以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態にかかる流体噴出装置(第一流体噴出装置10)の概略斜視図を示したものである。本実施形態においては、一例として、噴出される流体および駆動源として供給される流体が、「空気」である場合について説明する。
この図1に示すように、本実施形態にかかる第一流体噴出装置10は、流体噴出手段11、およびシリンダ支持部13(本発明の「第一支持部」「支持部」に相当)等を用いて構成されている。
本実施形態にかかる第一流体噴出装置10は、流体を噴出可能な流体噴出手段11と、この流体噴出手段11を支持するシリンダ支持部13とを備え、この流体噴出手段11がシリンダ支持部13を移動可能に構成されており、この流体噴出手段11から噴出される流体として空気(本発明の「第一流体」に相当)が供給され、このシリンダ支持部13にて流体噴出手段11を移動させる駆動源として空気(本発明の「第二流体」に相当)が供給されるべく構成されている。
流体噴出手段11は、シリンダ支持部13上を移動可能に構成されたスライド部11Aと、このスライド部11A上に固定して配設可能な流体供給部11Cと、この流体供給部11Cに供給された空気を噴出させ得る流体噴出部11Bと、流体供給部11Cから流体噴出部11Bに空気を連通させるアーム部11D等とを用いて構成されている。流体供給部11Cに対しては、コンプレッサ(図示省略)から供給される空気を導入すべく、噴出用流体導入経路部12が接続されている。
本実施例において、流体噴出部11Bとアーム部11Bとは一体的に構成されており、流体供給部11Cから空気等の流体が供給されると、流体噴出部11Bの先端からは流体が噴出され、流体噴出部11Bおよびアーム部11Dは矢印R1方向(図1参照)に回転駆動する。
シリンダ支持部13は、上述した流体噴出手段11(を構成するスライド部11A)を軸方向に移動させるべく設けられたガイド部13Aと、このガイド部13Aの一端側に設けられた第一メカニカルバルブ部15と、このガイド部13Aの他端側に設けられた第二メカニカルバルブ部17等とを用いて構成されている。それぞれのメカニカルバルブ部15,17には、スライド部11Aの移動方向を切り替える際のトリガーとなる、スイッチ部(第一スイッチ部15A,第二スイッチ部17A)が設けられている。
また、シリンダ支持部13には、スライド部11Aを駆動させるための駆動源として用いる空気を導入すべく、シリンダ用第一流体導入経路部14Aおよびシリンダ用第二流体導入経路部14Bが設けられている。この図1においては、省略しているが、このシリンダ支持部13に接続されている流体導入経路部14A,14Bの他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
さらに、第一メカニカルバルブ部15には、バルブ用第一流体導入経路部16Aおよびバルブ用第二流体導入経路部16Bが設けられ、第二メカニカルバルブ部17には、バルブ用第三流体導入経路部18Aおよびバルブ用第四流体導入経路部18Bが設けられている。第一メカニカルバルブ部15に接続されている流体導入経路部16A,16Bのいずれか一方の他端(省略部分)、および第二メカニカルバルブ部17に接続されている流体導入経路部18A,18Bのいずれか一方の他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
流体方向切替部(図示省略)とは、シリンダ支持部13上に設けられた流体噴出手段11(スライド部11A)の移動方向(矢印X11方向あるいは矢印X12方向(図1参照))を切り替えるために設けられた装置であって、本実施形態においては、流体導入経路部14A,14Bの他端(省略部分)、流体導入経路部16A,16Bのいずれか一方の他端(省略部分)、および流体導入経路部18A,18Bのいずれか一方の他端(省略部分)が接続されている。そして、この流体方向切替部は、メカニカルバルブ部15,17に対する接触状態に起因した流体(空気)の流通状態の変化に応じて、流体導入経路部14A,14Bに対する空気の流通状態を制御し、シリンダ支持部13上に設けられた流体噴出手段11(スライド部11A)の移動方向を切り替えるべく機能する。
本実施形態にかかる第一流体噴出装置10は、以上のように構成されており、この構成に基づき、次のように機能する。
本実施形態にかかる第一流体噴出装置10においては、噴出用流体導入経路部12を介して流体供給部11Cに空気(圧縮空気)が導入されることによって、流体噴出部11Bの先端からは流体が噴出され、流体噴出部11Bおよびアーム部11Bは矢印R1方向(図1参照)に回転駆動する。
また、シリンダ支持部13に接続されたシリンダ用第一流体導入経路部14Aおよびシリンダ用第二流体導入経路部14Bを介して導入される空気(圧縮空気)を駆動源として、流体噴出手段11(スライド部11A)は、矢印X11方向あるいは矢印X12方向(図1参照)のいずれかの方向に移動する。
さらに、スライド部11Aが移動して、シリンダ支持部13に設けられたメカニカルバルブ15,17のいずれかのスイッチ部15A,17Aに接触した場合には、そのスイッチ部への接触(バルブの開閉処理)をトリガーとして、空気の流れの変化が流体方向切替部(図示省略)へ伝達され、シリンダ支持部13における流体の流動方向を制御し、スライド部11Aを逆方向へ移動させる。
例えば、流体噴出手段11が矢印X11方向への移動を開始して、第一メカニカルバルブ部15の第一スイッチ部15Aにスライド部11Aが接触すると、その後、流体噴出手段11の移動方向が反転し、流体噴出手段11は矢印X12方向への移動を開始する。次いで、流体噴出手段11の移動(矢印X12方向への移動)が継続され、第二メカニカルバルブ部17の第二スイッチ部17Aにスライド部11Aが接触すると、その後、流体噴出手段11の移動方向が反転し、流体噴出手段11は再び矢印X11方向への移動を開始する。
すなわち、本実施形態にかかる第一流体噴出装置10においては、それぞれの流体導入経路部12,14A,14B,16A,16B,18A,18Bに圧縮空気が導入される限り、流体噴出部11Bの先端からの流体噴出(空気噴出)、流体噴出部11Bおよびアーム部11Bの回転駆動(矢印R1方向(図1参照))、および流体噴出手段11(スライド部11A)の往復駆動(矢印X11方向および矢印X12方向)が、継続して行われることとなる。
