は、次の式(5)で表される。
式(5):
Id2=Vc/(2×R0)+Vc/(2×R0)=I(0)
第3は、選択メモリセルグループ200の非選択メモリセル20−1〜20−3及び参照セル30に流れる「第2回りこみ電流Ipara2」である。第1ステップの場合と同様に、選択メモリセルグループ200中の非選択メモリセル20−1〜20−3の磁気抵抗素子23の合成抵抗値はRnである。また、参照セル30の磁気抵抗素子33の抵抗値はR0である。従って、第2回り込み電流Ipara2は、近似的に次の式(6)で表される。
(式6):
Ipara2〜(Vc−Ve)×(1/R0+1/Rn)
第2ステップにおいて、選択第2ビット線BL2に流れる第2ビット線電流IBL2は、センス電流I(x)、第2ダミー電流Id2及び第2回り込み電流Ipara2を含んでいる(IBL2=I(x)+Id2+Ipara2)。
読み出し回路5Aは、第2ビット線電流IBL2に基づいてセンス電圧Vs(x)を生成する。図6を参照して、電源から入力端子INに向けて第2ビット線電流IBL2が流れる。このとき、負荷抵抗RESと第2ビット線電流IBL2によって電圧降下が生じる。従って、ノードN1の電圧Vs(x)は、次の式(7)で表される。尚、負荷抵抗RESは、上述の第1ステップで用いられたものと同じであることに留意されたい。
式(7):
Vs(x)=Vdd−Rload×(I(x)+Id2+Ipara2)
第2ステップにおいて、読み出し回路5Aは第2モードで動作する。具体的には、スイッチ制御信号QBがHighレベルに設定され、第2スイッチSW2がONする。一方、スイッチ制御信号QAはLowレベルに設定され、第1スイッチSW1はOFFする。結果として、キャパシタC2がノードN1の電圧Vs(x)で充電される。その後、第2スイッチSW2はOFFし、キャパシタC2は電圧Vs(x)を保持する。この電圧Vs(x)が、第2ステップで生成されるセンス電圧Vs(x)である。
(第3ステップ)
第3ステップにおいて、読み出し回路5Aは、センス電圧Vs(x)を参照電圧Vrefと比較することによって、選択メモリセル20−4の記録データを判別する。具体的には、コンパレータCMPが、キャパシタC1に保持されている参照電圧VrefとキャパシタC2に保持されているセンス電圧Vs(x)との比較を行い、その比較結果を読み出しデータとして出力端子OUTに出力する。
まず、回りこみ電流Ipara1、Ipara2の影響を無視した場合を考える。選択メモリセル20−4の記録データxが「0」の場合、センス電流I(x)及びセンス電圧Vs(x)は、記録データ「0」に対応したI(0)及びVs(0)である。この場合の電圧差ΔV(0)を、ΔV(0)=Vref−Vs(0)として定義する。既出の式(1)〜(7)を参照して、電圧差ΔV(0)は次の式(8)で与えられる。
(式8):
ΔV(0)=Rload×(I(0)−Iref+Id2−Id1)
=Rload×(I(0)−((I(0)+I(1))/2)
=Rload×(I(0)−I(1))/2
上述の通り、電流I(1)は電流I(0)より小さいため、電圧差ΔV(0)は正である。すなわち、選択メモリセル20−4の記録データが「0」の場合のセンス電圧Vs(0)は、参照電圧Vrefより小さい。
一方、選択メモリセル20−4の記録データxが「1」の場合、センス電流I(x)及びセンス電圧Vs(x)は、記録データ「1」に対応したI(1)及びVs(1)である。この場合の電圧差ΔV(1)を、ΔV(1)=−Vref+Vs(1)として定義する。既出の式(1)〜(7)を参照して、電圧差ΔV(1)は次の式(9)で与えられる。
(式9):
ΔV(1)=Rload×(Iref−I(1)+Id1−Id2)
=Rload×(I(0)−I(1)+(I(1)−I(0))/2)
=Rload×(I(0)−I(1))/2
電流I(1)は電流I(0)より小さいため、電圧差ΔV(1)は正である。すなわち、選択メモリセル20−4の記録データが「1」の場合のセンス電圧Vs(1)は、参照電圧Vrefより大きい。
以上に説明されたように、参照電圧Vrefは、センス電圧Vs(0)より大きく、センス電圧Vs(1)より小さい。すなわち、参照電圧Vrefは、センス電圧Vs(0)とセンス電圧Vs(1)との間のレベルとなる。従って、読み出し回路5Aは、センス電圧Vs(x)を参照電圧Vrefと比較することによって、選択メモリセル20−4の記録データを判別することができる。特に、回り込み電流がない場合、電圧差ΔV(0)と電圧差ΔV(1)は等しく、参照電圧Vrefはセンス電圧Vs(0)とセンス電圧Vs(1)のちょうど中間(平均値)となり、好適である。読み出し回路5Aは、判別した記録データを読み出しデータとして出力端子OUTに出力する。
次に、回りこみ電流Ipara1、Ipara2を考慮する。その場合、電圧差ΔV(0)及び電圧差ΔV(1)は、それぞれ次の式(10)、式(11)で与えられる。
(式10):
ΔV(0)=Rload×(I(0)−I(1))/2+Rload×(Ipara2−Ipara1)
=Rload×(I(0)−I(1))/2+ΔVpara
(式11):
ΔV(1)=Rload×(I(0)−I(1))/2−Rload×(Ipara2−Ipara1)
=Rload×(I(0)−I(1))/2−ΔVpara
上記式(10)、(11)の右辺において、第1項は、回り込み電流の影響が無い理想的な電圧差を示している。一方、第2項のパラメータΔVparaは、回り込み電流の影響を示している。パラメータΔVparaの正負によって、電圧差ΔV(0)あるいは電圧差ΔV(1)が小さくなる。このことは、コンパレータCMPによる電圧比較が難しくなることを意味する。最悪の場合、電圧差ΔV(0)あるいは電圧差ΔV(1)が、正ではなく負となる。その場合、データの誤判定が発生し、不正確な読み出しデータが出力される。正確な読み出しデータを得るためには、パラメータΔVparaの絶対値が小さいことが望まれる。本実施の形態によれば、パラメータΔVparaは、次の式(12)で与えられる。
式(12):
ΔVpara=Rload×(Ipara2−Ipara1)
〜Rload×(Vc−Ve)×(1/R0−1/Rs)
1−5.議論及び効果
読み出しデータの信頼性を高めるためには、回り込み電流の影響をできるだけ抑えることが重要である。本実施の形態によれば、次の理由により回り込み電流の影響が抑制され、読み出しデータの信頼性が向上する。
(A)回路構成
まず、上述の第2ステップにおいて、第2回り込み電流Ipara2が流れる範囲が制限されていることに留意されたい。図8で示されたように、全てのメモリセル20のうち第2回り込み電流Ipara2が流れるのは、選択メモリセルグループ200に含まれる3つの非選択メモリセル20−1〜20−3だけである(ここでは、参照セル30は考慮しない)。
比較として、既出の図1で示されたMRAMは、メモリセル120同士が多数の並列な経路によって結ばれたクロスポイントアレイ構成を有している。従って、選択メモリセル120sからのデータ読み出し時、その多数の並列な経路上に回り込み電流が流れてしまう。一方、本実施の形態に係る回路構成では、共通トランジスタ210が配置され、メモリセル20がメモリセルグループ200毎に区分けされている。第2ステップでは、選択メモリセルグループ200につながる共通ワード線CWLが選択され、それ以外の共通ワード線CWLは選択されない。その結果、全てのメモリセル20のうち第2回り込み電流Ipara2が流れるのは、選択メモリセルグループ200に含まれる3つの非選択メモリセル20−1〜20−3だけとなる。言い換えれば、選択メモリセル20−4につながる並列経路が制限されるため、第2回り込み電流Ipara2が小さくなる。
このように、本実施の形態に係る回路構成により、第2回り込み電流Ipara2が流れる範囲が制限され、結果として、第2回り込み電流Ipara2の絶対値が小さくなる。すなわち、図1で示された回路構成と比較して、センス電圧Vs(x)に対する回り込み電流の影響が低減される。従って、読み出しデータの信頼性が向上する。
(B)第1回り込み電流Ipara1
更に、本実施の形態によれば、読み出しデータに対する回り込み電流の影響を低減するために、次のような工夫がなされている。それは、第1ステップにおいて、意図的に第1回り込み電流Ipara1を発生させていることである。つまり、第1ステップで生成される参照電圧Vrefに、意図的に回り込み電流の影響を含ませている。
読み出しデータは、センス電圧Vs(x)と参照電圧Vrefとの比較に基づいて判別される。上述の通り、センス電圧Vs(x)に寄与する第2回り込み電流Ipara2の絶対値は低減されているものの、ゼロではない。ここで、参照電圧Vrefが第2回り込み電流Ipara2の影響と同様のものを含んでいれば、電圧比較段階(第3ステップ)で第2回り込み電流Ipara2の影響が“相殺”されるはずである。そのために、第1ステップにおいて、第1回り込み電流Ipara1が意図的に生成される。それにより、参照電圧Vrefが第1回り込み電流Ipara1の影響を含むことになる。
上記式(12)中に現れている項“Ipara2−Ipara1”はまさに、第2ステップにおける第2回り込み電流Ipara2が第1ステップにおける第1回り込み電流Ipara1によって“相殺”されることを意味している。このような相殺効果を最大限得るためには、第1回り込み電流Ipara1の大きさを第2回り込み電流Ipara2の大きさにできるだけ近づければよい。つまり、第1回り込み電流Ipara1に寄与するセルと、第2回り込み電流Ipara2に寄与するセルとをできるだけ同種にすればよい。
そのために、本実施の形態によれば、参照電圧Vrefを生成する第1ステップにおいて、第2参照ワード線WLR2だけでなく、選択メモリセルグループ200につながる共通ワード線CWLも選択される。一方、センス電圧Vsを生成する第2ステップにおいて、選択メモリセルグループ200につながる共通ワード線CWLだけでなく、第2参照ワード線WLR2も選択される。すなわち、ステップS1、S2の両方において、同じ共通ワード線CWLと第2参照ワード線WLR2の両方が選択される。その結果、第1ステップにおいて、第1回り込み電流Ipara1は、選択メモリセルグループ200中の1つの選択メモリセル20−4と3つの非選択メモリセル20−1〜20−3に流れる(図7、式(3)参照)。一方、第2ステップにおいて、第2回り込み電流Ipara2は、1つの参照セル30と選択メモリセルグループ200中の3つの非選択メモリセル20−1〜20−3に流れる(図8、式(6)参照)。3つの非選択メモリセル20−1〜20−3に流れる回り込み電流は、第1ステップと第2ステップとで共通であるため、それによる影響は電圧比較段階(第3ステップ)で“相殺”される。
