本発明の第1実施形態に係る遊技機について説明する。なお、遊技機として、パチンコ機を一例に挙げて、以下に説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸操作部155と、がそれぞれ設けられている。
上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
内枠14には、遊技領域28の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
パチンコ機10の正面左側には、球貸装置154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
球貸操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ(貸出操作手段)156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤によりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、主として、始動口56Bと、センター役物64と、遊技演出装置200と、ワープ入球口58と、多数の障害釘60等と、がそれぞれ配設されている。なお、図2では、遊技演出装置200の一部の構成、具体的には、回転演出体202(液体212及び収容体214を含む)とベース材250のみが露出された構成になっており、その他の構成は、装飾役物などにより覆われて遊技者に視認されないようになっている。
センター役物64は、遊技領域28の略中央部に配置されており、主として、演出図柄表示装置(図柄表示装置)62と、ランプ類66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、主制御基板102(図3参照)やサブ制御基板106(図3参照)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)62Aを有している。この表示面62A上には、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置80に配設された大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
確率変動状態は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
遊技領域28の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図3参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、大入賞装置84を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図3参照)と、を備えている。
センター役物64の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
ここで、演出図柄表示装置62の近傍に設けられた遊技演出装置200について説明する。
図5及び図6に示すように、遊技演出装置200は、主として、第1の磁石204を備え第1の磁石204と共に回転可能な回転演出体202と、第1の磁石204との間に磁力を発生させる第2の磁石210を備え磁力を利用して回転演出体202を回転させる回転駆動部材206と、回転駆動部材206と非接触の状態で回転演出体202が回転するように回転演出体202を支持する支持部材208と、を有している。
回転演出体202は、全体として球状に形成された球体である。また、大きさは卓球に使用するピンポン球より小さいものである。回転演出体202は、プラスチック樹脂、ゴム、ガラスなどの非磁性質のものが適している。回転演出体202の内部には、複数の第1の磁石204が所定の間隔(例えば、等間隔)をあけて配置されている。これにより、回転演出体202が回転すると、回転演出体202の内部に設けられている第1の磁石204も回転する。第1の磁石204の極性は、第2の磁石210の極性と逆極性となることが好ましい。すなわち、第2の磁石210の極性がN極なら第1の磁石204の極性がS極となり、第2の磁石210の極性がS極なら第1の磁石204の極性がN極となる。両者が逆極性なら、第1の磁石204と第2の磁石210との間に発生する磁力により両者が引き合うことになる。なお、第1の磁石204の極性と第2の磁石210の極性とは逆極性である場合に限られるものではなく、第1の磁石204の極性と第2の磁石210の極性とが同極性でもよい。両者が同極性なら、第1の磁石204と第2の磁石210との間に発生する磁力により両者が反発することになる。なお、第1の磁石204は、回転演出体202の内周面に、接着剤あるいは接着テープなどにより取り付けられている。
回転演出体202は、収容体214の内部に収容されている。すなわち、収容体214は、全体として球状に形成された球体である。収容体214は、例えば、複数の分割部材が組み合わされることにより構成されている。このため、収容体214の内部に、回転演出体202や液体212などを収容することができる。なお、収容体214の分割部材同士の組み合わせを解除することにより、収容体214の内部に収容された回転演出体202や液体212などを収容体214の外部に取り出すことができる。また、収容体214は、有色又は無色で透明なプラスチック樹脂などで構成されている。このため、収容体214の内部に収容された回転演出体202や液体212を遊技者が外部から視認することができる。
ここで、収容体214の内部に回転演出体202を収容した後、収容体214の内部に液体212が入れられる。この液体212は、有色又は無色で透明な液体(例えば、水や流動パラフィン)が用いられる。このため、収容体214の内部に回転演出体202が収容された状態では、収容体214の内周面と回転演出体202の外周面との間は、透明な液体212で充足された構成になっている。また、収容体214及び液体212は、透明であるため、収容体214の外部から収容体内部の回転演出体202を視認することが可能になる。
