JP5284743B2 - 格子パネル及び格子パネルの作成方法 - Google Patents

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本発明は、工場や住宅地の敷地境界部や隣地境界部に設置されるフェンス用のパネルとして用いられる格子パネルに関するものである。
一般に、工場や住宅地の敷地境界部や隣地境界部に設置されるフェンスは、適宜間隔をあけて立設された支柱にパネルを架設するものであり、パネルと支柱とが一定面内に配置される固定柱タイプと、パネルが支柱の前面或いは背面に配置される自由柱タイプとが主に用いられている。
固定柱タイプのフェンスとしては、横線材と縦線材とを格子状に組んでフェンスを構成し、支柱から側方に受け金具を突設し、受け金具の表面に押板をねじ具にて固着し、押板に縦線材支持用凹部を設け、フェンスの縦線材を押板の縦線材支持用凹部と受け金具とで挾持するフェンスの支柱への取り付け構が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
又、自由柱タイプのフェンスとしては、支柱間に線材を縦横方向に配置したフェンスを取付けるためのフェンス取付装置において、フェンスを構成する横線材を支柱に掛止するボルトであって、ボルト捩子部の他端近くの軸部を折曲して鉤部を形成した略L字形のボルトと、前記ボルトを挿通させるため支柱に形成した係合穴とより構成し、前記ボルトの鉤部の近くの軸部に突起を形成し、係合穴に前記突起を挿通可能で、かつボルトの回転を拘束する切欠を形成したフェンス取付装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)
実開昭64−50564号公報 特開平10−292679号公報
ところで、一般に、フェンス用パネルの横幅は、自由柱タイプと固定柱タイプによってことなることが多い。これは、自由柱タイプにおいては、フェンス用パネルは横方向に連続して配置されるため、パネルの横幅も一定であることが多いが、固定柱タイプにおいては、支柱の間隔は一定間隔で配置されることが多いのに対して、支柱の間に取付けられるパネルは、支柱の横幅や取付方法により、ほぼ連続的に配置される場合や、支柱の横幅分の間隔をあけて配置される場合があり、パネルの横幅が一定ではない。一方、パネルにおいて多く用いられる縦線材と横線材とからなる格子状のパネルは、縦線材の配置間隔が均等となされているものが多いため、取付ける支柱のタイプや形状に応じて、配置間隔を変更してパネルを製造することは煩わしいものであった。又パネルの横幅を長めに製造し、短いパネルが必要な場合に一端を切断して長さ調整することも可能であるが、横線材が櫛状に突出した状態となり、パネルを設置する作業者の服等に前記横線材が引っ掛かる恐れがあり、その点が問題であった。
本発明は、前記の如き問題点を解消し、施工場所や施工条件に応じて格子パネルの横幅の長さ調整が容易になされる格子パネルを提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係る格子パネルは、適宜間隔をおいて立設される支柱と前記支柱に支持されて左右方向に延設され多本数の縦線材と横線材とが直交して格子状に配列された格子パネルとを用いて形成されるフエンスに用いられる前記格子パネルであって、該格子パネルは、複数の縦線材を一定の間隔で配列した中央部の両側に、同じく複数の縦線材を一定の間隔で配列した側端部を左右に形成し、かつ、前記左右の側端部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔を中央部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔と異なるようにしたことを特徴とするものである。
また本発明に係る格子パネルの作成方法は、適宜間隔をおいて立設される支柱と前記支柱に支持されて左右方向に延設され多本数の縦線材と横線材とが直交して格子状に配列された格子パネルとを用いて形成されるフエンスに用いられる前記格子パネルの作成方法であって、該格子パネルは、複数の縦線材を一定の間隔で配列した中央部の両側に、同じく複数の縦線材を一定の間隔で配列した側端部を左右に形成し、かつ、前記左右の側端部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔を中央部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔と異なるようにし、作成する格子パネルの左右の横幅寸法を、中央部における縦線材の前記間隔で調整せずに、側端部における縦線材の前記間隔で調整するようにしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、縦線材を一定の間隔で配列した中央部の両側に、同じく縦線材を一定の間隔で配列した側端部を形成し、前記側端部における縦線材の間隔を中央部における縦線材の間隔と異なるようにしているので、格子パネルの横幅の長さ調整が必要な時は、格子パネルの両側端部の縦線材間の間隔のみを調整すればよく、製造が容易となる。加えて、前記側端部における縦線材の間隔が複数形成されているので、最側端部に1個の縦線材の間隔のみで調整する場合に比べて、調整した後の間隔の寸法の違いが目立ちにくくなる。
