JP5286400B2 - コンデンサー用ポリエーテルイミドフィルム - Google Patents

コンデンサー用ポリエーテルイミドフィルム Download PDF

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Description

本発明は、コンデンサー用ポリエーテルイミドフィルムに関する。
従来、コンデンサー用のフィルムを製造するに際して、フィルムに高い誘電率を付与するために、フィルムに無機充填剤を含めていた。しかし、フィルムに無機充填剤を含めると、引張強度等の機械的性質が低下する。これを解決するために、フィルムに使用する樹脂として引張強度等の機械的強度の比較的高い樹脂、例えば、ポリエーテルイミド、芳香族液晶ポリエステル等を使用する試みがなされていた。
例えば、高誘電フィラーと樹脂とを含有してなり、該高誘電フィラーの比誘電率が所定の値を有する高誘電樹脂組成物が知られている(特許文献1)。該組成物に使用する樹脂として、芳香族液晶ポリエステル、芳香族ポリサルホン、芳香族ポリエーテルイミド等が挙げられている。該樹脂組成物から製造されたフィルムはコンデンサーの誘電層として使用される。そして、フィルムに高い比誘電率を付与するために、フィラーは、樹脂100重量部に対して50〜1200重量部と言う高い含有量で使用される。実施例においては、フィラーは、樹脂100重量部に対して400〜800重量部で使用されている。
(A)ポリエーテルイミド樹脂と(B)無機フィラーと(C)シランカップリング剤とを含み、(B)の含有量が(A)に対し5〜50体積%、(C)の含有量が(B)に対し0.5〜3重量%であることを特徴とする樹脂組成物が知られている(特許文献2)。該樹脂組成物から製造されたフィルムはフィルムコンデンサー用に使用される。該フィルムの厚さは0.1〜50μm程度である旨が記載されている。しかし、実施例にそのフィルムの厚さは記載されていない。また、無機フィラー含有量もポリエーテルイミド樹脂に対し5〜50体積%と比較的多く、実施例では20〜40体積%で使用されている。
50〜95重量%のポリエーテルイミド樹脂と5〜50重量%の無機物とを含むポリマー組成物であって、フィルムに加工したとき50ppm/℃未満のCTEを有するポリマー組成物が知られている(特許文献3)。該フィルムの厚さは750μm以下であることが記載されているが、実施例で製造されたフィルムの厚さは、対照試料を含めて10〜150μmである。また、無機物の含有量は5〜50重量%と比較的多く、実施例では10〜40重量%である。
特開2004-250687号公報 特開2006-213805号公報 特開2006-117935号公報
本発明は、従来のコンデンサー用のポリエーテルイミドフィルムに比べて、フィルム厚みが著しく薄いにもかかわらず、フィルム厚みが均一であり、かつより高い引張強度を有するコンデンサー用ポリエーテルイミドフィルムを提供するものである。
特許文献1に記載されたコンデンサー用フィルムは、多量のフィラーを含むことからフィルム自体の比誘電率は高い。その一方、多量のフィラーを含む故にフィルムの厚さを薄くすると引張強度が低くなり、コンデンサー製造工程でフィルムを巻く際にフィルムが破断してしまう。また、均一なフィルムを製造することもできなかった。特許文献2のフィルムも、その比誘電率を高めるために多量の無機フィラーを含める。従って、特許文献1に記載されたコンデンサー用フィルムと同一の問題が生ずる。特許文献2にはフィルム厚さは最小0.1μmであることが記載されている。しかし、実際、実施例において、このような薄いフィルムが得られたと言う記載はない。たとえ得られたとしても、多量のフィラーを含む故にフィルムの引張強度は著しく小さく、かつ均一なフィルムが得られないであろう。特許文献3のフィルムも、その比誘電率を高めるために多量の無機物を含める。従って、特許文献1に記載されたコンデンサー用フィルムと同一の問題が生ずる。また、特許文献3には、対照A及びBとして、無機物を含まないポリエーテルイミドフィルムが記載されている。しかし、これらのフィルムは比較例として挙げられており、かつそのフィルム厚さも10〜150μmと非常に厚いものである。