収容体214は、支持部材208に取り付けられている。このため、収容体214自体は、回転不可能となっている。これにより、収容体214の内部の回転演出体202が回転すると、回転演出体202の回転力を受けた液体212が流動するが、収容体214は回転しない。このため、遊技者は、収容体214の内部の回転演出体202及び液体212のみが回転していると認識する。
ここで、回転演出体202及び収容体214は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの前方右側(遊技者側)に位置するように設定されている。これにより、遊技者が演出図柄表示装置62の表示面62Aを見てパチンコ遊技をする際には、遊技者は、常に、回転演出体202及び収容体214を視認することになるため、回転演出体202及び収容体214の演出内容を遊技者にアピールすることができる。
支持部材208は、回転演出体202を支持する可動軸216と、可動軸216に接続されたギア軸218と、で構成されている。この可動軸216及びギア軸218は、本発明の「支持部材」に該当する。可動軸216は、直線状に延びるアーム部220と、アーム部220の先端部に設けられた保持部222と、で構成されている。なお、可動軸216は、例えば、プラスチック樹脂、金属などで構成されている。保持部222には、収容体214が取り付けられている。ここで、収容体214は、保持部222に接着剤あるいは接着テープなどの固着手段により固定されている。ギア軸218は、直線状に延びるギア軸本体224と、ギア軸本体224の長手方向に沿って連続して形成されたギア歯226と、で構成されている。ギア歯226は、可動軸用駆動ギア228の歯228Aと噛み合っている。可動軸用駆動ギア228には、可動軸216を直線方向に沿って移動させるための駆動源となる可動軸用モータ230が機械的に連結されている。ここで、可動軸216のアーム部220の延在方向とギア軸218のギア軸本体224の延在方向とは、略直交するように設定されている。なお、可動軸用駆動ギア228及び可動軸用モータ230は、支持部材駆動機構231を構成し、本発明の「支持部材駆動機構」に該当する。
第1実施形態では、可動軸216のアーム部220は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの上下方向に対して直交する方向(遊技者からみて左右方向)に沿って延びている。ギア軸218のギア軸本体224は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの左右方向に対して直交する方向(遊技者からみて上下方向)に沿って延びている。これにより、可動軸用モータ230が駆動すると、可動軸用駆動ギア228が回転駆動して、その駆動力がギア軸218のギア軸本体224に伝達される。そして、ギア軸本体224が上下方向に移動する。ギア軸本体224が上下方向に移動すると、可動軸216のアーム部220も上下方向に移動する。この結果、可動軸216の保持部222に取り付けられた回転演出体202が演出図柄表示装置62の表示面62Aの前方右側(遊技者側)を上下方向に移動する。なお、可動軸用モータ230の正回転と逆回転を切り換えることにより、ギア軸本体224及びアーム部220も上方向の移動と下方向の移動とを切り換えることができ、回転演出体202の上下方向の移動を自在に制御することができる。
また、図4に示すように、可動軸用モータ230は、サブ制御基板106又は装飾駆動基板114により駆動制御される。なお、本実施形態では、可動軸用モータ230が装飾駆動基板114により駆動制御される態様を一例として説明している。
また、演出図柄表示装置62の表示面62Aの下端側近傍には、回転駆動部材206が設けられている。回転駆動部材206は、第2の磁石210と共に回転可能な回転部材232と、この回転部材232を回転させるための回転部材駆動機構236と、回転部材232及び回転部材駆動機構236を収容した受け部材240と、を有している。
回転部材232は、複数の円柱状又は球状のローラ234A、234B、234Cと、各ローラ234A、234B、234Cに取り付けられた各回転軸242A、242B、242Cと、各回転軸242A、242B、242Cに設けられたギア歯(図示省略)と、で構成されている。ギア歯に駆動力が伝達されると、各回転軸242A、242B、242Cが回転し、各ローラ234A、234B、234Cも回転する。また、各ローラ234A、234B、234Cの内部には、第2の磁石210が接着剤又は接着テープなどの固着手段により設けられている。ここで、第2の磁石210の極性は、上述した通り、第1の磁石204の極性と逆極性になることが好ましい。なお、回転部材232は、プラスチック樹脂、ゴムなどで構成されている。また、回転部材232の一部は、受け部材240の凹部244の表面から露出した状態になっている。なお、本実施形態では、受け部材240には、上記回転部材232(特に、ローラ234A、234B、234C)が等間隔又は所定の間隔をあけて複数となる3個設けられている。また、本実施形態では、上記回転部材232(特に、ローラ234A、234B、234C)が3個設置された構成を一例として説明したが、「3個」に限られる必要はなく、4個以上設けてもよい。ただし、この場合、回転演出体202の外周面との距離を一定に保つようにして(第1の磁石204と第2の磁石210との間で発生する磁力を一定にするため)、ローラ234A、234B、234Cを設置することが好ましい。
また、3つのローラ234A、234B、234Cの大きさ及び形状は全て等しい大きさになっている。また、3つの回転軸242A、242B、242Cの軸径や各ギア歯も略同じ寸法になっている。このため、各回転軸242A、242B、242Cに後述の回転用駆動ギア246A、246Bから所定の回転力が付与された場合には、3つのローラ234A、234B、234Cは略同じ速度で回転する。これにより、3つのローラ234A、234B、234Cに設けられている第2の磁石210の回転周期が同一(同期)することになる。