本実施形態にかかる第一流体噴出装置10は、以上のように構成され機能するため、次のような効果を得ることができる。
このような構成によれば、流体噴出手段11が、流体(圧縮空気)を噴出しながら回転駆動すべく(矢印R1方向に回転駆動すべく)構成されており、その状態で、シリンダ支持部13上を往復動する(矢印X11方向および矢印X12方向に往復動する)。つまり、従来技術のように、噴出手段(例えば、噴出ノズル)を複数設けるのではなく、流体噴出中の流体噴出手段11が回転駆動しながら移動可能に構成されているため、この流体噴出装置10によれば、流体を広範囲(例えば、直線状(一次元方向))に噴出することができる。また、複数の噴出手段を有しないため、本実施形態によれば、流体を効率よく利用することができる。すなわち、本実施形態によれば、効率的に広範囲に流体を噴出することが可能な、第一流体噴出装置10を得ることができる。
さらに、このような構成によれば、流体噴出手段11およびシリンダ支持部13等に対して、圧縮空気を供給することによって装置を駆動等させているため、比較的簡単な構成を有する第一流体噴出装置10を得ることができる。したがって、かかる装置によれば、比較的容易にメンテナンス処理等を行うことができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
図2は、本発明の第二実施形態にかかる流体噴出装置(第二流体噴出装置20)の概略斜視図を示したものである。本実施形態においても、第一実施形態と同様に、一例として、噴出される流体および駆動源として供給される流体が、「空気」である場合について説明する。
この図2に示すように、本実施形態にかかる第二流体噴出装置20は、流体噴出手段31を一軸上に往復運動させる(矢印X21方向および矢印X22方向(図2参照)へ往復運動させる)第一軸駆動手段30と、この第一軸駆動手段30を他軸上(第一軸駆動手段30の駆動方向とは異なる軸上)に往復運動させる(矢印Y21方向および矢印Y22方向(図2参照)へ往復運動させる)第二軸駆動手段40とを用いて構成されている。
より具体的には、本実施形態にかかる第二流体噴出装置20は、流体を噴出可能な流体噴出手段31と、この流体噴出手段31を支持する第一シリンダ支持部33(本発明の「第一支持部」に相当)と、この第一シリンダ支持部33を支持する第二シリンダ支持部43(本発明の「第二支持部」に相当)とを備え、この流体噴出手段31が第一シリンダ支持部33を移動可能に構成され、この第一シリンダ支持部33が第二シリンダ支持部43を移動可能に構成されており、この流体噴出手段31から噴出される流体として空気(本発明の「第一流体」に相当)が供給され、第一シリンダ支持部33にて流体噴出手段31を移動させる駆動源として空気(本発明の「第二流体」に相当)が供給され、第二シリンダ支持部43にて第一シリンダ支持部33を移動させる駆動源として空気(本発明の「第三流体」に相当)が供給されるべく構成されている。
本実施形態にかかる第二流体噴出装置20を構成する第一軸駆動手段30は、流体噴出手段31、および第一シリンダ支持部33(本発明の「第一支持部」「支持部」に相当)等を用いて構成されている。
流体噴出手段31は、第一シリンダ支持部33上を移動可能に構成されたスライド部31Aと、このスライド部31A上に固定して配設可能な流体供給部31Cと、この流体供給部31Cに供給された空気を噴出させ得る流体噴出部31Bと、流体供給部31Cから流体噴出部31Bに空気を連通させるアーム部31D等とを用いて構成されている。流体供給部31Cに対しては、コンプレッサ(図示省略)から供給される空気を導入すべく、噴出用流体導入経路部32が接続されている。
本実施例において、流体噴出部31Bとアーム部31Bとは一体的に構成されており、流体供給部31Cから空気等の流体が供給されると、流体噴出部31Bの先端からは流体が噴出され、流体噴出部31Bおよびアーム部31Dは矢印R2方向(図2参照)に回転駆動する。
第一シリンダ支持部33は、上述した流体噴出手段31(を構成するスライド部31A)を軸方向に移動させるべく設けられたガイド部33Aと、このガイド部33Aの一端側に設けられた第一メカニカルバルブ部35と、このガイド部33Aの他端側に設けられた第二メカニカルバルブ部37等とを用いて構成されている。それぞれのメカニカルバルブ部35,37には、スライド部31Aの移動方向を切り替える際のトリガーとなる、スイッチ部(第一スイッチ部35A,第二スイッチ部37A)が設けられている。
また、第一シリンダ支持部33には、スライド部31Aを駆動させるための駆動源として用いる空気を導入すべく、シリンダ用第一流体導入経路部34Aおよびシリンダ用第二流体導入経路部34Bが設けられている。この図2においては、省略しているが、この第一シリンダ支持部33に接続されている流体導入経路部34A,34Bの他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
さらに、第一メカニカルバルブ部35には、バルブ用第一流体導入経路部36Aおよびバルブ用第二流体導入経路部36Bが設けられ、第二メカニカルバルブ部37には、バルブ用第三流体導入経路部38Aおよびバルブ用第四流体導入経路部38Bが設けられている。第一メカニカルバルブ部35に接続されている流体導入経路部36A,36Bのいずれか一方の他端(省略部分)、および第二メカニカルバルブ部37に接続されている流体導入経路部38A,38Bのいずれか一方の他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
流体方向切替部(図示省略)とは、第一実施形態でも説明したように、第一シリンダ支持部33上に設けられた流体噴出手段31(スライド部31A)の移動方向(矢印X21方向あるいは矢印X22方向(図2参照))を切り替えるために設けられた装置であって、本実施形態においては、流体導入経路部34A,34Bの他端(省略部分)、流体導入経路部36A,36Bのいずれか一方の他端(省略部分)、および流体導入経路部38A,38Bのいずれか一方の他端(省略部分)が接続されている。そして、この流体方向切替部は、メカニカルバルブ部35,37に対する接触状態に起因した流体(空気)の流通状態の変化に応じて、流体導入経路部34A,34Bに対する空気の流通状態を制御し、第一シリンダ支持部33上に設けられた流体噴出手段31(スライド部31A)の移動方向を切り替えるべく機能する。
