(実施例1) 図1ないし図5は本発明に係るヘアカーラーの実施例1を示す。図1および図3においてヘアカーラーCは、両端が開口するカーラー枠1と、カーラー枠1の外周面に巻き付けられる伝熱体2と、伝熱体2の外面に巻き付けられる髪巻体3と、カーラー枠1の加熱状態を表示する帯状の感温変色シート(感温変色体)4などで構成する。伝熱体2および髪巻体3は、それぞれカーラー枠1の外周面に沿って筒軸まわりに巻き付けられる。
カーラー枠1は、円筒周面の全体にわたって四角形状の通気窓5の一群を開口した、格子筒状のプラスチック成形品からなり、髪巻体3を保形し、さらに伝熱体2と協同してくせ付け用の熱を蓄熱する。カーラー枠1の周面には、伝熱体2の一端を係合するための連結突起8が、筒軸心と平行になる状態で、一定間隔おきに直線列状に形成してある。連結突起8は筒軸心方向に長い突起からなり、その両端は丸めてある。連結突起8の突出寸法は、伝熱体3のシート厚み寸法より僅かに大きく設定してある。カーラー枠1の周面の両端には、伝熱体2および髪巻体3の筒軸方向の移動を規制する規制リブ9が周回状に突設してある。また、カーラー枠1の筒軸方向の周面中央には感温変色シート4を装着するための装着溝(装着凹部)10が周回状に凹み形成してある。規制リブ9の格子筒周面からの突出寸法は、伝熱体2の厚み寸法と同じか、それより僅かに大きく設定してある。
カーラー枠1は、図27に示すようにヘアセッターに装着した状態で、その一端の温風入口13から他端の温風出口14へ向かって温風を送給しながら加熱する。カーラー枠1を迅速に加熱するために、カーラー枠1の筒内面に12個のリブ状突起15を放射状に突設して、カーラー枠1の内面の表面積を増加している。リブ状突起15は、筒軸心に沿う状態で温風入口13から温風出口14にわたって形成してある。放射状に隣接する各リブ状突起15は、温風出口14寄りに設けたリング状の規制壁16を介して繋がっている。
規制壁16を設けることによって、カーラー枠1の内部に送給された温風を規制壁16でせき止めて通気窓5の側から排出できる。また、カーラー枠1の内部に送給された温風の一部は、規制壁16とカーラー枠1の筒枠との間に形成した扇型の出口開口17(図29参照)を介して温風出口14へ送給される。規制壁16の中央には、後述するロック筒61に外嵌する筒状の装着ボス18が一体に形成してある。このように、装着ボス18および規制壁16をリブ状突起15と一体に形成することにより、中空のカーラー枠1の構造強度を増強して耐久性を向上できる。
伝熱体2は、カーラー枠1に比べて熱伝導性に優れたアルミニウムシートあるいはステンレスシートを素材とするプレス成形品からなり、シート面には丸穴からなる通気穴20の一群が形成してある。これらの通気穴20とは別に、連結突起8に係合する長穴状の連結穴21と、感温変色シート4の呈色状態を視認するための四角形の視認窓22とが、それぞれシート面に一定間隔おきに形成してある。
図1に示すように連結穴21は、伝熱体2の巻き始端2aに沿って直線列状に形成してあり、視認窓22の列は、シート面の中央に沿って連結穴列と直交する状態で形成してある。隣接する視認窓22の間の壁面は、温風で加熱された伝熱体2の熱を感温変色シート4に伝導する伝熱壁23として機能する。符号2bは伝熱体2の巻き終端である。伝熱体2は、カーラー枠1の内外に送給された温風と接触して加熱され、同時にカーラー枠1を外面側から加熱する。
一般的な面ファスナーは、片面にループ片の一群を備えたループ型ファスナーと、片面にフック片の一群を備えたフック型ファスナーとで構成するが、この実施例では、髪が絡み付きやすいフック型ファスナーを利用して髪巻体3とする。図30に示すように髪巻体3は、通気自在な基布部24と、基布部24の外面に突設される一群の逆J字状のフック片25とを備えており、基布部24を伝熱体2の外面に巻き付けた状態で、カーラー枠1に設けた連結突起8を利用して溶着固定する。
感温変色シート4は、マイクロカプセル化された感温変色色素を含むテープ状のプラスチックシートからなり、カーラー枠1および伝熱体2から伝導される熱によって呈色状態が可逆的に変化する。例えば、常温での呈色状態は紫色であるが、感温変色シート4の表面温度が50度を越えるときの呈色状態はピンク色に変化する。また、感温変色シート4の表面温度が常温にまで低下すると再び紫色に復帰する。感温変色シート4の装着面には粘着材層が形成してある。図5に示すように、感温変色シート4の内外面は、装着溝10と伝熱シート2とに挟まれているので、カーラー枠1および伝熱シート2の伝導熱で加熱されて呈色状態が変化する。また、感温変色シート4が脱落し、あるいは剥離するのを確実に防止できる。
ヘアカーラーCは以下の要領で組み立てる。まず、カーラー枠1の装着溝10に沿って、感温変色シート4を貼り付け固定する。次に、図3に示すように、伝熱体2の巻き始端2aに設けた連結穴21をカーラー枠1の連結突起8に係合し、巻き始端2aを固定した状態で伝熱体2の全体をカーラー枠1の周面に巻き付ける。さらに、伝熱体2の巻き終端2bを押さえ付けた状態で、その外面に髪巻体3の巻き始端3aを被せ付けて、髪巻体3の全体を伝熱体2の周面に巻き付ける。このとき、髪巻体3の巻き始端3aと巻き終端3bとを、連結突起8の外面において内外に重ねる。その状態で、溶着ホーンTの突起26を髪巻体3の巻き終端3bの外方に押し付けて、内外に重なる両基布部24と連結突起8とを同時に溶着する。
図3に示すように、溶着ホーンTのその下面には円錐状の突起26が設けてある。そのため、連結突起8は突起26で溶融されながら拡大変形して、その周面が伝熱体2の連結穴21に密着する。さらに、突起26の突出基端に連続する平坦面によって、基布部24と連結突起8の溶融部分が押し広げられて、互いに溶け込んで一体化する。したがって、溶着後の伝熱体2をカーラー枠1に対して、がた付きのない状態で固定でき、同時に髪巻体3をカーラー枠1に固定することができる。図4において溶着後に固化した溶着塊を符号27で示しており、その外面は円錐形状に凹んでいる。なお、組み立てが完了した状態における伝熱体2の巻き始端2aと巻き終端2bとは、それぞれの端縁どうしが隣接する状態になっている。また、溶着ホーンTを筒軸方向に長いリブ状に形成しておき、その下面に各連結突起8に対応する円錐状の突起26の一群を設けておけば、全ての連結突起8を同時に溶着処理できる。
溶着過程を経て得られたヘアカーラーCは、伝熱体2のシート面に形成した通気穴20や視認窓22を髪巻体3の基布部24を透かして視認することができる。また、装着溝10に固定した感温変色シート4の呈色状態を、基布部24を透かした状態で視認窓22から視認することができる。
(実施例2) 図6ないし図11は、本発明に係るヘアカーラーの実施例2を示す。この実施例2におけるヘアカーラーは、伝熱体2および髪巻体3のカーラー枠1に対する組み付け構造と、感温変色シート4の視認構造と、装着ボス18の構造を変更する点が、実施例1のヘアカーラーと大きく異なる。図6以下のヘアカーラーの各実施例においては、先の実施例と異なる点を主に説明し、先の実施例と同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