ここで、3つのローラ234A、234B、234Cは、回転演出体202の所定の円弧に相当する領域にわたって配置されている。換言すると、3つのローラ234A、234B、234Cと回転演出体202との離間距離は、いずれも略同じ距離となっている。このため、第2の磁石210が最も回転演出体202側に位置した状態では、複数のローラ234A、234B、234Cの第2の磁石210と回転演出体202の第1の磁石204との離間距離も、略同じ距離になる。これにより、3つのローラ234A、234B、234Cの各第2の磁石210とこれらに近接する第1の磁石204との間に発生する磁力の大きさは、略一定になる。
また、3つのローラ234A、234B、234Cの径(大きさ)は、回転演出体202の径(大きさ)よりも小さくなるように設定されている。このため、回転演出体202が1回転する間に、3つのローラ234A、234B、234Cは、何回転もすることになる。
回転部材232には、各ローラ234A、234B、234Cを回転させるための回転部材駆動機構236が機械的に接続されている。なお、回転部材232及び回転部材駆動機構236は、本発明の「回転駆動部材」に該当する。回転部材駆動機構236は、回転用駆動ギア246A、246Bと、回転用駆動ギア246Aを回転駆動するための回転用モータ248と、で構成されている。回転駆動ギア246Aは、ローラ234A、234Bの回転軸242A、242Bに設けられたギア歯(図示省略)と噛み合っている。また、回転駆動ギア246Bは、ローラ234B、234Cの回転軸242B、242Cに設けられたギア歯(図示省略)と噛み合っている。これにより、回転用モータ248が駆動すると、その駆動力が回転用駆動ギア246A、246Bを経て、ローラ234A、234B、234Cの各回転軸242A、242B、242Cに伝達される。そして、ローラ234A、234B、234Cが各回転軸242A、242B、242Cの軸回りに回転する。ローラ234A、234B、234Cが回転すると、ローラ234A、234B、234Cの内部に設けられている第2の磁石210も回転する。
2つの回転用駆動ギア246A、246Bのギア径は、同じ寸法となるように設定されている。このため、回転用駆動ギア246A、246Bに所定の回転力が付与されると、2つの回転用駆動ギア246A、246Bは、略同じ回転速度で回転する。
ここで、1つの回転用駆動ギア246Aが、隣接する2つのローラ234A、234Bの各回転軸242A、242B(各ギア歯)と噛み合うように配置されている。これにより、1つの回転用駆動ギア246Aが回転することにより、2つのローラ234A、234Bを同時に回転させることができる。また、別の回転用駆動ギア246Bは、隣接する2つのローラ234B、234Cの各回転軸242B、242Cのギア歯と噛み合うように配置されている。これにより、3つの各ローラ234A、234B、234Cが2つの回転用駆動ギア246A、246Bにより機械的に連結された状態になる。そして、1つの回転用駆動ギア246Aに1つの回転用モータ248を機械的に接続するだけで、全てのローラ234A、234B、234Cを略同時に回転させることができる。詳細には、回転用モータ248が正回転すると、回転用駆動ギア246Aが正回転する。回転用駆動ギア246Aが正回転すると、回転用駆動ギア246Aと噛み合っている2つのローラ234A、234Bの回転軸242A、242Bが同時に正回転する。これにより、2つのローラ234A、234Bが正回転する。また、2つのローラ234A、234Bのうちの一方のローラ234Bの回転軸242Bが正回転することにより、この回転軸242Bのギア歯と噛み合っている回転用駆動ギア246Bが回転する。回転用駆動ギア246Bが回転すると、残りのローラ234Cの回転軸242Cが正回転し、ローラ234Cが正回転する。このように、1つの回転用駆動ギア246Bが従動ギアとして機能することにより、3つのローラ234A、234B、234Cが略同時に正回転する。特に、1つの回転用駆動ギア246Bを従動ギア(自身が駆動源とならないギアを意味する)として用いることにより、1つの回転用モータ248で、相互に離間した3つのローラ234A、234B、234Cを略同時に回転させることができる。一方、3つのローラ234A、234B、234Cが逆回転する場合も、正回転のメカニズムと同様のメカニズムで実現することができ、回転用モータ248を逆回転させるだけで、3つのローラ234A、234B、234Cがそれぞれ逆回転する。
また、回転用モータ248は、サブ制御基板106又は装飾駆動基板114により駆動制御される。なお、本実施形態では、回転用モータ248が装飾駆動基板114により駆動制御される態様を一例として説明している。
受け部材240は、立方体状であって上面に凹部244が形成されたベース材250と、ベース材250の底面に取り付けられた駆動軸252と、で構成されている。ベース材250は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの右下側近傍に位置している。ベース材250には、各ローラ234A、234B、234C、回転用駆動ギア246A、246B及び回転用モータ248が設けられている。また、ベース材250の凹部244の曲率は、回転演出体202の曲率と略同じ曲率に形成されている。ベース材250の底面に取り付けられた駆動軸252は、上下方向に沿って延びている。この駆動軸252には駆動軸用モータ254が機械的に接続されており、その駆動軸用モータ254により駆動軸252の軸回転が駆動制御される。駆動軸用モータ254が正回転することにより、駆動軸252が一方向に軸回転し、ベース材250も駆動軸252の軸回り一方側に回転する。また、駆動軸用モータ254が逆回転することにより、駆動軸252が他方向に軸回転し、ベース材250も軸方向他方側に回転する。
また、図4に示すように、駆動軸用モータ254は、サブ制御基板106又は装飾駆動基板114により駆動制御される。なお、本実施形態では、駆動軸用モータ254が装飾駆動基板114により駆動制御される態様を一例として説明している。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、始動口ソレノイド130、大入賞口ソレノイド132、図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。