次に、本実施形態にかかる第二流体噴出装置20を構成する第二軸駆動手段40は、第一軸駆動手段30を設置した状態で移動可能なスライド部41A、および第二シリンダ支持部43(本発明の「第二支持部」「支持部」に相当)等を用いて構成されている。
このスライド部41Aは、流体噴出手段31等を有する第一軸駆動手段30を上部に設置した状態で第二シリンダ支持部43に設けられており、第二シリンダ支持部43上を流体圧力(空気圧力)によって往復動すべく(矢印Y21方向および矢印Y22方向(図2参照)へ往復動すべく)構成されている。
第二シリンダ支持部43は、上述した第一軸駆動手段30を設置したスライド部41Aを軸方向に移動させるべく設けられたガイド部43Aと、このガイド部43Aの一端側に設けられた第三メカニカルバルブ部45と、このガイド部43Aの他端側に設けられた第四メカニカルバルブ部47等とを用いて構成されている。それぞれのメカニカルバルブ部45,47には、スライド部41Aの移動方向を切り替える際のトリガーとなる、スイッチ部(第三スイッチ部45A,第四スイッチ部47A)が設けられている。
また、第二シリンダ支持部43には、スライド部41Aを駆動させるための駆動源として用いる空気を導入すべく、シリンダ用第三流体導入経路部44Aおよびシリンダ用第四流体導入経路部44Bが設けられている。この図2においては、省略しているが、この第二シリンダ支持部43に接続されている流体導入経路部44A,44Bの他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
さらに、第三メカニカルバルブ部45には、バルブ用第五流体導入経路部46Aおよびバルブ用第六流体導入経路部46Bが設けられ、第四メカニカルバルブ部47には、バルブ用第七流体導入経路部48Aおよびバルブ用第八流体導入経路部48Bが設けられている。第三メカニカルバルブ部45に接続されている流体導入経路部46A,46Bのいずれか一方の他端(省略部分)、および第四メカニカルバルブ部47に接続されている流体導入経路部48A,48Bのいずれか一方の他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
なお、流体方向切替部(図示省略)についての説明は、上述したので、ここでは省略する。
本実施形態にかかる第二流体噴出装置20は、以上のように構成され機能するため、次のような効果を得ることができる。
このような構成によれば、流体噴出手段31が、流体(圧縮空気)を噴出しながら回転駆動すべく(矢印R2方向に回転駆動すべく)構成されており、その状態で第一シリンダ支持部33上を往復動する(矢印X21方向および矢印X22方向に往復動する)。加えて、本実施形態によれば、流体噴出手段31を有する第一軸駆動手段が、第二シリンダ支持部43上を往復動(矢印Y21方向および矢印Y22方向に往復動)すべく構成されている。つまり、本実施形態によれば、流体(圧縮空気)噴出中の流体噴出手段31が、第一シリンダ支持部33および第二シリンダ支持部43を介して、二軸上に移動可能に構成されている。したがって、本実施形態にかかる第二流体噴出装置20によれば、流体(圧縮空気)を広範囲(例えば、面状(二次元方向))に噴出することができる。また、複数の噴出手段を有しないため、本実施形態によれば、流体を効率よく利用することができる。すなわち、本実施形態によれば、効率的に広範囲に流体を噴出することが可能な、第二流体噴出装置20を得ることができる。
さらに、このような構成によれば、流体噴出手段31、第一シリンダ支持部33、および第二シリンダ支持部43に対して、圧縮空気を供給することによって装置を駆動等させているため、比較的簡単な構成を有する第二流体噴出装置20を得ることができる。したがって、かかる装置によれば、比較的容易にメンテナンス処理等を行うことができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
図3は、本発明の第三実施形態にかかる流体噴出装置(第三流体噴出装置50)の概略斜視図を示したものである。本実施形態においても、第一実施形態等と同様に、一例として、噴出される流体および駆動源として供給される流体が、「空気」である場合について説明する。
なお、図3に示した第三実施形態と、先に説明した第二実施形態(図2参照)とは、基本的な構成は同様であり、後述する上下動駆動手段60の部分のみの構成が異なる。そこで、図3においては、図面の煩雑化を避けるために、図2と同様の動きを示す「矢印」については、その記載を省略した。したがって、本実施形態においては、必要に応じて、図2を参照しつつ、具体的な構成、機能、および効果についての説明を行う。
この図3に示すように、本実施形態にかかる第三流体噴出装置50は、流体噴出手段61を上下動させ得る上下動駆動手段60と、流体噴出手段61を有する上下動駆動手段60を一軸上に往復運動させる(矢印X21方向および矢印X22方向(図2参照)へ往復運動させる)第一軸駆動手段70と、この第一軸駆動手段70を他軸上(第一軸駆動手段70の駆動方向とは異なる軸上)に往復運動させる(矢印Y21方向および矢印Y22方向(図2参照)へ往復運動させる)第二軸駆動手段80とを用いて構成されている。
より具体的には、本実施形態にかかる第三流体噴出装置50は、流体を噴出可能な流体噴出手段61と、この流体噴出手段61を支持すると共に軸方向に移動させ得る第一シリンダ支持部73(本発明の「第一支持部」に相当)と、この第一シリンダ支持部73を支持すると共に軸方向に移動させ得る第二シリンダ支持部83(本発明の「第二支持部」に相当)と、第一シリンダ支持部73および第二シリンダ支持部83とは異なる軸方向(本実施形態においては上下方向)に、流体噴出手段61を移動させ得る第三シリンダ支持部63(本発明の「第三支持部」に相当)とを備え、この流体噴出手段61から噴出される流体として空気(本発明の「第一流体」に相当)が供給され、第一シリンダ支持部73にて流体噴出手段61を移動させる駆動源として空気(本発明の「第二流体」に相当)が供給され、第二シリンダ支持部83にて第一シリンダ支持部73を移動させる駆動源として空気(本発明の「第三流体」に相当)が供給され、流体噴出手段61を第一シリンダ支持部73および第二シリンダ支持部83とは異なる軸方向(上下方向)に移動させる駆動源として空気(本発明の「第四流体」に相当)が供給されるべく構成されている。