図6に示すようにカーラー枠1は、円筒周面に通気窓5の一群を開口した格子筒状のプラスチック成形品からなり、その周面には連結突起8が形成してある。この実施例における連結突起8は、筒軸方向に長いリブ状の連結突起8aと、同突起8aで構成される突起列の筒軸方向の中央、および筒軸方向の両端に配置される丸軸状の連結突起8b・8cとで構成する。図6に示すように、各連結突起8a・8b・8cは筒軸方向に沿って直線列状に並んでいる。リブ状の連結突起8aと丸軸状の連結突起8b・8cの突出寸法は、それぞれ伝熱体2の厚み寸法より僅かに大きく設定する。さらに、中央の丸軸状の連結突起8bの突出寸法は、他の連結突起8a・8cより大きく、さらに伝熱体2の厚み寸法と髪巻体3の基布部24の厚み寸法の合計寸法より大きく設定してある。具体的には、伝熱体2の厚み寸法を0.1mm、基布部24の厚み寸法を0.3〜0.4mmとするとき、中央の丸軸状の連結突起8bの突出寸法を1.5mmとした。また、残る連結突起8a・8cの突出寸法を0.5mmとした。
上記の連結突起8・8a・8bとは別に、中央の連結突起8aと同形で同大の3個の位置決め突起108が、格子筒の筒軸方向中央の周面に沿って形成してある。中央の連結突起8aおよび位置決め突起108の形成位置は、周方向へ90度ずつ位相がずらしてあり、これらの周方向の隣接部中央に、感温変色シート4を装着するための4個の装着凹部10が長方形状に凹み形成してある。なお、位置決め突起108は複数個設けるのが好ましいが、少なくとも1個あればよい。
図7に示すように伝熱体2の巻き始端2aには長穴状の連結穴21を形成する。連結穴21は、先のリブ状の連結突起8aに対応するスリット状の連結穴21aと、丸軸状の連結突起8b・8cに対応する連結穴21bとで構成する。スリット状の連結穴21aの巻き付け方向の幅寸法は、実施例1で説明した連結穴21の幅寸法より大きく設定してある。その意味は後述する。図8に示すように後者の連結穴21bは、連結突起8b・8cの円形断面を内包する円弧と、円弧に連続して先すぼまり状に傾斜する一対の食込体110とで液滴状に形成してある。また、位置決め突起108に対応して、3個の位置決め穴111が形成してある。さらに、4個の装着凹部10と対応するシート面の4個所には、円形の視認窓22が開口してある。
髪巻体3の基布部24の巻き始端3aには、中央の連結突起8bと3個の位置決め突起108に対応して、4個の係合穴112が形成してある。さらに、4個の装着凹部10と対応する基布部24の4個所には、円形の視認開口113が開口してある。
ヘアカーラーCは以下の要領で組み立てる。まず、カーラー枠1の装着凹部10に、長方形状の感温変色シート4を貼り付け固定する。次に、伝熱体2の巻き始端2aに設けた連結穴21a・21bをカーラー枠1の連結突起8a・8b・8cに係合したのち、伝熱体2を巻き付け方向へ引っ張ることにより、図8に示すように示すように、一対の食込体110を丸軸状の連結突起8b・8cの周面に食い込ませて仮固定する。この食い込み動作を可能とするために、連結穴21aの巻き付け方向の幅寸法を、連結突起8の幅寸法より大きく設定している。さらに、髪巻体3の巻き始端3aに設けた係合穴112を、筒軸方向中央の連結突起8bに係合し、図9に示すように連結突起8bの突端を溶着して、伝熱体2および髪巻体3の巻き始端2a・3aをカーラー枠1に仮固定する。
上記の状態で、伝熱体2の位置決め穴111と、髪巻体3の係合穴112とを次々に位置決め突起108に係合しながら、伝熱体2および髪巻体3をカーラー枠1に巻き付けて、髪巻体3の巻き始端3aと巻き終端3bとを、連結突起8a・8b・8cの外面において内外に重ねる。その状態で、溶着ホーンTの突起26を髪巻体3の巻き終端3bの外方に押し付けて、内外に重なる両基布部24と全ての連結突起8a・8b・8cとを同時に溶着する。この実施例では、連結突起8a・8b・8cの突出寸法を、伝熱体2の厚み寸法と髪巻体3の基布部24の厚み寸法の合計寸法と同じか、これより大きく設定するので、連結突起8a・8b・8cの突端を溶融して押し潰すことができればよく、リブ状の溶着ホーンTの下面に突起26を設ける必要はない。突起26を設けるとしても、その形状は円錐形以外のX字状や、円筒状、各筒状などの任意形状に形成することができる。因みに連結突起8a・8b・8cの突出寸法が、伝熱体2の厚み寸法より大きい場合には、突起26は必要なく、リブ状の溶着ホーンTで連結突起8a・8b・8cの突端を基布部24とともに溶融して押し潰せばよい。また、連結突起8a・8b・8cの突出寸法が、伝熱体2の厚み寸法より小さい場合には、リブ状の溶着ホーンTで連結突起8a・8b・8cの突端を押し潰せないので、リブ状の溶着ホーンTの下面に設けた一群の円錐形の突起26で連結突起8a・8b・8cを押し広げながら溶着する必要がある。
溶着時の連結突起8a・8b・8cは、突起26で溶融されながら拡大変形して、その周面が伝熱体2の連結穴21a・21bに密着する。したがって、溶着後の伝熱体2をカーラー枠1に対して、がた付きのない状態で固定でき、同時に髪巻体3をカーラー枠1に固定することができる。組み立てが完了した状態における伝熱体2の巻き始端2aと巻き終端2bとは、実施例1のヘアカーラーCと同様に、それぞれの端縁どうしが隣接する状態になっている。得られたヘアカーラーCは、図10に示すように、装着凹部10に固定した感温変色シート4の呈色状態を、髪巻体3の視認開口113と、伝熱体2の視認窓22を介して直接視認できるので、感温変色シート4の呈色状態をより明確に視認できる。
この実施例においては、連結穴21・109に設けた食込体110を、丸軸状の連結突起8a・8bの周面に食い込ませて伝熱体2を仮固定する。さらに、髪巻体3の係合穴112を中央の連結突起8aに係合した状態で連結突起8aの突端を溶着して、伝熱体2および髪巻体3の巻き始端2a・3aをカーラー枠1に仮固定する。したがって、以後の伝熱体2および髪巻体3の巻き付け作業をより確実に、しかも簡便に行なえる。また、伝熱体2の位置決め穴111と、髪巻体3の係合穴112とを位置決め突起108に係合させて、伝熱体2および髪巻体3を位置決めしながらカーラー枠1に巻き付けるので、髪巻体3を最後まで巻き付けた状態において、伝熱体2および髪巻体3が筒軸方向へずれるのを確実に防止できる。
この実施例においては、図11に示すように、装着ボス18の筒軸方向の長さを大きくして、その出口開口14側のボス端を端壁88で塞ぐようにした。このように、装着ボス18を下向きに開口する有底筒状に形成すると、装着ボス18および、装着ボス18の周面に連続するリブ状突起15の構造強度を増強して、ヘアカーラーCの強度を向上できる。また、装着ボス18のボス端を端壁88で塞ぐことにより、指先が装着ボス18に差し込まれるのを解消できる。なお、装着ボス18のボス端が開口している場合には、意図的に、あるいは誤って指先が装着ボス18に差し込まれるおそれがある。装着ボス18に差し込まれた指先が傷付き、あるいは骨折する危険性もある。なお、図11においては、ヘアカーラーCを後述するヘアセッターに組み付けた状態を示している。
