JP5281456B2 - プッシュナット、およびプッシュナットを用いた結合構造 - Google Patents
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Description
各突出片102は、周縁部101から軸方向における同一方向に突出しており、弾性変形可能とされている。
このように構成すると、プッシュナットは爪部の先端のみを筒状部に係止させて設けられており、筒状部との接触面積が小さいので、爪部の先端を筒状部に食い込まれる力が大きくなる。これにより、ステータの筒状部からの抜け止めとして用いられているプッシュナットは、筒状部に確実に取り付けられるので、筒状部からのステータの脱落を確実に阻止できる。
また、筒状部に設けられたリブとステータに設けられた溝が係合することによって、プッシュナットと筒状部とが相対的に回転しないので、爪部によって筒状部が削られることがない。
このように構成すると、筒状部の軸方向においてロータとステータとを近接させることができると共に、プッシュナットを取り付けるためのスペースを確保するために、筒状部材の軸方向長さを長くする必要がない。よって、モータの軸方向の大きさを小さくできる。
このような構成とすると、ステータが筒状部から外れる方向に移動しようとすると、プッシュナットの基部には、基部を径方向外側に広げる方向に応力が作用するが、かかる応力を溝の内周面で受けることができるようになるので、応力に抗するために基部の径方向厚みを大きくする必要がない。
図1は、実施形態にかかるアウターローター型モータ1の全体構造を示す縦断面図である。
アウターローター型モータ1(以下、モータ1と記載する)のケース2は、外周壁2aを備える有底のドラム状で、その開口部をシャフト支持隔壁3でカバーされて、モータハウジング4が形成される。
ケース2とシャフト支持隔壁3との結合は、順次に周方向複数箇所の爪を用いたバヨネット方式で連結し、ボルトなどで回り止めされる。
さらに、シャフト支持隔壁3からモータハウジング4内へは、筒状部10が延びている。筒状部10はその根元の拡径部11でボス部8に接続している。
ボス部8の内部には、拡径部11とオイルシール20との間に、シール空間Sが形成されている。
筒状部10の軸方向における拡径部11と縮径部12との間には、段差13が設けられており、段差13にはヨーク31の一端31aが当接している。
リブ16の段差13側の幅W2は、縮径部12側の幅W1よりも若干広くなっている。筒状部10が圧入されるステータ30のヨーク31の貫通穴31c(図1参照)には、リブ16に対応する位置に図示しない等幅の溝が設けられている。そのため、ステータ30を筒状部10に組み付けた際に、ステータ30がガタツクことなく筒状部10に固定されるようになっている。
これらロータドラム36、永久磁石37、そしてシャフト40によりロータ38が形成されており、このロータ38とステータ30とによりモータMが形成される。
図3の(a)は、図1の要部拡大図であり、(b)は、(a)におけるA―A矢視図である。図4の(a)は、プッシュナット50の平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A線断面図である。
プッシュナット50は、プッシュナット挿入溝23内で縮径部12に取り付けられており、ステータ30(ヨーク31)の軸方向の移動を規制することで、ステータ30の筒状部10からの脱落を阻止している。
基部51の外径d1は、プッシュナット挿入溝23の外径d2(図3の(a)参照)と略同じ径(整合する径)とされており、図3の(b)に示すように、プッシュナット50は、基部51の外周面51aを、プッシュナット挿入溝23の内周面23aに当接させた状態で設けられている。
プッシュナット挿入溝23を設けない場合、筒状部10(縮径部12)軸方向長さを長くして、プッシュナット50の基部51をステータ30の絶縁部33に当接させる必要があるが、プッシュナット挿入溝23を設けることで、筒状部10(縮径部12)の軸方向長さを抑えることができるようになっている。
曲げ加工は、曲線状の先端52aが一部をなす仮想円Xの径D1が、縮径部12の外径D(図3参照)よりも小さくなるように施されており、先端52aが描く曲線の曲率が、縮径部12の外周の曲率よりも小さくなって、尖状の爪部52bのみが縮径部12と接触するようにされている。延出部52と縮径部12との接触面積を小さくするためである。
具体的には、各延出部52の先端52a側を、両側端52cが中心O側に突出するように、それぞれ幅方向の両側から中央側に向けて図中太矢印で示す方向に曲げながら、立ち上げることで形成される。
これにより、図4に示すように、延出部52の先端52aの幅方向両端が、尖状の爪部52b、52bとして中心O側に突出したプッシュナット50が形成される。
そして、各延出部52の爪部52bにより囲まれた中心O側の空間が、筒状部10の縮径部12を挿通させる開口53とされている。
このようにすることで、プッシュナット50において、プレス打ち抜きによるエッジ部分が、延出部52の開口53に面する側に位置し、このエッジ部分が延出部52の爪部52bとなるので、爪部52bが縮径部12により確実に食い込むようになるからである。
さらに、縮径部12への取り付け後は、爪部52bを結んで形成される仮想円Yの直径D2が、縮径部12の外径Dよりも小さいので、プッシュナット50は、爪部52bの先端を縮径部12に食い込ませた状態で配置されるようになっている。
これにより、プッシュナット50は、筒状部10の縮径部12に爪部52bの先端のみを係止させて取り付けられる。ここで、縮径部12との接触面積が小さいので、単位接触面積当たりの爪部52bを縮径部12に食い込ませる力が大きくなる。
よって、プッシュナット50を縮径部12に確実に係止させて、プッシュナット50の縮径部12からの脱落を阻止できる。実施形態では、プッシュナット50は、ステータ30の筒状部10からの抜け止めとして用いられているので、筒状部10とステータ30との連結状態を維持することができる。
