JP5286762B2 - セルユニット、セルスタック及び燃料電池 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された燃料電池は、固体電解質の表面に、空孔率の異なる複数層の、酸素イオン伝導性を有する金属酸化物と電子伝導性を有する金属又はその酸化物微粒子からなる多孔質燃料電極骨格を形成し、前記骨格中の空孔率が他の層と比較して大きい層に、熱処理により活性物質若しくは耐炭素析出性物質となりうる化合物を含む溶液を注入し熱処理することにより、前記空孔率が大きな層内に活性物質を酸化物及び金属として分散させたものである。
これにより、空気極の両端部は電極としての機能を失うとともに、その空気極に重合されて対向する燃料極も、その空気電極に対向する領域において電極として機能しなくなり、従って、その領域において電極反応が起こらないために、酸素イオンが輸送されにくくなる。
(1)酸素イオンが送られて来るために、炭化水素燃料が電気化学的に酸化され、炭素が析出しない。
(2)仮に炭化水素燃料に電気化学酸化が完全には起こらない場合、その一部が分解して炭素として分解されても、空気極より送られてくるO2−によって直ぐに酸化され、ニッケル上に留まることがなく、そのニッケルの構造を崩さない。
同上の課題を解決するための本発明に係るセルスタックは、上記したセルユニットを互いに積層したことを特徴としている。
同上の課題を解決するための本発明に係る燃料電池は、上記のセルスタックをケースに収容していることを特徴としたものである。
「間隙s」は、隣接する他のセルユニットA1との間に他方の反応用ガスを流通させるためのものである。
本実施形態においては、一方の反応用ガスが炭化水素燃料(燃料ガス)であり、他方の反応用ガスが空気であるが、詳細を後述するセルユニットA1の2つの反応極(空気極,燃料極)の相対的な配置に応じ、一方の反応用ガスを空気、他方の反応用ガスを炭化水素燃料(としてもよいことは勿論である。
上記周壁23には、ケース20内に他方の反応用ガスを導入するためのガス導入口24と、当該ケース20内に導入された他方の反応用ガスを排出するためのガス排出口25が、セルスタックCを挟む対向位置に配設されている。
円形段差部41には、後述する流路形成体70に形成されているガス流入孔71とガス流出孔74…に対応する位置に、それらと同径の貫通孔44,45…が開口形成されている。
本実施形態において「対置」とは、燃料極31と空気極32とを対向して配置したことを意味している。
すなわち、本実施形態において、燃料極31には平面視において空気極32と対向しない所要幅の円環状の非対向領域Pがあり、その非対向領域Pにおいて電解質33とセル板40とをシール材46によって接合している。
すなわち、シール材46の幅が、非対向領域Pの幅である。
炭化防止層100は、これの外径を燃料極31の外径D1に一致させ、かつ、内径を非対向領域Pの内径D2に一致させるか、その内径D2よりも小さく設定している。
ガスシール部材としては、上記ガラス系の材質に限るものではなく、ロウ材、上記した電解質材料又はセラミックス系接着材のいずれかにより形成することができる。
円形段差部51には、後述する流路形成体70に形成されているガス流入孔71とガス流出孔74…に対応する位置に、それらと同径の貫通孔54,55…が開口形成されている。
なお、セル板とセパレータに円形段差部を形成せずに、セルユニットA1,A1間に間隙sに一致する板厚にしたスペーサ(図示しない)を介挿するようにしてもよい。
流路形成体70は、一方の反応用ガスをセルユニットA1に流入させるためのガス流入孔71とガス導入孔72と、セルユニットA1内に流入した一方の反応用ガスを外部に流出させるためのガス導出孔73と4つのガス流出孔74とが形成されている。
上側フランジ110は、上記した円形段差部41,51と同径にした円柱形の押さえ部111の周壁111aに、セルユニットA1と同径にしたフランジ部112を延出形成した平面視円形板形のものである。
押さえ部111の中心には、上記ガス流入孔71と同径の貫通孔113が穿設されている。
押さえ部121の中心には、上記ガス流出孔74に対向する位置に、そのガス流出孔74と同径の貫通孔123が形成されている。
外部から導入された一方の反応用ガスは、流路形成体70の流入経路を通じて、セルユットA1内に流入する。
これにより、発電を長期的に行う場合にも、燃料極の機械的強度と出力の低下を防止して、耐久性を向上させることができる。