本実施形態にかかる第三流体噴出装置50を構成する上下動駆動手段60は、流体噴出手段61、および第三シリンダ支持部63(本発明の「第三支持部」「支持部」に相当)等を用いて構成されている。
流体噴出手段61は、第三シリンダ支持部63上に上下動可能に構成された上下動部61Aと、この上下動部61A上に固定して配設可能な流体供給部61Cと、この流体供給部61Cに供給された空気を噴出させ得る流体噴出部61Bと、流体供給部61Cから流体噴出部61Bに空気を連通させるアーム部61D等とを用いて構成されている。流体供給部61Cに対しては、コンプレッサ(図示省略)から供給される空気を導入すべく、噴出用流体導入経路部62が接続されている。
本実施例において、流体噴出部61Bとアーム部61Bとは一体的に構成されており、流体供給部61Cから空気等の流体が供給されると、流体噴出部61Bの先端からは流体が噴出され、流体噴出部61Bおよびアーム部61Dは矢印R2方向(図2参照)に回転駆動する。
第三シリンダ支持部63には、上述した流体噴出手段61(を構成する上下動部61A)を上下方向(矢印Z方向(図3参照))に移動させるべく、上下動シャフト部66が設けられている。また、第三シリンダ支持部63には、上下動部61Aを駆動させるための駆動源として用いる空気を導入すべく、シリンダ用第一流体導入経路部64Aおよびシリンダ用第二流体導入経路部64Bが設けられている。この図3においては、省略しているが、この第三シリンダ支持部63に接続されている流体導入経路部64A,64Bの他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
なお、流体方向切替部(図示省略)についての説明は、上述したので、ここでは省略する。
次に、本実施形態にかかる第三流体噴出装置50を構成する第一軸駆動手段70は、上下動駆動手段60を設置した状態で移動可能なスライド部71A、および第一シリンダ支持部73(本発明の「第一支持部」「支持部」に相当)等を用いて構成されている。
このスライド部71Aは、流体噴出手段61等を有する上下動駆動手段60を上部に設置した状態で第一シリンダ支持部73に設けられており、第一シリンダ支持部73上を流体圧力(空気圧力)によって往復動すべく(矢印X21方向および矢印X22方向(図2参照)へ往復動すべく)構成されている。
第一シリンダ支持部73は、上述した上下動駆動手段60を設置したスライド部71Aを軸方向に移動させるべく設けられたガイド部73Aと、このガイド部73Aの一端側に設けられた第一メカニカルバルブ部75と、このガイド部73Aの他端側に設けられた第二メカニカルバルブ部77等とを用いて構成されている。それぞれのメカニカルバルブ部75,77には、スライド部71Aの移動方向を切り替える際のトリガーとなる、スイッチ部(第一スイッチ部75A,第二スイッチ部77A)が設けられている。
また、第一シリンダ支持部73には、スライド部71Aを駆動させるための駆動源として用いる空気を導入すべく、シリンダ用第三流体導入経路部74Aおよびシリンダ用第四流体導入経路部74Bが設けられている。この図3においては、省略しているが、この第一シリンダ支持部73に接続されている流体導入経路部74A,74Bの他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
さらに、第一メカニカルバルブ部75には、バルブ用第一流体導入経路部76Aおよびバルブ用第二流体導入経路部76Bが設けられ、第二メカニカルバルブ部77には、バルブ用第三流体導入経路部78Aおよびバルブ用第四流体導入経路部78Bが設けられている。第一メカニカルバルブ部75に接続されている流体導入経路部76A,76Bのいずれか一方の他端(省略部分)、および第二メカニカルバルブ部77に接続されている流体導入経路部78A,78Bのいずれか一方の他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
なお、流体方向切替部(図示省略)についての説明は、上述したので、ここでは省略する。
次に、本実施形態にかかる第三流体噴出装置50を構成する第二軸駆動手段80は、第一軸駆動手段70を設置した状態で移動可能なスライド部81A、および第二シリンダ支持部83(本発明の「第二支持部」「支持部」に相当)等を用いて構成されている。
このスライド部81Aは、流体噴出手段61等を上部に設けた第一軸駆動手段70を上部に設置した状態で第二シリンダ支持部83に設けられており、第二シリンダ支持部83上を流体圧力(空気圧力)によって往復動すべく(矢印Y21方向および矢印Y22方向(図2参照)へ往復動すべく)構成されている。
第二シリンダ支持部83は、上述した第一軸駆動手段70を設置したスライド部81Aを軸方向に移動させるべく設けられたガイド部83Aと、このガイド部83Aの一端側に設けられた第三メカニカルバルブ部85と、このガイド部83Aの他端側に設けられた第四メカニカルバルブ部87等とを用いて構成されている。それぞれのメカニカルバルブ部85,87には、スライド部81Aの移動方向を切り替える際のトリガーとなる、スイッチ部(第三スイッチ部85A,第四スイッチ部87A)が設けられている。
また、第二シリンダ支持部83には、スライド部81Aを駆動させるための駆動源として用いる空気を導入すべく、シリンダ用第五流体導入経路部84Aおよびシリンダ用第六流体導入経路部84Bが設けられている。この図3においては、省略しているが、この第二シリンダ支持部83に接続されている流体導入経路部84A,84Bの他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
さらに、第三メカニカルバルブ部85には、バルブ用第五流体導入経路部86Aおよびバルブ用第六流体導入経路部86Bが設けられ、第四メカニカルバルブ部87には、バルブ用第七流体導入経路部88Aおよびバルブ用第八流体導入経路部88Bが設けられている。第三メカニカルバルブ部85に接続されている流体導入経路部86A,86Bのいずれか一方の他端(省略部分)、および第四メカニカルバルブ部87に接続されている流体導入経路部88A,88Bのいずれか一方の他端(省略部分)は、いずれも流体方向切替部(図示省略)に接続されている。
なお、流体方向切替部(図示省略)についての説明は、上述したので、ここでは省略する。
本実施形態にかかる第三流体噴出装置50は、以上のように構成され機能するため、次のような効果を得ることができる。