第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2との差異は、1つの選択メモリセル20−4に流れる回り込み電流と、1つの参照セル30に流れる回り込み電流の差異だけである。言い換えれば、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2との差異は、多くとも1セル間のデータの違いだけに抑えることができる。従って、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2の大きさは非常に近く、上記式(12)で表されるパラメータΔVparaの絶対値は非常に小さくなる。すなわち、読み出しデータの信頼性が向上する。
以上の議論から明らかなように、本実施の形態では、1つの選択メモリセル20−4に対して、1つの参照セル30だけが用いられることが好適である。本実施の形態に係るセルアレイ10Aでは、参照セル30はX方向に沿って1行だけ配置されている。従って、選択メモリセルグループ200につながる選択第2ビット線BL2には、1個の参照セル30だけがつながることになる。その結果、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2との差異は、1つの選択メモリセル20−4に流れる回り込み電流と、1つの参照セル30に流れる回り込み電流の差異だけとなる。すなわち、式(12)で表されるパラメータΔVparaの絶対値が小さくなる。
また、参照セル30の磁気抵抗素子33(第2磁気抵抗素子)は、メモリセル20の磁気抵抗素子23(第1磁気抵抗素子)と同一の構造を有していることが好適である。つまり、記録されているデータが同じであれば、磁気抵抗素子23、33の抵抗値が互いに等しいことが好適である。この場合、選択メモリセル20−4の記録データ「x」が参照セル30の参照データ「0」と一致すれば、磁気抵抗素子23の抵抗値Rsが磁気抵抗素子33の抵抗値R0と一致し、式(12)で与えられるパラメータΔVparaはほぼ0となる。すなわち、極めて正確なデータ判定が可能となる。
(C)電流電圧変換係数
本実施の形態によれば、第1ステップにおいて、読み出し回路5Aは、負荷抵抗RESを用いることによって、第1ビット線電流IBL1から参照電圧Vrefを生成する。また、第2ステップにおいて、読み出し回路5Aは、同じ負荷抵抗RESを用いることによって、第2ビット線電流IBL2からセンス電圧Vsを生成する。つまり、電流を電圧に変換するために用いられる抵抗回路網(負荷抵抗RES)は、第1ステップと第2ステップとで同じである。このことは、第1ステップと第2ステップとで電流電圧変換係数が等しいことを意味する。
上述の通り、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2の大きさは非常に近い。更に、第1ステップと第2ステップとで電流電圧変換係数が等しいため、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2のそれぞれをほぼ同じ電圧に変換することができる。従って、上述の相殺効果が向上し、高い信頼性でデータを読み出すことが可能となる。
また、同じ抵抗回路網が使用されるため、製造ばらつきの影響が無くなるという効果も得られる。比較として、第1ステップでは第1抵抗回路網が用いられ、第2ステップでは別途設けられる第2抵抗回路網が用いられる場合を考える。第1抵抗回路網と第2抵抗回路網の設計が完全に同一であっても、実際に製造された回路では第1抵抗回路網と第2抵抗回路網との間に製造ばらつきが発生する可能性がある。その場合、参照電圧Vrefに寄与する抵抗値Rload(式(4)参照)と、センス電圧Vs(x)に寄与する抵抗値Rload(式(7)参照)がずれることになる。結果として、上述の相殺効果が狙い通りに得られなくなる。本実施の形態によれば、第1ステップと第2ステップとで同じ抵抗回路網(負荷抵抗RES)が使用される。従って、製造ばらつきに影響されることなく、狙い通りの相殺効果を得ることが可能となる。
(D)読み出し電圧Vc
図6で説明されたように、NMOSトランジスタTRとインバータINVは、選択第2ビット線BL2に読み出し電圧Vcを印加する「クランプ回路」を構成している。本実施の形態によれば、第1ステップと第2ステップとで同じクランプ回路が使用される。そのため、選択第2ビット線BL2に印加される読み出し電圧Vcは、製造ばらつきに影響されることなく、第1ステップと第2ステップとで実質的に同じになる。
比較として、第1ステップでは第1クランプ回路が用いられ、第2ステップでは別途設けられる第2クランプ回路が用いられる場合を考える。第1クランプ回路と第2クランプ回路の設計が完全に同一であっても、実際に製造された回路では第1クランプ回路と第2クランプ回路との間に製造ばらつきが発生する可能性が高い。その場合、第1回り込み電流Ipara1に寄与する読み出し電圧Vc(式(3)参照)と、第2回り込み電流Ipara2に寄与する読み出し電圧Vc(式(6)参照)がずれることになる。結果として、上述の相殺効果が狙い通りに得られなくなる。
本実施の形態によれば、第1ステップと第2ステップとで同じクランプ回路が使用される。従って、製造ばらつきに影響されることなく、狙い通りの相殺効果を得ることが可能となる。
(E)電圧Ve
上記式(12)で与えられるパラメータΔVparaは、電圧差“Vc−Ve”もパラメータとして含んでいる。本実施の形態によれば、Xセレクタ2によって印加される電圧Ve(第2電圧)は、読み出し回路5Aによって印加される読み出し電圧Vc(第1電圧)と実質的に同じに設定される。このことも、パラメータΔVparaの絶対値の低減に寄与する。電圧Veが読み出し電圧Vcと完全に同一であれば、パラメータΔVparaは0となる。
但し、製造ばらつきのせいで、Xセレクタ2によって生成される電圧Veが、読み出し回路5Aによって生成される読み出し電圧Vcと完全に同一とならない可能性もある。その場合は、ある程度の回り込み電流が発生するが、上述の相殺効果によってパラメータΔVparaは極めて低いレベルに抑えられる。
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、有用なMRAM回路構成が提供される。また、データ読み出し時に読み出しデータの信頼性を向上させることが可能となる。
(F)その他の効果
本実施の形態では、適切な参照電圧Vref及びセンス電圧Vs(x)を生成するために、ダミーセル40が利用されている。より詳細には、参照電圧Vrefをセンス電圧Vs(0)とVs(1)との間に設定するために、ダミーセル40を流れるダミー電流(Id1、Id2)が利用されている。磁気抵抗素子の抵抗値は温度条件等によって変化するため、参照セル30を流れる参照電流Irefや、選択メモリセル20−4を流れるセンス電流I(x)も温度条件等によって変化し得る。本実施の形態によれば、メモリセル20や参照セル30と同様に、ダミーセル40も磁気抵抗素子(44、45)を含んでおり、それら磁気抵抗素子を用いることによってダミー電流を生成している。従って、ダミー電流も、温度条件等に依存し、参照電流Irefやセンス電流I(x)の変化に追随して変化する。従って、温度が変動しても、参照電圧Vrefとセンス電圧Vs(x)との間の適切な関係は維持される。
また、ダミーセル40は、セルアレイ10A内に配置される。従って、Xセレクタ2、Yセレクタ4、書き込み回路6等を、メモリセル20とダミーセル40とで共通に利用することができる。結果として、回路構成がシンプルになり、回路面積が削減される。
更に、本実施の形態によれば、参照セル30は、1つの磁気抵抗素子33だけを有している。従って、セルアレイ10A中の参照セル30の占有面積を削減することができる。また、磁気抵抗素子のショートに伴うビット線不良も抑制することが出来る。
2.第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、ダミー電流Id1、Id2を生成するためのダミーセル部の構成が主に異なる。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成には同じ符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
2−1.全体構成
図9は、第2の実施の形態に係るMRAMの構成を概略的に示すブロック図である。第1の実施の形態と比較して、本実施の形態に係るMRAM1は、セルアレイ10Aの代わりにセルアレイ10Bを備え、読み出し回路5Aの代わりに読み出し回路5Bを備えている。また、ダミーワード線WLD及びダミー読み出しワード線RWLDが省略され、その代わりに、Y方向に延在する第1ダミービット線DBL1、第2ダミービット線DBL2及び第3ダミービット線DBL3が設けられている。
Xセレクタ2は、ワード線(WL,RWL,CWL,WLR,RWLR)に接続されている。データ読み出し時あるいはデータ書き込み時、Xセレクタ2は、必要なワード線を選択し、また、各ワード線に所定の電圧を印加する。Yセレクタ4は、ビット線(BL1、BL2、DBL1〜DBL3)に接続されている。データ読み出し時、Yセレクタ4は、必要なビット線を選択し、選択されたビット線を読み出し回路5Bに接続する。読み出し回路5Bは、選択されたビット線に所定の読み出し電圧を印加し、当該ビット線を流れるビット線電流(読み出し電流)に基づいて読み出しデータを判別する。
2−2.セルアレイ10B
第1の実施の形態と同様に、セルアレイ10Bは、マトリックス状に配置された複数のメモリセルグループ200、及びX方向に沿って配置された1行の参照セル30を含んでいる。メモリセルグループ200、メモリセル20及び参照セル30の構成は、第1の実施の形態と同じである。
第1の実施の形態と比較して、セルアレイ10Bは、ダミーセル40−1〜40−3を有していない。その代わり、セルアレイ10Bは、Y方向(列方向)に沿って1列に配置された複数のダミーセルグループ500及び1個の参照ダミーセル60を含んでいる。各ダミーセルグループ500及び参照ダミーセル60は、ダミービット線DBL1〜DBL3に接続されている。
1個のダミーセルグループ500は、1行のメモリセルグループ200に関連づけられており、当該メモリセルグループ200と同じ行に配置されている。つまり、ダミーセルグループ500の総数は、Y方向に沿って配置されたメモリセルグループ200の数と同じである。また、メモリセルグループ200と同様に、1つのダミーセルグループ500は、Y方向に沿って配置された複数のダミーセル50を含んでいる。その複数のダミーセル50は、対応するメモリセルグループ200に含まれる複数のメモリセル20のそれぞれと同じ行に配置されている。つまり、1つのダミーセルグループ500に含まれるダミーセル50の数は、1つのメモリセルグループ200に含まれるメモリセル20の数と同じである。
