JP5283364B2 - センシング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エバネッセント光を利用して、被検出物質の検出を行うセンシング装置に関するものである。
屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質に、光が入射する場合、その入射角を臨界角以上にすると、2つの媒質の界面において光が全反射する。その際に、光の1波長程度まで低媒質側に浸透するエバネッセント光が発生することが知られている。このエバネッセント光が発生する領域(以下、エバネッセント領域という)は、界面、すなわち光の反射面から1波長程度と非常に狭い領域であるため、エバネッセント光を利用することにより、エバネッセント領域に相当する界面近傍の領域の状態を観測することができる。
エバネッセント光の利用例として、金属微粒子等の光散乱標識により標識された被検出物質をエバネッセント領域に保持し、光散乱標識によって散乱されたエバネッセント光の散乱光を検出することにより、被検出物質の有無、あるいは被検出物質の量を測定する方法および装置が知られている。
例えば、特許文献1には、エバネッセント波の侵入深さ内で、導波路エレメントに特異的に結合した光散乱ラベルにより光を散乱させ、この散乱光を導波路に導いて、導波路エレメントの全域で起こる光散乱現象をCCDカメラ等の光検出装置により検出する導波路結合アッセイ方法が記載されている。
また、特許文献2には、光学的に透明な材料で製作されたキュベット等の単一の反応表面の2つ以上の場所に、抗体等の結合対要素に固定し、光散乱標識付けられた抗原等の検体を結合対要素に結合させ、次いで、反応表面を構成する透明な物質に入射した光ビームから生じた減衰波(エバネッセント光波)により反応表面を照明し、次いで、減衰波と光散乱標識との相互作用から得られた弾性的に散乱された光を検出することで、固定化された結合対要素を検出する方法が記載されている。また、特許文献2には、2つ以上の場所に分離した状態で固定された結合対要素を別々に検出することが記載されている。
特表平10−506190号公報 特表平8−500667号公報
ところで、特許文献1および特許文献2に記載の方法では、光散乱標識あるいは光散乱ラベルにより散乱された光を検出する際に、光散乱ラベルによる散乱光以外の散乱光、例えば、導波路エレメントの表面あるいは反応表面の凹凸といった表面の欠陥により生じる散乱光や、導波路エレメントの表面あるいは反応表面に付着した異物による散乱光といったノイズ光も同時に検出してしまい、検出装置のS/N比が悪いという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、光散乱標識により散乱されたエバネッセント光の散乱光を高いS/N比で検出することができ、被検出物質の検出、定量を高精度に行うことができるセンシング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、所定の偏光状態の測定光を照射する測定光照射手段と、特定の被検出物質のみを結合可能な表面修飾が施されているセンシング面を備え、全反射する条件で内部に入射された前記測定光を、前記センシング面で全反射させて、このセンシング面にエバネッセント光を発生させる導光部材と、前記センシング面に対して前記導光部材側または外側に配置され、前記エバネッセント光の散乱光の光量を検出する検出手段と、前記導光部材と前記検出手段との間に、前記センシング面と対向して前記センシング面から前記検出手段に向かう散乱光の光軸上に配置される検光子とを有し、前記被検出物質が、当該被検出物質と選択的に結合する金属微粒子にて標識され、前記測定光照射手段、前記導光部材および前記検光子を含む導光光学系において、前記金属微粒子にて標識された前記被検出物質が前記センシング面にない場合に発生する前記センシング面からの散乱光の前記検出手段による受光量が最小となる向きに前記検光子を配置することを特徴とするセンシング装置を提供するものである。
また、前記測定光照射手段は、任意の偏光状態の光を照射する光源と、この光源によって照射される前記任意の偏光状態の光を前記所定の偏光状態の測定光とする偏光子とを備えるものであることが好ましい。
さらに、前記偏光子の位置を調整する調整機構を有し、この調整機構は、前記検光子を介して前記検出手段で検出される、前記金属微粒子にて標識された前記被検出物質が前記センシング面にない場合に発生する前記センシング面からの散乱光の強度が最小となるように、前記偏光子の位置を調整するものであることが好ましい。
また、前記導光部材が、誘電体プリズムであることが好ましい。
あるいは、前記導光部材は、内部で前記測定光を2回以上全反射させる板状の導光部と、前記導光部の一端に配設され、前記導光部材の内部に前記測定光を入射させる入光部と、前記導光部の他端に配設され、前記2回以上全反射された前記測定光を前記導光部材の外部に出射する出射部とを備えるものであることが好ましい。
また、前記測定光照射手段は、前記所定の偏光状態の測定光として、直線偏光の前記測定光を照射するものであることが好ましい。