特に、CPU102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理(特別遊技抽選処理)を実行し、任意の乱数(特別図柄当否判定乱数)を用いて当否を判定する機能を備えている。また、特別図柄の当否判定の実行に伴って、CPU102Aは、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する機能も備えている。
この識別図柄の変動パターンは、演出図柄表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するもので、CPU102Aが行う「識別図柄の変動パターンの決定」は、「演出図柄の演出パターン(遊技演出)の決定」に相当する。そして、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(演出図柄の演出パターン)が決定されると、7セグメント表示器70で特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示装置62で演出図柄の変動表示が開始され、決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過すると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。なお、演出図柄表示装置62は、遊技盤26の表面(盤面)略中央に、遊技者の視野に入り易い状態で配置される。一方、7セグメント表示器70は、遊技盤26の表面(盤面)の端部(本実施形態では盤面左側端部)に、遊技者の視野に入り難い状態で配置される。このことから、遊技者は演出図柄表示装置62の表示内容に注目して遊技を行うのが一般的である。
そして、CPU102Aは、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御基板106、及び遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116をサブ制御基板106を介して間接的に制御する。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御基板102は、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162を備えた払出装置161と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図3及び図4に示すように、サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、にそれぞれ電気的に接続されている。
サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
特に、CPU106Aは、所定の遊技状態(例えば、大当り)が成立した場合には、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254の駆動を制御する信号を生成し、装飾駆動基板114に対して出力する。なお、遊技状態については、主制御基板102のCPU102Aにより決定され、CPU102Aで決定された遊技状態に関する情報が所定の制御信号になってサブ制御基板106に出力される。サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102のCPU102Aから出力されてきた遊技状態に関する制御信号を受けて、遊技状態を特定する。そして、サブ制御基板106のCPU106Aは、特定した遊技状態の内容に基づいて、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254の駆動を制御する信号を生成し、装飾駆動基板114に対して出力する。
ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、ROM106Bには、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254の駆動を制御するためのモータ制御プログラムが記憶されている。なお、このモータ制御用プログラムは、サブ制御基板106のROM106Bではなく、装飾駆動基板114のROM115に記憶されていてもよい。
図4に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示及び停止表示される演出図柄のデータ(画像データ)が記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
装飾駆動基板114には、可動軸用モータ230と、回転用モータ248と、駆動軸用モータ254と、各種LED・ランプ172(66)と、が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて各種LED・ランプ172(66)の発光制御を実行し、遊技の装飾に関する制御を行うものである。さらに、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254の駆動制御を実行し、遊技演出装置200の動作に関する制御を行うものである。また、装飾駆動基板114のROM115を備えている。また、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ類66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
特に、ROM115には、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254の駆動を制御するためのモータ制御プログラムが記憶されている。ただし、サブ制御基板106のROM106Bに、モータ制御プログラムが記憶されていない場合に限られる。
次に、本発明の第1実施形態のパチンコ機の作用及び効果について説明する。