一方、1個の参照ダミーセル60は、1行の参照セル30に関連づけられており、当該参照セル30と同じ行に配置されている。
このように、本実施の形態に係るセルアレイ10Bでは、メモリセルグループ200(複数のメモリセル20)と1個の参照セル30が、同じビット線対BL1、BL2に接続されており、ダミーセルグループ500(複数のダミーセル50)と1個の参照ダミーセル60が、同じダミービット線DBL1〜DBL3に接続されている。後述されるように、本実施の形態では、ダミーセルグループ500及び参照ダミーセル60が、ダミー電流Id1、Id2を生成するためのダミーセル部として機能する。
(ダミーセルグループ500、ダミーセル50)
図10は、1つのダミーセルグループ500の回路構成例を示している。本例では、メモリセルグループ200と同様に、1つのダミーセルグループ500が、Y方向に沿って配置された4個のダミーセル50−1〜50−4を含んでいる。更に、ダミーセルグループ500は、メモリセルグループ200の共通トランジスタ210と同様のダミー共通トランジスタ510を含んでいる。ダミー共通トランジスタ510のゲートは、共通ワード線CWLに接続されている。また、ダミー共通トランジスタ510のソース/ドレインの一方は、第2ダミービット線DBL2に接続されており、その他方はダミーセル50−1〜50−4に共通に接続されている。言い換えれば、ダミーセル50−1〜50−4は、ダミー共通トランジスタ510に対して並列に接続されており、そのダミー共通トランジスタ510を介して第2ダミービット線DBL2に接続されている。
ダミーセル50−1〜50−4は、ワード線WL1〜WL4のそれぞれに接続されている。また、各ダミーセル50は、ダミーセルトランジスタ51、52と磁気抵抗素子53(第4磁気抵抗素子)を有している。各ダミーセル50において、ダミーセルトランジスタ51、52のゲートは、対応する1本ワード線WLに接続されている。磁気抵抗素子53の一端は、ダミーセルトランジスタ52を介して第1ダミービット線DBL1に接続されている。磁気抵抗素子53の他端は、ダミー共通トランジスタ510を介して第2ダミービット線DBL2に接続され、ダミーセルトランジスタ51を介して第3ダミービット線DBL3に接続されている。
このように構成されたダミーセルグループ500において、ダミーセル50のデータを設定する方法は次の通りである。例として、ダミーセル50−4のデータを設定する場合を説明する。Xセレクタ2は、共通ワード線CWLとワード線WL4を選択し、それら共通ワード線CWLとワード線WL4にHighレベルの電圧を印加する。これにより、ダミー共通トランジスタ510とダミーセル50−4のダミーセルトランジスタ51、52がONする。
一方、Yセレクタ4は、第2ダミービット線DBL2及び第3ダミービット線DBL3を選択し、選択ダミービット線DBL2、DBL3を書き込み回路6に接続する。また、Yセレクタ4は、第1ダミービット線DBL1をフローティング状態に設定する。書き込み回路6は、選択ダミービット線DBL2、DBL3のそれぞれに相補の電圧を印加する。その結果、その電圧差に応じた書き込み電流が、選択ダミービット線DBL2、DBL3間を流れる。より詳細には、書き込み電流は、ダミーセル50−4の磁気抵抗素子53近傍のセル配線54を経由して、選択ダミービット線DBL2、DBL3間を流れる。このセル配線54を流れる書き込み電流により発生する書き込み磁界が、ダミーセル50−4の磁気抵抗素子53に印加される。
書き込み磁界の大きさが所定の閾値を超えると、磁気抵抗素子53の磁化自由層の磁化方向が、その書き込み磁界に応じた向きに変わる。書き込み磁界の方向、すなわち、書き込み電流の方向は、選択ダミービット線DBL2、DBL3に印加される相補電圧を反転させることにより反転可能である。このようにして、ダミーセル50−4に所望のデータを設定することが可能である。
本実施の形態において、全てのダミーセル50の磁気抵抗素子53は、予め高抵抗状態に設定される。つまり、全てのダミーセル50の記録データは「1」に固定される。好適には、ダミーセル50の磁気抵抗素子53(第4磁気抵抗素子)は、メモリセル20の磁気抵抗素子23(第1磁気抵抗素子)や参照セル30の磁気抵抗素子33(第2磁気抵抗素子)と同一の構造を有する。その場合、各ダミーセル50の磁気抵抗素子53の抵抗値は、上述の“R1”である。
(参照ダミーセル60)
図11は、参照ダミーセル60の構成例を示している。参照ダミーセル60は、参照ダミーセルトランジスタ61、62、65、及び磁気抵抗素子63(第5磁気抵抗素子)を有している。参照ダミーセルトランジスタ61、65のゲートは第1参照ワード線WLR1に接続されており、参照ダミーセルトランジスタ62のゲートは第2参照ワード線WLR2に接続されている。磁気抵抗素子63の一端は、参照ダミーセルトランジスタ65を介して第1ダミービット線DBL1に接続されている。磁気抵抗素子63の他端は、参照ダミーセルトランジスタ62を介して第2ダミービット線DBL2に接続され、参照ダミーセルトランジスタ61を介して第3ダミービット線DBL3に接続されている。
参照ダミーセル60のデータを設定する方法は次の通りである。Xセレクタ2は、参照ワード線WLR1、WLR2の両方を選択し、それら参照ワード線WLR1、WLR2にHighレベルの電圧を印加する。これにより、参照ダミーセルトランジスタ61、62及び65がONする。
一方、Yセレクタ4は、第2ダミービット線DBL2及び第3ダミービット線DBL3を選択し、選択ダミービット線DBL2、DBL3を書き込み回路6に接続する。また、Yセレクタ4は、第1ダミービット線DBL1をフローティング状態に設定する。書き込み回路6は、選択ダミービット線DBL2、DBL3のそれぞれに相補の電圧を印加する。その結果、その電圧差に応じた書き込み電流が、選択ダミービット線DBL2、DBL3間を流れる。より詳細には、書き込み電流は、磁気抵抗素子63近傍のセル配線64を経由して、選択ダミービット線DBL2、DBL3間を流れる。このセル配線64を流れる書き込み電流により発生する書き込み磁界が、磁気抵抗素子63に印加される。
書き込み磁界の大きさが所定の閾値を超えると、磁気抵抗素子63の磁化自由層の磁化方向が、その書き込み磁界に応じた向きに変わる。書き込み磁界の方向、すなわち、書き込み電流の方向は、選択ダミービット線DBL2、DBL3に印加される相補電圧を反転させることにより反転可能である。このようにして、参照ダミーセル60に所望のデータを設定することが可能である。
本実施の形態において、参照ダミーセル60の磁気抵抗素子63は、予め低抵抗状態に設定される。つまり、参照ダミーセル60の記録データは、上記ダミーセル50と異なる「0」に固定される。好適には、参照ダミーセル60の磁気抵抗素子63(第5磁気抵抗素子)は、既出の磁気抵抗素子23、33、53と同一の構造を有する。その場合、磁気抵抗素子63の抵抗値は、上述の“R0”である。
2−3.読み出し回路5B
図12は、本実施の形態に係る読み出し回路5Bの構成例を示している。読み出し回路5Bは、第1入力端子IN1、第2入力端子IN2、第1NMOSトランジスタTR1、第2NMOSトランジスタTR2、第1インバータINV1、第2インバータINV2、PMOSトランジスタTR3、TR4、負荷抵抗RES、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電圧保持回路C1、第2電圧保持回路C2、コンパレータCMP、及び出力端子OUTを有している。
第1NMOSトランジスタTR1は、第1入力端子IN1とノードN3の間に介在している。第1NMOSトランジスタTR1のゲートは、第1インバータINV1の出力に接続されている。第1インバータINV1の入力は、第1NMOSトランジスタTR1のソースに接続されている。同様に、第2NMOSトランジスタTR2は、第2入力端子IN2とノードN4の間に介在している。第2NMOSトランジスタTR2のゲートは第2インバータINV2の出力に接続されている。第2インバータINV2の入力は、第2NMOSトランジスタTR2のソースに接続されている。
PMOSトランジスタTR3は、ノードN3と電源の間に介在している。PMOSトランジスタTR4は、ノードN4と電源の間に介在している。PMOSトランジスタTR3、TR4のゲートは互いに接続されており、且つ、PMOSトランジスタTR3のドレインに接続されている。すなわち、PMOSトランジスタTR3、TR4は、カレントミラー回路を構成している。本実施の形態において、PMOSトランジスタTR4を流れる電流がPMOSトランジスタTR3を流れる電流の2倍になるように、カレントミラー回路は構成される。例えば、PMOSトランジスタTR4のゲート幅は、PMOSトランジスタTR3のゲート幅の2倍に設計される。
負荷抵抗RESは、ノードN4とグランドの間に介在している。負荷抵抗RESの抵抗値はRloadである。
ノードN4は、第1スイッチSW1を介して第1電圧保持回路(キャパシタ)C1に接続され、第2スイッチSW2を介して第2電圧保持回路(キャパシタ)C2に接続されている。第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電圧保持回路C1、第2電圧保持回路C2及びコンパレータCMPの構成や接続関係は、第1の実施の形態と同じである。
データ読み出し時、読み出し回路5Bの第1入力端子IN1は、第2ビット線BL2に接続され、第2入力端子IN2は、第2ダミービット線DBL2に接続される。そして、読み出し回路5Bは、接続された第2ビット線BL2及び第2ダミービット線DBL2に所定の読み出し電圧Vc(第1電圧)を印加する役割を果たす。より詳細には、図12で示された回路構成により、第1入力端子IN1の電圧は第1インバータINV1の閾値電圧に固定され、第2入力端子IN2の電圧は第2インバータINV2の閾値電圧に固定される。それら閾値電圧が読み出し電圧Vcと同一となるように、第1インバータINV1及び第2インバータINV2が設計される。そのような設計は、例えば各インバータをCMOSで構成し、そのCMOSインバータに含まれるNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのディメンジョンを適切に選ぶことによって、容易に実現可能である。