このような構成によれば、流体噴出手段61が、流体(圧縮空気)を噴出しながら回転駆動すべく(矢印R2方向に回転駆動すべく)構成されており、その状態で、第一シリンダ支持部73上を往復動する(矢印X21方向および矢印X22方向に往復動する)と共に、第一シリンダ支持部73は第二シリンダ支持部83上を往復動する(矢印Y21方向および矢印Y22方向に往復動する)。加えて、本実施形態によれば、流体噴出手段61が、第三シリンダ支持部63上にて(上下動シャフト部66の動きに応じて)、上下方向(本発明の「前記第一支持部および前記第二支持部とは異なる軸方向」に相当)に移動すべく構成されている。つまり、本実施形態によれば、流体(圧縮空気)噴出中の流体噴出手段61が、第一シリンダ支持部73、第二シリンダ支持部83、および第三シリンダ支持部63を介して、三軸上に移動可能に構成されている。したがって、本実施形態にかかる第三流体噴出装置50によれば、流体(圧縮空気)を広範囲(例えば、三次元方向)に噴出することができる。また、複数の噴出手段を有しないため、本実施形態によれば、流体を効率よく利用することができる。すなわち、本実施形態によれば、効率的に広範囲に流体を噴出することが可能な、第三流体噴出装置50を得ることができる。
さらに、このような構成によれば、流体噴出手段61、第一シリンダ支持部73、第二シリンダ支持部83、および第三シリンダ支持部63に対して、圧縮空気を供給することによって、装置を駆動等させているため、比較的簡単な構成を有する第三流体噴出装置50を得ることができる。したがって、かかる装置によれば、比較的容易にメンテナンス処理等を行うことができる。
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について説明する。本実施形態は、上述した本発明にかかる流体噴出装置を用いて靴洗浄装置を構成した例を示したものである。以下、第一実施形態にて説明した第一流体噴出装置10を用いて、靴洗浄装置を構成した場合について説明する。
ところで、従来から、靴に付着した汚れを除去するための装置としては、種々の装置が知られており、従来技術にかかる装置の一つとしては、例えば、回転ブラシを用いた装置がある(例えば、特開2005−40252号公報参照)。かかる回転ブラシを用いた装置(以下、「第一従来技術」という。)は、回転ブラシの上部に靴を乗せ、靴底と回転ブラシ(駆動状態にある回転ブラシ)とを接触させて、回転ブラシによって靴底に付着している泥等の異物を除去すべく構成されている。
また、他の装置としては、例えば、エアガンを用いた装置が知られている。かかるエアガンを用いた装置(以下、「第二従来技術」という。)は、手動にてエアガンの空気噴出口を靴底等に近づけ、この空気噴出口から噴出される空気の圧力(空気圧)によって、靴底等に付着している異物を吹き飛ばすべく構成されている。
上記第一従来技術においては、靴底に付着した泥等の異物を除去する際には、常に、靴底と回転ブラシとが接触する。したがって、この第一従来技術によれば、回転ブラシによって靴(特に靴底)を傷めるおそれがある。また、この第一従来技術によれば、回転ブラシが靴底に直接接触する構成であるため、靴底にスパイク部を有する靴等の場合には(靴底が特殊な構成を有する場合には)、使用できないことがある。さらに、この第一従来技術の構成によれば、回転ブラシに目詰まり等が発生し、比較的頻繁にメンテナンス処理を行わなければならないという問題が生ずる。
上記第二従来技術においては、靴底等に付着した異物を除去する際には、エアガンから噴出される空気にて異物を吹き飛ばす。したがって、この第二従来技術によれば、エアガンの周囲に靴底等に付着した異物が飛び散り、この飛び散った異物の清掃処理等を行わなければならないという問題が生ずる。
上述したように、第一従来技術および第二従来技術には、種々の問題が存在するが、本発明にかかる流体噴出装置を用いて靴洗浄装置を構成すれば、これらの問題を解決することができる。すなわち、本発明にかかる流体噴出装置を用いて靴洗浄装置を構成すれば、靴底等を傷めず、特殊な構成を有する靴底にも対応可能で、比較的容易にメンテナンスを行うことができ、除去した異物を適切に収容可能である、靴洗浄装置を得ることができる。
以下、図面に基づき、具体的に説明する。
図4は、本発明の第四実施形態にかかる靴洗浄装置の概略斜視図を示したものである。また、図5は、本発明の第四実施形態にかかる靴洗浄装置の上面図を示したものである。さらに、図6は、本発明の第四実施形態にかかる靴洗浄装置の構成要素を一部取り除いた状態の一部破断図(概略斜視図)を示したものである。また、図7は、本発明の第四実施形態にかかる靴洗浄装置の使用方法に関する説明図を示したものである。さらに、本実施形態にかかる靴洗浄装置は、図1にて説明した第一流体噴出装置10を適用した例を示しているため、第一流体噴出装置10の詳細についての説明は割愛し、必要に応じて、図1も参照する。なお、本実施形態においては、噴出される流体および駆動源として供給される流体として、「圧縮空気」を使用する場合について説明する。
図4等に示すように、本実施形態にかかる靴洗浄装置100は、筐体部101と、この筐体部101の上面に設けられた開閉扉部102と、この筐体部101内に設けられた第一流体噴出装置10と、この第一流体噴出装置10の上方位置に設けられた靴載置部110等とを用いて構成されている。また、靴洗浄装置100を構成する第一流体噴出装置10には、第一流体噴出装置10に空気(圧縮空気)を供給すべく、空気導入経路部(第一空気導入経路部131、第二空気導入経路部132)が接続されている。この空気導入経路部には、空気導入経路部の開閉処理を行うメカニカルバルブ部(始動メカニカルバルブ部150)が設けられている。
筐体部101は、複数の側板部を用いて構成されており、具体的には、図4等に示すように、第一側板部101A、第二側板部101B、および二つの第三側板部101Cを用いて構成されている。なお、この図4等には詳細には示していないが、この筐体部101の底部には、底面板部が設けられている。そして、この底面板部に立設するように、これらの側板部101A,101B,101Cが設けられている。第一側板部101Aおよび第二側板部101Bは、大きさの異なる矩形状に形成されており、第三側板部101Cは、台形状に形成されている。