なお、遊技演出装置200の初期状態は、回転演出体202が受け部材240の近傍に位置し、かつ受け部材240のベース材250の凹部244から僅かな距離だけ上方に離間した位置と定義する。以下に説明する遊技演出装置200の動作では、前記初期状態を基準にして説明する。また、本実施形態における遊技演出装置200による遊技演出は、回転演出体202自体の回転演出と、回転演出体202自体の直線移動演出と、受け部材250の回転に伴う回転演出体202の特別回転演出と、からなり、これらの3つの演出が有機的に関連して実現されるものである。しかし、遊技演出装置200の演出効果の説明をわかりやすくするため、上記した3つの演出をそれぞれ分離して個別に解析する形で、以下に説明する。
(回転演出体202の回転演出の態様)
先ず、回転演出体202の回転演出の態様について説明する。
図4、図5及び図6に示すように、所定の遊技状態(例えば、信頼度の高いスーパーリーチの発生や大当り)が成立すると、サブ制御基板106から装飾駆動基板114に対して回転用モータ248の駆動を開始させるための制御信号が出力される。装飾駆動基板114は、この制御信号を受けて、ROM115に記憶されている回転用モータ248に関するモータ制御プログラムに基づいて、回転用モータ248の駆動を制御する。
回転用モータ248が駆動されて正回転すると、この駆動力が一方の回転用駆動ギア246Aに伝達されて、回転用駆動ギア246Aが正回転する。回転用駆動ギア246Aが正回転すると、2つのローラ234A、234Bが正回転する。2つのローラ234A、234Bのうちの一方のローラ234Bが回転すると、このローラ234Bの回転軸242Bのギア歯と噛み合っている他方の回転用駆動ギア246Bが従動して回転する。この回転用駆動ギア246Bが従動して回転すると、残りのローラ234Cが正回転する。これにより、3つのローラ234A、234B、234Cが略同時に正回転する。
ここで、3つのローラ234A、234B、234Cが正回転すると、各ローラ234A、234B、234Cの内部に設けられている第2の磁石210も各ローラ234A、234B、234Cと共に回転する。各ローラ234A、234B、234Cの上方には、回転演出体202が位置している。初期状態では、各ローラ234A、234B、234Cと回転演出体202との離間距離が僅かな距離であるため、回転演出体202に設けられた複数の第1の磁石204と各ローラ234A、234B、234Cに設けられた第2の磁石210との間に発生する磁力により、回転演出体202が大きく影響を受けて回転する。
詳細には、回転演出体202の第1の磁石204の極性と第2の磁石210の極性とが逆極性であるため、第1の磁石204と第2の磁石210との間には、相互に引き合う磁力が発生している。各ローラ234A、234B、234Cが所定の方向に回転して第2の磁石210も連動するように回転すると、第2の磁石210に近接している第1の磁石204が磁力により第2の磁石210側に引き寄せられる。第2の磁石210は各ローラ234A、234B、234Cの内部に1つしか設けられていないため、各ローラ234A、234B、234Cが1回転することで、第2の磁石210は、初期の位置に戻る。そして、各ローラ234A、234B、234Cが連続して回転し続けることにより、第2の磁石210も連続して回転する。一方、回転演出体202の内部の第1の磁石204は複数設けられているため、回転演出体202が僅かな回転角度だけ回転した場合でも、常に、いずれかの第2の磁石210が各ローラ234A、234B、234Cの近傍(近接するところ)に位置することになる。
なお、第1の磁石204の極性と第2の磁石210の極性とが同じ極性である場合には、両者の間に、相互に反発する方向の磁力が作用する。そして、回転演出体202の第1の磁石204は、各ローラ234A、234B、234Cの第2の磁石210が近づく度に、逃げる方向に移動する。この第1の磁石204の逃げようとする力が回転演出体202に回転力を作用させるため、各ローラ234A、234B、234Cを回転させることにより、回転演出体202が回転する。
ここで、上述した通り、3つのローラ234A、234B、234C及び各回転軸242A、242B、242Cの寸法や大きさが同じで、かつ2つの回転用駆動ギア246A、246Bのギア径も同じであるため、回転用モータ248が駆動すると、3つのローラ234A、234B、234Cは、略同じタイミングで、かつ略同じ回転速度で回転する。このため、3つのローラ234A、234B、234Cの第2の磁石210の初期位置を各ローラ234A、234B、234C間で調整しておくことにより、3つのローラ234A、234B、234Cの第2の磁石210は、略同じタイミングで回転演出体202に近接する位置に移動する。
このように、回転演出体202が僅かに回転するだけで、いずれかの第1の磁石204が各ローラ234A、234B、234Cに近接する位置に移動する構成になるため、各ローラ234A、234B、234Cが1回転する度に、第2の磁石210が第1の磁石204に接近した位置になる。この状態を維持しながら各ローラ234A、234B、234Cが回転することにより、第2の磁石210と第1の磁石204との間で相互に引き合う磁力を継続的に発生させることができる。これにより、各ローラ234A、234B、234Cが回転することで、回転演出体202が磁力を受けることになり、この磁力が回転演出体202に回転力として作用する。この結果、回転演出体202を継続的に回転させることができる。
ここで、上述した通り、回転演出体202は、収容体214の内部に収容され、かつ収容体214の内周面との間に液体212が介在した状態になっている。このため、回転演出体202の外周面と収容体214の内周面とは接触していないため、両者の間には摩擦力(動摩擦力)が発生しない。この状態で、回転演出体202が磁力の作用を受けて回転すると、回転演出体202から液体212に回転力を付与することになる。回転演出体202が回転すると、当然ながら液体212からの抵抗力を受けることになるが、上記摩擦力と比較して格段に小さくなるとともに、液体212が回転力を受けて流動することにより、回転演出体202には液体212から所定の流動力が作用する。この結果、回転演出体202は、いわゆる慣性力を受けたことと同じ力学状態になるため、自身の回転動作の惰性で回転し続けることになる。このように、回転演出体202の回転動作を円滑にすることができるとともに、各ローラ234A、234B、234Cの回転が停止した場合でも、回転演出体202の回転動作を所定時間継続させることができる。