本発明に係る格子パネルにおいて、前記中央部における縦線材の間隔と前記側端部における縦線材の間隔差は、縦線材の直径よりも小さくすれば、中央部における縦格子の間隔と側端部における縦格子の間隔との差が視認されにくくなり、景観性の低下を抑えることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
すなわち、図1は本発明に係る格子パネルの第1の実施形態を示す正面図、図2は図1の側面図、図3は図1の変形を示す部分拡大図、図4は図1の他の変形を説明する説明図、図5は図1の格子パネルを用いたフェンスの実施の一形態を示す正面図、図6は本発明に係る格子パネルの第2の実施形態を示す正面図である。
図面において、1は縦線材、2は横線材であり、本発明に係る格子パネルPは、縦線材1と横線材2とから主に構成され、縦線材1と横線材2とが格子状に配置されたものである。
図1〜2は、格子パネルの第1の実施形態を示す説明図であり、図1はその正面図、図2はその側面図である。本形態に係る格子パネルPは、多本数の金属製の縦線材1と横線材2とを互いに略直交して配置し、その交点を溶接して互いに接合されたものである。縦線材1及び横線材2は、一般には、鋼線材が用いられるが、アルミニウム合金やステンレス鋼等の他の金属を用いたものでもよい。又、縦線材1及び横線材2に亜鉛めっきを施し、更に合成樹脂を被覆すれば、耐食性等の向上が図れるので好適に用いられるが、ステンレス鋼等の耐食性が優れたものを用いる場合は、めっきや合成樹脂による被覆がなくてもよい。
又、縦線材1及び横線材2は、本実施形態では同径の同材料が用いられている。これにより、格子パネルPをフェンス等に用いた場合、格子パネルPに衝撃により応力が加わっても、局所的には縦線材1及び横線材2に生じる歪みは同程度であり、応力が解除されれば、前記歪みが同程度解消されるので、歪みよる変形等を低減させることができる。尚、格子パネルPの強度や剛性を考慮して、一部に直径の異なる線材を用いてもよく、或いは、縦線材1及び横線材2として互いに直径の異なる線材を用いてもよい。
格子パネルPの上端部及び下端部には、胴縁が形成されている。本形態では、図2に示すように上胴部11は縦線材1の上部が折り曲げられて断面コ字状に形成され、下胴縁12は縦線材1の下部が折り曲げられて断面L字状に形成されたものである。胴縁の形状は、本形態に限定されるものではなく、例えば、断面円形状、三角形状、四角形状等の多角形状等でもよく、上下胴縁の形状が本形態のように異なったものでもよく、同様な形態であってもよく、格子パネルPの剛性を高め、捻れや歪み等の不具合が生じにくいようになされたものが好ましいが、胴部がない形態でもよく、或いは格子パネルPと別体の胴縁が取付けられたものでもよい。
次に、隣り合う縦線材1の間隔について詳しく説明する。隣り合う縦線材1の間隔は、格子パネルPの中央部Cの間隔は一定の第1の間隔L1となされ、格子パネルPの両側の側端部Sの間隔は、第1の間隔L1とは異なる一定の第2の間隔L2となされている。すなわち、必要とされる格子パネルPの横幅に応じ、格子パネルPの横幅を広げるときは、第2の間隔L2を広く設定し、逆に格子パネルPの横幅を狭めるときは、第2の間隔L2を狭く設定するものである。これにより、第1の間隔L1はそのままで、第2の間隔L2のみを調整することにより、格子パネルPの横幅を調整することができるので、必要とされる横幅に併せた格子パネルPの製造が容易となる。
又、格子パネルPの側端部Sは、最側端の縦線材1と他の複数個の縦線材1とを備え、これらの縦線材1により横方向に複数の第2の間隔L2が形成されている。これにより、複数の第2の間隔L2で吸収する間隔の増減分が分散され、第1の間隔L1と第2の間隔L2との寸法差が目立ちにくくなる。
図1に示された格子パネルPは、隣り合う縦線材1の間隔について、第2の間隔L2は、第1の間隔L1より狭くなされたものである。そして、第2の間隔L2は、横方向に4個並んで形成されている。第2の間隔L2は、横方向に多く形成されるほど、第1の間隔L1との寸法の差を小さくすることが可能となり、第1の間隔L1と第2の間隔L2との差が外観上目立ちにくくなるので好ましいが、あまり多くすると、格子パネルPを製造する際の縦線材1の格子間隔の調整に手間が掛かるので、第2の間隔L2は、横方向に2個以上形成し、格子パネルPの製造に大きな影響が出ない範囲で適宜設定すればよい。