また、データ読み出し時、読み出し回路5Bは、接続された第2ビット線BL2及び第2ダミービット線DBL2のそれぞれを流れるビット線電流に基づいて、読み出しデータを判別する役割も果たす。読み出しデータの判別には、上記カレントミラー回路、負荷抵抗RES、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電圧保持回路C1、第2電圧保持回路C2及びコンパレータCMPが用いられる。これら構成は、読み出しデータを判別するための「センス回路」を構成していると言える。
2−4.読み出し動作
以下、本実施の形態に係るMRAM1のデータ読み出し動作を詳細に説明する。第1の実施の形態と同様に、データ読み出し動作は3つのステップからなる。
(第1ステップ)
図13は、本実施の形態における第1ステップを説明するための回路図である。読み出し対象の選択メモリセルは、図中のメモリセル20−4であるとする。
選択メモリセルグループ200に対する電圧印加は、第1の実施の形態の第1ステップと同じである。すなわち、Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200につながる共通ワード線CWLを選択し、それ以外の共通ワード線CWL及び全てのワード線WL1〜WL4を選択しない。また、Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200につながる全ての読み出しワード線RWL1〜RWL4に所定の電圧Veを印加する。電圧Veは、読み出し電圧Vc(第1電圧)と実質的に同じ電圧である。Xセレクタ2は、それ以外の読み出しワード線RWL1〜RWL4をグランドレベル、あるいは、フローティング状態にする。
選択メモリセルグループ200と同じ行に配置されたダミーセルグループ500は、以下「選択ダミーセルグループ500」と参照される。選択メモリセルグループ200と選択ダミーセルグループ500は、同じ共通ワード線CWLに接続されている。従って、Xセレクタ2が上述の通り共通ワード線CWLを選択すると、選択メモリセルグループ200の共通トランジスタ210だけでなく、選択ダミーセルグループ500のダミー共通トランジスタ510も同時にONする。一方、ワード線WL1〜WL4は選択されないため、選択ダミーセルグループ500中のダミーセルトランジスタ51、52は全てOFFする。
また、Xセレクタ2は、参照セル30につながる第1参照ワード線WLR1及び第2参照ワード線WLR2を選択する。更に、Xセレクタ2は、参照読み出しワード線RWLRに、読み出し電圧Vc(第1電圧)と所定の電圧差を有する第2電圧を印加する。典型的には、第2電圧はグランド電圧Gndである。
参照ダミーセル60と参照セル30は、同じ第1参照ワード線WLR1及び第2参照ワード線WLR2に接続されている。従って、Xセレクタ2が上述の通り第1参照ワード線WLR1及び第2参照ワード線WLR2を選択すると、参照セル30の参照セルトランジスタ31、32だけでなく、参照ダミーセル60の参照ダミーセルトランジスタ61、62及び65もONする。
このような動作により、選択第2ビット線BL2は、選択メモリセルグループ200中の磁気抵抗素子23及び参照セル30中の磁気抵抗素子33に電気的に接続される。更に、第2ダミービット線DBL2は、参照ダミーセル60中の磁気抵抗素子63に電気的に接続される。
一方、Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2及び第2ダミービット線DBL2のそれぞれを、読み出し回路5Bの第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2に電気的に接続する。そして、読み出し回路5Bは、選択第2ビット線BL2及び第2ダミービット線DBL2に、上述の読み出し電圧Vc(第1電圧)を印加する。読み出し電圧Vcは、グランド電圧Gndと所定の電圧差を有する。
更に、Yセレクタ7は、第1ダミービット線DBL1に上記第2電圧(Gnd)を印加する。Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2以外の第2ビット線BL2、全ての第1ビット線BL1、及び第3ダミービット線DBL3をフローティング状態に設定する。
以上の電圧印加の結果、第1ステップでは、選択第2ビット線BL2に「第1ビット線電流IBL1」が流れる。第1ビット線電流IBL1は、参照セル30に流れる参照電流Irefと、選択メモリセルグループ200に流れる第1回りこみ電流Ipara1を含んでいる(IBL1=Iref+Ipara1)。参照電流Iref及び第1回り込み電流Ipara1は、第1の実施の形態と同じである(それぞれ、式(1)と式(3)を参照)。
一方、第2ダミービット線DBL2には、「第1ダミービット線電流IDBL1」が流れる。第1ダミービット線電流IDBL1は、参照ダミーセル60によって生成される第1ダミー電流Id1を含んでいる(IDBL1=Id1)。第1ダミー電流Id1は、参照ダミーセル60の磁気抵抗素子63の抵抗値(R0)に応じた電流であり、次の式(13)で表される。
式(13):
Id1=Vc/R0=I(0)
読み出し回路5Bは、第1ビット線電流IBL1及び第1ダミービット線電流IDBL1に基づいて参照電圧Vrefを生成する。図12を参照して、電源から選択第2ビット線BL2に接続された第1入力端子IN1に向けて、第1ビット線電流IBL1が流れる。このとき、カレントミラー回路により、電源からノードN4に向けて、第1ビット線電流IBL1の2倍の電流が流れる。一方、ノードN4から第2ダミービット線DBL2に接続された第2入力端子IN2に向けて、第1ダミービット線電流IDBL1が流れている。従って、第1ビット線電流IBL1の2倍と第1ダミービット線電流IDBL1の差分(2×IBL1−IDBL1)が、ノードN4から負荷抵抗RESを通してグランドに流れ込む。負荷抵抗RESの抵抗値がRloadである場合、ノードN4の電圧Vrefは、次の式(14)で表される。
式(14):
Vref=Rload×(2×(Iref+Ipara1)−Id1)
第1ステップにおいて、読み出し回路5Bは第1モードで動作する。具体的には、スイッチ制御信号QAがHighレベルに設定され、第1スイッチSW1がONする。一方、スイッチ制御信号QBはLowレベルに設定され、第2スイッチSW2はOFFする。結果として、キャパシタC1がノードN4の電圧Vrefで充電される。その後、第1スイッチSW1はOFFし、キャパシタC1は電圧Vrefを保持する。この電圧Vrefが、第1ステップで生成される参照電圧Vrefである。
(第2ステップ)
図14は、本実施の形態における第2ステップを説明するための回路図である。Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200につながる共通ワード線CWLを選択し、それ以外の共通ワード線CWLを選択しない。このとき、選択メモリセルグループ200の共通トランジスタ210だけでなく、選択ダミーセルグループ500のダミー共通トランジスタ510も同時にONする。
また、Xセレクタ2は、選択メモリセル20−4につながるワード線WL4を選択し、それ以外のワード線WL1〜WL3を選択しない。選択ダミーセルグループ500に含まれる複数のダミーセル50のうち、選択メモリセル20−4と同じ行に配置されたダミーセル50−4は、以下「選択ダミーセル50−4」と参照される。選択メモリセル20−4と選択ダミーセル50−4は、同じワード線WL4に接続されている。従って、Xセレクタ2が当該ワード線WL4を選択すると、選択ダミーセル50−4のダミーセルトランジスタ51、52がONする。一方、その他のワード線WL1〜WL3は選択されないため、それらワード線WL1〜WL3に接続されたダミーセルトランジスタ51、52は全てOFFする。
更に、Xセレクタ2は、選択メモリセル20−4につながる読み出しワード線RWL4に、上述の第2電圧(Gnd)を印加する。一方、Xセレクタ2は、選択メモリセルグループ200中の非選択メモリセル20−1〜20−3につながる読み出しワード線RWL1〜RWL3に電圧Veを印加する。この電圧Veは、読み出し電圧Vc(第1電圧)と実質的に同じ電圧である。Xセレクタ2は、それ以外の読み出しワード線RWL1〜RWL4をグランドレベル、あるいは、フローティング状態にする。
参照セル30に対する電圧印加は、第1の実施の形態における第2ステップと同じである。すなわち、Xセレクタ2は、第2参照ワード線WLR2を選択し、第1参照ワード線WLR1を選択しない。この場合、参照セル30の第2参照セルトランジスタ32及び参照ダミーセル60のダミーセルトランジスタ62がONする。一方、参照セル30の第1参照セルトランジスタ31及び参照ダミーセル60のダミーセルトランジスタ61、65がOFFする。また、Xセレクタ2は、参照読み出しワード線RWLRに上述の電圧Veを印加する。
このような動作により、選択第2ビット線BL2は、選択メモリセルグループ200中の磁気抵抗素子23及び参照セル30中の磁気抵抗素子33に電気的に接続される。更に、第2ダミービット線DBL2は、選択ダミーセルグループ500中の磁気抵抗素子53に電気的に接続される。
一方、Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2及び第2ダミービット線DBL2のそれぞれを、読み出し回路5Bの第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2に電気的に接続する。そして、読み出し回路5Bは、選択第2ビット線BL2及び第2ダミービット線DBL2に、上述の読み出し電圧Vc(第1電圧)を印加する。尚、読み出し電圧Vcは、第1ステップと第2ステップとで同じクランプ回路で生成される。そのため、選択第2ビット線BL2及び第2ダミービット線DBL2のそれぞれに印加される読み出し電圧Vcは、第1ステップと第2ステップとで実質的に等しい。電圧Veに関しても同様である。
更に、Yセレクタ7は、第1ダミービット線DBL1に上記第2電圧(Gnd)を印加する。Yセレクタ7は、選択第2ビット線BL2以外の第2ビット線BL2、全ての第1ビット線BL1、及び第3ダミービット線DBL3をフローティング状態に設定する。
以上の電圧印加の結果、第2ステップでは、選択第2ビット線BL2に「第2ビット線電流IBL2」が流れる。第2ビット線電流IBL2は、選択メモリセル20−4に流れるセンス電流I(x)と、選択メモリセルグループ200の非選択メモリセル20−1〜20−3及び参照セル30に流れる第2回りこみ電流Ipara2とを含んでいる(IBL2=I(x)+Ipara2)。センス電流I(x)及び第2回り込み電流Ipara2は、第1の実施の形態と同じである(式(6)参照)。