特に、液体212が有色透明なものである場合には、液体212の流動による演出効果を実現することができる。回転演出体202の回転演出と、有色の液体212による流動演出と、を同時に実行することにより、パチンコ機遊技では斬新な演出を実現することができる。なお、収容体214及び液体212が透明であるため、回転演出体202の回転演出と液体212の流動演出を遊技者に確実に視認させることができるため、遊技性を向上することができる。
なお、回転演出体202を逆回転させる場合には、回転用モータ248が逆回転するように駆動する。回転用モータ248が逆回転すると、この駆動力が一方の回転用駆動ギア246Aに伝達されて、回転用駆動ギア246Aが逆回転する。回転用駆動ギア246Aが逆回転すると、2つのローラ234A、234Bが逆回転する。2つのローラ234A、234Bのうちの一方のローラ234Bが回転すると、このローラ234Bの回転軸242Bのギア歯と噛み合っている他方の回転用駆動ギア246Bが従動して回転する。回転用駆動ギア246Bが従動して回転すると、残りのローラ234Cが逆回転する。これにより、3つのローラ234A、234B、234Cが略同時に逆回転する。そして、3つのローラ234A、234B、234Cが逆回転することにより、正回転と同様のメカニズムにより、回転演出体202が逆回転する。
(回転演出体202の直線移動演出の態様)
次に、回転演出体202の直線移動演出の態様について説明する。
図4、図5、図6及び図7に示すように、所定の遊技状態(例えば、大当り)が成立すると、サブ制御基板106から装飾駆動基板114に対して可動軸用モータ230の駆動を開始させるための制御信号が出力される。装飾駆動基板114は、この制御信号を受けて、ROM115に記憶されている可動軸用モータ230に関するモータ制御プログラムに基づいて、可動軸用モータ230の駆動を制御する。
可動軸用モータ230が駆動されて正回転すると、この駆動力が可動軸用駆動ギア228に伝達されて、可動軸用駆動ギア228が正回転する。可動軸用駆動ギア228が正回転すると、ギア軸218のギア歯226に駆動力が伝達される。ギア軸218のギア歯226に駆動力が伝達されると、ギア軸218が上方向に移動する。これにより、可動軸216がギア軸218と共に、上方向に移動する。可動軸216が上方向に移動すると、回転演出体202も上方向に移動する。初期状態では、回転演出体202は、磁気力によって回転しているが、回転演出体202が各ローラ234A、234B、234Cから離れていくに従って、回転演出体202の第1の磁石204と各ローラ234A、234B、234Cの第2の磁石210との間に発生している磁力の大きさも弱くなる。この結果、回転演出体202が上方向に移動するに従い、磁力による引き合い力が低減されていくため、回転演出体202に作用する回転駆動力が小さくなる。
ここで、回転演出体202は、収容体214の内部に収容されており、回転演出体202の外周面と収容体214の内周面との間には液体212で満たされているため、回転演出体202が初期状態で一旦回転すると、回転演出体202と収容体214との間に摩擦力が発生しておらず、かつ回転演出体202から液体212に作用させた回転力の反作用力を液体212から受ける。これにより、回転演出体202は、いわゆる慣性力を受けたことと同じ力学状態になるため、磁気力を受けなくても、所定の時間にわたって回転することになる。この結果、回転演出体202が上方に移動していく過程においても、回転演出体202は回転し続ける。
以上のように、回転演出体202が回転しながら上方向に移動していくため、遊技者は、今までに見たことが無いような回転演出体202の斬新な演出に面白みを感じ取る。また同時に、このような回転演出体202の演出の実現によって、現在の遊技状態が遊技者にとって有利となる状態であるかと期待する。これにより、遊技者は、遊技に対して集中し、遊技性を一層高めることができる。
一方、回転演出体202が下方向に移動させる場合には、装飾駆動基板114により、可動軸用モータ230が逆回転するように制御する。これにより、可動軸用モータ230の駆動力が可動軸用駆動ギア228に伝達されて、可動軸用駆動ギア228が逆回転する。可動軸用駆動ギア228が逆回転すると、ギア軸218のギア歯226に駆動力が伝達される。ギア軸218のギア歯226に駆動力が伝達されると、ギア軸218が下方向に移動する。これにより、可動軸216がギア軸218と共に、下方向に移動する。可動軸216が下方向に移動すると、回転演出体202も下方向に移動する。回転演出体202が各ローラ234A、234B、234Cに接近するにつれて、回転演出体202の第1の磁石204と各ローラ234A、234B、234Cの第2の磁石210との間に発生している磁力の大きさが強くなる。これにより、回転演出体202に作用する磁気力に伴う回転力が強くなり、回転演出体202が一層力強く回転する。やがい、回転演出体202は、初期状態に戻り、回転動作を継続する。このように、回転演出体202が初期状態から上方向に移動し、そして下方向に移動して初期状態に戻るまでの間、常に、回転動作が継続することになる。この結果、回転演出体202の斬新な演出を実現することができ、遊技性の向上に大きく寄与することになる。
(受け部材240の回転に伴う回転演出体202の特別回転演出の態様)
次に受け部材240の回転に伴う回転演出体202の特別回転演出の態様について説明する。図4に示すように、所定の遊技状態(例えば、信頼度の高いスーパーリーチの発生や大当り)が成立すると、サブ制御基板106から装飾駆動基板114に対して駆動軸用モータ254の駆動を開始させるための制御信号が出力される。装飾駆動基板114は、この制御信号を受けて、ROM115に記憶されている駆動軸用モータ254に関するモータ制御プログラムに基づいて、駆動軸用モータ254の駆動を制御する。