筐体部101の上面側、すなわち、底面板部と対向する位置には、二つの開閉扉部102が設けられている。これらの開閉扉部102は、可撓性および柔軟性を有する材料(例えば、スポンジ等)から成る扉本体部103と、この扉本体部103の表面に設けられた平板状(例えば、アルミ板等)の扉表面部104とを用いて構成されている。扉表面部104には、靴洗浄装置100内に靴を挿入した際に扉本体部103の該当箇所(靴挿入部)が撓むことができるように、湾曲開口部104Aが形成されている。また、各開閉扉部102は、それぞれ二つの蝶番部105を用いて、第三側板部101Cに対して回動可能に取り付けられている。さらに、これらの開閉扉部102は、靴載置部110の動きに応じて、開閉すべくバネ部材(図示省略)等を用いて連結構成されている。また、これらの開閉扉部102は、靴載置部110と連結された状態では、通常、開放状態に付勢されており、これらの開閉扉部102を閉塞状態に保持する場合には、第二側板部101Bに設けられた扉留め具106にて、二つの開閉扉部102を係止する必要がある。
靴載置部110は、靴を載置可能であると共に、流体噴出手段11から噴出される圧縮空気が靴載置部110を通して靴に衝突可能であるように構成されている。そこで、本実施形態にかかる靴載置部110は、複数の棒状部材を用いた枠体として構成されている。より具体的には、靴が入り込まない程度の間隔を設けて複数の棒状部材を配置して、靴載置部110が構成されている。このような構成であれば、適切に靴を載置することが可能であると共に、靴載置部110の下方位置に設けられた流体噴出手段11から噴出された圧縮空気についても、棒状部材の隙間から適切に靴に衝突させることができる。また、この靴載置部110は、上述したように、開閉扉部102と連動すべく構成されている。
本実施形態においては、図4等に示すように、筺体部101内に第一流体噴出装置10が設けられており、この第一流体噴出装置10には、靴洗浄装置100の外部に設けられたコンプレッサ(図示省略)から圧縮空気が供給される。このコンプレッサから供給された圧縮空気は、筺体部101内に設けられた流体方向切替部160等を用いて、適宜、噴出用および駆動源用として使用される。
より具体的には、図6に示すように、コンプレッサ(図示省略)に連通している第一空気導入経路部131が筺体部101内に配設され、この第一空気導入経路部131と筺体部101内の第二空気導入経路部132(バルブ用第二流体導入経路部16B)とが、始動メカニカルバルブ150を介して接続されている。第二空気導入経路部132は、図1におけるバルブ用第二流体導入経路部16Bに相当し、このバルブ用第二流体導入経路部16Bは、第一メカニカルバルブ部15に接続される。また、この第二空気導入経路部132は、複数の導入経路部に分岐され、その一つが噴出用流体導入経路部12として流体噴出手段11の流体供給部11Cに接続され、他の一つがバルブ用第三流体導入経路部18Aとして第二メカニカルバルブ部17に接続される。さらに、第一メカニカルバルブ部15に接続されているバルブ用第一流体導入経路部16A、第二メカニカルバルブ部17に接続されているバルブ用第四流体導入経路部18B、シリンダ指示部13に接続されているシリンダ用第一流体導入経路部14Aおよびシリンダ用第二流体導入経路部14Bは、それぞれの端部が、流体方向切替部160に接続されている。
また、上述したメカニカルバルブ部15,17,150は、それぞれ空気導入経路部の開閉処理を行うべく構成されており、流体方向切替部160は、メカニカルバルブ部15,17に対する接触状態に起因した流体(空気)の流通状態の変化に応じて、流体導入経路部14A,14Bに対する空気の流通状態を制御し、シリンダ支持部13上に設けられた流体噴出手段11(スライド部11A)の移動方向を切り替えるべく構成されている。
さらに、本実施形態にかかる靴洗浄装置100においては、筐体部101内部に連通すべく、パイプ等にて構成された吸引部140が設けられている。この吸引部140の一方は、上述したように、筐体部101内部に連通しており、他方は、靴洗浄装置100外部の吸引手段(図示省略)に接続されている。このような構成であるため、本実施形態においては、必要に応じて(連続的、あるいは任意に)、吸引手段を駆動させることによって、吸引部140を介して、靴洗浄装置100(を構成する筐体部101)内の異物を靴洗浄装置100外に取り出すことが可能となる。
本実施形態にかかる靴洗浄装置100は、以上のように構成されており、靴洗浄装置100を構成する空気導入経路部(第一空気導入経路部131)にコンプレッサ(図示省略)を接続することにより、空気(圧縮空気)のみを動力源として靴洗浄装置100を駆動させることが可能となる。以下、図7等を用いて、本実施形態にかかる靴洗浄装置100の使用方法について説明する。
本実施形態にかかる靴洗浄装置100が未使用時の場合には、図7(a)に示すように、二つの開閉扉部102は閉塞され、これらの開閉扉部102が開放状態とならないように、扉留め具106によって開閉扉部102が係止される。また、靴洗浄装置100未使用時には、第一空気導入経路部131もコンプレッサに接続する必要はない。
次いで、靴洗浄装置100を使用する場合には、図7(b)に示すように、事前に扉留め具106を回動させて、開閉扉部102の係止状態を解除する。開閉扉部102は、靴載置部110と付勢バネ部303等(図7(c)のB部拡大図(図7の右下の「B部」)参照)を用いて連結構成されているため、扉留め具106を解除すると、図7(b)に示すように、開放状態となる。また、靴洗浄装置100を使用する場合には、事前に第一空気導入経路部131をコンプレッサに接続する。
次いで、靴洗浄装置100使用時には、図7(c)の左図(側面図)および右図(正面図)に示すように、足F0に靴S0を履いた状態で、靴S0を靴載置部110に載置した後、靴載置部110を踏み込む。この図7(c)においては、靴載置部110を踏み込む前の状態を二点鎖線(仮想線)で示し、靴載置部110を踏み込んだ状態を実線で示している。
図7(b)でも示したように、使用前、開閉扉部102は開放状態にあるため、靴S0は容易に筐体部101内の靴載置部110に載せることができる。そして、靴載置部110に靴S0を載せた状態で足F0を踏み込むと(F0→F1、S0→S1)、靴載置部110が下方に押下されると共に、この靴載置部110の動きに連動して開閉扉部102が閉じる方向に動き出し、靴載置部110が所定位置(靴載置部110と始動メカニカルバルブ部150とが接触して、始動メカニカルバルブ部150にて空気導入経路部を開放状態とする位置)まで踏み込まれると(図7(c)の足F1および靴S1の位置まで踏み込まれると)、開閉扉部102は閉塞状態となる。開閉扉部102を構成する扉本体部103は可撓性材料を用いて構成され、扉表面部104には湾曲開口部104Aが形成されているため、筐体部101内に足を入れた状態で開閉扉部102が閉塞されても、扉本体部103の中央部分が撓み、使用者の足および靴にストレスはかからない。