一方、第2ダミービット線DBL2には、「第2ダミービット線電流IDBL2」が流れる。第2ダミービット線電流IDBL2は、選択ダミーセルグループ500の選択ダミーセル50−4によって生成される第2ダミー電流Id2を含んでいる(IDBL2=Id2)。第2ダミー電流Id2は、選択ダミーセル50−4の磁気抵抗素子53の抵抗値(R1)に応じた電流であり、次の式(15)で表される。
式(15):
Id2=Vc/R1=I(1)
読み出し回路5Bは、第2ビット線電流IBL2及び第2ダミービット線電流IDBL2に基づいてセンス電圧Vs(x)を生成する。図12を参照して、電源から選択第2ビット線BL2に接続された第1入力端子IN1に向けて、第2ビット線電流IBL2が流れる。このとき、カレントミラー回路により、電源からノードN4に向けて、第2ビット線電流IBL2の2倍の電流が流れる。一方、ノードN4から第2ダミービット線DBL2に接続された第2入力端子IN2に向けて、第2ダミービット線電流IDBL2が流れている。従って、第2ビット線電流IBL2の2倍と第2ダミービット線電流IDBL2の差分(2×IBL2−IDBL2)が、ノードN4から負荷抵抗RESを通してグランドに流れ込む。従って、ノードN4の電圧Vs(x)は、次の式(16)で表される。尚、負荷抵抗RESは、上述の第1ステップで用いられたものと同じであることに留意されたい。
式(16):
Vs(x)=Rload×(2×(I(x)+Ipara2)−Id2)
第2ステップにおいて、読み出し回路5Bは第2モードで動作する。具体的には、スイッチ制御信号QBがHighレベルに設定され、第2スイッチSW2がONする。一方、スイッチ制御信号QAはLowレベルに設定され、第1スイッチSW1はOFFする。結果として、キャパシタC2がノードN4の電圧Vs(x)で充電される。その後、第2スイッチSW2はOFFし、キャパシタC2は電圧Vs(x)を保持する。この電圧Vs(x)が、第2ステップで生成されるセンス電圧Vs(x)である。
(第3ステップ)
第3ステップにおいて、読み出し回路5Bは、センス電圧Vs(x)を参照電圧Vrefと比較することによって、選択メモリセル20−4の記録データを判別する。具体的には、コンパレータCMPが、キャパシタC1に保持されている参照電圧VrefとキャパシタC2に保持されているセンス電圧Vs(x)との比較を行い、その比較結果を読み出しデータとして出力端子OUTに出力する。
まず、回りこみ電流Ipara1、Ipara2の影響を無視した場合を考える。選択メモリセル20−4の記録データxが「0」の場合、センス電流I(x)及びセンス電圧Vs(x)は、記録データ「0」に対応したI(0)及びVs(0)である。この場合の電圧差ΔV(0)を、ΔV(0)=Vs(0)−Vrefとして定義する。既出の式を参照して、電圧差ΔV(0)は次の式(17)で与えられる。
(式17):
ΔV(0)=Rload×(2×(I(0)−Iref)+Id1−Id2)
=Rload×(Id1−Id2)
=Rload×(I(0)−I(1))
上述の通り、電流I(1)は電流I(0)より小さいため、電圧差ΔV(0)は正である。すなわち、選択メモリセル20−4の記録データが「0」の場合のセンス電圧Vs(0)は、参照電圧Vrefより大きい。
一方、選択メモリセル20−4の記録データxが「1」の場合、センス電流I(x)及びセンス電圧Vs(x)は、記録データ「1」に対応したI(1)及びVs(1)である。この場合の電圧差ΔV(1)を、ΔV(1)=Vref−Vs(1)として定義する。既出の式を参照して、電圧差ΔV(1)は次の式(18)で与えられる。
(式18):
ΔV(1)=Rload×(2×(Iref−I(1))+Id2−Id1)
=Rload×(2×(I(0)−I(1))+I(1)−I(0))
=Rload×(I(0)−I(1))
電流I(1)は電流I(0)より小さいため、電圧差ΔV(1)は正である。すなわち、選択メモリセル20−4の記録データが「1」の場合のセンス電圧Vs(1)は、参照電圧Vrefより小さい。
以上に説明されたように、参照電圧Vrefは、センス電圧Vs(0)より小さく、センス電圧Vs(1)より大きい。すなわち、参照電圧Vrefは、センス電圧Vs(0)とセンス電圧Vs(1)との間のレベルとなる。従って、読み出し回路5Bは、センス電圧Vs(x)を参照電圧Vrefと比較することによって、選択メモリセル20−4の記録データを判別することができる。特に、回り込み電流がない場合、電圧差ΔV(0)と電圧差ΔV(1)は等しく、参照電圧Vrefはセンス電圧Vs(0)とセンス電圧Vs(1)のちょうど中間(平均値)となり、好適である。読み出し回路5Bは、判別した記録データを読み出しデータとして出力端子OUTに出力する。
次に、回りこみ電流Ipara1、Ipara2を考慮する。その場合、電圧差ΔV(0)及び電圧差ΔV(1)は、それぞれ次の式(19)、式(20)で与えられる。
(式19):
ΔV(0)=Rload×(I(0)−I(1))+2×Rload×(Ipara2−Ipara1)
=Rload×(I(0)−I(1))+ΔVpara
式(20):
ΔV(1)=Rload×(I(0)−I(1))−2×Rload×(Ipara2−Ipara1)
=Rload×(I(0)−I(1))−ΔVpara
上記式(19)、(20)の右辺において、第1項は、回り込み電流の影響が無い理想的な電圧差を示している。一方、第2項のパラメータΔVparaは、回り込み電流の影響を示している。パラメータΔVparaの正負によって、電圧差ΔV(0)あるいは電圧差ΔV(1)が小さくなる。このことは、コンパレータCMPによる電圧比較が難しくなることを意味する。最悪の場合、電圧差ΔV(0)あるいは電圧差ΔV(1)が、正ではなく負となる。その場合、データの誤判定が発生し、不正確な読み出しデータが出力される。正確な読み出しデータを得るためには、パラメータΔVparaの絶対値が小さいことが望まれる。本実施の形態によれば、パラメータΔVparaは、次の式(21)で与えられる。
式(21):
ΔVpara=2×Rload×(Ipara2−Ipara1)
〜2×Rload×(Vc−Ve)×(1/R0−1/Rs)
式(3)、(6)及び(21)から分かるように、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2との差異は、1つの選択メモリセル20−4に流れる回り込み電流と、1つの参照セル30に流れる回り込み電流の差異だけである。言い換えれば、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2との差異は、多くとも1セル間のデータの違いだけに抑えることができる。従って、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2の大きさは非常に近く、上記式(21)で表されるパラメータΔVparaの絶対値は非常に小さくなる。すなわち、読み出しデータの信頼性が向上する。
2−5.効果
式(21)から明らかなように、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の“相殺効果”が実現されている。上記式(21)中に現れている項“Ipara2−Ipara1”はまさに、第2ステップにおける第2回り込み電流Ipara2が第1ステップにおける第1回り込み電流Ipara1によって“相殺”されることを意味している。従って、パラメータΔVparaの絶対値が小さくなり、読み出しデータの信頼性が向上する。
また、読み出し回路5Bは、同じ抵抗回路網(カレントミラー回路、負荷抵抗RES)を用いることによって、ビット線電流から参照電圧Vrefあるいは検知電圧Vs(x)を生成する。つまり、電流を電圧に変換するために用いられる抵抗回路網は、第1ステップと第2ステップとで同じである。このことは、第1ステップと第2ステップとで電流電圧変換係数が等しいことを意味する。従って、第1の実施の形態と同じ理由により、上述の相殺効果が向上し、高い信頼性でデータを読み出すことが可能となる。また、製造ばらつきに影響されることなく、狙い通りの相殺効果を得ることが可能となる。
その他、第1の実施の形態で得られた効果と同じ効果が、本実施の形態でも得られることは明らかである。
更に、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と比較して、次のような追加的な効果も得られる。それは、メモリセル20の磁気抵抗素子23とダミー電流を生成するための磁気抵抗素子53、63とで、同等のMR比が得られることである。磁気抵抗素子のMR比は、その両端に印加される電圧に依存して変化する。第1の実施の形態で用いられるダミーセル40では、2つの磁気抵抗素子44、45が直列に接続されており、1つの磁気抵抗素子に印加される電圧は読み出し電圧Vcのおよそ半分である。従って、メモリセル20の磁気抵抗素子23とダミーセル40の磁気抵抗素子44、45とで、MR比が異なる可能性がある。一方、本実施の形態では、1つの磁気抵抗素子53あるいは1つの磁気抵抗素子63が、ダミー電流を生成するために用いられる。従って、磁気抵抗素子53あるいは63に印加される電圧は、メモリセル20の磁気抵抗素子23に印加される電圧と同等である。従って、メモリセル20の磁気抵抗素子23とダミー電流を生成するための磁気抵抗素子53、63とで、同等のMR比が得られる。その結果、データ読み出しの信頼性が高くなる。
3.第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、読み出し回路の構成が主に異なる。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成には同じ符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
3−1.全体構成
図15は、第3の実施の形態に係るMRAMの構成を概略的に示すブロック図である。第1の実施の形態と比較して、本実施の形態に係るMRAM1は、セルアレイ10Aの代わりにセルアレイ10Cを備え、読み出し回路5Aの代わりに読み出し回路5Cを備えている。また、ダミーワード線WLD及びダミー読み出しワード線RWLDが省略されている。
3−2.セルアレイ10C
第1の実施の形態と同様に、セルアレイ10Cは、マトリックス状に配置された複数のメモリセルグループ200、及びX方向に沿って配置された1行の参照セル30を含んでいる。メモリセルグループ200、メモリセル20及び参照セル30の構成は、第1の実施の形態と同じである。第1の実施の形態と比較して、セルアレイ10Cは、ダミーセル40−1〜40−3を有していない。
3−3.読み出し回路5C