図5及び図6に示すように、可動軸用モータ230が駆動されて正回転すると、駆動軸252が軸回り一方側に回転する。これにより、ベース材250は、駆動軸252と同様にして、駆動軸252の軸回り一方側に回転する。そして、ベース材250に設けられている各ローラ234A、234B、234Cも、ベース材250と共に駆動軸252の軸回り一方側に回転する。これにより、各ローラ234A、234B、234Cは、自身も回転しながら、ベース材250と共に軸回り一方側に回転する。この結果、回転演出体202の回転方向を自在に変化させることができる。詳細には、ベース材250の回転位置に基づいて、回転演出体202の回転方向が変化するため、ベース材250の回転動作を継続することにより、回転演出体202の回転方向も逐次変化することになる。この結果、回転演出体202を3次元的に回転させることができるため、斬新な演出を実現させることができる。回転方向を自在に変化させることができるので、回転軸の軸回りに回転させる従来の回転演出体とは明らかに違う、不規則な方向への回転を実現できる。
なお、可動軸用モータ230が逆回転するように制御すると、駆動軸252が軸回り他方側に回転する。これにより、ベース材250は、駆動軸252と同様にして、駆動軸252の軸回り他方側に回転する。そして、ベース材250に設けられている各ローラ234A、234B、234Cも、ベース材250と共に駆動軸252の軸回り他方側に回転する。これにより、各ローラ234A、234B、234Cは、自身も回転しながら、ベース材250と共に軸回り他方側に回転する。この場合でも、回転演出体202を3次元的に回転させることができるため、斬新な演出を実現させることができる。また、回転軸の軸回りに回転させる従来の回転演出体とは明らかに違う、不規則な方向への回転を実現できる。
以上のように、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技演出装置200が、所定のタイミング(例えば、遊技者が有利となる遊技状態など)で、回転演出体202自体の回転演出と、回転演出体202自体の直線移動演出と、受け部材240の回転に伴う回転演出体202の特別回転演出と、が有機的に関連した3つの遊技演出を実行する。これにより、遊技演出装置200の遊技演出が斬新なものになり、遊技者が遊技に対して期待するため、遊技性を格段に高めることができる。特に、回転演出体202の回転方向をあらゆる方向に変更することができるため、回転演出体202の回転動作が斬新なものになる。
また、回転演出体202は、収容体214の内部に収容されており、かつ回転演出体202の外周面と収容体214の内周面との間には液体212が介在しているため、回転動作時に、回転演出体202には、収容体214からの摩擦力が作用しない。加えて、回転演出体202が回転すると、液体212に対して所定の回転力が作用し、この回転力を受けた液体212は所定の方向に流動する。このとき、液体212の流動力が回転演出体202に作用する。換言すれば、回転演出体202から液体212に作用した回転力の反作用力が回転演出体202にも作用する。回転演出体202は、液体212の流動力(回転演出体202が液体212に及ぼす回転力の反作用力)を受けて、さらに回転することにより、回転動作が継続する。このため、第1の磁石204と第2の磁石210との離間距離が大きくなる場合(例えば、回転演出体202が上方向に移動していく場合)でも、回転演出体202の回転動作が継続する。この結果、回転演出体202の位置によらず、その回転動作が継続するため、回転演出体202の斬新な演出を実現させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機の構成と重複する構成の説明は省略し、また、重複する構成については第1実施形態の構成と同じ符号を付す。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機は、回転演出体202が演出図柄表示装置62の表示面62Aの上縁近傍を左右方向に沿って移動するように設けられている。なお、回転演出体202が演出図柄表示装置62の表示面62Aの上縁近傍を左右方向に沿って移動する場合に限られるものではなく、例えば、回転演出体202が演出図柄表示装置62の表示面62Aの下縁近傍を左右方向に沿って移動するように構成してもよい。このように、回転演出体202は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの上縁の前方側又は下縁の前方側を左右方向に沿って回転しながら移動する。
また、回転駆動部材206は、演出図柄表示装置62の表示面62Aの左縁又は右縁に設けられている。回転駆動部材206は、上述した通り、各ローラ234A、234B、234Cが回転することにより、磁力により回転演出体202を回転させることができる。また、駆動軸252が軸回りに回転することにより、ベース材250が駆動軸252の軸回りに回転する。これにより、ベース材250に設けられた各ローラ234A、234B、234Cも同様にして、駆動軸252の軸回りに回転する。これにより、回転演出体202が初期状態にあるときに、回転演出体202をあらゆる方向に回転させることができる。そして、回転演出体202があらゆる方向に回転しながら、左右方向に移動することが可能になり、遊技演出を盛り上げることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機の構成と重複する構成の説明は省略し、また、重複する構成については第1実施形態の構成と同じ符号を付す。
本願発明の回転演出体は、従来にない斬新なものなので、遊技者のみならず、ホール関係者にも注目されるかもしれない。そこで、斬新な回転演出体を遊技機の演出の一貫としてだけでなく、他の用途にも同時に適用できないかと考えた。本第3実施形態は、単に演出として楽しむだけではなく、ホール関係者にも注目しやすいように不正行為の検知時に動作するものである。
