JP5287139B2 - ねじ有効径測定用保持治具 - Google Patents
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Description
また、3針法を用いたねじ部材の有効径の測定は、特許文献1に開示されている。
例えば、特許文献2には、マイクロメータのアンビルとスピンドルに設けられたオーバーピン保持体と、前記オーバーピン保持体に形成されたオーバーピン保持孔と、前記各オーバーピン保持体を前記アンビルおよびスピンドルの基部側へ常に付勢するためのばね部材と、前記各オーバーピン保持孔に設けられ前記アンビルまたはスピンドルの端部と当接するオーパーピンとを備えたオーパーピン測定装置が開示されている。
このように構成されるオーパーピン測定装置においては、前記オーバーピン間に被測定物である歯車を装着してスピンドルをアンビル側に前進させることによって、各オーバーピンを人手で持つことなく歯車の各歯部内に確実に挿入することが可能となっている。
このオーバーピン径測定用治具においては、測定する歯車の歯形に応じたオーバーピンを前記本体ベースおよびアダプタのオーバーピン取付穴に固定して、測定する歯車を本体ベースにセットしてオーバーピンに当接させ、当接させたオーバーピンの間をマイクロメータにより測定するように構成されている。
このようなねじ軸は高精度に加工されることが要求されるため、前記ねじ軸を加工する際には、加工途中に加工機に装着された状態でねじ軸の有効径を測定して、所望の加工精度を満足しているか否かを確認し、所望の加工精度を満足していないときには再度加工を行う、といったことが行われている。
つまり、前記ねじ軸の有効径を加工途中で測定する場合、加工途中のねじ軸を加工機から取り外したうえで測定を行い、再度加工機に取り付けて加工を施す、といったことを行うと、ねじ軸を再度加工機に取り付けた際に、取り外す前のねじ軸の位相と再度取り付けたねじ軸の位相とを完全に一致させることは困難であり、ねじ軸の加工完了時に所望の加工精度を確保することができないため、加工途中のねじ軸の有効径を測定する際には、加工機に装着された状態で測定を行う必要がある。
従って、このようなねじ軸の有効径を測定する際には、他の寸法測定などにも用いることができる汎用的なマイクロメータなど測定具を用いることができれば好ましい。
また、前述の特許文献3に記載される測定装置は、装置の構成が複雑であるとともに、有効径を測定する測定具である表示器が、ねじ軸を挟持する挟持脚からオフセットされた位置にあるため(表示器の測定子と挟持脚とが同軸上にないため)、有効径を高精度で測定することが困難である。また、測定装置が大掛かりとなるため、加工機に装着された状態のねじ軸の有効径を加工途中に測定することは困難である。
さらに、前述の特許文献4に記載される測定装置は、装置の構成が複雑で大掛かりであるため、加工機に装着された状態のねじ軸の有効径を加工途中に測定することが困難である。
即ち、請求項1記載のごとく、被測定物となるねじ部材を複数本のピン部材にて挟み込んだ状態で、前記ねじ部材の有効径を測定するときに、前記複数本のピン部材を保持するためのねじ有効径測定用保持治具であって、前記ねじ部材を収容する収容部と、前記収容部に収容されたねじ部材と交差するように前記収容部を貫通する複数のピン部材が挿入される挿入部とを備え、前記収容部は、収容されるねじ部材の一側に位置するベース部材と、前記ベース部材の両側端部から立設する側壁部材とで囲まれる空間にて構成され、前記挿入部は、前記各側壁部材における、前記収容部に収容されたねじ部材よりもベース部材側に位置する一側の挿入孔または挿入溝、および前記収容部に収容されたねじ部材よりも反ベース部材側に位置する他側の挿入孔または挿入溝を有し、前記一側の挿入孔または挿入溝、および他側の挿入孔または挿入溝は、前記一側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材、および前記他側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材が、ともに前記ねじ部材のねじ溝に当接することができるとともに、前記一側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材、および前記他側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材が、互いに前記一側の挿入孔または挿入溝内、および前記他側の挿入孔または挿入溝内で最も離れる箇所に位置した場合でも、前記一側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材と前記他側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材との間隔が、ねじ部材の最大外径を超えないように構成されている。