さらに、プッシュナット50を縮径部12に確実に係止させることができるので、従来例にかかるプッシュナットのように、縮径部12にプッシュナット50を係止させるための環状溝を設ける必要がない。よって、筒状部10の作製に用いられる金型の形状が複雑になることもない。
これにより、プレス打ち抜きによるエッジ部分が、縮径部12に係止される爪部52bとなるので、爪部52bにダレがなく、爪部52bのエッジが縮径部12に食い込むようになる。よって、プッシュナット50は、より確実に筒状部10の縮径部12に係止されて、プッシュナット50の縮径部12からの脱落が確実に阻止されるので、プッシュナット50による筒状部10とステータ30との連結を維持することができる。
これにより、爪部52bが縮径部12に食い込むようになるので、プッシュナット50を縮径部12に確実に取り付けることができ、縮径部12からのプッシュナット50の脱落を阻止できる。また、延出部52はカールされているため、爪部52bから根元側(延出部52の基部51側)にかかる応力に対する強度が増し、延出部52の変形を防ぐことができる。延出部52をカールさせずに平面状とした場合に比べて、延出部52の曲げに対する強度が高くなるためである。
また、等幅の延出部52の曲げ加工により爪部52b、52bが形成されるので、爪部52bを形成するためにプレス打ち抜きのパンチの形状を複雑にする必要がない。よって、プッシュナットを安価に提供できる。
これにより、プッシュナット50の爪部52bと縮径部12との接触面積が小さくなり、爪部52bを縮径部12に食い込まれる力が大きくなるので、プッシュナット50が縮径部12(筒状部10)に確実に取り付けられる。よって、筒状部10からのステータ30の抜け止めとして用いられているプッシュナット50を、縮径部12に確実に取り付けることができるので、筒状部10からのステータ30の脱落を確実に阻止できる。
さらに、プッシュナット50を縮径部12に確実に取り付けることができるので、従来のように環状溝を形成する必要がない。よって、筒状部10と一体形成されたシャフト支持隔壁3の形成に用いられる金型の形状を、環状溝を形成するためにより複雑な形状とする必要がないので、金型の作製コストの低減が可能となる。
また、従来のように、環状溝にプッシュナット50の爪部52bが落ち込んだことを、確認する必要もないので、モータの組み立てがより簡便に行えるようになる。
また、筒状部10に設けられたリブ16とステータ30に設けられた溝が係合することによって、プッシュナット50と筒状部10とステータ30が相対的に回転しないので、爪部52bによって縮径部12が削られることがない。
これにより、プッシュナット50を取り付けるためのスペースを確保するために、筒状部10の軸方向長さを長くする必要がないので、筒状部10の軸方向においてロータ38とステータ30とを近接させることができる。よって、プッシュナット50の取り付けのために、モータMの軸方向の軸方向の大きさが大きくならないので、モータMの軸方向の大きさを小さくできる。
ステータ30が筒状部10から脱落する方向(図3において左方向)移動しようとすると、プッシュナット50の基部51には、基部51を径方向外側に広げる方向に応力が作用する。プッシュナット50の基部51の外径d1と、プッシュナット挿入溝23の外径d2とを略同じ径に設定すると、基部51に作用する応力をプッシュナット挿入溝23の内周面23aで受けることができるようになる。よって、基部51が応力に耐えることができるようにするために、基部51の径方向厚みtを大きくする必要がないので、プッシュナット50の大きさを小さくすることができる。
2 ケース
3 シャフト支持隔壁
4 モータハウジング
10 筒状部
11 拡径部
12 縮径部
13 段差
14 貫通穴
15 軸受保持部
16 リブ
20 オイルシール
21、22 軸受
23 プッシュナット挿入溝
30 ステータ
31 ヨーク
32 コイル
33、34 絶縁部
35 筒壁
36 ロータドラム
37 永久磁石
38 ロータ
40 シャフト
50 プッシュナット
50’ 打ち抜き部材
51 基部
52 延出部
52a 先端
52b 爪部
53 開口
M モータ
S シール空間
Claims (4)
- 環状の基部と、
前記基部の周方向で複数設けられており、前記基部の中心側に延出する延出部と、を備え、
前記延出部に尖状の爪部を設けて、前記基部を挿通させた軸部材に、前記爪部のみを係止するようにしたプッシュナットであって、
前記プッシュナットは、板状部材のプレス打ち抜きにより形成されており、
前記延出部は、前記軸部材の軸方向で、前記プレス打ち抜きのパンチが突き抜ける側に延出しており、
前記延出部の先端側を幅方向に沿ってカールさせることで、前記延出部の先端の幅方向両側が前記爪部とされており、
前記爪部の先端は、前記軸部材の軸方向から見て、前記軸部材の外径よりも径の小さい仮想円上に位置していることを特徴とするプッシュナット。 - 請求項1に記載のプッシュナットを用いた結合構造であって、
本体ケースと一体に形成された筒状部に外挿されたステータと、前記筒状部で回転可能
に支持されたシャフトと一体回転可能なロータと、を有するモータにおいて、
前記筒状部の外周にリブを設けると共に、前記ステータに前記リブが係合する溝を形成し、
前記筒状部の軸方向における前記ステータの一端を、前記筒状部の段部に当接させると共に、他端を、前記筒状部に前記爪部を係止させて取り付けられたプッシュナットの基部で支持させたことを特徴とするプッシュナットを用いた結合構造。 - 前記プッシュナットは、前記筒状部と前記ステータとの間に設けられた溝内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の結合構造。
- 前記プッシュナットの基部の外径と、前記溝の外径は、略同じ径に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の結合構造。
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