上記のように、従来は、コンデンサー用フィルムに高い比誘電率を付与するために、フィルム自体に無機充填剤を可能な限り多量に含めると言う考え方が当業者の常識であった。しかし、本発明者らは、従来のコンデンサー用フィルムが有する欠点を解決するために、かかる従来の常識をくつがえして、むしろ最終製品であるフィルムコンデンサー自体に着目し、そして、フィルムコンデンサー自体の優れた性能、例えば、大容量化、コンパクト化等を如何にすれば達成し得るかを種々検討した。その結果、上記従来の常識とは全く逆に、フィルムに含める無機充填剤量を極力少なくすれば、好ましくは全く含めなければ、得られるフィルムの強度が増加し、フィルムの厚さを著しく薄くしても、フィルムの引張強度が低下せずかつフィルム厚みが均一となり、コンデンサー製造工程でフィルムを強く巻いても破断することが無いことを見出した。そして従って、フィルム厚が薄い故に、単位体積当り非常に多くを巻くことができ、従来の無機充填剤を多量に含有したフィルムを巻いたコンデンサーと比較して、大容量かつコンパクト化を達成し得たのである。
即ち、本発明は、
(1)無機充填剤含有量が、フィルム体積に対して3体積%以下であり、かつフィルム厚が0.1〜6μmであることを特徴とするポリエーテルイミドフィルムを、フィルムコンデンサー用フィルムに用いる方法である。
好ましい態様として、
(2)無機充填剤含有量が、フィルム体積に対して1.5体積%以下であるところの上記(1)記載のポリエーテルイミドフィルムを、フィルムコンデンサー用フィルムに用いる方法
(3)ポリエーテルイミドフィルムが無機充填剤を含まないところの上記(1)記載の方法
(4)ポリエーテルイミドフィルムのフィルム厚が0.1〜2μmであるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のポリエーテルイミドフィルム及び該フィルム上の金属膜を含むところの複合フィルムを、フィルムコンデンサー用フィルムに用いる方法
(6)金属膜が該フィルム上に直接に(つまり、アンカー剤、プライマー、アンダーコート、ベースコート等を介さずに)施与されているところの上記(5)記載の方法
(7)金属膜が、アルミニウム,ニッケル,金,銀,銅を含むところの上記(5)又は(6)記載の方法
を挙げることができる。
本発明のコンデンサー用ポリエーテルイミドフィルムは、フィルム厚みが著しく薄くかつフィルム厚みは均一であり、加えて、高い引張強度を有する。従って、フィルム厚みを著しく薄くしても、コンデンサー製造工程でフィルムが破断することがない。また、フィルム厚みが著しく薄い故に、単位体積当り非常に多くのフィルムを巻くことができる。従って、該フィルムを使用して製造したフィルムコンデンサーは、従来の無機充填剤を多量に含むフィルムから製造したコンデンサーと比較して、著しい大容量化及びコンパクト化を達成することができ、かつ125℃以上の高温使用環境下で安定した誘電体特性を発揮し得るのである。
本発明のコンデンサー用ポリエーテルイミドフィルムにおける無機充填剤含有量は、フィルム体積に対して3体積%以下、好ましくは1.5体積%以下であり、より好ましくは無機充填剤を含まない。上記含有量を超えると、フィルム厚みを本発明の範囲にすると、フィルムの引張強度が低下しかつフィルムが不均一となる。
該無機充填剤としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、マイカ、ガラス、カーボン、ナノコンポジット、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、フルオロポリマー、ゼオライト、ケイ酸塩等が挙げられる。
無機充填剤は、好ましくは0.01〜0.05μm、より好ましくは0.01〜0.10μm、の平均粒径を有する。上記上限を超えては、本発明のフィルム厚みの範囲では、フィルムの引張強度が低下しかつフィルムが不均一となる場合がある。
フィルム厚の上限は6μm、好ましくは4μm、より好ましくは2μmであり、下限は0.1μm、好ましくは0.5μm、より好ましくは1μmである。上記上限を超えては、大容量のコンデンサーを製造した際にコンパクトにすることができない。上記下限未満では、フィルムの引張強度が低下して、コンデンサー製造時にフィルムの破断が生ずる。フィルムの平均表面粗さ(Ra)は、ANSI B46.1に準拠して測定して、好ましくは0.1μm以下であり、より好ましくは0.05〜0.1μmの範囲である。この範囲にあることにより、コンデンサー製造時の作業性が良好となる。フィルムの静摩擦係数は、JISK7125に準拠して測定して、好ましくは0.2〜0.6である。表面粗さ及び静摩擦係数が上記範囲にあることにより、フィルムの巻き取り性などのフィルムコンデンサー製造時の作業性が良好となる。