また、ピン部材を、ねじ溝の傾斜角度に沿ってねじ部材に当接させることができるので、ピン部材のねじ溝に対する位置合わせを安定させて、ねじ部材の有効径の測定精度を向上することができる。
さらに、ねじ部材の有効径を、ねじ有効径測定用保持治具を用いて測定する際には、汎用の測定具をそのまま使用することができるため、少量多品種の製品を製造する際にも低コストおよび短時間でねじ部材の有効径の測定を行うことができる。
前記本体10は、平板状に形成され、その下面が前記基台20の上面に連結されているベース部材11と、前記ベース部材11の両側端部から立設する一対の側壁部材12・13とを有している。
前記一対の側壁部材12・13は、互いに所定の間隔を設けて略平行に配置されており、それぞれ前記ベース部材11に対して同じ方向へ略垂直に立設されている。
つまり、前記収容部15は、図2における下方を前記ベース部材11により、左右両側方を前記側壁部材12・13により囲まれた空間であり、各側壁部材12・13の間には、少なくとも測定対象となるねじ部材3の外径寸法以上の間隔が設けられており、前記各側壁部材12・13の高さ寸法(各側壁部材12・13におけるベース部材11の板面と略直交する方向の寸法)は、少なくとも測定対象となるねじ部材3の外径寸法以上の寸法に形成されている。前記収容部15の上方(各側壁部材12・13の立設方向におけるベース部材11側とは反対側の方向)は開放されている。
また、前記挿入孔12a・13aは、一本のピン部材5を挿入孔12aと挿入孔13aとに同時に挿入することが可能な位置に形成されており、前記挿入孔12aおよび挿入孔13aにともに挿入されるピン部材5は、前記収容部15を貫通することとなる。
なお、本例では前記挿入孔12a・13aは略円形状に形成されているが、例えば横長(側壁部材12・13の立設方向と直交する方向)の長円形状に形成することも可能であり、前記ピン部材5が摺動自在に挿入可能な形状および大きさに形成されていればよい。
本例では、前記挿入溝12b・13bは、横長(側壁部材12・13の立設方向と直交する方向)に形成された長円形状の上辺(側壁部材12・13におけるベース部材11側とは反対側の辺)の略中央部を上方に開口した開口部12c・13cを有している。
前記挿入溝12b・13bの長円形状部分における円弧の直径は、前記ピン部材5の外径よりも大きく形成されており、前記挿入溝12b・13bの長円形状部分は前記ピン部材5を摺動自在に挿入可能なように構成されている。また、前記挿入溝12b・13bの長円形状部分は、複数本のピン部材5を挿入することが可能なように構成されている。
さらに、前記挿入溝12b・13bは、一本のピン部材5を挿入溝12bと挿入溝13bとに同時に挿入することが可能な位置に形成されており、前記挿入溝12bおよび挿入溝13bにともに挿入されるピン部材5は、前記収容部15を貫通することとなる。
また、挿入部を構成する前記挿入孔12a・13aと挿入溝12b・13bとは、側壁部材12・13の立設方向に所定の間隔を隔てて形成されている。
さらに、前記挿入孔12a・13aに挿入され、前記収容部15に収納されたねじ部材3の下方を通過するピン部材5、および、前記挿入溝12b・13bに挿入され、前記収容部15に収納されたねじ部材3の上方を通過するピン部材5は、互いにねじ部材3を挟んだ対向位置において、該ねじ部材3のねじ溝3aにそれぞれ当接可能となっている。
前記測定具挿通孔11a・20aは、同径に形成されるとともに同軸上に配置されており、ねじ部材3の有効径を測定するための測定具8の測定端子8a(図10参照)を、前記測定具挿通孔11a・20aを通じて収容部15内に挿入可能となっている。
なお、本説明にて測定対象となるねじ部材3は、加工途中のねじ部材3であって、加工機に装着され位置固定された状態のねじ部材3としている。
まず、図4に示すように、測定対象となるねじ部材3に対してねじ有効径測定用保持治具1の収納部15を下方から嵌挿し、該収納部15にねじ部材3を収納する。
この場合、挿入孔12a・13aへのピン部材5の挿入は、例えばまずピン部材5を側壁部材12の挿入孔12aへ挿入し、次に収納部15におけるねじ部材3の下方の空間を通過させ、さらに側壁部材13の挿入孔13aに挿入することで行う。
また、挿入溝12b・13bへのピン部材5・5の挿入は、例えばまずピン部材5・5を側壁部材12の挿入溝12bへ挿入し、次に収納部15におけるねじ部材3の上方の空間を通過させ、さらに側壁部材13の挿入溝13bに挿入することで行う。
このように、各ピン部材5・5を開口部12c・13cを通じて、挿入溝12b・13bに挿入することで、該ピン部材5・5の挿入溝12b・13bへの挿入を簡便にすることが可能となる。