また、前記測定光照射手段は、前記所定の偏光状態の測定光として、前記センシング面に対してP偏光またはS偏光の前記測定光を照射するものであることが好ましい。
また、前記被検出物質が、抗原であり、前記表面修飾が、前記抗原と結合可能な一次抗体であり、前記金属微粒子が、その表面に前記抗原と結合可能な二次抗体をもち、抗原抗体反応により前記センシング面に保持された前記抗原を標識する前記金属微粒子により散乱された前記エバネッセント光の散乱光を前記検出手段によって検出することが好ましい。
本発明のセンシング装置によれば、測定光照射手段、導光部材および検光子を含む導光光学系が、検光子に入射する散乱光の偏光状態を、検光子に対してクロスニコルの関係とすることにより、光散乱標識である金属微粒子により散乱されたエバネッセント光の散乱光を選択的に検出して、S/N比を向上させることができ、金属微粒子により標識された被検出物質の検出や、被検出物質の定量を高精度に行うことができる。
以下に、本発明に係るセンシング装置を、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るセンシング装置の第1の実施形態であるセンシング装置10を模式的に示す構成図であり、(A)は、正面図であり、(B)は、上面図である。また、図2は、図1に示す誘電体プリズム20を示す断面図である。
図1に示す、センシング装置10は、誘電体プリズム20、測定光照射手段30および検光子40を含む導光光学系と、検出手段42と、反応槽44と、ピペット46と、溶液タンク48、50および52とを備える。
また、図示しないが、センシング装置10は、その動作を制御する制御部、および、センシング装置10の動作を制御する各種のシーケンスや、検出された信号等を記憶しておく記憶部等のセンシング装置10の動作に必要となる種々の部材を備える。
本実施形態のセンシング装置10は、抗原抗体反応、例えば、サンドイッチ法を利用して、血漿中に含まれる特定の抗原Rを被検出物質として抗原Rの検出、定量を行うものである。より具体的には、センシング装置10は、金属微粒子Mにより標識された2次抗体A2(表面修飾A2)と抗原Rとを結合させ、この標識された抗原Rを誘電体プリズム20の表面に固定された1次抗体(表面修飾A1)と結合させ、金属微粒子Mにより標識された抗原Rを誘電体プリズム20の表面に保持した状態で、抗原Rの検出、定量を行う。
以下、詳細に説明する。
図2に示す、誘電体プリズム20は、その上面の少なくとも一部に、特定の抗原(被検出物質)Rのみを結合可能な1次抗体(表面修飾A1)が施されたセンシング面22を有する。
誘電体プリズム20は、測定光照射手段30から照射された測定光L1が、センシング面22で全反射する条件で入射面24から内部に入射される。また、誘電体プリズム20は、センシング面22で全反射された反射光L2が、出射面26から外部に出射される。
誘電体プリズム20の裏面28は、センシング面22と平行な面である。
ここで、誘電体プリズム20では、測定光L1がセンシング面22で全反射する際に、誘電体プリズム20の外部のセンシング面22の近傍にエバネッセント光が生じる。このエバネッセント光は、センシング面22から測定光L1の1波長程度の領域を照明する光であり、エバネッセント光に照明される領域をエバネッセント領域という。
図2に示すように、予め、サンドイッチ法により、抗原Rが、抗原Rと選択的に結合可能な2次抗体(表面修飾A2)を有する金属微粒子Mにより標識された状態で、センシング面22に保持されている。センシング面22の近傍のエバネッセント領域に金属微粒子Mが存在することになる。この金属微粒子Mにより、エバネッセント光が散乱され、ほぼランダム偏光の散乱光L3が生じる。散乱光L3は、金属微粒子Mで散乱され、誘電体プリズム22の内部側に進む散乱光である。
ここで、金属微粒子Mは、エバネッセント光を散乱することができる大きさ、形状を有するものであればよい。また、金属微粒子の大きさは、抗原抗体反応を阻害しない範囲の大きさであればよく、一般的には、10nm〜1μmのものがよい。また、その材料は、制限的ではないが、抗原抗体反応における光散乱標識として使用することを考慮すると、化学的に安定性の高い材料であることが好ましく、例えば、Au、Pt、Ag、Cu等が挙げられる。
測定光照射手段30は、所定の偏光状態の測定光L1を照射するものであり、光源32、集光レンズ34および偏光子36を備え、光源32から出射された光を、集光レンズ34で集光して集束ビームとした後に、偏光子36で偏光状態を変化させ、直線偏光の測定光L1とする。本実施形態では、測定光照射手段30から照射される測定光L1の照射方向や、偏光子36の位置は、センシング面22に対してP偏光の測定光L1を入射するように決定する。
なお、測定光照射手段30は、必要に応じてコリメートレンズや偏光板等の各種の光学部材を備えていてもよい。
検光子40は、誘電体プリズム20と検出手段42との間に、センシング面22と対向して配置される。本実施形態において、検光子40は、センシング面22に入射する測定光L1の偏光方向に対してクロスニコルの関係で配置される。すなわち、検光子40は、センシング面22に対して、S偏光の偏光状態をもつ光のみを透過するように配置されている。