フィルムの引張破壊強度は、0.7×108N/m2以上であることが好ましく、0.9×108N/m2以上であることがより好ましく、1.0×108N/m2以上であることが更に好ましい。引張破壊強度が上記値以上であるとフィルムの巻き取り時の破断が抑制されフィルムコンデンサー製造時の作業性が良好となる。
本発明のフィルムは、好ましくは3.0以上の比誘電率を有し、より好ましくは3.1以上の比誘電率を有し、更に好ましくは3.2以上の比誘電率を有する。該フィルムの単位厚み当たりの絶縁破壊電圧は、常温において、好ましくは200kV/mm以上、より好ましくは250 kV/mm以上であり、150℃において、好ましくは180kV/mm以上、より好ましくは200 kV/mm以上である。また、該フィルムの絶縁破壊電圧(絶対値)は、常温において、好ましくは750V、以上、より好ましくは1000 V以上であり、150℃において、好ましくは650 V以上、より好ましくは800 V以上である。
本発明のフィルムに用いるポリエーテルイミド自体は公知である。例えば、上記特許文献1〜3、米国特許第3803085号明細書、同第3838097号明細書、同第3843867号明細書、同第3905942号明細書及び同第4107147号明細書に記載されているものを使用することができる。ポリエーテルイミド樹脂は、下記式(I)の構造単位を2個以上、好ましくは約10〜約1000個又はそれ以上、更に好ましくは約10〜約500個含む。
Figure 0005286400
上記式中、T及びRは置換及び非置換の二価芳香族基から独立して選ばれる。一の実施態様においては、Tは−O−又は式−O−Z−O−基である。−O−又はO−Z−O−基の二価結合は3,3′位、3,4′位、4,3′位又は4,4′位にあり、Zとして下記式(II)の二価基が挙げられる。但し、Zはこれらに限定されるものではない。
Figure 0005286400
式(II)中、Qは特に限定されないが、−O−、−S−、−C(O)−、−SO−、−SO−、−CyH2y−(ここで、yは1〜5の整数である)及びそのハロゲン化誘導体(例えば、特に限定されないがペルフルオロアルキレン基等が挙げられる)より成る群から選択される二価基、又は式−O−Z−O−の基が挙げられる。式中、−O−又は−O−Z−O−基の二価結合は3,3′位、3,4′位、4,3′位又は4,4′位にある。Zは特に限定されないが、式(II)の二価基が挙げられる。
式(I)のRは特に限定されないが、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基及びそのハロゲン化誘導体、炭素原子数2〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン基、又は下記式(III)の二価基のような置換又は非置換二価有機基が挙げられる。
Figure 0005286400
ポリエーテルイミドは、例えば、下記式(IV)の芳香族ビス(エーテル無水物)と下記式(V)の有機ジアミンとの反応により製造することができる。
Figure 0005286400
N−R−NH (V)
式(IV)及び(V)中、T及びRは夫々式(I)及び(III)で定義した通りである。式(I)のポリエーテルイミドはポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、フルオロポリマーのような他のポリマーと共重合してもよい。
芳香族ビス(エーテル無水物)及び有機ジアミンは、例えば、米国特許第3972902号明細書及び同第4455410号明細書に記載されている。式(I)の芳香族ビス(エーテル無水物)としては、例えば、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4′−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物及び4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4′−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、並びにこれらの2種以上を含む混合物が挙げられる。