また、装着ボス18は、ヘアセッターから送給される温風を、装着ボス18および端壁88でせき止めて、カーラー枠1の内部で循環させるので、ヘアカーラーをより短い時間で効果的に加熱できる。ヘアカーラーの再加熱を行なう場合にも、同様に効果的に再加熱できる。また、装着ボス18とカーラー枠1の筒壁との間の出口開口17から温風の一部を温風出口14側へ排出して、ヘアカーラーCを筒軸方向へまんべんなく加熱できる。つまり、ボス端を端壁88で塞いだ装着ボス18は、実施例1で説明した規制壁16と同様の機能を発揮する。
図12以下に、髪巻体3および伝熱体2の固定構造を変更したヘアカーラーCの別の実施例を示す。なお、図12以下の各実施例は、上記の実施例に換えて実施することができ、あるいは上記の実施例に付加した状態で実施することができる。
図12においては、連結突起8の突端部に2個の尖鋭突起80を設けておき、基布部24の巻き始端3aを尖鋭突起80に掛止した状態で、髪巻体3を伝熱体2の外面に巻き付けるようにした。尖鋭突起80は、溶着時に図示していない溶着ホーンで押し潰されて基布部24に溶け込む。このように、伝熱体2を連結突起8に係合し、さらに、基布部24の巻き始端3aを尖鋭突起80に掛止すると、それぞれの巻き始端2a・3aを仮り固定した状態で、伝熱体2および髪巻体3を強固に巻き締めることができる。つまり、カーラー枠1、伝熱体2、および髪巻体3の三者が密着する状態で、伝熱体2および髪巻体3をカーラー枠1に巻き付けることができる。また、内外に重なる基布部24を、尖鋭突起80および連結突起8とともに溶着ホーンTで溶着することにより、内外に密着した状態の前記三者を確実に固定できる。指先を傷付けるおそれのある尖鋭突起80を、髪巻体3を溶着する過程で押し潰して除去できる利点もある。
図13および図14に示すヘアカーラーCにおいては、髪巻体3の巻き始端3aをカーラー枠1の外面と伝熱体2の巻き終端2bとの間に挟み込んだ状態で、髪巻体3を熱体2の外面に巻き付けるようにした。また、伝熱体2の巻き終端2b寄りの内面側にスパイク状の突刺体82を設けておき、突刺体82を基布部24の巻き始端3aを突き刺した状態で、伝熱体2および髪巻体3をカーラー枠1に巻き付けるようにした。
このように、髪巻体3の巻き始端3aを、カーラー枠1の外面と伝熱体2の巻き終端2bとの間に挟み込んだ状態で、髪巻体3を伝熱体2の外面に巻き付けると、髪巻体3の巻き始端3aがずれ動くのを規制した状態で、髪巻体3を伝熱体2の外面に常に適切に巻き付けることができる。また、髪巻体3を突刺体82を介して伝熱体2と連結した状態でカーラー枠1に巻き込むと、伝熱体2が緩むのを規制しながら、髪巻体3をカーラー枠1に巻き込むことができ、さらに、髪巻体3を巻き締め操作することにより、伝熱体2を適正な巻き付け姿勢に巻き締めることができる。必要があれば、髪巻体3の巻き始端3aを、伝熱体2の巻き終端2bの外面あるいは内面に予め接着固定し、あるいは分離不能に連結固定して、両者2・3を一体化しておくことができる。突刺体82はカーラー枠1の側に設けてもよい。
図15(a)から(d)は、連結穴21を連結突起8に係合する際に、その内面に設けた食込体84を連結突起8に食い込ませて、伝熱体2をカーラー枠1に対して仮り固定できるようにした実施例を示す。伝熱体2および髪巻体3は、それぞれカーラー枠1の外周面に沿って筒軸まわりに巻き付けられる。なお、図15においては、連結穴21を連結突起8に係合する前の状態を矢印より左側に図示し、連結穴21が連結突起8に係合された状態を矢印より右側に図示している。
図15(a)では、長穴状の連結穴21の内面5個所に、三角形状の食込体84を設けておき、連結穴21を連結突起8に係合する際に、各食込体84を連結突起8の周面に食い込ませるようにした。詳しくは、連結突起8の突端面の外方から連結穴21を連結突起8に外嵌係合して、各食込体84が連結突起8の周面に食い込む状態で、伝熱体2をカーラー枠1に仮組みする。
図15(b)では、連結突起8の断面を円形に形成した。また、連結穴21は連結突起8の円形断面を内包する円弧と、円弧に連続して先すぼまり状に傾斜する一対の食込体84とで液滴状に形成した。連結穴21を連結突起8に係合したのち、伝熱体2をカーラー枠1のまわりに巻き付けながら、巻き付け方向へ引っ張ることにより、一対の食込体84を連結突起8の周面に食い込ませるようにした。
図15(c)では、連結突起8の断面を円形に形成した。また、連結穴21は連結突起8の円形断面を内包する長穴状に形成し、巻き始端2aに近い側の円弧縁に三角形状の食込体84を設けるようにした。この場合にも、連結穴21を連結突起8に係合したのち、伝熱体2をカーラー枠1のまわりに巻き付けながら、巻き付け方向へ引っ張ることにより、食込体84を連結突起8の周面に食い込ませることができる。
図15(d)では、連結突起8の断面を長穴状に形成した。また、連結穴21は連結突起8の断面を内包する長穴状に形成し、一方の円弧縁に三角形状の食込体84を設けるようにした。この場合には、連結穴21を連結突起8に係合したのち、伝熱体2をカーラー枠1の筒軸心方向へ移動操作することにより、食込体84を連結突起8の周面に食い込ませることができる。なお、食込体84は連結穴21の一部に設けてあればよい。例えば、少なくとも連結穴列の両端寄りの連結穴21に設けてあればよく、全ての連結穴21に設ける必要はない。
図1で説明した実施例においては、伝熱体2の巻き始端2aのみを連結突起8に係合したが、その必要はなく、図16ないし図20に示すように、伝熱体2の巻き始端2aおよび巻き終端2bのそれぞれを連結突起8に係合することができる。このように、伝熱体2の巻き始端2aおよび巻き終端2bを連結突起8に係合すると、巻き始端2aおよび巻き終端2bのそれぞれが、筒軸方向やカーラー枠1の周方向へずれ動くのをさらに確実に防止できる。また、巻き方向の始終端2a・2bを連結突起8に係合したのちは、その状態を自己保持できるので、髪巻体3の巻き付け作業を簡便に行なえる。伝熱体2の巻き始端2a、あるいは巻き終端2bのみを連結突起8に係合する場合に比べて、伝熱体2をカーラー枠1に対して強固に固定できる利点もある。なお、図16ないし図20における髪巻体3は、先に説明した実施例と同様に、その巻き始端3aと巻き終端3bとを連結突起8の外面において内外に重ねたうえで、連結突起8に溶着固定する。
図16においては、伝熱体2の巻き始端2aおよび巻き終端2bに、コ字状の突縁85とコ字状の凹縁86とを互い違い状に形成し、各突縁85に連結穴21を形成して、伝熱体2の巻き始端2aおよび巻き終端2bのそれぞれを、連結突起8に係合できるようにした。
図17においては、図16の伝熱体2と同様に、突縁85と凹縁86とを互い違い状に形成するが、突縁85および凹縁86を連続波形に形成する点が、図16の伝熱体2と異なる。