検出手段42は、センシング面22に対して誘電体プリズムの内部側、すなわち、底面28側に配置され、検光子40を介して、被検出物質Rを標識する金属微粒子Mにより散乱されたエバネッセント光の散乱光の光量(強度)を検出するものである。検出手段42として、上記散乱光の光量(強度)を検出可能な各種のフォトダイオードを使用することができる。
反応槽44は、誘電体プリズム20のセンシング面22を囲むように配設された筐体である。反応槽44は、溶液タンク48、50および56に貯蔵されている各種の溶液を収容する。本実施形態のセンシング装置10は、反応槽44で、抗原Rの抗原抗体反応を行い、金属微粒子Mにより標識された抗原Rをセンシング面22に固定する。
ピペット46は、溶液タンク48、50および56に貯蔵された溶液や、反応槽44に収容された溶液を、所定量だけ吸引して分注する。また、ピペット46は、溶液の吸引および吐出を繰り返し、溶液タンク48、50および56ならびに反応槽44に収容された溶液を攪拌する。なお、ピペット46による各種溶液の分注および攪拌は、図示しないピペット46の駆動機構により自動で行うように構成されてもよく、また、使用者が手動で行うように構成されてもよい。
溶液タンク48、50および56は、それぞれ異なる溶液を貯蔵するものである。 本実施形態では、溶液タンク48には、抗原Rを含む血漿が貯蔵されている。また、溶液タンク50には、2次抗体A2が表面に修飾された金属微粒子M、すなわち金属微粒子Mにより標識された2次抗体A2が貯蔵されている。また、溶液タンク52にはリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSという)が貯蔵されている。
なお、金属微粒子Mにより標識された2次抗体A2を、以下、標識2次抗体ともいう。
上述のように構成される、センシング装置10は、センシング面22にP偏光の測定光L1を入射させ、全反射させることにより、誘電体プリズム20の外部のセンシング面22の近傍のエバネッセント領域にエバネッセント光を発生させる。このエバネッセント光が、抗原抗体反応によりセンシング面22に保持されている抗原Rを標識する金属微粒子Mにより散乱され、散乱光L3が発生する。この散乱光L3が、誘電体プリズム20の内部を透過し、底面28から外部に出射される。誘電体プリズム20の底面28から外部に照射された散乱光L3を検光子40を介して検出手段42で受光する。
ここで、金属微粒子Mにより散乱された散乱光L3は、その偏光状態がほぼランダム偏光である。これは、エバネッセント光が金属微粒子Mに吸収された後に放射されることにより、偏光状態が変化するためと考えられる。
一方、センシング面22の凹凸といった欠陥により測定光L1あるいはエバネッセント光が散乱されて生じる散乱光や、センシング面22の表面に付着している金属微粒子M以外の異物によりエバネッセント光が散乱されて生じる散乱光といったノイズ光は、測定光L1の偏光状態を保持している。すなわち、本実施形態では、センシング面22に対してP偏光の偏光状態を保持している。
本実施形態のセンシング装置10では、測定光L1の偏光方向に対してクロスニコルの関係で配置される検光子40を介して散乱光を検出するので、検光子40の透過光のうちS偏光成分以外は除去され、つまり、P偏光のノイズ光は除去され、散乱光L3のうちのS偏光成分のみが検出手段42で検出される。
このようにして、センシング装置10では、検光子40によりノイズ光を除去して、金属微粒子Mにより散乱されたエバネッセント光の散乱光L3のみを選択的に検出することができるので、S/N比を向上させることができ、高精度の測定が可能である。
また、誘電体プリズム20のセンシング面22の表面の凹凸等に起因するノイズ光を除去することができるため、誘電体プリズム20として成形精度が低い安価なものを用いても、S/N比を向上させることができ、高精度の測定が可能である。
以下、本実施形態のセンシング装置10を用いる抗原Rの検出方法の一実施例を説明する。なお、各溶液タンク48、50および52に貯蔵されている各溶液、ならびに反応槽44内の溶液の移動および攪拌は、ピペット46で行う。
予め、1次抗体A1が施されているセンシング面22を覆う反応槽44に、50μlのPBSを分注する。
次いで、光源32を点灯して、検出手段42で検出された信号P0を記録する。信号P0は、センシング面22のエバネッセント領域に金属微粒子Mが存在しない場合(散乱光L3が発生していない場合)に検出手段42で検出された光量を示す信号である。
ここで、信号P0は、本実施形態のセンシング装置10であっても検光子40により完全に除去することができなかった迷光や散乱光に起因するノイズ光の光量を示す信号である。信号P0を記録したら、光源32を消灯する。
次に、反応槽44内から40μlのPBSを排液する。