ビス(エーテル無水物)は、双極性非プロトン溶媒存在下でのニトロ置換フェニルジニトリルと二価フェノール化合物の金属塩との反応生成物の加水分解及びその後の脱水反応によって製造することができる。式(I)に属する好ましい芳香族ビス(エーテル無水物)は、特に限定されないが、Tが式(VI)のもので、エーテル結合が、例えば、3,3′位、3,4′位、4,3′位若しくは4,4′位にある化合物又はこれらの1種以上を含む混合物が挙げられる。
Figure 0005286400
式(VI)において、Qは上記で定義した通りである。
ジアミノ化合物は特に限定されない。適切な化合物として、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4−メチルノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィド、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2−メチル−4,6−ジエチル-1,3-フェニレン−ジアミン、5−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、ベンジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、1,5−ジアミノナフタレン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(2−クロロ−4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,4−ビス(b−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−b−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−b−メチル−o−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(p−b−メチル−o−アミノペンチル)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルホン及びビス(4−アミノフェニル)エーテルが挙げられる。これらの化合物の1種以上を含む混合物であってもよい。ジアミノ化合物としては、好ましくは芳香族ジアミンを挙げることができる。更に好ましくは、ジアミノ化合物は、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン及びこれらの混合物である。
通常、有用なポリエーテルイミドは、米国材料試験協会(ASTM)D1238に準拠して測定して、約0.1〜約10g/分のメルトインデックスを有する。ポリエーテルイミド樹脂は、ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフで測定して、好ましくは約5000〜約500000g/molの重量平均分子量(Mw)、更に好ましくは約10000〜約80000g/molのMwを有することができる。かかるポリエーテルイミド樹脂は、25℃のm−クレゾール中で測定して、典型的には約0.2dl/gを超える固有粘度、好ましくは約0.35〜約0.7dl/gの固有粘度を有する。かかるポリエーテルイミドの市販品としては、例えば、ULTEM 1000[商標、数平均分子量(Mn)21000g/mol、Mw54000g/mol、多分散度2.5]、ULTEM 1010[商標、Mn19000g/mol、Mw47000g/mol、多分散度2.5]、ULTEM 1040[商標、Mn12000g/mol、Mw34000〜35000g/mol、多分散度2.9]、ULTEM XH6050[商標、Mn23000〜26000g/mol、Mw52000〜58000g/mol、多分散度2.2](全てGE Plastics社製)が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用され得る。
本発明のフィルムを成形する方法は公知である。例えば、上記特許文献1〜3に記載された方法を使用することができ、溶液キャスティング又は押出しにより製造することができる。