図10に示すように、本実施形態のパチンコ機は、不正行為を検知する不正検知手段260が設けられている。不正検知手段260とは、大当り遊技以外の遊技状態で大入賞口86が開口したことを検知するセンサ、普通図柄が当選していない状態で翼片部材56Aが開放したことを検知するセンサ、外枠12や内枠14が開放したことを検知するセンサ、施錠装置22が開放していることを検知するセンサなどが該当する。換言すれば、不正検知手段260とは、現在進行している遊技状態では考えられないような行為や構造や部品の変更が発生したことを検知するものである。
不正検知手段260は、サブ制御基板106又は装飾駆動基板114に電気的に接続されている。すなわち、図10に示すように、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254が装飾駆動基板114に接続されている構成では、不正検知手段260は装飾駆動基板114に接続されている構成が好ましい。また、図11に示すように、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254がサブ制御基板106に接続されている構成では、不正検知手段260がサブ制御基板106に接続されている構成が好ましい。なお、本実施形態では、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254が装飾駆動基板114に接続されているため、不正検知手段260が装飾駆動基板114に接続されている構成を一例として説明している。なお、不正検知手段260は、主制御基板102に接続されている構成でも良い。
遊技者の不正行為が発生した場合には、不正検知手段260により不正行為を示す不正検知信号が装飾駆動基板114に対して出力される。装飾駆動基板114は、不正検知手段260からの不正検知信号を受けて、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254の駆動を開始させるための制御信号を出力する。これにより、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254が駆動を開始して、回転演出体202の回転動作と上下方向への移動動作が実現される。また、ベース材250が駆動軸252の軸回りの回転するため、回転演出体202は、あらゆる方向に回転する。
なお、図4に示すように、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254がサブ制御基板106に接続されており、かつ不正検知手段260がサブ制御基板106に接続されている構成では、遊技者の不正行為が発生した場合には、不正検知手段260により不正行為を示す不正検知信号が装サブ制御基板106に対して出力される。サブ制御基板106は、不正検知手段260からの不正検知信号を受けて、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254の駆動を開始させるための制御信号を出力する。これにより、可動軸用モータ230、回転用モータ248及び駆動軸用モータ254が駆動を開始して、回転演出体202の回転動作と上下方向への移動動作が実現される。また、ベース材250が駆動軸252の軸回りの回転するため、回転演出体202は、あらゆる方向に回転する。
第3実施形態に係るパチンコ機によれば、不正行為が発生した場合には、回転演出体202の回転動作が開始される。また、回転演出体202の上下方向に移動する。この回転演出体202の回転動作及び上下方向の移動を見ることにより、どのパチンコ機で不正行為が行われているかについて、一見して判断することができる。すなわち、パチンコ機で不正行為が実行された場合には、パチンコ機を管理するホールのコンピュータ設備に不正行為を示す警告信号が出力され、ホール関係者は、この警告信号をみて、どこのパチンコ機で不正行為が発生しているかを認識することができる。そして、かかる情報をもとに、ホール関係者が現場にいくことになるが、ホールには複数のパチンコ機が島設備によって複数設けられているため、どのパチンコ機で不正行為がされていたのかを瞬時に判断することができない。このような場合には、パチンコ機に遊技演出装置200を設けておけば、不正行為が実行されたパチンコ機に設けられた遊技演出装置200の回転演出体202が回転し、かつ上下方向に移動しているため、不正行為が行われたパチンコ機を一瞬で判別することができる。このように、遊技演出装置200に不正行為の発見機能を持たせることにより、不正行為を確実に把握することができ、ひいては不正行為を未然に防止することができる。
第3実施形態において、発明者が意図するところは、斬新な遊技演出を実現できる遊技演出装置200を、単に遊技演出のみに使用するというものではなく、不正行為の検知にも役立たせようとするものである。遊技演出装置200は、第1実施形態及び第2実施形態で説明したように、極めて斬新な遊技演出を実現できるものであるが、斬新性があるが故に、不正行為の検知に役立たせることができるのであれば、ホール関係者などに不正行為の事実を伝えやすくすることができる。このため、第3実施形態では、遊技演出装置200を単に遊技演出の一態様として使用するだけではなく、不正行為があったときの目印的な装置として効果を発揮させることを意図している。換言すれば、第3実施形態では、遊技演出装置200に、斬新な遊技演出機能と、不正行為発見機能と、の2つの機能を同時にもたせることを想定している。
なお、各種スピーカ170による音声での異常報知は本実施形態でも行う。しかし、音声による異常報知は不正行為者にも周知であるため、不正行為者は、まず、スピーカを破壊してから不正行為を行うことが通常である。スピーカを破壊すれば、音声報知ができなくなるため不正行為がしやすくなるためである。このような場合でも、本実施形態のような回転する可動役物の動きによる異常報知を予めホール関係者に周知徹底することにより、不正行為を迅速に把握することができ、ひいては不正行為を未然に防止することができる。
なお、第3実施形態のパチンコ機では、回転演出体202が上下方向に直線移動する構成を例示して説明したが、これに限られるものではなく、第2実施形態のように、左右方向に直線移動する構成を採用しても良い。