すなわち、挿入孔12a・13aに挿入され収納部15を貫通するピン部材5は、ねじ有効径測定用保持治具1を上方へ押圧することで、挿入孔12a・13aの内周面により支持されるとともに、ねじ部材3における下側のねじ溝3aに当接する。
この場合、挿入孔12a・13aに挿入されたピン部材5は下側のねじ溝3aの傾斜角度に沿って当接する。
この場合、挿入溝12b・13bに挿入されたピン部材5・5は上側のねじ溝3aの傾斜角度に沿って当接する。
つまり、ねじ部材3を収納部15内に収納した状態で、前記挿入孔12a・13aおよび挿入溝12b・13bに挿入され、ねじ溝3aに嵌合した状態のピン部材5・5・・・は、ねじ部材3のねじ山を越えて移動することがなく、挿入孔12a・13aおよび挿入溝12b・13bに挿入された当初の所望の位置に留まることとなる。
そして、このように測定したピン部材5の間隔、前記ピン部材5の径、ならびに前記ねじ部材3のねじピッチおよびねじ山の角度に基づき、次の数1によりねじ部材3の有効径を算出する。
また、ねじ有効径測定用保持治具1は、ねじ部材3を収納する収納部15と、ピン部材5・5・・・を挿入する挿入部とで構成され、簡単かつ小型な治具に構成することができるので、加工機に装着された状態のねじ部材3の有効径を加工途中に容易に測定することが可能となっている。
さらに、ねじ部材3の有効径を、ねじ有効径測定用保持治具1を用いて測定する際には、有効径を測定するための測定具8に特別な加工等を行う必要がなく、汎用の測定具をそのまま使用することができるため、少量多品種の製品を製造する際にも低コストおよび短時間でねじ部材3の有効径の測定を行うことができる。
つまり、図13に示すように、ねじ有効径測定用保持治具51を、平板状に形成されるベース部材61と、ベース部材61の両側端部から立設する一対の側壁部材62・63とで構成し、前記ベース部材61および側壁部材62・63にて囲まれた空間を、有効径の測定対象となるねじ部材3を収容するための収容部65として構成するとともに、前記側壁部材62・63の下部および上部に、それぞれピン部材5およびピン部材5・5を挿入するための挿入孔62a・63aおよび挿入孔62b・63bを形成することもできる。
3 ねじ部材
5 ピン部材
10 本体
11 ベース部材
11a 測定具挿通孔
12・13 側壁部材
12a・13a 挿入孔
12b・13b 挿入溝
15 収容部
20 基台
Claims (2)
- 被測定物となるねじ部材を複数本のピン部材にて挟み込んだ状態で、前記ねじ部材の有効径を測定するときに、前記複数本のピン部材を保持するためのねじ有効径測定用保持治具であって、
前記ねじ部材を収容する収容部と、
前記収容部に収容されたねじ部材と交差するように前記収容部を貫通する複数のピン部材が挿入される挿入部とを備え、
前記収容部は、収容されるねじ部材の一側に位置するベース部材と、前記ベース部材の両側端部から立設する側壁部材とで囲まれる空間にて構成され、
前記挿入部は、前記各側壁部材における、前記収容部に収容されたねじ部材よりもベース部材側に位置する一側の挿入孔または挿入溝、および前記収容部に収容されたねじ部材よりも反ベース部材側に位置する他側の挿入孔または挿入溝を有し、
前記一側の挿入孔または挿入溝、および他側の挿入孔または挿入溝は、
前記一側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材、および前記他側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材が、ともに前記ねじ部材のねじ溝に当接することができるとともに、
前記一側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材、および前記他側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材が、互いに前記一側の挿入孔または挿入溝内、および前記他側の挿入孔または挿入溝内で最も離れる箇所に位置した場合でも、前記一側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材と前記他側の挿入孔または挿入溝に挿入されたピン部材との間隔が、ねじ部材の最大外径を超えないように構成されている、
ことを特徴とするねじ有効径測定用保持治具。 - 前記各側壁部材には、前記一側の挿入孔または挿入溝、および他側の挿入孔または挿入溝の何れか一方が一つ形成され、前記一側の挿入孔または挿入溝、および他側の挿入孔または挿入溝の何れか他方が二つ形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のねじ有効径測定用保持治具。
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