次に、標識2次抗体が貯蔵されている溶液タンク50に、血漿が貯蔵されている溶液タンク48から50μlの血漿を分注し、攪拌を数回繰り返す。これにより、血漿中の特定の抗原Rに標識2次抗体が結合し、抗原Rが金属微粒子Mにより標識される。
次に、溶液タンク50から反応槽44に、金属微粒子Mにより標識された抗原Rを含む溶液を40μl分注し、反応槽44の溶液を繰り返し攪拌する。これにより、金属微粒子Mにより標識された抗原Rとセンシング面22に固定されている1次抗体A1が結合する。すなわち、標識2次抗体が結合して金属微粒子Mにより標識された状態の抗原Rが、センシング面22に固定される。
次に、反応槽44の洗浄を複数回行う。具体的には、反応槽44に収容されている溶液を40μlだけ排液した後に、反応槽44に40μlのPBSを分注し、複数回攪拌する一連の工程を1回の洗浄とし、これを複数回、例えば4回繰り返す。これにより、1次抗体A1と結合していない抗原Rや、抗原Rと結合していない標識2次抗体や、抗原R以外の血漿中に含まれる各種の蛋白質等の異物を反応槽44から除去する。
次に、光源32を点灯して、検出手段42で検出された信号P1を記録する。信号P1は、抗原Rを標識する金属微粒子Mによるエバネッセント光の散乱光L3に加えて、信号P0として検出されたノイズ光を含む光量を示す信号である。信号P1を記録したら、光源32を消灯する。
上述のようにして検出された信号P1と信号P0の差分をとることにより、散乱光L3の光量(強度)を得ることができる。ここで、予め、散乱光L3の光量と金属微粒子Mの数(標識数)との関係を計測して、散乱光L3の光量と標識数との対応関係を示すテーブルを作成しておくことにより、信号P1と信号P0の差分値として得た散乱光L3の光量に対応する標識数を特定することができる。また、センシング面22の1次抗体A1に結合した抗原Rの数は、標識数に対応しているので、標識数を特定することにより、1次抗体に結合した抗原Rの数すなわち結合量を特定することができ、結合量を定量的に測定することができる。
ここで、本実施形態のセンシング装置10において、偏光子および検光子は、それぞれ、角度、位置を調整する調整機構を備え、その角度および位置を調整可能に構成されていてもよい。偏光子36および/または検光子40の角度、位置の調整は、例えば、信号P0の値が最小となるように手動または自動で行ってもよい。
これにより、誘電体プリズム20、測定光照射手段30および検光子40を含む導光光学系において、検光子40に入射する光の偏光状態が、検光子40に対してクロスニコルの関係からずれた場合でも、信号P0の値が最小となるように、偏光子36および/または検光子40の角度、位置を調整することにより、ノイズ光をより確実に除去することができる。
また、本実施形態では、測定光照射手段30から照射される測定光L1の照射方向や、偏光子36の向きを調整して、センシング面22に対してP偏光の光を入射するとしたが、本発明はこれに限定されず、センシング面22に対してS偏光の光を入射してもよい。この場合、検光子40は、センシング面22に対してP偏光の偏光状態の光のみを透過するように配置する。
また、本発明は、センシング面に対してP偏光またはS偏光の光を入射することに限定されず、センシング面に対して傾いた偏光面をもつ直線偏光の測定光を入射してもよい。この場合は、ノイズ光として楕円偏光の光が発生するので、この楕円偏光のノイズ光の偏光状態を直線偏光に変換する波長板を、検光子の上流に配置して導光光学系を構成すればよい。上記実施形態では、例えば、誘電体プリズム20と検光子40との間に波長板を配置して、この波長板を透過して直線偏光に変換された光に対して、検光子40をクロスニコルに配置すればよい。
また、センシング装置10は、ピペット46ならびに各溶液タンク48、50および52を備えるとしたが、本発明はこれに限定されない。ピペット46ならびに各溶液タンク48、50および52は、センシング装置とは別に用意され、必要に応じて用意するようにしてもよい。
また、センシング装置10において、測定光照射手段30は、上記構成に限定されず、任意の偏光状態(例えば、ランダム偏光)の光を照射する光源と、この任意の偏光状態の光を所定の偏光状態の測定光とする偏光子を備えるものでもよい。
また、本実施形態では、抗原Rをセンシング面に保持するのにサンドイッチ法を利用したが、本発明はこれに限定されず、競合法を利用してもよい。競合法を利用する場合は、例えば、予め金属微粒子Mで標識された抗原Rと標識されていない抗原Rとを含む試料を1次抗体が施されたセンシング面に接触させて、抗原抗体反応により、抗原Rを1次抗体で捕捉し、金属微粒子Mで標識された抗原Rをセンシング面に保持する。
なお、本実施形態では、抗原抗体反応により、抗原(被検出物質R)と特異的に結合する1次抗体(表面修飾A1)および2次抗体(表面修飾A2)を用いて、標識2次抗体で標識された抗原Rをセンシング面に保持し、センシング面に保持された抗原の検出、定量を行うセンシング装置について説明したが、本発明はこれに限定されない。
本発明のセンシング装置おいて、センシング面に施された表面修飾A1は、被検出物質Rと特異的に結合するものであればよく、その結合方法として、化学結合または物理吸着を利用するものでもよい。