図18においては、筒軸方向へ長い2個のリブで連結突起8を形成し、各連結突起8の位相位置を周方向へずらすようにした。また、伝熱体2の巻き始端2aおよび巻き終端2bに、突縁85と凹縁86を1個ずつ階段状に設けて、各突縁85に連結突起8に対応する連結穴21を設けるようにした。
図19においては、伝熱体2の展開形状を四角形にしたうえで、その巻き始端2aおよび巻き終端2bのそれぞれに連結穴21を設けて、巻き始端2aおよび巻き終端2bを連結突起8に係合するようにした。この係合構造によれば、伝熱体2の巻き始端2aと巻き終端2bとは、内外に重なる状態でカーラー枠1に固定できる。
図20においては、カーラー枠1の周面に、連結突起8の列を2列形成し、伝熱体2の巻き始端2aと巻き終端2bを、それぞれ異なる連結突起8の列に係合するようにした。
上記の各実施例においては、伝熱体2の巻き始端2aおよび巻き終端2bの少なくとも一方に連結穴21を形成したが、その必要はない。例えば図21に示すように、伝熱体2の巻き幅方向の中央部分に連結穴21を設けておき、連結穴21を連結突起8に係合した状態で、巻き始端2aおよび巻き終端2bのそれぞれをカーラー枠1の周面に巻き付けることができる。連結穴21は、伝熱体2の巻き幅方向の任意位置に形成することができる。
図22においては、カーラー枠1の周面に、周方向へ長いリブ状の連結突起8を筒軸方向へ直線列状に形成して、これに伝熱体2の連結穴21を係合するようにした。
図23においては、カーラー枠1の筒両端に設けた各規制リブ9から、筒軸方向に長い連結突起8を対向状に形成した。また伝熱体2に切欠状の連結溝(連結穴)21を形成して、先の連結突起8に係合できるようにした。このように、本発明における連結穴21は、切欠状の連結溝21を含む概念である。
以上のように構成したヘアカーラーCは、図24以下に示すへアーセッターで加熱したのち、カーラー枠1の周面に頭髪を巻き付け、ヘアークリップで止め付けた状態で使用する。なお、へアーセッターに装着して加熱するヘアカーラーCは、実施例1で説明したヘアカーラーCを例示している。
図24に示すように、ヘアセッターは、上下に長いセッター本体31と、セッター本体31に交換装着されるカールユニット32とを備えており、カールユニット32のカール部に本発明のヘアカーラーCが着脱自在に装着される。カールユニット32は、図示していないブローブラシ、やノズルなどと共にアタッチメントを構成しており、それぞれセッター本体31の連結部40に交換装着できる。
セッター本体31は、筒状の本体ケース33の内部に送風ファン34やヒーター35などを配置し、吹出口36の側にイオン発生用の放電ユニットを備えた放電体37を配置して構成してある。グリップを兼ねるセッター本体31の上部外面にはスイッチノブ39とロック解除用のボタン41とが設けてある。スイッチノブ39をスライド操作することにより、送風ファン34のモーター38やヒーター35への通電状態を切り換えることができる。また、ロック解除用のボタン41を押し込み操作することにより、吹出口36の周囲の連結部40に連結したアタッチメントを取り外すことができる。符号42は吸込口である。
図25において、放電体37は丸筒状の中空体で形成してあり、その周囲壁に円形の4個のイオン送出付口45と、長穴状の一群の通気口46とがそれぞれ開口してある。吹出口36から吹き出された温風(あるいは冷風)の一部は、放電体37の内部に入り込み、通気口46を介して周囲に吹き出され、同時にイオン送出付口45からマイナスイオンが放出される。また、吹出口36から吹き出された温風の一部は、放電体37の外面に沿って流動する。各イオン送出付口45に臨む放電体37の内部には、放電電極47と対向電極48とを備えた放電ユニットが配置してある(図27および図30参照)。放電ユニットに高電圧のパルス電流を供給するイオン発生ユニットは本体ケース33の内部に収容してある。
カールユニット32は、連結部40に外嵌装着される連結筒51を有し、連結筒51の上部に丸筒状のカール軸体52と、カール軸体52と協同して髪を挟み保持する押えアーム53とを備えている。これらのカール軸体52と押えアーム53とでカール部を構成している。連結筒51の内面の対向2個所には、係合凹部55が形成してあり、先のロック解除用のボタン41を押し込み操作することにより、係合凹部55と係合するロック爪54をロック解除操作できる。
カール軸体52の周囲壁には、放電体37のイオン送出付口45に対応してイオン開口57が形成してあり、通気口46と対向する筒壁には一群の通気開口58が形成してある。また、カール軸体52の下端に臨んで周回吹出口59が形成してある。カール軸体52に装着したヘアカーラーCを抜け外れ不能にロック保持するために、カール軸体52の突端に、上端が半球状に丸められたロック筒(突端軸部)61をビス62(図27参照)で締結固定し、その対向周面に弾性変形可能なロック腕(ロック体)63を設けている。また、カール軸体52の突端の内面には、放電体37の突端に設けた突起64と係合するボス65が設けてある。図26において、ロック筒61の下端側の対向周面で、両ロック腕63の形成位置から90度周方向へ位相がずれた位置には、ヘアカーラーCの差し込み限界を規定する一対の規制突起66が形成してある。
押えアーム53は、ステンレス板材製のプレス成形品からなる上下に長いアーム本体70と、アーム本体70を支持するハンドル71と、ハンドル71を揺動付勢する圧縮コイル形のばね72などで構成してある。アーム本体70の断面は、カール軸体52の周面に沿う部分円弧状に形成してあり、その壁面の上下2個所にはイオン開口57に対応するイオン窓73と、通気窓75が開口してある。
ハンドル71は、連結筒51に固定される一対の揺動ピン74でシーソー揺動可能に軸支され、アーム本体70がカール軸体52と密着する向きにばね72で付勢してある(図27参照)。ハンドル71をばね72に抗して押し込むことにより、図26に示すようにアーム本体70を開き操作できる。ハンドル71が配置された部分を除く連結筒51の周面には、支持リング76がフランジ状に張り出してある。ハンドル71は、ヘアセッターを傾斜姿勢で支持する時の支持脚を兼ねており、そのためにハンドル71の下部のレバー部分に斜めの載置部77が設けてある。
ヘアカーラーCをヘアセッターで加熱する場合には、まず、カールユニット32を放電体37に外嵌する状態で装着し、その連結筒51を連結部40に外嵌装着して、ロック爪54で分離不能にロック固定する。この状態では、基端側の連結筒51が連結部40で支持され、さらにカール軸体52の先端寄りに設けたボス65が突起64で支持されるので、カールユニット32をぐらつく余地のない状態で本体ケース33に確りと固定できる。