一実施態様において、フィルム製造法は、ポリエーテルイミド及び任意的に無機充填剤を含有するポリマー組成物と溶媒とを含むキャスティング液を調製し、該キャスティング液の層を基板上にキャスティングし、溶媒を、例えば蒸発によってキャスティング液層から除去することを含む。キャスティング液中のポリマー組成物と溶媒の相対量は、使用される溶媒の種類、無機充填剤に対するポリエーテルイミドの濃度及びポリエーテルイミドの分子量に応じて変化させることができる。例えば、キャスティング液は約5重量%〜約30重量%のポリマー組成物と約70重量%〜約95重量%の溶媒を含むことができ、ポリエーテルイミドの重量平均分子量(Mw)は約34000〜65000の範囲内とすることができる。
キャスティング液は、例えば、ポリエーテルイミド粒子と無機充填剤粒子のドライブレンドを調製し、次いで該混合物を溶媒に溶解することによっても調製できる。別法として、キャスティング液は、ポリエーテルイミドを溶媒に溶解してポリマー溶液を調製し、無機充填剤を溶媒に溶解して無機充填剤溶液を調製し、ポリマー溶液と無機充填剤溶液を混合してキャスティング液を調製することによっても調製できる。ポリマー溶液の調製には1種以上の溶媒を使用できるし、無機充填剤溶液の調製には1種以上の溶媒を使用することができ、これらの溶媒は同一でも又は異なるものであってもよい。
別の実施態様では、フィルムは、ポリエーテルイミドと任意的に無機充填剤を溶融混合してポリマー組成物の粒子を調製し、次いで該粒子を溶媒に溶解してキャスティング液を調製することによっても製造できる。例えば粉体、ペレットその他の適当な形態の粒子のポリエーテルイミドを、例えば、高剪断ミキサー及び二軸押出機のような押出機を用いて、樹脂成分を溶融状態にするのに有効な温度で溶融混合し、無機充填剤を加えて所望の均一な混合物を得ればよい。別法として、混合を促進するため、樹脂と無機充填剤成分をまず粉体又はペレットのような固体の形態で混合してから溶融混合してもよい。例えば、乾燥樹脂と無機充填剤を混合物として二軸押出機に供給すればよい。無機充填剤とポリマーはストランドダイを通して水中に押出し、次いで切断してペレットとし、粉砕してキャスティング液に溶解すればよい。
キャスティング液を次いで流延機に供給して溶媒流延フィルムを調製すればよい。キャスティング液は、例えば、ガラス基板のような平滑基板上に薄膜として流延し、溶媒を周囲条件で数秒乃至24時間若しくはそれ以上の制御された期間蒸発させればよいが、その時間は使用した溶媒の蒸気圧と蒸発条件に応じて決まる。
ポリエーテルイミドを溶解し無機充填剤の良好な分散を促進することのできる溶媒が使用できる。ポリエーテルイミドを溶解することができ、室温(約20℃〜35℃)及び大気圧力で無機充填剤を良好に分散し得る好適な溶媒としては、特に限定されないが、アセトフェノン、アニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(DCB)、例えばオルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼン等、キシレン、トルエン、メシチレン、ジメチルアクリルアミド、塩化メチレン、極性非プロトン溶媒、例えば、N−(C〜C−アルキル)カプロラクタム(例えば、N−メチルカプロラクタム、N−エチルカプロラクタム、N−(n−プロピル)カプロラクタム、N−(イソプロピル)カプロラクタム)、N−(C〜C−アルキル)ピロリドン(例えば、N−メチルピロリドン)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、スルホラン、テトラメチル尿素など、並びにこれらの混合物が挙げられる。
また、本発明のフィルムは、上述の実施形態のポリエーテルイミドと任意的に無機充填剤を含有するポリマー組成物を、例えば、単軸又は二軸押出機を用いて押出すことによって製造することもできる。例えば、粉体、ペレット、その他の適当な形態のポリマー組成物を、樹脂成分を溶融させるのに有効な温度で溶融し、押出してフィルムとすればよい。別法として、フィルムを押出す際に、無機充填剤をポリエーテルイミド中に溶融コンパウンディングしてポリマー組成物を調製してもよい。