また、光散乱標識である金属微粒子Mの表面に施された表面修飾A2は、被検出物質Rと結合することができるものであればよく、その結合方法として、化学結合または物理吸着を利用するものでもよい。
以下、本発明に係るセンシング装置の第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態のセンシング装置110の構成を模式的に示す正面図である。
図3に示す、センシング装置110は、スライドガラス120、入射プリズム126および出射プリズム128を含む導光部材118と、測定光照射手段130と、検光子140と、検出手段142と、アパーチャ144とを備える。
本実施形態のセンシング装置110は、図1に示すセンシング装置10と同様に、血漿中に含まれる特定の抗原Rの検出、定量を行うものである。センシング装置110では、標識2次抗体により標識された抗原Rを、スライドガラス120の表面に固定された1次抗体と結合させ、抗原を保持した状態で、抗原の検出、定量を行う。
測定光照射手段130は、図1に示し、上述した測定光照射手段30と基本的に同様のものであり、直線偏光の偏光状態を有する測定光L4を照射する。本実施形態では、測定光照射手段130は、後述するスライドガラス120のセンシング面122に対してP偏光の測定光L4を入射するように、光源132からの光ビームの照射方向や、偏光子136の向きを決定する。なお、光源132としては、例えば、波長532nmの光を照射するSHGレーザ光源を使用可能である。
導光部材118は、スライドガラス120(導光部)と、スライドガラス120の一端に配設された入光プリズム126(入光部)と、スライドガラス120の他端に配設された出射プリズム128(出射部)とを備える。
導光部材118は、測定光照射手段130からの測定光L4を、入光プリズム126を介してスライドガラス120の一端からその内部に入光する。入光した測定光L4をスライドガラス120の内部で複数回全反射させながらスライドガラス120の他端に導光する。スライドガラス120の他端に到達した測定光L4を、出射プリズム128を介して導光部材118の外部に出射する。これにより、測定光L4が、スライドガラス120の他端側で反射して入光側に戻ることを防止できる。
スライドガラス120は、センシング面122と、センシング面122と平行な裏面124とを有する板状の部材であり、センシング面122と裏面124との間で、測定光L4を複数回全反射させながら、その一端から他端に向かって導光する。
センシング面122は、特定の抗原Rのみを結合可能な1次抗体A1が施されており、抗原Rを保持することができる。本実施形態では、予め、例えば、サンドイッチ法により、標識2次抗体により標識された抗原Rを1次抗体と結合させておき、センシング面122に金属微粒子Mにより標識された抗原Rを保持した状態としておく。
センシング面122で全反射する条件でスライドガラス120の内部に入射された測定光L4が、センシング面122で全反射する際に、スライドガラス120の外部のセンシング面122の近傍(エバネッセント領域)にエバネッセント光が生じる。本実施形態では、測定光L4がセンシング面122で複数回全反射しており、測定光L4が全反射する各位置においてエバネッセント光が生じ、エバネッセント領域が形成される。
図4(A)に、エバネッセント領域に金属微粒子Mが存在する場合について示している。なお、図4(A)では、金属微粒子Mのみを示しているが、実際には、金属微粒子Mにより標識された抗原Rが、1次抗体によりセンシング面122に保持されている。エバネッセント領域に金属微粒子Mが存在する場合は、金属微粒子Mによりエバネッセント光が散乱され、スライドガラス122の外部側に進むランダム偏光の散乱光L5が発生する。
一方、図4(B)に、エバネッセント領域に金属微粒子Mが存在しない場合について示す。図4(B)に示すように、エバネッセント領域に金属微粒子Mが存在しない場合は、センシング面122の凹凸といった欠陥により測定光L4あるいはエバネッセント光が散乱されて生じる散乱光や、センシング面122の表面に付着している金属微粒子M以外の異物によりエバネッセント光が散乱されて生じる散乱光といったノイズ光L6のみが発生している。このノイズ光L6は、測定光L4の偏光状態を保持している。すなわち、センシング面122に対してP偏光の偏光状態を保持している。
アパーチャ144は、センシング面122に対向して配置され、センシング面122の所定の領域で発生した散乱光L5およびノイズ光L6のみを通過させる開口を有する。アパーチャ144により、センシング面122の所定の領域で発生した散乱光L5およびノイズ光L6以外の散乱光や迷光を除去することができる。
検光子140は、アパーチャ144と検出手段142との間に、アパーチャ144と一体的に配設されており、センシング面122と対向している。検光子140は、センシング面122に入射する測定光L4の偏光方向に対してクロスニコルの関係で配置される。すなわち、検光子140は、センシング面122に対して、S偏光の偏光状態をもつ光のみを透過するように配置されている。