図16は、本実施の形態に係る読み出し回路5Cの構成例を示している。読み出し回路5Cは、入力端子IN、NMOSトランジスタTR、インバータINV、第1負荷抵抗RES1、第2負荷抵抗RES2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電圧保持回路C1、第2電圧保持回路C2、コンパレータCMP、及び出力端子OUTを有している。
入力端子IN、NMOSトランジスタTR、及びインバータINVの構成や接続関係は第1の実施の形態と同じである。入力端子INの電圧は、インバータINVの閾値電圧に固定される。その閾値電圧が読み出し電圧Vcと同一となるようにインバータINVが設計される。そのような設計は、例えばインバータINVをCMOSで構成し、そのCMOSインバータに含まれるNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのディメンジョンを適切に選ぶことによって、容易に実現可能である。
NMOSトランジスタTRのドレインは、第1スイッチSW1を介してノードN1に接続され、第2スイッチSW2を介してノードN2に接続されている。第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2の構成や機能は、第1の実施の形態と同じである。
第1負荷抵抗RES1は、電源とノードN1の間に介在している。一方、第2負荷抵抗RES2は、電源とノードN2の間に介在している。第1負荷抵抗RES1と第2負荷抵抗RES2の抵抗値は互いに異なっている。本実施の形態において、第1負荷抵抗RES1の抵抗値は“R0+R1”であり、第2負荷抵抗RES2の抵抗値“R1+R1”である。このような第1負荷抵抗RES1及び第2負荷抵抗RES2は、メモリセル20の磁気抵抗素子23と同じ構造を有する磁気抵抗素子を用いることによって容易に実現可能である。例えば、第1負荷抵抗RES1は、データ「0」に固定された磁気抵抗素子とデータ「1」に固定された磁気抵抗素子を直列に接続することによって実現可能である。また、第2負荷抵抗RES2は、データ「1」に固定された2つの磁気抵抗素子を直列に接続することによって実現可能である。
ノードN1は、第1電圧保持回路(キャパシタ)C1とコンパレータCMPの一方の入力に接続されている。ノードN2は、第2電圧保持回路(キャパシタ)C2とコンパレータCMPの他方の入力に接続されている。コンパレータCMPの出力は、出力端子OUTに接続されている。
データ読み出し時、読み出し回路5Cは、接続された第2ビット線BL2を流れるビット線電流に基づいて、読み出しデータを判別する役割も果たす。読み出しデータの判別には、第1負荷抵抗RES1、第2負荷抵抗RES2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電圧保持回路C1、第2電圧保持回路C2及びコンパレータCMPが用いられる。これら構成は、読み出しデータを判別するための「センス回路」を構成していると言える。
3−4.読み出し動作
以下、本実施の形態に係るMRAM1のデータ読み出し動作を詳細に説明する。第1の実施の形態と同様に、データ読み出し動作は3つのステップからなる。
(第1ステップ)
図17は、本実施の形態における第1ステップを説明するための回路図である。読み出し対象の選択メモリセルは、図中のメモリセル20−4であるとする。選択メモリセルグループ200及び参照セル30に対する電圧印加は、第1の実施の形態の第1ステップと同じである。結果として、参照セル30には参照電流Irefが流れ、選択メモリセルグループ200には第1回り込み電流Ipara1が流れる。参照電流Iref及び第1回り込み電流Ipara1は、第1の実施の形態と同じである(それぞれ、式(1)と式(3)を参照)。第1ステップにおいて、選択第2ビット線BL2に流れる第1ビット線電流IBL1は、参照電流Iref及び第1回り込み電流Ipara1を含んでいる(IBL1=Iref+Ipara1)。
読み出し回路5Cは、選択第2ビット線BL2に接続され、第1ビット線電流IBL1に基づいて参照電圧Vrefを生成する。第1ステップでは、読み出し回路5Cは第1モードで動作する。具体的には、スイッチ制御信号QAがHighレベルに設定され、第1スイッチSW1がONする。一方、スイッチ制御信号QBはLowレベルに設定され、第2スイッチSW2はOFFする。この場合、入力端子INは、第1スイッチSW1を介して第1負荷抵抗RES1に電気的に接続される。従って、第1ビット線電流IBL1は、電源から第1負荷抵抗RES1を通って入力端子INに流れる。電源電圧がVddであり、第1負荷抵抗RES1の抵抗値がR0+R1である場合、ノードN1の電圧Vrefは、次の式(22)で表される。
式(22):
Vref=Vdd−(R0+R1)×(Iref+Ipara1)
キャパシタC1は、ノードN1の電圧Vrefで充電される。その後、第1スイッチSW1はOFFし、キャパシタC1は電圧Vrefを保持する。この電圧Vrefが、第1ステップで生成される参照電圧Vrefである。
(第2ステップ)
図18は、本実施の形態における第2ステップを説明するための回路図である。選択メモリセルグループ200及び参照セル30に対する電圧印加は、第1の実施の形態の第2ステップと同じである。結果として、選択メモリセル20−4にはセンス電流I(x)が流れ、また、選択メモリセルグループ200の非選択メモリセル20−1〜20−3及び参照セル30には第2回りこみ電流Ipara2が流れる。センス電流I(x)及び第2回り込み電流Ipara2は、第1の実施の形態と同じである(式(6)参照)。第2ステップにおいて、選択第2ビット線BL2に流れる第2ビット線電流IBL2は、センス電流I(x)及び第2回り込み電流Ipara2を含んでいる(IBL2=I(x)+Ipara2)。
読み出し回路5Cは、選択第2ビット線BL2に接続され、第2ビット線電流IBL2に基づいてセンス電圧Vs(x)を生成する。第2ステップでは、読み出し回路5Cは第2モードで動作する。具体的には、スイッチ制御信号QBがHighレベルに設定され、第2スイッチSW2がONする。一方、スイッチ制御信号QAはLowレベルに設定され、第1スイッチSW1はOFFする。この場合、入力端子INは、第2スイッチSW2を介して第2負荷抵抗RES2に電気的に接続される。従って、第2ビット線電流IBL2は、電源から第2負荷抵抗RES2を通って入力端子INに流れる。第2負荷抵抗RES2の抵抗値がR1+R1である場合、ノードN2の電圧Vs(x)は、次の式(23)で表される。
式(23):
Vs(x)=Vdd−(R1+R1)×(I(x)+Ipara2)
キャパシタC2は、ノードN2の電圧Vs(x)で充電される。その後、第2スイッチSW2はOFFし、キャパシタC2は電圧Vs(x)を保持する。この電圧Vs(x)が、第2ステップで生成されるセンス電圧Vs(x)である。
(第3ステップ)
第3ステップにおいて、読み出し回路5Cは、センス電圧Vs(x)を参照電圧Vrefと比較することによって、選択メモリセル20−4の記録データを判別する。具体的には、コンパレータCMPが、キャパシタC1に保持されている参照電圧VrefとキャパシタC2に保持されているセンス電圧Vs(x)との比較を行い、その比較結果を読み出しデータとして出力端子OUTに出力する。
まず、回りこみ電流Ipara1、Ipara2の影響を無視した場合を考える。選択メモリセル20−4の記録データxが「0」の場合、センス電流I(x)及びセンス電圧Vs(x)は、記録データ「0」に対応したI(0)及びVs(0)である。この場合の電圧差ΔV(0)を、ΔV(0)=Vref−Vs(0)として定義する。既出の式を参照して、電圧差ΔV(0)は次の式(24)で与えられる。
(式24):
ΔV(0)=(R1+R1)×I(0)−(R0+R1)×Iref
=(R1−R0)×I(0)
=(R1−R0)/R0×Vc
=MR×Vc
ここで、パラメータMRは、磁気抵抗素子のMR比である。上記電圧差ΔV(0)は正である。すなわち、選択メモリセル20−4の記録データが「0」の場合のセンス電圧Vs(0)は、参照電圧Vrefより小さい。
一方、選択メモリセル20−4の記録データxが「1」の場合、センス電流I(x)及びセンス電圧Vs(x)は、記録データ「1」に対応したI(1)及びVs(1)である。この場合の電圧差ΔV(1)を、ΔV(1)=−Vref+Vs(1)として定義する。既出の式を参照して、電圧差ΔV(1)は次の式(25)で与えられる。
(式25):
ΔV(1)=(R0+R1)×Iref−(R1+R1)×I(1)
=(R0+R1)×Vc/R0−(R1+R1)×Vc/R1
=(R1−R0)/R0×Vc
=MR×Vc
電圧差ΔV(1)は正である。すなわち、選択メモリセル20−4の記録データが「1」の場合のセンス電圧Vs(1)は、参照電圧Vrefより大きい。
以上に説明されたように、参照電圧Vrefは、センス電圧Vs(0)より大きく、センス電圧Vs(1)より小さい。すなわち、参照電圧Vrefは、センス電圧Vs(0)とセンス電圧Vs(1)との間のレベルとなる。従って、読み出し回路5Cは、センス電圧Vs(x)を参照電圧Vrefと比較することによって、選択メモリセル20−4の記録データを判別することができる。特に、回り込み電流がない場合、電圧差ΔV(0)と電圧差ΔV(1)は等しく、参照電圧Vrefはセンス電圧Vs(0)とセンス電圧Vs(1)のちょうど中間(平均値)となり、好適である。読み出し回路5Cは、判別した記録データを読み出しデータとして出力端子OUTに出力する。
次に、回りこみ電流Ipara1、Ipara2を考慮する。その場合、電圧差ΔV(0)及び電圧差ΔV(1)は、それぞれ次の式(26)、式(27)で与えられる。
(式26):
ΔV(0)=MR×Vc+((R1+R1)×Ipara2−(R0+R1)×Ipara1)
=MR×Vc+ΔVpara
(式27):
ΔV(1)=MR×Vc−((R1+R1)×Ipara2−(R0+R1)×Ipara1)
=MR×Vc−ΔVpara
上記式(26)、(27)の右辺において、第1項は、回り込み電流の影響が無い理想的な電圧差を示している。一方、第2項のパラメータΔVparaは、回り込み電流の影響を示している。パラメータΔVparaの正負によって、電圧差ΔV(0)あるいは電圧差ΔV(1)が小さくなる。このことは、コンパレータCMPによる電圧比較が難しくなることを意味する。最悪の場合、電圧差ΔV(0)あるいは電圧差ΔV(1)が、正ではなく負となる。その場合、データの誤判定が発生し、不正確な読み出しデータが出力される。正確な読み出しデータを得るためには、パラメータΔVparaの絶対値が小さいことが望まれる。本実施の形態によれば、パラメータΔVparaは、次の式(28)で与えられる。
式(28):
ΔVpara=(R1+R1)×Ipara2−(R0+R1)×Ipara1