そして、セルユニットA1内に流入した一方の反応用ガスは、燃料極31の対向領域に流接して発電に供せられた後、流出経路を通じて外部に流出する。
これにより、効率のよい発電を行うことができる。
本実施形態においては、燃料極91には平面視において空気極92と対向しない所要幅の円環状の非対向領域P1,P2が外縁部と内縁部にあり、その非対向領域P1,P2において電解質33とセル板40とをシール材46,46によって接合している。
すなわち、シール材46,46の幅が、非対向領域P1,P2の幅である。
炭化防止層150は、これの内径を燃料極91の内径D3に一致させ、かつ、外径を非対向領域P2の外径に一致させるか、その外径よりも大きく設定している。
これらの炭化防止層140,150は、上記のものと同様にして、燃料極91の内外周縁部の非対向領域P1,P2にCu−YSZを印刷処理し、例えば800度で2時間焼成して形成している。
換言すると、ユニット内集電体130は、これの外径を非対向領域P1に一致させ、かつ、円形開口130aの外径を非対向領域P2の外径に一致させて形成している。
本実施形態においては、燃料極161の外縁部には平面視において空気極と対向しない方形枠形の所要幅の非対向領域Pがあり、その非対向領域Pにおいて電解質とセル板40とをシール材(図示しない)によって接合している。
すなわち、シール材の幅が非対向領域Pの幅である。
外縁部171の幅は、非対向領域Pの幅に一致させるか、その幅よりも大きく設定している。
なお、本実施形態においては、固体電解質型セルを平面視長方形にしたものを例として説明しているが、上述したような平面視円形のものに対しても適用できることは勿論である。
なお、同図において「未反応エリア」と表記している部分は、上述した非対向領域Pのことであり、また、「セル」と表記しているものは固体電解質型セルのことである。
炭化防止層は上述した機能の他、例えばセルユニットの強度保持機能、反応極の熱伝導パス機能、セルユニットを流通する一方の反応用ガスの流路を形成する流路リブの機能を併有したものとしてもよい。
31 燃料極
32 空気極
33 電解質
100 炭化防止層
170 ユニット内集電体
A1〜A3 セルユニット
B 燃料電池
C セルスタック
P 非対向領域
P1,P2 非対向領域
Claims (9)
- 空気極と燃料極とを電解質の両側に積層対置した固体電解質型セルを有し、その燃料極と空気極とに二種類の反応用ガスを互いに分離して流通させることによる発電を行うセルユニットにおいて、
上記空気極に対向しない領域である燃料極の非対向領域に、上記反応用ガスの一方が上記非対向領域に流接することを防止するための炭化防止層を形成したことを特徴とするセルユニット。 - 炭化防止層は、一方の反応用ガスの燃料極の非対向領域への流接を防止するガスシール部材から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセルユニット。
- 炭化防止層は、ガラス系、ロウ材、電解質材料又はセラミックス系接着材のいずれかにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載のセルユニット。
- 固体電解質型セルを配設したセル板とセパレータとの間に区画形成される空隙にユニット内集電体を収容しており、
上記ユニット内集電体が、炭化防止層としての機能を兼ねることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルユニット。 - ユニット内集電体は、燃料極の非対向領域に対向する外縁部を緻密にし、かつ、対向領域に対向する内部領域を粗密に形成していることを特徴とする請求項4に記載のセルユニット。
- 炭化防止層は、一方の反応用ガスの熱分解に対して触媒活性がない材質で形成していることを特徴とする請求項1に記載のセルユニット。
- 炭化防止層をなす材質は、Cu,Ru,Auのうちのいずれか1種、又はCu,Ru,Auのいずれか1種とZrO2,LaGaO3,CeO2系の酸化物のいずれか1種との混合物から成ることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルユニットを互いに積層したことを特徴とするセルスタック。
- 請求項8に記載のセルスタックをケースに収容していることを特徴とする燃料電池。
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