格子パネルPの左右の側端部Sにおいて、本形態では、左側端部Sと右側端部Sとの第2の間隔L2は一定となされ、又第2の間隔L2の横方向の形成数も左側端部Sと右側端部Sとでは同数ある。この構造により、左右対称形状となり、左右で重量の偏りがなく、又縦線材の配置間隔の設計も容易となり好ましいが、格子パネルPの調整すべき寸法や製造方法等に応じて、第2の間隔L2が左側端部Sと右側端部Sとで一定でなくてもよく、又第2の間隔L2の横方向の形成数も左側端部Sと右側端部Sとで一定でなくてもよい。
尚、第1の間隔L1は一定となされているが、第1の間隔L1は完全に一定でなくてもよく、縦線材1の配置誤差や、縦線材1と横線材2との接合場所の誤差等により、多少誤差があっても、外観上一定の間隔に視認されればよい。又、第2の間隔L2も第1の間隔L1と同様である。
図3は、図1に示された格子パネルPの変形を示す部分拡大図である。本形態に係る格子パネルPにおいて、第1の間隔L1と第2の間隔L2との寸法の差は、縦線材1の直径Dよりも小さくなされている。これにより、第1の間隔L1と第2の間隔L2との寸法の差は、外観上、より目立ちにくくなるなり好ましい。
図4は、図1に示された格子パネルPの変形の部分分解図を示すものであり、格子パネルPにおいて、中央部Cの縦線材1のみが配置されたものである。この側端部Sに縦線材1が配置されていないパネルQを予め作成しておけば、格子パネルPの必要とされる横幅に応じて、パネルQの側端部Sの縦線材1を後から配置し、第2の間隔L2を調整して必要とされる格子パネルPを作成することができる。本形態に係るパネルQの横幅を長めにしておけば、必要とされる格子パネルPの横幅の調整幅を大きく取ることができる。
図5は、本形態に係る格子パネルPを用いたフェンスFの実施の一形態を示す正面図である。本形態におけるフェンスFは、適宜間隔をおいて立設された支柱3の間に格子パネルPが架設された、いわゆる固定柱タイプのフェンスである。本形態において支柱3は、背面板31の中央から前方に向けて垂直板32が配置された平面視T字状の支柱であり、背面板31の両側に取付けられた取付金具33を介して格子パネルPが支柱3の間に架設されたものである。尚、支柱3は、例えば、断面円形の円柱状のものでもよく、断面四角形の角柱状のものでもよいが、一般に、固定柱タイプのフェンスは、支柱の形状によらず支柱の間隔は同じであることが多い。この場合は、支柱の断面形状により、隣り合う支柱の間の内寸法は異なるので、前記寸法に応じて格子パネルPの側端部Sの縦格子の間隔である第2の間隔L2を適宜増減させて、格子パネルPを支柱3の間に架設すればよい。尚、いわゆる自由柱タイプ支柱に格子パネルPを取付けてのフェンスFを構成してもよい。
図6は、本発明に係る格子パネルPの第2の実施形態を示すものであり、図1に示された格子パネルPに対して、側端部Sの縦線材1の間隔である第2の間隔L2が、中央部Cの縦線材の間隔である第1の間隔L1よりも大きくなされた点が主に異なるものであり、他は同様な形態である。
本発明に係る格子パネルの第1の実施形態を示す正面図である。 図1の側面図である。 図1の変形を示す部分拡大図である。 図1の他の変形を示す部分分解図である。 図1の格子パネルを用いたフェンスの実施の一形態を示す正面図である。 本発明に係る格子パネルの第2の実施形態を示す正面図である。
符号の説明
1 縦線材
2 横線材
C 中央部
D 縦線材の直径
L1 第1の間隔
L2 第2の間隔
P 格子パネル
Q パネル
S 側端部S

Claims (2)

  1. 適宜間隔をおいて立設される支柱と前記支柱に支持されて左右方向に延設され多本数の縦線材と横線材とが直交して格子状に配列された格子パネルとを用いて形成されるフエンスに用いられる前記格子パネルであって、
    該格子パネルは、複数の縦線材を一定の間隔で配列した中央部の両側に、同じく複数の縦線材を一定の間隔で配列した側端部を左右に形成し、かつ、前記左右の側端部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔を中央部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔と異なるようにしたことを特徴とする格子パネル。
  2. 適宜間隔をおいて立設される支柱と前記支柱に支持されて左右方向に延設され多本数の縦線材と横線材とが直交して格子状に配列された格子パネルとを用いて形成されるフエンスに用いられる前記格子パネルの作成方法であって、
    該格子パネルは、複数の縦線材を一定の間隔で配列した中央部の両側に、同じく複数の縦線材を一定の間隔で配列した側端部を左右に形成し、かつ、前記左右の側端部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔を中央部における隣り合う縦線材ごとに形成される間隔と異なるようにし、作成する格子パネルの左右の横幅寸法を、中央部における縦線材の前記間隔で調整せずに、側端部における縦線材の前記間隔で調整するようにしたことを特徴とする格子パネルの作成方法。
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