更に、例えば、熱安定剤、可塑剤などの追加の添加剤を、当技術分野で周知の様々な方法のいずれかで、ポリエーテルイミド、無機充填剤又はその両者に配合してもよい。例えば、添加剤を、従来のドライブレンド法を用いて、無機充填剤及び粉体又はペレット形状のポリエーテルイミドと物理的に混合すればよい。別の例として、当技術分野で慣用されているように、ポリエーテルイミド、無機充填剤又はその両者を押出機でコンパウンディングし、添加剤を溶融組成物に押出機の供給口から添加すればよい。
フィルムを押出法又は溶媒キャスティング法で製造し、さらにアニーリングのような後熱処理を実施して応力を低減又は除去してもよい。
また、本発明は、上記のポリエーテルイミドフィルム及び該フィルム上の金属膜を含むところのコンデンサー用複合フィルムである。好ましくは、該金属膜は該フィルム上に直接施与され得る。従って、アンカー剤(プライマー、アンダーコート、ベースコートとも呼ばれる)を使用する必要がない。
金属膜に使用する金属としては、例えば、アルミニウム,ニッケル,金,銀,銅などが挙げられる。
金属膜をポリエーテルイミドフィルムに施与する方法は公知である。例えば、真空蒸着法などが挙げられる。
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した物質は下記の通りである。
ポリエーテルイミド:ULTEM 1000(商標、GE Plastics社製、比重1.27)
フィルム厚さ、絶縁破壊電圧及び絶縁破壊強さは下記の条件で測定した。
試験法:JIS C2110に準拠した。
装置:絶縁破壊試験機 HAT-300-100RHO型(商標、山崎産業株式会社製)を使用した。
状態調節: 23±2℃/50±5%RHに24時間以上以上保持
試験温度:室温及び150℃の2点において測定した。
周囲媒体:シリコーン油を使用した。
電極:上部電極は直径25mmの円柱状であり、下部電極は直径75mmの円柱状である。
試験片形状:250mm×300mmの長方形である。
昇圧速度:50V/秒
試験数:上記試験片を3個準備し、各試験片について同一条件で測定してその平均値を算出した。
フィルム厚さ:精密マイクロメーターで測定。
比誘電率、誘電正接はASTM D150に準拠して下記の条件で測定した。
試験装置:Precision LCR meter HP4284A(アジレント・テクノロジー社製)
測定用電極:SE-70(安藤電気社製)
試験片の寸法:約60mm×60mm
測定周波数:1kHz
測定環境:23℃、60%RH
測定数:N=3

引張破壊強度及び破壊伸びは、JIS K7127に準拠して下記の条件で測定した。
試験装置:万能材料試験機
試験片形状:タイプ5
つかみ具距離:80mm
標線間距離:25mm
試験速度:200mm/分
試験数:N=10
試験温度、湿度:23℃、50%RH

摩擦係数はJIS K7125に準拠して下記の条件で測定した。
試験装置:万能材料試験機
試験速度:100mm/分
荷重(おもり):200g(63mm×63mm角)
試験温度、湿度:23℃、50%RH
試験数:N=5

表面粗さは下記の条件で測定した。
試験装置:表面粗さ形状測定器 サーフコム1400(東京精密社製)
測定長さ:500μm
測定範囲:200μm
測定ピッチ:5μm
算出規格:JIS-94規格
測定速度:0.03mm
実施例1および2
溶媒キャスティング法により、厚み3μm(1層塗り)及び4μm(2層塗り)のポリエーテルイミドフィルムを作成し、上記試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005286400
本発明のコンデンサー用ポリエーテルイミドフィルムは、例えば、ハイブリッドカー用コンデンサー、燃料電池自動車用コンデンサー、電気自動車用コンデンサー、基板実装用コンデンサー等に使用することができる。

Claims (4)

  1. 無機充填剤含有量が、フィルム体積に対して3体積%以下であり、かつフィルム厚が0.1〜6μmであることを特徴とするポリエーテルイミドフィルムを、フィルムコンデンサー用フィルムに用いる方法
  2. ポリエーテルイミドフィルムが無機充填剤を含まないところの請求項1記載の方法
  3. ポリエーテルイミドフィルムのフィルム厚が0.1〜2μmであるところの請求項1又は2記載の方法
  4. ポリエーテルイミドフィルムの引張破壊強度が0.7×10N/m2以上であるところの請求項1又は2記載の方法
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