検出手段142は、センシング面122に対して誘電体プリズムの外部側に配置され、検光子140を介して、被検出物質Rを標識する金属微粒子Mにより散乱されたエバネッセント光の散乱光の光量(強度)を検出するものである。検出手段142として、上記散乱光の光量(強度)を検出可能なCCD等の各種の撮像素子や、各種のフォトダイオードを使用することができる。
本実施形態では、アパーチャ144、検光子140、検出手段142は、図示しない移動機構により、センシング面122と平行な方向に一体的に移動可能に構成されており、センシング面122を、測定光L4の入射側の端部から、出射側の端部まで走査する。
上述の構成を有する、センシング装置110は、センシング面122で複数回全反射させて、センシング面122の近傍のエバネッセント領域にエバネッセント光を発生させる。このエバネッセント光は、抗原抗体反応によりセンシング面122に保持されている、金属微粒子M(標識2次抗体)により標識された被検出物質Rの金属微粒子Mにより散乱されランダム偏光の散乱光L5が発生する(図4(A)参照)。一方、図4(B)に示すように、複数回全反射する測定光L4がセンシング面122に入射する位置においてノイズ光L6が発生する。
アパーチャ144を介して、センシング面122の所定の領域で発生した散乱光L5およびノイズ光L6が、検光子140に入射する。検光子140は、S偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分は除去する。
ここで、ノイズ光L6は、P偏光を保持しており、検光子140とクロスニコルの関係にあるため、検光子140により除去される。一方、ランダム偏光の散乱光L5のS偏光の成分のみが検光子140を透過する。この透過した散乱光L5のS偏光成分を検出手段142で検出して、センシグ面122の所定領域に保持されている抗原Rを検出、定量することができる。
また、測定光L4の入射側の端部から、出射側の端部まで、アパーチャ144、検光子140および検出手段142を一体的に移動して、センシング面122を走査することにより、センシング面122の全領域において、散乱光L5のS偏光成分を検出して、センシグ面122の全領域について、抗原Rを検出、定量することができる。
本実施形態のセンシグ装置110においても、センシング装置10と同様に、測定光L4の偏光方向に対してクロスニコルの関係で配置される検光子140を介して散乱光L5を検出するので、検光子140の透過光のうちS偏光成分以外は除去され、つまり、P偏光の偏光状態を有するノイズ光L6を除去することができる。
センシング装置110では、検光子140によりノイズ光を除去して、金属微粒子Mにより散乱されたエバネッセント光のみを選択的に検出することができるので、S/N比を向上させることができ、高精度の測定が可能である。
また、センシング面122の表面の凹凸等に起因するノイズ光を除去することができるため、スライドガラスの表面を高精度に成形する必要なく、成形精度が低い安価なものを用いても、S/N比を向上させることができ、高精度の測定が可能である。
ここで、センシング面122において複数回全反射させることにより、測定光L4が全反射するそれぞれの位置からノイズ光が発生して、ノイズ光の光量が増大すると考えられるが、本発明のセンシング装置110では、ノイズ光を好適に除去できるため、ノイズ光の光量が増大したとしても、その影響を受けることがなく、高精度の測定が可能である。
ところで、アパーチャ144、検光子140および検出手段142を一体的に移動して、センシング面122を走査する構成有する本実施形態のセンシング装置において、センシング面122の走査方向の所定幅毎に、それぞれ異なる抗原と特異的に結合する1次抗体を配置して、この所定幅毎に異なる抗原を捕捉してもよい、すなわち、センシング面122にその走査方向の所定の幅毎に異なる種類の抗原を保持するようにしてもよい。これにより、アパーチャ144、検光子140および検出手段142を一体的に移動して、センシング面122を走査することにより、複数種の抗原についての検出を行うことができる。
ここで、本実施形態のセンシング装置110においても、センシング装置10同様に、偏光子および検光子は、それぞれ、角度、位置を調整する調整機構を備え、その角度および位置を調整可能に構成されていてもよい。
また、本実施形態においても、センシング面122に対してP偏光の光を入射するとしたが、これに限定されず、センシング面122に対してS偏光の光を入射してもよい。この場合、検光子140は、センシング面122に対してP偏光の偏光状態の光のみを透過するように配置する。
また、本実施形態においても、センシング面に対してP偏光またはS偏光の光を入射することに限定されず、センシング面に対して偏光面が傾いた状態の直線偏光の測定光を入射してもよい。本実施形態の場合、例えば、楕円偏光のノイズ光の偏光状態を直線偏光に変換する波長板をスライドガラス120と検光子140との間に配置して、この波長板を透過して直線偏光に変換された光に対して、検光子140をクロスニコルに配置すればよい。