次に、ヘアカーラーCをカール軸体52に差し込み装着するが、その過程では、リブ状突起15がカール軸体52で移行案内されるので、カーラー枠1を概ね同心状に保持した状態のままで、装着ボス18をロック筒61に容易に外嵌できる。装着ボス18をロック筒61に外嵌した状態では、図29に示すように、ロック腕63が内向きに弾性変形して装着ボス18の内面に密着するので、ロック腕63と装着ボス18との摩擦力によってヘアカーラーCの装着状態を維持できる。さらに、装着ボス18の下端を一対の規制突起66で受け止めて、カーラー枠1の差し込み限界を規定している。
上記のようにカーラー枠1をカール軸体52に装着した状態においては、カーラー枠1の下端とカール軸体52の基端との間に隙間Eが設けられており、この隙間Eに臨むカール軸体52の基端に臨む状態で周回吹出口59が開口してある(図27参照)。この状態でスイッチノブ39をオン操作して、温風をカール軸体52からヘアカーラーCの内部に吹き出し供給する。温風の一部は周回吹出口59からカーラー枠1の内部へ直接吹き出し供給される。また、温風の送給と同時に、放電体37からマイナスイオンを放出して、ヘアカーラーCの全体をマイナスに帯電させる。カーラー枠1の内部に達した温風は、リブ状突起15を加熱し、同時に通気窓5に臨む伝熱体2を加熱しながら、伝熱体2の通気穴20と基布部24とを介してヘアカーラーの外部へ放出される。リブ状突起15は筒軸方向へ長く、しかも筒内面に沿って放射状に形成してある。したがって、ヘアカーラーCの全体を筒軸方向と周方向に均等に加熱することができる。
温風によるヘアカーラーCの加熱は、30秒〜1分間連続して行なうが、ヘアカーラーCが加熱されるまでの間、ヘアセッターは図31(a)に示す状態で載置しておくことができる。詳しくは、ハンドル71の下部の載置部77と、本体ケース33の吸込口42側の端部とをテーブル等の載置面78に載置して、ヘアーカーラーCの側が傾斜上端となる姿勢で、ヘアセッターを載置して、ハンドフリー状態でヘアーカーラーCを加熱できる。ヘアカーラーCを加熱する間に、誤ってヘアセッターを横転させるようなことがあったとしても、図31(b)に示すように支持リング76がテーブル等の載置面78に接当して、ヘアカーラーCを載置面78から浮き離れた状態に保持できるので、カーラー枠1が通風不良に陥って過熱状態になるのを防止できる。
ヘアカーラーCを加熱する際に、カール軸体52の周面や、ヘアカーラーCの外面に大量の髪が絡み付いていると、温風の通りが悪くなり、カーラー枠1が局部的に過熱状態に陥ることがある。このような通風不良に伴なう過熱を防止するために、カーラー枠1とカール軸体52の基端との間に隙間Eを確保して(図27参照)、周回吹出口59から送給される温風を隙間EからヘアカーラーCの外部へ放出できるようにしている。
カーラー温度が適温になったことは、視認窓22を介して感温変色シート4を視認し、シート全体の呈色状態がピンクになっていることで確認できる。この時点で、スイッチノブ39をオフ操作して、ヒーター35およびモーター38への通電を停止する。次に、カーラー枠1の全体を掴んで、あるいは、カーラー枠1の温風出口14の開口縁を指先で掴んで、ロック腕63の弾性に逆らいながらカール軸体52から抜き外す。このとき、温風出口14に臨むリブ状突起15とフック片25とを摘むようにして掴むことにより、指先の接触面積を小さくして、指先に感じる熱さを緩和できる。
カール軸体52から取り外したヘアカーラーCは、例えば図32に示すように、その周面に頭頂部の髪を先端から根元へ向かって巻き込んでヘアーピンで止め付け、カーラー枠1の熱を加えながら髪をくせ付けする。この状態のカール軸体52は、充分に高い温度状態にあり、したがってスイッチノブ39をオン操作してすぐに、側頭部などの髪をカール軸体52に巻き付けて、ヘアカーラーCによるくせ付けと併行してカール処理できる。つまり、ヘアカーラーCによるくせ付けと、カール軸体52によるカール処理とを併行して行なうことができ、整髪作業をより短時間で速やかに行なえる。
ヘアーピンで頭髪に止め付けたヘアカーラーCは、温風を送給して再加熱することができる。その場合には、セッター本体31を温風送給状態にしたのち、カール軸体52をカーラー枠1の内部に差し込んで加熱する。ただし、カール軸体52はヘアカーラーCの差し込み限界まで差し込む必要はなく、カール軸体52から吹き出される温風と、周回吹出口59から送給される温風とでカーラー枠1を内外から加熱するとよい。ヘアードライヤーで生成した温風を温風入口43へ向かって吹き出してカーラー枠1を内外から加熱し、あるいはカーラー枠1に巻き付けられた髪とカーラー枠1とを同時に加熱してもよい。いずれの場合でも、予め加熱しておいたヘアカーラーCで髪の加熱を行なうので、再加熱に要する時間は短時間ですむ。なお、ヘアセッターに適用されるヘアカーラーCは、筒状スポンジなどの連続気泡構造の髪巻体3であってもよい。その場合には、髪が巻き付けられたヘアカーラーCをクリップやヘアーピンで止め付けて、髪の巻き付け状態を保持するとよい。
上記構成のヘアセッターは以下の形態で実施することができる。
セッター本体31と、セッター本体31の一側に設けられて髪を加熱しながらカール処理するカール部と、カール部に着脱自在に外嵌装着されるヘアカーラーCとを備えており、
カール部に装着して加熱されたヘアカーラーCをカール部から取り外し、その周面に髪を巻き込んでカール処理することを特徴とするヘアーセッター。
上記のように、使用時には、セッター本体31の一側に設けられるカール部にヘアカーラーCを装着して所定の温度状態に加熱し、カール部から取り外したヘアカーラーCの周面に髪を巻き込んでくせ付けを行なう。このように、予め加熱された状態のヘアカーラーCを使用して、その周面に髪を巻き付けてくせ付けを行なうようにすると、髪のくせ付けに要する一連の作業を簡便に行なってユーザーの負担を軽減できる。
詳しくは、加熱されたヘアカーラーCを回転操作するだけで髪をカーラー周面に確りと巻き付け、髪が巻き付けられた状態のヘアカーラーCをヘアーピンで頭髪に固定することにより、ヘアカーラーCの熱を髪に加えながらくせ付けできる。したがって、髪が充分に加熱されるまでの間、セッター本体を頭上に差し上げた状態で持ち続ける必要があった従来のヘアーセッターとは異なり、ユーザーに余分な負担が掛かるのを一掃して、頭髪のカール処理を簡便に行なえる。さらに、カーラー周面に巻き込まれた髪を、ヘアカーラーCの熱で内側から加熱しながらくせ付けするので、とくに髪の毛先側を効果的にカール処理できる。
カール部が、熱を供給するカール軸体52と、カール軸体52と協同して髪を挟み保持する押えアーム53とを備えている。
熱を供給するカール軸体52でカール部を構成すると、ヘアカーラーCに髪を巻き込んでくせ付けを行ないながら、同時に、セッター本体31のカール部によるくせ付けとを併行して行なうことができる。したがって、一連の整髪作業をより短時間で速やかに行なえる。例えば、カール部で加熱したヘアカーラーCを頭頂部に装着して髪をくせ付けしながら、併行して側頭部の髪をカール部でくせ付けすることができる。また、カール軸体52と押えアーム53とで髪を挟み保持した状態で巻き込むことにより、カール処理したい髪の部位を的確に加熱しながらくせ付けして、ヘアーセットをより的確にしかも迅速に行なえる。また、ヘアカーラーCを加熱したときのカール部の熱を有効に利用しながらくせ付けできるので、消費エネルギーの無駄を抑止できる。2個目のヘアカーラーCを加熱する場合や、カール部で髪をくせ付けしたのちヘアカーラーCを加熱する場合にも、前回に加熱したときのカール部の熱を有効に利用して、消費エネルギーの無駄を抑止できる。押えアーム53が金属で形成してある場合には、押えアーム53の熱を有効に利用して、ヘアカーラーCや髪を迅速に加熱できる利点もある。