図7(c)および図7(d)に示すように、使用者が靴S1を履いた状態で足F1を踏み込むと、靴載置部110が押下して、靴載置部110と始動メカニカルバルブ部150とが接触し、始動メカニカルバルブ部150が開放状態となり、空気導入経路部(第一空気導入経路部131および第二空気導入経路部132)を介して、圧縮空気が流体噴出手段11に供給されることとなる。流体噴出手段11に供給された圧縮空気は、図7(d)に示すように、流体噴出部11Bから上方に噴出され、流体噴出部11Bおよびアーム部11Dは矢印R1方向に回転駆動する。加えて、流体噴出手段11は、シリンダ支持部13上を往復動する(矢印X11方向および矢印X12方向に往復動する)こととなる。本実施形態によれば、このようにして噴出される圧縮空気によって、靴S1(特に靴底)に付着している異物が除去されることとなる。
また、本実施形態においては、流体噴出部11Bから圧縮空気が噴出される際には、吸引部140も同時に駆動すべく構成されている。したがって、圧縮空気によって靴S1から除去された異物は、筐体部101内に収容された後、吸引部140から靴洗浄装置100外に取り出されることとなる。つまり、本実施形態にかかる靴洗浄装置100によれば、靴S1から除去された異物は、靴洗浄装置100の周囲に飛散することなく、適切に収容された後、廃棄される。
なお、靴載置部110に対する靴S1(足F1)の踏み込み状態を解除すれば(すなわち、靴S1を靴載置部110から取り除く方向に動かせば)(F1→F0、S1→S0)、靴載置部110と始動メカニカルバルブ部150とが非接触状態となって空気導入経路部が閉塞されるため、第一流体噴出装置10に対する圧縮空気の供給が停止されることとなる。そうすると、流体噴出部11Bからの圧縮空気の噴出が停止すると共に、流体噴出手段11の往復運動も停止する。また、バネ部材の付勢力により、靴載置部110の動きに対応して開閉扉部102が開く方向に動き出し、靴載置部110から靴が取り除かれれば、開閉扉部102は開放状態となる。
ここで、開閉扉部102、靴載置部110、および始動メカニカルバルブ部150の構成をもう少し詳しく説明すると、これらは、図7(c)右図のA部拡大図(図7の右下の「A部」)、および図7(c)左図のB部拡大図(図7の右下の「B部」)に示すように構成されている。
これらの拡大図に示すように、靴載置部110は、複数の棒状部材を用いて構成された靴載置本体部110Aと、この靴載置本体部110Aを配置可能な靴載置外枠部110Bと、この靴載置外枠部110Bに設けられたバネ抑え部110Cと、この靴載置外枠部110Bに設けられたスイッチ接触部110Dとを用いて構成されている。
また、開閉扉部102の扉表面部104の下側(閉塞状態となったときの筺体部101内側)には、扉可動支持部201が設けられており、この扉可動支持部201には、シャフト部202が取り付けられている。このシャフト部202には、バネ抑え部110Cと可動バネ部203とが連通されており、この可動バネ部203は、シャフト部202の下部に固着されたバネ支持部204とバネ抑え部110Cとの間に保持されている。
さらに、靴載置外枠部110Bの下方部には、付勢バネ部303が設けられており、靴載置部110が踏み込まれていない場合(靴が載置されていない場合)には、この付勢バネ部303の付勢力によって靴載置部110は上方向に付勢され、それに伴い、シャフト部202も上方向に移動し、開閉扉部102は開放状態となる。
そして、靴載置部110が踏み込まれることによって、靴載置部110が下方向に移動し、それに伴い、開閉扉部102が閉じる方向に移動する。本実施形態においては、靴載置部110が完全に踏み込まれた状態となった位置で、スイッチ接触部110Dと、始動メカニカルバルブ部150の始動スイッチ部150Aとが接触すべく構成されている。靴載置部110が踏み込まれて、始動スイッチ部150Aがスイッチ接触部110Dにて押圧されると、始動メカニカルバルブ部150が開放され、第一空気導入経路部131と第二空気導入経路部132とが連通し、第一流体噴出装置10に対してコンプレッサから圧縮空気が供給されることとなる。圧縮空気が供給されてからの第一流体噴出装置10の動きは上述した通りである。スイッチ接触部110Dと始動スイッチ部150Aとが非接触状態になれば、始動メカニカルバルブ部150が閉塞され、第一流体噴出装置10に対する圧縮空気の供給は停止される。
本実施形態にかかる靴洗浄装置100は、以上のように構成され機能するため、次のような効果を得ることができる。
本実施形態にかかる靴洗浄装置100は、靴の周囲を覆う筐体部101と、この筐体部101の上面に設けられた開閉扉部102と、この筐体部101内に設けられた第一流体噴出装置10と、この第一流体噴出装置10の上方位置に設けられた上下動可能な靴載置部110とを備え、この靴載置部110を靴にて押下することにより、開閉扉部102が閉塞し、第一流体噴出装置10から空気が噴出されるべく構成されている。また、本実施形態においては、筐体部101内にて靴から除去された異物を筐体部101外へ取り出して適切に収容すべく、筐体部101に吸引部140が設けられている。
このような構成によれば、第一流体噴出装置10から噴出される空気によって靴の洗浄処理が行われる。つまり、空気圧により非接触状態で靴の洗浄処理が行われるため、靴底等を傷めず、特殊な構成を有する靴底にも対応可能となる。
また、このような構成によれば、第一流体噴出装置10から噴出される空気によって靴の洗浄処理が行われるため、第一流体噴出装置10(を成す流体噴出手段11)に対して異物等が混入することは殆どない。したがって、この装置自体については、比較的容易にメンテナンスを行うことができる。