なお、本実施形態においても、センシング装置10と同様に、抗原抗体反応により、抗原(被検出物質R)と特異的に結合する1次抗体(表面修飾A1)および2次抗体(表面修飾A2)を用いて、標識2次抗体で標識された抗原Rをセンシング面に保持し、センシング面に保持された抗原の検出、定量を行う装置に限定されない。
ところで、エバネッセント光の散乱光を検出する本発明に係るセンシング装置について詳細に説明したが、本発明のセンシング装置と同様の構成を、表面プラズモンの散乱光を検出する装置(以下、表面プラズモンセンサという)にも適用可能である。例えば、表面プラズモンセンサは、誘電体プリズム上に金属膜を有し、この誘電体プリズムと金属膜との界面に対して、表面プラズモンが励起される条件(表面プラズモン共鳴角となる入射角)で測定光を入射させ、誘電体プリズムと反対側の金属膜の表面に表面プラズモンを発生させ、この表面プラズモンが散乱標識である金属微粒子に散乱されて発生する散乱光を、金属膜に対向しかつ測定光の偏光方向とクロスニコルの関係となるように配置された検光子を介して、検出手段で検出するように構成される。このような場合でも、図1および図3に示すセンシング装置と同様に、S/N比を向上させることができ、高精度の測定が可能である。
以上、本発明に係るセンシング装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
[実施例1]
以下、図3に示す、センシング装置110を用いて、血漿に含まれる特定の抗原の検出を行った。
ここで、スライドガラスとして、MASスライド(松浪硝子工業製)を使用した。このMASスライドのセンシング面に、1次抗体を固定し、サンドイッチ法により、標識2次抗体により標識された抗原を、1次抗体と結合させ、センシング面に固定した。
また、光源として、波長532nmのSHGレーザを、検出手段として、LAS1000(冷却CCD)を使用した。
MASスライドのセンシング面に、P偏光の測定光を入射させて、抗原Rの検出を行った。この結果を、図5に、実施例1のグラフとして、実線で示す。図5に示すグラフは、MASスライドの入射側の端部から出射側の端部に向かう方向において、入射側の端部を基準としたときの位置(mm)を横軸とした。また、各位置における光量を縦軸とした。なお、光量は、LAS−1000(冷却CCD)で撮像した画像における10pixelの積算値とした。
[比較例1]
また、比較例1として、センシング装置から検光子を外した点以外は、実施例1と同一の条件で、抗原Rの検出を行った。その結果を、図5に、比較例1のグラフとして、破線で示す。
[比較例2]
また、比較例2として、検光子をセンシング面に対してP偏光の偏光成分を透過するように、すなわち、実施例1に対して、検光子を90°回転させた状態で配置した点以外は、実施例1と同一の条件で、抗原Rの検出を行った。その結果を、図5に、比較例2のグラフとして、一点鎖線で示す。
[実施例2]
また、実施例2として、MASスライドのセンシング面に、S偏光の測定光を入射させて、検光子をセンシング面に対してP偏光の偏光成分を持つ光を透過するように、すなわち、S偏光の測定光の偏光状態を保持した散乱光(ノイズ光)を除去できるように、この散乱光に対してクロスニコルに検光子を配置した点以外は、実施例1と同一の条件で、抗原Rの検出を行った。その結果を、図6に、実施例2のグラフとして、実線で示す。
[比較例3]
また、比較例3として、センシング装置から検光子を外した点以外は実施例2と同一の条件で、抗原Rの検出を行った。その結果を、図6に、比較例3のグラフとして、破線で示す。
[比較例4]
また、比較例4として、検光子をセンシング面に対してS偏光の偏光成分を透過するように、すなわち、実施例2に対して、検光子を90°回転させた状態で配置した点以外は、実施例2と同一の条件で、抗原Rの検出を行った。その結果を、図6に、比較例4のグラフとして、グラフの一点鎖線で示す。
[比較例5]
また、比較例5として、検光子がない場合の測定結果である比較例1および比較例3の各測定位置における光量値の平均値をとり、その光量の最大値の値で正規化した結果を、図7に、比較例のグラフとして、実線で示す。なお、図7に示すグラフには、実施例1および実施例2についても同様に正規化した結果を、それぞれ、破線、一点鎖線で示す。
図5、図6に示すように、実施例1および2、ならびに、比較例1〜4のいずれの場合も、19mm付近にピークが検出されている。このピークは、エバネッセント光が金属微粒子Mにより散乱されて生じたランダム偏光の散乱光によるものであり、以下、主ピークという。
また、比較例1〜4では、上記主ピーク以外にも複数のピークが検出されている。
図5に示すように、P偏光の測定光を検光子を外して測定した場合の比較例1と、P偏光の測定光に対してP偏光の散乱光を透過するように検光子を配置した場合の比較例2では、主ピーク以外のピークの光量が略一致している。
また、同様に、図6に示すように、S偏光の測定光を検光子を外して測定した場合の比較例3と、S偏光の測定光に対してS偏光の散乱光を透過するように検光子を配置した場合の比較例4でも、主ピーク以外のピークの光量が略一致している。