セッター本体31の内部に、モーター38で駆動される送風ファン34と、ヒーター35とが設けられており、
カール軸体52は、周面に一群の通気開口58が開口された中空体で形成されており、
セッター本体31から送給される温風を、カール軸体52の一群の通気開口58から吹き出し供給する。
セッター本体31で生成した温風を、中空のカール軸体52を介して一群の通気開口58からヘアカーラーCの内部に吹き出し供給するヘアーセッターによれば、カール軸体52に装着したヘアカーラーCを内側から満遍なく加熱することができる。また、適度に加熱された温風を熱源にしてヘアカーラーCを加熱するので、ヘアカーラーCの温度が異常に高くなるのを確実に防止でき、したがって、カール軸体52から取り外したヘアカーラーCに髪を巻き付ける作業を安全にしかも確実に行なえる。さらに、カール部で直接くせ付けを行なう場合には、カール軸体52に巻き付けられた髪を満遍なく均等に加熱し、あるいは冷風で冷却してカール形状を固定することができる。
セッター本体31の連結部40にカールユニット32が着脱可能に差し込み装着されており、
カールユニット32に、カール部を構成するカール軸体52と押えアーム53とが設けてある。
セッター本体31の連結部40に着脱されるカールユニット32に、カール部を構成するカール軸体52と押えアーム53を設けると、カールユニット32と他のアタッチメントを併用して、多様な髪処理を行なうことができる。例えば、ヘアカーラーCに髪を巻き込んでくせ付けを行ないながら、カール部で直接くせ付けを行ない、あるいは他のアタッチメントを使用してヘアーブローなどの整髪作業を併行して行なえる。また、ヘアカーラーCに髪を巻き込んでくせ付けを行なう際にカールユニット32をセッター本体31から取り外し、温風をヘアカーラーCの周辺に吹き出すことにより、髪およびヘアカーラーCを追加して加熱できる。
ヘアカーラーCが、周面に一群の通気窓5が開口してある筒状のカーラー枠1と、カーラー枠1の外周面に設けられる髪巻体3とを含んで構成してある。
少なくとも、通気自在な筒状のカーラー枠1と髪巻体3とで構成したヘアカーラーCによれば、カーラー枠1の周面から吹き出される温風でヘアカーラーC周面に巻き付けられた髪を満遍なく加熱しながら、ヘアカーラーCを軽量化できる。したがって、ヘアカーラーCを頭髪に止め付けた状態で、他の頭髪部位の整髪作業を行なうような場合に、ヘアカーラーCが揺れ動いて地肌が引っ張られたり、頭髪に対するヘアカーラーCの止め付け位置がずれ動くのを確実に防止できる。つまり、重量が大きなヒーター内蔵のカーラーに比べて、軽量化されたヘアカーラーCで違和感のない状態でくせ付けを行なえる。なお、カーラー枠1と髪巻体3との間に伝熱体2が配置してあるヘアカーラーCであっても、同様に軽量化して、違和感のない状態でくせ付けを行なえる。さらに、カール軸体52で加熱されたヘアカーラーCを取り外して髪を巻き付ける際に、カーラー枠1からの熱伝導を髪巻体3で緩和できるので、ヘアカーラーCに対する髪の巻き付け作業を安全にしかも確実に行なえる。
前記髪巻体3が、通気自在な基布部24と、基布部24の外面に形成される一群のフック片25とでフック型ファスナーで形成されており、
髪巻体3をカーラー枠1周囲に巻き付けてヘアカーラーCが形成してある。
髪巻体3が、基布部24と一群のフック片25とを備えたフック型ファスナーで形成してあると、フック片25に毛先を絡みつかせて髪の巻き付け作業を円滑に、しかも確実に行なえる。また、面ファスナー状の髪巻体3は、水分を吸収しにくい特性を備えているので、カール軸部25から吹き出される温風の熱が基布部24およびフック片25を通過する間に無駄に消費されるのを避けて、髪の乾燥およびくせ付けをより効果的に行なうことができる。
ヘアカーラーCが、カール軸体52および押えアーム53に外嵌する状態でカール部に装着してある。
カール軸体52および押えアーム53に外嵌する状態でヘアカーラーCをカール部に装着するようにすると、カール軸体52の熱と押えアーム53の熱とでヘアカーラーCを効果的に加熱できる。また、ヘアカーラーCを加熱したのちの、カール軸体52と押えアーム53の熱を有効に利用しながら髪をくせ付けして、消費エネルギーの無駄を抑止できる。とくに、押えアーム53が金属で形成してある場合には、押えアーム53の熱を有効に利用して、ヘアカーラーCや髪を迅速に加熱できる。
カール軸体52に装着したヘアカーラーCと、カール軸体52の基端との間に隙間Eが設けてある。
カール軸体52に装着したヘアカーラーCと、カール軸体52の基端との間に隙間Eを設けると、ヘアカーラーCにおける温風の通りが悪い状態において、ヘアカーラーCが局部的に過熱状態に陥るのを防止できる。温風の通りが悪い状態では、セッター本体31から送給される温風を隙間EからヘアカーラーCの外部へ放出して、ヘアカーラーCの内部に温風がこもるのを防止できるからである。なお、温風の通りが疎外される状態は、カール軸体52の周面やヘアカーラーCの内外面に大量の髪が絡み付いている場合などに生じやすいが、こうした場合でもヘアカーラーCが過熱されるのを確実に解消して、ヘアカーラーCによる髪のくせ付けを安全に行なえる。
カーラー枠1のカール部への装填始端側に温風入口13が開口されており、
カーラー枠1の突端寄りの内面に、カーラー枠1の内部を軸方向へ仕切る規制壁16が形成されており、
規制壁16にカール軸体52の挿通を許す装着ボス18が形成してある。
カーラー枠1の突端寄り内面に装着ボス18を備えた規制壁16を設けると、カール軸体52から周囲へ吹き出された温風と、温風入口13の側から送給された温風の殆どを規制壁16でせき止めて、ヘアカーラーCを加熱できる。したがって、温風が無駄に消費されるのを防ぐことができる。また、ヘアカーラーCに巻き付けた髪のくせ付けを効果的に行なうことができる。さらに、頭髪に固定したヘアカーラーCの内部に温風を吹き込んで、ヘアカーラーCの再加熱を行なう場合に、セッター本体31から吹き出し供給される温風を規制壁16でせき止めて、ヘアカーラーCの内部で循環させることにより、ヘアカーラーCを効果的に再加熱できる。
カーラー枠1の周壁内面に、カーラー枠1の表面積を増加する凹凸体が設けられており、
前記凹凸体が、カーラー枠1の筒軸心に沿って平行に、かつ放射状に配置した一群のリブ状突起15で形成してある。