3−5.効果
式(28)から明らかなように、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の“相殺効果”が実現されている。つまり、第2ステップにおける第2回り込み電流Ipara2の影響が、第1ステップにおける第1回り込み電流Ipara1の影響によって“相殺”される。従って、パラメータΔVparaの絶対値が小さくなり、読み出しデータの信頼性が向上する。
本実施の形態によれば、第1ステップにおいて、読み出し回路5Cは、第1負荷抵抗RES1(抵抗値:R0+R1)を用いることによって、第1ビット線電流IBL1から参照電圧Vrefを生成する。また、第2ステップにおいて、読み出し回路5Cは、第2負荷抵抗RES2(抵抗値:2×R1)を用いることによって、第2ビット線電流IBL2からセンス電圧Vsを生成する。その抵抗値の比は、(2×R1)/(R0+R1)=2/(1+R0/R1)であり、1より大きく2より小さい。つまり、第1ステップと第2ステップとの間の電流電圧変換係数の比は、2未満に抑えられている。
既出の実施の形態で説明されたように、第1回り込み電流Ipara1と第2回り込み電流Ipara2の大きさは非常に近い。従って、電流電圧変換係数の比が1の場合に、回り込み電流の相殺効果が最大限得られる。但し、電流電圧変換係数の比が極端に大きくならない限り、相殺効果は得られる。本実施の形態のように、電流電圧変換係数の比が2未満に抑えられていれば、相殺効果は十分に得られる。従って、読み出しデータの信頼性が向上する。
また、本実施の形態において、ダミー電流を生成するためのダミーセル部は不要である。セルアレイ10C内にダミーセル部を形成する必要がないため、セルアレイ10Cの面積を削減することができる。
更に、本実施の形態において、読み出し回路5Cに含まれる第1負荷抵抗RES1や第2負荷抵抗RES2は、メモリセル20の磁気抵抗素子23や参照セル30の磁気抵抗素子33と同一の構造を有する磁気抵抗素子によって形成される。従って、温度等の条件が変動しても、参照電圧Vrefとセンス電圧Vs(x)との間の適切な関係は維持される。
その他、第1の実施の形態で得られた効果と同様の効果が、本実施の形態でも得られることは明らかである。
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
図1は、関連技術に係るMRAMの構成を示す回路図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係るMRAMの構成を概略的に示すブロック図である。 図3は、メモリセルグループの構成例を示す回路図である。 図4は、参照セルの構成例を示す回路図である。 図5は、ダミーセルの構成例を示す回路図である。 図6は、第1の実施の形態における読み出し回路の構成例を示す回路図である。 図7は、第1の実施の形態における読み出し動作の第1ステップを説明するための回路図である。 図8は、第1の実施の形態における読み出し動作の第2ステップを説明するための回路図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態に係るMRAMの構成を概略的に示すブロック図である。 図10は、ダミーセルグループの構成例を示す回路図である。 図11は、参照ダミーセルの構成例を示す回路図である。 図12は、第2の実施の形態における読み出し回路の構成例を示す回路図である。 図13は、第2の実施の形態における読み出し動作の第1ステップを説明するための回路図である。 図14は、第2の実施の形態における読み出し動作の第2ステップを説明するための回路図である。 図15は、本発明の第3の実施の形態に係るMRAMの構成を概略的に示すブロック図である。 図16は、第3の実施の形態における読み出し回路の構成例を示す回路図である。 図17は、第3の実施の形態における読み出し動作の第1ステップを説明するための回路図である。 図18は、第3の実施の形態における読み出し動作の第2ステップを説明するための回路図である。
符号の説明
1 MRAM
2 Xセレクタ
3 X終端回路
4 Yセレクタ
5A、5B、5C 読み出し回路
6 書き込み回路
10A、10B、10C セルアレイ
20 メモリセル
21 セルトランジスタ
23 磁気抵抗素子
24 セル配線
30 参照セル
31 第1参照セルトランジスタ
32 第2参照セルトランジスタ
33 磁気抵抗素子
34 セル配線
40 ダミーセル
41、42、43 ダミーセルトランジスタ
44、45 磁気抵抗素子
46 セル配線
50 ダミーセル
51、52 ダミーセルトランジスタ
53 磁気抵抗素子
54 セル配線
60 参照ダミーセル
61、62、65 参照ダミーセルトランジスタ
63 磁気抵抗素子
64 セル配線
200 メモリセルグループ
210 共通トランジスタ
500 ダミーセルグループ
510 ダミー共通トランジスタ
BL1 第1ビット線
BL2 第2ビット線
DBL1 第1ダミービット線
DBL2 第2ダミービット線
DBL3 第3ダミービット線
WL ワード線
RWL 読み出しワード線
CWL 共通ワード線
WLR1 第1参照ワード線
WLR2 第2参照ワード線
RWLR 参照読み出しワード線
WLD ダミーワード線
RWLD ダミー読み出しワード線
RES 負荷抵抗
RES1 第1負荷抵抗
RES2 第2負荷抵抗

Claims (12)

  1. マトリックス状に配置された複数のセルを含むセルアレイと、
    読み出し回路と、
    セレクタと
    を備え、
    前記セルアレイは、同じビット線に接続されたメモリセルグループと参照セルとを含み、
    前記メモリセルグループは、
    ゲートが共通ワード線に接続された共通トランジスタと、
    前記共通トランジスタを介して前記ビット線に接続された複数のメモリセルと
    を含み、
    前記複数のメモリセルの各々は、一端が読み出しワード線に接続され他端が前記共通トランジスタを介して前記ビット線に接続された第1磁気抵抗素子を有し、
    前記参照セルは、
    ゲートが参照ワード線に接続された参照セルトランジスタと、
    一端が参照読み出しワード線に接続され、他端が前記参照セルトランジスタを介して前記ビット線に接続された第2磁気抵抗素子と
    を有し、
    前記各メモリセルに記録される記録データは可変であり、前記参照セルに記録されている参照データは固定されており、
    前記セレクタは、前記共通ワード線、前記読み出しワード線、前記参照ワード線及び前記参照読み出しワード線に接続されており、
    前記複数のメモリセルのうち選択メモリセルからのデータ読み出し時、
    前記セレクタは、前記共通ワード線及び前記参照ワード線を選択することによって前記共通トランジスタ及び前記参照セルトランジスタをONし、また、前記読み出しワード線及び前記参照読み出しワード線に所定の電圧を印加し、
    前記読み出し回路は、前記ビット線に接続され、前記ビット線に所定の電圧を印加し、また、前記ビット線を流れるビット線電流に基づいて前記選択メモリセルの前記記録データを判別し、
    前記選択メモリセルからのデータ読み出しは、第1段階、第2段階及び第3段階を含み、
    前記第1段階において、
    前記セレクタは、前記共通ワード線及び前記参照ワード線の両方を選択し、
    前記読み出し回路は、前記ビット線に第1電圧を印加し、
    前記セレクタは、前記複数のメモリセルにつながる全ての前記読み出しワード線に前記第1電圧を印加し、また、前記参照読み出しワード線に前記第1電圧と所定の電圧差を有する第2電圧を印加し、
    前記第2磁気抵抗素子には前記参照データに応じた参照電流が流れ、前記ビット線には少なくとも前記参照電流を含む第1ビット線電流が流れ、
    前記読み出し回路は、前記第1ビット線電流に基づいて参照電圧を生成し、
    前記第2段階において、
    前記セレクタは、前記共通ワード線及び前記参照ワード線の両方を選択し、
    前記読み出し回路は、前記ビット線に前記第1電圧を印加し、
    前記セレクタは、前記選択メモリセルにつながる前記読み出しワード線に前記第2電圧を印加し、また、前記複数のメモリセルのうち前記選択メモリセル以外のメモリセルにつながる前記読み出しワード線及び前記参照読み出しワード線に前記第1電圧を印加し、
    前記選択メモリセルの前記第1磁気抵抗素子には前記記録データに応じたセンス電流が流れ、前記ビット線には少なくとも前記センス電流を含む第2ビット線電流が流れ、
    前記読み出し回路は、前記第2ビット線電流に基づいてセンス電圧を生成し、
    前記参照電圧は、前記記録データが0の場合の前記センス電圧と前記記録データが1の場合の前記センス電圧との間であり、
    前記第3段階において、
    前記読み出し回路は、前記センス電圧を前記参照電圧と比較することによって、前記選択メモリセルの前記記録データを判別する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 請求項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子は、同一の構造を有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 請求項又はに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記セルアレイは、更にダミーセル部を含み、
    前記読み出し回路は負荷抵抗を有し、
    前記第1段階において、
    前記ダミーセル部は第1ダミー電流を生成し、
    前記読み出し回路は、前記第1ビット線電流、前記第1ダミー電流及び前記負荷抵抗を用いることによって前記参照電圧を生成し、
    前記第2段階において、
    前記ダミーセル部は前記第1ダミー電流と異なる第2ダミー電流を生成し、
    前記読み出し回路は、前記第2ビット線電流、前記第2ダミー電流及び前記負荷抵抗を用いることによって前記センス電圧を生成する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 請求項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記ダミーセル部は、前記同じビット線に接続された複数のダミーセルを含み、
    前記複数のダミーセルの各々は、
    ゲートがダミーワード線に接続されたダミーセルトランジスタと、
    一端が前記ダミーセルトランジスタを介して前記ビット線に接続され、他端がダミー読み出しワード線に接続された第3磁気抵抗素子と
    を有し、