これに対して、図5〜図7に示すように、測定光の偏光方向に対して、検光子をクロスニコルに配置して測定した場合の実施例1および2では、比較例に対して、主ピーク以外のピークの光量が著しく小さい値であることがわかる。以上から、主ピーク以外のこれらのピークは、いずれも測定光の偏光状態を保持した散乱光であることがわかる。これらのピークは、センシング面の表面の凹凸による測定光の散乱光に起因するものである。
また、図7に示すように、実施例1および2では、センシング面の表面の凹凸による測定光の散乱光の光量が、著しく減少しているのがわかる。すなわち、実施例1および2では、検光子をクロスニコルに配置することにより、主ピーク以外のピークに起因する散乱光を除去することができ、S/N比を向上させることができることが示された。
本発明に係るセンシング装置の第1の実施形態を模式的に示す構成図であり、(A)は、正面図であり、(B)は、上面図である。 図1に示す、誘電体プリズムを模式的に示す正面図である。 本発明に係るセンシング装置の第2の実施形態の構成を模式的に示す正面図である。 図3に示す、スライドガラスのセンシング面で散乱光が発生する様子を示す説明図である。 実施例1、比較例1および比較例2における光量の測定値を示すグラフである。 実施例2、比較例3および比較例4における光量の測定値を示すグラフである。 実施例1、実施例2および比較例5における正規化された光量の値を示すグラフである。
符号の説明
10、110 センシング装置
20 誘電体プリズム
22、122 センシング面
24 入射面
26 出射面
28、124 裏面
30、130 測定光照射手段
32、132 光源
34、134 集光レンズ
36、136 偏光子
40、140 検光子
42、142 検出手段
44 反応槽
46 ピペット
48、50、52 溶液タンク
118 導光部材
120 スライドガラス
126 入光プリズム
128 出射プリズム
144 アパーチャ

Claims (8)

  1. 所定の偏光状態の測定光を照射する測定光照射手段と、
    特定の被検出物質のみを結合可能な表面修飾が施されているセンシング面を備え、全反射する条件で内部に入射された前記測定光を、前記センシング面で全反射させて、このセンシング面にエバネッセント光を発生させる導光部材と、
    前記センシング面に対して前記導光部材側または外側に配置され、前記エバネッセント光の散乱光の光量を検出する検出手段と、
    前記導光部材と前記検出手段との間に、前記センシング面と対向して前記センシング面から前記検出手段に向かう散乱光の光軸上に配置される検光子とを有し、
    前記被検出物質が、当該被検出物質と選択的に結合する金属微粒子にて標識され、
    前記測定光照射手段、前記導光部材および前記検光子を含む導光光学系において、前記金属微粒子にて標識された前記被検出物質が前記センシング面にない場合に発生する前記センシング面からの散乱光の前記検出手段による受光量が最小となる向きに前記検光子を配置することを特徴とするセンシング装置。
  2. 前記測定光照射手段は、任意の偏光状態の光を照射する光源と、この光源によって照射される前記任意の偏光状態の光を前記所定の偏光状態の測定光とする偏光子とを備えるものである請求項1に記載のセンシング装置。
  3. さらに、前記偏光子の位置を調整する調整機構を有し、
    この調整機構は、前記検光子を介して前記検出手段で検出される、前記金属微粒子にて標識された前記被検出物質が前記センシング面にない場合に発生する前記センシング面からの散乱光の強度が最小となるように、前記偏光子の位置を調整するものである請求項に記載のセンシング装置。
  4. 前記導光部材が、誘電体プリズムである請求項1〜のいずれかに記載のセンシング装置。
  5. 前記導光部材は、内部で前記測定光を2回以上全反射させる板状の導光部と、前記導光部の一端に配設され、前記導光部材の内部に前記測定光を入射させる入光部と、前記導光部の他端に配設され、前記2回以上全反射された前記測定光を前記導光部材の外部に出射する出射部とを備えるものである請求項1〜のいずれかに記載のセンシング装置。
  6. 前記測定光照射手段は、前記所定の偏光状態の測定光として、直線偏光の前記測定光を照射するものである請求項1〜のいずれかに記載のセンシング装置。
  7. 前記測定光照射手段は、前記所定の偏光状態の測定光として、前記センシング面に対してP偏光またはS偏光の前記測定光を照射するものである請求項1〜のいずれかに記載のセンシング装置。
  8. 前記被検出物質が、抗原であり、
    前記表面修飾が、前記抗原と結合可能な一次抗体であり、
    前記金属微粒子が、その表面に前記抗原と結合可能な二次抗体を持ち、
    抗原抗体反応により前記センシング面に保持された前記抗原を標識する前記金属微粒子により散乱された前記エバネッセント光の散乱光を前記検出手段によって検出する請求項1〜のいずれかに記載のセンシング装置。
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