カーラー枠1の周壁内面に凹凸体を形成すると、カーラー枠1の内面の表面積を増加して、温風とカーラー枠1の接触機会を増やすことができる。また、凹凸体を、カーラー枠1の中心軸線と平行で、しかも放射状に配置した一群のリブ状突起15で形成すると、温風を軸心方向に延びるリブ状突起15に沿って均等に分布させることができる。したがって、カーラー枠1の全体を均等に加熱して、その周面に巻き込まれた髪をむらのない状態で均等にくせ付けできる。また、放射状に配置したリブ状突起15は、カール軸体52とカーラー枠1との隙間を周方向へ概ね均等に区分して、ヘアカーラーCの一部が過熱状態に陥るのを阻止できる。
以上のように、一群のリブ状突起15を備えたヘアカーラーCによれば、ヘアカーラーCの加熱に要する時間を短縮して、効果的にしかも無駄なエネルギー消費を抑えながらカーラーの加熱を行なえる。また、一群のリブ状突起15を設けることにより、カーラー枠1の全体の体積を増やして、その分だけヘアカーラーCの蓄熱量を増加して髪の加熱を効果的に行なうことができる。
押えアーム53の壁面に、カール軸体52の通気開口58から吹き出し供給された温風の通過を許す通気窓75が形成してある。
押えアーム53の壁面に通気窓75を形成すると、カール軸体52の通気開口58から吹き出し供給された温風を通気窓75を介してヘアカーラーCの内部に送給できるので、ヘアカーラーCをさらに均等に加熱して、髪の加熱くせ付けをむらのない状態で行なえる。カール軸体52と押えアーム53との間に髪を挟み込んでくせ付けを行なう場合にも、通気窓75を通り抜ける温風で髪を効果的に加熱できる。
セッター本体31の一側に、イオン発生ユニットを備えた放電体37が設けられて、その外面にカール軸体52が配置されており、
セッター本体31から送給される温風と同時に、放電体37で生成したマイナスイオンを送給できる。
セッター本体31の一側に、イオン発生ユニットを備えた放電体37を設け、その外面にカール軸体52を配置すると、温風と同時に放電体37で生成したマイナスイオンを送給して、ヘアカーラーCをマイナスに帯電させることができる。したがって、髪がプラスに帯電していたとしても、マイナスに帯電したヘアカーラーCで髪の電位を中和し、あるいはマイナスイオンを付着させて髪の水分率を向上でき、くせ付けされた髪をしっとりとした状態に仕上げることができる。
カール軸体52の突端軸部61に、カール軸体52に装着したヘアカーラーCの抜け外れを規制するロック体63が設けられており、
ロック体63は、突端軸部61の周面から突出するロック位置と、突端軸部61の周面内に沈み込むロック解除位置とに変位自在に支持されて、ばねでロック位置へ向かって進出付勢してある。
カール軸体52に装着したヘアカーラーCを、突端軸部61に設けたロック体63で抜け外れ不能に規制すると、加熱された状態のヘアカーラーCが、不用意にカール軸体52から抜け出るのを確実に阻止できる。例えば、いたずらでセッター本体31が振り動かされ、あるいは卓上に載置していたセッター本体31が誤って床面に落下するような場合にも、加熱されたヘアカーラーCがカール軸体52から分離するのを防止し、より安全にヘアカーラーCの加熱を行なうことができる。また、ヘアカーラーCをカール軸体52の所定位置まで単に差し込むだけで、ロック体63をロック付勢して、ヘアカーラーCを分離不能に保持できるので、より簡単な操作でヘアカーラーCをカール軸体52に装着し、ロック固定できる。カール軸体52の先端の突端軸部61にロック体63を設けるので、ヘアカーラーCの内部に送給される温風の流れがロック体63で阻害されるのを防止できる。また、ヘアカーラーCの温風入口13に比べて温度条件が緩和された先端部分にロック体63を設けるので、ロック体63が過熱されて熱変形し、不用意にロック状態が解除されるのを防止できる。因みに、ロック体63をカール軸体52の中途部や基端部側に設ける場合には、温風の流れがロック体63で阻害されるのを避けるためにヘアカーラーCを太く形成することになり、ヘアカーラーCが肥大化するのを避けられない。なお、本発明においてロック体63の抜け外れを規制するとは、先のようにユーザーの意図しない状況でヘアカーラーCがカール軸から分離するのを規制できるが、ユーザーがヘアカーラーCをカール軸から意図的に分離しようとする場合には、取り外しが可能であることを意味する。
ロック体63が、カール軸体52の突端軸部61と一体に形成されて、自己の弾性でロック位置へ向かって進出付勢してある。
ロック体63を突端軸部61と一体に形成すると、ヘアカーラーCのロック構造の構成部品点数を減らすことができ、しかもロック体63を突端軸部61に組み付ける手間を省いて、その分だけヘアーセッターの製造コストを削減できる。また、ロック体63を自己の弾性でロック位置へ進出付勢すると、ロック付勢用のばねを省略してさらにヘアーセッターの製造コストを削減できる。
上記構成のヘアセッターは、さらに以下の形態で実施することができる。
セッター本体31と、セッター本体31の連結部40に着脱される複数のアタッチメントとを備えており、
各アタッチメントは、前記連結部40に外嵌装着される連結筒51を備えており、
連結筒51の周囲に、他の部位に先行して載置面78に接当する支持リング76が形成してあるヘアセッター。
前記アタッチメントのひとつが、連結筒51の一側に設けられるカール軸体52と、カール軸体52と協同して髪を挟み保持する押えアーム53とを備えており、
押えアーム53は、連結筒51で揺動可能に軸支されるハンドル71と、一端がハンドル71に固定されて、カール軸体52に対して接離操作されるアーム本体70とを含んで構成されており、
ハンドル71に、載置面78で安定支持される斜めの載置部77が設けてあるヘアセッター。
図33ないし図35にヘアセッター用のスタンドを示す。スタンドはベース体90と、ベース体90の上面に被さるカバー91とで構成する。ベース体90は、円弧面状に凹む凹壁92と、凹壁92の両側端に連続して下向きに湾曲する一対の湾曲壁93・94と、これら両壁92・93・94の前後を塞ぐ銀杏葉形の一対の端壁95・95とで、下向きに開口する容器状に形成してある。湾曲壁93・94の下端縁の前後中央には、それぞれ部分円状の位置決め突起96が膨出形成してある。凹壁92と各湾曲壁93・94とが隣接する稜線には、前後一対の係合穴97が形成してある。一方の湾曲壁93の内面には、ヘアカーラーCを止め付けるためのループ型ファスナー98が貼り付けてある。
カバー91は、部分円弧面からなる湾曲壁93・94と同じ曲率の円弧壁で形成してあり、その内面にヘアカーラーCを止め付けるためのループ型ファスナー99が貼り付けてある。カバー91の両端の前後中央には、先の位置決め突起96と係合する位置決め凹部101が形成してあり、この位置決め凹部101はヘアセッターを受け止めるための載置凹部102を兼ねている。カバー91の外面には、先の係合穴97と係合する突起103・104が突設してある。突起103・104はそれぞれ4個を一組として形成してあり、各突起103・104はカバー91の周方向に位相がずれる状態で形成してある。