さらに、このような構成によれば、靴載置部110が押下され、この靴載置部110の動きに対応して開閉扉部102が閉塞されることによって、筐体部101と開閉扉部102により密閉空間が構成されることとなる。そして、この密閉空間内において靴に付着した異物が空気圧によって除去される。したがって、このような構成によれば、靴から除去された異物が周囲に飛び散ることはなく、靴から除去された異物を適切に収容することが可能となる。また、本実施形態においては、吸引部140を筐体部101に設けているため、除去した異物をより適切に収容することができる。
また、本実施形態にかかる靴洗浄装置100は、第一流体噴出装置10に接続された空気導入経路部131,132と、空気導入経路部131,132に設けられ、空気導入経路部131,132の開閉処理を行う始動メカニカルバルブ部150とを備え、靴載置部110と始動メカニカルバルブ部150とが非接触状態にある場合には空気導入経路部131,132が閉塞状態となり、靴載置部110が下方に移動して、靴載置部110と始動メカニカルバルブ部150とが接触状態にある場合には空気導入経路部131,132が開放状態となるべく構成されている。
このような構成によれば、空気(圧縮空気)のみを動力源として靴洗浄装置100を駆動させることが可能となる。具体的には、本実施形態にかかる靴洗浄装置100は、空気導入経路部131,132を介して第一流体噴出装置10に圧縮空気が供給されるべく構成されており、空気導入経路部131,132に設けられた始動メカニカルバルブ部150にて(始動メカニカルバルブ部150に対する靴載置部110の接触状態に応じて)、空気導入経路部131,132の開閉処理が行われる。つまり、このような構成によれば、靴洗浄装置100内の筐体部内101の靴載置部110に靴を載置して、靴載置部110を押下することによって開閉扉部102が閉塞し、靴載置部110が始動メカニカルバルブ部150に接触することによって、靴載置部110の下方位置に設けられた第一流体噴出装置10から、密閉空間(筐体部101と開閉扉部102とから成る密閉空間)内に圧縮空気が噴出されることとなる。また、靴載置部110から靴を取り除くことにより、第一流体噴出装置10への圧縮空気の供給が停止すると共に、開閉扉部102も開放状態となる。
すなわち、本実施形態によれば、空気のみを動力源として、特別なスイッチ等を設けることなく、靴載置部110に対する足の出し入れのみで駆動状態を制御可能な靴洗浄装置100を構成することができる。したがって、このような構成によれば、空気のみを動力源として、接続等の構成が簡単で且つ安全性に優れた靴洗浄装置100を得ることができる。
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態にかかる靴洗浄装置100においては、靴載置部110の踵部分(踵載置部分)を支点としてつま先部分(つま先載置部分)が可動する構成、すなわち、靴載置部110のつま先部分の動きによって開閉扉部102を閉塞させると共に、この靴載置部110のつま先部分にて始動メカニカルバルブ部150の始動スイッチ部150Aを押圧する場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されず、靴載置部110の動きに応じて、開閉扉部102が開閉されると共に、始動スイッチ部150AのON/OFFがなされるものであれば、どのような構成であってもよい。したがって、例えば、靴載置部110のつま先部分(つま先載置部分)を支点として踵部分(踵載置部分)が可動し、この踵部分の動きに応じて、開閉扉部102が開閉されると共に、始動スイッチ部150AのON/OFFがなされる構成であってもよい。また、必要に応じて、靴載置部110の踵部分およびつま先部分の両方が可動し、これらの動きに応じて、開閉扉部102が開閉されると共に、始動スイッチ部150AのON/OFFがなされる構成であってもよい。
また、上記実施形態においては、流体噴出手段11,31,61を構成する流体噴出部11B,31B,61Bから噴出される流体の噴出方向については、特に言及しなかったが、この流体噴出方向は、必要に応じて、種々の変更が可能である。つまり、両方の流体噴出部11B,31B,61Bが略垂直上方に流体を噴出する構成も、両方の流体噴出部11B,31B,61Bがそれぞれ外側上方に流体を噴出する構成も、両方の流体噴出部11B,31B,61Bのうち、一方が外側上方に流体を噴出し、他方が内側(流体供給部11C,31C,61C側)上方に流体を噴出する構成も、本発明の技術的範囲に属する。
例えば、上記実施形態にかかる靴洗浄装置100においては、靴底面を効果的に洗浄するために、両方の流体噴出部11Bのうち、一方が外側上方に流体を噴出し、他方が内側(流体供給部11C側)上方に流体を噴出する構成とすることが好ましい。
さらに、上記実施形態においては、流体噴出手段11,31,61が二つの流体噴出部11B,31B,61Bを有する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、一つあるいは三つ以上の流体噴出部を有する流体噴出手段としてもよい。
また、上記実施形態においては、一つの流体噴出手段11,31,61が往復動等する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、二つ以上の流体噴出手段を設ける構成としてもよい。
さらに、上記実施形態においては、噴出流体および駆動源として供給される流体として、空気(圧縮空気)を用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、噴出流体および駆動源として供給される気体としては、水、水と空気の混合流体、洗剤、洗剤を含有する水溶液等、どのような「流体」であっても適用可能である。
また、上記実施形態においては、噴出流体と駆動源として供給される流体とが、同一の流体(圧縮空気)である場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、噴出流体として洗剤を含有する水溶液を用い、駆動源流体として空気を用いてもよい。すなわち、異なる流体を用いて、流体噴出装置を駆動させるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態においては、本発明にかかる流体噴出装置を靴洗浄装置に適用する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、本発明にかかる流体噴出装置は、種々の装置に適用・応用が可能である。例えば、食物洗浄装置、機械部品洗浄装置、加工装置等にも適用可能である。