    前記セレクタは、更に前記ダミーワード線と前記ダミー読み出しワード線に接続され、前記ダミーワード線を選択することによって前記ダミーセルトランジスタをONする
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 請求項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1段階において、
    前記セレクタは、前記複数のダミーセルのうち第1ダミーセル群のそれぞれにつながる前記ダミーワード線を選択し、また、前記第1ダミーセル群のそれぞれにつながる前記ダミー読み出しワード線に前記第2電圧を印加し、
    前記第1ダミーセル群には、前記第1ダミーセル群に含まれる前記第3磁気抵抗素子の合成抵抗値である第1合成抵抗値に応じた前記第1ダミー電流が流れ、
    前記第1ビット線電流は、前記参照電流に加えて前記第1ダミー電流を含み、
    前記第2段階において、
    前記セレクタは、前記複数のダミーセルのうち第2ダミーセル群のそれぞれにつながる前記ダミーワード線を選択し、また、前記第2ダミーセル群のそれぞれにつながる前記ダミー読み出しワード線に前記第2電圧を印加し、
    前記第2ダミーセル群には、前記第2ダミーセル群に含まれる前記第3磁気抵抗素子の合成抵抗値である第2合成抵抗値に応じた前記第2ダミー電流が流れ、
    前記第2ビット線電流は、前記センス電流に加えて前記第2ダミー電流を含み、
    前記第2合成抵抗値は前記第1合成抵抗値と異なっている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 請求項又はに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第3磁気抵抗素子は、同じデータが書き込まれ直列に接続された2つの磁気抵抗素子を含み、
    前記第1磁気抵抗素子、前記第2磁気抵抗素子及び前記2つの磁気抵抗素子は、同一の構造を有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 請求項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記ダミーセル部は、
    前記メモリセルグループと同じ行に配置されたダミーセルグループと、
    前記参照セルと同じ行に配置された参照ダミーセルと
    を含み、
    前記ダミーセルグループと前記参照ダミーセルとは、同じ第1ダミービット線及び第2ダミービット線に接続され、
    前記ダミーセルグループは、
    ゲートが前記共通ワード線に接続されたダミー共通トランジスタと、
    前記複数のメモリセルのそれぞれと同じ行に配置された複数のダミーセルと
    を含み、
    前記複数のダミーセルの各々は、
    ゲートがワード線に接続されたダミーセルトランジスタと、
    一端が前記ダミーセルトランジスタを介して前記第1ダミービット線に接続され、他端が前記ダミー共通トランジスタを介して前記第2ダミービット線に接続された第4磁気抵抗素子と
    を含み、
    前記参照ダミーセルは、
    ゲートが前記参照ワード線に接続された参照ダミーセルトランジスタと、
    ゲートが他の参照ワード線に接続された他の参照ダミーセルトランジスタと、
    一端が前記他の参照ダミーセルトランジスタを介して前記第1ダミービット線に接続され、他端が前記参照ダミーセルトランジスタを介して前記第2ダミービット線に接続された第5磁気抵抗素子と
    を含み、
    前記セレクタは、更に前記ワード線と前記他の参照ワード線に接続され、
    前記セレクタは、前記共通ワード線を選択することによって前記共通トランジスタ及び前記ダミー共通トランジスタをONし、前記ワード線を選択することによって前記ダミーセルトランジスタをONし、前記参照ワード線を選択することによって前記参照セルトランジスタ及び前記参照ダミーセルトランジスタをONし、前記他の参照ワード線を選択することによって前記他の参照ダミーセルトランジスタをONする
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 請求項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1段階において、
    前記セレクタは、前記共通ワード線、前記参照ワード線、及び前記他の参照ワード線を選択する一方、前記ワード線を選択せず、
    前記読み出し回路は、前記ビット線及び前記第2ダミービット線に接続され、前記ビット線及び前記第2ダミービット線に前記第1電圧を印加し、
    前記第1ダミービット線には前記第2電圧が印加され、
    前記第2ダミービット線には、前記第5磁気抵抗素子の抵抗値に応じた前記第1ダミー電流が流れ、
    前記第2段階において、
    前記セレクタは、前記共通ワード線、前記参照ワード線、及び前記複数のダミーセルのうち前記選択メモリセルと同じ行に配置されたダミーセルにつながる前記ワード線を選択する一方、その他のワード線及び前記他の参照ワード線を選択せず、
    前記読み出し回路は、前記ビット線及び前記第2ダミービット線に接続され、前記ビット線及び前記第2ダミービット線に前記第1電圧を印加し、
    前記第1ダミービット線には前記第2電圧が印加され、
    前記第2ダミービット線には、前記第4磁気抵抗素子の抵抗値に応じた前記第2ダミー電流が流れ、
    前記第4磁気抵抗素子の抵抗値は、前記第5磁気抵抗素子の抵抗値と異なっている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 請求項又はに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁気抵抗素子、前記第2磁気抵抗素子、前記第4磁気抵抗素子及び前記第5磁気抵抗素子は、同一の構造を有し、
    前記第4磁気抵抗素子と前記第5磁気抵抗素子には、異なるデータが記録されている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 請求項又はに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記読み出し回路は、抵抗値の異なる第1負荷抵抗と第2負荷抵抗を有し、
    前記第1段階において、前記読み出し回路は、前記第1ビット線電流及び前記第1負荷抵抗を用いることによって前記参照電圧を生成し、
    前記第2段階において、前記読み出し回路は、前記第2ビット線電流及び前記第2負荷抵抗を用いることによって前記センス電圧を生成する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  11. 請求項10に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子は、同一の構造を有し、
    前記第1負荷抵抗は、前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁気抵抗素子と同一の構造を有する少なくとも1つの磁気抵抗素子から構成され、
    前記第2負荷抵抗は、前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁気抵抗素子と同一の構造を有する少なくとも1つの磁気抵抗素子から構成された
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  12. 磁気ランダムアクセスメモリのデータ読み出し方法であって、
    前記磁気ランダムアクセスメモリは、同じビット線に接続されたメモリセルグループと参照セルとを含み、
    前記メモリセルグループは、共通トランジスタを介して前記ビット線に接続された複数のメモリセルを含み、
    前記複数のメモリセルの各々は、一端が読み出しワード線に接続され他端が前記共通トランジスタを介して前記ビット線に接続された第1磁気抵抗素子を有し、
    前記参照セルは、一端が参照読み出しワード線に接続され、他端が参照セルトランジスタを介して前記ビット線に接続された第2磁気抵抗素子を有し、
    前記各メモリセルに記録される記録データは可変であり、前記参照セルに記録されている参照データは固定されており、
    前記複数のメモリセルのうち選択メモリセルの前記記録データを読み出す方法は、
    (A)第1読み出しステップと、
    (B)第2読み出しステップと、
    (C)データ判定ステップと
    を含み、
    前記第1読み出しステップは、
    (A1)前記共通トランジスタ及び前記参照セルトランジスタをONするステップと、
    (A2)前記ビット線に第1電圧を印加するステップと、
    (A3)前記複数のメモリセルにつながる全ての前記読み出しワード線に、前記第1電圧を印加するステップと、
    (A4)前記参照読み出しワード線に、前記第1電圧と所定の電圧差を有する第2電圧を印加するステップと、
    ここで、前記第2磁気抵抗素子には前記参照データに応じた参照電流が流れ、前記ビット線には少なくとも前記参照電流を含む第1ビット線電流が流れ、
    (A5)前記第1ビット線電流に基づいて参照電圧を生成するステップと
    を含み、
    前記第2読み出しステップは、
    (B1)前記共通トランジスタ及び前記参照セルトランジスタをONするステップと、
    (B2)前記ビット線に前記第1電圧を印加するステップと、
    (B3)前記複数のメモリセルのうち前記選択メモリセル以外のメモリセルにつながる前記読み出しワード線及び前記参照読み出しワード線に、前記第1電圧を印加するステップと、
    (B4)前記選択メモリセルにつながる前記読み出しワード線に、前記第2電圧を印加するステップと、
    ここで、前記選択メモリセルの前記第1磁気抵抗素子には前記記録データに応じたセンス電流が流れ、前記ビット線には少なくとも前記センス電流を含む第2ビット線電流が流れ、
    (B5)前記第2ビット線電流に基づいてセンス電圧を生成するステップと
    を含み、
    前記参照電圧は、前記記録データが0の場合の前記センス電圧と前記記録データが1の場合の前記センス電圧との間であり、
    前記データ判定ステップは、前記センス電圧を前記参照電圧と比較することによって、前記選択メモリセルの前記記録データを判別するステップを含む
    磁気ランダムアクセスメモリのデータ読み出し方法。
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