スタンドはヘアカーラーCの保管容器として使用でき、その場合には、図33に示すようにベース体90の内面のループ型ファスナー98にヘアカーラーCを装着する。さらにカバー91の内面のループ型ファスナー99にヘアカーラーCを装着した状態で、カバー91をベース体90に被せ付けて、カバー91と凹壁92との間の空間にヘアカーラーCを収容する。
また、スタンドとして使用する場合には、ベース体90およびカバー91をヘアカーラーCから取り外したのち、図35に示すようにカバー91を反転したうえで、突起103を係合穴97に係合する。この状態では、カバー91の両端の載置凹部102が上向きに開口しており、両開口を結ぶ線は図35に向かって左上がり状に傾斜する。したがって、セッター本体31の吸込口42を、右の湾曲壁94に近い側の載置凹部102に掛止し、さらに、セッター本体31に装着したカールユニット32の連結筒51を、他方の載置凹部102に掛止することにより、ヘアーセッターを約30度の傾斜姿勢で支持できる。なお、突起104を係合穴97に係合する場合には、ベース体90に対するカバー91の傾斜角度をより小さくして、ヘアーセッターを約15度の傾斜姿勢で支持できる。
スタンドは、カール軸体52にヘアカーラーCを装着して加熱する場合にも使用でき、その場合には、ヘアカーラーCが装着してあるヘアーセッターを、上記と同様にカバー91に載置し、スイッチノブ39をオン操作する。また、カールユニット32を取り外した状態のセッター本体31をカバー91に載置して、吹出口36から送給される温風や冷風によって、髪の乾燥をハンドフリー状態で行なうことができる。
上記のように構成したスタンドは、以下の形態で好適に実施することができる。
ベース体90と、保管姿勢にした状態においてベース体90の外面を覆う湾曲形状のカバー91とを備えており、
カバー91を使用姿勢に反転して、ベース体90の上面に組み付けた状態において、ヘアセッターをカバー91の両端で橋絡状に支持できるスタンド。
カバー91が円弧壁で形成されており、
ベース体90の上面にカバー91を受け止める湾曲壁93・94が設けられており、
保管姿勢にしたカバー91をベース体90に被せ付けた状態において、カバー91が湾曲壁93・94に外接してベース体90の上面全体を覆っているスタンド。
その場合には、保管姿勢にしたカバー91をベース体90に被せ付けた状態、すなわち保管状態におけるスタンドの外観を、かまぼこ形のシンプルな形状にしてデザイン性を向上できる。また、保管状態においてスタンドが占める体積をより小さなものとして、スタンドをよりコンパクトな状態で保管できる。
ベース体90の上面に、凹壁92と湾曲壁93・94とが設けられており、
前記凹壁92の両側に複数の係合穴97を形成し、カバー91に前記係合穴97と係合して、カバー91を使用姿勢に保持する複数の突起103・104が設けられており、
前記係合穴97と係合する突起103・104を変更して、カバー91の使用姿勢を変更できるようにする。
その場合には、突起103・104を係合穴97と係合することにより、カバー91が湾曲方向や前後に遊動するのを防止して、カバー91に載置したヘアセッターを確りと支持できる。また、係合穴97と係合する突起103・104を変更するだけで、カバー91のベース体90に対する組み付け姿勢を容易に変更して、スタンドに載置したヘアセッターの姿勢を変えることができる。
ベース体90は、下凹み状の凹壁92と、凹壁92の両側端に連続して下向きに湾曲する円弧壁からなる湾曲壁93・94とで、下向きに開口する容器状に形成されており、
カバー91は、湾曲壁93・94と同じ曲率の円弧壁で形成されており、
保管姿勢にしたカバー91をベース体90に被せ付けた状態において、カバー91と凹壁92の間、および湾曲壁93・94の内部のそれぞれに、ヘアカーラーCが収容してあるスタンド。
その場合には、保管姿勢にしたカバー91と凹壁92との間の空間、および湾曲壁93・94の内面の空間を、ヘアカーラーCの収納空間として利用することができる。さらに保管状態にしたスタンドが占める体積を増加する必要もなく、複数個のヘアカーラーCをスタンド内に収納できる。
カバー91の湾曲半径が、凹壁92の湾曲半径より大きく設定してあるスタンド。
その場合には、保管姿勢にしたカバー91とベース体90とが占める空間を有効に利用しながらヘアカーラーCの収納空間を確保して、ヘアカーラーCを整然と収納できる。
凹壁92が、ベース体90の中央から左右いずれかへ偏寄した状態で形成されており、
凹壁92と左右の湾曲壁93・94とが隣接する稜線の高さが、左右で異ならせてあるスタンド。
その場合には、高さが異なる左右の稜線でカバー91を支持することにより、カバー91をベース体90に対して斜めに傾斜する状態で支持できる。
ベース体90の湾曲壁93・94の下端に、位置決め突起96が膨出形成されており、
カバー91を保管姿勢にしてベース体90に被せ付けた状態において、前記位置決め突起96と係合する位置決め凹部101がカバー91の両側端に形成されており、
前記位置決め凹部101が、ヘアセッターを受け止め支持する載置凹部102を兼ねているスタンド。
その場合には、位置決め凹部101を利用してヘアセッターを支持できるので、別途載置凹部102を設ける必要がなく、カバー91の構造を簡素化できる。
上記以外に、髪巻体3は、逆J字状のフックを備えたフック型ファスナーである必要はなく、フック片25がきのこ形、あるいは矢尻形に形成してあるフック型ファスナーや、フックとループが混在している共用型ファスナーで構成することができる。さらに、フック型ファスナーにおけるフック片25は、ループ糸の一個所を切断して形成することができる。例えば、ループ糸のループ頂部より低い位置を切断して、切断位置より高い側に逆J字状のフック片25を有し、切断位置より低い側にI字状のループ糸を有するフック型ファスナーとすることができる。また、ループ頂部を切断して、各ループごとに逆J字状の一対のフック片25を備えた、フック型ファスナーとすることができる。ループ型ファスナーを素材にして髪巻体3を形成してもよい。その場合には、髪が巻き付けられたヘアカーラーCをクリップやヘアーピンで止め付けて、髪の巻き付け状態を保持する。必要があれば、ハニカム繊維や立体繊維などの通気性に富むシート材で髪巻体3を構成することができる。
伝熱体2は、通気穴20を備えていない金属シート、あるいは通気性に富む金属メッシュで形成することができる。伝熱体2の視認窓22の形状は、円形、楕円形、三角形、五角形など、多様な形状に形成することができる。また、個々の伝熱体2に各種形状の視認窓22を形成しておけば、テープ状の感温変色体4の呈色状態を、見る位置によって異なる形状として視認することができる。感温変色体4はテープ状に形成する必要はなく、例えば、感温変色体4を円形や四角形などのシート片や、シール状に形成して、カーラー枠1の表面の一部に配置することができる。また、感温変色体4はカーラー枠1と伝熱体2との間に配する必要はなく、伝熱体2で覆われていないカーラー枠1の表面に配置することができる。